JP2007246009A - ハイブリッド電気自動車の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の良好な運転性能や排ガス性能を維持しながらバッテリのSOCの変動を抑えてバッテリの劣化を抑制することができるようにしたハイブリッド電気自動車の制御装置を提供する。
【解決手段】電動機6の回転数と要求トルクとに基づいて定まる出力領域に従い、要求トルクをエンジン2と電動機6とに配分する際、バッテリ18の充電率が所定充電率範囲内にある第1の場合には、エンジン2の出力トルクをそのときのエンジン2の最大出力トルクより小さい所定の許容トルクに制限すると共にエンジン2の出力トルクが要求トルクに対して不足するときにはその不足分を電動機6の出力トルクとし、充電率が所定充電率範囲より低い第2の場合には、電動機6にトルクが配分される領域を上記第1の場合より縮小する一方、充電率が所定充電率範囲より高い第3の場合には、電動機6にトルクが配分される領域を上記第1の場合より拡大する。
【選択図】図6

Description

本発明はハイブリッド電気自動車の制御装置に関し、特にエンジンの駆動力と電動機の駆動力とがそれぞれ車両の駆動輪に伝達可能なハイブリッド電気自動車の制御装置に関する。
従来より、エンジンと電動機とを車両に搭載し、エンジンの駆動力と電動機の駆動力とをそれぞれ車両の駆動輪に伝達可能とした、いわゆるパラレル型ハイブリッド電気自動車が開発され実用化されている。
このようなパラレル型ハイブリッド電気自動車として、エンジンと自動変速機とを機械的に断接するクラッチを設け、このクラッチの出力軸と自動変速機の入力軸との間に電動機の回転軸を連結したものが、例えば特許文献1によって提案されている。
特許文献1に示されるようなハイブリッド電気自動車においては、車両発進時にはクラッチを切断してバッテリからの電力供給により電動機をモータ作動させ、電動機の駆動力のみで車両を発進させる一方、発進後の車両走行時にはクラッチを接続してエンジンの駆動力と電動機の駆動力とが変速機を介して駆動輪に伝達可能となる。
このようにしてクラッチを接続した状態で車両が走行しているときには、車両の走行に必要なトルクをエンジンと電動機とに適切に配分し、電動機をモータ作動させて駆動力を補助し、車両減速時には電動機を発電機作動させて回生制動力を発生させ、制動エネルギを電力に変換してバッテリを充電するようにしている。
また、このようなハイブリッド電気自動車において、バッテリの充電率(以下SOCという)が低下しすぎた場合には、バッテリの過放電を防止するため電動機を発電機作動させることにより、バッテリを強制充電してSOCを回復させている。逆に、SOCが上昇しすぎた場合には、バッテリの過充電を防止するため電動機をモータ作動させると共に、電動機側のトルク配分を増大させることにより、バッテリを強制放電させてSOCを適正値まで低下させるようにしている。
特開平5−176405号公報
ところが、このように強制充電や強制放電が行われる程度の範囲までSOCの変動を許容するとバッテリの劣化が促進されてしまうという問題がある。
また、一般的にエンジンは中回転領域(例えば700〜2000rpm)において高トルクを出力させた状態で運転すると、NOx排出量が増大する傾向がある。
しかしながら、上記特許文献1のハイブリッド電気自動車のように単に車両の運転状態に応じてエンジンと電動機とのトルク配分を制御するようにした場合、バッテリのSOCの変動範囲については全く考慮されておらず、SOCの変動範囲の拡大によるバッテリの劣化を抑制することが困難であった。また、単に車両の運転状態に応じてエンジンと電動機とのトルク配分を行うことにより、中回転領域においてエンジンの出力トルクを高トルクとした運転状態となることがあり、このような運転状態が継続した場合にはエンジンからのNOx排出量が増大してしまうという問題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の良好な運転性能や排ガス性能を維持しながらバッテリのSOCの変動を抑えてバッテリの劣化を抑制することができるようにしたハイブリッド電気自動車の制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のハイブリッド電気自動車の制御装置は、エンジンの駆動力と電動機の駆動力とがそれぞれ車両の駆動輪に伝達可能であって、上記車両の運転状態に応じて求めた要求駆動トルクに基づき、上記エンジン及び上記電動機を制御するようにしたハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記電動機がモータとして作動するときに上記電動機に電力を供給し、上記電動機が発電機として作動するときに上記電動機の発電電力が充電されるバッテリと、上記バッテリの充電率を検出する充電率検出手段と、上記電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、上記回転数検出手段によって検出された上記電動機の回転数と上記要求トルクとに基づいて定まる出力領域に従い、上記要求トルクを上記エンジンと上記電動機とに配分し、配分されたそれぞれのトルクに応じて上記エンジンと上記電動機とを制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記充電率検出手段によって検出された上記充電率が所定充電率範囲内にある第1の場合には、上記エンジンの出力トルクをそのときの上記エンジンの回転数における上記エンジンの最大出力トルクより小さい所定の許容トルクに制限すると共にエンジンの出力トルクが要求トルクに対して不足するときにはその不足分を上記電動機の出力トルクとするように上記出力領域を定め、上記充電率検出手段によって検出された上記充電率が上記所定充電率範囲より低い第2の場合には、上記出力領域のうち上記電動機にトルクが配分される領域を上記第1の場合より縮小する一方、上記充電率検出手段によって検出された上記充電率が上記所定充電率範囲より高い第3の場合には、上記出力領域のうち上記電動機にトルクが配分される領域を上記第1の場合より拡大することを特徴とする(請求項1)。
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、制御手段は回転数検出手段によって検出された電動機の回転数と車両の運転状態に応じて求めた要求駆動トルクとに基づいて定まる出力領域に従い、要求トルクをエンジンと電動機とに配分し、配分されたそれぞれのトルクに応じてエンジンと電動機とを制御する。
このとき、充電率検出手段によって検出されたバッテリの充電率が所定充電率範囲内にある第1の場合には、エンジンの出力トルクをそのときのエンジンの回転数におけるエンジンの最大出力トルクより小さい所定の許容トルクに制限すると共にエンジンの出力トルクが要求トルクに対して不足するときにはその不足分を電動機の出力トルクとする。
また、充電率検出手段によって検出されたバッテリの充電率が上記所定充電率範囲より低い第2の場合には、上記出力領域のうち電動機にトルクが配分される領域を第1の場合より縮小することにより、電動機によるバッテリからのエネルギ消費量が第1の場合より減少する。
一方、充電率検出手段によって検出されたバッテリの充電率が上記所定充電率範囲より高い第3の場合には、上記出力領域のうち電動機にトルクが配分される領域を上記第1の場合より拡大することにより、電動機によるバッテリからのエネルギ消費量が第1の場合より増大する。
また、上記ハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記エンジンの排気中に含まれるパティキュレートを捕集するフィルタと、上記フィルタに捕集されて堆積したパティキュレートを焼却して上記フィルタを再生する再生手段とを更に備え、上記制御手段は、上記第1の場合に、上記再生手段によって上記フィルタの再生が行われるときには、上記フィルタの再生が行われないときに比べ、上記エンジンの低回転領域で上記許容トルクが増大すると共に、上記エンジンの高回転領域で上記許容トルクが減少するように上記出力領域を定めることを特徴とする(請求項2)。
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、制御手段は、上記第1の場合に要求トルクを配分する際、再生手段によってフィルタの再生が行われる場合には、フィルタの再生が行われない場合に比べ、エンジンの低回転領域で許容トルクを増大させると共に、エンジンの高回転領域で許容トルクを減少させる。
これにより上記第1の場合のエンジンの出力トルクは、フィルタの再生が行われる場合の方が、フィルタの再生が行われない場合よりも、エンジンの低回転領域でより大きくすることができると共にエンジンの高回転領域ではより小さく制限される。
更に、このようなハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記制御手段は、上記第3の場合に、上記フィルタの再生を行わないときには上記電動機の出力トルクを先に決定して残りを上記エンジンの出力トルクとする一方、上記フィルタの再生を行うときには上記エンジンの出力トルクを先に決定して残りを上記電動機の出力トルクとするように上記出力領域を定めることを特徴とする(請求項3)。
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、制御手段は、上記第3の場合に要求トルクを配分する際、フィルタの再生を行わないときには電動機の出力トルクを先に決定し、電動機の出力トルクが要求トルクに対して不足する場合には残りをエンジンの出力トルクとする。一方、フィルタの再生を行うときにはエンジンの出力トルクを先に決定し、エンジンの出力が要求トルクに対して不足する場合には残りを電動機の出力トルクとする。
また具体的には、このようなハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記第3の場合で上記フィルタの再生が行われるときの上記出力領域が、上記第1の場合で上記フィルタの再生が行われるときの上記出力領域と同じであることを特徴とする(請求項4)。
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、上記第3の場合で上記フィルタの再生が行われるときと、上記第1の場合で上記フィルタの再生が行われるときとで、同じ出力領域に基づきエンジンと電動機とにトルクが配分される。
また、上記ハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記制御手段は、上記第2の場合に、上記エンジンの出力トルクをそのときの上記エンジンの回転数における上記エンジンの最大出力トルクまで許容し、エンジンの出力トルクが上記要求トルクに対して不足するときにはその不足分を上記電動機の出力トルクとするように上記出力領域を定めることを特徴とする(請求項5)。
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、制御手段は、上記第2の場合に要求トルクを配分する際、エンジンの出力トルクをそのときのエンジンの回転数におけるエンジンの最大出力トルクまで許容し、エンジンの出力トルクが上記要求トルクに対して不足するときにはその不足分を上記電動機の出力トルクとする。このようにすることにより、出力領域のうちエンジンにトルクが配分される領域が上記第1の場合より拡大し、その結果として電動機にトルクが配分される領域が第1の場合より縮小する。
また、上記ハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記電動機から上記駆動輪への駆動力の伝達を維持した状態で上記エンジンから上記駆動輪への駆動力の伝達を切断可能なクラッチを更に備え、上記制御手段は、上記第3の場合に、上記電動機の出力トルクをそのときの上記電動機の回転数において上記電動機が出力可能な最大トルクまで許容し、上記要求トルクが上記最大トルク以下のときには上記クラッチを切断して上記電動機の出力トルクを上記要求トルクとする一方、上記最大トルクが上記要求トルクに対して不足するときには上記クラッチを接続して上記電動機の出力トルクを上記要求トルクとすると共にその不足分を上記エンジンの出力トルクとするように上記出力領域を定めることを特徴とする(請求項6)。
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、制御手段は、上記第3の場合に要求トルクを配分する際、電動機の出力トルクをそのときの電動機の回転数において出力可能な最大トルクまで許容し、要求トルクが最大トルク以下のときにはクラッチを切断して電動機のみで要求トルクを出力するように電動機を制御する。この結果、要求トルクが上記最大トルク以下である間はクラッチが切断され、電動機のみで要求トルクが出力される。
一方、制御手段は上記第3の場合に要求トルクを配分する際、電動機の出力トルクを最大トルクとしても要求トルクに対して不足するときにはクラッチを接続すると共にその不足分をエンジンの出力トルクとしてエンジンを制御する。この結果、最大トルクとされた電動機の出力トルクと、クラッチを介して伝達されるエンジンの出力トルクの合計が要求トルクとなる。
また、上記ハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記制御手段は、上記第1乃至第3の場合のいずれの場合であっても上記車両の発進の際には、上記電動機の出力トルクを先に決定して残りを上記エンジンの出力トルクとし、上記電動機の出力をそのときの上記電動機の回転数において上記電動機から出力可能な最大トルクまで許容するように上記出力領域を定めることを特徴とする(請求項7)。
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、上記第1乃至第3の場合のいずれの場合であっても車両の発進の際に要求トルクを配分するときは、電動機の出力トルクを先に決定して残りをエンジンの出力トルクとし、電動機の出力をそのときの電動機の回転数において電動機から出力可能な最大トルクまで許容する。
また具体的には、このようなハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記電動機から上記駆動輪への駆動力の伝達を維持した状態で上記エンジンから上記駆動輪への駆動力の伝達を切断可能なクラッチを更に備え、上記制御手段は、上記車両の発進の際に、上記要求トルクがそのときの上記電動機の回転数において上記電動機から出力可能な最大トルク以下のときには上記クラッチを切断状態として上記電動機が上記要求トルクを出力するように上記電動機を制御する一方、上記要求トルクが上記最大トルクより大きいときには上記電動機の出力トルクと上記クラッチから出力されるトルクとの合計が上記要求トルクとなるように上記クラッチの接続状態と上記エンジン及び上記電動機の出力トルクとを制御することを特徴とする(請求項8)。
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、車両の発進の際には、要求トルクがそのときの電動機の回転数において電動機から出力可能な最大トルク以下であればクラッチを切断状態として電動機が要求トルクを出力するように制御される。
一方、車両の発進の際に要求トルクが最大トルクより大きいときには、電動機の出力トルクとクラッチから出力されるトルクとの合計が要求トルクとなるようにクラッチの接続状態を制御しながらエンジン及び電動機の出力トルクとが制御される。
本発明のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、バッテリの充電率が所定充電率範囲内にある第1の場合には、エンジンの出力トルクをそのときのエンジンの回転数におけるエンジンの最大出力トルクより小さい所定の許容トルクに制限することにより、中回転領域においてNOx排出量が増大する高トルク領域を避けてエンジンを運転することが可能となり、NOx排出量の増大を防止することができる。
また、このときエンジンの出力トルクが要求トルクに対して不足する場合にはその不足分を電動機の出力トルクとすることにより、エンジン出力トルクの制限による車両の運転性能の低下を抑制することができる。
そして、バッテリの充電率が上記所定充電率範囲より低い第2の場合には、電動機の回転数と要求トルクとによって定まる出力領域のうち電動機にトルクが配分される領域を第1の場合より縮小することにより、電動機によるバッテリからのエネルギ消費量が第1の場合より減少する。この結果、電動機によるバッテリからのエネルギ消費量が減少し、更なる充電率の低下を抑制することができる。
そして、この間に車両が減速走行して電動機による回生制動が行われれば、減速時のエネルギ回収によってバッテリの充電率を回復させ、上記所定充電率範囲内に復帰させることが可能となる。
また、バッテリの充電率が上記所定充電率範囲より高い第3の場合には、上記出力領域のうち電動機にトルクが配分される領域を上記第1の場合より拡大することにより、電動機によるバッテリからのエネルギ消費量が第1の場合より増大する。この結果、電動機によるバッテリからのエネルギ消費量が増大し、更なる充電率の上昇を抑制すると共に、充電率を上記所定充電率範囲内に復帰させることが可能となる。
このように、バッテリの充電率が所定充電率範囲内にない場合には、電動機の回転数と要求トルクとによって定まる電動機のトルクの出力領域を変更し、充電率の悪化方向への更なる変動を抑制するようにしたので、充電率が大きく変動することに起因するバッテリの劣化を抑制することができる。
また、請求項2のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、上記第1の場合に要求トルクを配分する際、再生手段によってフィルタの再生が行われる場合には、フィルタの再生が行われない場合に比べ、エンジンの低回転領域で許容トルクを増大させると共に、エンジンの高回転領域で許容トルクを減少させる。この結果、フィルタの再生が行われる場合の方が、フィルタの再生が行われない場合よりも、エンジンの低回転領域でエンジンの出力トルクを増大させることが可能となると共にエンジンの高回転領域ではエンジンの出力がより小さく制限される。
このため、上記第1の場合でフィルタの再生を行う場合には、排気温度が上昇しにくいエンジンの低回転領域でエンジンの出力トルクが増大することによって、フィルタの再生に必要な排気温度まで容易に昇温することが可能となり、フィルタの再生が長引くことによる燃費悪化や、フィルタの再生不良を防止することができる。
また、上記第1の場合にはバッテリの充電率が所定充電率範囲内にあるが、このようにしてエンジンの低回転領域でエンジンの出力トルクが増大することによって電動機が消費するバッテリの電力量が減少する。一方、エンジンの高回転領域では要求トルクに占めるエンジンの出力トルクの割合が減少して電動機の出力トルクの割合が増大するので、その分だけ多くバッテリの電力を消費することになる。
このため、エンジンの低回転領域において電動機による電力消費が減少しても、高回転域での電動機による電力消費の増大によってバッテリの充電率が上昇し過ぎるようなことがなくなり、充電率を適正な充電率範囲内に維持してバッテリの劣化を抑制することができると共に、エンジンからのNOx排出量の増大を防止することができる。
また、請求項3のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、上記第3の場合に要求トルクを配分する際、フィルタの再生を行わないときには電動機の出力トルクを先に決定して残りをエンジンの出力トルクとする。これにより、電動機の出力トルクを優先的に設定することが可能となり、バッテリの充電率の上昇を抑制したり上記所定充電率範囲内に早期に復帰させたりすることができるような電動機の出力トルクを、エンジンの出力トルクに左右されることなく容易に得られるようになる。
一方、フィルタの再生を行うときにはエンジンの出力トルクを決定して残りを電動機の出力トルクとすることにより、エンジンの出力を優先的に設定することが可能となり、フィルタの再生に必要な排気温度を得ることができるようなエンジンの出力トルクを、電動機の出力トルクに左右されることなく容易に得られるようになる。
また、請求項4のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、フィルタの再生が行われるときの上記第3の場合の要求トルクの配分を、フィルタの再生が行われるときの上記第1の場合の要求トルクの配分と同じにする。このようにすることにより、フィルタの再生が行われるときに要求トルクの配分を行うためのマップや演算式などを第1の場合と第3の場合とで共有することができ、制御を効率的に行うことができると共に、マップや演算式を記憶するための記憶装置の容量を減らすことができる。
また、請求項5のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、上記第2の場合にはエンジンの出力トルクをそのときのエンジンの回転数におけるエンジンの最大出力トルクまで許容するようにしたので、電動機の回転数と要求トルクとによって定まるエンジンのトルクの出力領域が最大限拡大される。その結果、電動機にトルクが配分される可能性が低下すると共に、エンジンのトルクと併用する場合の電動機の出力トルクを可能な限り小さく抑えることができ、電動機によるバッテリからのエネルギ消費を最大限抑制し、バッテリの充電率の低下を効果的に抑制可能となる。
更に、このときエンジンの出力トルクが上記要求トルクに対して不足する場合には、その不足分を上記電動機の出力トルクとすることにより車両の走行に必要な要求トルクを確実に得ることができ、トルク不足による車両の運転性能の低下を防止することができる。
また、請求項6のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、上記第3の場合に要求トルクがそのときの電動機の回転数において出力可能な最大トルク以下のときにはクラッチを切断して電動機のみで要求トルクを出力する。これにより、電動機の回転数と要求トルクとによって定まる電動機のトルクの出力領域が最大限拡大され、電動機によるバッテリからのエネルギ消費を最大限増大させて、バッテリの充電率の上昇を効果的に抑制することができ、充電率を上記所定充電率範囲内に復帰させることが可能となる。
更に、このとき電動機の出力トルクを最大トルクとしても要求トルクに対して不足するときにはクラッチを接続すると共にその不足分をエンジンから出力トルクするようにしたので、車両の走行に必要な要求トルクを確実に得ることができ、トルク不足による車両の運転性能の低下を防止することができる。
また、請求項7のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、上記第1乃至第3の場合のいずれの場合であっても車両の発進の際には、電動機の出力トルクを先に決定して残りをエンジンの出力トルクとし、電動機の出力をそのときの電動機の回転数において電動機から出力可能な最大トルクまで許容する。このようにして、低回転数領域では比較的運転効率の悪いエンジンをできるだけ使用しないようにすることにより、燃費が改善されると共に、車両発進時に電動機のトルクを積極的に使用することで車両をスムーズに発進させることができる。
更に、このとき要求トルクが電動機の最大トルクより大きい場合にはエンジンの出力トルクによってその不足分を補い、車両の発進に必要な要求トルクを確実に得て、トルク不足による運転フィーリングの低下を防止することができる。
また、請求項8のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、車両の発進の際に電動機が要求トルクを出力可能であるときにはクラッチを切断状態として電動機の駆動力のみで駆動輪を駆動するようにしたので、低回転数領域で比較的運転効率の悪いエンジンを駆動輪の駆動に使用しないことにより、燃費がより一層改善されると共に、車両発進時に電動機のトルクのみを使用することで車両をよりスムーズに発進させることができる。
更に、車両の発進の際に要求トルクが最大トルクより大きいときには、電動機の出力トルクとクラッチから出力されるトルクとの合計が要求トルクとなるようにクラッチの接続状態を制御しながらエンジン及び電動機の出力トルクとが制御されるので、車両の発進に必要な要求トルクを確実に得て、トルク不足による運転フィーリングの低下を防止することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態であるハイブリッド電気自動車1の制御装置の要部構成図である。ディーゼルエンジン(以下エンジンという)2の出力軸にはクラッチ4の入力軸が連結されており、クラッチ4の出力軸は永久磁石式同期電動機(以下電動機という)6の回転軸を介して自動変速機(以下変速機という)8の入力軸が連結されている。また、変速機8の出力軸はプロペラシャフト10、差動装置12及び駆動軸14を介して左右の駆動輪16に接続されている。
従って、クラッチ4が接続されているときには、エンジン2の出力軸と電動機6の回転軸の両方が、変速機8を介して駆動輪16と機械的に接続可能となり、クラッチ4が切断されているときには電動機6の回転軸のみが変速機8を介して駆動輪16と機械的に接続可能となる。
電動機6は、バッテリ18に蓄えられた直流電力がインバータ20によって交流電力に変換されて供給されることによりモータとして作動し、その出力トルクが変速機8によって適切な速度に変速された後に駆動輪16に伝達されるようになっている。また、車両減速時には電動機6が発電機として作動し、駆動輪16の回転による運動エネルギが変速機8を介し電動機6に伝達されて交流電力に変換されることにより回生制動力を発生する。そして、この交流電力はインバータ20によって直流電力に変換された後、バッテリ18に充電され、駆動輪16の回転による運動エネルギが電気エネルギとして回収される。
一方、エンジン2の出力トルクは、クラッチ4が接続されているときに電動機6の回転軸を経由して変速機8に伝達され、適切な速度に変速された後に駆動輪16に伝達されるようになっている。従って、エンジン2の出力トルクが駆動輪16に伝達されているときに電動機6がモータとして作動する場合には、エンジン2の出力トルクと電動機6の出力トルクとがそれぞれ変速機8を介して駆動輪16に伝達されることになる。即ち、車両の駆動のために駆動輪16に伝達されるべきトルクの一部がエンジン2から供給されると共に、残部が電動機6から供給される。
また、バッテリ18の充電率(以下SOCという)が低下してバッテリ18を充電する必要があるときには、電動機6が発電機として作動すると共に、エンジン2の出力トルクの一部を用いて電動機6を駆動することにより発電が行われ、発電された交流電力をインバータ20によって直流電力に変換した後にバッテリ18に充電するようにしている。
車両ECU22(制御手段)は、車両やエンジン2の運転状態、及びエンジンECU(再生手段)24、インバータECU26並びにバッテリECU28からの情報などに応じて、クラッチ4の接続・切断制御及び変速機8の変速段切換制御を行うと共に、これらの制御状態や車両の発進、加速、減速など様々な運転状態に合わせてエンジン2や電動機6を適切に運転するための統合制御を行う。
そして車両ECU22は、このような制御を行う際に、アクセルペダル30の踏込量を検出するアクセル開度センサ32や、車両の走行速度を検出する車速センサ34及び電動機6の回転数を検出する回転数センサ(回転数検出手段)36の検出結果に基づき、車両の走行に必要な要求トルクを演算し、この要求トルクから、エンジン2が発生するトルク及び電動機6が発生するトルクを設定している。
なお、回転数センサ36によって検出された電動機6の回転数は、クラッチ4が接続されたときにはエンジン2の回転数に一致する。
エンジンECU24は、エンジン2の始動・停止制御やアイドル制御など、エンジン2自体の運転に必要な各種制御を行うと共に、車両ECU22によって設定されたエンジン2に必要とされるトルクをエンジン2が発生するよう、エンジン2の燃料の噴射量や噴射時期などを制御する。
インバータECU26は、車両ECU22によって設定された電動機6が発生すべきトルクに基づきインバータ20を制御することにより、電動機6をモータ作動または発電機作動させて運転制御する。
バッテリECU(充電率検出手段)28は、バッテリ18の温度や、バッテリ18の電圧、インバータ20とバッテリ18との間に流れる電流などを検出すると共に、これらの検出結果からバッテリ18のSOCを求め、求めたSOCを検出結果と共に車両ECU22に送っている。
また、エンジン2の排気通路38には、エンジンの排気を浄化する排気後処理装置40が設けられており、排気後処理装置40内には酸化触媒42が配設されると共に、酸化触媒42の下流側にパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)44が配設されている。
フィルタ44はハニカム型のセラミック担体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、エンジン2の排気中に含まれるパティキュレートを捕集することによってエンジン2の排気を浄化している。
また、酸化触媒42はエンジン2の排気中に含まれるCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素)を酸化して浄化するほか、フィルタ44のパティキュレート堆積量が増大し、フィルタ44の再生が必要となったときに、エンジン2の排気通路38中に供給されるHCを酸化してフィルタ44に流入する排気の温度を上昇させるために設けられている。
このフィルタ44の再生のための制御はエンジンECU24によって行われ、その内容は以下の通りである。
エンジンECU24は、フィルタ44前後の排気圧力差などからフィルタ44におけるパティキュレートの堆積量が所定量以上になったと判定すると、フィルタ44の再生制御を開始する。
フィルタ44の再生を行うためには、上述したように酸化触媒42で排気中のHCを酸化させて、フィルタ44に流入する排気の温度を上昇させる必要があるが、酸化触媒42でHCが酸化可能な活性温度(例えば250℃)までエンジン2の排気温度が十分上昇していない場合には、エンジン2の燃焼室への燃料の主噴射とは別に膨張行程で追加燃料噴射を行って、エンジン2の排気ポートや排気マニホールド(いずれも図示せず)内で燃料を燃焼させたり、吸入空気量を絞ったりして排気温度を上昇させる。
排気温度が酸化触媒42でHCを酸化可能な温度になると、エンジンECU24は燃料の主噴射とは別に排気行程でポスト噴射を行ったり、或いは排気通路38に燃料添加弁(図示せず)を設けている場合にはこの燃料添加弁から排気通路38内に燃料を噴射したりして排気中にHCを供給する。排気中のHCは酸化触媒42で酸化して排気の温度を上昇させ、フィルタ44に流入する排気の温度が、パティキュレートの燃焼可能な温度(例えば600℃)まで上昇することにより、フィルタ44に堆積しているパティキュレートが焼却されて、フィルタ44が再生される。
フィルタ44内のパティキュレートが焼却されることによりフィルタ44前後の圧力差が低下すると、エンジンECU24はフィルタ44の再生が完了したものとして再生制御を終了する。
このように構成されたハイブリッド電気自動車1において、車両を走行させるために車両ECU22を中心として以下のような制御が行われる。
まず、車両が停車状態にあってエンジン2が停止しており変速機8のチェンジレバー(図示せず)がニュートラル位置にあるときに、運転者がスタータスイッチ(図示せず)によってエンジン2の始動操作を行うと、車両ECU22は変速機8がニュートラル位置となって電動機6と駆動輪16との機械的な接続が遮断されていると共にクラッチ4が接続されていることを確認した後、インバータECU26に対してエンジン2の始動に必要な電動機6の出力トルクを指示すると共に、エンジンECU24にエンジン2を運転するよう指示する。
インバータECU26は車両ECU22からの指示に基づき、電動機6をモータ作動させてトルクを発生させ、エンジン2をクランキングし、エンジンECU24がエンジン2への燃料の供給を開始することによりエンジン2が始動してアイドル運転を行う。
このようにしてエンジン2を始動した後、運転者がチェンジレバーをドライブ位置などに操作するとクラッチ4が切断されると共に変速機8がニュートラル状態から発進用変速段に切り換えられ、更にアクセルペダル30を踏み込むと、車両ECU22はアクセル開度センサ32によって検出されたアクセルペダル30の踏込量に応じ、車両を発進させ走行させるために変速機8に伝達すべき要求トルクを設定する。
そして、車両ECU22はこの要求トルクと電動機6の回転数とに基づきエンジン2及び電動機6に配分されるトルクが定められた出力領域を示す制御マップを予め記憶しており、この制御マップを用い、エンジン2及び電動機6が出力すべきトルクを配分して設定すると共に、必要に応じてクラッチ4及び変速機8の制御を行っている。
車両ECU22が記憶している制御マップは複数あって、バッテリECU28が検出したバッテリ18のSOCや、フィルタ44の再生の有無に応じて適宜切り換えて使用されるが、図2乃至図5にこれらの制御マップを示す。
なお、制御マップの切り換えを行う際には、一方の制御マップから他方の制御マップに直ちに切り換えるのではなく、予め定められた移行期間の間に、一方の制御マップに応じた制御量と他方の制御マップに応じた制御量との間の制御量となるように補間処理を行いながら徐々に切り換えるようにしている。
図2は、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲(例えば40〜50%)内にある場合(第1の場合)で、フィルタ44の再生が行われていないときに使用される制御マップAを示す。
この制御マップAは、図2に示すように電動機6の回転数と要求トルクとによってエンジン2及び電動機6のトルクの出力領域を規定するものであり、要求トルクの上限値Tmaxより下方の領域において図中の実線によりいくつかの出力領域に分割されている。制御マップのこのような構成は図3乃至図5の制御マップにおいても同様であって、出力領域の分割方法が各制御マップで相違している。
図2の制御マップAでは回転数N1を境にして出力領域が分割されており、この回転数N1はエンジン2のアイドル回転数(例えば650rpm)とほぼ一致している。
また、図2中の一点鎖線は、各回転数において電動機6が出力可能な最大トルクTmを示している。この最大トルクTmは、電動機6を連続運転した場合に電動機6やバッテリ18がオーバヒートしない出力トルクとして、電動機6の仕様に基づき電動機6の回転数に応じて予め設定されるものであり、図2に示すように回転数N1以下の回転領域では出力領域の境界を示す実線と重複している。
このような制御マップAにおいて、回転数N1以下の回転領域では、電動機6の最大トルクTmを示す曲線を境界として、出力領域がM11とE11の2つに分けられている。そして、電動機6の回転数と要求トルクとによって定まる点が領域M11内にある場合には、電動機6の回転数がエンジン2のアイドル回転数より低く、また電動機6のみで要求トルクを出力することが可能であることから、クラッチ4が切断されて電動機6からの出力トルクのみが変速機8に伝達されるようになっている。
また、電動機6の回転数と要求トルクとによって定まる点が領域E11内にある場合には、電動機6の最大トルクTmだけでは要求トルクを得ることができないため、電動機6にそのときの回転数に対応した最大トルクTmを出力させると共に、要求トルクに対して最大トルクTmが不足する分をエンジン2から供給すると共にクラッチ4を半クラッチ状態とし、エンジン2の回転数が低下してエンジンストールを起こさないようにしている。
回転数N1より高い回転領域では、出力領域がE12、M12及びE13の3つに分けられており、領域E12と領域M12との境界線は、図中に二点鎖線で示すようなエンジン2が出力可能な最大トルクTeより小さく設定された許容トルクに対応している。このような許容トルクは、一般的に高出力トルクの領域でエンジン2のNOx排出量が増大する傾向にあることから、エンジン2の出力トルクをNOx排出量の比較的少ない領域に留めるために設けられている。
そして、要求トルクがこのような領域E12内にある場合には、クラッチ4を接続すると共に電動機6の出力トルクを0N・mとし、エンジン2のみで要求トルクを出力するように制御が行われる。
領域M12は領域E12に電動機6の最大トルクTmを上乗せして得られる出力領域であって、電動機6の回転数と要求トルクとによって定まる点が領域M12内にある場合には、クラッチ4を接続してエンジン2から許容トルクの出力トルクを出力させると共に、要求トルクに対してエンジン2の出力トルクが不足する分を電動機6に出力させる。
また、領域E13は、エンジン2から出力される許容トルクと電動機6から出力される最大トルクTmの合計だけでは要求トルクを得ることができない領域であり、車両の急加速や登坂時などの限られた条件のときに、このような領域E13に要求トルクが入ることがある。そして、電動機6の回転数と要求トルクとによって定まる点が領域E13内にある場合には、クラッチ4を接続状態とし、電動機6から最大トルクTmを出力させると共に、エンジンの出力トルクと電動機の出力トルクとの合計が要求トルクとなるようにエンジンの出力トルクを許容トルクから増大させる。
次に図3は、バッテリ18のSOCが上記所定SOC範囲内にある場合で、フィルタ44の再生が行われているとき、及びバッテリ18のSOCが上記所定SOC範囲より大きい場合(第3の場合)で、フィルタ44の再生が行われているときに使用される制御マップBを示す。
図3中の一点鎖線は、図2の場合と同様に、各回転数において電動機6が出力可能な最大トルクTmを示しており、回転数N1以下の領域では領域の境界を示す実線と重複している。また、回転数N1以下の領域では出力領域がM21とE21との2つに分けられているが、これら領域M21及びE21は図2の制御マップAにおける領域M11及びE11と全く同一となっている。
回転数N1より高い回転領域では、図3に示すように出力領域がE22及びM22の2つに分けられており、領域E22と領域M22との境界がエンジン2の許容トルクに対応するものとなる。そして、電動機6の回転数と要求トルクとによって定まる点が領域E22内にある場合には、図2の制御マップAを使用するときの領域E12と同様に、クラッチ4を接続すると共に電動機6の出力トルクを0N・mとし、エンジン2のみで要求トルクを出力するように制御が行われる。
また、要求トルクが領域M22内にある場合には、図2の制御マップAを使用するときの領域M12と同様に、クラッチ4を接続してエンジン2から許容トルクの出力トルクを出力させると共に、要求トルクに対してエンジン2の出力トルクが不足する分を電動機6に出力させる。
図3に示す二点鎖線は図2の制御マップAにおける領域E12と領域M12との境界を示すものであり、回転数N2(例えば1800rpm)よりも低い回転領域ではフィルタ44の再生を行う場合の許容トルクの方がフィルタ44の再生を行わない場合の許容トルクよりも大きくなる一方、回転数N2よりも高い回転領域ではフィルタ44の再生を行う場合の許容トルクの方がフィルタ44の再生を行わない場合の許容トルクよりも小さくなっている。
即ち、回転数N1より高い回転領域ではクラッチ4が接続されており、電動機6の回転数とエンジン2の回転数とは一致することから、回転数N2より低いエンジン2の低回転領域ではフィルタ44の再生を行う場合の方がフィルタ44の再生を行わない場合よりも許容トルクが大きくなることによって、エンジン2から大きなトルクを出力可能となる。
また、回転数N2より高いエンジン2の高回転領域では、フィルタ44の再生を行う場合の方がフィルタ44の再生を行わない場合よりも許容トルクが小さくなることにより、エンジン2の出力トルクが低く抑えられる。このため、図3に示すように、その分だけ電動機6の出力トルクはフィルタ44の再生を行わない場合の方が再生を行う場合より大きくなる。
なお、制御マップBでは、このようにエンジン2の低回転領域で許容トルクを増大させたことにより、回転数N1より高い領域ではエンジン2の許容トルクと電動機6の最大トルクの和が要求トルクの上限値Tmaxを上回るため、制御マップAの領域E13のような領域は不要となっている。従って、エンジン2や電動機6の特性により、エンジン2の低回転領域で許容トルクを増大させても許容トルクと電動機6の最大トルクTmとの和が要求トルクに対して不足する場合には、フィルタ44の再生を行う場合の制御マップBにも制御マップAの領域E13に相当する領域を設けるようにして、車両の運転性能を確保するようにしても良い。
このように、バッテリ18のSOCが上記所定SOC範囲内にある場合、回転数N1より高い回転領域ではエンジンの出力トルクをそのときのエンジンの回転数におけるエンジンの最大出力トルクより小さい所定の許容トルクに制限すると共に、エンジンの出力トルクが要求トルクに対して不足するときにはその不足分を上記電動機の出力トルクとしている。そして、フィルタの再生が行われるときには、再生が行われないときに比べ、エンジンの低回転領域で許容トルクを増大させると共に、エンジンの高回転領域で上記許容トルクを減少させている。
図4はバッテリ18のSOCが上記所定SOC範囲よりも低い場合(第2の場合)に、フィルタ44の再生が行われているか否かにかかわらず使用される制御マップCを示す。
図4中の一点鎖線は、図2及び図3の場合と同様に、各回転数において電動機6が出力可能な最大トルクTmを示しており、回転数N1以下の回転領域では領域の境界を示す実線と重複している。また、回転数N1より低い領域では出力領域がM31とE31との2つに分けられているが、これら領域M31及びE31は図2の制御マップAにおける領域M11及びE11と全く同一となっている。
回転数N1より高い回転領域では、図3に示すように出力領域がE32及びM32の2つに分けられており、領域E32と領域M32との境界はそのときの回転数においてエンジン2が出力可能な最大トルクTeに対応するものとなっている。そして、電動機6の回転数と要求トルクとによって定まる点が領域E32内にある場合には、図2の制御マップAを使用するときの領域E12と同様に、クラッチ4を接続すると共に電動機6の出力トルクを0N・mとし、エンジン2のみで要求トルクを出力するように制御が行われる。
また、要求トルクが領域M32内にある場合には、クラッチ4を接続してエンジン2から最大トルクTeを出力させると共に、要求トルクに対してエンジン2の出力トルクが不足する分を電動機6に出力させる。
このように、バッテリ18のSOCが上記所定SOC範囲より低い場合、回転数N1より高い回転領域では、エンジン2の出力トルクを最大トルクTeまで許容することで、制御マップCにおいてエンジン2にトルクが配分される領域E32が図2の制御マップAの領域E12よりも拡大され、その結果として電動機6にトルクが配分される領域M32が図2の制御マップAの領域M12よりも縮小される。
なお、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲より低い場合には、このようにエンジン2の出力トルクを最大トルクまで許容するようにしているため、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合のようにフィルタ44の再生の要否に応じて制御マップを切り換える必要はないものとして、フィルタ44の再生の要否に関わらず共通の制御マップCを用いるようにしている。
図5はバッテリ18のSOCが上記所定SOC範囲よりも高い場合(第3の場合)で、フィルタ44の再生が行われていないときに使用される制御マップDを示す。
図5の制御マップDでは、これまでに説明した他の3つの制御マップA乃至Cのように回転数N1を境界とはせず、各回転数において電動機6が出力可能な最大トルクTmを境界として、M41とE41との2つの領域に分かれている。従って、回転数N1以下の回転数領域に限れば、他の3つの制御マップA乃至Cでも電動機6が出力可能な最大トルクTmを境界としていることから、これら領域M41及びE41は図2の制御マップAにおける領域M11及びE11と全く同一のものとなる。
また、図5の制御マップDでは、回転数N1より高い回転領域でもM41とE41との2つの領域に分かれており、電動機6の回転数と要求トルクとによって定まる点が領域M41内にある場合には、クラッチ4が切断されて電動機6からの出力トルクのみが変速機8に伝達されるようになっている。
一方、電動機6の回転数と要求トルクとによって定まる点が領域E41内にある場合には、電動機6の最大トルクTmだけでは要求トルクを得ることができないため、電動機6にそのときの回転数に対応した最大トルクTmを出力させると共に、クラッチ4を接続して要求トルクに対して最大トルクTmが不足する分をエンジン2から出力するようにしている。
このように、バッテリ18のSOCが上記所定SOC範囲より高い場合、回転数N1より高い回転数領域では、電動機6の出力トルクを最大トルクTmまで許容すると共に、クラッチを切断して電動機6のみで要求トルクを出力することにより、図5に示すように比較的高い回転数の領域において、電動機6にトルクが配分される領域M41が、図2の制御マップにおける領域M12よりも拡大している。
また、バッテリ18のSOCが上記所定SOC範囲より高い場合でフィルタ44の再生が行われるときには、前述したように図3の制御マップBが使用される。フィルタ44の再生が行われない場合には図5の制御マップDが使用されることにより、電動機6の出力トルクが優先的に設定されるが、フィルタ44の再生を行うときには図3の制御マップBを使用することによりエンジン2の出力トルクを優先的に設定し、フィルタ44の再生に必要な排気温度を得ることができるようなエンジン2の出力トルクを、電動機6の出力トルクに左右されることなく容易に得られるようにしている。
更に、図3の制御マップBは、前述のように図2の制御マップAに対してエンジン2の低回転領域でエンジン2にトルクが配分される領域を拡大することにより、フィルタ44の再生に必要な排気温度を得やすくすると共に、エンジン2の低回転領域における電動機6の出力トルクの減少に伴うSOCの上昇を、エンジン2の高回転領域で電動機6にトルクが配分される領域を拡大することにより防止するようにしているので、フィルタ44の再生を行う際に適合した制御マップとなっている。
以上のように、回転数N1以下の領域でエンジン2及び電動機6にトルクが配分される領域は、各制御マップで全く同一となっており、回転数N1より高い回転数領域においてエンジン2及び電動機6にトルクが配分される出力領域がそれぞれの制御マップで増減する。
これらの制御マップは、車両ECU22が実行する制御マップ切換制御によって切り換えられて使用される。この制御マップ切換制御は、運転者によりスタータスイッチが操作され、車両ECU22を初めとして各ECUに電源が投入されるとスタートし、図6に示すフローチャートに従って所定の制御周期で実行される。
制御開始後の最初の制御周期でステップS1に進むと、フラグF1の値が1であるか否かを判定する。このフラグF1は値が0であることによって、その制御周期が制御開始後の最初の制御周期であることを示すものであり、スタータスイッチがオフにされて制御を終了したときにリセットされ、値が0となるようになっている。
従って、ここではステップS2に処理が進み、後のステップでバッテリ18のSOCが所定のSOC範囲内にあるか否かを判定するために使用する判定値K1及びK2の値を設定し、K1=SOC1(例えば40%)とすると共にK2=SOC2(例えば50%)としてステップS3に進む。
ステップS3に進むとフラグF1の値を1とし、次のステップS4ではバッテリECU28が検出したバッテリ18のSOCを読み込む。
そしてステップS5では、ステップS4で読み込んだバッテリ18のSOCが、ステップS2で設定した判定値K1より小さいか否かを判定する。
バッテリ18のSOCがステップS2で設定した判定値K1以上である場合には、ステップS6に進み判定値K1の値を再びSOC1とした後にステップS7に進んで、ステップS4で読み込んだバッテリ18のSOCが、ステップS2で設定した判定値K2より大きいか否かを判定する。
バッテリ18のSOCがステップS2で設定した判定値K2以下である場合には、判定値K1〜K2の所定SOC範囲内にあることになるが、この場合にはステップS8に進んで判定値K2の値を再びSOC2とした後にステップS9に進む。
ステップS9では、フィルタ44の再生を行っているか否かをエンジンECU24からの情報により判定し、フィルタ44の再生中ではない場合にはステップS10に進んで図2の制御マップAを選択し、フィルタ44の再生中である場合にはステップS11に進んで図3の制御マップBを選択し、今回の制御周期を終了する。
次の制御周期では再びステップS1から処理が開始されるが、フラグF1の値は既に1となっており、今回は直接ステップS4に処理が進む。
そして、ステップS4で現在のバッテリ18のSOCを読み込んだ後、ステップS5に進んでバッテリ18のSOCが判定値K1より小さいか否かを再び判定する。従って、各制御周期においてステップS4で読み込むバッテリ18のSOCが判定値K1〜K2の所定SOC範囲内にある限りは、フィルタ44の再生が行われない場合にステップS10で制御マップAが選択され、フィルタ44の再生が行われる場合にステップS11で制御マップBが選択されることになる。
一方、バッテリ18のSOCが低下し、ステップS5で判定値K1より小さいと判定した場合は、ステップS12に進んで判定値K1の値をSOC1+aとする。このaは、バッテリ18のSOCが回復して再び所定SOC範囲内に復帰する際、判定値K1としてSOC1を使用すると、バッテリ18のSOCが判定値K1近傍にあるときに制御マップの切り換えにハンチングを生じる可能性があるため、これを防止するためのヒステリシスとして設けられており、ここでは例えば2%となっている。
ステップS12から次のステップS13に進むと、図4の制御マップCを選択して今回の制御周期を終了する。
次の制御周期では、再びステップS1から処理が開始され、前述のようにしてステップS4で現在のバッテリ18のSOCを読み込んだ後、ステップS5に進んでバッテリ18のSOCが判定値K1より小さいか否かを再び判定する。
このとき判定に使用される判定値K1は、前の制御周期のステップS12でSOC1+aとされており、各制御周期においてステップS4で読み込むバッテリ18のSOCがSOC1+a以上とならない限りは、ステップS12を経てステップS13で制御マップCが選択されることになる。
そして、バッテリ18のSOCが回復し、ステップS5でバッテリ18のSOCが判定値K1(=SOC1+a)以上であると判定すると、再びステップS6に処理が進むようになり、ステップS6では判定値K1の値をSOC1に戻す。
またバッテリ18のSOCが上昇し、ステップS6からステップS7に進んだときに、ステップS4で読み込んだバッテリ18のSOCが判定値K2より大きいと判定したときは、ステップS14に進んで判定値K2の値をSOC2−bとする。このbもステップS12で用いたaと同様の目的で使用されるものであり、バッテリ18のSOCが低下して再び所定SOC範囲内に復帰する際の制御マップの切り換えにおけるハンチングを防止するためのヒステリシスとして設けられており、ここでは例えば3%となっている。
ステップS14から次のステップS15に進むと、フィルタ44の再生を行っているか否かをエンジンECU24からの情報により判定し、フィルタ44の再生中ではない場合にはステップS16に進んで図5の制御マップDを選択し、またフィルタ44の再生中である場合にはステップS11に進んで図3の制御マップBを選択し、今回の制御周期を終了する。
次の制御周期では、再びステップS1から処理が開始され、前述のようにしてステップS4で現在のバッテリ18のSOCを読み込んだ後、ステップS5に進んでバッテリ18のSOCが判定値K1より小さいか否かを再び判定する。
このとき判定に使用される判定値K1はSOC1に戻されており、各制御周期においてステップS4で読み込むバッテリ18のSOCがSOC1以上である限りは、前述のようにしてステップS6を経てステップS7に進む。
ステップS7では、ステップS4で読み込んだバッテリ18のSOCが判定値K2より大きいか否かを判定するが、このときの判定値K2は前の制御周期のステップS14でSOC2−bとされており、各制御周期においてステップS4で読み込むバッテリ18のSOCがSOC2−b以下とならない限りは、ステップS14を経てステップS15でフィルタ44の再生中であるか否かを判定した後、フィルタ44の再生中でなければステップS16で制御マップDが選択され、フィルタ44の再生中であればステップS11で制御マップBが選択されることになる。
そして、バッテリ18のSOCが低下し、ステップS7でバッテリ18のSOCが判定値K2(=SOC2−b)以下であると判定すると、再びステップS8に処理が進むようになり、ステップS8では判定値K2の値をSOC2に戻す。
以上のようにして制御マップ切換制御を行うことにより、バッテリ18のSOCが判定値K1〜K2の所定SOC範囲内にある場合には、フィルタ44の再生が行われていなければ図2の制御マップAが選択される。
図2の制御マップAが選択された場合、車両の発進時に適用される制御領域は回転数N1より低い低回転領域となることから、アクセルペダル30の踏込量に応じて設定した要求トルクと回転数センサ36によって検出された電動機6の回転数とによって定まる動作点が図2の領域M11及び領域E11のいずれにあるかでエンジン2と電動機6とのトルクの配分が異なる。
即ち、上記動作点が領域M11内にある場合には、クラッチ4を切断すると共に電動機6の出力トルクが要求トルクとなるように車両ECU22からインバータECU26に指示がなされる。
インバータECU26は、車両ECU22が設定した要求トルクに応じてインバータ20を制御し、バッテリ18の直流電力がインバータ20によって交流電力に変換されて電動機6に供給される。電動機6は交流電力が供給されることによってモータ作動して要求トルクを出力し、電動機6の出力トルクは変速機8を介して駆動輪16に伝達され、車両が発進する。
一方、上記動作点が領域E11内にある場合には、電動機6から上限トルクTmを出力させるように車両ECU22からインバータECU26に指示がなされると共に、要求トルクに対して上限トルクTmが不足する分をエンジン2から出力するように車両ECU22からエンジンECU24に指示がなされる。
このとき、電動機6の回転数はエンジン2の回転数より低いため、車両ECU22はクラッチ4を半クラッチ状態に制御すると共に、クラッチ4から変速機8に伝達されるトルクが上記不足分に等しくなるような出力トルクをエンジン2が出力するようにエンジンECU24に指示する。
インバータECU26は、車両ECU22からの指示に従い上述のようにしてインバータ20を制御し、電動機6がモータ作動して上限トルクTmを出力する。
また、エンジンECU24は、車両ECU22から指示されたトルクをエンジン2が出力するようにエンジン2を制御し、エンジン2からの出力トルクと電動機6からの出力トルクとの合計が要求トルクとなって変速機8に伝達され、車両が発進する。
このように、車両の発進時には電動機6を優先的に使用し、上限トルクTmまで出力させるようにすることで、低回転領域で比較的運転効率の悪いエンジン2の使用割合を減らしている。この結果、燃費を改善することができると共に、電動機6によって車両のスムーズな発進を行うことができる。
また、電動機6の出力トルクだけでは要求トルクを得ることができない場合には、エンジン2の出力トルクを併用して要求トルクを得るようにしたので、発進時にトルク不足となるようなことがなく、車両の良好な運転性能を確保することができる。
このようにして車両が発進加速し、走行状態になると、車両ECU22はアクセルペダル開度センサ32によって検出されたアクセルペダル30の踏込量と、車速センサ34によって検出された走行速度とに基づき車両の走行に必要な要求トルクを設定する。
そして、電動機6の回転数が上昇して回転数N1より高い領域に入ると、車両ECU22は回転数センサ36によって検出された電動機6の回転数と要求トルクとで定まる動作点が図2の領域E12、M12及びE13のいずれにあるかによって制御を切り換える。
上記動作点が領域E12内にある場合には、車両ECU22がクラッチ4を接続し、電動機6の出力トルクを0N・mとするようインバータECU26に指示すると共に、エンジン2から要求トルクを出力するようにエンジンECU24に指示する。
インバータECU26は、インバータ20を制御し、電動機6がモータ及び発電機のいずれでも作動しない状態として出力トルクを0N・mとし、エンジンECU24はエンジン2が要求トルクを出力するようにエンジン2を制御することにより、変速機8にはエンジン2が出力した要求トルクが伝達される。
また、上記動作点が領域M12内にある場合には、車両ECU22はクラッチ4を接続し、エンジン2の出力トルクが許容トルクとなるようエンジンECU24に指示すると共に、要求トルクに対してエンジン2の出力トルクが不足する分を電動機6が出力するようにインバータECU26に指示する。
エンジンECU24は、エンジン2の出力トルクが許容トルクとなるようにエンジン2を制御し、インバータECU26は、電動機6がモータとして作動して出力トルクが車両ECU22から指示されたトルクとなるようにインバータ20を制御することにより、変速機8にはエンジン2の出力トルクと電動機6の出力トルクとの合計が要求トルクとなって変速機8に伝達される。
このように電動機6の回転数がN1よりも高い領域では、エンジン2の出力トルクが許容トルク以下に制限されることによって、エンジン2はNOx排出量の比較的少ない領域で運転される。
更に、エンジン2の出力トルクが許容トルクに制限されることによって要求トルクから不足する分を電動機6の出力トルクによって補うようにしたので、変速機8には車両の走行に必要な要求トルクが伝達され、トルク不足を生じることなく車両の良好な運転性能を確保することができる。
また、上記動作点が領域E13内にある場合は、車両ECU22はクラッチ4を接続状態とし、電動機6から上限トルクTmを出力するようインバータECU26に指示すると共に、エンジン2の出力トルクと電動機6の出力トルクとの合計が要求トルクとなるような出力トルクをエンジン2が出力するようエンジンECU24に指示する。従って、エンジンECU24に指示されるエンジン2の出力トルクは許容トルクよりも大きくなる。
インバータECU26は、電動機6がモータとして作動して上限トルクTmを出力するようにインバータ20を制御し、エンジンECU24は、車両ECU22が指示した出力トルクをエンジン2が出力するようにエンジン2を制御することにより、変速機8にはエンジン2の出力トルクと電動機6の出力トルクとの合計が要求トルクとなって変速機8に伝達される。
このような制御を行うことにより、車両の急加速や登坂時などで一時的に大きな要求トルクが必要となった場合であっても、変速機8に要求トルクを確実に伝達することが可能となり、トルク不足を生じることなく車両の良好な運転性能を確保することができる。
また、制御マップ切換制御により、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合で、フィルタ44の再生が行われているときには図3の制御マップBが選択される。なお、回転数N1以下の領域における制御及びそれによって得られる効果については、前述のように制御マップにおける領域の設定が同一であることから、フィルタ44の再生を行わない場合と同じであるので説明を省略する。また、車両ECU22がエンジン2及び電動機6に配分したトルクに応じてエンジンECU24及びインバータECU26が行うエンジン2及び電動機6の制御もフィルタ44の再生を行わない場合と同様にして行われるので、以下の説明では省略する。
車両が発進加速して走行状態になり、車両ECU22は前述のようにして車両の走行に必要な要求トルクを設定する。
そして、回転数センサ36によって検出された電動機6の回転数と要求トルクとで定まる動作点が図3の制御マップBにおける領域E22内にある場合には、車両ECU22がクラッチ4を接続し、電動機6の出力トルクを0N・mとするようインバータECU26に対して指示すると共に、エンジン2から要求トルクを出力するようにエンジンECU24に対して指示する。
また、上記動作点が領域M22内にある場合には、車両ECU22はクラッチ4を接続し、エンジン2の出力トルクが許容トルクとなるようエンジンECU24に指示すると共に、要求トルクに対してエンジン2の出力トルクが不足する分を電動機6が出力するようにインバータECU26に指示する。
このように電動機6の回転数、即ちエンジン2の回転数がN1よりも高い領域では、エンジン2の出力トルクが許容トルク以下に制限されるが、このときエンジン2の回転数がN2より低い低回転領域ではフィルタ44の再生が行われない場合よりも大きな許容トルクまでエンジン2の出力が可能となる。このため、エンジン2の排気温度が上昇し、フィルタ44の再生に必要な排気温度まで容易に昇温することが可能となって、排気温度上昇のための燃料消費量増大やフィルタ44の再生が長引くことによる燃費悪化を防止すると共に、フィルタ44の再生不良を防止することができる。
また、低回転領域ではこのようにしてエンジン2の許容トルクが増大することによって電動機6の出力トルクが減少する。このため、低回転領域では電動機6によるバッテリ18の電力消費量が減少するが、エンジン2の回転数がN2より高い高回転領域ではフィルタ44の再生が行われない場合よりも小さい許容トルクにエンジン2の出力が制限されることにより、その分だけ電動機6の出力が増大して、電動機6によるバッテリ18の電力消費が増大する。
従って、エンジン2の低回転領域において電動機6の電力消費が減少しても、バッテリ18のSOCを適正な範囲内に維持してバッテリ18の劣化を抑制することができる。
また、この場合にもエンジン2の出力トルクが許容トルクに制限されることによって要求トルクから不足する分を電動機6の出力トルクによって補うようにしたので、変速機8には車両の走行に必要な要求トルクが伝達され、トルク不足を生じることなく車両の良好な運転性能を確保することができる。
次に、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲より低下した場合には、フィルタ44の再生の有無にかかわらず、前述した制御マップ切換制御によって図4の制御マップCが選択される。なお、前述したように回転数N1以下の領域における制御及びそれによって得られる効果については、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合と同じであるので説明を省略する。
また、車両ECU22がエンジン2及び電動機6に配分したトルクに応じてエンジンECU24及びインバータECU26が行うエンジン2及び電動機6の制御もバッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合と同様にして行われるので、以下の説明では省略する。
車両が発進加速して走行状態になり、車両ECU22は前述のようにして車両の走行に必要な要求トルクを設定する。
そして、回転数センサ36によって検出された電動機6の回転数と要求トルクとで定まる動作点が図4の制御マップCにおける領域E32内にある場合には、車両ECU22がクラッチ4を接続し、電動機6の出力トルクを0N・mとするようインバータECU26に対して指示すると共に、エンジン2から要求トルクを出力するようにエンジンECU24に対して指示する。
また、上記動作点が領域M32内にある場合には、車両ECU22はクラッチ4を接続し、エンジン2の出力トルクがその回転数において出力可能な最大トルクTeとなるようエンジンECU24に指示すると共に、要求トルクに対してエンジン2の出力トルクが不足する分を電動機6が出力するようにインバータECU26に指示する。
このように、バッテリ18のSOCが上記所定SOC範囲より低い場合、回転数N1より高い回転領域では、エンジン2の出力トルクを最大トルクTeまで許容することで、制御マップCにおいてエンジン2にトルクが配分される領域E32が図2の制御マップAの領域E12よりも拡大され、その結果として電動機6にトルクが配分される領域M32が図2の制御マップAの領域M12よりも縮小される。
従って、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合に比べ、電動機6によるバッテリ18からのエネルギ消費量が減少し、更なるバッテリ18のSOCの低下を抑制することができる。
また、このときエンジン2の出力トルクは最大トルクTeまで許容するようにしているため、エンジン2にトルクが配分される出力領域が最大限拡大され、電動機6の出力トルクを可能な限り小さく抑えることができる。これにより、電動機6によるバッテリ18からのエネルギ消費を最大限抑制し、バッテリ18のSOCの低下を効果的に抑制することが可能となる。
そして、この間に車両が減速走行して電動機6による回生制動が行われれば、減速時のエネルギ回収によってバッテリ18のSOCが回復し、所定SOC範囲内に復帰させることが可能となる。
なお、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲より低い場合には、このようにエンジン2の出力トルクを最大トルクまで許容するようにしているため、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合のようにフィルタ44の再生の要否に応じて制御マップを切り換える必要はないものとして、フィルタ44の再生の要否に関わらず共通の制御マップCを用いてトルクの配分が行われる。
また、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲より高い場合で、フィルタ44の再生が行われていないときには、制御マップ切換制御により図5の制御マップDが選択される。なお、前述したように回転数N1以下の領域における制御及びそれによって得られる効果については、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合と同じであるので説明を省略する。また、車両ECU22がエンジン2及び電動機6に配分したトルクに応じてエンジンECU24及びインバータECU26が行うエンジン2及び電動機6の制御もバッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合と同様にして行われるので、以下の説明では省略する。
車両が発進加速して走行状態になり、車両ECU22は前述のようにして車両の走行に必要な要求トルクを設定する。
そして、回転数センサ36によって検出された電動機6の回転数と要求トルクとで定まる動作点が図5の制御マップDにおける領域M41内にある場合には、クラッチ4を切断すると共に電動機6の出力トルクが要求トルクとなるように車両ECU22からインバータECU26に指示がなされる。
一方、上記動作点が領域E41内にある場合には、クラッチ4を接続し、電動機6から上限トルクTmを出力させるように車両ECU22からインバータECU26に指示がなされると共に、要求トルクに対して上限トルクTmが不足する分をエンジン2から出力するように車両ECU22からエンジンECU24に指示がなされる。
このように、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲より高い場合でフィルタ44の再生が行われていないときには、回転数N1より高い回転領域において、電動機6の出力トルクを優先的に設定して最大トルクTmまで許容することにより、図5に示すように比較的高い回転数の領域において、電動機6にトルクが配分される領域M41が、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合の図2の制御マップにおける領域M12よりも拡大する。
この結果、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合に比べ、電動機6によるバッテリ18からのエネルギ消費量が増大し、更なるバッテリ18のSOCの上昇を抑制すると共に、SOCを所定充電率範囲内に復帰させることが可能となる。
また、このとき電動機6の出力トルクを最大トルクTmまで許容するようにしているので、電動機6のトルクが配分される出力領域が最大限拡大され、電動機6によるバッテリ18からのエネルギ消費を最大限増大させて、バッテリ18のSOCの上昇を効果的に抑制することができ、SOCを上記所定SOC範囲内に復帰させることが可能となる。
更に、電動機6の出力トルクが最大トルクTmに達しない場合であっても、上述したように電動機6の出力トルクを優先的に設定するようにしているので、エンジン2の出力トルクに左右されることなく、電動機6によりバッテリ18のエネルギを積極的に消費することが可能となり、バッテリ18のSOCの上昇を抑制することができる。
一方、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲より高い場合で、フィルタ44の再生が行われているときには、制御マップ切換制御によって図3の制御マップBが選択される。この制御マップBはバッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合でフィルタ44の制裁が行われているときにも使用されるものであり、制御マップBに基づく車両ECU22による制御の内容は前に述べたとおりである。
そして、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲より高い場合でフィルタ44の再生が行われているときに制御マップBを使用することにより、エンジン2の出力トルクが優先的に設定されるので、電動機6の出力トルクに左右されることなくエンジン2の出力トルクを比較的多めに設定することが可能となり、フィルタ44の再生に必要な排気温度を得やすくなる。
更に、図3の制御マップBは、前述のように図2の制御マップAに対してエンジン2の低回転領域でエンジン2にトルクが配分される領域を拡大することにより、フィルタ44の再生に必要な排気温度を得やすくすると共に、低回転領域での電動機6の出力トルクの減少に伴うSOCの上昇を、高回転領域で電動機6にトルクが配分される領域を拡大することにより防止するようにしている。このため、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲より高い状態でフィルタ44の再生を行う場合に適合しており、フィルタ44の再生に必要な排気温度を容易に得られるようにしながら、バッテリ18のSOCの上昇を効果的に抑制することができる。
また、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合でフィルタ44の再生を行うときと制御マップを共用することにより、制御マップ切換制御を複雑にせずに効率的に行うことができると共に、制御マップを記憶するための記憶装置の容量を減らすことができる。
以上のようにして、電動機6の回転数と要求トルクとに基づいて定まる出力領域が示された制御マップを、バッテリ18のSOC及びフィルタ44の再生の有無に応じて切り換えるようにしたので、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲から逸脱しないようにしてバッテリ18の劣化を抑制することが可能となり、更にフィルタ44の再生中はフィルタ44の再生に必要な排気温度まで容易に昇温することが可能となって、燃費を改善すると共にフィルタ44の再生不良を防止することができる。
また、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合でフィルタ44の再生が行われていないときには、電動機6の回転数、即ちエンジン2の回転数がN1より高い領域において、急発進や登坂時などの特別な場合を除き、エンジン2の出力トルクをNOx排出量が比較的少ないトルク領域である許容トルク以下に制限するようにしたので、エンジン2からのNOx排出量の増大を抑制して良好な排ガス性能を得ることができる。
以上で本発明の一実施形態に係るハイブリッド電気自動車の制御装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、電動機6をクラッチ4と変速機8との間に配置するようにしたが、電動機6の配置はこれに限られるものではなく、例えばエンジン2とクラッチ4との間に電動機6を配置したハイブリッド電気自動車のように、エンジン2の駆動力と電動機6の駆動力とがそれぞれ駆動輪に伝達可能なハイブリッド電気自動車であれば同様の効果を得ることができる。
但し、上記実施形態においてクラッチ4を切断し、電動機6単独で駆動輪16の駆動を行うようにした場合については、エンジン2の駆動力も同時に駆動輪に伝達しながら、エンジン2の出力トルクを最小にするというような制御が必要になる。
また、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲より低い場合には、電動機6の回転数がN1より高い領域においてエンジン2の出力を最大トルクまで許容することにより、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合よりもエンジン2にトルクが配分される領域を拡大するようにしたが、必ずしも最大トルクまで許容する必要はなく、エンジン2にトルクが配分される領域が拡大されるようになっていればよい。
更に、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲より高い場合には、電動機6の回転数がN1より高い領域において比較的高い回転領域にわたり、電動機6の出力を最大トルクまで許容することにより、バッテリ18のSOCが所定SOC範囲内にある場合よりもエンジン2にトルクが配分される領域を拡大するようにしたが、必ずしも最大トルクまで許容する必要はなく、電動機6にトルクが配分される領域が拡大されるようになっていればよい。
また、上記実施形態では回転数センサ36で検出された電動機6の回転数を用いたが、変速機8の出力回転数を検出し、これを変速比を用いて電動機6の回転数に変換しても良いし、電動機6の回転数に応じて変化する量から電動機6の回転数を求めるようにしても良い。
なお、上記実施形態ではエンジン2をディーゼルエンジンとしたが、エンジン形式はこれに限られるものではなく、ガソリンエンジンなどでも良い。
また、上記実施形態において、電動機6を永久磁石式同期電動機としたが電動機の形式もこれに限られるものではない。
更に、上記実施形態では変速機8を自動変速機としたが、変速機の形式はこれに限られるものではなく、無段変速機や手動式の変速機などであっても良い。
本発明の一実施形態に係るハイブリッド電気自動車の制御装置の全体構成図である。 図1の制御装置において使用される制御マップAを示す図である。 図1の制御装置において使用される制御マップBを示す図である。 図1の制御装置において使用される制御マップCを示す図である。 図1の制御装置において使用される制御マップDを示す図である。 図1の制御装置において実行される制御マップ切換制御のフローチャートである。
符号の説明
1 ハイブリッド電気自動車
2 エンジン
4 クラッチ
6 電動機
16 駆動輪
18 バッテリ
22 車両ECU(制御手段)
24 エンジンECU(再生手段)
28 バッテリECU(充電率検出手段)
36 回転数センサ(回転数検出手段)
38 排気通路
44 フィルタ

Claims (8)

  1. エンジンの駆動力と電動機の駆動力とがそれぞれ車両の駆動輪に伝達可能であって、上記車両の運転状態に応じて求めた要求駆動トルクに基づき、上記エンジン及び上記電動機を制御するようにしたハイブリッド電気自動車の制御装置において、
    上記電動機がモータとして作動するときに上記電動機に電力を供給し、上記電動機が発電機として作動するときに上記電動機の発電電力が充電されるバッテリと、
    上記バッテリの充電率を検出する充電率検出手段と、
    上記電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、
    上記回転数検出手段によって検出された上記電動機の回転数と上記要求トルクとに基づいて定まる出力領域に従い、上記要求トルクを上記エンジンと上記電動機とに配分し、配分されたそれぞれのトルクに応じて上記エンジンと上記電動機とを制御する制御手段とを備え、
    上記制御手段は、上記充電率検出手段によって検出された上記充電率が所定充電率範囲内にある第1の場合には、上記エンジンの出力トルクをそのときの上記エンジンの回転数における上記エンジンの最大出力トルクより小さい所定の許容トルクに制限すると共にエンジンの出力トルクが要求トルクに対して不足するときにはその不足分を上記電動機の出力トルクとするように上記出力領域を定め、上記充電率検出手段によって検出された上記充電率が上記所定充電率範囲より低い第2の場合には、上記出力領域のうち上記電動機にトルクが配分される領域を上記第1の場合より縮小する一方、上記充電率検出手段によって検出された上記充電率が上記所定充電率範囲より高い第3の場合には、上記出力領域のうち上記電動機にトルクが配分される領域を上記第1の場合より拡大することを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。
  2. 上記エンジンの排気中に含まれるパティキュレートを捕集するフィルタと、
    上記フィルタに捕集されて堆積したパティキュレートを焼却して上記フィルタを再生する再生手段とを更に備え、
    上記制御手段は、上記第1の場合に、上記再生手段によって上記フィルタの再生が行われるときには、上記フィルタの再生が行われないときに比べ、上記エンジンの低回転領域で上記許容トルクが増大すると共に、上記エンジンの高回転領域で上記許容トルクが減少するように上記出力領域を定めることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  3. 上記制御手段は、上記第3の場合に、上記フィルタの再生を行わないときには上記電動機の出力トルクを先に決定して残りを上記エンジンの出力トルクとする一方、上記フィルタの再生を行うときには上記エンジンの出力トルクを先に決定して残りを上記電動機の出力トルクとするように上記出力領域を定めることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  4. 上記第3の場合で上記フィルタの再生が行われるときの上記出力領域が、上記第1の場合で上記フィルタの再生が行われるときの上記出力領域と同じであることを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  5. 上記制御手段は、上記第2の場合に、上記エンジンの出力トルクをそのときの上記エンジンの回転数における上記エンジンの最大出力トルクまで許容し、エンジンの出力トルクが上記要求トルクに対して不足するときにはその不足分を上記電動機の出力トルクとするように上記出力領域を定めることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  6. 上記電動機から上記駆動輪への駆動力の伝達を維持した状態で上記エンジンから上記駆動輪への駆動力の伝達を切断可能なクラッチを更に備え、
    上記制御手段は、上記第3の場合に、上記電動機の出力トルクをそのときの上記電動機の回転数において上記電動機が出力可能な最大トルクまで許容し、上記要求トルクが上記最大トルク以下のときには上記クラッチを切断して上記電動機の出力トルクを上記要求トルクとする一方、上記最大トルクが上記要求トルクに対して不足するときには上記クラッチを接続して上記電動機の出力トルクを上記要求トルクとすると共にその不足分を上記エンジンの出力トルクとするように上記出力領域を定めることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  7. 上記制御手段は、上記第1乃至第3の場合のいずれの場合であっても上記車両の発進の際には、上記電動機の出力トルクを先に決定して残りを上記エンジンの出力トルクとし、上記電動機の出力をそのときの上記電動機の回転数において上記電動機から出力可能な最大トルクまで許容するように上記出力領域を定めることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  8. 上記電動機から上記駆動輪への駆動力の伝達を維持した状態で上記エンジンから上記駆動輪への駆動力の伝達を切断可能なクラッチを更に備え、
    上記制御手段は、上記車両の発進の際に、上記要求トルクがそのときの上記電動機の回転数において上記電動機から出力可能な最大トルク以下のときには上記クラッチを切断状態として上記電動機が上記要求トルクを出力するように上記電動機を制御する一方、上記要求トルクが上記最大トルクより大きいときには上記電動機の出力トルクと上記クラッチから出力されるトルクとの合計が上記要求トルクとなるように上記クラッチの接続状態と上記エンジン及び上記電動機の出力トルクとを制御することを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
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