JP2010160952A - カーボンナノチューブと重合性イオン液体およびイオン液体から構成される導電性薄膜、アクチュエータ素子 - Google Patents

カーボンナノチューブと重合性イオン液体およびイオン液体から構成される導電性薄膜、アクチュエータ素子 Download PDF

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Abstract

【課題】性能の向上したアクチュエータを提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマーおよびイオン液体から構成され、前記重合性イオン液体ポリマーがイオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したものである導電性薄膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性薄膜を有する導電体及びアクチュエータ素子に関する並びにその製造法に関する。ここでアクチュエータ素子は、電気化学反応や電気二重層の充放電などの電気化学プロセスを駆動力とするアクチュエータ素子である。
空気中、あるいは真空中で作動可能なアクチュエータ素子として、カーボンナノチューブとイオン液体とのゲルを導電性があり、かつ伸縮性のある活性層として用いるアクチュエータが提案されている(特許文献1)。
また、導電体であるカーボンナノチューブに求められる特性としては、高純度、高アスペクト比、高導電性、高比表面積などの特性が要求される。これらの要求を満たす、高アスペクト比のカーボンナノチューブを用いた素子について、カーボンナノチューブとポリマー、イオン液体の均質混合が従来の方法では困難であり、アクチュエータの性能低下の原因となっていた。従来の知られていた長さが数μm程度のカーボンナノチューブでは、
カーボンナノチューブのみで均質な導電性のよい電極フィルムを作成することは困難であった。そのために結着剤として、発明を実施するための最良の形態に示されるような汎用ポリマーを加えることにより、キャストという簡便な方法で、導電性薄膜を簡便に得ることが可能となったが、発明を実施するための最良の形態に示されるような汎用ポリマーを加えることにより、カーボンナノチューブの均一混合が妨げられることになり、また、電子伝導、イオン伝導が阻害されるという問題点があった。
特開2005−176428
本発明は、さらに性能の向上したアクチュエータを提供することを目的とする。
本発明は以上の問題点を解決するものであって、カーボンナノチューブを用いることにより、汎用ポリマーを加えなくても、キャスト法という簡便な方法でカーボンナノチューブおよび重合性イオン液体ポリマー(イオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したもの)およびイオン液体から構成される導電性フィルムを得ることが可能なことを発見し、さらにイオン液体ポリマーの配合によりアクチュエータの曲げ弾性率及び発生力が飛躍的に大きくなることを見出した。
本発明は、以下の導電性薄膜、積層体、アクチュエータ素子、またはその製造法を提供するものである。
項1. カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマーおよびイオン液体から構成され、前記重合性イオン液体ポリマーがイオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したものである導電性薄膜。
項2. 項1に記載の導電性薄膜層とイオン伝導層を有する積層体。
項3. 項2に記載の積層体を含むアクチュエータ素子。
項4. イオン伝導層の表面に、項1に記載の導電性薄膜を電極とする導電性薄膜層が互
いに絶縁状態で少なくとも2個形成され、当該導電性薄膜層に電位差を与えることにより変形可能に構成されている項3に記載のアクチュエータ素子
項5. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマー(イオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したもの)、イオン液体および溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:ポリマーおよび溶媒、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
工程3:工程1の分散液を用いる導電性薄膜の形成と工程2の溶液を用いるイオン伝導層の形成を同時にあるいは順次行い、導電性薄膜層とイオン伝導層の積層体を形成する工程。
項6. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマー(イオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したもの)、イオン液体および溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:ポリマーおよび溶媒、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
工程3:工程1の分散液を用いキャスト、印刷、塗布、押し出しまたは射出により、導電性薄膜を形成、その後、必要に応じて、作製した導電性薄膜の熱厚密化を行い、密度を大きくする工程、あるいは数枚の導電性薄膜を熱圧着すると同時に厚密化し、密度を大きくする工程
工程4:工程2の分散液を用いキャスト、印刷、塗布、押し出しまたは射出により、イオン伝導層を形成する工程;
工程5:工程3で形成した導電性薄膜と工程4で形成したイオン伝導層を、圧着により積層し、積層体を形成する工程。
項7. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマー(イオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したもの)、イオン液体および溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:ポリマーおよび溶媒、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
工程3:工程1の分散液を用いキャスト後加熱により、導電性薄膜を形成する工程
工程4:工程2の分散液を用いキャスト後加熱により、イオン伝導層を形成する工程;
工程5:工程3で形成した導電性薄膜と工程4で形成したイオン伝導層を、圧着により積層し、積層体を形成する工程。
本発明によれば、汎用ポリマーなしで導電性薄膜を得ることができるため、電子伝導性、イオン伝導性が向上し、応答が速やかになるとともに、素子の軽量化、あるいは素子の変形をより容易に行なうことができ、効率のよい変形応答のアクチュエータ素子を提供することができるようになった。また、LS−CNTあるいはCNTと重合性イオン液体を用いることにより、電子伝導性、イオン伝導性、発生力および応答性能が、汎用ポリマーを含有する導電性薄膜の場合より良い性能を示し、機械的強度の高い(曲げ弾性が大きい)導電性薄膜を熱重合で得ることができるようになった。
本発明の実施例でアクチュエータ素子変位評価法に用いたレーザー変位計を示す。 図2(A)は、本発明のアクチュエータ素子(3層構造)の一例の構成の概略を示す図であり、図2(B)は、本発明のアクチュエータ素子(5層構造)の一例の構成の概略を示す図である。 本発明のアクチュエータ素子の作動原理を示す図である。 本発明のアクチュエータ素子の他の例の概略を示す図である。
本発明において、アクチュエータ素子の電極層に使用する導電性薄膜には、カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマーおよびイオン液体が使用される。
本発明に用いられるカーボンナノチューブは、グラフェンシートが筒形に巻いた形状から成る炭素系材料であり、その周壁の構成数から単層ナノチューブ(SWNT)と多層ナノチューブ(MWNT)とに大別され、また、グラフェンシートの構造の違いからカイラル(らせん)型、ジグザグ型、およびアームチェア型に分けられるなど、各種のものが知られている。本発明には、このような所謂カーボンナノチューブと称されるものであれば、いずれのタイプのカーボンナノチューブも用いることができる。
本発明で使用するカーボンナノチューブのアスペクト比は、10以上が好ましい。アスペクト比は大きければ大きいほど好ましいが、上限は、例えば10程度、10程度或いは10程度、である。カーボンナノチューブの長さは、通常1μm以上、好ましく
は50μm以上、さらに好ましくは200μm以上、特に500μm以上である。カーボンナノチューブの長さの上限は、特に限定されないが、例えば3mm程度である。
実用に供されるカーボンナノチューブの好適な例として、一酸化炭素を原料として比較的量産が可能なHiPco(カーボン・ナノテクノロジー・インコーポレーテッド社製)が挙げられるが、勿論、これに限定されるものではない。
本発明の導電性薄膜は、カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマーおよびイオン液体から基本的に構成されるが、活性炭素繊維や補強材などを導電性などの特性をあまり損なわない範囲で加えることもできる。
本発明に用いられるイオン液体(ionic liquid)とは、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を呈する塩であり、例えば0℃、好ましくは−20℃、さらに好ましくは−40℃で溶融状態を呈する塩である。また、本発明で使用するイオン液体はイオン導電性が高いものが好ましい。
本発明においては、各種公知のイオン液体を使用することができるが、常温(室温)または常温に近い温度において液体状態を呈する安定なものが好ましい。本発明において用いられる好適なイオン液体としては、下記の一般式(I)〜(IV)で表わされるカチオン(好ましくは、イミダゾリウムイオン、第4級アンモニウムイオン)と、アニオン(X)より成るものが挙げられる。
Figure 2010160952
[NR4−x (III)
[PR4−x (IV)
上記の式(I)〜(IV)において、Rは炭素数1〜12の直鎖又は分枝を有するアルキル基またはエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3〜12の直鎖又は分枝を有するアルキル基を示し、式(I)においてRは炭素数1〜4の直鎖又は分枝を有するアルキル基または水素原子を示す。式(I)において、RとRは同一ではないことが好ましい。式(III)および(IV)において、xはそれぞれ1〜4の整数である。式(III)および(IV)において、2つのR基は一緒になって3〜8員環、好ましくは5員環又は6員環の脂肪族飽和環式基を形成してもよい。
炭素数1〜12の直鎖又は分枝を有するアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの基が挙げられる。炭素数は好ましくは1〜8,より好ましくは1〜6である。
炭素数1〜4の直鎖又は分枝を有するアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルが挙げられる。
エーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3〜12の直鎖又は分枝を有するアルキル基としては、CH2OCH3、CH2CH2OCH3、CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH3、(CH2)p(OCH2CH2)qOR2
ここで、pは1〜4の整数、qは1〜4の整数、R2はCH3又はC2H5を表す)が挙げられる
アニオン(X)としては、テトラフルオロホウ酸イオン(BF4 -)、BF3CF3 -、BF3C2F5 -、BF3C3F7 -、BF3C4F9 -、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6 -)、ビス(トリフルオロメ
タンスルホニル)イミドイオン((CF3SO2)2N-)、ビス(フルオロメタンスルホニル)イミドイオン((FSO2)2N-)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン((CF3CF2SO2)2N-)、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸イオン(CF3SO2)3C-)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)、ジシアンアミドイオン((CN)2N-)、トリフルオロ酢酸イオン(CF3COO-)、有機カルボン酸イオンおよびハロゲンイオンが例示できる。
これらのうち、イオン液体としては、例えば、カチオンが1−エチル−3−メチルイミ
ダゾリウムイオン、[N(CH3)(CH3)(C2H5)(C2H4OC2H4OCH3)]+、[N(CH3)(C2H5)(C2H5)(C2H4OCH3)]+、アニオンがハロゲンイオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン((CF3SO2)2N-)のものが、具体的に例示でき、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンとビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン((CF3SO2)2N-)からなるイオン液体が特に好ましい。なお、カチオン及び/又はアニオンを2種以上使用し、融点をさらに下げることも可能である。
ただし、これらの組み合わせに限らず、イオン液体であって、導電率が0.1Sm-1以上の
ものであれば、使用可能である。
本発明において、重合性イオン液体ポリマーは、イオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したものである。
重合性イオン液体モノマーに含まれる陰イオン部分としては、−BF3 -、−CF2BF3 -、−C2F4BF3 -、−C3F6BF3 -、−C4F8BF3 -、−PF5 -、−CF2SO2N-(CF3SO2)、−CF2SO2C-(CF3SO2)2、−CF2SO3 -、−CF2COO-、−RbCOO-(Rbは、炭素数1〜4のアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基を示す。)が例示できる。
重合性イオン液体モノマーに含まれる陽イオン部分としては、以下が挙げられる:
Figure 2010160952
−[R−NRx−13−x (IIIa)
−[R−PRx−13−x (Iva)
(式中、R、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜12の直鎖又は分枝を有するアルキル基またはエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3〜12の直鎖又は分枝を有するア
ルキル基を示す。R、R1aは、同一又は異なって、炭素数1〜12の直鎖又は分枝を有するアルキレン基またはエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3〜12の直鎖又は分枝を有するアルキレン基を示す。xは1〜3の整数を示す。)
上記の陽イオン部分または陰イオン部分のいずれかのイオン液体部分は、重合性不飽和基と、必要に応じて適当な連結基を介して連結されて重合性イオン液体モノマーを形成する。重合性イオン液体モノマーの重合性不飽和基としては、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、エポキシ基(オキシラン)などが挙げられ、このような基を含む部分(moiety)としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、エチレン、スチレン、グリシジルエーテルなどに由来する基が挙げられ、具体的には、以下のような構造を持つものが例示される。
重合性不飽和基
CH=CHCOO−;
CH=C(CH)COO−;
CH=CHCONR−;
CH=C(CH)CONR−;
CH=CH(CH−;
CH=C(CH)(CH−;
PhCH=CH−;
Figure 2010160952
1−アルケニル−3−アルキルイミダゾリウムイオン;
1−アルキル−3−アルケニルイミダゾリウムイオン。
連結基
−CO−;−CONH−;−NHCO−;−(CH−;−O−;−S−;
(式中、nは0〜4の整数を示す。Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
本発明で使用する重合性イオン液体モノマーとしては、以下のものが例示される:
イオン性液体のカチオンが重合性であるモノマーとしては、下記式
〔重合性不飽和基〕−〔連結基〕−〔イオン液体部分〕
(mは0又は1である。重合性不飽和基、連結基、イオン液体部分は、前記に記載されるとおりである)
で表されるモノマーが挙げられ、例えば1-ビニルイミダゾリウム、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウム、1-アルキル-3-ビニルベンジルイミダゾリウム、1-アルキル-3-アリルイミダゾリウム、1-アルキル-3-[2-(メタクリロイルオキシ)アルキル]イミダゾリウム、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、[2-(メタクリロイルオキシ)
アルキル]トリアルキルアンモニウム、
Figure 2010160952
などが挙げられる。これらの重合性カチオンのイオン性液体を構成する陰イオンとしては、上述の陰イオンが例示される。
アニオンが重合性であるモノマーとしては、アクリル酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルリン酸などが例示され、これらとイオン液体を構成するすでに例示された陽イオンとの組み合わせにより、陰イオンが重合するイオン液体を構成することが可能となる(特開平10-83821参照)
なお、イオン液体を構成する陽イオン及び/又は陰イオンは1種のみを使用してもよく2種以上を混合して使用してもよい。
前記モノマーと架橋剤の重合は、紫外線照射により行なうこともでき、重合開始剤の存在下に行なうこともできる。重合開始剤としては、2,2−アゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウリル、t−ブチルパーア
セテート、t−過酢酸ブチル及びジ−t−過酸化ブチル、t−ブチルヒドロペルオキシド、ベンゾイルヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、イソプロピ
ルペルオキシカーボネートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のイオン伝導層は、ポリマーと溶媒、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製し、得られた溶液をキャスト法により製膜し、溶媒を蒸発、乾燥させることによって得ることができる。イオン伝導層の形成は、塗布、印刷、押し出し、キャスト、または、射出などにより行うことができる。ここで、前記溶媒は親水性溶媒と疎水性溶媒の混合溶媒を用いてもよい。
親水性溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メタノール、エタノールなどの炭素数1〜3の低級アルコール、アセトニトリル等が挙げられる。疎水性溶媒としては、4−メチルペンタン−2−オンなどの炭素数5〜10のケトン類、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素類が挙げられる。
本発明において、イオン伝導層に用いられるポリマー(汎用ポリマー)としては、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体[PVDF(HFP)]などの水素
原子を有するフッ素化オレフィンとパーフッ素化オレフィンの共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの水素原子を有するフッ素化オレフィンのホモポリマー、パーフルオロスルホン酸(Nafion,ナフィオン)、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート(poly-HEMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリ(メタ)
アクリレート類、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)などが挙げられる。
アクチュエータ素子の電極層に使用される導電性薄膜層は、カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマー、イオン液体から構成される。導電性薄膜層中のこれらの成分の好ましい配合割合は:
カーボンナノチューブ:
1〜98重量%、好ましくは33〜66重量%、より好ましくは17〜50重量%;
重合性イオン液体ポリマー:
1〜98重量%、好ましくは17〜50重量%、より好ましくは17〜33重量%;
イオン液体:
1〜98重量%、好ましくは17〜50重量%、より好ましくは17〜50重量%;
である。
導電性薄膜の調製は、CNT、重合性イオン液体ポリマーとイオン液体を任意の割合で混
合して実施することが可能である。あるいは重合性イオン液体モノマーをCNT、イオン液
体と混合し、その後重合してCNT、イオン液体及び重合性イオン液体ポリマーを含む導電
性薄膜としてもよい。得られた導電性薄膜層の強度の問題から、CNTは一定以上含まれる
のがよい。
CNTと重合性イオン液体ポリマー/モノマーとイオン液体を任意の割合で攪拌などによ
り混合し、超音波処理を行うのが好ましい。超音波処理時間は、30分から15時間程度、好ましくは1時間〜7時間程度が挙げられる。
導電性薄膜の形成は、CNTと重合性イオン液体ポリマーとイオン液体の混合液を、塗布
、印刷、押し出し、キャスト、または、射出などの方法により行なうことができ、好ましくはキャストにより実施される。
本発明の方法で製造するアクチュエータ素子としては、例えば、イオン伝導層1を、そ
の両側から、カーボンナノチューブとイオン液体と重合性イオン液体ポリマーを含む導電性薄膜層(電極層)2,2で挟んだ3層構造のものが挙げられる(図2A) 。また、電極の表面伝導性を増すために、電極層2,2の外側にさらに導電層3,3が形成された5層構造のアクチュエータ素子であってもよい(図2B) 。
イオン伝導層の表面に導電性薄膜層を形成してアクチュエータ素子を得るには、イオン伝導層の表面に導電性薄膜を熱圧着すればよい。
イオン伝導層の厚さは、5〜200μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがより
好ましい。導電性薄膜層の厚さは、10〜500μmであるのが好ましく、50〜300μmであるのがより好ましい。また、各層の製膜にあたっては、スピンコート、印刷、スプレー等も用いることができる。さらに、押し出し法、射出法等も用いることができる。
導電層の厚さは、10〜50nmであるのが好ましい。導電性薄膜は、CNTとイオン液体から構成される複数の薄膜を熱圧着などにより積層することもでき、1枚の薄膜からなっていてもよい。
このようにして得られたアクチュエータ素子は、電極間(電極は導電性薄膜層に接続されている)に0.5〜4Vの直流電圧を加えると、数秒以内に素子長の0.5〜1倍程度の変位を得ることができる。また、このアクチュエータ素子は、空気中あるいは真空中で、柔軟に作動することができる。
このようなアクチュエータ素子の作動原理は、図3に示すように、イオン伝導層1の表面に相互に絶縁状態で形成された導電性薄膜層2,2に電位差がかかると、導電性薄膜層2,2内のカーボンナノチューブ相とイオン液体相の界面に電気二重層が形成され、それによる界面応力によって、導電性薄膜層2,2が伸縮するためである。図3に示すように
、プラス極側に曲がるのは、量子化学的効果により、カーボンナノチューブがマイナス極側でより大きくのびる効果があることと、現在よく用いられるイオン液体では、カチオン4のイオン半径が大きく、その立体効果によりマイナス極側がより大きくのびるからであると考えられる。図3において、4はイオン液体のカチオンを示し、5はイオン液体のア
ニオンを示す。
上記の方法で得ることのできるアクチュエータ素子によれば、カーボンナノチューブとイオン液体とのゲルの界面有効面積が極めて大きくなることから、界面電気二重層におけるインピーダンスが小さくなり、カーボンナノチューブの電気伸縮効果が有効に利用される効果に寄与する。また、機械的には、界面の接合の密着性が良好となり、素子の耐久性が大きくなる。その結果、空気中、真空中で、応答性がよく変位量の大きい、且つ耐久性のある素子を得ることができる。しかも、構造が簡単で、小型化が容易であり、小電力で作動することができる。
本発明のアクチュエータ素子は、空気中、真空中で耐久性良く作動し、しかも低電圧で柔軟に作動することから、安全性が必要な人と接するロボットのアクチュエータ(例えば、ホームロボット、ペットロボット、アミューズメントロボットなどのパーソナルロボットのアクチュエータ)、また、宇宙環境用、真空チェンバー内用、レスキュー用などの特殊環境下で働くロボット、また、手術デバイスやマッスルスーツなどの医療、福祉用ロボット、さらにはマイクロマシーンなどのためのアクチュエータとして最適である。
特に、純度の高い製品を得るために、真空環境下、超クリーンな環境下での材料製造において、純度の高い製品を得るために、試料の運搬や位置決め等のためのアクチュエータの要求が高まっており、全く蒸発しないイオン液体を用いた本発明のアクチュエータ素子は、汚染の心配のないアクチュエータとして、真空環境下でのプロセス用アクチュエータとして有効に用いることができる。
なお、イオン伝導層表面への導電性薄膜層の形成は少なくとも2層必要であるが、図4に
示すように、平面状のイオン伝導層1の表面に多数の導電性薄膜層2を配置することにより、複雑な動きをさせることも可能である。このような素子により、蠕動運動による運搬や、マイクロマニピュレータなどを実現可能である。また、本発明のアクチュエータ素子の形状は、平面状とは限らず、任意の形状の素子が容易に製造可能である。例えば、図4に示すものは、径が1mm程度のイオン伝導層1のロッドの周囲に4本の導電性薄膜層2を形成したものである。この素子により、細管内に挿入できるようなアクチュエータが実現可能である。
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことは言うまでもない。
<実験法の共通の説明>
1. 使用した薬品、材料
エチルメチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMITFSI)
Figure 2010160952
使用したカーボンナノチューブ:
実施例および比較例で用いたアスペクト比10以上のカーボンナノチューブは、独立行政法人産業技術総合研究所ナノカーボン研究センターで作製された、平均長約600μmの単層カーボンナノチューブ(LS-CNT)である。また一酸化炭素を原料として比較的量産が可能なHiPco(カーボン・ナノテクノロジー・インコーポレーテッド社製)も使用した。
使用したイオン伝導体用ベースポリマー:ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF(HFP)) (III)
Figure 2010160952
使用した溶媒
N,N’-ジメチルアセトアミド(DMAc)
プロピレンカーボネート(PC)
メチルペンタノン(MP)

重合性イオン液体:以下の化合物は
T. Fukushima, A. Kosaka, Y. Ishimura, T. Yamamoto, T. Amiya, S. Notazawa, T. Takigawa, T. Inabe, T. Aida, Small, 2 (2006) 554-560.
に基づいて合成した。
Figure 2010160952
2.ゲル電解質キャスト液の一般的作製方法
IL 100mg、PVDF(HFP) 100mg、PC 360mg、MP 3mlを、80℃に液温を上げて30分以上撹
拌し、作製したキャスト液0.3mlを25mmx25mmのキャスト枠中にキャストし、溶媒を蒸発させて、ゲル電解質フィルムを得る。厚みは約20μm程度である。
3.電極/電解質ゲル/電極3層構造からなるアクチュエータ素子の発生力及び変位測定方法
図1に示す様にレーザー変位計を用い、素子を2mmx10mmの短冊状に切り取り、電圧を加えた時の4mmの位置の変位を測定した。また発生力は電圧を加えた時のロードセルを押す
力を発生力とした。
また伸縮率(ε)は
Figure 2010160952
L :電圧を印加しない時の素子長
D:素子の厚さ
δ:変位
4.電極導電率測定法
電極の導電率は、電極の両端、および、表面の2点間に金ペーストで直径50μmの金線
を接合し、両端の金線に定電流源で一定電流を流し、表面に接続した接点間の電圧を測定することで、電極の抵抗を測定した。この時の電極の厚みd、電極の幅をbとすると断面積S=bdである。流した電流がI、測定した電圧がV、電圧測定端子間距離がLとすると、
コンダクタンス G=I/V[S]
導電率=GL/S[Scm-1
となる。
5.ヤング率測定法
静的試験法(曲げ試験)を用い、両端支持の板状試料の中央部に荷重をかけた時に生じたたわみを差動トランスにて検出し、アクチュエータ素子のヤング率をもとめた。
6.キャパシタンス測定
作成した電極フィルムを直径10mmに切り取り、ステンレス製の電極で挟み込んで、サイクリックボルタンメトリ法により、±0.5V、0.001V/sの条件で測定を行った。測定値は
電極フィルム中のカーボンナノチューブのグラム当りの容量値として(Fg-1)表した。
7.電極、ゲル電解質、アクチュエータ素子フィルム厚測定
作成した電極フィルム、ゲル電解質フィルム、およびそれらの積層体からなるアクチュエータ素子フィルムの厚みは、マイクロメーターを用いて測定した。
実施例1 LS-CNT 15mg、 PVdF(HFP) 0 mgを試料瓶にとり、溶媒DMAc3mlを入れマグネテ
ィックスターラーで撹拌を2時間行う。さらに試料瓶を超音波分散(28KHz)10分、溶媒DMAc6mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を2時間行い、キャスト液を得た。その後、
試料瓶を逆さまにしても流れない程度に固化した。LS-CNTが分散し、ネットワークを作ることによってゲル状になり、固化したものと思われる。テフロン(登録商標)テープで作成した25mm角のキャスト枠内に上記キャスト液をそれぞれ2.4mlキャストし、温度50℃で
一昼夜乾燥した。その後、重合性イオン液体(MPMIm TFSI) 15mgおよびイオン液体(EMITFSI)15mgを試料瓶にとり、AIBN 1mg、溶媒DMAc 9mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を10分間行い、キャスト液を得た。そして、乾燥したLS-CNTフィルムを作製したキャスト枠内に上記キャスト液2.4mlキャストし、温度70℃で一昼夜乾燥した。そして
温度を80℃にして減圧乾燥一昼夜行い、電極フィルムを得た。共通実験法に従い測定した
、このフィルムの特性を表1にまとめる。
また2枚の電極膜を用い、共通実験法3による方法により作成したゲル電解質膜をサンドイッチにして70℃、60Nの圧力で3分間プレスすることにより、電極/電解質/電
極複合体素子を作成した。電極間に周波数の異なる±2.5Vの方形波電圧を加えた時に観測された変位を表2にまとめる。1Hzにおいても高速な応答であることが分かる。電極フィ
ルムの導電率及び素子の応答性能(高速応答及び応答能力)が飛躍的に上昇し、曲げ弾性が飛躍的も大きくなっていることがわかる。
Figure 2010160952
Figure 2010160952
実施例2 実施例1のうち、重合性イオン液体(MPMIm TFSI) 15mgおよびイオン液
体(EMITFSI)15mgを重合性イオン液体(MPMIm TFSI) 7.5mgおよびイオン液体(EMITFSI)22.5mgに変更して行った。電極フィルムの導電率及び素子の応答性能(高速応答及び応答能力)が飛躍的に上昇し、曲げ弾性が飛躍的も大きくなっていることがわかる。
Figure 2010160952
Figure 2010160952
比較例 実施例1のうち、LS-CNT 15mg、PVdF(HFP) 0 mg、重合性イオン液体(MPMIm TFSI) 15mg、イオン液体(EMITFSI)15mgおよび AIBN 1mgをLS-CNT 10mg、PVdF(HFP) 10 mg、重合性イオン液体(MPMIm TFSI) 0mg、イオン液体(EMITFSI)10mg およびAIBN 0mgに変更して行った。
実施例1.2の結果が電極フィルムの導電率及び素子の応答性能(高速応答及び応答能力)が飛躍的に上昇し、曲げ弾性が飛躍的も大きくなっていることがわかる。
Figure 2010160952
Figure 2010160952
実施例3 CNT 30mg、 PVdF(HFP) 0 mgを試料瓶にとり、溶媒DMAc3mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を2時間行う。さらに試料瓶を超音波分散(28KHz)10分、溶媒DMAc6mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を2時間行い、キャスト液を得た。その後、試料
瓶を逆さまにしても流れない程度に固化した。CNTが分散し、ネットワークを作ることに
よってゲル状になり、固化したものと思われる。テフロン(登録商標)テープで作成した25mm角のキャスト枠内に上記キャスト液をそれぞれ3.6mlキャストし、温度50℃で一昼夜
乾燥した。その後、重合性イオン液体(MPMIm TFSI) 30mgおよびイオン液体(EMITFSI
)30mgを試料瓶にとり、AIBN 1mg、溶媒DMAc 9mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を10分間行い、キャスト液を得た。そして、乾燥したCNTフィルムを作製したキャスト
枠内に上記キャスト液2.4mlキャストし、温度70℃で一昼夜乾燥した。そして温度を80
℃にして減圧乾燥一昼夜行い、電極フィルムを得た。共通実験法に従い測定した、このフィルムの特性を表1にまとめる。
また2枚の電極膜を用い、共通実験法3による方法により作成したゲル電解質膜をサンドイッチにして70℃、60Nの圧力で3分間プレスすることにより、電極/電解質/電
極複合体素子を作成した。電極間に周波数の異なる±2.5Vの方形波電圧を加えた時に観測された変位を表8にまとめる。素子の応答性能(応答能力)が飛躍的に上昇し、発生力及び曲げ弾性が飛躍的も大きくなっていることがわかる。
Figure 2010160952
Figure 2010160952
実施例4 実施例3のうち、重合性イオン液体(MPMIm TFSI) 30mgおよびイオン液
体(EMITFSI)30mgを重合性イオン液体(MPMIm TFSI) 45mgおよびイオン液体(EMITFSI)15mgに変更して行った。素子の応答性能(応答能力)が飛躍的に上昇し、発生力
及び曲げ弾性が飛躍的も大きくなっていることがわかる。
Figure 2010160952
Figure 2010160952
比較例2 実施例4のうち、CNT 30mg、PVdF(HFP) 0 mg、重合性イオン液体(MPMIm TFSI)
30mg、イオン液体(EMITFSI)30mgおよび AIBN 1mgをCNT 15mg、PVdF(HFP) 15 mg、重合性イオン液体(MPMIm TFSI) 0mg、イオン液体(EMITFSI)15mg およびAIBN 0mgに変更して行った。
実施例3.4の結果が素子の応答性能(応答能力)が飛躍的に上昇し、発生力及び曲げ弾性が飛躍的も大きくなっていることがわかる。
Figure 2010160952
Figure 2010160952

Claims (7)

  1. カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマーおよびイオン液体から構成され、前記重合性イオン液体ポリマーがイオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したものである導電性薄膜。
  2. 請求項1に記載の導電性薄膜層とイオン伝導層を有する積層体。
  3. 請求項2に記載の積層体を含むアクチュエータ素子。
  4. イオン伝導層の表面に、請求項1に記載の導電性薄膜を電極とする導電性薄膜層が互いに絶縁状態で少なくとも2個形成され、当該導電性薄膜層に電位差を与えることにより変形可能に構成されている請求項3に記載のアクチュエータ素子
  5. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法:
    工程1:カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマー(イオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したもの)、イオン液体および溶媒を含む分散液を調製する工程;
    工程2:ポリマーおよび溶媒、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
    工程3:工程1の分散液を用いる導電性薄膜の形成と工程2の溶液を用いるイオン伝導層の形成を同時にあるいは順次行い、導電性薄膜層とイオン伝導層の積層体を形成する工程。
  6. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法:
    工程1:カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマー(イオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したもの)、イオン液体および溶媒を含む分散液を調製する工程;
    工程2:ポリマーおよび溶媒、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
    工程3:工程1の分散液を用いキャスト、印刷、塗布、押し出しまたは射出により、導電性薄膜を形成、その後、必要に応じて、作製した導電性薄膜の熱厚密化を行い、密度を大きくする工程、あるいは数枚の導電性薄膜を熱圧着すると同時に厚密化し、密度を大きくする工程
    工程4:工程2の分散液を用いキャスト、印刷、塗布、押し出しまたは射出により、イオン伝導層を形成する工程;
    工程5:工程3で形成した導電性薄膜と工程4で形成したイオン伝導層を、圧着により積層し、積層体を形成する工程。
  7. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法:
    工程1:カーボンナノチューブ、重合性イオン液体ポリマー(イオン液体の陽イオンまたは陰イオン部分と重合性不飽和基を有する重合性イオン液体モノマーを重合したもの)、イオン液体および溶媒を含む分散液を調製する工程;
    工程2:ポリマーおよび溶媒、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
    工程3:工程1の分散液を用いキャスト後加熱により、導電性薄膜を形成する工程
    工程4:工程2の分散液を用いキャスト後加熱により、イオン伝導層を形成する工程;
    工程5:工程3で形成した導電性薄膜と工程4で形成したイオン伝導層を、圧着により積層し、積層体を形成する工程。
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