JP2010164908A - 結像光学系及び面形状測定装置 - Google Patents

結像光学系及び面形状測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】軸上色収差量が可変の結像光学系を提供する。
【解決手段】結像光学系は、結像レンズ3と、結像レンズ3の光軸方向に移動可能な第1レンズ1及び第2レンズ2とを備え、第1レンズ1及び第2レンズ2のうち少なくとも一方のレンズを光軸方向に移動させることにより結像光学系の軸上色収差量が可変的に調節され、第1レンズ1及び第2レンズ2の光軸方向の位置関係を変化させることにより、軸上色収差量の変動に伴う結像光学系の倍率色収差の変動が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、結像光学系の軸上色収差を利用した面形状測定装置、及びその面形状測定装置に適用することが可能な結像光学系に関する。
工業製品部品等の面形状を光学的に測定する方法の1つに、光学系の軸上色収差を利用したものがある(特許文献1、2等を参照。)。その原理は、互いに波長の異なる複数の光(連続スペクトラム光または波長可変光源)で測定面を照明し、その測定面の像を結像光学系で形成し、その像の各位置の合焦波長から、その測定面の各位置の高さを算出するものである。
このような面形状測定の高さ方向の測定範囲(ダイナミックレンジ)は、結像光学系(対物レンズ)に固有の軸上色収差量によってほぼ決まる。このため、凹凸量の異なる様々な測定面を測定する場合は、軸上色収差量の異なる複数の対物レンズを用意し、それらを交換使用する必要があった。
そこで本発明は、軸上色収差量が可変の結像光学系、及び高さ方向のダイナミックレンジが可変の面形状測定装置を提供することを目的とする。
本発明の結像光学系を例示する一態様は、結像レンズと、結像レンズの光軸方向に移動可能な第1レンズ及び第2レンズとを備える結像光学系において、第1レンズ及び第2レンズのうち少なくとも一方のレンズを光軸方向に移動させることにより結像光学系の軸上色収差量が可変的に調節され、第1レンズ及び第2レンズの光軸方向の位置関係を変化させることにより、軸上色収差量の変動に伴う結像光学系の倍率色収差の変動が抑制されるものである。
また、本発明の結像光学系を例示する別の一態様は、観察面の像を形成する結像レンズと、観察面又はその共役像と結像レンズとの間の光路中に配置され、かつ互いの光軸を共有した第1接合レンズ及び第2接合レンズとを備え、第1接合レンズは、第1平凸レンズと、その第1平凸レンズの凸面の反転形状からなる凹面を有した第1平凹レンズとを、両者の凸面及び凹面で互いに接合したものであり、第1平凸レンズと第1平凹レンズとは、所定波長に対して互いに同じ屈折率を示し、かつ他の波長に対して互いに異なる屈折率を示し、第2接合レンズは、第1接合レンズの接合面よりカーブの緩やかな凸面を有した第2平凸レンズと、その第2平凸レンズの凸面の反転形状からなる凹面を有した第2平凹レンズとを、両者の凸面及び凹面で互いに接合したものであり、第2平凸レンズの屈折率の波長特性は、第1平凹レンズの屈折率の波長特性と同じであり、第2平凹レンズの屈折率の波長特性は、第1平凸レンズの屈折率の波長特性と同じであり、観察面又はその共役像と第1接合レンズとの間隔は可変であり、第1接合レンズと第2接合レンズの間隔は可変であり、第2接合レンズと結像レンズとの間隔は可変である。
また、本発明の面形状測定装置を例示する一態様は、互いに異なる複数の波長の光を出射する光源と、光源が出射した光で測定面を照明し、その状態で測定面の像を形成する前述した何れかの結像光学系と、結像光学系が形成する像の各位置の合焦波長を検出する検
出手段とを備える。
本発明によれば、軸上色収差量が可変の結像光学系、及び高さ方向のダイナミックレンジが可変の面形状測定装置が実現する。
第1実施形態の結像光学系の構成図。 接合レンズ1と接合レンズ2とを薄肉レンズで表現した第1の図。 接合レンズ1と接合レンズ2とを薄肉レンズで現した第2の図。 S−TIH10、S−LAL18の屈折率の波長特性を示すグラフ。 接合レンズ1、接合レンズ2のパワーの波長特性を示すグラフ。 第1実施例(補正前)の軸上色収差を示すグラフ。 第1実施例(補正前)の近軸倍率を示すグラフ。 第1実施例(補正前)の実質的な倍率色収差を示すグラフ。 第1実施例(補正後)の軸上色収差を示すグラフ。 第1実施例(補正後)の実質的な倍率色収差を示すグラフ。 第1実施例(補正後)の球面収差曲線図。 第1実施例(補正後)のスポットダイアグラム。 第1実施例1のテレセントリック性を示すグラフ。 第2実施例の光学系断面図。 第2実施例の縦収差図。 第2実施例のコマ収差図。 第2実施例のスポットダイアグラム。 第2実施例(補正前)の実質的な倍率色収差を示すグラフ。 第2実施例(補正後)の実質的な倍率色収差を示すグラフ。 第2実施例(補正前)のテレセントリック性を示すグラフ。 第2実施例(補正後)の軸上色収差を示すグラフ。 第2実施例(補正後)の球面収差図。 第2実施形態の面形状測定装置の構成図。 3種類の波長帯域と3種類の照明光の波長との関係を説明する図。 チャート15のパターンを示す図。 照明光の波長と、スリット像の強度分布との関係を示す図。 3種類の照明光の焦点位置の相違を示す図。
[第1実施形態]
以下、軸上色収差量が可変な結像光学系の実施形態を説明する。
先ず、結像光学系の構成を説明する。
図1は、結像光学系の構成図であり、図1の上段、中段、下段は、レンズポジションの異なる各状態を示している。
図1に示すように、結像光学系は、物体Oの側から順に、接合レンズ1と、接合レンズ2と、結像レンズ3とを、互いの光軸を共通にした状態で配置している。ここでは、結像レンズ3は、例えば顕微鏡の第1対物レンズである。このうち、接合レンズ1と接合レンズ2とが、結像光学系の軸上色収差量を調節するために挿入された素子である。
第1接合レンズ1は、物体Oの側から順に、平凸レンズ11と、その平凸レンズ11の
凸面の反転形状からなる凹面を有した平凹レンズ12とを、両者の凸面及び凹面で互いに接合したものであり、その外見は平行平面板である。平凸レンズ11の材料と平凹レンズ12の材料とは、結像光学系の使用波長域(ここでは400〜700nmとする。)内の基準波長λ(ここでは573nmとする。)に対して互いに同じ屈折率を示し、かつ使用波長域内の他の波長に対して互いに異なる屈折率を示す。平凸レンズ11の材料と、平凹レンズ12の材料との組み合わせは、アッベ数がなるべく離れている組み合わせに選定される。このように選定すれば、軸上色収差量の調節範囲を広く確保することが可能となるからである。
以下、平凸レンズ11の屈折率を波長λの関数としてn(λ)で示し、平凹レンズ12の屈折率を波長λの関数としてn(λ)で示す。
接合レンズ2は、物体Oの側から順に、接合レンズ1の接合面よりカーブの緩やかな凸面を有した平凸レンズ21と、その平凸レンズ21の凸面の反転形状からなる凹面を有した平凹レンズ22とを、両者の凸面及び凹面で互いに接合したものであり、その外見は平行平面板である。平凸レンズ21の材料は、平凹レンズ12のそれと同じであり、平凹レンズ22の材料は、平凸レンズ11のそれと同じである。よって、平凸レンズ21の屈折率はn(λ)であり、平凹レンズ22の屈折率はn(λ)である。
接合レンズ1、接合レンズ2、及び結像レンズ3は、共通の鏡筒内に保持機構を介して保持され、その保持機構により、物体Oに対する接合レンズ1の間隔dと、接合レンズ1に対する接合レンズ2の間隔dと、接合レンズ2に対する結像レンズ3の間隔dとは、それぞれ調節可能である。以下、これらの間隔d、d、dを「レンズ面間隔d、d、d」と称す。
ここで、レンズ面間隔dと、レンズ面間隔dとの少なくとも一方を調節すれば、結像光学系の軸上色収差量を調節することができる。但し、その際に結像光学系の倍率色収差が変動することは望ましくない。そのため、保持機構は、レンズ面間隔dにレンズ面間隔dを連動させることにより、結像光学系の倍率色収差の変動を抑える。
すなわち、仮に、接合レンズ1と接合レンズ2との一方の光軸方向の位置が不変であると基準波長λ以外の波長で像倍率が変化するので、保持機構は、レンズ面間隔dの動きにレンズ面間隔dを連動させることにより、像倍率を一定に保つ。
なお、保持機構としては、接合レンズ1、接合レンズ2、結像レンズ3の位置を個別に制御する電動ステージや、接合レンズ1、接合レンズ2、結像レンズ3を連結して各位置を制御するカム機構などが適用可能である。因みに、電動ステージが適用された場合は、軸上色収差量の調節は電動で行われ、カム機構が適用された場合は、軸上色収差量の調節は手動で行われる。但し、カム機構が適用された場合であっても、そのカム機構に電動モータを連結すれば、軸上色収差量の調節を電動で行うことができる。
以下、倍率色収差の発生を極力抑制するためにレンズ面間隔d、dが満たすべき条件を数式により説明する。各数式中の符号の規約は次の通りである。
・面番号:物体Oの側から実像側へ向かう順を正にとる。
・面間隔:物体Oの側から実像側へ向かう方向を正にとる。
・光線高さ:光軸を水平に採ったとき、光軸から上方に離れる方向を正にとる。
・光線角度:光軸を起点として絶対値がπ/2以下になる方向への光線角度であり、図1の紙面上における時計回りを正にとる。
・面の曲率半径:絶対値とし、面の凹凸に拘わらず正にとる。
先ず、接合レンズ1の接合面の曲率半径をR、接合レンズ2の接合面の曲率半径をRとおくと、接合レンズ1のパワーφ(λ)、接合レンズ2のパワーφ(λ)は、次式で与えられる。
Figure 2010164908
また、屈折率n(λ)、n(λ)は、前述したとおり基準波長λにおいては互いに等しいので、次式が成立する。
Figure 2010164908
よって、パワーφ(λ)、φ(λ)の間には、次式が成立する。
Figure 2010164908
次に、図2に示すとおり、接合レンズ1と接合レンズ2とをそれぞれ薄肉レンズS、薄肉レンズSで表し、物体Oと、結像レンズ3の側から見た虚像I(λ)(図3参照)との間の近軸倍率Mを計算する。計算では、各量を以下のとおり定義する。
・α(λ):薄肉レンズSから薄肉レンズSk+1へ向かう光線rが光軸AXと成す角度
・h(λ):光線rと薄肉レンズSk+1との交点の高さ。
・e(λ):薄肉レンズSと薄肉レンズSk+1との間隔(以下、「薄肉レンズ間隔」と称す。)。
・φ(λ):薄肉レンズSのパワー。
先ず、第1面(薄肉レンズS)の前後での近軸光線追跡の諸式を行列で表現すれば、次のとおりとなる。
Figure 2010164908
また、近軸光線追跡では角度αが十分に小さいので、次式が成立する。
Figure 2010164908
同様に、第2面(薄肉レンズS)の前後での近軸光線追跡の諸式を行列で表現すれば、次のとおりとなる。
Figure 2010164908
以上の式(5)、(6)、(7)によると、角度α、α(λ)の関係は、式(8)のとおり表される。
Figure 2010164908
また、物体Oと虚像I(λ)との間の近軸倍率M(λ)は、ヘルムホルツ−ラグランジェの不変量により、次式のとおり角度α、α(λ)で表される。
Figure 2010164908
この式(9)によると、仮に、波長λの値に拘わらず次式が成立するならば、物体Oと虚像I(λ)との間の近軸倍率M(λ)は波長λに依らず1となり、結像光学系の近軸光学的倍率色収差は発生しないことがわかる。
Figure 2010164908
しかしながら、式(8)によると、波長λの値に拘わらず式(10)を成立させるような薄肉レンズ間隔e(λ)、e(λ)は、e(λ)=e(λ)=0のみであることがわかる。
そこで、以下では、少なくとも結像光学系の使用波長域(ここでは400〜700nm)において式(10)又はそれに近い条件を成立させるような薄肉レンズ間隔e、eの関係を探索する。
先ず、前述したとおり使用波長域内の基準波長λ では式(4)が成立するので、薄肉レンズ間隔e、eに拘わらず式(10)が成立する。よって、使用波長域内で基準波長λとは離れた或る適切な波長λにおいて式(10)を成立させるような薄肉レンズ間隔e、eの関係は、使用波長域(ここでは400〜700nm)の全域において式(10)に近い条件を成立できると考えられる。
以下、波長λを「等倍波長λ」と称し、等倍波長λにおいて式(10)を成立させるような薄肉レンズ間隔e(λ)、e(λ)の関係を求める。
等倍波長λにおいて式(10)を成立させるような薄肉レンズ間隔e(λ)、e(λ)の関係は、λ=λとおき、式(8)に対して式(10)、式(1)、式(2)を代入することによって得られる。
Figure 2010164908
なお、式(11)を薄肉レンズ間隔e(λ)について解くと、次式が得られる。
Figure 2010164908
また、同様にして式(11)を薄肉レンズ間隔e(λ)について解くと、次式が得られる。
Figure 2010164908
すなわち、式(11)、式(12)、式(13)が、等倍波長λにおいて式(10)を成立させるような薄肉レンズ間隔e、eの関係であり、本実施形態において成立させるべき関係である。
なお、これらの式(11)、式(12)、式(13)は、適宜に使い分けられる。例えば、薄肉レンズ間隔e(λ)からそれに適した薄肉レンズ間隔e(λ)を導出する場合は、式(12)を使用すればよく、薄肉レンズ間隔e(λ)からそれ適した薄肉レンズ間隔e(λ)を導出する場合は、式(13)を使用すればよい。
但し、実際の結像光学系においては、接合レンズ1及び接合レンズ2の持つ歪曲収差(波長依存性のある歪曲収差)が原因して、等倍波長λにおける実像高は倍率1倍の近軸像高から僅かにずれてしまう。
このため、式(11)、式(12)、式(13)の各々を満たす薄肉レンズ間隔e(λ)、e(λ)の少なくとも一方へ微小な補正を加えて、歪曲収差による像ずれを補償することが望ましい。因みに、その補償量は、薄肉レンズ間隔e(λ)又はe(λ)の値の±10%以下とするのが適切であることが、数値計算による実験からわかっている。
次に、図3を参照して結像光学系の軸上色収差の計算方法を示す。計算では、薄肉レンズS、Sを厚肉レンズである接合レンズS、Sへと換算する必要がある。
先ず、図3に示すとおり、結像レンズ3の側から見た波長λの虚像I(λ)の位置を、薄肉レンズSからの距離e(λ)で表すと、次式のとおりである。
Figure 2010164908
この式(14)に含まれる高さh(λ)は、前述した式(5)によると、次式で表される。
Figure 2010164908
したがって、式(14)に式(15)、及び前述した式(8)を代入すると、次式が得られる。
Figure 2010164908
また、平凹レンズ22の中心厚の空気換算値を考慮すると、接合レンズ2の最終面から虚像I(λ)までの距離d(λ)は、次式のとおり表せる。
Figure 2010164908
但し、t22は、平凹レンズ22の中心厚である。因みに、結像レンズ3は固定なので、本実施形態において設定されるべきレンズ面間隔dの値は、以上の式(16)、(17)から一義的に求まる。
そして、軸上色収差Δd(λ)は、虚像I(λ)の距離d(λ)を基準として次式のとおり表される。
Figure 2010164908
したがって、以上の式(16)、式(17)、式(18)により、薄肉レンズ間隔e、eの組み合わせが結像光学系にもたらす軸上色収差Δd(λ)を計算することができる。後述する実施例における軸上色収差のデータは、何れもこれらの式により導出されたものである。
因みに、図3において、虚像I(λ)が物体Oの右側に位置する場合は、軸上色収差Δd(λ)の値は負数になり、虚像I(λ)が物体Oの左側に位置する場合は、軸上色収差Δd(λ)の値は正数になる。
[第1実施形態の補足]
なお、第1実施形態においては、接合レンズ1、接合レンズ2の少なくとも一方は、表裏反対の状態で配置されても構わない。
また、第1実施形態における結像レンズ3は、顕微鏡の対物レンズ、つまり像の形成位置が無限遠方である結像レンズであったが、像の形成位置が有限位置である他の結像レンズであってもよい。その場合、接合レンズ1、接合レンズ2の挿入先は、結像レンズ3の物体側及び像側の何れであっても構わない(任意の他の収斂光束中、又は任意の発散光束中でよい。)。
また、第1実施形態における結像レンズ3は、物体の像を形成する結像レンズであったが、他の結像レンズが形成した中間像をリレーするリレーレンズであってもよい。
何れの場合であっても、物体O又はその共役像と接合レンズ1との間隔を、前述したレンズ面間隔dとみなせばよい。
また、上述した実施形態の結像光学系を面形状測定装置(例えば、後述する第3実施形態の面形状測定装置)へ適用する場合は、測定値の絶対精度を保障するために、形状が既知のサンプルを用いて測定前に装置の較正を行うことが望ましい。
[第1実施例]
以下、軸上色収差量が可変な結像光学系の第1実施例を説明する。
本実施例の結像光学系は、物体側から順に、接合レンズ1、接合レンズ2、結像レンズ3を配置してなる。このうち結像レンズ3は、汎用の顕微鏡の第1対物レンズである。ここでは接合レンズ1及び接合レンズ2を詳しく説明する。
表1は、接合レンズ1及び接合レンズ2のレンズデータである。光線の入射順序は、物体O、接合レンズ1、接合レンズ2の順である。但し、面の曲率半径の符号については、前述したとおり面の凹凸に拘わらず正にとった。
Figure 2010164908
表1において、硝材のS−TIH10、S−LAL18は、株式会社オハラの光学ガラスカタログに掲載されているものであり、S−TIH10、S−LAL18の各々の屈折率の波長特性は、同カタログに示されているとおりである。表1の下部に示すのが、S−TIH10、S−LAL18の各々の屈折率の波長特性を示す係数であって、屈折率nと波長λとの関係を次式で表したときの各係数である。
Figure 2010164908
なお、上記式の波長単位は、μmである。
図4は、S−TIH10、S−LAL18の屈折率の波長特性をグラフ化したものである。図4に示すとおり、波長573nmの近傍で両硝材の屈折率はともに1.7302である。この波長573nmが、本実施例の基準波長λである。
図5は、接合レンズ1、接合レンズ2のパワーの波長特性をグラフ化したものである。図5に示すとおり、400〜700nmの波長域では、接合レンズ1のパワーの絶対値、接合レンズ2のパワーの絶対値は、それぞれ0.01未満である。この波長域400〜700nmが、本実施例の使用波長域である。また、基準波長λ=573nm近傍において両者のパワーは0となる。また、この図5及び上述した表1を参照すると、接合レンズ1、接合レンズ2の各々の焦点距離(パワーの逆数)がレンズ面間隔に比較して十分に大きいことがわかる。
ここで、本実施例では、基準波長λ=573nm以外の等倍波長λとして425nmが選定された。また、本実施例では、薄肉レンズ間隔e(λ)の値が先に選定され、その薄肉レンズ間隔e(λ)に適した薄肉レンズ間隔e(λ)の値が式(13) に基づき選定された。
また、本実施例では、選定された薄肉レンズ間隔e(λ)、e(λ)の値から、物体Oから第1面までのレンズ面間隔(面番号0に対応する間隔)dと、第3面から第4面までのレンズ面間隔(面番号3に対応する間隔)dとが、以下の式により導出された。
Figure 2010164908
但し、式中の符号は、以下のとおりである。
・t11:平凸レンズ11の中心厚(面番号1の行の間隔)。
・t12:平凹レンズ12の中心厚(面番号2の行の間隔)。
・t21:平凸レンズ21の中心厚(面番号4の行の間隔)。
・n(λ):平凸レンズ11及び平凹レンズ22の等倍波長λにおける屈折率。
・n(λ):平凹レンズ12及び平凸レンズ21の等倍波長λにおける屈折率。
表2は、本実施例における薄肉レンズ間隔e、eの組み合わせ例(レンズ面間隔d、dの組み合わせ例)を示す表である。
Figure 2010164908
なお、表2において「No.0」で示す列がレンズ面間隔dを示しており、「No.3」で示す列がレンズ面間隔dを示している。また、「No.6」で示す列は、平凹レンズ22の第2面(表1の面番号6)から虚像I(λ)までの距離d(λ)を示している。
図6は、表2に示した組み合わせ例による軸上色収差をグラフ化したものである。図6から明らかなとおり、軸上色収差量は、薄肉レンズ間隔e(λ)に応じて変化する。
図7は、表2に示した組み合わせ例による近軸倍率をグラフ化したものである。図7のデータは、式(9)に基づく計算により得られたものである。図7から明らかなとおり、近軸倍率は、等倍波長λ(=425nm)及び基準波長λ(=573nm)において完全に1になる。
図8は、表2に示した組み合わせ例による実質的な倍率色収差をグラフ化したものである。図8のデータは、物体側テレセントリック条件において物体高が1mmである主光線を光線追跡(厚肉レンズによる光線追跡)して得られる虚像I(λ)の高さを示している。
図8から明らかなとおり、表2に示した組み合わせ例によると、等倍波長λ(=425nm)において倍率が1から外れてしまうことがわかる。この原因は、波長依存性のある歪曲収差にあると考えられる。因みに、倍率1からのズレ量は、薄肉レンズ間隔e(λ)が大きいときほど顕著である。
そこで本実施例では、表2に示した個々の薄肉レンズ間隔e(及びレンズ面間隔d)を、表3に示すとおり少量ずつ補正した。
Figure 2010164908
表3において「補正量No.3」が補正量Δdを示し、「補正量/e」は、薄肉レンズ間隔eを基準とした補正量Δdの比率(%)であり、「新面間隔No.3」が補正後のレンズ面間隔dである。個々の補正量Δdは、補正量Δdの比率が10%以下に抑えられる範囲内で選定された。
ここで、本実施例で選定された補正量Δdを、薄肉レンズ間隔e(λ)の関数(ここでは2次式)で表現すると、次式のとおりとなる。
Figure 2010164908
このように補正量Δdを薄肉レンズ間隔e(λ)の関数で表しておけば、任意の薄肉レンズ間隔e(λ)に対する最適な補正量Δdを簡単に求めることができる。
図9は、表3に示した組み合わせ例(補正後の組み合わせ例)による軸上色収差をグラフ化したものである。この図9から明らかなとおり、上述した補正を行っても、薄肉レンズ間隔e(λ)と軸上色収差量との関係は、良好なままであった。
図10は、表3に示した組み合わせ例による実質的な倍率色収差をグラフ化したものである。図10のデータは、物体側テレセントリック条件において物体高が1mmである主光線を光線追跡(厚肉レンズによる光線追跡)して得られる虚像I(λ)の高さを示している。この図10から明らかなとおり、上述した補正によると、倍率色収差は改善され、各波長で倍率1に近い状態が得られた。
さて、本実施例の結像光学系は、以上の接合レンズ1及び接合レンズ2を結像レンズ3の物体空間内に挿入したものであるが、その挿入によって結像光学系の全系の軸上色収差に接合レンズ1、2による軸上色収差が加わることになる。また、接合レンズ1及び接合レンズ2を挿入することは、平行平面板を挿入することとほぼ等価なので、結像光学系の全系に新たな球面収差が発生することになる。
図11は、表3に示した組み合わせ例(補正後の組み合わせ例)による球面収差を示す収差図である。図11のデータは、シミュレーション(光線追跡)によって得られたものである。図11の左部は、薄肉レンズ間隔e(λ)が3mmであるときの球面収差図であり、図11の中央部は、薄肉レンズ間隔e(λ)が4mmであるときの球面収差図であり、図11の右部は、薄肉レンズ間隔e(λ)が5mmであるときの球面収差図である。また、各収差図における4本のカーブは、左から順に、波長λが700nmであるときの球面収差、波長λが600nmであるときの球面収差、波長λが500nmであるときの球面収差、波長λが400nmであるときの球面収差を示す。図11から明らかなとおり、球面収差の発生パターンは、薄肉レンズ間隔e(λ)に依らず維持されている。
図12は、表3に示した組み合わせ例(補正後の組み合わせ例)によるベストフォーカス位置のスポットダイアグラムである。図12のデータは、基準波長λ(=573nm)におけるデータであるが、他の波長におけるスポットダイアグラムも、基準波長λ(=573nm)におけるそれとほぼ同じであるので図示を省略した。
ここで、通常、結像レンズ3を面形状測定装置の第1対物レンズとして使用する場合、結像レンズ3の物体Oの側をテレセントリックにすることが多い。しかし、本実施例の結像レンズ3の物体空間には、接合レンズ1と接合レンズ2とが挿入されるので、厳密には波長によりテレセントリック性が崩れる可能性がある。
図13は、表2に示した組み合わせ例(補正前の組み合わせ例)によるテレセントリック性を示すグラフである。図13のデータは、物体高が1mmである主光線を光線追跡して得られたものであり、接合レンズ1、接合レンズ2を透過した後にその光線が光軸と成す角度のtangentを示している。表3に示した組み合わせ例(補正後の組み合わせ例)によるテレセントリック性のデータも、図13に示すものとほぼ同じである。
図13には、薄肉レンズ間隔e(λ)の値が3mmである場合と、3.5mmである場合と、4mmである場合と、4.5mmである場合と、5mmである場合との5通りについての曲線が表示されているが、それらは殆ど重なっている。つまり、結像光学系のテレセントリック性は、薄肉レンズ間隔e(λ)に依らず維持される。
[第2実施例]
以下、軸上色収差量が可変な結像光学系の第2実施例を説明する。ここでは、第1実施例との相違点を主に説明する。
本実施例の結像光学系は、物体側から順に、接合レンズ1、接合レンズ2、結像レンズ3を配置してなる。結像レンズ3は、顕微鏡の第1対物レンズであり、その像側に顕微鏡の第2対物レンズが配置される。因みに第1対物レンズと第2対物レンズとの間は平行系であり、ビームスプリッタなどを挿入できる。
図14は、結像光学系(結像レンズ3、接合レンズ2、接合レンズ1)の光路図(光学系断面図)である。図14では、物体Oが右側に位置しており、図14に示す折れ線は、結像レンズ3の側から入射した平行光束を示している。
表4は、結像レンズ3、接合レンズ2、接合レンズ1のレンズデータである。
Figure 2010164908
表4では、データの記載順序が第1実施例のそれとは反対であり、結像レンズ3、接合レンズ2、接合レンズ1、物体Oの順になっており、表4における「像面」は、計算上の像面であって、実際には物体面のことを指しているが、本実施例の基準波長λ及び等倍波長λは、第1実施例のそれと同じ(λ=573nm、λ=425nm)である。
表5は、結像レンズ3に使用された硝材のデータである。
Figure 2010164908
表6は、本実施例の薄肉レンズ間隔e、eの組み合わせ例(レンズ面間隔d、dの組み合わせ例)を示す表である。
Figure 2010164908
表6において「No.23」で示す列がレンズ面間隔dを示しており、「No.20」で示す列がレンズ面間隔dを示している。また、「No.17」で示す列は、平凹レンズ22の第2面(表4の面番号18)から虚像Iまでの距離を示している。
なお、本実施例の結像光学系(結像レンズ3、接合レンズ2、接合レンズ1)の色収差補正は、薄肉レンズ間隔e(λ)=3mmにおける色収差が最小となるように行われた。
図15は、薄肉レンズ間隔e(λ)が3mmであるときにおける結像光学系(結像レンズ3、接合レンズ2、接合レンズ1)の縦収差図(左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差)である。なお、球面収差のデータは、波長400nm、500nm、600nm、700nmについてのデータである。
図16は、薄肉レンズ間隔e(λ)が3mmであるときにおける結像光学系(結像レンズ3、接合レンズ2、接合レンズ1)のコマ収差図である。
図17は、薄肉レンズ間隔e(λ)が3mmであるときにおける結像光学系(結像レンズ3、接合レンズ2、接合レンズ1)のベストフォーカス位置のスポットダイアグラムである。
図18は、表6に示した組み合わせ例による実質的な倍率色収差をグラフ化したものである。図18のデータは、物体側テレセントリック条件において物体高が1mmである主光線を光線追跡(厚肉レンズによる光線追跡)して得られる虚像I(λ)の高さを示している。
本実施例においても、表6に示した個々の薄肉レンズ間隔e(及びレンズ面間隔d)を、表7に示すとおり少量ずつ補正した。
Figure 2010164908
表7において「補正量No.20」が補正量Δdを示し、「補正量/e」は、薄肉レンズ間隔eを基準とした補正量Δdの比率(%)であり、「新面間隔No.20」が補正後のレンズ面間隔dである。個々の補正量Δdは、補正量Δdの比率が10%以下に抑えられる範囲内で選定された。
ここで、本実施例で選定された補正量Δdを、薄肉レンズ間隔e(λ)の関数(ここでは2次式)で表現すると、次式のとおりとなる。
Figure 2010164908
このように補正量Δdを薄肉レンズ間隔e(λ)の関数で表しておけば、任意の薄肉レンズ間隔e(λ)に対する最適な補正量Δdを簡単に求めることができる。
図19は、表7に示した組み合わせ例による実質的な倍率色収差をグラフ化したものである。図19のデータは、物体側テレセントリック条件において物体高が1mmである主光線を光線追跡(厚肉レンズによる光線追跡)して得られる虚像I(λ)の高さを示している。
図19から明らかなとおり、上述した補正により倍率色収差は改善され、各波長で倍率1に近い状態が得られた。
図20は、表6に示した組み合わせ例(補正前の組み合わせ例)によるテレセントリック性を示すグラフである。図20のデータは、シミュレーション(光線追跡)によって得られたものであり、その表記方法は、図13のそれと同じである。表7に示した組み合わせ例(補正後の組み合わせ例)によるデータも、図20のそれとほぼ同じである。この図20から明かなとおり、テレセントリック性は、薄肉レンズ間隔e(λ)に依らず維持される。
図21は、表7に示した組み合わせ例(補正後の組み合わせ例)による軸上色収差をグラフ化したものである。図21から明らかなとおり、軸上色収差量は、薄肉レンズ間隔eに応じて良好に変化する。
図22は、表7に示した組み合わせ例(補正後の組み合わせ例)による球面収差を示す図である。図22のデータは、シミュレーション(光線追跡)によって得られたものである。図22から明らかなとおり、球面収差パターンの波長によるばらつきは、殆ど無い。[第2実施形態]
以下、結像光学系の軸上色収差を利用した面形状測定装置の実施形態を説明する。
図23は、面形状測定装置の構成図である。
図23において符号300で示すのは、第1実施形態で説明した結像光学系である。結像光学系300には、顕微鏡の第1対物レンズである結像レンズ3と、接合レンズ2と、接合レンズ1とが配置されており、これらの接合レンズ2と、接合レンズ1と、結像レンズ3とは、保持機構4によって保持されている。また、結像光学系300の像側には、第2対物レンズ7が配置されている。以下、結像光学系300内の結像レンズ3を「第1対物レンズ3」と称す。
図23において、光源装置141を発した光束は光源コリメータ142でコリメートされ、拡散素子143で拡散作用を受ける。なお、この拡散素子143は、通常の拡散板であってもよいし、いわゆるフライアイレンズであっても良い。
正のパワーを有する照明光学系144は、その焦点位置が拡散素子143に一致するように配置される。また、照明光学系144の他方の焦点には、チャート15が設置され、この状態で光源装置141が駆動されると、チャート15が照明される。なお、光源装置
141から照明光学系144までの光学系が照明装置14である。
光源装置141は、スペクトラムを持つ照明光を外部指令に基づき発光可能な光源であり、その照明光の波長帯域は、任意に調節することが可能である(例えば特開2008−170850号公報に開示されたものである。)。
照明光学系144は、チャート15を斜めから照明することにより、チャート15上の光強度分布を、照明光学系144の光軸に対して非回転対称な分布とする。
チャート15を通過した光束(チャート15のパターンを物体Oへ投影するための光束)は、レンズ16を通過した後、平面ミラー12で光路を折り曲げられた後、投影光用の部分開口絞り5を通過する。投影光用の部分開口絞り5は、第1対物レンズ3の開口絞り面の片側半分の領域に設けられた絞りであって、チャート15から射出した照明光を第1対物レンズ3の側へ効率的に通過させる。第1対物レンズ3、接合レンズ2、接合レンズ1を通過した照明光は、物体Oを斜め方向から照明し、物体Oの表面にチャート15のパターンを投影する。
物体Oで発生した反射光(または散乱光)は、接合レンズ1及び接合レンズ2を介して第1対物レンズ3に戻り、そのうち撮像光用の部分開口絞り6を通過した光線のみが第2対物レンズ7に入射する。撮像光用の部分開口絞り6は、第1対物レンズ3の開口絞り面のうち、投影光用の部分開口絞り5の非形成領域に設けられている。
なお、投影光用の部分開口絞り5及び撮像光用の部分開口絞り6の設置先(すなわち、第1対物レンズ3の開口絞り面)は、必ずしも図示した位置にはならず、例えば、第1対物レンズ3として実施例2で説明した結像レンズを使用した場合には、第1対物レンズ3の内部に配置されたレンズとレンズとの間になる。
ここで、チャート15のパターンは、例えば図25に示すような縞模様パターンである。図25において白く示した部分は、光を通すスリットである。このスリットの長手方向が図23の紙面と垂直な方向となるようにチャート15の姿勢が設定される。したがって、前述した2種類の開口絞り5、6の境界線の方向と、物体O上に投影されるスリットの長手方向とが平行になる。
また、光源装置141は、互いに波長の異なる3種類の照明光を同時に発光する。これに対応するため、第2対物レンズ7の直後には、分岐プリズム8が設置される。分岐プリズム8は、入射光を互いに異なる3つの波長帯域の光に分岐するものであり、例えば、3板式カメラに用いられるRGB3色分解プリズムと同じ種類のものである。
分岐プリズム8が分岐する3種類の波長帯域(以下、「第1波長帯域」、「第2波長帯域」、「第3波長帯域」と称す。)の光路には、第1波長帯域用の撮像カメラ9、第2波長帯域用の撮像カメラ10、第3波長帯域用の撮像カメラ11が個別に配置される。
なお、分岐プリズム8は、第1波長帯域、第2波長帯域、第3波長帯域のうち互いに隣接する帯域同士をクロスオーバーさせながら分岐を行うことが望ましい。また、第2対物レンズ7と分岐プリズム8とは、両者の全系で色収差が補正されていることが望ましい。
図24は、分岐プリズム8が分岐する3種類の波長帯域と、光源装置141が発光する3種類の照明光の波長との関係を説明する図である。図24の横軸が波長を示し、縦軸が分岐された3種類の光路の透過率を示す。図24において「BAND1」、「BAND2」、「BAND3」がそれぞれ第1波長帯域、第2波長帯域、第3波長帯域を表す。
図24の上段に示すとおり、光源装置141が同時に発光する3種類の照明光のうち、第1照明光の波長は第1波長帯域に属しており、第2照明光の波長は第2波長帯域に属しており、第3照明光の波長は第3波長帯域に属している。
図24の上段に矢印で示すとおり、光源装置141は、第1照明光の波長を、第1波長帯域内で走査し、第2照明光の波長を第2波長帯域内で走査し、第3照明光の波長を第3波長帯域内で走査する。これらの走査は、並列的に行われる。
また、このような波長走査中に、第1波長帯域用の撮像カメラ9、第2波長帯域用の撮像カメラ10、第3波長帯域用の撮像カメラ11は、各々の撮像面に形成されるチャート15の像(スリット像)を、繰り返し撮像する。各カメラによる撮像は、並列的に行われる。
このような光源装置141及び撮像カメラ9、10、11の動作によると、広い波長帯域に属する各波長のデータを短時間のうちに取得することができる。
なお、図24の中段または下段に示すように、互いに隣接する波長帯域間のクロスオーバー領域に発光波長が重なると、波長による分離ができなくなるので、光源装置141は、同時に発光する照明光の数を適宜に低減し、1種類の波長帯域内に2種類の発光波長が存在しないようにする。
図27は、互いに波長の異なる3種類の照明光の焦点位置の相違を示す図である。図27において、丸印F1、F2、F3が3種類の照明光の焦点位置である。図27における線種の相違は、波長の相違を表している。図27から明らかなとおり、物体Oの表面の高さによって、焦点を結ぶ波長が異なる。
図26は、照明光の波長と、スリット像の強度分布との関係を示す図である。図26の左側の列は、物体O上の或る部位に向かう様々な波長の照明光を示しており、図26右側の列は、その部位で発生した様々な波長によるスリット像の強度分布を示している。
図26に示すとおり、スリット像の強度分布のピーク位置は、波長によって異なる。左側の列の中央に示すとおり、或る波長の照明光が合焦状態になっていた場合は、その波長のスリット像のピーク位置(X軸方向の座標値)が、予め決められた値Xに一致する。
よって、図23に示した制御・演算手段13は、各波長のスリット像のピーク位置(X軸方向の座標値)から、合焦状態となった照明光の波長を算出し、その波長を、第1対物レンズ3の軸上色収差(既知)と照らし合せることにより、上述した部位の高さを算出する。
さらに、制御・演算手段13は、このような高さの算出を物体O上の各部位について行い、算出した高さの物体O上の分布を、物体Oの表面形状データとして不図示のモニタなどへ出力する。
以上、本実施形態の面形状測定装置には、前述したとおり、第1実施形態で説明した結像光学系300(第1対物レンズ3、接合レンズ2、接合レンズ1、保持機構4)が適用されている。
したがって、ユーザが保持機構4を介してレンズ面間隔dを駆動すれば、それに伴いレンズ面間隔d、dの各々(図1参照)が自動的に適切に駆動される。
したがって、本実施形態の面形状測定装置は、高さ方向のダイナミックレンジを自在に調節することが可能であり、しかもその調節により測定精度が低下する虞は無い。
[前述した態様への補足]
本発明の結像光学系を例示する一態様では、第1レンズは、第1平凸レンズと第1平凹レンズとを両者の凸面及び凹面で互いに接合した第1接合レンズであり、第2レンズは、第2平凸レンズと第2平凹レンズとを両者の凸面及び凹面で互いに接合した第2接合レンズであってもよい。
また、第1平凸レンズと第1平凹レンズとは、所定波長に対して互いに同じ屈折率を示し、かつ他の波長に対して互いに異なる屈折率を示すことが望ましい。
また、第2平凸レンズの屈折率の波長特性は、第1平凹レンズの屈折率の波長特性と同じであり、第2平凹レンズの屈折率の波長特性は、第1平凸レンズの屈折率の波長特性と同じであってもよい。
また、本発明の結像光学系を例示する別の一態様は、第1接合レンズを第1薄肉レンズで表し、第2接合レンズを第2薄肉レンズで表したときに、所定波長とは異なる所定波長λに対して、観察面又はその共役像と第1薄肉レンズとの間隔e(λ)と、第1薄肉レンズと第2薄肉レンズとの間隔e(λ)とは、式(12)の関係、式(13)の関係、式(12)を10%以下の補正幅で補正して得られる関係、式(13)を10%以下の補正幅で補正して得られる関係の何れかを満たすことが望ましい。
但し、Rは第1接合レンズの接合面の曲率半径の絶対値であり、Rは第2接合レンズの接合面の曲率半径の絶対値であり、n(λ)は所定波長λに対する第1平凸レンズの屈折率であり、n(λ)は所定波長λに対する第1平凹レンズの屈折率である
また、第1接合レンズ、第2接合レンズ、及び結像レンズが所定の位置関係で配置されているときに結像光学系の全系の収差補正、具体的には、色収差およびザイデル5収差についての収差補正がなされていることが望ましい。
1・・・接合レンズ1、2・・・接合レンズ2、3・・・結像レンズ(第1対物レンズ)、4・・・保持機構、141・・・光源装置、142・・・光源コリメータ、143・・・拡散素子、144・・・照明光学系、15・・・チャート、12・・・平面ミラー、5・・・投影光用の部分開口絞り、6・・・撮像光用の部分開口絞り、7・・・第2対物レンズ、8・・・分岐プリズム、9・・・第1波長帯域用の撮像カメラ、10・・・第2波長帯域用の撮像カメラ、11・・・第3波長帯域用の撮像カメラ
特許第2812371号公報 特開平7−229720号公報

Claims (8)

  1. 結像レンズと、
    前記結像レンズの光軸方向に移動可能な第1レンズ及び第2レンズと
    を備える結像光学系において、
    前記第1レンズ及び第2レンズのうち少なくとも一方のレンズを前記光軸方向に移動させることにより前記結像光学系の軸上色収差量が可変的に調節され、前記第1レンズ及び第2レンズの前記光軸方向の位置関係を変化させることにより、前記軸上色収差量の変動に伴う前記結像光学系の倍率色収差の変動が抑制される
    ことを特徴とする結像光学系。
  2. 請求項1に記載の結像光学系において、
    前記第1レンズは、第1平凸レンズと第1平凹レンズとを両者の凸面及び凹面で互いに接合した第1接合レンズであり、
    前記第2レンズは、第2平凸レンズと第2平凹レンズとを両者の凸面及び凹面で互いに接合した第2接合レンズである
    ことを特徴とする結像光学系。
  3. 請求項2に記載の結像光学系において、
    前記第1平凸レンズと前記第1平凹レンズとは、所定波長に対して互いに同じ屈折率を示し、かつ他の波長に対して互いに異なる屈折率を示す
    ことを特徴とする結像光学系。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の結像光学系において、
    前記第2平凸レンズの屈折率の波長特性は、前記第1平凹レンズの屈折率の波長特性と同じであり、前記第2平凹レンズの屈折率の波長特性は、前記第1平凸レンズの屈折率の波長特性と同じである
    ことを特徴とする結像光学系。
  5. 観察面の像を形成する結像レンズと、
    前記観察面又はその共役像と前記結像レンズとの間の光路中に配置され、かつ互いの光軸を共有した第1接合レンズ及び第2接合レンズとを備え、
    前記第1接合レンズは、
    第1平凸レンズと、その第1平凸レンズの凸面の反転形状からなる凹面を有した第1平凹レンズとを、両者の凸面及び凹面で互いに接合したものであり、前記第1平凸レンズと前記第1平凹レンズとは、所定波長に対して互いに同じ屈折率を示し、かつ他の波長に対して互いに異なる屈折率を示し、
    前記第2接合レンズは、
    前記第1接合レンズの接合面よりカーブの緩やかな凸面を有した第2平凸レンズと、その第2平凸レンズの凸面の反転形状からなる凹面を有した第2平凹レンズとを、両者の凸面及び凹面で互いに接合したものであり、前記第2平凸レンズの屈折率の波長特性は、前記第1平凹レンズの屈折率の波長特性と同じであり、前記第2平凹レンズの屈折率の波長特性は、前記第1平凸レンズの屈折率の波長特性と同じであり、
    前記観察面又はその共役像と前記第1接合レンズとの間隔は可変であり、前記第1接合レンズと前記第2接合レンズの間隔は可変であり、前記第2接合レンズと前記結像レンズとの間隔は可変である
    ことを特徴とする結像光学系。
  6. 請求項5に記載の結像光学系において、
    前記第1接合レンズを第1薄肉レンズで表し、前記第2接合レンズを第2薄肉レンズで
    表したときに、
    前記所定波長とは異なる所定波長λに対して、前記観察面又はその共役像と前記第1薄肉レンズとの間隔e(λ)と、前記第1薄肉レンズと前記第2薄肉レンズとの間隔e(λ)とは、
    以下の関係、又は、以下の関係を10%以下の補正幅で補正して得られる関係を満たす。
    Figure 2010164908
    但し、Rは前記第1接合レンズの接合面の曲率半径の絶対値であり、Rは前記第2接合レンズの接合面の曲率半径の絶対値であり、n(λ)は前記所定波長λに対する前記第1平凸レンズの屈折率であり、n(λ)は前記所定波長λに対する前記第1平凹レンズの屈折率である
    ことを特徴とする結像光学系。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の結像光学系において、
    前記第1接合レンズ、前記第2接合レンズ、及び前記結像レンズが所定の位置関係で配置されているときに前記結像光学系の全系の収差補正がなされている
    ことを特徴とする結像光学系。
  8. 互いに異なる複数の波長の光を出射する光源と、
    前記光源が出射した光で測定面を照明し、その状態で前記測定面の像を形成する請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の結像光学系と、
    前記結像光学系が形成する像の各位置の合焦波長を検出する検出手段と、
    を備えたことを特徴とする面形状測定装置。
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