JP2010166761A - スイッチドリラクタンスモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造しやすく、軽量で、トルクリップルが少ないスイッチドリラクタンスモータを実現すること。
【解決手段】ステータコアは、軸方向に延在する複数の軟磁性ステータセグメント3を周方向へ電気角2πピッチで配置して構成される。ステータセグメント3は、スロットを挟んで軸方向に配置されたステータ磁極31〜34をもつ。ロータコアは、軸方向に延在する複数の軟磁性ロータセグメント7U、7V、7Wからなる複数のロータセグメント群を周方向へ電気角2πピッチで配置して構成される。ロータセグメント7Uはステータ磁極31、32を磁気短絡し、ロータセグメント7Vはステータ磁極32、33を磁気短絡し、ロータセグメント7Wはステータ磁極33、34を磁気短絡する。リングコイルからなるDCコイル40A、40B、40C及びACコイル4A、4B、4Cは、それぞれ各ステータ磁極31〜34の間のスロットを別々に周方向へ貫通する。
【選択図】図9

Description

本発明は、スイッチドリラクタンスモータ及びその駆動回路の改良に関する。
(従来の軸方向RM)
軟磁性のロータコアの磁気抵抗(リラクタンス)の変化を利用するリラクタンスモータ(RM)は、高価な永久磁石を用いないため強度が大きく製造コストを減らせるという利点をもつ。更に、永久磁石型のロータをもつ通常の同期モータに比べて永久磁石の機械支持が不要となるため高速回転が可能であり、高速回転時の逆起電力の問題も生じない。これらの利点は、モータアシストターボチャージャやインホィルモータなどの可変速高速回転モータとして好ましい。RMとして、シンクロナスリラクタンスモータ(SynRM)、スイッチドリラクタンスモータ(SRM)及びVR型ステッピングモータが知られている。
磁束が軸方向に流れるRM(軸方向RM)が公知となっている。たとえば、VR型ステッピングモータでは、リングコイルの採用とクローティース(Claw tooth)とをもち、磁束はステータコア(クローポールコア)中を軸方向に流れる。
ステータコイルが集中巻きされた複数の馬蹄形(C字形)コアを周方向に分散配置したSRM又はVR型ステッピングモータが下記の特許文献1〜5に開示されている。
特許文献1(Fujitani)は、C字形コアからなるステータコアと円筒形のロータコアとをもつVR型ステッピングモータを提案している。このモータは、軸方向にタンデム配置される相数に等しい数のステータ・ロータペアをもつ。ステータコイルは、各馬蹄形ステータコアの一部として軸方向に延在するヨークに集中巻きされる。C字形コアは、軸方向に隣接して互いに逆極性の磁極(極歯)をもつ。
特許文献2(Kunihiro)は、C字形コアをディスク状のロータコアの径方向外側に配置するアキシャルギャップSRMを提案している。ステータ磁極とロータ磁極とは軸方向に対面している。
特許文献3(Takahashi)は、ステータコアをなす複数のC字形コアが周方向に分散配置され、ロータコアをなす複数のC字形コアが周方向に分散配置されるラジアルギャップVR型モータを提案している。C字形コアは、C字形に屈曲された電磁鋼板を積層して構成されている。
特許文献4(Takano)は、ステータコアがディスク状のロータコアの軸方向一端側に位置して周方向へ複数配置される複数のC字形コアをもち、ロータコアが周方向に配置される複数のC字形コアをもつアキシャルギャップVR型モータを提案している。ステータ磁極とロータ磁極とは軸方向に対面している。馬蹄形コアの互いに逆極性の2つのステータ磁極は径方向に配列される。ステータの馬蹄形コアとロータ磁極との空間位相は馬蹄形コアごとに異なり、各馬蹄形コアのコイル通電位相も異なる。馬蹄形コアはC字形に屈曲された電磁鋼板を重ねて構成されている。
特許文献5(Hagiwara)は、E字形ステータコアの両側のステータ磁極(極歯)がディスク状のロータコアの両端面に軸方向に対面し、E字形ステータコアの中央のステータ磁極(極歯)がディスク状のロータコアの外周面に対面するSRMを提案している。
特許文献6(Nashiki)は、周方向に所定ピッチで配置される複数のステータ磁極によりそれぞれ構成される複数群のステータ磁極群を軸方向に所定ピッチで有するステータコアと、各群のステータ磁極群の間に配置されたループコイル(リングコイル)と、周方向に所定ピッチで配置される複数のロータ磁極によりそれぞれ構成される複数群のロータ群を軸方向に所定ピッチで有するロータコアとを有するSRMを提案している。各ステータ磁極群のステータ磁極は円筒状のバックヨークにより磁気的に結合され、各ロータ磁極群のロータ磁極は円筒状のバックヨークにより磁気的に結合されている。しかしながら、特許文献6のSRMは、3次元状のロータコア及びステータコアをもつため、ステータコア及びロータコアの渦電流損失が大きいという問題があった。圧粉コアの採用により損失を低減することは可能であるが、製造費用が大幅に増大するという問題が派生してしまう。
(従来の軸方向RMの問題点)
モータアシストターボチャージャやインホイルモータは、理由説明は省略されるがトルク当たりの重量の低減要求が特に強い。RMの中でSRMは大きな単位重量当たりのトルクをもつが、永久磁石型同期モータ(PM)と比較してトルクまだ重量が大きいという問題がある。また、SRMは、PMに比べて騒音及び振動が大きいという問題、効率が悪いという問題もあった。これらの諸問題の存在が、製造コストの低減が可能にもかかわらず、SRMがPM(たとえばブラシレスDCモータ)に比べて特殊用途のみにしか採用されていない理由である。
特開平01−103150号公報 特開平10−112964号公報 特開2004−104853 特開2004−166354 特開2007−312562 WO2006/123659
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、優れた単位重量当たりのトルクをもち、振動及び騒音が小さいSRMを提供することをその目的としている。また、本発明は、損失の低減が可能なSRMを提供することをその目的としている。更に、本発明は発電制御が容易なSRMを提供することをその目的としている。
(発明の目的)
現在のスイッチドリラクタンスモータ(SRM)の生産量は非常に少ない。この原因の一つは、トルクリップルや騒音が大きいためである。しかし、スイッチドリラクタンスモータは、可変速高速回転モータとして大きな可能性をもつ。高速回転に対応する正弦波電流を形成することは簡単ではない。本発明は、トルクリップルが少ないスイッチドリラクタンスモータを提供することを目的としている。また、本発明は、小型で高トルクを出力できる可変速高速回転可能なスイッチドリラクタンスモータを提供することを目的としている。
強力な加速能力をもつ車両エンジンアシスト用のモータアシストターボチャージャは、エンジンの小型軽量化の他にスロットル弁の簡素化又は省略の可能性を与える。車両のインホィルモータは、車両加速性を確保しつつエンジンの小型化を実現する。しかし、これらのモータは、重量の低減が非常に重要となる。本発明は、モータアシストターボチャージャ又はインホィルモータに好適な軽量モータを実現することを目的としている。
その他、スイッチドリラクタンスモータを高速回転させる場合、そのユニポーラモータ駆動回路によりステータコイル電流の急速な立ち上げ、立ち下げが必要となる。本発明は、高速駆動が可能なスイッチドリラクタンスモータ用のユニポーラ型モータ駆動回路を提供することをその目的としている。
(発明の要約)
下記の説明は、円筒状のステータコアをもつラジアルギャップ型スイッチドリラクタンスモータを例として説明される。しかし、この明細書で開示されるラジアルギャップ型スイッチドリラクタンスモータをアキシャルギャップ型、リニアモータ型、斜めギャップ型のスイッチドリラクタンスモータに適用できる。すなわち、ラジアルギャップモータの軸方向はアキシャルギャップモータの径方向に相当し、ラジアルギャップモータの径方向はアキシャルギャップモータの軸方向に相当する。したがって、理解を簡単とするため、ラジアルギャップモータ構造に対して請求された本発明は、当業者による方向の読み替えを想定してアキシャルギャップ型、リニアモータ型、斜めギャップ型のスイッチドリラクタンスモータの態様を包含する。
その他、下記に記載する本発明の一部の態様は、スイッチドリラクタンスモータ以外のモータたとえばロータが永久磁石をもつ永久磁石式同期モータや界磁コイル式同期モータにも適用することができる。
下記に説明する3つの独立発明は、複数相の相コイルからなるステータコイルが巻かれた軟磁性のステータコアを有するステータと、前記ステータの周面に小ギャップを隔てて相対回転自在に配置されたロータと、前記各相コイルに異なるタイミングで略台形波状の電流を通電するモータ駆動回路とを有し、前記ロータのステータ対向面は、軟磁性の低磁気抵抗部を周方向所定ピッチで有し、前記ステータコアは、軟磁性を有して前記ロータに向けて突出する複数のステータ磁極を周方向所定ピッチで有するスイッチドリラクタンスモータ(SRM)に適用される。この種のSRMは周知である。
(第1発明の説明)
第1発明のSRMでは、前記ステータコアは、周方向所定ピッチで配置されて略軸方向へそれぞれ延在する複数の軟磁性のステータセグメントを有し、前記各ステータセグメントは、軸方向所定ピッチで配置されて略径方向ロータ向きにそれぞれ突出する3個以上のステータ磁極を有し、前記ロータコアは、周方向所定ピッチで配置されて略軸方向へそれぞれ延在する複数の軟磁性のロータセグメントを有し、前記各ロータセグメントは、前記各ステータセグメントの互いに軸方向に隣接する少なくとも2つの前記ステータ磁極に対面可能な軸方向位置に配置され、前記各相の相コイルは、前記各ステータセグメントの前記ステータ磁極の間に設けられたスロットを貫通して略円形に巻かれて前記ロータコアを囲むリングコイルにより構成され、第1の前記ロータセグメントに対面する2つの前記ステータ磁極と前記第1のロータセグメントとの間の周方向相対位置は、第2の前記ロータセグメントに対面する2つの前記ステータ磁極と前記第2のロータセグメントとの間の周方向相対位置に対して周方向へ所定電気角離れており、前記モータ駆動回路は、前記第1のロータセグメントを励磁する第1の前記相コイルへ通電する第1相の電流の位相を、前記第2のロータセグメントを励磁する第2の前記相コイルへ通電する第2相の電流の位相に対して前記電気角に相当する位相角だけずらせることを特徴としている。
なお、それぞれ軸方向延在するステータセグメント及びロータセグメントとリングコイルとをもつこのSRMにおいて、ロータセグメントに永久磁石を固定すれば、磁石磁束を利用したトルク発生も可能である。この磁石付きロータセグメントをもつ軸方向延在セグメントモータにおいて、永久磁石の存在によりロータセグメント7の磁気抵抗が大幅に増大する場合には、リラクタンストルクをほとんど期待できないため、磁石式同期モータとみなすこともできる。
すなわち、このSRMは、3個以上のステータ磁極を有して軸方向に延在するステータセグメント及びこのステータセグメントに対面するロータセグメントをもち、ステータセグメントの各スロットを貫通するリングコイルによりロータセグメントを励磁する。
このSRMは、短い磁路長をもつので大比重の軟磁性材料の使用量を減らすことができる。また、リングコイルを用いるため従来の円筒型モータに比べてステータコアから軸方向両側に突出するコイルエンドがなく、断面積が大きいコイル導体を容易に巻くことができる。したがって、比重が大きいコイル材料の使用量を減らすことができる。また、コイルエンドの省略分だけ、コイルエンドを囲む金属ハウジングを小型軽量とすることができる。これらの結果として、モータ重量を大幅に低減することができる。
更に、このモータは、互いに周方向に隣接する各ステータセグメントの間にリングコイルを露出させることができるので、リングコイルの冷却が非常に容易となる。これにより、リングコイルの電流密度を更に増大できるので、モータの更なる小型軽量化を実現することができる。
それぞれ軸方向に延在する複数のステータセグメントを周方向に所定ピッチで配置することによりステータコアを構成する構造のモータでは、モータハウジングにこのステータセグメントを支持することが特に重要な課題となる。このSRMでは、ステータコイルとしてリングコイルを採用するため、ステータセグメントの各ステータ磁極の周方向両側の端面はコイルに覆われることがなく、モータハウジングに密着して支持されることができる。その結果、分割された多数のステータセグメントをモータハウジングにより安全に支持することができる。
第1発明のSRMの好適な態様1において、前記リングコイルは、前記各ステータ磁極の間の各スロットに収容された直流電流通電用のDCコイル及び交流電流通電用のACコイルを有し、前記モータ駆動回路は、前記各DCコイルに直流電流を通電し、前記ACコイルに略台形波の交流電流を通電する。
すなわち、このSRMは、直流電流が通電されるDCコイルをなすリングコイルと、各相の交流電流が通電されるACコイルをなすリングコイルとを同一スロットに収容する。これにより、直流磁束を利用することができる。これにより、直流電流制御により発電の制御が容易となる。また、電動動作時においても、交流電流と直流電流との合計が流れる一つの等価コイルと考えることができるので、交流電流の振幅が小さいにもかかわらず交流電流と直流電流との和の2乗に比例する大きなトルクをインダクタンス増大期間に得ることができる。
第1発明のSRMの好適な態様2において、前記DCコイルをなす前記リングコイルは、前記ACコイルをなす前記リングコイルよりも、小さい導体断面積と多いターン数とをもつ。これにより、DCコイルの銅損を低減できるとともに、スロット内のACコイルの占有率を向上することができるたけ、ACコイルの銅損も低減することができる。
第1発明のSRMの好適な態様3において、前記モータ駆動回路は、電動動作に際して、前記ACコイルのインダクタンス減少期間における前記交流電流の形成磁束の向きが前記直流電流が形成する磁束に対して反対となり、前記ACコイルのインダクタンス増大期間における前記交流電流の形成磁束の向きが前記直流電流が形成する磁束に対して同じとなる向きに前記ACコイルに前記交流電流を通電する。これにより、インダクタンス減少期間におけるACコイルの形成磁束の一部又は全部がDCコイルの形成磁束により相殺されるため、逆トルクを減らすか0とすることができる。また、ACコイル及びDCコイルの電流によりインダクタンス増大期間におけるトルクを増大することができる。
第1発明のSRMの好適な態様4において、前記モータ駆動回路は、電動動作に際して、前記ACコイルのインダクタンス減少期間における前記交流電流の形成磁束に略等しく、方向が反対の磁束を形成する前記直流電流を前記DCコイルに通電する。これにより、インダクタンス減少期間にロータセグメントにほとんど磁束が流れないため、逆トルクをほぼ0とすることができ、トルクリップルを大幅に低減することができる。
好適態様において、前記モータ駆動回路は、高効率運転モード(又は小トルクリップル運転モード)において前記ACコイルのインダクタンス減少期間に前記直流磁束の量と略等しく、かつ、逆向きの前記交流磁束を形成し、大トルク運転モードにおいて前記ACコイルのインダクタンス減少期間に、前記直流磁束の量より20〜50%大きく、かつ、逆向きの前記交流磁束を形成する。これにより、大トルクが必要な場合に、トルクを増大することができ、高効率又は小トルクリップルが必要な場合に、銅損を減らして効率を高め、トルクリップルを低減することができる。
なお、SRMに通電される台形波状直流電流を安定した直流電流と交流電流とに分割し、それらを別々のコイル(DCコイル及びACコイル)に通電し、更に直流電流Idcの振幅をインダクタンス減少期間の交流電流の平均振幅に略等しくすることにより、インダクタンス減少期間の磁束をほぼキャンセルするこの技術の思想は、公知の一般のSRMにも適用することができることに留意されたい。
第1発明のSRMの好適な態様5において、前記モータ駆動回路は、3相の前記相コイルをなす3つの前記ACコイルにそれぞれ別々に給電する単相フルフレームブリッジ回路を有する。これにより、互いに異なる期間に電流が立ち上がり、立ち下がる動作(たとえば図3、図13参照)を行うSRMを実現することができる。
第1発明のSRMの好適な態様6において、前記モータ駆動回路は、星形接続されて3相の前記相コイルをなす3つの前記ACコイルに3相交流電流を給電する3相ブリッジ回路を有し、前記3相ブリッジ回路の3つの上アーム素子は、電気角略2π/3づつ順番にオンし、前記3相ブリッジ回路の3つの下アーム素子は、電気角略4π/3づつ順番にオンし、前記DCコイルに流れる直流電流Idcは、前記3相ブリッジ回路の3つの上アーム素子の電流の約半分とされる。これにより、請求項4記載のスイッチドリラクタンスモータ。星形接続される3相の前記相コイルを駆動する簡素な3相ブリッジ回路により、そのインダクタンス増大期間以外の期間の交流電流磁束を直流電流磁束によりキャンセルすることができる。
第1発明のSRMの好適な態様7において、前記モータ駆動回路は、互いに直列された前記各DCコイルと並列に接続されたキャパシタを有する。これにより、DCコイルに流れる直流電流をスイッチング制御する時に生じるスイッチングノイズを低減するとともに、DCコイルに誘導される交流誘導電圧を大幅に低減することができる。なお、この発明は、複数相のDCコイルをもつ公知の一般のSRMにも適用することができることに留意されたい。
第1発明のSRMの好適な態様8において、前記モータ駆動回路は、互いに直列された前記各DCコイルに略定電流を通電する定電流回路を有する。これにより、ロータセグメントの移動やACコイルの電流変化によりDCコイルに誘導される誘導電圧によるDCコイルの直流電流の変動を大幅に低減することができる。なお、この発明は、複数相のDCコイルをもつ公知の一般のSRMにも適用することができることに留意されたい。
第1発明のSRMの好適な態様7において、前記モータ駆動回路は、互いに直列された前記各DCコイルに高周波電流を通電する発振回路と、前記高周波電流による前記複数のDCコイルの電圧降下に基づいて前記ロータの回転角を検出するロータ回転角検出回路とを有する。これにより、既存のDCコイルを利用することにより、ロータセグメントとの相対位置関係に依存するDCコイルのインダクタンス変化に応じて変化するロータ回転角を静止時及び回転時に検出することができる。なお、この発明は、複数相のDCコイルをもつ公知の一般のSRMにも適用することができることに留意されたい。
第1発明のSRMの好適な態様8において、前記ステータセグメント及び前記ロータセグメントは、略軸方向に延在する多数の軟磁性鋼板を前記ロータの接線方向へ積層して形成され、前記ステータセグメント及び前記ロータセグメントの径方向端部は、全体として近似的に円形となるように互いの間に段差を有して配列されている。この態様は、SRM以外に、軸方向延在セグメントを用いる他の形式のモータにも採用することができる。このようにすれば、比較的簡素な製造工程と安価な材料を用いて軸方向延在セグメントSRMの鉄損を低減することができる。この態様は、SRM以外に、軸方向延在セグメントを用いる他の形式のモータにも採用することができる。
第1発明のSRMの好適な態様9において、前記ロータセグメントは、前記ステータセグメントの軸方向N(Nは2以上の整数)番目及びN+1番目の前記ステータ磁極に対面する軸方向M番目の前記ロータセグメントと、前記ステータセグメントの軸方向N+1番目及びN+2番目の前記ステータ磁極に対面する軸方向M+1番目の前記ロータセグメントとを含み、前記ロータコアは、前記M番目の前記ロータセグメントと、前記M+1番目の前記ロータセグメントとの間に位置して磁気抵抗が大きい高磁気抵抗領域を有する。このようにすれば、M番目のロータセグメントからM+1番目のロータセグメントへの周方向磁束漏れにより、N番目とN+2番目のステータ磁極が磁気短絡されることにより、N番目とN+1番目のステータ磁極の間のコイル、又は、N+1番目とN+2番目のステータ磁極の間のコイルのインダクタンスが十分に小さくならないという問題を解決することができる。
第1発明のSRMの好適な態様10において、前記ステータセグメント及び前記ロータセグメントの少なくとも一方は、略軸方向へ延在する多数の軟磁性鋼板を前記ロータの略接線方向へ積層して形成された第1積層部と、略接線方向へ延在する多数の軟磁性鋼板を前記ロータの軸方向へ積層して形成された第2積層部とを組み合わせて構成される。このようにすれば、ステータセグメントとロータセグメントとの部分的な周方向オーバーラップ時にステータセグメントのステータ磁極及びロータセグメントに局部的に磁束集中が生じたり、複数の軟磁性鋼板を貫通して周方向に磁束が流れて渦電流が増大したりする問題を解決することができる。
第1発明のSRMの好適な態様11において、前記第1積層部は、前記ステータ磁極の先端部近傍に位置して略周方向に開口されて前記第2積層部を収容する孔部を有する。これにより、上記磁束集中低減効果や渦電流低減効果を向上することができる。
第1発明のSRMの好適な態様12において、軟磁性鉄粉を含むとともに前記第2積層部を前記第1積層部に接着する接着剤層を有する。これにより、第1積層部と第2積層部との間の磁気抵抗を低減することができるとともに、第1積層部と第2積層部との機械的一体性を向上することができる。
第1発明のSRMの好適な態様13において、前記第2積層部は、略C字状の軟磁性鋼板を軸方向及び径方向に積層して構成されて一対の先端部が前記ロータに向かって突出するC字形コアからなる。これにより、第2積層部を容易に製造することができる。
第1発明のSRMの好適な態様14において、前記第2積層部は、幅方向両側に突出する一対の突出部を有する長尺の軟磁性鋼板を螺旋巻きするとともに前記一対の突出部を前記ロータに向けて曲げて形成される。これにより、第2積層部を容易に製造することができる。
第1発明のSRMの好適な態様15において、前記ステータコアは、前記リングコイルの前記ロータ側以外の部分を包むC字状断面を有して前記リングコイルから離れる方向へ軟磁性鋼板を積層して構成されたC字形コアを有する。これにより、ステータセグメントを容易に製造することができる。
第1発明のSRMの好適な態様16において、前記C字形コアは、幅方向両側に突出する一対の突出部を有する長尺の軟磁性鋼板を螺旋巻きするとともに前記一対の突出部を前記ロータに向けて曲げて形成される。このようにすれば、周方向へ所定ピッチで配列される多数のC形コア(クローポールコア)を簡単な製法により一挙に製造することができる。なお、この態様では、周方向に配列された各C形コア(ステータセグメント)は、軟磁性鋼板の周方向に延在する帯状部分により連結されるのでステータコアの機械的強度が増大することができる。この帯状部分がリングコイルの磁界に影響を与えることはない。複数のC形コアを軸方向(アキシャルギャップモータでは径方向)に隣接配置させることにより、多相SRMが可能となる。なお、この発明は、C字形のコアをもつ公知の一般のモータにもう適用することができることに留意されたい。
第1発明のSRMの好適な態様17において、前記リングコイルは、一つの前記ステータセグメントの複数の前記ステータ磁極の配列方向において一定の厚さを有する長尺の絶縁被覆導電金属板を螺旋巻きして形成され、前記リングコイルの各ターンは、前記ステータセグメントの複数の前記ステータ磁極の配列方向に積層される。これにより、リングコイルを容易にステータセグメントのスロットに収容することができるとともに、ステータコイルの放熱性も向上する。なお、この発明は、リングコイルを用いる公知の一般のモータにもう適用することができることに留意されたい。
第1発明のSRMの好適な態様18において、前記ロータコアは、回転軸に嵌着された非磁性のボス部と、前記ボス部の外周面に固定されて前記ボス部の軸方向両側に突出する前記ロータセグメントとを有し、前記ロータセグメントは、前記ボス部の両端面から軸方向両側に突出する一対の突出端部を有し、前記リングコイル及び前記ステータ磁極は、前記ロータセグメントの前記突出端部の径方向両側に配置される。これにより、モータの軸方向長を短縮することができる。この態様は、SRM以外に、軸方向延在セグメントを用いる他の形式のモータにも採用することができる
(第2発明の説明)
第2発明のSRMでは、前記相コイルは、インダクタンス増大期間と次のインダクタンス減少期間との間に配置されてインダクタンス変化が小さいピーク期間と、インダクタンス減少期間と次のインダクタンス増大期間との間に配置されてインダクタンス変化が小さいボトム期間とをもち、一相の前記相コイルのインダクタンス増大期間に略連続して他の前記相コイルのインダクタンス増大期間が設定され、前記モータ駆動回路は、前記ボトム期間に前記相コイルへの通電電流の立ち上がりをほとんど完了し、前記ピーク期間に前記相コイルへの通電電流の立ち下がりをほとんど完了することを特徴としている。なお、この発明は、公知の一般のSRMにもう適用することができることに留意されたい。
すなわち、この発明は、相コイルのインダクタンス増大期間の開始時点前に相コイルへの通電電流の最大値のほとんど(好適には80%更に好適には90%以上)の電流を通電し、かつ、相コイルのインダクタンス増大期間の終了時点後に相コイルへの通電電流の最大値のほとんど(好適には80%更に好適には90%以上)の電流を減衰させる。
この発明では、相コイルの電流が大きく変化する相電流の立ち上がり期間及び立ち下がり期間を、相コイルのインダクタンスが大きく増大するインダクタンス増大期間(電動動作時)から除外して設定する。このようにすれば、相電流の立ち上がり期間及び立ち下がり期間におけるトルクを大幅に小さくすることができる。このため、一つの相コイルに流れる相電流によるトルクを急峻に立ち上げ、立ち下げることができる。したがって、この角形のトルクを各相順次に連続させることにより、トルクリップルを大幅に低減することができる。なお、この態様は、その他の公知のスイッチドリラクタンスモータにも適用することができる。なお、ボトム期間及びピーク期間には、リラクタンストルクは発生しないため、これがトルクリップルを生じさせることはない。
第2発明のSRMの好適な態様1において、前記ステータコアは、周方向所定ピッチで配置されて略軸方向へそれぞれ延在する複数の軟磁性のステータセグメントを有し、前記各ステータセグメントは、軸方向所定ピッチで配置されて略径方向ロータ向きにそれぞれ突出する3個以上のステータ磁極を有し、前記ロータコアは、周方向所定ピッチで配置されて略軸方向へそれぞれ延在する複数の軟磁性のロータセグメントを有し、前記各ロータセグメントは、前記各ステータセグメントの互いに軸方向に隣接する少なくとも2つの前記ステータ磁極に対面可能な軸方向位置に配置され、第1の前記ロータセグメントに対面する2つの前記ステータ磁極と前記第1のロータセグメントとの間の周方向相対位置は、第2の前記ロータセグメントに対面する2つの前記ステータ磁極と前記第2のロータセグメントとの間の周方向相対位置に対して周方向へ所定電気角離れており、前記ロータセグメントの周方向ピッチ及び前記ステータセグメントの周方向ピッチをそれぞれ電気角2πとする時、前記ステータ磁極は略電気角πの周方向幅をもち、前記ロータセグメントは略電気角2π/3の周方向幅をもつ。
このようにすれば、それぞれ略一定のトルクが生じる各相のインダクタンス増大期間を連続して発生させることができるので、トルクリップルを大幅に低減できるとともに、ボトム期間及びピーク期間を十分に確保することができる。
第2発明のSRMの好適な態様2において、前記モータ駆動回路は、大トルクを発生する際に前記ボトム期間における通電開始時点を早め、小トルクを発生する際に前記ボトム期間における通電開始時点を遅らせる。これにより、小トルクを発生する際にトルクを発生しない電流立ち上がり期間の銅損を低減することができる。
(第3発明の説明)
第3発明のSRMは、前記モータ駆動回路は、前記相コイルへ通電する相電流の立ち上がり期間又は立ち下がり期間を加速する加速回路を有することを特徴としている。なお、この発明は、公知の一般のSRMにもう適用することができることに留意されたい。これにより、インダクタンス増大期間における平均電流値を向上することができるため、高速運転時にインダクタンス増大期間が短縮されても、トルクを増大することができる。
第3発明のSRMの好適な態様1において、前記加速回路は、直流電源の高電位端と相コイルの高電位端とを接続するハイサイドスイッチと、前記直流電源の低電位端と前記相コイルの低電位端とを接続するローサイドスイッチと、前記直流電源の低電位端と前記相コイルの高電位端とを接続するローサイドダイオードと、直列接続されたリアクトルとハイサイドダイオードとを有するとともに前記直流電源の高電位端と前記相コイルの低電位端とを接続するハイサイドバイパス回路とを備える。
このようにすれば、ハイサイドスイッチ又はローサイドスイッチのオフにより直流電源から相コイルへの通電を遮断すると、相コイルに蓄積されたエネルギーにより、ローサイドダイオード、相コイル、ハイサイドバイパス回路を通じて直流電源の低電位端から高電位端への電力回生が生じる。この時、ハイサイドバイパス回路のリアクトルが逆起電力が生じるため、相コイルは直流電源の電圧よりも高電圧を発生する必要があり、その分だけ回生電流が減少し、相コイルの磁気エネルギーは急速に減少する。なお、リアクトルには磁気エネルギーが蓄積されるが、このリアクトルエネルギーは、ローサイドスイッチと逆並列接続されたダイオードなどを通じて直流電源の低電位端から高電位端へと回生されることができる。この態様によれば、回生期間を短縮できるため、回生期間の前の励磁電流通電期間を延長することができる。これにより、トルクを増大することができる。なお、この態様は、その他の公知のスイッチドリラクタンスモータにも適用することができる。また、上記ハイサイドスイッチは、アノードが直流電源の高電位端に接続されたダイオードでもよい。
第3発明のSRMの好適な態様2において、前記リアクトルの一端は、前記直流電源の高電位端に接続され、前記リアクトルの他端は、互いに異なる前記ハイサイドダイオードを通じて互いに異なる相コイルの低電位端に接続される。これにより、リアクトルの数を減らすことができる。
第3発明のSRMの好適な態様3において、前記加速回路は、直流電源の高電位端と相コイルの高電位端とを接続するハイサイドスイッチと、前記直流電源の低電位端と前記相コイルの低電位端とを接続するローサイドスイッチと、一端が前記直流電源の高電位端に接続されたリアクトルと、前記リアクトルの他端と前記直流電源の低電位端とを接続する加速スイッチと、前記リアクトルと前記加速スイッチとの接続点を前記相コイルの高電位端に接続するハイサイドダイオードとを有する。
このようにすれば、相コイルへの通電を開始直前に、まず加速スイッチを通電して、リアクトルに磁気エネルギーを蓄積する。その後、加速スイッチをオフし、ローサイドスイッチのオンにより直流電源から相コイルへの通電を開始する。相コイルの高電位端には、直流電源の高電位端の電位よりもリアクトルの電圧だけ高い電圧が印加される。その結果、相コイルには急速に電流が流れ、励磁電流の立ち上がり期間を短縮することができる。これにより、その後の励磁電流通電期間を延長することができ、トルクを増大することができる。なお、この態様は、その他の公知のスイッチドリラクタンスモータにも適用することができる。また、ハイサイドスイッチは、アノードが直流電源の高電位端に接続されたダイオードでもよい。
第3発明のSRMの好適な態様4において、リアクトルと加速スイッチとの接続点は、互いに異なる逆流防止ダイオードを通じて互いに異なる相コイルの他端に接続される。これにより、リアクトルの数を減らすことができる。好適な態様5において、上記した電流立ち上げを加速するためのリアクトルと電流立ち下げを加速するリアクトルとは共通とされる。
第3発明のSRMの好適な態様5において、前記加速回路は、前記相コイルの低電位端と低位電源母線とを接続するスイッチング素子と、逆流防止用のダイオードとを有し、前記相コイルの低電位端と前記スイッチング素子の高電位端との接続点と前記アシストコイルの高電位端とを前記逆流防止用のダイオードを通じて接続して、前記スイッチング素子のオフ時に前記相コイルの磁気エネルギーを前記アシストコイルに流す。このようにすれば、通電遮断時の相コイルに蓄積された磁気エネルギーを次に励磁される相コイルと一緒に巻かれたアシストコイルに供給するため、電流リップルを減らすとともに、回生すべき磁気エネルギーを急速に消滅させ、かつ、励磁磁束を急速に増大させることができるため、トルクを増大することができる。なお、この発明は、その他の公知のスイッチドリラクタンスモータにも適用することができる。
実施形態1のモータ装置の全体構成を示すブロック回路図である。 図1のSRMの構造を示す模式図である。図2(A)はこのSRMのステータコアを構成する複数のステータセグメントの一つを示す模式図であり、図2(B)は2つのステータセグメントに所属する各ステータ磁極と各相のロータセグメントとの位置関係を示す周方向展開図である。 図2のSRMのインダクタンス、電流及びトルクを波形を示すタイミングチャートである。 図2のSRMのトルク制御を示すフローチャートである。 図1のユニポーラ駆動回路の第1例を示す回路図である。 図1のユニポーラ駆動回路の第2例を示す回路図である。 図1のユニポーラ駆動回路の第3例を示す回路図である。 図1のユニポーラ駆動回路の第4例を示す回路図である。 実施例2のSRMの一つのステータセグメントの軸方向模式図である。 図9のSRMのインダクタンス、電流及びトルクを波形を示すタイミングチャートである。 図9のSRMのモータ駆動回路を示す回路図である。 図9のSRMのトルク制御を示すフローチャートである。 実施例3のSRMの構造を示す模式図である。図13(A)は2つのステータセグメントに所属する各ステータ磁極と各相のロータセグメントとの位置関係を示す周方向展開図であり、図13(B)はこのSRMのステータコアを構成する複数のステータセグメントの一つを示す軸方向模式図である。 図13のSRMのインダクタンス、電流及びトルクを波形を示すタイミングチャートである。 図13の3相交流電流を形成する3相インバータを示すブロック回路図である。 実施例2、3の変形態様4を示す模式図である。 図16に示すSRMの動作を示す模式展開図である。図16(A)は電気角0の状態を示す。図16(B)は電気角πの状態を示す。 実施例2、3の変形態様5を示す模式図である。 実施例2、3の変形態様5を示す模式図である。 実施例4のSRMを示す模式図である。 図20のSRMの模式径方向側面図である。 実施例5のSRMを示す模式部分軸方向断面図である。 図22のSRMの模式部分径方向断面図である。 実施例6のSRMを説明するための模式図である。図24(A)はリングコイルの側面図である。図24(B)はリングコイルの平面図である。 図23、図24のリングコイルをラジアルギャップモータのスロット収容法を示す模式説明図である。 図23、図24のリングコイルをアキシャルギャップモータのスロット収容法を示す実施例7の模式説明図である。 実施例8のSRMのステータ磁極を示す径方向断面図である。 実施例9のSRMを説明する説明図である。図28(A)は周方向積層軟磁性鋼板間の周方向磁束漏れ状態を示す説明図である。図28(B)は図28(A)の周方向磁束漏れを低減する構造を示す説明図である。 実施例10のSRMの構造を示す模式図である。図29(A)は一つのステータセグメント3Aの軸方向断面図である。図29(B)は図29(A)のステータセグメント3AのA−A線矢視断面図である。 図29の第2積層部の製造例を示す説明図である。 実施例10のロータセグメントの構造を示す模式図である。図31(A)は一つのロータセグメント7の軸方向断面図である。図31(B)は図31(A)のロータセグメント7の電磁ギャップG側を見た平面図である。 実施例10のSRMのステータセグメントの第2積層部の他の製造方法を示す説明図である。図32(A)は帯状に形成された電磁鋼板打ち抜き状態を示す平面図である。図32(B)はこの帯状電磁鋼板の突出部を曲げた状態を示す模式斜視図である。 実施例10のSRMのステータセグメントの変形態様を示す模式図である。図33(A)は軸方向に延在するステータセグメントの部分部分正面図である。図33(B)は、図33(A)のステータセグメント3を軸方向に見た側面図である。 実施例11を説明するためのC字コアの正面図である。 図34のC字コアの側面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を、インナーロータのラジアルギャップモータ型式を例として説明する。ただし本発明は下記の実施形態に限定解釈されるべきではなく、当業者は、この明細書の記載事項に基づいて想起される公知の他の技術に基づいて本発明の技術思想を実現することができることは当然である。たとえば、実施形態の軸方向を径方向と考えることにより、実施形態のSRMをアキシャルギャップ型SRMに適用することができ、実施形態のSRMの周方向を直線方向とすることにより、実施形態のSRMをリニアSRMに適用することができる。更に、下記の実施例に記載した技術的な工夫を、SRM以外のモータに適用することもできる。
下記の各実施形態で採用する技術用語を以下に説明する。「ステータセグメント」は、軟磁性を有して略軸方向に延在する部材であり、周方向所定ピッチで配置された複数のステータセグメントがステータコアを構成する。「ロータセグメント」は、軟磁性を有して略軸方向に延在する部材であり、周方向所定ピッチで配置された複数のロータセグメントがロータコアを構成する。リングコイルは、ロータコア又は回転軸の周囲を囲んで巻かれた電機子コイルである。リングコイルは、軸方向に隣接する2つのステータ磁極の間の間隙(いわゆるスロット)に収容される。多相SRMは、各相のリングコイルにより構成される相コイルからなるステータコイルを有する。ここで言う略軸方向は、ロータセグメントやステータセグメントをスキューさせる例を含む。ラジアルギャップモータの場合、ロータセグメントやステータセグメントをスキューさせる場合、ねじることが好ましい。ねじることにより、セグメントの径方向端面を略円筒面とすることができる。上記したステータセグメント、ロータセグメント及びリングコイルをもつ下記の各実施形態のSRMは、「軸方向延在セグメントSRM」とも呼ばれる。
(実施例1)
本発明の軸方向延在セグメントSRMの構造及びその制御を実施例1を参照して説明する。
(全体構成)
図1は実施例1のモータ装置の全体構成を示すブロック回路図である。900は直流電源、901は駆動回路、902は3相軸方向延在セグメントSRM(以下、単にSRMとも言う)、903はモータコントローラである。駆動回路901及びモータコントローラ903はモータ駆動回路を構成する。この実施例では、SRM902の各コイルには略台形波の直流電流が通電されるため、駆動回路901として周知の3相ユニポーラタイプのモータ駆動回路が採用される。モータコントローラ903は外部から回転数指令Ns、トルク指令Tsを読み込み、3相SRM902からモータ回転角及び3相電流値を読み込む。モータコントローラ903は内蔵のマイクロコンピュータに記憶されたモータ制御プログラムに従って入力データに基づいて駆動回路901をフィードバック制御する。
(SRMの構造)
SRM902の構造を図2を参照して説明する。図2(A)はこのSRM902のステータコアを構成する複数のステータセグメントの一つを示す模式図であり、図2(B)は2つのステータセグメントに所属する各ステータ磁極と各相のロータセグメントとの位置関係を示す周方向展開図である。なお、下記の各図において、AXは軸方向、RAは径方向、PHは周方向を示す。
このSRM902は、インナーロータ型ラジアルギャップモータであって、図略のハウジングの内周面に固定されたステータ1と、ステータ1の径方向内側に収容された円筒状のロータとをもつ。ステータ1は、軟磁性鋼板により構成されたステータコアと、ステータコアに巻かれたリングコイル4U、4V、4Wにより構成されたステータコイルとからなる。ステータコアは、非磁性のハウジングの内周面に電気角2πピッチで固定された偶数個のステータセグメント3により構成されている。各ステータセグメント3は、軟磁性材料により構成されて軸方向に延在している。
。図2(A)は一つのステータセグメント3を示す。ステータセグメント3は軟磁性材料により形成されている。ステータセグメント3は、軸方向に所定距離離れて径方向内側へ突出するステータ磁極31〜34と、軸方向に延在して各ステータ磁極31〜33の根元部すなわち径方向外端を磁気的に短絡するステータヨーク30と、スロット36〜38とをもつ。ステータ磁極31〜34の径方向内端部は軸方向に突出する爪部39をもつ。爪部39はスロット36〜38の開口を狭める向きに突出している。結局、ステータコアは、N(Nは2以上の偶数)個のステータ磁極31からなる第1ステータ磁極群と、N個のステータ磁極32からなる第2ステータ磁極群と、N個のステータ磁極33からなる第3ステータ磁極群と、N個のステータ磁極34からなる第4ステータ磁極群とを有している。
U相コイルをなすリングコイル4Uはステータ磁極31、32間のスロット36を周方向(PH)に貫通する。V相コイルをなすリングコイル4Vはステータ磁極32、33間のスロット37を周方向に貫通する。W相コイルをなすリングコイル4Wはステータ磁極33、34間のスロット38を周方向に貫通する。それぞれ所定ターン数をもつリングコイル4U、4V、4Wは、図略のロータを囲んでリング状に形成されている。駆動回路901は、リングコイル4UにU相電流IUを、リングコイル4VにV相電流IVを、リングコイル4WにW相電流IWを通電している。
円筒状のロータ(図2(A)では図示せず)は、ハウジングに回転自在に支持される回転軸に嵌着、固定された非磁性円筒部材であるボス部(図示せず)と、それぞれロータセグメント7U、7V、7WからなるNグループのロータセグメントグループをもつ。ロータセグメント7U、7V、7Wは、ステータセグメント3に対面可能にボス部の外周面部に固定されている。ロータセグメント7U、7V、7Wは、それぞれ電気角2πピッチで配列されている。ロータセグメント7U、7V、7Wは軟磁性材料により形成されている。
ロータセグメント7U、7V、7Wは、図2(B)に破線で示される周方向位置及び軸方向位置をもつ。U相ロータセグメントであるN個のロータセグメント7Uはステータ磁極31、32に対面可能な位置に配置されている。V相のロータセグメントであるN個のロータセグメント7Vはステータ磁極32、33に対面可能な位置に配置されている。W相のロータセグメントであるN個のロータセグメント7Wはステータ磁極33、34に対面可能な位置に配置されている。ロータセグメント7U、7V、7Wは互いに電気角(2/3)πピッチだけ周方向にずれて配置されている。
図2(B)に示すように、軸方向に延在する小ギャップgが、ロータセグメント7U、7Vの間、及びロータセグメント7V、7Wの間に形成されている。小ギャップgは、空隙でも良く、非磁性部材を設けても良い。図2(B)において黒い太線で略示される小ギャップgは、ロータセグメント7U、7V、7W間の磁気抵抗(ロータセグメント間磁気抵抗)を増大させる。これにより、ロータセグメント7U、7V、7W間を周方向に流れる漏れ磁束(Φu−Φv)及び(Φv−Φw)が低減される。
図2(B)は、ステータ磁極31〜34の先端面とロータセグメント7U、7V、7Wのステータ対向面との周方向及び軸方向の相対位置関係を示す。この実施例では、軸方向に並んでいるステータ磁極31〜34の周方向幅は電気角πとされている。ロータセグメント7U、7V、7Wの周方向幅は電気角(2/3)πとされている。図2(B)では、ステータ磁極31、34の軸方向幅は、ステータ磁極32、33の軸方向幅よりも狭くされているが、それらを等しくしてもよい。
(電動動作)
U相電流Iu(又はIU)がリングコイル4Uに流れる時に磁束Φu(又はΦU)がステータ磁極31、32を通じてロータセグメント7Uに軸方向に流れる。V相電流Iv(又はIV)がリングコイル4Vに流れる時に磁束Φv(又はΦV)がステータ磁極32、33を通じてロータセグメント7Vに軸方向(AX)に流れる。W相電流Iw(又はIW)がリングコイル4Wに流れる時に磁束Φw(又はΦW)がステータ磁極33、34を通じてロータセグメント7Wに軸方向に流れる。
リングコイル4UのインダクタンスLu、リングコイル4VのインダクタンスLv、リングコイルWのインダクタンスLwの波形と、3相電流Iu、Iv、Iwの波形を図3に示す。ステータ磁極31〜34の周方向幅がπ、ロータセグメント7U、7V、7Wの周方向幅が(2/3)π、互いに隣接する2つのステータセグメントの間のギャップの周方向幅がπであるため、3相のインダクタンスLu、Lv、Lwは、インダクタンスが最低値となるボトム期間Tbと、インダクタンスが最大となるピーク期間Tpとをもつ。ボトム期間Tb及びピーク期間Tpは電気角(1/3)πとなる。
良く知られているように、SRMをモータ作動させるためリングコイル4U、4V、4Wのインダクタンス増大期間Tiに3相台形波電流の通電が行われる。更に説明すると、リングコイル4U、4V、4Wはインダクタンスをもつので、リングコイル4U、4V、4Wに略矩形波電圧を印加してもその電流の立ち上がりに時間が掛かる。同様に、リングコイル4U、4V、4Wに印加した電圧を急激にオフしても磁気エネルギー回生電流が流れるためその電流の立ち下がりには時間が掛かる。このため、リングコイル4U、4V、4Wには略台形波状の電流が流れる(図3参照)。
この実施形態では、インダクタンス増大期間Tiの開始前に電流の立ち上がりをほぼ終了させ、かつ、インダクタンス増大期間Tiのほぼ終了後に電流の立ち下がりを開始する。更に、電流の立ち上がりをボトム期間Tbにほぼ完了し、電流立ち下がりをピーク期間Tpにほぼ完了する。ここで言う「ほぼ」とは85%以上、更に好適には90%以上、更に好適には95%以上を意味するものとする。
SRMのリラクタンストルクは、インダクタンスのロータ角微分値(dL/dθ)と電流(I)の2乗との積に比例する。この実施形態では、インダクタンスがほとんど変化しないボトム期間Tb及びピーク期間Tpに電流変化をほぼ完了させる。このため、電流はインダクタンス増大期間Tiにほとんど変化しない。インダクタンス増大期間Tiにおけるインダクタンス増加率は略一定とみなすことができるため、結局、各相のトルクは各相のインダクタンス増大期間Tiに略一定となる。その結果、このSRMの合成トルクΣTは、図3に示すようにほぼ一定となり、トルクリップル及びそれに伴う振動騒音を非常に小さくすることができる。
このSRM902は、ステータセグメント3のステータヨーク30及びロータセグメント7U、7V、7Wが軸方向に延在する小さい軟磁性材料により構成されるため、その磁気振動及び騒音は小さい。このSRM902の磁束はステータヨーク30を軸方向に流れるため、磁気回路の長さが短いので、鉄損及びモータ重量を低減することができる。このSRM902は、リングコイルにより構成されるステータコイルをもつので、難しい巻装作業を簡素化することができ、コイルエンドを省略することができる。従来のモータにおいて、コイル断面積が大きいステータコイルをスロットの狭い開口への巻装作業は非常に難しかった。
上記したステータコア及びロータコアの両方がほぼ軸方向に延在する軟磁性セグメントにより構成され(言い換えればステータコア及びロータコアの両方が周方向に流れる磁路を完全に又はほぼもたず)、リングコイルがもつSRMは、従来知られていなかった。
このSRM902は、ロータセグメント7U、7V、7Wの周方向幅をステータ磁極31〜34の周方向幅及びステータ磁極間のギャップの周方向幅の両方よりも狭くすることにより、ボトム期間Tb及びピーク期間Tpを設定し、このボトム期間Tb及びピーク期間Tpに電流の立ち上げ及び立ち下げをほぼ完了するので、合成トルクのリップルを大幅に低減することができる。
なお、電流の立ち上がり及び立ち下がりに必要な時間(立ち上がり時間及び立ち下がり時間)を短縮することにより、ボトム期間Tb及びピーク期間Tpを短縮することができる。すなわち、図2において、ロータセグメント7U、7V、7Wの周方向幅を増大することができる。ボトム期間Tb及びピーク期間Tpにおける電流は実質的に無駄な銅損を発生させるため、立ち上がり時間及び立ち下がり時間の短縮は好ましい。この点については後で説明される。
更に、狭いロータセグメント7U、7V、7Wの周方向幅は、互いに周方向に隣接する各相のロータセグメント7U、7V、7W間に小ギャップgを設けることを可能とする。この小ギャップの大きな磁気抵抗は、図2に示す周方向漏れ磁束(Φu−Φv)、(Φv−Φw)を大幅に減らす。このため、トルクに関与せず、鉄損(ヒステリシス損失及び渦電流損失)を増大させる磁束の周方向への漏れを大幅に低減することが可能となる。この小ギャップgを特に、ロータセグメント7U、7V、7Wを薄い電磁鋼板を周方向に積層して形成する後述の実施例において特に重要である。すなわち、周方向積層電磁鋼板において、周方向に流れる磁束は各電磁鋼板を厚さ方向に貫通して流れるため、その渦電流が増大する。この問題は上記した小ギャップgを各相のロータセグメント7U、7V、7Wの間に設置することにより良好に改善される。
(発電動作)
リングコイル4U、4V、4Wに直流電流を通電すると、ロータの回転により、リングコイル4U、4V、4Wに発電電圧を発生させることができる。この場合、ステータ磁極32、33は2相が共用するため、上記した3つのリングコイル4U、4V、4Wに流れる直流電流によりこれらステータ磁極32、33に形成される直流磁束の向きが同じとなるように直流電流を流すことが好適である。
(通電開始タイミングの制御)
モータコントローラ903により行われるモータトルクの制御を図4を参照して説明する。まず、外部から回転数指令Ns及びトルク指令Tsを読み込み、図略のロータ回転角検出回路及び相電流検出回路からロータ回転角θ及び3相電流Iu、Iv、Iwを読み込む(S104)。
次に、読み込んだトルク指令Tsに基づいてリングコイル4U、4V、4Wに通電する台形波状の3相電流Iu、Iv、Iwの振幅を算出する(S102)。すなわち、モータコントローラ903は、記憶する数式(T=dL/dθ・I・I)に基づいて電流Iの振幅を算出し、それをIu、Iv、Iwの定常期間の振幅とする。なお、dL/dθは、インダクタンス増大期間Tiにおける各リングコイル4U、4V、4Wのインダクタンス増加率である。この実施例では、所定のロータ角速度ωoにおけるdL/dθの値Aを記憶しておき、任意の角速度ωにおけるdL/dθを次の式から算出する。

dL/dθ=(ω/ωo)・A
もちろん、磁気飽和によるインダクタンス減少やステータ磁極及びロータセグメントの形状効果などを考慮して更に複雑な方程式又はマップを利用することにより、dL/dθを更に精密に算出しても良い。
次に、算出した電流Iの振幅(=Iu、Iv、Iwの定常期間の平均振幅)に基づいて3相電流Iu、Iv、Iwの立ち上がりタイミングΔTを設定する。なお、ここで言う立ち上がりタイミングΔTとは、図3に示すインダクタンス増加期間Tiの開始時点から時間ΔTだけ遡った時点から通電を開始することを意味する。3相電流Iu、Iv、Iwが大きい場合にそれがほぼ定常状態に達するまでの時間ΔTは長くなり、3相電流Iu、Iv、Iwが小さい場合にそれがほぼ定常状態に達するまでの時間ΔTは短くなる。図3においてΔTは、実線で示す3相電流Iu、Iv、Iwが大きい場合を示し、ΔT’は破線で示す3相電流Iu、Iv、Iwが小さい場合を示す。なお、ΔTは、モータコントローラ903に予め記憶されたΔTと電流Iの振幅との関係を示すマップに電流Iを代入して計算される。
これにより、3相電流Iu、Iv、Iwはほぼインダクタンス増大期間Tiの開始時点でほぼ定常状態となるように制御することができる。その結果、インダクタンスのボトム期間Tbにおける無駄な銅損を低減しつつ、トルクリップルを低減することができる。なお、図3において、TuはU相トルク、TvはV相トルク、TwはW相トルクである。
モータコントローラ903は、トルク指令Tsから求めた3相電流Iu、Iv、Iwの指令値と検出した3相電流Iu、Iv、Iwの検出値との差に基づいて駆動回路901をフィードバック制御する。このモータフィードバック制御自体は従来と同じである。また、このトルクフィードバック制御に優先して、検出したロータ回転角θから求めた角速度ωと回転数指令Nsとの偏差に基づいて速度を回転数指令Nsに収束させるために3相電流Iu、Iv、Iwをフィードバック制御する。更に、モータコントローラ903は検出したロータ回転角θに基づいて各相のインダクタンス増大期間Tiのタイミングを判定する。これらの制御は従来のSRMのそれと本質的に同じであるため、説明が省略される。
(トルクリップルの低減)
この実施例のSRMは、インダクタンス増大期間Tiにほぼ略台形波の直流電流がほぼ定常状態を維持するため、従来のSRMに比べて小さいトルクリップル及び騒音をもつ。電流の立ち上げ及び立ち下げを急峻に行うことにより、銅損増大も抑制することができる。なお、SRM902の相数は3相に限定されず更に増大してもよい。ボトム期間Tb及びピーク期間Tpは、ステータ磁極の周方向幅とロータ磁極(ロータセグメントのうちステータ磁極に対面する領域)の周方向幅とを調整することにより実現することができる。
(ユニポーラ駆動回路例1)
略台形波状の3相直流電流をSRM902に通電するユニポーラタイプの駆動回路901の改良回路を図5を参照して説明する。なお、この駆動回路901は従来のSRMの駆動にも適用することができる。
この駆動回路901は、U相駆動回路AとV相駆動回路BとW相駆動回路CとリアクトルRとをもつ。これらの相駆動回路A〜Cは周知のSRM駆動回路と同じである。100UはU相コイル、100VはV相コイル、100WはW相コイルである。101U、101V、101Wは直流電源の高電位端102と各相コイル100U、100V、100Wの高電位端とを個別に接続するハイサイドスイッチである。ハイサイドスイッチ101U、101V、101WはMOSトランジスタとすることが好適であるが、ダイオードでも
よい。103U、103V、103Wは直流電源の低電位端104と各相コイル100U、100V、100Wの低電位端とを個別に接続するPWM制御用のローサイドスイッチである。105は直流電源の低電位端104と各相コイル100U、100V、100Wの高電位端とを個別に接続するローサイドダイオードである。106はリアクトルRの一端と各相コイル100U、100V、100Wの低電位端とを個別に接続するハイサイドダイオードである。リアクトルRの他端は直流電源の高電位端102に接続されている。リアクトルRとハイサイドダイオード106はハイサイドバイパス回路を構成している。
この駆動回路の動作を説明する。ローサイドスイッチ103Uの通電を遮断すると、相コイル100Uに蓄積されている磁気エネルギーにより、ローサイドダイオード105、相コイル100U、ハイサイドダイオード106、リアクトルRを通じて、直流電源の低電位端104からその高電位端102へ回生電流が周知のように流れる。この時、リアクトルRの逆起電力により、相コイル100Uは、ハイサイドダイオード106が直流電源の高電位端102に回生電流を流す従来よりも高電圧を発生する必要がある。このため、相コイル100Uに流れる回生電流は小さくなるが、回生電圧が高いため、その磁気エネルギーは急速に減衰する。したがって、この回路によれば、回生電流を急速に減少でき、その分だけ相コイル100Uへの通電期間を延長してトルクを増大できる。この時、リアクトルRに磁気エネルギーが蓄積されるが、この磁気エネルギーは、オン状態のローサイドスイッチ(たとえば103V)、V相駆動回路のハイサイドダイオード106、リアクトルRを通じて直流電源の高電位端102に回生されることができる。
ローサイドスイッチ(たとえば103V)がオン状態であるということは、このローサイドスイッチ103Vにこの回生電流と逆向きに励磁電流が流れることを意味するため、結局、このローサイドスイッチ103の順方向電流(励磁電流)がこの回生電流の分だけ減少することも意味する。これは、このローサイドスイッチ103Vの励磁電流がリアクトルRにより吸引されることを意味するため、相コイル100Vに流れるV相電流の立ち
上がり期間を短縮して相コイル100Vに流す電流を増大して、トルクを増大できる。なお、リアクトルRを各相ごとに個別に設けてもよい。他の相の駆動回路の動作も上記と同じである。
(ユニポーラ駆動回路例2)
略台形波状の3相直流電流をSRM902に通電するユニポーラタイプの駆動回路901の改良回路を図6を参照して説明する。なお、この駆動回路901は従来のSRMの駆動にも適用することができる。
この駆動回路901は、U相駆動回路AとV相駆動回路BとW相駆動回路CとリアクトルRとをもつ。これらの相駆動回路A〜Cは図55で説明した回生用のローサイドダイオード105とハイサイドダイオード106とを省略しているが、これらを追加してもよい。ハイサイドスイッチ101U、101V、101Wとしてダイオードを採用したが、トランジスタでもよいことは明らかである。107は、各相コイル100U、100V、100Wの高電位端とリアクトルRの一端とを接続するハイサイドダイオードである。リア
クトルRの一端と直流電源の低電位端104とはスイッチ108により接続されている。リアクトルRの他端は直流電源の低電位端104に接続されている。その他の回路構成は図5と同じであり、他の相の駆動回路の動作も上記と同じである。
この駆動回路の動作を説明する。
ローサイドスイッチ103Uの通電開始の前に、スイッチ108を所定期間だけオンすることによりリアクトルRに磁気エネルギーを蓄積する。その後、スイッチ108をオフし、たとえばローサイドスイッチ103Uをオンすると、リアクトルRは、直流電源の高電位端102よりも高い電圧をハイサイドダイオード107を通じて相コイル100Uの高電位端に印加する。これにより、相コイル100Uの電流は短期間に立ち上がり、その後、相コイル100Uへの通電を長く行うことができる。これにより、トルクを増大することができる。スイッチ108は加速スイッチであり、リアクトルRとともにいわゆるチョッパ回路を構成している。相コイル100Uへの電流が立ち上がった後は、リアクトルRから高電圧を相コイル100Uに与える必要がないため、直流電源の高電位端102からハイサイドスイッチ101Uを通じてである相コイル100Uに通電すればよい。これにより、リアクトルRを小型化することができる。リアクトルRを相ごとに個別に設けても良い。
(ユニポーラ駆動回路例3)
略台形波状の3相直流電流をSRM902に通電するユニポーラタイプの駆動回路901の改良回路を図7を参照して説明する。なお、この駆動回路901は従来のSRMの駆動にも適用することができる。
この駆動回路901は、理解を容易とするためU相の駆動回路AだけとリアクトルRとスイッチ(加速スイッチ)108とだけが記載されている。図7の回路は、図5、図6に示す回路を一体とし、しかもリアクトルRを共通としたものである。この場合、相コイル100Uの回生電流がダイオード102、107により短絡されるのを防止するため、図6のハイサイドダイオード107の代わりにMOSスイッチ109が採用されている。なお、ハイサイドダイオード106をMOSスイッチに置換してもよい。
この駆動回路の動作を説明する。この駆動回路の動作は、図5、図6の回路の動作と本質的に同じである。ただし、ローサイドスイッチ103Uをオンすると同時に、ハイサイドダイオード107の代わりに設けたMOSスイッチ109をオンし、スイッチ(加速スイッチ)108をオフする。これにより、リアクトルRに蓄積された磁気エネルギーにより直流電源の高電位端102よりも高い電圧がU相の相コイル100Uに高電圧を印加して、相コイル100Uの励磁電流の立ち上がりを従来よりも加速することができる。
(ユニポーラ駆動回路例4)
略台形波状の3相直流電流をSRM902に通電するユニポーラタイプの駆動回路904の改良回路を図8を参照して説明する。なお、この駆動回路901は従来のSRMの駆動にも適用することができる。
この駆動回路901は、U相駆動回路AとV相駆動回路BとW相駆動回路Cとをもつ。100UはU相コイル、100VはV相コイル、100WはW相コイルである。103U、103V、103Wは直流電源の低電位端104と各相コイル100U、100V、100Wの低電位端とを個別に接続するPWM制御用のローサイドスイッチである。110U、110V、110Wは回生電流を相間で転流させる逆流防止用のダイオードである。111UはU相の相コイル100Uと一緒にステータに巻かれたU相のアシストコイル、111VはV相の相コイル100Uと一緒にステータに巻かれたV相のアシストコイル、111WはW相の相コイル100Wと一緒にステータに巻かれたW相のアシストコイルである。相コイル100U、100V、100Wの低電位端とローサイドスイッチ103U、103V、103Wの接続点P1、P2、P3は、ダイオード110U、110V、110Wを通じてアシストコイル111U、111V、111Wの高電位端102に個別に接続されている。アシストコイル111U、111V、111Wの低電位端は直流電源の低電位端104に接続されている。ただし、この実施形態では、たとえば図10に示すように一つの相の相電流の立ち上がり期間が他の一つの相の相電流の立ち下がり期間と重なるように設定されている。
U相のローサイドスイッチ103Uをオフすると、U相の相コイル100Uの磁気エネルギーによる回生電流がダイオード110Uを通じてアシストコイル111Uに印加される。これにより、ローサイドスイッチ103Uのオフ時点からU相の電流立ち下がり期間が所定期間継続する。U相のローサイドスイッチ103Uのオフとほぼ同時に、V相のローサイドスイッチ103Vがオンされる。これにより、ローサイドスイッチ103Vのオン時点からV相の電流立ち上がり期間が所定期間継続する。
このようにすれば、U相の電流立ち下がり期間に生じる回生電流が、V相の電流立ち上がり期間にV相のアシストコイル111Vに通電されるため、V相のステータ磁極は、V相の相コイル100Vの励磁電流に加えて、V相のアシストコイル111Vに流れる電流により、更に強力に励磁される。この結果として、V相のステータ磁極の磁束の立ち上がりを早めることができる。
同様に、V相のローサイドスイッチ103Vのオフとほぼ同時にW相のローサイドスイッチ103Wのオンがなされ、上記と同様にV相の相コイル100Vの磁気エネルギーによりW相のアシストコイル111Wへの通電が行われる。これにより、W相のステータ磁極の磁束の立ち上がりが促進される。同様に、W相のローサイドスイッチ103Wのオフとほぼ同時にU相のローサイドスイッチ103Uのオンがなされ、上記と同様にW相の相コイル100Wの磁気エネルギーによりU相のアシストコイル111Uへの通電が行われる。これにより、U相のステータ磁極の磁束の立ち上がりが促進される。アシストコイル111U、111V、111Wは、相コイル100U、100V、100Wに比べて相対的に小断面積で多ターンとされることが好適である。このようにすれば、相コイルのスロット収容が阻害される弊害を軽減することができる。また、回生電流が流れる際に、アシストコイルは大きな逆起電力を発生させることができるので、相コイルの回生電流の大きさを小さくすることができ、相コイルの電流立ち下がり期間を短縮することができる。
この実施例のモータ駆動回路は、ローサイドスイッチ103U、103V、103Wの他にダイオード110U、110V、110Wを追加するだけでよいため、モータ駆動回路の費用及び損失を低減することができる利点がある。更に、上記回生電流はアシストコイルから次の相のローサイドスイッチに流れることがなく、次の相のローサイドスイッチの損失、発熱を低減することもできる。なお、図8において、Imは相コイル100の励磁電流、Irは回生電流である。
(変形態様)
図2の軸方向延在セグメントSRMは、ステータ磁極31〜34をもつステータセグメント3を軸方向に延在させる。これにより、ステータ磁極31〜34は周方向等しい位置に配置され、ロータセグメント7U、7V、7Wは互いに電気角(2/3)πだけ周方向に異なる周方向位置をもつ。その代わりに、ロータセグメント7U、7V、7Wを一体化して軸方向に延在させ、U相のステータ磁極31、32のペア(U相磁極ペア)と、V相のステータ磁極32、33のペア(V相磁極ペア)と、W相のステータ磁極33、34のペア(W相磁極ペア)とを互いに電気角(2/3)πだけ周方向にずらせてもよい。この態様は、各相の磁極ペアを別々に製造する場合に好適である。その他、各相の磁極ペアを周方向にずらせ、更にロータセグメント7U、7V、7Wを周方向にずらせても良い。
(実施例2)
本発明の軸方向延在セグメントSRMの構造及びその制御を実施例2を参照して説明する。この実施例のSRM902の軸方向模式図を図9に示す。このSRM902は、図2に示される実施例1のSRM902において、直流電流が流れるリングコイル40A、40B、40Cを追加したことをその特徴とする。このSRM902の動作を図10を参照して説明する。図10はこのSRM902のインダクタンス及び相電流の波形を示すタイミングチャートである。このSRM902のインダクタンス波形は図3に示す実施例1のSRM902のそれと同じである。つまり、実施例2のSRM902のステータ磁極31〜34及びロータセグメント7U、7V、7Wの形状及び配置は図2のそれと同じである。
短く説明すると、この実施例は、図3に示す実施例1のSRM902の3相電流Iu、Iv、Iwをその交流成分と、その直流成分とに分割し、3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)をリングコイル4U、4V、4Wに通電し、直流電流Idcをリングコイル40A、40B、40Cに通電したものである。
U相リングコイル40Aに流れるU相直流電流Idcがステータ磁極32に作る直流磁界の方向は、V相リングコイル40Bに流れるV相直流電流Idcがステータ磁極32に作る直流磁界の方向と同じとされる。V相リングコイル40Bに流れるV相直流電流Idcがステータ磁極33に作る直流磁界の方向は、W相リングコイル40Cに流れるW相直流電流Idcがステータ磁極33に作る直流磁界の方向と同じとされる。
U相リングコイル4Uがインダクタンス増大期間Tiにステータ磁極31、32に作る交流磁界の方向は、U相リングコイル40Aに流れるU相直流電流Idcがステータ磁極31、32に作る直流磁界の方向と同じとされる。V相リングコイル4Vがインダクタンス増大期間Tiにステータ磁極32、33に作る交流磁界の方向は、V相リングコイル40Bに流れるV相直流電流Idcがステータ磁極32、33に作る直流磁界の方向と同じとされる。W相リングコイル4Wがインダクタンス増大期間Tiにステータ磁極33、34に作る交流磁界の方向は、W相リングコイル40Cに流れるW相直流電流Idcがステータ磁極33、34に作る直流磁界の方向と同じとされる。
このようにすれば、リングコイル4U、4V、4Wに流れる3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)とリングコイル40A、40B、40Cに流れる直流電流Idcとにより形成される磁界は、図3に示す実施例1の3相電流Iu、Iv、Iwが形成する磁界と等しくなる。形成磁界波形が同じであるため、この実施例のSRMは実施例1のSRMと同じ動作を行うことができる。なお、図10において、3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)及び直流電流Idcの実線は大電流通電時の各電流波形を示し、破線は小電流通電時の各電流波形を示す。ただし、図10における直流電流Idc、Idc’は、リングコイル4U、4V、4Wとリングコイル40A、40B、40Cのターン数が等しいと仮定した条件で記載されている。実際には、ターン数が多い分だけ、直流電流Idcの振幅は小さい。3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)の0値は、ボトム期間Tbの中間点及びピーク期間Tpの中間点に設定されている。
この実施例で重要なことは、DCコイルの形成磁界(アンペアターン)を、インダクタンス増大期間Tiにおける3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)の形成磁界(アンペアターン)とほぼ等しく(90%以上等しく)した点にある。これにより、インダクタンス減少期間Tdにおいて、3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)の形成磁界は直流電流Idcの形成磁界によりキャンセルされる。すなわち、インダクタンス減少期間Tdにロータセグメント7U、7V、7Wに作用する合成磁界はほぼ0となり、逆リラクタンストルクが発生しない。これは、トルク減少及びトルクリップルを低減し、磁気騒音及び磁気振動を低減する。
DCコイルであるリングコイル40A、40B、40Cのターン数はリングコイル4U、4V、4Wのそれよりも大幅に増大され、リングコイル40A、40B、40Cの導体断面積はリングコイル4U、4V、4Wのそれよりも大幅に小さくされる。これにより、リングコイル40A、40B、40Cの銅損を低減することができる。
更に説明すると、インダクタンス減少期間Tdにおいて同一スロットの2つのリングコイルに逆向きの電流を通電するのは無駄に見える。しかし、リングコイル40A、40B、40Cのターン数の大幅な増大により、その銅損は大幅に低減される。スロット占積率100%と仮定して同一スロット断面積にコイルを収容する場合、形成磁界はターン数に比例する。
更に、同一スロットの2つのリングコイル(たとえば40Aと4U)に流れる2種類の電流(たとえばIuacとIdc)はロータセグメント7Uから見れば一つの電流であるため、これら2つのリングコイルのターン数を等しいと仮定すれば、モータトルクTは(IuacとIdc)の二乗値に比例することになる。
(モータ駆動回路)
この実施例のモータ駆動回路の構成を図11に示す。21はロータ回転角検出回路、22は正弦波発振回路、23は直流電流制御用のトランジスタ、24、25はキャパシタ、26はフライホイルダイオード、27は電流検出抵抗、28はベース電流制限抵抗である。キャパシタ24及びフライホイルダイオード26は直列接続されたリングコイル40A、40B、40Cと並列に接続されている。電流検出抵抗27はトランジスタ34のエミッタ電流による電圧降下を検出してモータコントローラ903に送る。
駆動回路901は、3相のリングコイル4U、4V、4Wにそれぞれ独立に単相交流電流を供給する3つのHブリッジ回路(単相フルフレームブリッジ回路)により構成されている。周知のHブリッジ回路は4つのスイッチングトランジスタをもつ。
直列接続されたリングコイル40A、40B、40Cに通電される直流電流Idcは、トランジスタ23によりPWM制御される。キャパシタ24はトランジスタ23のスイッチングノイズを吸収するとともに、ロータセグメント7U、7V、7Wの移動によるリングコイル40A、40B、40Cの誘起電圧合計の変動を吸収する。つまり、この実施例では、ロータセグメント7U、7V、7Wが順次ステータ磁極31〜34に対面する期間に、リングコイル4U、4V、4Wとリングコイル40A、40B、40Cとが磁気的に結合し、リングコイル40A、40B、40Cに交流電圧が順次誘導される。この交流電圧の影響はキャパシタ24に吸収されるため、直流電源900への悪影響を低減することができる。
更に、この実施例では、電流検出抵抗27により検出した直流電流Idcに基づいてトランジスタ23のPWMデユーティ比をフィードバック制御して、直流電流Idcを指令値すなわち3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)のインダクタンス減少期間Tdの振幅に略等しい値に調整する。正確に言えば、直流電流Idcによる直流磁界とインダクタンス減少期間Tdの3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)による交流磁界とを略等しくする。
更に具体的に説明する。
モータコントローラ903は、電流検出抵抗27の電圧降下を増幅した後、その高調波成分を除去して直流電流Idc及び低周波数電圧(誘導電圧)を検出する。この検出電流と直流電流Idcの指令値との差が0となるようにトランジスタ23をPWM制御してリングコイル40A、40B、40Cに流れる電流を直流電流Idcの指令値に制御する。これにより、リングコイル40A、40B、40Cに流れる直流電流Idcがロータセグメント7U、7V、7Wの移動と3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)の変化により変動するのを防止することができる。
正弦波発振回路22は、約100kHzの正弦波電圧を直流カット用のキャパシタ25を通じてリングコイル40A、40Bの接続点に印加する。なお、この正弦波電圧は、リングコイル40Cとトランジスタ23との接続点に印加されてもよく、キャパシタ24とリングコイル40Aとの接続点に印加されてもよい。正弦波電圧の代わりにその他の波形、周波数の高周波数電圧を用いても良い。リングコイル40A、40B、40Cの電圧降下はロータ回転角検出回路21に入力される。
ロータ回転角検出回路21は、入力された各リングコイル40A、40B、40Cの電圧降下の正弦波電圧成分を含む帯域を抽出し、それを整流して回転角信号を形成する。この回転角信号は、既述したようにロータ回転角に応じて変化するリングコイル40A、40B、40Cのインダクタンスに略比例する。ロータ回転角検出回路21は、各相のインダクタンス変化波形に基づいてロータ回転角が推定し、それをモータコントローラ903に出力する。このロータ回転角検出回路21はロータが静止していてもロータ回転角を検出することができる。
(トルク制御)
モータコントローラ903により行われるモータトルクの制御を図12を参照して説明する。まず、外部から回転数指令Ns及びトルク指令Tsを読み込み、ロータ回転角検出回路21及び電流検出回路からロータ回転角θ及び3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)及び直流電流Idcを読み込む(S100)。
次に、読み込んだトルク指令Tsに基づいてリングコイル4U、4V、4Wに通電する台形波状の3相電流Iu、Iv、Iwの振幅を算出し、この3相電流Iu、Iv、Iwを分割することにより、3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)と直流電流Idcの指令値を算出する(S102)。次に、3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)及び直流電流Idcの検出値が上記指令値に等しくなるようにフィードバック制御する。なお、トルク指令値Tsから3相電流Iu、Iv、Iwの指令値を算出するには、インダクタンス増大率dL/dθを求める必要があるが、このインダクタンス増大率dL/dθの算出は実施例1と同様の方法により求めればよい。
(効果)
この実施例によれば、ステータ磁極31〜34はインダクタンス増加期間に3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)及び直流電流Idcの両方により強く励磁されるため、強いリラクタンストルクを発生することができる。また、リングコイル40A、40B、40Cに流す直流電流Idcを、3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)の振幅に等しく調整するため、インダクタンス減少期間Tdにおける逆リラクタンストルク(発電トルク)の発生をほぼ0とすることができる。更に、リングコイル40A、40B、40Cに流す直流電流Idcを制御することにより、リングコイル4U、4V、4Wに生じる3相発電電圧を容易に調整することができる。その他、SRM902に直流磁束を形成するためのDCコイル(すなわちリングコイル40A、40B、40C)に高周波数電圧を印加することにより、それらのインダクタンス変化を利用してロータ回転角を検出する技術思想は従来知られていなかった。
(実施例3)
本発明の軸方向延在セグメントSRMの構造及びその制御を実施例3を参照して説明する。SRM902の構造を図13を参照して説明する。図13(B)はSRM902のステータコアを構成する複数のステータセグメントの一つを示す模式図であり、図13(A)は2つのステータセグメントに所属する各ステータ磁極と、各相のロータセグメントとの位置関係を示す周方向展開図である。このSRMは、図2に示す実施例1、2のSRM902において、ステータ磁極31〜34の周方向幅を電気角πから電気角度2π/3に変更したものである。各スロットには、実施例2と同じく、ACコイルであるリングコイル4A〜4Cとともに、DCコイルであるリングコイル40A、40B、40Cが収容されている。
このSRM902の動作を図14を参照して説明する。図14はこのSRM902のインダクタンス及び相電流の波形を示すタイミングチャートである。このSRM902のインダクタンス波形は、ステータ磁極31〜34の周方向幅が短縮されているので、ピーク期間がほぼ0となっている。
3相電流Iu、Iv、Iwは略π/3期間に+電流となり、残りの略2π/3期間に−電流となっている。ただし、3相電流Iu、Iv、Iwの−電流の大きさはそれらの+電流の大きさの半分となっている。直流電流Idcは、3相電流Iu、Iv、Iwの−の電流の大きさに略等しくされている。ただし、図13では、DCコイルのターン数は、ACコイルのターン数に等しいと見なしている。これにより、インダクタンス増大期間以外におけるステータ磁極31〜34の励磁がキャンセルされる。
図14に示す波形を有する3相電流Iu、Iv、Iwは、図15に示すように、3相星形接続されたリングコイル4A〜4Cに給電する3相インバータ21を下記のように動作させることができる。すなわち、期間t0ーt1において、V相上アーム素子VHとU相下アーム素子ULとW相下アーム素子WLとをオンする。期間t1ーt2において、W相上アーム素子WHとU相下アーム素子ULとV相下アーム素子VLとをオンする。期間t2ーt3において、U相上アーム素子UHとV相下アーム素子VLとW相下アーム素子WLとをオンする。このようにすれば、リングコイル4A〜4Cは、インダクタンス増大期間の電流の半分の電流をインダクタンス増大期間以外の期間に通電される。
実際には、DCコイルであるリングコイル40A、40B、40Cのターン数は、ACコイルであるリングコイル4A、4B、4Cのターン数のK倍とされ、リングコイル40A、40B、40Cに通電される直流電流Idcは、リングコイル4A〜4Cのインダクタンス増大期間の電流の1/2Kとされる。この実施例によれば、モータ駆動回路のパワースイッチング素子の数を半減することができる。
(変形態様1)
上記実施例1、2において、リングコイル40A、40B、40Cの代わりに、直流電流Idcが流れるDCコイルをたとえばステータ磁極32のグループに集中巻きし、ステータ磁極33の磁極グループに集中巻きしてもよい。
(変形態様2)
上記実施例1、2において、モータコントローラ903は、高効率運転モードと大トルク運転モードとをもつことができる。高効率運転モードでは、インダクタンス減少期間Tdにリングコイル4U、4V、4Wのアンペアターンとリングコイル40A、40B、40Cのアンペアターンとを略等しくする(90%以上等しくする)。これにより、インダクタンス減少期間Tdの逆リラクタンストルクをほぼキャンセルすることができる。
大トルク運転モードでは、インダクタンス減少期間Tdにリングコイル4U、4V、4Wのアンペアターンをリングコイル40A、40B、40Cのアンペアターンよりも10〜50%だけ大きくする。このようにすれば、期間Tc、Tdに逆トルクが発生する。けれども、インダクタンス増大期間Tiの正トルクは、リングコイル40A、40B、40Cのアンペアターンとリングコイル4U、4V、4Wのアンペアターンの和となるため、トルクリップルが大きくなるものの大きなリラクタンストルクを得ることができる。
(変形態様3)
上記実施例1、2において、直流電流Idcを低減するために、ステータ磁極31〜34に永久磁石を設けてもよい。
(変形態様4)
実施例1〜3で説明された3相軸方向延在セグメントSRMの相数を変更してもよいことはもちろんである。たとえば図16、図17に2相ダブルコイル型SRMを示す。図16において、Ifはステータ磁極32に集中巻きされたあるいはリングコイルにより構成されたDCコイル40に通電される直流電流Idcである。4Aはステータ磁極31、32間のスロットを貫通するリングコイルである。4Bはステータ磁極3、33間のスロットを貫通するリングコイルである。ロータセグメント7はステータ磁極31、32に対面し、ロータセグメント8はステータ磁極31、32に対面する。ロータセグメント7、8は図17に示すように電気角π離れて配置されている。リングコイル4A、4Bには逆位相の交流電流Iが通電される。図17は図16のSRMのステータ磁極31〜33とロータセグメント7、8との周方向位置関係を示す。図17(A)はロータ電気角0の状態を示し、図17(B)はロータ電気角πの状態を示す。
(変形態様5)
実施例1、2で説明されたステータセグメント3のステータ磁極数を変更してもよいことはもちろんである。たとえば図18に7個のステータ磁極31〜37をもつステータセグメント3を示す。ロータセグメント7U、7V、7Wは電気角2π/3ずれて配置されている。ロータセグメント8U、8V、8Wは電気角2π/3ずれて配置されている。ロータセグメント7U、8Uは電気角πずれて配置されている。リングコイル4A、4B、4C、4D、4E、4Fに通電する3相電流(Iu、Iv、Iw)の順番を図19に示すように変更しても良い。
更に、図18、図19において、リングコイル40A、40B、40C、4D、4E、4Fに3相電流(Iu、Iv、Iw)を通電する代わりに、7つのスロットにそれぞれ直流電流Idcが通電されるリングコイルと一つの相の交流電流が通電されるリングコイルとを収容しても良い。また、直流電流Idcが通電されるリングコイルの代わりに、ステータ磁極32〜36に直流電流Idcが流れるDCコイルを集中巻きしてもよい。
(実施例4)
本発明の軸方向延在セグメントSRMの実施例4を図20、図21を参照して説明する。図20(A)はこの3相リングコイルSRMの模式軸方向半断面図である。図20(B)は図20(A)のステータセグメント(以下、単にセグメントとも言う)3A〜3Cの周方向部分展開図である。図21は図20のSRMの模式径方向側面図である。ただし、この実施例で用いる符号の一部は、実施例1−3の符号とは無関係である。このリングコイルSRMは、V、W相のリングコイルの一部がロータセグメントより径方向内側に配置されている点にその特徴がある。
1はステータ、2はロータ、3A〜3Eはステータセグメント、4A〜4E及び9A〜9Eは電機子コイルをなすリングコイル、5Aは前ハウジング、5Bは後ハウジングである。ロータ2は非磁性のボス部6と、ロータセグメント7とをもつ。8は回転軸である。
セグメント3A〜3Eはステータコアをなす。セグメント3A〜3Cは、前ハウジング5A及び後ハウジング5Bの内周面に固定されている。セグメント3Dは前ハウジング5Aの内端壁に固定され、セグメント3Eは後ハウジング5Bの内端壁に固定されている。セグメント3A〜3Eは、周方向へ一定ピッチで配列されている。セグメント3A〜3Eは、軟磁性鋼板を略周方向(接線方向)に積層してそれぞれ作製されている。セグメント3A〜3E及びロータセグメント7は軸方向に延在している。ボス部6の外周面には多数のロータセグメント7が電気角πピッチで周方向に配列されている。
図20(B)はセグメント3A〜3Cの周方向位置を示す部分模式展開図である。セグメント3A、3Dは周方向同位置に配置されている。セグメント3C、3Eも周方向同位置に配置されている。セグメント3A、3D、3C、3EはC字形に形成されている。セグメント3BはE字形に形成されている。
セグメント3A、3Dは、セグメント3Bに対して電気角2π/3だけ周方向にずれて配置されている。セグメント3Bは、セグメント3D、3E対して電気角2π/3だけ周方向にずれて配置されている。リングコイル4A〜4Eは交流電流が流れるACコイルであり、リングコイル9A〜9EはDCコイルである。リングコイル4A〜4E、9A〜9Eはロータ2を囲んでリング状に巻かれている。
リングコイル4A、9Aはセグメント3Aのスロットに収容され、2対のリングコイル4B、9Bはセグメント3Bの2つのスロットに収容されている。ただし、2つのスロットに収容された2つのV相リングコイル4Bの電流向きは逆であり、2つのスロットに収容された2つのDCリングコイル9Bの電流向きは逆である。リングコイル4C、9Cはセグメント3Cのスロットに収容され、リングコイル4D、9Dはセグメント3Dのスロットに収容され、リングコイル4E、9Eはセグメント3Eのスロットに収容されている。
U相のリングコイル4A、4Dの電流方向は同じであり、U相のリングコイル9A、9Dの電流方向は同じである。W相のリングコイル4C、4Eの電流方向は同じであり、W相のリングコイル9C、9Eの電流方向は同じである。
ロータセグメント7は、電気角2πピッチで周方向に配列されている。ロータセグメント7は軸方向に延在している。この実施例ではロータセグメント7の周方向幅及びセグメント3A〜3Eの周方向幅は略電気角πとされているが、ロータセグメント7の周方向幅とセグメント3A〜3Eの周方向幅との一方を2π/3とし、他方をπとしてもよい。
ロータセグメント7は、非磁性金属からなるボス部6の外周面に固定されている。セグメント3A〜3E及びロータセグメント7は、軟磁性鋼板を略周方向(接線方向)に積層して作製されている。ロータセグメント7は、ボス部6から軸方向両側に突出している。ロータセグメント7の前端部はセグメント3A、3Dの間に挿入され、ロータセグメント7の後端部はセグメント3C、3Eの間に挿入されている。ボス部6は、回転軸8に嵌着、固定されている。回転軸8は、前ハウジング5A及び後ハウジング5Bに回転自在に支持されている。
直流電流が、直列接続されたリングコイル9A〜9Eに通電されている。この直流電流は、電流制御トランジスタのPWM制御により調整される。交流巻線(ACコイル)であるリングコイル4A〜4Eに通電される3相交流電流(Iuac、Ivac、Iwac)は各相のフルブリッジインバータにより、又は、一つの三相インバータにより形成される。
既述したように、好適動作モードにおいて、インダクタンス減少期間Tdにおけるリングコイル4A〜4Eのアンペアターンは、リングコイル9A〜9Eのアンペアターンに略等しく、かつ、その方向は反対とされる。これにより、セグメント3A〜3Eは、インダクタンス減少期間Tdに磁束をほとんど発生しない。インダクタンス増大期間Tiには、リングコイル4A〜4Eのアンペアターンと、リングコイル9A〜9Eのアンペアターンとが同向きかつ等しい大きさとなるため、強力な磁束が発生する。リングコイル4A、4Dの電流位相は、リングコイル4Bの電流位相に対して電気角2π/3だけずれている。同様に、リングコイル4Bの電流位相は、リングコイル4C、4Eの電流位相に対して電気角2π/3だけずれている。これにより、3相セグメント型SRMの電動動作が可能となる。発電も同様に行われる。発電時には、リングコイル4A〜4Eのアンペアターンは、リングコイル9A〜9Eのアンペアターンに略等しく、かつ、その方向は反対とされる。これにより、セグメント3A〜3Eは、インダクタンス増大期間Tiに磁束をほとんど発生しない。
セグメント3A、3Dが発生する平均トルクは、セグメント3Bが発生するトルクが発生する平均トルクと等しくなるようにセグメント3Bの軸方向幅が調整される。セグメント3C、3Eが発生する平均トルクは、セグメント3Bが発生するトルクが発生する平均トルクと等しくなるようにセグメント3C、3Eの軸方向幅が調整される。
この実施例によれば、セグメント3D、3Eをロータ3の径方向外側に配置する場合に比べて、モータの軸方向長を短縮することができ、モータを大幅に小型軽量化することができる。また、ロータセグメント7の軸方向突出長を短縮できるため、高速度回転が可能となる。また、発電動作のために、リングコイル4A〜4Eに直流電流を重畳させることができる。
100gは、セグメント3A、3Bの間、及びセグメント3B、3Dの間に設けられた小ギャップである。この小ギャップ100gは、図2に示す小ギャップgと同じく、セグメント3A、3B間の周方向磁気漏れ、及びセグメント3B、3C間の周方向磁気漏れを防止する。これにより、周方向(接線方向)積層鋼板からなるステータセグメントの鉄損及び渦電流損失を低減することができる。
6つのステータセグメントと6つのロータセグメントとが周方向に配置されたこの実施例のSRM(リングコイルと軸方向に延在するステータセグメント及びロータセグメントをもつダブルコイル型SRM)の模式側面図を図21に示す。ただし、前ハウジング5A、セグメント3A、3D、リングコイル4A、9A、4D、9Dは除去されている。10は、周方向に隣接する2つのステータセグメント間に挿入された非磁性の櫛歯状部材である。それぞれ円筒状に形成された2つの櫛歯状部材10の各歯が各ステータセグメントの軸方向両側から各ステータセグメントの間に挿入される。これにより、ステータセグメントの振動が抑制される。また、リングコイルが保護される。
(変形態様)
この実施例では、ACコイルであるリングコイル4A〜4Eの他に、DCコイルであるリングコイル9A〜9Eを併用してダブルコイル型SRMとしたが、DCコイルであるリングコイル9A〜9Eを省略し、リングコイル4A〜4Eに台形波状の直流電流を通電してもよい。
その他、ロータセグメントに永久磁石を設けて通常の磁石同期モータとしてもよく、ステータセグメントに永久磁石を設けてDCコイルを省略してもよい。また、既述した各実施形態の周方向延在セグメントRM又は従来公知のRMをこの実施形態の軸方向延在セグメントRMに適用することができる。
(実施例5)
本発明の軸方向延在セグメントSRMの実施例5を図22、図23を参照して説明する。図22はインホイルモータを構成するアウターロータ構造の三相軸方向延在セグメントRMの軸方向模式部分断面図である。6つのロータセグメント7が非磁性のホイール60の周壁内周面に周方向に30度ピッチで固定されている。図略の静止軸に固定されて径外方向へ延在する非磁性のディスク50の外周面には6つのステータセグメント3が周方向に30度ピッチで固定されている。ステータセグメント3とロータセグメント7との間のギャップの径方向位置において、ステータセグメント3及びロータセグメント7の周方向幅は約15度である。ロータセグメント7及びステータセグメント3は軸方向に延在している。
ステータセグメント3には軸方向に6つのスロット30が設けられ、各スロット30には3相のリングコイルU、V、Wが2本づつ収容されている。リングコイルU、V、Wは静止軸の周りにリング状に形成されている。また、各スロット30にはDCコイルであるリングコイル9がそれぞれ収容されている。ステータセグメント3及びロータセグメント7は、厚さが0.3mmである多数の電磁鋼板を接線方向に積層して構成されている。ロータセグメント7は、軸方向を磁化容易化方向とする方向性電磁鋼板を用いて形成されている。ステータセグメント3をなす電磁鋼板の外周縁、及びロータセグメント7をなす電磁鋼板の内周縁は略円弧状に形成されている(図23参照)。
三相のリングコイルU、V、Wの配置図を図22に示す。DCコイルであるリングコイル9はスロット30の開口90近傍に配置され、ACコイルであるリングコイルU、V、Wはスロット30の底側に配置されている。DCコイルであるリングコイル9は細径に形成されて多くのターンが巻かれる。したがって、ステータセグメント3の各ステータ磁極4A〜4Gの先端部が軸方向に突出してスロット30の開口を狭搾する鍔部をもつ場合でも、リングコイル9の多くのターンをこの鍔部に隣接して配置することができる。
一つのロータセグメント7は、長さが異なる複数の小セグメントを周方向に隣接して配置される(図22参照)。各小セグメントは、ロータセグメント7及びステータ磁極4A〜4Gの周方向幅を15度とする時、それぞれ周方向に5度(5°を言う)の幅をもつ。各小セグメントは、他の実施例のセグメントと同じくそれぞれ電磁鋼板を接線方向に多数積層して構成されている。各小セグメントの間に小ギャップg(図2参照)が設けられて、小セグメント間の周方向磁気漏れが防止される。この実施形態では、ステータセグメント3が軸方向に延在するので、ロータセグメント7の各小セグメントは各相ごとに周方向へ電気角2π/3ずつずれて配置される。この実施形態によれば、軸方向に6スロットをもつ軸方向延在セグメントRMにおいて、リングコイルをU、V、W、U、V、Wの順に配置されるので、磁束の集中を減らすことができる。
(実施例6)
本発明の軸方向延在セグメントSRMの実施例6を図24、図25を参照して説明する。この実施例は、ラジアルギャップ型の軸方向延在セグメントRMに採用されるリングコイルの好適な巻装方法例を示す。
ACコイルをなすリングコイル40は、図24に示すように絶縁被覆銅板を軸方向に螺旋巻きして構成されている。リングコイル40の各ターンの直径は等しい。リングコイル40の両端部40A、40Bは径方向外側に曲げられている。なお、アウターロータ構造では、リングコイル40の両端部40A、40Bは径方向内側に曲げられている。なお、リングコイル40の両端部40A、40Bは径方向に折り曲げられてもよい。
軸方向に延在するステータセグメント3のスロット30へのリングコイル40を収容する方法を図25を参照して説明する。4A、4Bは軸方向に延在するステータセグメント3のステータ磁極である。30はステータ磁極4A、4Bの間のスロットである。AXは軸方向を示し、RAは径方向を示す。400はステータ磁極4A、4Bの鍔部、401はステータ磁極4A、4Bの間のスロット開口である。
まず、リングコイル40の半分のターン数をもつ半リングコイル40C、40Dを準備する。半リングコイル40C、40Dは、絶縁被覆銅板により構成されている。次に、半リングコイル40Cを巻締めすることにより、その径を縮小する。なお、この実施例ではインナーロータ型リングコイルSRMのステータセグメント3にリングコイル40を巻く場合を説明するために半リングコイル40Cを縮小したが、アウターロータ型リングコイルSRMのステータセグメント3にリングコイル40を巻く場合には、半リングコイル40Cは巻き緩めされて、その径は拡大される。
次に、縮径された半リングコイル40Cは、多数のステータセグメント3が周方向所定ピッチで配列されて構成されたステータコアの径方向内側に軸方向に挿入される。次に、半リングコイル40Cの各ターンをその一端部から順番にスロット開口401に挿入し、半リングコイル40Cを巻き戻す。これにより、半リングコイル40Cの各ターンは順番に拡径されてスロット30内に収容される。次に、スロット30内に収容された各ターンを軸方向へ移動させてステータ磁極4Aに密着させる。これにより、半リングコイル40Cは、スロット30のうちステータ磁極4A側の半分に収容される。同様の操作により、半リングコイル40Dがスロット30のうちステータ磁極4B側の半分に収容される。最後に、半リングコイル40C、40Dと直列接続することにより、リングコイル40が完成される。
このようにすれば、ラジアルギャップ型軸方向延在セグメントRMのリングコイル40を簡素な工程によりスロット30内に高いスロット占積率で収容することができる。また、螺旋銅板形状をもつリングコイル40は優れた熱伝導性をもつ。このリングコイル40は、軸方向延在セグメントRMのACコイルとして好適である。このリングコイルSRMのリングコイル巻装方法は、リングコイルを用いる種々の形式のモータに採用することができる。
(実施例7)
アキシャルギャップ型の径方向延在セグメントRMに採用されるリングコイルの巻装方法例を図26を参照して説明する。この実施例では、ACコイルをなすリングコイルは、絶縁被覆銅板を径方向に螺旋巻きして構成されている。リングコイルの各ターンの幅は等しい。リングコイルの両端部は軸方向反ロータ側に曲げられている。このアキシャルギャップモータのステータセグメント3及びロータセグメントは径方向に延在している。ステータセグメント3のステータ磁極4A、4Bはスロット30を挟んで径方向に隣接している。401はステータ磁極4A、4Bの間のスロット開口である。スロット開口401は軸方向一方側に向けて開口している。AXは軸方向を示し、RAは径方向を示す。
径方向に延在するステータセグメント3のスロット30へのリングコイルを収容する方法を図26を参照して説明する。
まず、リングコイルの半分のターン数をもつ半リングコイル40C、40Dを準備する。半リングコイル40C、40Dは、一定幅の絶縁被覆銅板をドラム状に螺旋巻きして構成されている。500は、ドラムに巻かれたスロット収容前の半リングコイル40Cである。リングコイル40C、40Dの外径は、回転軸心Mからスロット開口401までの径に等しくされている。
次に、半リングコイル40Cを回転させつつ軸方向に引き出してスロット30内に挿入する。これにより、半リングコイル40Cは、その外周部分から順番にスロット30内に径方向に螺旋巻きされる。スロット30に収容された半リングコイル40Cの各ターンは順次、径方向内側へ締め込まれる。ステータセグメント3を回転させてもよい。これにより、半リングコイル40Cは、スロット30のうちステータ磁極4A側の半分に収容される。同様の操作により、半リングコイル40Dがスロット30のうちステータ磁極4B側の半分に収容される。最後に、半リングコイル40C、40Dを直列接続することにより、リングコイルが完成される。
このようにすれば、アキシャルギャップ型の径方向延在セグメントRMのリングコイルを簡素な工程によりスロット30内に高いスロット占積率で収容することができる。また、螺旋銅板形状をもつリングコイルは優れた熱伝導性をもつ。このリングコイルは、軸方向延在セグメントRMのACコイルとして好適である。このリングコイルSRMのリングコイル巻装方法は、リングコイルを用いる種々の形式のアキシャルギャップモータに採用することができる。
(実施例8)
実施例8のSRMを図27を参照して説明する。この実施例は、軸方向延在セグメントSRMのステータセグメント又はロータセグメントを周方向に積層された軟磁性鋼板により構成するに際して、各軟磁性鋼板をセグメントの周方向(接線方向)中央部から離れるに従って略径方向(正確には上記接線方向と直角方向)にずらせることにより、各軟磁性鋼板の径方向端面を略円形に並べる点にその特徴がある。
300は、ロータ2のセグメント7を構成する鋼板であり、400は、ステータ磁極31を構成する鋼板である。合計10枚の各鋼板300は同じ形に成形され、合計10枚の各鋼板400は同じ形に成形されている。実際には、一つのセグメントの周方向(接線方向)は100枚以上の軟磁性鋼板を積層して構成されている。鋼板300、400は、セグメント7、31の周方向中心部において径方向においてほぼ同じ位置に配置され、セグメント7、31の周方向両端部において径方向において円形の電磁ギャップGに近付く向きに相対的に大きくずれている。各鋼板300、400をこのように配置することにより、同形の鋼板300、400を用いて、ロータ2のセグメント7とステータ磁極31との間の電磁ギャップGの幅を略等しくすることができる。
(実施例9)
実施例9のSRMを図28を参照して説明する。この実施例は、軸方向延在セグメントSRMのステータセグメント又はロータセグメントを周方向積層軟磁性鋼板により好適に形成する構造を説明するものである。
図28(A)はいままで説明したステータセグメント3A及びロータセグメント7の一部を拡大した模式説明図である。ステータセグメント3Aは電磁鋼板2000を周方向(接線方向)に積層して形成されている。ロータセグメント7は電磁鋼板2001を周方向(接線方向)に積層して形成されている。Gはステータセグメント3Aとロータセグメント7との間の電磁ギャップ(たとえば0.7mm)である。図28(A)では、ステータセグメント3Aの前端部とロータセグメント7の後端部とが電磁ギャップGを挟んで対面している。磁束Φは、ステータセグメント3Aの前端部の電磁鋼板2000と、ロータセグメント7の後端部の電磁鋼板2001に集中する。このため、ステータセグメント3Aに入った磁束Φは、周方向前方の電磁鋼板2000に周方向(接線方向)に流れる。その結果、電磁鋼板2000に大きな渦電流損失が発生する。ロータセグメント7の各電磁鋼板2001においても同様の渦電流損失が発生する。
図28(B)はこの実施例のステータセグメント3A及びロータセグメント7の一部を拡大した模式説明図である。ステータセグメント3Aは電磁鋼板2000を周方向(接線方向)に積層して形成されている。ロータセグメント7は電磁鋼板2001を周方向(接線方向)に積層して形成されている。Gはステータセグメント3Aとロータセグメント7との間の電磁ギャップ(たとえば0.7mm)である。図28(B)では、ステータセグメント3Aの前端部とロータセグメント7の後端部とが電磁ギャップGを挟んで対面している。磁束Φは、ステータセグメント3Aの前端部の電磁鋼板2000と、ロータセグメント7の後端部の電磁鋼板2001に集中する。ただし、この実施例では、各電磁鋼板2000の間、及び各電磁鋼板2001の間に薄い非磁性層200Aが形成されている。この実施例では非磁性層200Aは、電磁鋼板の10〜50%の厚さ(たとえば約0.05〜1mm)の厚さをもち、絶縁樹脂をコーティングするなどして形成されている。ステータセグメント3Aの後端部に位置する一つの電磁鋼板2000の磁気抵抗やロータセグメント7の前端部に位置する一つの電磁鋼板2001の磁気抵抗は、それらが飽和しない限り小さい。
したがって、上記した薄い非磁性層200Aを設けるだけで、互いに隣接する2枚の電磁鋼板2000を周方向に流れる漏れ磁束、及び、互いに隣接する2枚の電磁鋼板2001を周方向に流れる漏れ磁束を大幅に低減することができる。その結果として、渦電流損失を減らすことができる。ただし、この実施例では、磁束がステータセグメント3Aやロータセグメント7を構成する一部の電磁鋼板2000、2001だけを流れる時間が存在するため、磁束密度が増大するという欠点がある。
(実施例10)
実施例10のSRMを参照して説明する。この実施例は、軸方向延在セグメントSRMのステータセグメント及びロータセグメント7を積層軟磁性鋼板により好適に形成するための各種構造を説明するものである。
図29(A)は一つのステータセグメント3Aの軸方向断面図、図29(B)は図29(A)のステータセグメント3AのA−A線矢視断面図である。このステータセグメント3AはC字形状に形成されているので、クローポールコアとも称する。ステータセグメント3Aは、第1積層部301と、第2積層部302とにより構成されている。300は、ステータセグメント3Aの2つのステータ磁極の先端面であるステータ磁極面(ロータ対向面)である。4AはACコイルであるリングコイル、9AはDCコイルであるリングコイルである。ロータセグメントの図示は省略されている。
第1積層部301は、電磁鋼板を周方向(接線方向)に積層して構成されている。第1積層部301は、スロットSを貫通するリングコイル4A、9Aを囲むC字形のC字部301Aと、C字部301Aの両端部から軸方向両側に突出する内爪部301B及び外爪部301Cとを有している。一対の内爪部301BはスロットSの開口を狭搾している。一対の外爪部301CはC字部301Aから軸方向に離れるにつれて径方向幅が増大する直角三角形形状をもつ。
第2積層部302を構成する各電磁鋼板は径方向及び軸方向に積層されている。第2積層部302は、C字形に形成されており、第1積層部301のC字部301Aの外側表面に接して軸方向及び径方向に延在している。第2積層部302の先端部302Aは、C字部301Aに近付くにつれて径方向内側に突出する尖った形状をもつ。2つの先端部Aは、第1積層部301のC字部301Aと外爪部301Cとの間に圧入されている。
第1積層部301と第2積層部302との接触面には、軟磁性をもつ純鉄粉が多量に混入された接着剤が塗布されており、この鉄粉入りの接着剤層500は第1積層部301と第2積層部302とを接着している。
この実施例のC字形のステータセグメント3Aは、周方向積層鋼板により構成された第1積層部301からなる一対の先端部(ステータ磁極)をもつ。したがって、図28で説明したように、周方向に積層された複数の鋼板の間で磁束が周方向に漏れようとする。しかし、このステータセグメント3Aは、第1積層部301に入った磁束が軸方向に積層された第2積層部302の先端部に流れ込むため、この第2積層部302内にて周方向に移動することができる。したがって、ステータセグメント3Aの磁気抵抗は小さくなる。つまり、この実施例では、磁束がステータセグメント3Aの第1積層部301から第2積層部302に入ることにより周方向に分散して流れてることができるので、既述した磁束集中による鉄損増大を防止することができる。
更に、この実施例では、第1積層部301のC字部301Aの軸方向幅や径方向幅が狭いため、第1積層部301を変形させてリングコイル4A、9Aに被せることも可能である。その後、第2積層部302の先端部を第1積層部301に圧入することにより、C字形状のステータセグメント3Aを完成することができる。
図29に示すステータセグメント3Aの2つのステータ磁極(先端部)を一つのロータセグメント7に対面させることにより、単相の軸方向延在セグメントSRMを構成することができる。この単相SRMを軸方向に3つ隣接配置することにより、リングコイルをもつ3相の軸方向延在セグメントSRMを実現することができる。もちろん、各相の単相SRMのステータ磁極とロータセグメントとの周方向位置関係は、2π/3だけずらして異なっている。以下、この3相SRMを、C字ステータセグメントタンデム配置型3相SRMと称する。
第2積層部302の製造例を図30を参照して説明する。細長い長方形の電磁鋼板を所定枚数積層した積層部材3020の長手方向中央部を金型601、602で挟む。金型600の上端両側は面取りされている。積層部材3020の両端部を金型600側に曲げる。これにより第2積層部302を形成することができる。好適には、積層部材3020は第2積層部302の電磁鋼板の枚数の10乃至20%の電磁鋼板の枚数をもつ。これにより容易に曲げることができる。つまり、異なる大きさの金型600を用いて少数(5〜10枚)の積層部材3020を曲げる。その後、それぞれ曲げられた合計5〜10枚の積層部材3020のグループを重ねて第2積層部302を完成させる。それぞれ曲げられた積層部材3020を重ねる際に外側の積層部材3020は弾性変形範囲で軸方向に広げられるべきである。
図31(A)は一つのロータセグメント7の軸方向断面図、図31(B)は図31(A)のロータセグメント7の電磁ギャップG側を見た平面図である。ロータセグメント7は、第1積層部701と、第2積層部702とにより構成されている。700は、ロータセグメント7のステータ対向面(磁極面)である。6は回転軸に嵌着固定された円筒状の非磁性ボス部である。
第1積層部701は、多数の電磁鋼板を周方向(接線方向)に積層して構成されている。第2積層部702は、多数の電磁鋼板を軸方向に積層して構成されている。第2積層部702は、第2積層部702のステータ対向面700の近傍に周方向(接線方向)に貫口された2つの角孔600に圧入されている。第2積層部702は、電磁ギャップG及び第1積層部701の薄い表面領域を隔ててステータセグメント3Aの2つのステータ磁極面300に対面している。ステータセグメント3A及びロータセグメント7は、図21に示すステータセグメント3B及びロータセグメント7と同様の径方向断面形状をもつことに留意されたい。第1積層部701と第2積層部702との接触面には、軟磁性をもつ純鉄粉が多量に混入された接着剤が塗布されており、この鉄粉入りの接着剤層600は第1積層部701と第2積層部702とを接着している。
ステータセグメント3Aのロータ対向面300に対面するロータセグメント7のステータ対向面(磁極面)700から第1積層部701に入った磁束は速やかに第2積層部702に流入し、第2積層部702中を周方向に分散することができる。したがって、図28で説明した周方向漏れ磁束による渦電流損失問題はほとんど生じない。第2積層部702に流入した磁束は、周方向に積層電磁鋼板からなる第1積層部701を通じて軸方向に移動する。
結局、この実施例によれば、鉄損が少なく、製造が容易であり、そのうえ、磁気抵抗を低減できる内爪部301Bをもつことができる電磁鋼板瀬積層構造のステータセグメント及びロータセグメントを実現することができる。
(変形態様1)
図29に示すステータセグメント3Aの第2積層部302の他の製造方法を図32を参照して説明する。
この態様では、ステータセグメント3Aは、軸方向両側に突出する突出部3031、3032をもつ帯状の電磁鋼板を螺旋状に巻いて第2積層部302が形成されている。ただし、この態様では、ステータコアを構成する各ステータセグメント3Aは帯状部3033により連結されている。まず、帯状の電磁鋼板を打ち抜いて、突出部3031、3032及び帯状部3033をもつテープ状鋼板3030を形成する(図32(A))。次に、突出部3031、3032を径方向内側に曲げつつ、テープ状鋼板3030を螺旋巻きする(図32(B)。これにより、第2積層部302を形成することができる。なお、軸方向に曲げられた突出部3031、3032は、既に巻き取られた突出部3031、3032の上に重ねる際に弾性変形範囲で軸方向両側に曲げられることが好ましい。もちろん、突出部3031、3032のペアは、周方向所定距離ごとに帯状部3033から突出する。この所定距離は徐々に増大される。このようにすれば、簡素な工程により各ステータセグメント3Aを一挙に製造することができる。
(変形態様2)
図32で説明した製造方法、又は、図30で説明した製造方法により製造されたC字形状のステータセグメントをロータセグメントとして採用することもできる。
(変形態様3)
図32において、左側に突出する突出部3031を右側に突出する突出部3032に対して電気角πだけずらせることにより、クローポールコアやランデルポールコアを作成することができる。
(変形態様4)
変形態様を図33を参照して説明する。この変形態様は、図29に示す軸方向積層電磁鋼板からなる第2積層部と、周方向(接線方向)積層電磁鋼板からなる第1積層部とを組み合わせてステータセグメントを作成するこの実施例の技術思想を、図12に示す軸方向延在セグメントSRMのステータセグメントに適用したものである。
このステータセグメント3は、図21のそれと同じく4つのステータ磁極31〜34とそれらを磁気的に短絡するステータヨーク30とをもつ。ただし、図33(A)では、2つのステータ磁極32、33及びステータヨーク30だけが拡大図示されている。図33(B)は、図33(A)のステータセグメント3を軸方向に見た側面図である。
この態様では、ステータ磁極31〜34の先端部に角孔38を設け、この角孔38に第2積層部39を圧入している。この第2積層部39は、長方形又は円弧状の電磁鋼板を軸方向に積層して形成されている。第2積層部39は鉄粉入りの接着剤により第1積層部としてのステータセグメント3に接着されている。
図略のロータセグメントからステータ磁極32、33に入った磁束は、第2積層部39に入り、第2積層部39中を周方向に分散し、その後、再びステータセグメント3を構成する各電磁鋼板を流れる。これにより、ステータセグメントの渦電流損失を増大させたり、磁束密度を増大させることを防止することができる。
(実施例11)
実施例11のSRMを図34、図35を参照して説明する。この実施例は、既述した軸方向延在セグメントSRMなどに採用されるリングコイルを囲むC字コアを螺旋巻き軟磁性鋼板を用いて好適に製造する製造方法に関する。図34は、周方向(接線方向)に見たC字コア400の正面図であり、図35は軸方向に見たC字コア400の側面図である。以下、製造方法を説明する。
まず、C字コア400のスロットSとほぼ同形の芯金402を準備し、この芯金402に帯状の電磁鋼板401を必要ターンだけ巻き付ける。1ターンの電磁鋼板は、2つのステータ磁極のための直線部403、404と、これら2つのステータ磁極を磁気短絡するステータヨークのための半円部405と、ほとんどを切断除去する半円部406とに区画される。半円部406の中心m1は半円部405の中心寄りにずれている。これにより、半円部406は正確には半円では無く、直線部403、404から急激に曲がっている。好適には、帯状の電磁鋼板401を予め湾曲加工乃至屈曲加工した後、螺旋巻きすることが好ましい。これにより、図34に示すC字コア400の元となるリング体が形成される。次に、このリング体の表面に樹脂を塗布して電磁鋼板を一体化する。
次に、回転軸心m3を中心として高速回転する切断ディスク407により、リング体の一点鎖線Lより下の部分を液冷しながら切断除去する。切断ディスク407の外周部には円筒状の切断刃408が固定されている。
次に、直線部403、404に軸方向に角孔409、410を貫孔し、この角孔409、410にブロック状の電磁鋼板積層体411、412を圧入する。電磁鋼板積層体411、412は、図35に示すように、長方形の電磁鋼板を周方向(接線方向)に積層して構成されている。この電磁鋼板積層体411、412は切断後の電磁鋼板401がばらけるのを防止する。
この実施例によれば、C字コア400の一対のステータ磁極をなす直線部403、404の先端がスロット開口を狭くするための爪部413、413をもつことができるため、ロータコアに対する磁気抵抗を低減できる。角孔409、410は、帯状の電磁鋼板401を螺旋巻きする前にプレス成形により形成してもよい。
なお、図34に示すC字コア400を軸方向に3個並べることにより、図2に示す3相軸方向延在セグメントSRM用のステータセグメントを構成することができる。
(追記事項)
この明細書で言う「インダクタンス増大期間Ti」、「インダクタンス減少期間Td」、「ピーク期間Tp」及び「ボトム期間Tb」について更に詳しく説明する。
ステータコイルをなす相コイル(リングコイルを含む)が巻かれたステータコアのステータ磁極と、ロータセグメントを含むロータコアの突極部(ロータ磁極とも言う)との間の電磁ギャップ(ラジアルギャップモータでは径方向の小間隙)は、大きな磁気抵抗をもつ。相コイルのインダクタンスは鎖交する磁気回路の磁気抵抗に反比例する。このため、上記説明では、径方向に見た場合のステータ磁極とロータ磁極と重なり面積Soの増大につれて相コイルのインダクタンスが増大し、重なり面積Soの減少につれて相コイルのインダクタンスが減少するとみなした。更に、ロータ回転にかかわらず重なり面積Soが最大値を維持する期間をピーク期間Tpとみなし、ロータ回転にかかわらず重なり面積Soが0である期間をボトム期間Tbとみなした。
けれども、相コイルに大電流を通電すると、相コイルのインダクタンスはステータコア又はロータコアの磁気飽和により低下する。このことは、インダクタンス増大期間の終期にこの磁気飽和が生じるとインダクタンス増大期間中であるにもかかわらず、インダクタンスがほとんど増大しない期間が発生する。このことは、ステータ磁極の周方向幅とロータ磁極の周方向幅との差を大きくしなくても、相コイルへの通電電流の増大により電流立ち下げをトルク発生無しに行うことができるピーク期間を設定できることを意味する。この磁気飽和を利用したピーク期間の形成は、実施例3において特に重要である。
本発明では、インダクタンスが、そのピーク値よりも85%以下、更に好適には90%以下であり、かつ、インダクタンスが時間とともに増大する期間をインダクタンス増大期間Tiとみなすものとする。

Claims (30)

  1. 複数相の相コイルからなるステータコイルが巻かれた軟磁性のステータコアを有するステータと、前記ステータの周面に小ギャップを隔てて相対回転自在に配置されたロータと、前記各相コイルに異なるタイミングで略台形波状の電流を通電するモータ駆動回路とを有し、前記ロータのステータ対向面は、軟磁性の低磁気抵抗部を周方向所定ピッチで有し、前記ステータコアは、軟磁性を有して前記ロータに向けて突出する複数のステータ磁極を周方向所定ピッチで有するスイッチドリラクタンスモータにおいて、
    前記ステータコアは、周方向所定ピッチで配置されて略軸方向へそれぞれ延在する複数の軟磁性のステータセグメントを有し、
    前記各ステータセグメントは、軸方向所定ピッチで配置されて略径方向ロータ向きにそれぞれ突出する3個以上のステータ磁極を有し、
    前記ロータコアは、周方向所定ピッチで配置されて略軸方向へそれぞれ延在する複数の軟磁性のロータセグメントを有し、
    前記各ロータセグメントは、前記各ステータセグメントの互いに軸方向に隣接する少なくとも2つの前記ステータ磁極に対面可能な軸方向位置に配置され、
    前記各相の相コイルは、前記各ステータセグメントの前記ステータ磁極の間に設けられたスロットを貫通して略円形に巻かれて前記ロータコアを囲むリングコイルにより構成され、
    第1の前記ロータセグメントに対面する2つの前記ステータ磁極と前記第1のロータセグメントとの間の周方向相対位置は、第2の前記ロータセグメントに対面する2つの前記ステータ磁極と前記第2のロータセグメントとの間の周方向相対位置に対して周方向へ所定電気角離れており、
    前記モータ駆動回路は、前記第1のロータセグメントを励磁する第1の前記相コイルへ通電する第1相の電流の位相を、前記第2のロータセグメントを励磁する第2の前記相コイルへ通電する第2相の電流の位相に対して前記電気角に相当する位相角だけずらせることを特徴とするスイッチドリラクタンスモータ。
  2. 前記リングコイルは、前記各ステータ磁極の間の各スロットに収容された直流電流通電用のDCコイル及び交流電流通電用のACコイルを有し、
    前記モータ駆動回路は、前記各DCコイルに直流電流を通電し、前記ACコイルに略台形波の交流電流を通電する請求項1記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  3. 前記DCコイルをなす前記リングコイルは、前記ACコイルをなす前記リングコイルよりも、小さい導体断面積と多いターン数とをもつ請求項2記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  4. 前記モータ駆動回路は、電動動作に際して、前記ACコイルのインダクタンス減少期間における前記交流電流の形成磁束の向きが前記直流電流が形成する磁束に対して反対となり、前記ACコイルのインダクタンス増大期間における前記交流電流の形成磁束の向きが前記直流電流が形成する磁束に対して同じとなる向きに前記ACコイルに前記交流電流を通電する請求項2記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  5. 前記モータ駆動回路は、電動動作に際して、前記ACコイルのインダクタンス減少期間における前記交流電流の形成磁束に略等しく、方向が反対の磁束を形成する前記直流電流を前記DCコイルに通電する請求項4記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  6. 前記モータ駆動回路は、3相の前記相コイルをなす3つの前記ACコイルにそれぞれ別々に給電する単相フルフレームブリッジ回路を有する請求項4記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  7. 前記モータ駆動回路は、星形接続されて3相の前記相コイルをなす3つの前記ACコイルに3相交流電流を給電する3相ブリッジ回路を有し、
    前記3相ブリッジ回路の3つの上アーム素子は、電気角略2π/3づつ順番にオンし、
    前記3相ブリッジ回路の3つの下アーム素子は、電気角略4π/3づつ順番にオンし、
    前記DCコイルに流れる直流電流Idcは、前記3相ブリッジ回路の3つの上アーム素子の電流の約半分とされる請求項4記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  8. 前記モータ駆動回路は、互いに直列された前記各DCコイルと並列に接続されたキャパシタを有する請求項2記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  9. 前記モータ駆動回路は、互いに直列された前記各DCコイルに略定電流を通電する定電流回路を有する請求項2記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  10. 前記モータ駆動回路は、互いに直列された前記各DCコイルに高周波電流を通電する発振回路と、前記高周波電流による前記複数のDCコイルの電圧降下に基づいて前記ロータの回転角を検出するロータ回転角検出回路とを有する請求項2記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  11. 前記ステータセグメント及び前記ロータセグメントは、略軸方向に延在する多数の軟磁性鋼板を前記ロータの接線方向へ積層して形成され、
    前記ステータセグメント及び前記ロータセグメントの径方向端部は、全体として近似的に円形となるように互いの間に段差を有して配列されている請求項1記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  12. 前記ロータセグメントは、前記ステータセグメントの軸方向N(Nは2以上の整数)番目及びN+1番目の前記ステータ磁極に対面する軸方向M番目の前記ロータセグメントと、前記ステータセグメントの軸方向N+1番目及びN+2番目の前記ステータ磁極に対面する軸方向M+1番目の前記ロータセグメントとを含み、
    前記ロータコアは、前記M番目の前記ロータセグメントと、前記M+1番目の前記ロータセグメントとの間に位置して磁気抵抗が大きい高磁気抵抗領域を有する請求項11記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  13. 前記ステータセグメント及び前記ロータセグメントの少なくとも一方は、略軸方向へ延在する多数の軟磁性鋼板を前記ロータの略接線方向へ積層して形成された第1積層部と、略接線方向へ延在する多数の軟磁性鋼板を前記ロータの軸方向へ積層して形成された第2積層部とを組み合わせて構成される請求項11記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  14. 前記第1積層部は、前記ステータ磁極の先端部近傍に位置して略周方向に開口されて前記第2積層部を収容する孔部を有する請求項13記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  15. 軟磁性鉄粉を含むとともに前記第2積層部を前記第1積層部に接着する接着剤層を有する請求項13記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  16. 前記第2積層部は、略C字状の軟磁性鋼板を軸方向及び径方向に積層して構成されて一対の先端部が前記ロータに向かって突出するC字形コアからなる請求項13記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  17. 前記第2積層部は、幅方向両側に突出する一対の突出部を有する長尺の軟磁性鋼板を螺旋巻きするとともに前記一対の突出部を前記ロータに向けて曲げて形成される請求項16記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  18. 前記ステータコアは、前記リングコイルの前記ロータ側以外の部分を包むC字状断面を有して前記リングコイルから離れる方向へ軟磁性鋼板を積層して構成されたC字形コアを有する請求項1記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  19. 前記C字形コアは、幅方向両側に突出する一対の突出部を有する長尺の軟磁性鋼板を螺旋巻きするとともに前記一対の突出部を前記ロータに向けて曲げて形成される請求項18記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  20. 前記リングコイルは、一つの前記ステータセグメントの複数の前記ステータ磁極の配列方向において一定の厚さを有する長尺の絶縁被覆導電金属板を螺旋巻きして形成され、
    前記リングコイルの各ターンは、前記ステータセグメントの複数の前記ステータ磁極の配列方向に積層される請求項1記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  21. 前記ロータコアは、回転軸に嵌着された非磁性のボス部と、前記ボス部の外周面に固定されて前記ボス部の軸方向両側に突出する前記ロータセグメントとを有し、
    前記ロータセグメントは、前記ボス部の両端面から軸方向両側に突出する一対の突出端部を有し、
    前記リングコイル及び前記ステータ磁極は、前記ロータセグメントの前記突出端部の径方向両側に配置される請求項1記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  22. 複数相の相コイルからなるステータコイルが巻かれた軟磁性のステータコアを有するステータと、前記ステータの周面に小ギャップを隔てて相対回転自在に配置されたロータと、前記各相コイルに異なるタイミングで略台形波状の電流を通電するモータ駆動回路とを有し、前記ロータのステータ対向面は、軟磁性の低磁気抵抗部を周方向所定ピッチで有し、前記ステータコアは、軟磁性を有して前記ロータに向けて突出する複数のステータ磁極を周方向所定ピッチで有するスイッチドリラクタンスモータにおいて、
    前記相コイルは、インダクタンス増大期間と次のインダクタンス減少期間との間に配置されてインダクタンス変化が小さいピーク期間と、インダクタンス減少期間と次のインダクタンス増大期間との間に配置されてインダクタンス変化が小さいボトム期間とをもち、
    一相の前記相コイルのインダクタンス増大期間に略連続して他の前記相コイルのインダクタンス増大期間が設定され、
    前記モータ駆動回路は、前記ボトム期間に前記相コイルへの通電電流の立ち上がりをほとんど完了し、前記ピーク期間に前記相コイルへの通電電流の立ち下がりをほとんど完了することを特徴とするスイッチドリラクタンスモータ。
  23. 前記ステータコアは、周方向所定ピッチで配置されて略軸方向へそれぞれ延在する複数の軟磁性のステータセグメントを有し、
    前記各ステータセグメントは、軸方向所定ピッチで配置されて略径方向ロータ向きにそれぞれ突出する3個以上のステータ磁極を有し、
    前記ロータコアは、周方向所定ピッチで配置されて略軸方向へそれぞれ延在する複数の軟磁性のロータセグメントを有し、
    前記各ロータセグメントは、前記各ステータセグメントの互いに軸方向に隣接する少なくとも2つの前記ステータ磁極に対面可能な軸方向位置に配置され、
    第1の前記ロータセグメントに対面する2つの前記ステータ磁極と前記第1のロータセグメントとの間の周方向相対位置は、第2の前記ロータセグメントに対面する2つの前記ステータ磁極と前記第2のロータセグメントとの間の周方向相対位置に対して周方向へ所定電気角離れており、
    前記ロータセグメントの周方向ピッチ及び前記ステータセグメントの周方向ピッチをそれぞれ電気角2πとする時、前記ステータ磁極は略電気角πの周方向幅をもち、前記ロータセグメントは略電気角2π/3の周方向幅をもつ請求項22記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  24. 前記モータ駆動回路は、大トルクを発生する際に前記ボトム期間における通電開始時点を早め、小トルクを発生する際に前記ボトム期間における通電開始時点を遅らせる請求項23記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  25. 複数相の相コイルからなるステータコイルが巻かれた軟磁性のステータコアを有するステータと、前記ステータの周面に小ギャップを隔てて相対回転自在に配置されたロータと、前記各相コイルに異なるタイミングで略台形波状の電流を通電するモータ駆動回路とを有し、前記ロータのステータ対向面は、軟磁性の低磁気抵抗部を周方向所定ピッチで有し、前記ステータコアは、軟磁性を有して前記ロータに向けて突出する複数のステータ磁極を周方向所定ピッチで有するスイッチドリラクタンスモータにおいて、
    前記モータ駆動回路は、前記相コイルへ通電する相電流の立ち上がり期間又は立ち下がり期間を加速する加速回路を有することを特徴とするスイッチドリラクタンスモータ。
  26. 前記加速回路は、直流電源の高電位端と相コイルの高電位端とを接続するハイサイドスイッチと、前記直流電源の低電位端と前記相コイルの低電位端とを接続するローサイドスイッチと、前記直流電源の低電位端と前記相コイルの高電位端とを接続するローサイドダイオードと、直列接続されたリアクトルとハイサイドダイオードとを有するとともに前記直流電源の高電位端と前記相コイルの低電位端とを接続するハイサイドバイパス回路とを備える請求項25記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  27. 前記リアクトルの一端は、前記直流電源の高電位端に接続され、
    前記リアクトルの他端は、互いに異なる前記ハイサイドダイオードを通じて互いに異なる相コイルの低電位端に接続される請求項26記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  28. 前記加速回路は、直流電源の高電位端と相コイルの高電位端とを接続するハイサイドスイッチと、前記直流電源の低電位端と前記相コイルの低電位端とを接続するローサイドスイッチと、一端が前記直流電源の高電位端に接続されたリアクトルと、前記リアクトルの他端と前記直流電源の低電位端とを接続する加速スイッチと、前記リアクトルと前記加速スイッチとの接続点を前記相コイルの高電位端に接続するハイサイドダイオードとを有する請求項25記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  29. 前記リアクトルと前記加速スイッチとの接続点は、前記互いに異なる前記ハイサイドダイオードを通じて互いに異なる相コイルの他端に接続される請求項28記載のスイッチドリラクタンスモータ。
  30. 前記加速回路は、前記相コイルの低電位端と低位電源母線とを接続するスイッチング素子と、逆流防止用のダイオードとを有し、
    、前記相コイルの低電位端と前記スイッチング素子の高電位端との接続点と前記アシストコイルの高電位端とを前記逆流防止用のダイオードを通じて接続して、前記スイッチング素子のオフ時に前記相コイルの磁気エネルギーを前記アシストコイルに流す請求項25記載のスイッチドリラクタンスモータ。
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