JP2010163353A - 光学部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多結晶シリコンの赤外線の透過率を更に上げるともに加工性も飛躍的に向上させて、レンズや窓材として有用な光学部材として好適な材料の提供を目的とする。
【解決手段】 モノシランやトリクロロシランを原料として化学蒸着法で合成されたアズグロウンの多結晶シリコンを、酸素を含まない不活性ガス雰囲気下で、且つ、非金属酸化物製の容器或いはその内壁面を非金属酸化物系物質で覆った容器を用いて溶融させた後冷却して凝固させた多結晶シリコン凝固体からなることを特徴とする、主として赤外線用に使用される光学部材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、赤外線用のレンズや窓材等の透過部材等として好適な、多結晶シリコンからなる新規な光学部材に関する。
近年、赤外線を利用した機器や計測機器の開発が進められている。特に、遠赤外線の4〜15μmの波長域の光を利用した例えば焦電型赤外線センサーなどの光学機器の開発が盛んになってきている。
上記遠赤外線の4〜15μmの波長域の光を透過する材料としては、ゲルマニウム、亜鉛化セレン、カルコゲナイトガラス、単結晶シリコン、多結晶シリコンなどの材料が知られている。
上記材料の中で、多結晶シリコンは比較的安価な材料であり、波長が9μmの遠赤外線の透過率が測定され、赤外線用光学部材として有用であることが知られている(特許文献1)。
また、特許文献1には、従来、赤外線用光学部材として使用されていた、単結晶シリコンは、その製造過程における酸素の混入により、波長が9μmの遠赤外線の透過率が低下することが開示されている。
そして、かかる特許文献1に記載の技術においては、酸素の混入を防止するため、化学蒸着法によって多結晶シリコンを成長させて製造された部材をそのまま母材として使用し、加工することにより、前記赤外線用光学部材として使用した際、波長が9μmの遠赤外線の透過率において良好な特性を示すとされている。
しかしながら、シラン類の水素雰囲気下での熱分解析出反応を利用した化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition:CVD法)等で製造されたアズグロウン(析出成長したままの状態)の多結晶シリコン、即ち、前記特許文献1に示されている多結晶シリコン材料や、ジーメンス法によって得られる多結晶シリコンロッドは、結晶の一方向成長のために結晶異方性が大きく、その内部に歪や結晶欠陥を多く有し、これにより、上記アズグロウンの多結晶シリコンを母材として切断や切削、研磨等の機械加工を施し、レンズや窓材或いはフィルター等の光学素子に直接、製作加工する場合、割れや欠けが生じて光学素子の加工収率が低下するという問題があることが判明した。
特に、焦電型赤外線センサー等に使用される光学部材は、センサーとしての機能を発揮するため、特に感度を上げる必要性から、赤外線の透過率をより一層向上させるために、光学部材の厚みを出来る限り薄くして加工する事が要求され、かかる用途に対しても、歪や欠陥を多く含むアズグロウンの多結晶シリコンは、所定寸法の薄膜加工が困難であり、加工収率の低下を招く。
特開平5−60901号公報
従って、本発明は、アズグロウンの多結晶シリコンを原料とし、赤外線の透過率を更に上げると共に、機械加工性も飛躍的に向上した、多結晶シリコンからなる光学部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意、検討を進めた結果、前記アズグロウンの多結晶シリコンを特定の条件下で一旦溶融し、これを凝固させて得られる凝固体が、赤外線の透過性において、良好な特性を示すと共に、切断や切削、研磨等の機械加工を施す際の加工収率が極めて高く、赤外線用のレンズや窓材或いはフィルター等の光学素子用の光学部材として極めて有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、化学蒸着法により製造された多結晶シリコンを溶融後、凝固して得られた、酸素含有量が10ppma以下の多結晶シリコン凝固体からなることを特徴とする光学部材である。
本発明によれば、酸素の混入を前記範囲に抑制しながら、多結晶シリコンの溶融、凝固を行うことにより、赤外線の良好な透過特性を示すと共に、機械的強度や加工性を改善した結晶性シリコン凝固体を得ることに成功し、該結晶性シリコンの光学素子への加工において、加工時の割れや欠けが無く成り加工歩留まり(収率)が向上した光学部材が提供される。
また、上記結晶性シリコン凝固体は、機械的強度や加工性が向上した結果、光学部材としての薄膜加工が可能となり、光学部材の薄膜化による赤外線の透過率をより増加させる事が出来る。更に、本発明の結晶性シリコンは、溶融、凝固によって、シリコンの結晶粒が適度に成長して結晶性を高めることができ、それにより、結晶粒界面での赤外線の散乱を減じ、赤外線の透過率の更なる増加が期待される。
このように、光学部材に加工するための母材となり得る大きさまで成長させた高純度の多結晶シリコンを、わざわざ溶融して凝固するという本発明の技術思想は、前記アズグロウンの多結晶シリコンにおける加工性の問題についての知見を得ることにより初めて想到し得るものである。
実施例1で得られた多結晶シリコンの溶融凝固体のFT−IRで測定した赤外線透過スペクトルを示す。
本発明の光学材料を構成する多結晶シリコン凝固体の原料となる、化学蒸着法(CVD法)により製造された多結晶シリコンとしては、特に制限されないが、前記ジーメンス法によって得られる多結晶シリコンロッドが好適である。
上記多結晶シリコンロッドは、析出原料として、精留や吸着処理により精製したモノシランや、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素等のクロロシランのような高純度シラン類を用いてベルジャー内でCVD法により得られる。
従って、このようにして得られた多結晶シリコンロッドは、金属元素(金属元素以外のドーパント元素を含む)の含有量が、1×10−8質量%以下の高純度を有するものであり、本発明において、好適に使用することができる。即ち、上記多結晶シリコンロッドを構成する多結晶シリコンは、シリコン中の重金属類等の不純物による吸収や散乱を極力少なくして光学的に高純度化されたものであるため、赤外線に対する高い光線透過率を達成することが可能である。
しかし、CVD法で製造される多結晶シリコンは、前記したように、一方向に析出成長するため、その内部に歪や結晶欠陥を多く有する。
本発明の特徴は、従来、そのまま使用(加工)されるのが常であった、化学蒸着法により製造された多結晶シリコンを溶融後、凝固して得られた、酸素含有量が10ppma以下の多結晶シリコン凝固体を光学部材として使用することにある。
即ち、本発明の多結晶シリコン凝固体は、化学蒸着法により製造された多結晶シリコンを溶融後、凝固して得られたものであるため、その内部歪や結晶欠陥が殆ど存在しない。それ故、衝撃等の外力に対して耐性があり、切断や切削、研磨等の機械加工を施し、レンズや窓材或いはフィルター等の光学素子に加工する場合、割れや欠けの発生が著しく少なく、光学素子の加工収率が向上する。
また、本発明の多結晶シリコン凝固体は、後述する新規な製造方法により、酸素含有量が10ppma以下、特に、5ppma以下に制御することができたため、光学素子、特に、赤外透過用の光学素子用の光学材料として有効に使用することができる。即ち、上記酸素含有量が10ppmaを超えて酸素を含有する多結晶シリコンは、上記光学素子用の光学素子として使用することが困難である。
尚、上記酸素含有量は、後述する実施例に測定方法を具体的に示すが、赤外線吸収スペクトルを測定することによって定量した内部酸素の含有量を示すものである。
本発明の多結晶シリコン凝固体は、凝固の過程により、結晶粒子径が増大し、その結果、赤外線の透過性をより一層向上することができる。即ち、一般に、化学蒸着法により製造された多結晶シリコンの結晶粒径は比較的小さく、その析出温度が800〜900℃においては、平均結晶粒子径は、1μm以下であり、また、1000〜1100℃でにおいては、平均結晶粒子径は、10μm程度である。これに対して、本発明の多結晶シリコン凝固体は、溶融、凝固の過程で結晶粒子が成長し、凝固における冷却のプロファイルにもよるが、一般に、1mm以上の平均結晶粒子径を有するかなり大きな結晶粒子より構成されている。そして、かかる平均結晶粒子径を有することにより、結晶粒界に依る光散乱、特に遠赤外線の散乱の影響が低減され、化学蒸着法により製造された多結晶シリコンに対して、赤外線透過率の向上を図ることができるというメリットを有する。
また、本発明の多結晶シリコン凝固体は、かかる平均結晶粒子径によって、前記化学蒸着法により製造された多結晶シリコンよりなる母材と区別することができる。
本発明の光学材料を構成する多結晶シリコン凝固体の形状、大きさは、これを加工することによって得ようとする光学素子に準じて、適宜決定される。
本発明において、多結晶シリコン凝固体は、酸素を含まない不活性ガス雰囲気下、又は、真空下で、前記多結晶シリコンを溶融後、凝固を行うことによって得ることができる。
上記CVD法で析出成長して製造される多結晶シリコンの溶融、凝固の手段は、該多結晶シリコンを融点以上に加熱してシリコン融液とし、これを冷却して凝固せしめることができれば特に制限されないが、一般には、坩堝等の容器を用い、これに多結晶シリコンを充填し、外部から加熱、冷却を行う方法が採用される。
具体的には、多結晶シリコンの溶融は、例えば、CVD法で析出成長して製造される多結晶シリコンロッドを破砕した塊状のシリコン(シリコンナゲット)を、石英製等の坩堝等の容器に充填し、次いで高周波炉等の加熱炉を用いて金属シリコンの融点以上に加熱することによって行われる。
上記多結晶シリコンの溶融は、通常、金属シリコンの融点以上の1500〜1600℃に加熱されるが、多結晶シリコンを完全に溶融してシリコン融液の状態均一性を達成するために、坩堝等の容器の均熱状態を確保し、同温度において更に数時間、恒温加熱処理することがこのましい。
また、溶融したシリコンの凝固は、シリコン融液をそのままの状態で、或いは別の坩堝等の容器に小分けして冷却凝固させ、多結晶シリコンの溶融凝固体を製造する。
上記凝固について、より具体的に説明すれば、前記シリコン融液を金属シリコンの融点より若干高い温度、例えば、1450℃程度に降温し、同温度において該溶融体と加熱炉を保持し、該溶融体と加熱炉の温度均一性や恒温性を確認した後、凝固操作に入る。かかる凝固の方法は、降温プログラムに依って温度制御して加熱炉の温度をシリコンの融点以下に徐々に下げる方法や、加熱炉内のヒーター或いは該溶融体を入れた坩堝等の容器のどちらか一方を引き上げる或いは引き下げて、ヒーターと坩堝等の容器の相対的位置を連続的に変え、該溶融体からヒーターを遠ざけて該溶融体の温度を徐々に下げ、該溶融体の温度を金属シリコンの融点以下に冷却して坩堝等の容器の底部から多結晶シリコン凝固体を得る方法等が挙げられる。
また、多結晶シリコンの融液を冷却して凝固する際の加熱炉の降温プログラム、或いはヒーターと坩堝等の容器の位置を変えて冷却する場合のヒーターや容器の昇降速度は、其々に使用される加熱炉や坩堝等の容器に依って異なるために一概には規定されず、加熱炉の炉内温度の分布や均一性、或いは坩堝等の容器内の多結晶シリコン融液の温度や温度分布の制御性において個別に決められる。一般に、降温速度や昇降速度を遅くして徐々に冷却して凝固するほど、得られる多結晶シリコンの溶融凝固体は、内部の歪や欠陥は減じて機械的強度は向上し、また、結晶粒成長して赤外線の散乱は抑えられ、赤外線透過率は上がる。しかしながら、本発明の赤外線光学部材としてはその効果や影響は小さく、本発明おいて、多結晶シリコンの溶融体を凝固する工程における冷却速度を特に規定するものではない。なお、溶融凝固体製造時の、加熱炉内雰囲気条件や坩堝の材質等については、詳しく後述する。
本発明において、重要な要件は、上記多結晶シリコンの溶融、凝固を、酸素を含まない不活性ガス雰囲気下、又は、真空下で行うことにある。
本発明で使用される不活性ガスは、酸素を含まないガスであれば、水素ガスや窒素ガス等が特に制限なく使用されるが、高純度で酸素を含まないアルガスが好適である。
従って、かかる多結晶シリコンの溶融に使用する加熱炉は、炉内を上記雰囲気にすることができる機能を有するものが特に制限なく使用される。
一般に、金属シリコンと酸素の反応は、500℃以上の温度で進行し、高温ほどに反応は促進される。そのため、本発明の多結晶シリコンの溶融、凝固の各処理において、酸素を含まない不活性ガス雰囲気下或いは真空下で行う操作は、少なくとも、前記500℃以上の温度下における昇温と降温のいずれの過程においても行われる。
また、多結晶シリコンロッド、或いは多結晶シリコンの破砕物等を充填した坩堝等の容器を加熱炉内に装填し、加熱炉を加熱昇温する前に、加熱炉内に酸素を含まない不活性ガスを流通するか、或いは真空脱気と酸素を含まない不活性ガスの流通を繰り返し、該加熱炉内雰囲気から酸素分を除いて、加熱炉内を酸素がない不活性ガス雰囲気に置換することが好ましい。そして、その後、酸素を含まない不活性ガスの流通下に該加熱炉を加熱昇温させ、多結晶シリコンの溶融処理をし、次いで同様に酸素を含まない不活性ガスの流通下に凝固処理をする態様が好適である。
更に、多結晶シリコンへの酸素の混入は、溶融凝固処理に使用する容器からも生じる虞があり、特に、石英やアルミナ等の金属酸化物製の容器を用いた場合、顕著である。従って、本発明において、多結晶シリコンの溶融凝固に使用する坩堝等の容器は、非金属酸化物系、例えば、炭素材料等から成るものが好適である。また、石英やアルミナ等の金属酸化物製の容器であっても、多結晶シリコンと接触する容器の内面壁が窒化ケイ素等の非金属酸化物系物質で表面処理されていて、多結晶シリコンと酸素(金属酸化物)の接触が遮断されているものも好適に使用できる。
更にまた、溶融に供する多結晶シリコンは、その表面に付着した酸素等の不純物を前もって除去処理する事が好適である。CVD法で製造した多結晶シリコンは、坩堝等の容器に充填して溶融凝固する場合、ロッド状物を塊状物に破砕する。その破砕作業において、多結晶シリコン表面は作業環境から酸素等の不純物汚染を受けることがある。前記多結晶シリコンの表面に付着した酸素等の不純物除去は、フッ硝酸等、公知のエッチング液を用いる洗浄方法が特に制限なく採用される。
多結晶シリコンの溶融凝固体は、凝固に用いた坩堝等の容器の形状に依って角柱状や円筒状のブロックとして得られ、該ブロックを母材として切断や切削、研磨等の機械加工を施し、レンズや窓材或いはフィルター等の赤外線用の光学素子が製造される。
本発明において、多結晶シリコンの溶融凝固は、特に高温の溶融状態において、多結晶シリコンが酸素と接触しない環境下及び条件下で操作し処理されることが好ましい。
本発明の多結晶シリコンからなる溶融凝固体は、機械加工特性に優れ、しかも、高い赤外線透過特性を有し、赤外線、特に遠赤外線を対象とするレンズや窓板或いはフィルター等の光学素子を製作加工する光学部材に好適である。また、更に赤外線透過率を上げるために、光学素子に加工された後、その表面に硫化亜鉛等から成る反射防止膜を真空蒸着法等で薄膜コーティングすることは、好適な手段である。
以下、本発明を実施例においてより詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明において使用される多結晶シリコンを製造するCVD法は、ベルジャー型の析出装置を用い、底盤に立てた多結晶シリコン製の芯線に通電して加熱し、底盤に設置したガス供給口から高純度のシランガス類と水素の混合ガスを連続供給して芯線上に多結晶シリコンを析出成長させる。本実施例では、高純度の原料シランガスとしてトリクロロシランを用い、芯線温度を1,000〜1,100℃に制御した。多結晶シリコンは、芯線上に直径凡そ100mm位まで析出成長させてロッド状物で得た。この多結晶シリコンの純度は、11Nであった。
多結晶シリコンの溶融凝固体は、上記のCVD法で製造した多結晶シリコンロッドを破砕して塊状物とし、その表面をフッ硝酸で洗浄し、後述の実施例や比較例で示す材質の坩堝に充填した。高周波加熱炉内を真空引きした後、アルゴンガスで十分に置換し、アルゴンガス雰囲気下で、1,500℃に加熱して多結晶シリコンを溶融した。次いで、1,500℃において4時間保持した後、1,450℃に降温し、それ以後は1,400℃までは0.5℃/hr、1,100までは25℃/hr、そして、400℃までは200℃/hrの各降温速度で温度制御して徐々に冷却し、多結晶シリコンの溶融凝固体を得た。
多結晶シリコンの機械加工特性の評価試験は、アズグロウンの多結晶シリコンロッドの場合はその外周を表面研削し、一方、多結晶シリコンの溶融凝固体の場合は切り出して、其々、直径100mmで100mm長の円筒状物にして試験サンプルとした。この試験サンプルの円筒状物を精密ブレード切断機にセットし、厚み5mmの円板の5枚を切り出して、その加工歩留まりを求めた。
赤外線透過率は、多結晶シリコンロッド(アズグロウン)や多結晶シリコン溶融凝固体から、其々、厚み2mm/15mm□の小片を切り出し、その表面(両面)を鏡面研磨加工して最終的に厚みを1.5mmに調整して測定用試験片を作製し、フーリエ変換型赤外分光装置(FT−IR)を用いて測定した。FT−IRの参照側を空気にして測定側光路に多結晶シリコンの試験片を置き、遠赤外領域を含む波長域2〜20μmの赤外線透過スペクトルを測定した。測定した赤外線透過スペクトルの代表例として、実施例1で製造した多結晶シリコンの溶融凝固体の赤外線透過スペクトルを図1に示す。得られた赤外線透過スペクトルから遠赤外線波長域の9μmと4μm、そして2μmの各波長における赤外線透過率/%を求めた。
実施例1
上記の実施例において、多結晶シリコンの溶融凝固体を製造する際に使用する容器に、石英製のその内面を窒化ケイ素で表面処理した坩堝を用いた。機械加工性と赤外線領域の光学特性の共に良好であり、表1に結果を示す。
実施例2
実施例1において、CVD法の多結晶シリコンロッドの製造において、シリコン析出原料のトリクロロシランの代わりにモノシランを用い、その析出温度を800〜900℃とした以外は同様にして多結晶シリコンの溶融凝固体を製造した。機械加工性と赤外線領域の光学特性の共に良好であり、表1に結果を示す。
実施例3
上記の実施例のCVD法で製造した多結晶シリコンロッドを、FZ装置を用いて溶融凝固して単結晶化し、多結晶シリコンの溶融凝固体を製造した。FZ炉内をアルゴンガスで十分に置換し、アルゴンガス雰囲気下、多結晶シリコンを溶融凝固して単結晶の引上げ操作をした。得られた単結晶性の多結晶シリコンの溶融凝固体は、機械加工性と赤外線領域の光学特性の共に良好であり、表1に結果を示す。
比較例1
上記の実施例に記載のアズグロウンの多結晶シリコンについて、赤外線線領域の光学特性は良好であったが、機械加工特性の試験では割れが発生して厚み5mmの円板は1枚も取れず、機械加工性は不良であった(表1参照)。
比較例2
上記の実施例において、多結晶シリコンの溶融凝固体を製造する際に使用する容器として石英製の坩堝を用いた。機械加工特性は良好であったが、遠赤線外領域の9μmの赤外線透過率が低く、光学特性は不良であった(表1参照)。
Figure 2010163353

Claims (3)

  1. 化学蒸着法により製造された多結晶シリコンを溶融後、凝固して得られた、酸素含有量が10ppma以下の多結晶シリコン凝固体からなることを特徴とする光学部材。
  2. 多結晶シリコン凝固体が、酸素を含まない不活性ガス雰囲気下、又は、真空下で、前記多結晶シリコンを溶融後、凝固して得られたものである請求項1に記載の光学部材。
  3. 光学部材が、赤外線透過用光学部材である請求項1または2に記載の光学部材。
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