JP2010163893A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、複数の伝達部材の連結/分離を切り換えることによりバルブの動作状態を変更する内燃機関の動弁装置であって、複数の伝達部材の連結/分離の切換性を向上させた動弁装置を提供することを目的とする。
【解決手段】リターンスプリング98の付勢力を、油圧によりアシストする機構を備える。すなわち、第2ローラ80の第2支軸90Lに、油穴191が形成される。油穴191は、凹部95と第2ピン穴92Lにより形成される空間に連通している。油穴191は、オイルポンプに接続している。油穴191にオイルを供給することにより、第2切換ピン94Lを変位させるための油圧を発生させることができる。
【選択図】図12

Description

この発明は、内燃機関のバルブを駆動するための動弁装置に関する。
従来、例えば、特開2007−32556号公報に開示されているように、複数の伝達部材の連結/分離を切り換えることにより、バルブの動作状態を変更可能な動弁装置が知られている。この種の動弁装置は、カムの作用力をバルブに伝達するための伝達部材として、複数のロッカーアームを備えている。これらのロッカーアームの連結/分離を切り換えることにより、バルブの動作状態が変更される。
2つのロッカーアームの連結/分離の切換は、切換機構により行われる。切換機構は、それらのロッカーアームとを連結するための連結部材を備える。上記従来の動弁装置では、切換機構内にばね部材を組み込み、上記の連結部材を、両ロッカーアームを分離する方向に付勢している。電動モータ等のアクチュエータにより、連結部材をばね部材の付勢力に反して変位させて、必要に応じて複数のロッカーアームを連結させている。
特開2007−32556号公報 特開2003−83148号公報
上記従来の技術では、ロッカーアーム分離方向へ連結部材を変位させる力を、ばね部材の付勢力により発生させている。ばね部材の付勢力の大きさは、ばね部材の仕様に応じて決まる。一方、製造バラツキや経年劣化等により、連結部材の移動に要する力の大きさが相違することも考えられる。また、連結部材の動作速度(つまり、変位に要する時間)は、バルブの動作状態の変更にかかる時間の長さに直結する。例えば、機関回転数が異なればバルブ動作状態の変更のための許容時間も変わるため、より大きな力で高速に連結部材を動かしたい場合も考えられる。このように、連結部材の変位に必要とされる力の大きさは、状況に応じて相違しうる。上記従来の動弁装置は、このような事情について何らの対策がなく、未だ改善の余地を残していた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、複数の伝達部材の連結/分離を切り換えることによりバルブの動作状態を変更する内燃機関の動弁装置であって、複数の伝達部材の連結/分離の切換性を向上させた動弁装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、
バルブとカムとの間に配置され当該カムの作用力を当該バルブに伝達するための第1および第2伝達部材と、該第1および第2伝達部材の連結/分離を切換可能な切換ピンと、を有し、前記第1、2伝達部材の連結/分離を切り換えることによりバルブ動作状態を変更する内燃機関の動弁装置であって、
前記第1伝達部材が凹部を有し、
前記第2伝達部材が、該第1および第2伝達部材が所定の位置関係にあるときに前記凹部と連通する開口を有し、
前記切換ピンが前記凹部内に進退自在に配置され、該切換ピンが前記凹部と前記開口とを跨いで位置することにより前記第1、2伝達部材が連結され、該切換ピンが前記凹部と前記開口とを跨がずに位置することにより前記第1、2伝達部材が分離され、
さらに、
前記凹部と前記切換ピンとの間に配置され、前記切換ピンを前記凹部の出口側に付勢するばね部材と、
前記第1伝達部材に設けられ、前記凹部内面と前記切換ピンの前記凹部側の面との間に接続し、その内部に流体を流通させることができる流路と、
前記流路を介して、前記凹部内面と前記切換ピンの前記凹部側の面との間に連通するオイル供給手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、オイル供給手段が流路を介してオイルを供給することにより、油圧によって切換ピンを凹部の出口側に押し出すことができる。その結果、バルブの動作状態を変更するための切換ピンの変位を、必要に応じて、ばね部材の付勢力と油圧による力との合力で行うことが可能となる。従って、ばね部材の付勢力のみでは対処が難しい状況下でも、複数の伝達部材の連結/分離の切換を円滑に行うことができる。
本発明の実施の形態1における内燃機関の動弁装置の全体構成を概略的に示す図である。 図1に示す可変機構を、バルブの基端部側から見下ろした図である。 第1ロッカーアームをロッカーシャフトの軸方向(図2中の矢視Aの方向)から見た図である。 第2ロッカーアームを図3と同じくロッカーシャフトの軸方向(矢視Aの方向)から見た図である。 図1に示す切換機構の詳細な構成を説明するための図である。 切換機構をカムシャフトの軸方向(図5中の矢視Bの方向)から見た図である。 弁稼動状態時(通常のリフト動作時)の制御状態を示す図である。 弁停止動作の開始時の制御状態を示す図である。 スライド動作の完了時の制御状態を示す図である。 スライドピンをロックピンによって保持する保持動作時の制御状態を示す図である。 スライドピンをロックピンによって保持する保持動作時の制御状態を示す図である。 実施の形態1の可変動弁装置32における油圧アシスト機構の構成を示す斜視図である。 図12において、第1支軸84および第2支軸90Lの近傍を拡大した図である。 本発明の実施の形態2の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2の第1変形例を示す図である。 本発明の実施の形態2の第2変形例を示す図である。 本発明の実施の形態3の構成を示す図である。 実施の形態4にかかる動作検出の基本的な内容を説明するための図である。 実施の形態4にかかる動作検出の基本的な内容を説明するための図である。 実施の形態4における、油室への潤滑油の流れを検知するための検知機構を模式的に示す図である。 実施の形態4における、油室への潤滑油の流れを検知するための検知機構を模式的に示す図である。 実施の形態4における、油室への潤滑油の流れを検知するための検知機構を模式的に示す図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1にかかる動弁装置を説明する。本実施形態の動弁装置は、車両用の内燃機関への搭載に好適である。
[可変動弁装置の全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関10の吸気可変動弁装置32の全体構成を概略的に示す図である。尚、ここでは、吸気可変動弁装置32を例にとって説明を行うが、排気バルブを駆動するための動弁装置(「排気可変動弁装置」とも称す)についても、吸気可変動弁装置32と同様に構成されているものとする。また、本実施形態の内燃機関10は、4つの気筒(#1〜#4)を有し、#1→#3→#4→#2の順で爆発行程が行われる直列4気筒型エンジンであるものとする。
本実施形態の可変動弁装置32は、カムシャフト52を備えている。カムシャフト52は、図示省略するクランクシャフトに対してタイミングチェーンまたはタイミングベルトによって連結され、クランクシャフトの1/2の速度で回転するように構成されている。カムシャフト52には、1気筒当たり1つの主カム54と2つの副カム56とが形成されている。主カム54は、2つの副カム56の間に配置されている。
主カム54は、カムシャフト52と同軸の円弧状のベース円部54a(図3参照)と、当該ベース円の一部を半径方向外側に向かって膨らませるように形成されたノーズ部54b(図3参照)とを備えている。また、本実施形態では、副カム56は、ベース円部のみを有するカム(ゼロリフトカム)として構成されている(図4参照)。
各気筒のカム54、56と吸気バルブ28(以下、単に「バルブ28」と略する)との間には、可変機構60が介在している。すなわち、カム54、56の作用力は、可変機構60を介して2つのバルブ28へ伝達されるようになっている。バルブ28は、カム54、56の作用力とバルブスプリング62の付勢力とを利用して開閉されるようになっている。尚、図1に示す状態は、#1気筒のバルブ28が主カム54の作用力を受けて開弁した状態を表している。
可変機構60は、主カム54の作用力をバルブ28へ伝達する状態と副カム56の作用力をバルブ28へ伝達する状態とを切り換えることにより、バルブ28の開弁特性を変更する機構である。尚、本実施形態においては、副カム56はゼロリフトカムであるため、副カム56の作用力がバルブ28へ伝達される状態とは、バルブ28が開閉しない状態(バルブ休止状態)を意味するものとする。
また、本実施形態の可変動弁装置32は、各可変機構60を駆動して、バルブ28の動作状態を弁稼動状態と弁停止状態との間で切り換えるための切換機構64を気筒毎に備えている。切換機構64は、上述したECU40からの駆動信号に従って駆動されるようになっている。ECU40は、クランク角センサ42等の出力信号に基づいて切換機構64を制御する。
(可変機構の構成)
次に、図2乃至図4を参照して、可変機構60の詳細な構成を説明する。
図2は、図1に示す可変機構60を、バルブ28の基端部側から見下ろした図である。
可変機構60は、カムシャフト52と平行に配置されたロッカーシャフト70を備えている。図2に示すように、ロッカーシャフト70には、1つの第1ロッカーアーム72と、一対の第2ロッカーアーム74R、74Lとが回転自在に取り付けられている。第1ロッカーアーム72は、2つの第2ロッカーアーム74R、74Lの間に配置されている。尚、本明細書では、左右の第2ロッカーアーム74R、74Lを特に区別しないときには、単に第2ロッカーアーム74と表記する場合がある。
図3は、第1ロッカーアーム72をロッカーシャフト70の軸方向(図2中の矢視Aの方向)から見た図であり、図4は、第2ロッカーアーム74を図3と同じくロッカーシャフト70の軸方向(矢視Aの方向)から見た図である。
図3に示すように、第1ロッカーアーム72におけるロッカーシャフト70の反対側の端部には、主カム54と接することができる位置に、第1ローラ76が回転可能に取り付けられている。第1ロッカーアーム72は、ロッカーシャフト70に取り付けられたコイルスプリング78によって、第1ローラ76が主カム54と常に当接するように付勢されている。上記のように構成された第1ロッカーアーム72は、主カム54の作用力とコイルスプリング78の付勢力との協働により、ロッカーシャフト70を支点として揺動するようになる。
一方、図4に示すように、第2ロッカーアーム74におけるロッカーシャフト70の反対側の端部には、バルブ28の基端部(詳細には、バルブステムの基端部)が当接している。また、第2ロッカーアーム74の中央部位には、第2ローラ80が回転可能に取り付けられている。尚、第2ローラ80の外径は、第1ローラ76の外径と同等である。
また、第2ロッカーアーム74の他端においては、ロッカーシャフト70がラッシュアジャスタ82を介して内燃機関10の静止部材であるカムキャリア(或いはシリンダヘッド等)に支持されているものとする。このため、第2ロッカーアーム74は、ラッシュアジャスタ82から押し上げ力を受けることによって、副カム56に向けて付勢されている。
また、第1ローラ76に対する第2ローラ80の位置は、第1ローラ76が主カム54のベース円部54aと当接(図3参照)し、かつ、第2ローラ80が副カム56のベース円部と当接(図4参照)している時に、第2ローラ80の軸心と第1ローラ76の軸心とが図2に示すように、同一直線L上に位置するように定められている。
(切換機構の構成)
次に、図5乃至図7を参照して、切換機構64の詳細な構成を説明する。
切換機構64は、第1ロッカーアーム72と第2ロッカーアーム74との連結/分離を切り換えるための機構であり、これにより、主カム54の作用力が第2ロッカーアーム74に伝達される状態と、当該作用力が第2ロッカーアーム74に伝達されない状態とを切り換えて、バルブ28の動作状態を弁稼動状態と弁停止状態との間で切り換えることができるようになっている。
図5は、図1に示す切換機構64の詳細な構成を説明するための図である。尚、図5においては、ローラ76、80の軸心位置で切断した断面を用いて可変機構60を表している。また、説明を分かり易くする観点から、可変機構60の搭載位置に対するカムシャフト52の搭載位置を、カムシャフト52の軸方向位置を除き実際の搭載位置と異ならせた状態で表している。
図5に示すように、第1ローラの第1支軸84の内部には、その軸方向に貫通するように第1ピン孔86が形成されており、第1ピン孔86の両端は、第1ロッカーアーム72の両側面に開口している。第1ピン孔86には、円柱状の第1切換ピン88が摺動自在に挿入されている。第1切換ピン88の外径は、第1ピン孔86の内径と略同等であり、第1切換ピン88の軸方向の長さは、第1ピン孔86の長さと略同等である。
一方、第2ロッカーアーム74L側の第2ローラ80の第2支軸90Lの内部には、第1ロッカーアーム72と反対側の端部が閉塞され、かつ、第1ロッカーアーム72側の端部が開口された第2ピン孔92Lが形成されている。また、第2ロッカーアーム74R側の第2ローラ80の第2支軸90Rの内部には、その軸方向に貫通するように第2ピン孔92Rが形成されており、第2ピン孔92Rの両端は、第2ロッカーアーム74Rの両側面に開口している。第2ピン孔92R、92Lの内径は、第1ピン孔86の内径と同等である。
第2ピン孔92Lには、円柱状の第2切換ピン94Lが摺動自在に挿入されている。また、第2ピン孔92Lの内部には、第2切換ピン94Lを第1ロッカーアーム72方向(以下、「切換ピンの進出方向」と称する)に向けて付勢するリターンスプリング96が配置されている。第2切換ピン94Lの外径は、第2ピン孔92Lの内径と略同等である。また、第2切換ピン94Lの軸方向の長さは、第2ピン孔92Lより短くされており、第2切換ピン94Lが第2ピン孔92L内に向けて押された状態で、第2切換ピン94Lの先端が第2ロッカーアーム74Lの側面から僅かに突出するように調整されている。また、リターンスプリング96は、実装された状態において、第1ロッカーアーム72に向けて第2切換ピン94Lを常時付勢するように構成されているものとする。
第2ピン孔92Rには、円柱状の第2切換ピン94Rが摺動自在に挿入されている。第2切換ピン94Rの外径は、第2ピン孔92Rの内径と略同等であり、第2切換ピン94Rの軸方向の長さは、第2ピン孔92Rの長さと略同等である。
以上の3つのピン孔86、92L、92Rの相対位置は、第1ローラ76が主カム54のベース円部54aと当接(図3参照)し、かつ、第2ローラ80が副カム56のベース円部と当接(図4参照)している時に、3つのピン孔86、92L、92Rの軸心が同一直線上に位置するように決定されている。
ここで、上記図5とともに新たに図6を参照して、切換機構64の説明を継続する。図6は、切換機構64をカムシャフト52の軸方向(図5中の矢視Bの方向)から見た図である。尚、図6以降の図においては、ロックピン110とソレノイド108との関係を簡略化して図示する場合がある。
切換機構64は、カムの回転力を利用して、切換ピン88、94L、94Rを第2ロッカーアーム74L側に向けて(切換ピンの退出方向に)変位させるためのスライドピン98を備えている。スライドピン98は、図5に示すように、第2切換ピン94Rの端面と当接する端面を有する円柱部98aを備えている。円柱部98aは、カムキャリアに固定された支持部材100によって、軸方向に進退自在であって、周方向に回転自在に支持されている。
第2切換ピン94Lの先端は、リターンスプリング96の付勢力(反力)によって第1切換ピン88の一端に押し付けられることになる。それに応じて、上記3つのピン孔86、92L、92Rの軸心が同一直線上に位置している状況下では、第1切換ピン88の他端が第2切換ピン94Rの一端に押し付けられることになる。そして、更に、第2切換ピン94Rの他端がスライドピン98の円柱部98aの端面に押し付けられるようになる。このように、上記特定の状況下では、スライドピン98には、リターンスプリング96の付勢力が作用するようになっている。尚、第2ロッカーアーム74Rが主カム54からの作用力を受けて揺動する際に、第2切換ピン94Rと円柱部98aとの当接が途切れないように各構成要素の形状や寸法が設定されている。
また、円柱部98aにおける第2切換ピン94Rと反対側の端部には、当該円柱部98aの半径方向外側に向けて突出するように、棒状のアーム部98bが設けられている。すなわち、当該アーム部98bは、当該円柱部98aの軸心を中心として回転自在に構成されている。アーム部98bの先端部は、図6に示すように、カムシャフト52の周面と対向する位置まで延びるように構成されている。また、アーム部98bの先端部には、カムシャフト52の周面に向けて突出するように突起部98cが設けられている。
カムシャフト52における突起部98cと対向する外周面には、当該カムシャフト52よりも大きな外径を有する大径部102が形成されている。大径部102の周面には、周方向に延びる螺旋状溝104が形成されている。螺旋状溝104の幅は、突起部98cの外径より若干大きく形成されている。
また、切換機構64は、突起部98cを螺旋状溝104に挿入させるためのアクチュエータ106を備えている。より具体的には、アクチュエータ106は、ECU40からの指令に基づいてデューティ制御されるソレノイド108と、当該ソレノイド108の駆動軸108aと当接するロックピン110とを備えている。ロックピン110は、円筒状に形成されている。
ロックピン110には、ソレノイド108の推力に抗する付勢力を発するスプリング112の一端が掛け留められており、当該スプリング112の他端は、静止部材であるカムキャリアに固定された支持部材114に掛け留められている。このような構成によれば、ECU40からの指令に基づくソレノイド108の駆動時には、ソレノイド108の推力がスプリング112の付勢力に打ち勝つことで、ロックピン110を進出させることができ、一方、ソレノイド108の駆動が停止されると、スプリング112の付勢力によってロックピン110および駆動軸108aを速やかに所定位置に退出させられるようになる。また、ロックピン110は、支持部材114によってその半径方向への移動が拘束されている。このため、ロックピン110がその半径方向から力を受けることがあっても、ロックピン110が当該方向に移動しないようにすることができる。
また、ソレノイド108は、ロックピン110がスライドピン98のアーム部98bの先端部の押圧面(突起部98cが設けられた面と反対側の面)98dを螺旋状溝104に向けて押圧可能な位置において、カムキャリア等の静止部材に固定されているものとする。言い換えれば、押圧面98dは、ロックピン110によって突起部98cが螺旋状溝104に向けて押されることができるような形状および位置に設けられている。
スライドピン98のアーム部98bは、カムシャフト52側の大径部102とストッパー116とによって拘束された範囲内で、円柱部98aの軸心を中心として回転可能に設定されている。そして、アーム部98bが当該範囲内にあり、かつ、スライドピン98の軸方向位置が後述する変位端Pmax1にある場合には、ソレノイド108により駆動されるロックピン110がアーム部98bの押圧面98dに確実に当接できるように、各構成要素の位置関係が設定されている。また、アーム部98bには、当該アーム部98bをストッパー116に向けて付勢するスプリング118が取り付けられている。尚、このようなスプリング118は、ソレノイド108の非駆動時にスライドピン98の自重によってアーム部98bが螺旋状溝104に嵌まり込むことが想定されない場合等には、必ずしも備えていなくてもよい。
カムシャフト52の螺旋状溝104における螺旋の向きは、その内部に突起部98cが挿入された状態でカムシャフト52が図6に示す所定の回転方向に回転する場合に、スライドピン98がリターンスプリング96の付勢力に抗して切換ピン88、94L、94Rをその退出方向に押し退けてロッカーアーム72、74に近づく方向に変位するように、設定されている。
ここで、リターンスプリング96の付勢力によって、第2切換ピン94Lが第2ピン孔92Lおよび第1ピン孔86の双方に挿入された状態となり、かつ、第1切換ピン88が第1ピン孔86および第2ピン孔92Rの双方に挿入された状態となっている時のスライドピン98の位置を、「変位端Pmax1」と称する。この変位端Pmax1にスライドピン98が位置している時には、第1ロッカーアーム72と第2ロッカーアーム74R、74Lとがすべて連結された状態となる。そして、切換ピン88等がスライドピン98からの力を受けることによって、第2切換ピン94L、第1切換ピン88、および第2切換ピン94Rがそれぞれ第2ピン孔92L、第1ピン孔86、および第2ピン孔92Rのみに挿入された状態となっている時のスライドピン98の位置を、「変位端Pmax2」と称する。すなわち、この変位端Pmax2にスライドピン98が位置している時には、第1ロッカーアーム72と第2ロッカーアーム74R、74Lとがすべて分離された状態となる。
本実施形態では、カムシャフト52の軸方向における螺旋状溝104の基端104aの位置は、スライドピン98が上記変位端Pmax1に位置する時の突起部98cの位置と一致するように設定されている。そして、カムシャフト52の軸方向における螺旋状溝104の終端104bの位置は、スライドピン98が上記変位端Pmax2に位置する時の突起部98cの位置と一致するように設定されている。つまり、本実施形態では、螺旋状溝104によって突起部98cが案内される範囲内で、スライドピン98が変位端Pmax1からPmax2の間で変位可能となるように構成されている。
更に、本実施形態の螺旋状溝104には、図6に示すように、スライドピン98が変位端Pmax2に達した後における終端104b側の所定区間として、カムシャフト52の回転に伴って螺旋状溝104が徐々に浅くなる浅溝部104cが設けられている。尚、螺旋状溝104における浅溝部104c以外の部位の深さは一定である。
また、本実施形態のアーム部98bには、押圧面98dの一部を切り欠いて凹状に形成された切欠部98eが設けられている。押圧面98dは、スライドピン98が変位端Pmax1からPmax2に変位する間、ロックピン110と当接した状態が維持されるように設けられている。そして、切欠部98eは、スライドピン98が上記変位端Pmax2に位置している状態において、上記浅溝部104cの作用によって突起部98cが大径部102の表面に取り出された時に、ロックピン110と係合可能な部位に設けられている。
また、切欠部98eは、突起部98cが螺旋状溝104に挿入される方向にアーム部98bが回転するのを規制可能であって、スライドピン98が切換ピンの進出方向に移動するのを規制可能な態様で、ロックピン110と係合するように形成されている。より具体的には、切欠部98eには、ロックピン110が当該切欠部98e内に入り込んでいくにつれ、スライドピン98が大径部102から離れるように案内する案内面98fが備えられている。
[本実施形態の動弁装置の動作]
次に、図7乃至図11を参照して、可変動弁装置32の動作について説明する。
(弁稼動状態時)
図7は、弁稼動状態時(通常のリフト動作時)の制御状態を示す図である。
この場合には、図7(B)に示すように、ソレノイド108の駆動がOFFとされており、これにより、スライドピン98は、カムシャフト52から離れた状態で、リターンスプリング96の付勢力を受けて、変位端Pmax1に位置している。この状態では、図7(A)に示すように、第1ロッカーアーム72と2つの第2ロッカーアーム74とが切換ピン88、94Lを介して連結されている。その結果、主カム54の作用力が第1ロッカーアーム72から左右の第2ロッカーアーム74R、74Lを介して双方のバルブ28に伝達されるようになる。このため、主カム54のプロフィールに従って、通常のバルブ28のリフト動作が行われるようになる。
(弁停止動作開始時(スライド動作の開始時))
図8は、弁停止動作の開始時の制御状態を示す図である。
弁停止動作は、例えば、内燃機関10のフューエルカット要求等の所定の弁停止動作の実行要求がECU40によって検知された際に行われる。このような弁停止動作は、カムシャフト52の回転力を利用してスライドピン98によって切換ピン88、94L、94Rをその退出方向に変位させる動作であるため、これらの切換ピン88、94L、94Rの軸心が同一直線状に位置する時、すなわち、第1ロッカーアーム72が揺動していない時に行われる必要がある。
本実施形態では、切換ピンの退出方向にスライドピン98がスライド動作を行う区間が主カム54のベース円区間内と対応するように、螺旋状溝104が設定されている。このため、ECU40が所定の弁停止動作の実行要求を検知した場合において、最初にベース円区間が到来する気筒から順にソレノイド108を駆動することによって、図8(B)に示すように、突起部98cが螺旋状溝104に挿入され、各気筒の弁停止動作が順に開始するようになる。そして、螺旋状溝104に挿入された突起部98cが当該螺旋状溝104によって案内されることで、カムシャフト52の回転力を利用して、図8(A)に示すように、変位端Pmax2側に向けて、スライドピン98のスライド動作が開始するようになる。
(スライド動作の完了時)
図9は、スライド動作の完了時の制御状態を示す図である。
スライド動作の実行中には、螺旋状溝104の側面に突起部98cが当接することによって、リターンスプリング96の付勢力が受け止められた状態で、スライドピン98が変位端Pmax2に向けて移動していく。図9(A)は、スライドピン98が変位端Pmax2に到達して弁停止要求時のスライド動作が完了したタイミング、すなわち、第1切換ピン88および第2切換ピン94Lがそれぞれ第1ピン孔86および第2ピン孔92L内に収まるようになったことで、第1ロッカーアーム72と第2ロッカーアーム74R、74Lとの連結が解除されたタイミングを示している。また、このタイミングでは、図9(B)に示すように、螺旋状溝104内における突起部98cの位置は、未だ浅溝部104cに達していない。
上記のようにスライド動作が完了し、第1ロッカーアーム72と第2ロッカーアーム74R、74Lとが分離された状態になると、主カム54の回転に伴って、コイルスプリング78によって主カム54に向けて付勢された第1ロッカーアーム72が単独で揺動することになる。このため、2つの第2ロッカーアーム74には、主カム54の作用力が伝達されなくなる。また、第2ロッカーアーム74が当接する副カム56は、ゼロリフトカムであるため、主カム54の作用力が伝達されなくなった第2ロッカーアーム74には、バルブ28を駆動するための力が与えられなくなる。その結果、主カム54の回転に関係なく、第2ロッカーアーム74が静止状態となるので、バルブ28のリフト動作が停止状態となる。
尚、第1ロッカーアーム72のみが揺動する場合には、第1切換ピン88と第2切換ピン94L、94Rとの軸心がずれることになる。第1ロッカーアーム72と第2ロッカーアーム74との円滑な動作を確保するためには、そのようなずれが生ずる際に、第1切換ピン88の端面の一部と第2切換ピン94L、94Rの端面の一部とが互いに当接している必要がある。このため、本実施形態では、第1切換ピン88および第2切換ピン94L、94Rの端面の形状や寸法は、上記条件を満たすように定められている。
(変位部材の保持動作時)
図10および図11は、スライドピン98をロックピン110によって保持する保持動作時の制御状態を示す図である。より具体的には、図10は、第1ロッカーアーム72が揺動動作(リフト動作)を行っていない場合の状態を示しており、図11は、当該第1ロッカーアーム72が揺動動作(リフト動作)を行っている場合の状態を示している。
上記図9に示すスライド動作完了時から更にカムシャフト52が回転すると、突起部98cは、溝が徐々に浅くなる浅溝部104cに差し掛かる。その結果、浅溝部104cの作用によって、スライドピン98がカムシャフト52から離れる方向に回転させられるようになる。そして、浅溝部104cによって溝が浅くなるにつれ、ロックピン110がその退出方向に少し変位する。その後、ソレノイド108によって駆動され続けているロックピン110が切欠部98eに一致するようになるまでスライドピン98が更に回転すると、ロックピン110と当接するスライドピン98側の部位が押圧面98dから切欠部98eへと切り替わる。
その結果、ロックピン110が切欠部98eに係合するようになる。これにより、図10(B)および図11(B)に示すように、スライドピン98は、突起部98cがカムシャフト52から離れた状態で、かつ、ロックピン110によってリターンスプリング96の付勢力を受け止める状態で保持されるようになる。このため、この保持動作中において、図10(A)および図11(A)に示すように、第1ロッカーアーム72と第2ロッカーアーム74とが分離された状態、すなわち、弁停止状態が維持されるようになる。
(弁復帰動作時)
弁停止状態から通常のリフト動作が行われる弁稼動状態に戻すための弁復帰動作は、例えば、フューエルカットからの復帰要求等の所定の弁復帰動作の実行要求がECU40によって検知された際に行われる。このような弁復帰動作は、図10、12に示す制御状態において、ECU40が所定のタイミング(切換ピン88等が移動可能となるベース円区間の開始タイミングよりもソレノイド108の動作に要する所定時間分だけ早いタイミング)でソレノイド108への通電をOFFとすることが開始される。ソレノイド108への通電がOFFとされると、スライドピン98の切欠部98eとロックピン110との係合が解かれることになる。その結果、リターンスプリング96の付勢力に抗して第1切換ピン88および第2切換ピン94Lをそれぞれ第1ピン孔86および第2ピン孔92Lに留めておく力が消滅することになる。
このため、切換ピン88、94L、94Rの位置が一致するベース円区間が到来すると、リターンスプリング96の付勢力によって、切換ピン88、94Lが進出方向に移動し、第1ロッカーアーム72と2つの第2ロッカーアーム74とが切換ピン88、94Lを介して連結された状態、すなわち、主カム54の作用力によってバルブ28のリフト動作が可能な状態に復帰することになる。また、リターンスプリング96の付勢力によって切換ピン88、94Lが進出方向に移動するのに伴って、第2切換ピン94Rを介して、スライドピン98が変位端Pmax2から変位端Pmax1に戻されるようになる。
(まとめ)
以上のように構成された本実施形態の可変動弁装置32によれば、ソレノイド108の通電のON、OFFとカムシャフト52の回転力とリターンスプリング96の付勢力とを利用して、スライドピン98の軸方向位置を変位端Pmax1からPmax2の間で移動させることで、弁稼動状態と弁停止状態との間でバルブ28の動作状態を切り換えることが可能となる。
[油圧アシスト機構の構成]
以下、実施の形態1にかかる特徴的構成を説明する。実施の形態1では、上述した可変動弁装置に、更に下記の構成が備えられている。下記に述べる構成により、油圧によって切換ピンの動作を補助することができる。便宜上、油圧によって切換ピンの動作を補助するための下記の構成を、「油圧アシスト機構」とも称す。
図12は、実施の形態1の可変動弁装置32における油圧アシスト機構の構成を示す斜視図である。図12は、図5において破線Xで囲った領域の拡大図に相当する。但し、図12では、便宜上、図5を左右反転させた上で破線Xの領域を図示しており、例えば、第2切換ピン94L、94Rなどの「R、L」の表記が左右逆になっている。図13は、図12において、第1支軸84および第2支軸90Lの近傍を拡大した図である。
上述した全体構成の説明で述べたように、第2ロッカーアーム74Lの第2ローラ80は、第2支軸90Lを備えている。この第2支軸90Lは、内部に、第2ピン孔92Lを備えている。第2ピン孔92Lには、リターンスプリング96とともに、第2切換ピン94Lが摺動自在に挿入されている。図5〜図13で図示しているように、第2切換ピン94Lは、凹部95を備えている。リターンスプリング96は、凹部95の底面と第2ピン穴92Lの底面とにそれぞれ接触し、これら2つの底面の距離に応じて伸縮する。
実施の形態1では、第2ローラ80の第2支軸90Lに、油穴191が形成される。油穴191は、第2ローラ80の外表面から、第2ピン穴92Lの内部まで貫通している。図12および図13は断面図なので厳密には油穴191を図示できないが、便宜上、図13に油穴191の位置を示している。図13に示すように、油穴191は、凹部95と第2ピン穴92Lにより形成される空間に連通している。以下、この空間を「油室」とも称す。
なお、実施の形態1では、図13に示すように、第1切換ピン88の内部に、第1切換ピン88の軸方向に貫通して延びる貫通穴188が設けられている。実施の形態1では、同様に、第2切換ピン94L、94Rが、それぞれ、軸方向に内部を貫通する貫通穴194L、194Rを有する。貫通穴188、194L、194Rは、第1切換ピン88および第2切換ピン94L、94Rが同軸に並んだ時に連通する。また、実施の形態1では、スライドピン98の円柱部98aに、貫通穴198が設けられている。これらの構成については、実施の形態2で述べる。
実施の形態1の動弁装置は、図示しないオイルポンプを備えている。このオイルポンプが油穴191に接続している。弁復帰時には、ECU40からの制御信号に従ってオイルポンプが制御され、油室内にオイルを流入させる。その結果、第2切換ピン94Lを図13の矢印方向へと(紙面左側へと)押すような油圧を発生させることができる。つまり、このオイルポンプは、第2切換ピン94Lを移動させることができる程度の油圧を発生するように、油室内にオイルを供給可能である。なお、このオイルポンプの具体的構成に限定はない。例えば、内燃機関10のエンジン用オイルポンプ(不図示)によってこのオイルポンプを兼ねてもよいし、個別にオイルポンプを準備しても良い。なお、油穴191と油圧系との連通/遮断は、例えば油穴191とオイルポンプとの間に弁を設けるなどして、切り換えればよい。
オイルポンプが油穴191を介してオイル(潤滑油)を供給することにより、油圧によって第2切換ピン94Lを押し出すことができる。これにより、リターンスプリング96の付勢力を油圧によって補助することができる。その結果、バルブの動作状態を変更するための第2切換ピン94Lの変位を、迅速かつ確実に行うことが可能となる。
また、弁停止/弁復帰の切換動作が、1サイクル毎に求められる場合がある。具体的には、機関回転数が高回転域にあるときには、弁停止切換動作のクライテリアが高く、切換動作の高速化が要求される。また、製品バラツキによるの第1ピン孔86および第2ピン孔92L、92Rの軸心ズレ(スリーブ軸心ズレ)や、経年劣化等による切換ピン表面荒れ(面粗度悪化)などがあれば、切換ピンの変位に必要な力の大きさは相違する。この点、実施の形態1によれば、切換ピンの復帰力をリターンスプリング98のみに頼るのではなく、油圧で補助することができる。従って、弁復帰切換制御の高速化、および外乱影響(例えば、スリーブ軸心ずれ、面粗度悪化)も許容可能な推力を確保できる。従って、弁停止/弁復帰の切換動作の高い応答性を保証できる。
なお、切換ピンをより素早く変位させるために、リターンスプリング98を大きな付勢力を有するスプリングにすることが考えられる。しかし、付勢力の大きなスプリングを使用した場合、付勢力に抗して切換ピンを移動させるために、アクチュエータ(実施の形態1ではアクチュエータ106)がより大きな力を発揮する必要がある。これにより、例えばアクチュエータの消費電力増大などの不都合を招くおそれがある。この点、本実施形態によれば、アクチュエータが切換ピンに間接的または直接的に作用する際には油圧による補助を停止することにより、上記のような問題を抑制できる。
尚、上述した実施の形態1では、第2支軸90Lを備えた第2ロッカーアーム74Lが、前記本発明における「第1伝達部材」に、第1支軸84を備えた第1ロッカーアーム72が、前記本発明における「第2伝達部材」に、第2切換ピン94Lが、前記本発明における「切換ピン」に、それぞれ相当している。また、上述した実施の形態1では、第2ピン孔92Lが、前記本発明における「凹部」に、第1ピン孔86が、前記本発明における「開口」に、リターンスプリング96が、前記本発明における「ばね部材」に、第2支軸90Lに設けられた油穴191が、前記本発明における「流路」に、図示しないオイルポンプが、前記本発明における「オイル供給手段」に、それぞれ相当している。
なお、実施の形態1では、下記の実施の形態2で述べるように、貫通穴188、194L、194Rおよび198を用いたオイル排出を行う。しかしながら、本発明はこれに限られず、変形例として例えばオイルポンプと油穴191をつなぐオイル流路に弁を設けるなどして、適宜にオイルの流入と排出とを切り換えることもできる。
実施の形態2.
図14および15は、実施の形態2の構成を示す図である。以下、特に明記する点を除き、実施の形態2は実施の形態1と同様の構成を備えるものとする。図15は、図14において矢印Cに従ってスライドピン98側を見た図である。弁停止動作時には、スライドピン98が螺旋状溝104に挿入される。そして、スライドピン98がスライドし、第2切換ピン94Lがその付勢力に抗する方向に押し戻される。ここで、実施の形態1の油圧アシスト機構により油圧が発生していると、この油圧がスライドピン98と螺旋状溝104とが勘合する部分の接触面圧を増大させる。この面圧増大が、スライドピン98と螺旋状溝104との摺動による磨耗・破壊を促進するおそれがある。
実施の形態2では、図15に示すように、スライドピン98が螺旋状溝104に挿入(嵌合)されたときに、貫通穴198が貫通穴194Rと連通する。これにより、貫通穴188、194L、194Rおよび198が連通する。上述したように、スライドピン98が螺旋状溝104に挿入されたとき(すなわち弁停止動作時)には、スライドピン98が図14の矢印(紙面右向き矢印)に示す方向にスライドし、結果的に切換ピンの群も紙面右側に押し込まれる。その際、油室内の潤滑油が、貫通穴188、194L、194Rおよび198を介して、スライドピン98外へと流出する。つまり、貫通穴188、194L、194Rおよび198をオイル排出路として機能させることができる。これによりオイルを逃がしつつ切換ピンの群を押し込むことができるので、スライドピン98と螺旋状溝104とが勘合する部分の接触面圧が過大になるのを抑制できる。
図16は、実施の形態2の第1変形例を示す。この変形例では、第2支軸90Lおよび第2切換ピン94Lに代えて、第2支軸190Lおよび第2切換ピン294Lを用いる。第2支軸190Lは油路192を備え、第2切換ピン294Lは図16(b)に示すように段部195を備える。図16に示すように、第2支軸190Lに対して第2切換ピン294Lが所定量だけ押し込まれたとき、段部195と油路192が連通する。段部195と油路192が連通することにより、油室内の潤滑油を外部に排出できる。
図17は、実施の形態2の第2変形例を示す。この変形例では、第2支軸90Lに代えて、第2支軸290Lを用いる。第2支軸290Lは、紙面右側の側面に、油穴292および弁291を備える。弁291は、油室内への油圧程度では閉じるように、且つ、弁停止切換動作時のスライドピン98のスライドによる油室内の油圧上昇時には開くように、設計される。弁291が開くことにより、油室内の潤滑油を外部に排出できる。
なお、オイル排出用の構成は、択一的に用いても良く、また、2以上の構成を組み合わせても良い。つまり、図16や図17において、貫通穴188、194L、194Rおよび198は必ずしも必須ではない。
実施の形態3.
図18は、実施の形態3の構成を示す。実施の形態3は、上述した実施の形態1の構成を前提としつつ、第2切換ピン94Lの外表面により油穴191の開閉を行うものである。実施の形態3では、図18に示すように、弁停止中(つまり第2切換ピン94Lが第1支軸84に架からない時)に油穴191が閉じられるように、第2切換ピン94Lと油穴191の位置関係が定められる。これにより、弁停止を保持したいときには、油室への潤滑油の供給が遮断される。実施の形態3によれば、第2切換ピン94Lが油穴191の開閉弁を兼ねるので、専用の弁が不要となり構成が簡素化される。
また、実施の形態1の油圧によるアシストが行われると、弁停止時に、スライドピン98がロックピン110に対して与える横方向の力が大きくなる。この力により、ロックピン110とスライドピン98との接触面圧が大きくなり、結果的に摩擦力も大きくなる。このため、ロックピン110とスライドピン98との係合を解除したいとき、ロックピン110の速やかな動作が阻害されてしまう。また、ロックピン110の磨耗も進み易い。この点、実施の形態3によれば、前述した実施の形態2で述べたように、貫通穴188、194Lおよび図示しない貫通穴194R、198をオイル排出路として機能させることができる。これによりオイルを排出でき、ロックピン110の動作の阻害や磨耗の進行を抑制できる。
実施の形態4.
弁停止や弁復帰は、燃料噴射と同期して行われる。従って、それらのバルブ動作の切換と、燃料噴射との同期が的確に行われない場合には、例えば、排気触媒への新気の流入などの好ましくない事態が発生する。そこで、実施の形態4では、上記の油圧アシスト機構を活用して、弁停止/弁復帰制御中の切換機構64の動作を検出することとした。
図19、20は、実施の形態4にかかる動作検出の基本的な内容を説明するための図である。実施の形態1〜3では、弁停止時や弁復帰時に潤滑油が油室に供給される。このとき、弁停止又は弁復帰の制御指令(図中の指令ON)から、時間の経過に応じて、油圧は図19のように、流速(流量)は図20のようにそれぞれ変化する。つまり、油圧は、指令ONの後、実際に切換ピンが移動を開始すると低下し、切換ピンの移動完了後には増加に転ずる。また、流速は、指令ONの後、実際に切換ピンが移動を開始すると上昇し、その後減少に転じて、切換ピンの移動完了とともに下限値に落ち着く。
そこで、本実施形態では、油圧および流速(流量)をそれぞれセンサにより検知する。そして、指令ONから切換開始までの時間(以下「切換開始時間」とも称す)と、切換開始から切換完了までの時間(以下、「切換動作時間」とも称す)を、それぞれ計測する。そして、計測した切換開始時間および切動作時間と、設計値との比較を行い、切換動作の不良を検出する。これにより、バルブ動作切換の異常の有無を検出できるので、バルブ動作切換と燃料噴射との同期が的確に行われない事態を抑制できる。なお、例えば、切換開始時間や切換動作時間の計測値を利用して、バルブ動作切換と燃料噴射との同期が外れないようにそれらの制御を行っても良い。
図21〜23は、実施の形態4における、油室への潤滑油の流れを検知するための検知機構を模式的に示す。図21および22は、第1の例として挙げる、誘導起電力を利用する例を示す。符号300はコイル、符号302は磁石、符号304はスプリングである。図21に示すようにオイル流れに対してコイル300が未だ移動しない状態では、コイル300を介して検知される電圧は図21の下方のように平坦である。図22に示すようにオイル流れにより磁石302が変位するのに応じて、図22の下方に示すように誘導起電力により電圧が変化し、スプリング304の抗力と釣り合った状態で電圧が一定値に落ち着く。このような電圧挙動に基づいて、油室内の潤滑油の流れを検知できる。図23は、第2の例として挙げる、スロットルバルブの開度検出を模した例を示す。図23(a)から(b)のように、潤滑油の流れに応じて開閉する弁を設け、その弁の開閉を電気的、磁気的に検出する。これにより、油室内の潤滑油の流れを検知できる。なお、図21〜23に示した検知機構以外にも、例えば従来公知の各種の圧力センサ、流速センサ、流量センサを用いることができる。
10 内燃機関 28 吸気バルブ
32 吸気可変動弁装置 42 クランク角センサ
52 カムシャフト 54 主カム
54a ベース円部 54b ノーズ部
56 副カム 60 可変機構
62 バルブスプリング 64 切換機構
70 ロッカーシャフト 72 第1ロッカーアーム
74 第2ロッカーアーム 74L、74R 第2ロッカーアーム
76 第1ローラ 78 コイルスプリング
80 第2ローラ 82 ラッシュアジャスタ
84 第1支軸 86 第1ピン孔
88 第1切換ピン 90L、90R 第2支軸
92L、92R 第2ピン孔
94L、94R 第2切換ピン
95 凹部
96 リターンスプリング 98 スライドピン
98a 円柱部 98b アーム部
98c 突起部 98d 押圧面
98e 切欠部 98f 案内面
100 支持部材 102 大径部
104 螺旋状溝 104a 基端
104b 終端 104c 浅溝部
106 アクチュエータ 108 ソレノイド
108a 駆動軸 110 ロックピン
112 スプリング 114 支持部材
116 ストッパー 118 スプリング
188 貫通穴 190L 支軸
191 油穴 192 油路
194L、194R 貫通穴 195 段部
198 貫通穴 290L 第2支軸
291 弁 292 油穴
294L 第2切換ピン 300 符号
300 コイル 302 磁石
304 スプリング

Claims (1)

  1. バルブとカムとの間に配置され当該カムの作用力を当該バルブに伝達するための第1および第2伝達部材と、該第1および第2伝達部材の連結/分離を切り換えるための切換ピンと、を有し、前記第1、2伝達部材の連結/分離を切り換えることによりバルブ動作状態を変更する内燃機関の動弁装置であって、
    前記第1伝達部材が凹部を有し、
    前記第2伝達部材が、該第1および第2伝達部材が所定の位置関係にあるときに前記凹部と連通する開口を有し、
    前記切換ピンが前記凹部内に進退自在に配置され、該切換ピンが前記凹部と前記開口とを跨いで位置することにより前記第1、2伝達部材が連結され、該切換ピンが前記凹部と前記開口とを跨がずに位置することにより前記第1、2伝達部材が分離され、
    さらに、
    前記凹部と前記切換ピンとの間に配置され、前記切換ピンを前記凹部の出口側に付勢するばね部材と、
    前記第1伝達部材に設けられ、前記凹部内面と前記切換ピンの前記凹部側の面との間に接続し、その内部に流体を流通させることができる流路と、
    前記流路を介して、前記凹部内面と前記切換ピンの前記凹部側の面との間に連通するオイル供給手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の動弁装置。
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