JP2010159712A - エンジン及びそれを備えた自動二輪車 - Google Patents

エンジン及びそれを備えた自動二輪車 Download PDF

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Abstract

【課題】低速及び高速カムの実際の切り替えを間接的に検知できるエンジンを提供する。
【解決手段】このエンジンは、カムを低速カム39又は高速カム41に切り替える可変動弁機構と、吸気ポート内に設けられる吸気圧センサ21と、OCV139を制御するECU16とを備える。ECU16は、吸気圧センサ21により検知された吸気圧のうち吸気及び排気行程の間に検知された吸気圧をサンプリングして最高吸気圧をマイコン161に提供するピークホールド回路162と、排気バルブが閉じ終わる前に吸気バルブが開き始めた時の吹き戻しによる吸気圧が所定値よりも高くなったとき可変動弁機構がカムを高速カム4に切り替えたと判定し、カムの切り換えが指令されてから制限時間が経過したにもかかわらず、カムが切り替えられたと判定されないとき、可変動弁機構は故障と判断するマイコン161と備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、エンジン及びそれを備えた自動二輪車に関し、さらに詳しくは、吸気及び排気バルブの少なくとも一方のリフト量を第1のリフト量又は第1のリフト量よりも大きい第2のリフト量に切り替える可変動弁機構を有するエンジン及びそれを備えた自動二輪車に関する。
自動二輪車や自動車等のエンジンには、回転速度が低い時(低速運転時)にはバルブを小さく開け(リフト量を小さくし)、回転速度が高い時(高速運転時)にはバルブを大きく開ける(リフト量を大きくする)可変動弁機構が採用されている。具体的には、変位量の小さい低速カムと変位量の大きい高速カムとがカムシャフト周りに設けられる。低速カムに応じて揺動する低速ロッカアームと、高速カムに応じて揺動する高速ロッカアームとが互いに隣接して設けられる。低速及び高速ロッカアームにはそれぞれ貫通孔が形成され、そこにピンが挿入され、油圧により摺り動かされる。低速時にはピンが低速ロッカアームの貫通孔内に収納されるので、高速ロッカアームは低速ロッカアームから分離される。したがって、低速ロッカアームが低速カムに応じて小さく揺動し、これによりバルブを小さく駆動する。高速ロッカアームは高速カムに応じて大きく揺動するにもかかわらず、低速ロッカアームから分離されているので、バルブを全く駆動しない(空振りする)。一方、高速時にはピンが低速及び高速ロッカアームの両方の貫通孔にまたがって配置されるので、低速ロッカアームは高速ロッカアームと連結される。したがって、低速ロッカアームは高速ロッカアームと一緒に高速カムに応じて大きく揺動し、これによりバルブを大きく駆動する。
しかしながら、ECU(Electronic Control Unit;電子制御装置)が油圧を制御することによりピンを移動するよう可変動弁機構に指令しても、その指令から実際にピンが高速ロッカアームの貫通孔に挿入されるまでには、ある程度の時間がかかる。したがって、ECUが指令後に直ちに燃料噴射量等の燃焼条件を高速用に変更するのは早すぎるという問題がある。このような問題を解決する方法として、ピンの実際の動きを直接検知するセンサを設け、このセンサがピンの動きを検知したときにエンジンの燃焼状態を高速用に変更するという方法が考えられる。しかしながら、ピン周辺は、高温、振動が激しい、油汚れが多い、余裕の空間がほとんどないなどの理由から、このようなセンサを設けることは困難である。
特開2003−083148号公報(特許文献1)には、主として作動油の油圧を監視することで、故障検知を確実に行うことができる減速休筒エンジン車両における故障検知装置が記載されている。吸気管負圧を検出する吸気管負圧センサは吸気通路に設けられる。吸気通路には、スロットル弁の上流側と下流側とを結ぶ2次エアー通路が設けられ、この2次エアー通路にはこれを開閉する制御バルブが設けられている。2次エアー通路はスロットル弁の全閉時においても少量の空気をシリンダ内に供給するためのものである。そして、制御バルブは吸気管負圧センサにより検出された吸気管負圧に応じて開閉作動されるものである。エンジンは吸気側と排気側とに減速休筒運転のための可変バルブタイミング機構(気筒休止機構)を備えた3つの気筒と、減速休筒運転を行わない通常の動弁機構を備えた1つの気筒を有している。つまり、エンジンは、休止可能な3つの気筒を含む4つの気筒を稼働する通常運転と、3つの気筒を休止する減速休筒運転とに切替自在な休筒エンジンであり、休止可能な気筒の吸気弁と排気弁が可変バルブタイミング機構により運転の休止をできる構造となっている。休筒気筒の故障判定は減速時に気筒休止が実施できなくなる故障を検出するものである。具体的には、減速中の吸気管負圧が所定判定圧力よりも高負圧側になる場合である。3つの気筒が休止減速休筒エンジンでは、エンジン回転数に応じて吸気管負圧は決定される。また、2つの気筒が休止するエンジンでは、3気筒休止の場合よりも吸気管負圧は高負圧側になり、1つの気筒が休止するエンジンでは、更に吸気管負圧は高負圧側になり、休止する気筒がないエンジンの場合は更にまた吸気管負圧は高負圧側になる。したがって、3つの気筒が正常に休止していない場合は、吸気管負圧は3気筒が休止している場合に比較して高負圧側になる。これを利用して休筒気筒の故障判定を行っている。しかしながら、この装置はリフト量の切り換えを検知することはできない。
特開2003−083148号公報
本発明の目的は、リフト量の実際の切り替えを間接的に検知することができるエンジン及びそれを備えた自動二輪車を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明によるエンジンは、可変動弁機構と、吸気圧センサと、切替判定手段と備える。可変動弁機構は、吸気及び排気バルブの少なくとも一方のリフト量を第1のリフト量又は第1のリフト量よりも大きい第2のリフト量に切り替える。吸気圧センサは、吸気バルブに通じる吸気経路に設けられ、吸気圧を検知する。切替判定手段は、吸気圧センサにより検知された吸気圧が所定値よりも高くなったとき可変動弁機構がリフト量を第1のリフト量から第2のリフト量に切り替えたと判定する。
本発明によれば、吸気圧センサにより検知された吸気圧が所定値よりも高くなったとき可変動弁機構がリフト量を第1のリフト量から第2のリフト量に切り替えたと判定するので、リフト量の実際の切り替えを間接的に検知することができる。
本発明の一実施の形態において、可変動弁機構は、リフト量が第2のリフト量であるとき、排気バルブを閉じ終わる前に吸気バルブを開き始める。
本発明の他の実施の形態において、エンジンはさらに、吸気圧センサにより検知された吸気圧のうち吸気及び排気行程の間に検知された吸気圧をサンプリングして切替判定手段に提供するサンプリング手段を備える。
この場合、吸気圧が所定値よりも高くなる可能性がある期間内の吸気圧がサンプリングされるので、リフト量切替の判定精度が向上する。
本発明のさらに他の実施の形態において、エンジンはさらに、切替指令手段と、故障判断手段とを備える。切替指令手段は、可変動弁機構にリフト量を切り替えるよう指令する。故障判断手段は、切替指令手段によりリフト量の切り換えが指令されたにもかかわらず、切替判定手段によりリフト量が切り替えられたと判定されないとき、可変動弁機構は故障と判断する。
本発明のさらに他の実施の形態において、エンジンはさらに、所定の制限時間を設定する時間制限手段を備える。故障判断手段は、切替指令手段によりリフト量の切り換えが指令されてから時間制限手段により設定された制限時間が経過したにもかかわらず、切替判定手段によりリフト量が切り替えられたと判定されないとき、可変動弁機構は故障と判断する。
本発明のさらに他の実施の形態において、エンジンはさらに、単一のシリンダを備える。
本発明のさらに他の実施の形態において、所定値は大気圧よりも高い。より具体的には、大気圧よりも10〜30KPa高い値が所定値として設定される。
上記エンジンは、たとえば自動二輪車に設けられる。
本発明の実施の形態による動弁制御装置を備えた自動二輪車の全体構成を示す側面図である。 図1に示したエンジンの構造を示す断面図である。 図2におけるIII−III線の断面図である。 図2に示したカムキャリア及びそれに組み付けられる各種部品の平面図である。 図4におけるV−V線の断面図である。 図2におけるVI−VI線の断面図である。 図2に示したカムキャリア及びそれに組み付けられる各種部品の分解斜視図である。 図7に示したカムキャリア及びそれに組み付けられる各種部品の斜視図である。 図1に示したECU(動弁制御装置)の構成を示す機能ブロック図である。 図9に示したECUによる要求カムの判定動作を示すフロー図である。 図9に示したECUによる実カムの判定動作を示すフロー図である。 図11に示した判定動作を示すタイミング図である。 図9に示したECUによるカムの切替動作を示すフロー図である。 図13に示した切替動作が正常な場合を示すタイミング図である。 図13に示した切替動作が異常な場合を示すタイミング図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(1)自動二輪車の全体構成
図1を参照して、本発明の実施の形態による自動二輪車100はメインフレーム1を備える。メインフレーム1の前端部には、ヘッドパイプ2が設けられる。ヘッドパイプ2にフロントフォーク3が回動可能に設けられる。フロントフォーク3の下端に前輪4が回転可能に支持される。フロントフォーク3の上端にはハンドル5が取り付けられる。
メインフレーム1の前方及び側方を覆うようにカウル6が設けられる。メインフレーム1の中央部には、DOHC(Double Over Head Camshaft)エンジン7が設けられる。エンジン7の上方には、エアクリーナボックス8が設けられる。エアクリーナボックス8とエンジン7の吸気ポート9とを接続するように、吸気管10が設けられる。
自動二輪車100の前部には、エアクリーナボックス8と外部とを連通させる吸気通路11がカウル6に覆われるように設けられる。吸気通路11の一端は、カウル6の前面において開口している。自動二輪車100の外部の空気は、吸気通路11、エアクリーナボックス8及び吸気管10を介してエンジン7に吸入される。
エンジン7の排気ポート12には、排気管13の一端が接続される。排気管13の他端は、マフラ装置14に接続される。エンジン7において混合機の燃焼により発生した既燃ガスは、排気管13及びマフラ装置14を介して外部に排出される。
エンジン7の上部には、シート15が設けられる。シート15の下部には、自動二輪車100の各部の動作を制御するECU(Electronic Control Unit;電子制御装置)16が設けられる。ECU16の詳細は後述する。エンジン7の後方に延びるように、メインフレーム1にリアアーム17が接続される。リアアーム17は、後輪18及び後輪ドリブンスプロケット19を回転可能に保持する。後輪ドリブンスプロケット19には、チェーン20が取り付けられる。エンジン7により発生された動力は、チェーン20を介して後輪ドリブンスプロケット19に伝達される。これにより、後輪18が回転する。
(2)エンジン及び可変動弁機構の構成
エンジン7は、吸気及び排気バルブのリフト量を低速時と高速時の2段階に切り替える可変動弁機構を備える。具体的には、図2及び図3を参照して、このエンジン7は、シリンダ701と、シリンダ701に着脱可能に取り付けられるシリンダヘッド702と、シリンダヘッド702に着脱可能に取り付けられるカムキャリア703とを備える。たとえば単気筒エンジンの場合、1つのシリンダ701が設けられる。
図2を参照して、シリンダヘッド702は、吸気ポート9、排気ポート12、吸気バルブ22、排気バルブ24、バルブスプリング26,28、及びバルブスプリング収容空間30,32を備える。このエンジンは4バルブ方式であり、吸気バルブ22及び排気バルブ24はそれぞれ2つずつ設けられる。バルブスプリング26,28はそれぞれ吸気及び排気バルブ22,24のロッド34,36周りに巻かれ、バルブスプリング収容空間30,32内に収容される。吸気側バルブスプリング収容空間30と排気側バルブスプリング収容空間32との間には隔壁37が形成される。図3を参照して、2つの吸気側バルブスプリング収容空間30の間にも隔壁38が形成される。図3と同じであるから図示は省略するが、2つの排気側バルブスプリング収容空間32の間にも隔壁が形成される。本例の隔壁38はどの場所でも同じ厚さになっているが、場所によって厚さが異なっていてもよい。
図2及び図4〜図8を参照して、カムキャリア703は、2本のカムシャフト40,42をそれぞれ回転可能に支持するカム軸受部44,46と、ロッカシャフト48〜51を支持するロッカシャフト支持部52と、油圧シリンダ支持部43,45とを備える。カム軸受部44,46、ロッカシャフト支持部52及び油圧シリンダ支持部43,45は一体的に構成される。図4及び図6を参照して、カム軸受部44,46は、ボアセンタ(シリンダ701の中心)53を通り、カムシャフト40,42に垂直な平面内の直線55上に並んで配置される。
図7及び図8を参照して、カム軸受部44,46はそれぞれ半円形の切り欠き54,56を有し、これらにカムシャフト40,42が横たわる。カムシャフト40,42は、変位量の小さい低速カム39と、変位量の大きい高速カム41とを有する。カムシャフト40,42を挟むように、切り欠き54,56と対称な切り欠き58,60を有するホルダ62,64がボルト66,67でカム軸受部44,46に取り付けられる。これにより、カムシャフト40,42は回転可能に支持される。
図4〜図8を参照して、ロッカシャフト支持部52は、直方体状の中央部68と、板状の端部70,72と、中央部68と端部70,72とを連結する連結部74とを備える。中央部68には、点火プラグ76をシリンダヘッド702に着脱できるように円形の貫通孔78が形成される。ロッカシャフト支持部52には、カムシャフト40,42と平行にロッカシャフト48〜51が取り付けられる。ロッカシャフト48〜51は、4つのバルブ22,24に対応して4つ設けられる。具体的には、ロッカシャフト48,50は中央部68と端部70との間に架け渡される。ロッカシャフト49,51は中央部68と端部72との間に架け渡される。ロッカシャフト48,50はそれぞれロッカシャフト49,51と中央部68内で突き合わされる。中央部68内において、ロッカシャフト48〜51は貫通孔78に沿って円弧状に切り欠かれている。
図2〜図8を参照して、ロッカシャフト48〜51には、低速ロッカアーム80〜83が揺動可能に支持される。低速ロッカアーム80〜83は、4つのバルブ22,24に対応して4つ設けられる。低速ロッカアーム80〜83の先端部は、吸気及び排気バルブ22,24の軸端面(軸の端の面)79を押す。低速ロッカアーム80,81は、吸気側カムシャフト40の低速カム39に応じて揺動し、これにより吸気バルブ22を直接押し下げる。低速ロッカアーム82,83は、排気側カムシャフト42の低速カム39に応じて揺動し、これにより排気バルブ24を直接押し下げる。
ロッカシャフト48〜51にはまた、高速ロッカアーム84〜87が揺動可能に支持される。高速ロッカアーム84〜87もまた、4つのバルブ22,24に対応して4つ設けられる。高速ロッカアーム84〜87はそれぞれ低速ロッカアーム80〜83と隣接される。高速ロッカアーム84,85は、吸気側カムシャフト40の高速カム41に応じて揺動する。高速ロッカアーム84,85は、吸気バルブ22を直接には押し下げない。高速ロッカアーム86,87は、排気側カムシャフト42の高速カム41に応じて揺動する。高速ロッカアーム86,87は、排気バルブ24を直接には押し下げない。
図6及び図7を参照して、低速ロッカアーム80〜83は、高速ロッカアーム84〜87よりもカム軸受部44,46側に配置され、円形の貫通孔88を有する。貫通孔88は、ロッカシャフト48〜51と平行に形成される。貫通孔88内には、円柱状の連結ピン90が摺り動きできるよう挿入される。
図7を参照して、エンジン7にはまた、連結ピン90を貫通孔88内で往復させるアクチュエータ89が設けられる。具体的には図3、図4及び図7を参照して、アクチュエータ89は、円筒状の油圧シリンダ92と、円柱状の油圧ピストン94とを備える。
連結ピン90は、その頭部に円形の鍔96を有する。連結ピン90周りにはスプリング98が巻かれる。連結ピン90は、その尻部から貫通孔88内に摺り動きできるように挿入される。したがって、連結ピン90は、油圧シリンダ支持部43,45側に向かって勢い付けられる。また、連結ピン90の長さは貫通孔88の長さよりも長い。したがって、連結ピン90が貫通孔88に最後まで押し込まれると、連結ピン90の尻部が貫通孔88の反対側から突出する。
油圧シリンダ92は、油圧シリンダ支持部43,45内に設けられる。具体的には、カム軸受部44,46の切り欠き54の下方に円形の貫通孔99が形成される。油圧シリンダ92は貫通孔99内に嵌め込まれ、油圧シリンダ支持部43,45内に固定される。
本例では、油圧シリンダ支持部43,45に油圧シリンダ92用の貫通孔99を開け、その貫通孔99に油圧シリンダ92を嵌め込んでいるが、貫通孔99に何も嵌め込まず、貫通孔99をそのまま油圧シリンダとして使用することもできる。
また、本例では、両側の油圧ピストン94が共通の貫通孔99に嵌め込まれた油圧シリンダ92に挿入されているが、互いに軸心が異なる2つの独立した非貫通孔をそれぞれ油圧シリンダ支持部の両側から開け、それらの非貫通孔に油圧シリンダを挿入するようにしてもよい。この場合、油圧シリンダはカムシャフトと直交する方向に並ぶので、油圧シリンダ支持部の幅をさらに狭くすることができる。
油圧ピストン94は、その頭部に円形の鍔102を有する。油圧ピストン94は、その尻部から油圧シリンダ92内に摺り動きできるように挿入される。油圧ピストン94の頭部(鍔102)は、連結ピン90の頭部(鍔96)と当接する。
このように、油圧シリンダ92及び油圧ピストン94をカム軸受部44,46の下部に配置しているため、バルブスプリング間の狭い小型エンジンであっても、アクチュエータ89をコンパクトに搭載することができる。本例の場合、図3に示すように、油圧シリンダ支持部43は、2つの吸気側バルブスプリング26の間隔よりも広くなっている。すなわち、カムシャフト40の軸方向に沿った油圧シリンダ支持部の厚さD1は、バルブスプリング26の外径の間隔D2よりも厚くなっている。
図6〜図8を参照して、高速ロッカアーム84〜87は、貫通孔88から突出する連結ピン90の尻部と引っかかる引っかかり部104を有する。引っかかり部104は半円形の切り欠きであり、ここに連結ピン90が咬み合わされる。
図2、図7及び図8を参照して、ロッカシャフト支持部52には、カムシャフト40,42と平行にロストモーションスプリングシャフト106が取り付けられる。ロストモーションスプリングシャフト106は、4つのバルブ22,24に対応して4つ設けられる。具体的には、ロストモーションスプリングシャフト106は中央部68と端部70,72との間に架け渡される。ロストモーションスプリングシャフト106周りにはロストモーションスプリング108が巻かれ、高速ロッカアーム84〜87及び連結部74に掛止される。具体的には、高速ロッカアーム84〜87の各々は半円状に切り欠かれた掛止部110を有し、ここにロストモーションスプリング108の一方端が掛止される。連結部74は矩形状に穿孔された掛止部112を有し、ここにロストモーションスプリング108の他方端が掛止される。したがって、高速ロッカアーム84〜87は高速カム41の方向へ勢い付けられる。
図2を参照して、吸気側において、ロストモーションスプリングシャフト106の軸心は、吸気側カムシャフト40の軸心、ロッカシャフト48の軸心及び吸気バルブ22の軸端面79の中心点で結ばれる範囲の外側に配置される。また、排気側において、ロストモーションスプリングシャフト106の軸心は、排気側カムシャフト42の軸心、ロッカシャフト50の軸心及び排気バルブ24の軸端面79の中心点で結ばれる範囲の外側に配置される。
図2及び図4〜図6を参照して、カムキャリア703は、ボルト67,114でシリンダヘッド702に取り付けられる。図5及び図6を参照して、カム軸受部44,46の下面116は、シリンダヘッド702の上面118と接合する。カム軸受部44,46の下面116には、油圧シリンダ92に連通する溝120が形成される。溝120が油路を構成する。図7を参照して、油圧シリンダ92は溝120に連通する開口部122を有する。したがって、油圧ポンプ(図示せず)から送り出された油は、OCV(Oil Control Valve)139(図9)を経由して、溝120から開口部122を通って油圧シリンダ92内に流入する。各溝120はその両側へ油を送り出し、両側の油圧ピストン94を押し出す。すなわち、各溝120はその両側の油圧ピストン94に共用されている。
溝120は下面116側に開口しているので、孔よりも溝120を形成する方が容易である。溝120は、カムキャリア703の下面116の代わりに、シリンダヘッド702の上面118に形成されていてもよい。本例の溝120はまっすぐであるが、屈曲していてもよい。複雑に屈曲していても溝であるから容易に形成することができる。
図2、図5及び図7を参照して、ロッカシャフト支持部52の中央部68及び端部70,72は、カム軸受部44,46の下面116よりも突出した凸部124を有する。ロッカシャフト48〜51は凸部124に取り付けられる。
高速時においては、オイル通路上のOCV139を開くことにより、溝120内の油圧が高くなり、油圧ピストン94が外側へ押し出される。これに応じて連結ピン90が押し動かされ、低速ロッカアーム80〜83の貫通孔88内に押し込まれる。これにより、連結ピン90の尻部が貫通孔88の反対側から飛び出す。高速ロッカアーム84〜87はロストモーションスプリング108により高速カム41の方向に勢い付けられているので、引っかかり部104が貫通孔88から飛び出している連結ピン90と咬み合わさる。よって、低速ロッカアーム80〜83と高速ロッカアーム84〜87とが連結される。変位量の大きい高速カム41に応じて高速ロッカアーム84〜87が大きく揺動されると、低速ロッカアーム80〜83も高速ロッカアーム84〜87と一緒に大きく揺動される。これに応じて低速ロッカアーム80〜83が吸気又は排気バルブ22,24を軸端面79で押し下げ、吸気又は排気バルブ22,24を大きく開く。
一方、低速時においては、オイル通路上のOCV139を閉じることにより、溝120内の油圧が低くなり、連結ピン90はスプリング98の弾性力により油圧シリンダ支持部43,45側へ押し戻される。これにより、油圧ピストン94は油圧シリンダ92内に押し込まれ、連結ピン90の尻部は貫通孔88内に完全に収まる。よって、低速ロッカアーム80〜83と高速ロッカアーム84〜87とが分離される。変位量の小さい低速カム39に応じて低速ロッカアーム80〜83が小さく揺動されると、低速ロッカアーム80〜83が吸気又は排気バルブ22,24を軸端面79で押し下げ、吸気又は排気バルブ22,24を小さく開く。このとき、高速カム41に応じて高速ロッカアーム84〜87は大きく揺動される。しかし、連結ピン90の尻部が貫通孔88から飛び出していないので、高速ロッカアーム84〜87は何も押し下げない(空振りする)。
再び図2を参照して、吸気ポート9内には、吸気圧を検知する吸気圧センサ21が設けられる。この吸気圧センサ21により検知された吸気圧に基づいて、エンジン7に吸入される空気の量が算出されるとともに、カムが実際に低速カム39に切り替えられているのか又は高速カム41に切り替えられているのかが判定される。詳細は後述する。吸気ポート9の吸気圧センサ21よりも上流側には、吸入される空気量を調整するスロットルバルブ(図示せず)が設けられる。吸入空気量はISC(Idle Speed Control)バルブで調整してもよい。
(3)ECUの構成
次に図9を参照して、ECU16は、マイコン161と、ピークホールド回路162とを備える。マイコン161は、切替判定値マップを保存する記憶領域163と、FIマップを保存する記憶領域164と、要求カム状態を保存する記憶領域165と、実カム状態を保存する記憶領域166とを含む。切替判定値マップには、エンジン7の回転速度及びスロットル開度に応じて、あらかじめ定められた切替判定値が登録されている。FIマップには、適切な燃料噴射量、燃料噴射時期及び点火時期が登録されている。要求カム状態は、カムを低速カム39に切り替えるべきか又は高速カム41に切り替えるべきかを示す。実カム状態は、カムが実際に低速カム39に切り替えられているのか又は高速カム41に切り替えられているのかを示す。
マイコン161は、カムセンサ23から出力されるカム信号CAと、クランク角度センサ25から出力されるクランク信号CRと、スロットル開度センサ27から出力されるスロットル信号THと、水温センサ29から出力される水温信号WTと、吸気圧センサ21から出力される吸気圧信号IPとに基づいて、セット信号SETを生成し、カムを低速カム39又は高速カム41に切り替えるようOCV139を制御し、適切な量及び時期で燃料を噴射するようインジェクタ140を制御し、かつ、適切な時期で点火するよう点火プラグ141を制御する。カム信号CAは、本例では、カムセンサ23により検知されたピストンの上死点(圧縮行程と爆発行程との間)を示す。ただし、カム信号CAは排気行程と吸気行程との間の上死点を示すものでもよく、あるいは下死点を示すものでもよく、要するに、行程を判別するためのものであればよい。クランク信号CRは、クランクシャフト(図示せず)の回転角を示す。スロットル信号THは、スロットル開度センサ27により検知されたスロットルの開度を示す。水温信号WTは、水温センサ29により検知されたエンジン7用の冷却水の温度を示す。吸気圧信号IPは、吸気圧センサ21により検知された吸気圧を示す。
ピークホールド回路162は、吸気圧センサ21から出力される吸気圧信号IPの最大値を保持する。ピークホールド回路162は、ハイレベルのセット信号SETに応答してセットされ、ローレベルのセット信号(リセット信号)SETに応答してリセットされる。その結果、ピークホールド回路162は、吸気圧センサ21により検知された吸気圧のうち吸気及び排気行程の間に検知された吸気圧をサンプリングしてマイコン161に提供する。
(4)動作
次に、上記エンジン7、特にECU16の動作を説明する。まず図10を参照して、カムを低速カム39に切り替えるべきか又は高速カム41に切り替えるべきかをマイコン161が判定する動作を説明する。
マイコン161は、クランク角度センサ25からのクランク信号CRに基づいてクランク角を検出し(S1)、エンジン7が始動されているか否かを判定する(S2)。マイコン161は、エンジン7が始動されていない場合は始動されるまで待機し(S2でNO)、始動している場合は以下の処理へ進む(S2でYES)。エンジン7の始動時は、連結ピン90に油圧がかかっていないので、カムは低速カム39になっている。
マイコン161は、水温センサ29からの水温信号WTに基づいて水温を検出し(S3)、水温が所定温度以上か否かを判定する(S4)。マイコン161は、水温が所定温度未満の場合は所定温度になるまで待機し(S4でNO)、所定温度以上の場合は以下の処理へ進む(S4でYES)。上記動弁機構が動作可能か否かを判定するために、本例ではエンジン7用の潤滑油の温度の代わりに冷却水の温度を検知しているが、潤滑油の温度を直接検知してもよい。
マイコン161は、クランク角度センサ25からのクランク信号CRに基づいてエンジン7の回転速度を算出し(S5)、かつ、スロットル開度センサ27からのスロットル信号THに基づいてスロットル開度を検出する(S6)。
マイコン161は記憶領域163の切替判定値マップを参照し、算出されたエンジン7の回転速度及び検出されたスロットル開度に対応する切替判定値を読み込む(S7)。
マイコン161は記憶領域166から実カム状態を読み込む(S8)。エンジン7の始動直後は低速カム39の実カム状態が読み込まれる。
マイコン161は、読み込まれた実カム状態が低速カム39の場合(S9でYES)、読み込まれた切替判定値が所定の高しきい値HTH以上か否かを判定し(S10)、読み込まれた実カム状態が高速カム41の場合(S9でNO)、読み込まれた切替判定値が所定の低しきい値LTH以下か否かを判定する(S11)。高しきい値HTHは低しきい値LTHよりも高く設定され、これによりヒステリシスが設けられる。
実カム状態が低速カム39の場合において、切替判定値が高しきい値HTH以上のとき(S10でYES)、又は実カム状態が高速カム41の場合において、切替判定値が低しきい値LTH以下でないとき(S11でNO)、マイコン161は要求カム状態を高速カム41に設定する(S12)。これは、実カム状態が低速カム39の場合はカムを高速カム41に切り替えるべきことを示し、実カム状態が高速カム41の場合はカムをそのまま高速カム41に維持すべきことを示す。
一方、実カム状態が高速カム41の場合において、切替判定値が低しきい値LTH以下のとき(S11でYES)、又は実カム状態が低速カム39の場合において、切替判定値が高しきい値HTH以上でないとき(S10でNO)、マイコン161は要求カム状態を低速カム39に設定する(S13)。これは、実カム状態が高速カム41の場合はカムを低速カム39に切り替えるべきことを示し、実カム状態が低速カム39の場合はカムをそのまま低速カム39に維持すべきことを示す。ただし、ここではまだカムの切り替えは実行されない。
次に図11及び図12を参照して、カムが実際に低速カム39に切り替えられているのか又は高速カム41に切り替えられているのかをマイコン161が判定する動作を説明する。
マイコン161は、クランク角度センサ25からのクランク信号CRに基づいてクランク角を検出し(S21)、クランク角が開始クランク角SCに達したか否かを判定する(S22)。マイコン161は、クランク角が開始クランク角SCに達していない場合は達するまで待ち(S22でNO)、達している場合は以下の処理へ進む(S22でYES)。
エンジン7は、1サイクル内に、吸気、圧縮、爆発(膨張)、及び排気の4行程を有する。各行程でクランク(シャフト)は180度回転するので、1サイクルでクランクは720度回転する。クランク角度センサ25をたとえば60度ごとに設置した場合、クランク信号CRは各行程で3つのパルスを含む。本例では、開始クランク角SCは排気行程内に設定される。行程を識別するために、クランク信号CRだけでなく、カム信号CRも用いられる。
クランク角が開始クランク角に達した場合(S22でYES)、マイコン161は、セット信号SETをハイレベルにしてピークホールド回路162をセットする(S23)。ピークホールド回路162はセットされると、吸気圧センサ21で検知された吸気圧の最高値を保持する。
マイコン161は、クランク角が終了クランク角ECに達したか否かを判定する(S24)。本例では、終了クランク角ECは吸気行程内に設定される。クランク角が終了クランク角ECに達した場合(S24でYES)、マイコン161は、ピークホールド回路162の出力、つまり最高吸気圧を読み込み(S25)、セット信号SETをローレベルにしてピークホールド回路162をリセットする(S26)。その結果、ピークホールド回路162は、吸気圧センサ21により検知された吸気圧のうち吸気及び排気行程の間に検知された吸気圧をサンプリングしてマイコン161に提供する。
マイコン161は、読み込まれた最高吸気圧が所定値(大気圧よりも少し高い値で、たとえば110〜130KPa)以上か否かを判定する(S27)。最高吸気圧が所定値以上の場合(S27でYES)、マイコン161は、カムが実際に高速カム41に切り替えられていると判定し、実カム状態を高速カム41に設定する(S28)。一方、最高吸気圧が所定値未満の場合(S27でNO)、マイコン161は、カムが実際に低速カム39に切り替えられていると判定し、実カム状態を低速カム39に設定する(S29)。
図12に示されるように、カムが低速カム39に切り替えられている場合、排気バルブ24及び吸気バルブ22のリフト量はともに小さく、互いにオーバーラップしない。すなわち、排気バルブ24が閉じ終わった後に吸気バルブ22が開き始める。一方、カムが高速カム41に切り替えられている場合、排気バルブ24及び吸気バルブ22のリフト量はともに大きく、互いにオーバーラップする。すなわち、排気バルブ24が閉じ終わる前に吸気バルブ22が開き始める。このように、低速時には排気行程と吸気行程との間の上死点で両バルブ22,24が閉じているので、吸気圧が大気圧をほとんど上回らないのに対し、高速時には排気行程と吸気行程との間の上死点で両バルブ22,24が開いているので、混合気が吸気ポート9へ吹き戻され、吸気圧が大気圧を一時的に大きく上回る。たとえば吸気圧は140kPaまで上昇する。その結果、ピークホールド回路162に保持された最高吸気圧が所定値以上になった場合、カムが実際に高速カム41に切り替えられたと判定される。
次に図13を参照して、マイコン161がカムを低速カム39又は高速カム41に切り替える動作を説明する。
マイコン161は、記憶領域166から実カム状態を読み出し(S31)、かつ、記憶領域165から要求カム状態を読み出す(S32)。マイコン161は、読み出された実カム状態が読み出された要求カム状態と一致するか否かを判定する(S33)。
実カム状態が要求カム状態と一致しない場合(S33でNO)、カムがまだ要求通りに切り替えられていないので、マイコン161はカムを切り替えるようOCV139に指令する(S34)。これに応じて、OCV139は、要求カム状態が高速カム41であるにもかかわらず、実カム状態が低速カム39である場合、カムを低速カム39から高速カム41に切り替えるよう連結ピン90にかかる油圧を制御する。
切替失敗タイマがまだセットされていない場合(S35でNO)、マイコン161は切替失敗タイマに所定の制限時間をセットする(S36)。この制限時間は、カムの切替指令を出してから実際に切り替えが完了するまでに要する時間に制限を設けるものである。切替失敗タイマが既にセットされている場合において(S35でYES)、制限時間が既に経過しているとき(S37)、可変動弁機構に故障が生じていることを示すため、マイコン161はアラームを点灯する(S38)。
一方、実カム状態が要求カム状態と一致する場合(S33でYES)、カムは既に要求通りに切り替えられているので、実際のリフト量に適した条件でエンジン7を制御する(S39〜S41)。より具体的には、実カム状態が低速カム39の場合(S39でYES)、マイコン161はFIマップを参照し、低速カム39に適した量及び時期で燃料を噴射するようインジェクタ140を制御し、かつ、低速カム39に適した時期で点火するよう点火プラグ141を制御する(S40)。実カム状態が高速カム41の場合(S39でNO)、マイコン161はFIマップを参照し、高速カム41に適した量及び時期で燃料を噴射するようインジェクタ140を制御し、かつ、高速カム41に適した時期で点火するよう点火プラグ141を制御する(S41)。
図14に示されるように、たとえばカムを低速カム39から高速カム41に切り替える旨の指令が出された場合、実際にカムが切り替えられるのは指令から少し遅れる。しかし、実際の切り替えが指令から制限時間内に完了すれば、カムは実際に切り替えられたと判定され、それに応じてFIマップから好適条件が選択され、その条件でエンジン7が制御される。
一方、図15に示されるように、たとえばカムを低速カム39から高速カム41に切り替える旨の指令が出されたにもかかわらず、指令から制限時間内に実際にカムが切り替えられない場合は、異常と判定される。
以上、本発明の実施の形態によれば、吸気圧センサ21により検知された吸気圧が所定値以上になったとき可変動弁機構がカムを低速カム39から高速カム41に切り替えたと判定し、また、吸気圧センサ21により検知された吸気圧が所定値未満になったとき可変動弁機構がカムを高速カム41から低速カム39に切り替えたと判定するので、カムの実際の切り替えを間接的に検知することができる。
また、ピークホールド回路162が吸気圧センサ21により検知された吸気圧のうち吸気及び排気行程の間に検知された吸気圧をサンプリングしてマイコン161に提供しているので、吸気圧が所定値よりも高くなる可能性がある期間内の吸気圧のみが抽出され、カム切替の判定精度が向上する。
また、カムの切り換えが指令されてから所定の制限時間が経過したにもかかわらず、カムが実際に切り替えられたと判定されないとき、アラームが点灯するので、ユーザは可変動弁機構の故障を直ちに認識することができる。
また、多気筒エンジンの場合、1本の吸気管が複数の吸気ポートに共通に接続されるため、吸気圧が吸気ポート間で相互に干渉する可能性がある。しかし、上記実施の形態におけるエンジン7は単気筒であるので、そのような可能性はない。
上記実施の形態では吸気圧センサ21は吸気ポート9内に設けられているが、吸気管10内に設けられていてもよいなど、吸気バルブ22に通じる吸気経路に設けられていればよい。より具体的には、吸気圧センサ21は、スロットルバルブよりも下流でかつ吸気バルブ22よりも上流に設けられていてもよい。
上記実施の形態における2種類のカム(低速カム39及び高速カム41)の代わりに、1種類のカムを用い、高速時にロッカアームの変移量を大きくするなどにより、リフト量を切り替えるようにしてもよい。また、吸気バルブのみ又は排気バルブのみのリフト量を切り替えるようにしてもよい。さらに、リフト量の切り替えは3段階以上で段階的に行うようにしてもよい。また、「≧」と「>」、「≦」と「<」は、相互に置き換え可能である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
7 エンジン
9 吸気ポート
10 吸気管
21 吸気圧センサ
22 吸気バルブ
23 カムセンサ
24 排気バルブ
25 クランク角度センサ
27 スロットル開度センサ
39 低速カム
41 高速カム
89 アクチュエータ
90 連結ピン
100 自動二輪車
139 OCV
161 マイコン
162 ピークホールド回路
701 シリンダ

Claims (8)

  1. 吸気及び排気バルブの少なくとも一方のリフト量を第1のリフト量又は前記第1のリフト量よりも大きい第2のリフト量に切り替える可変動弁機構と、
    前記吸気バルブに通じる吸気経路に設けられ、吸気圧を検知する吸気圧センサと、
    前記吸気圧センサにより検知された吸気圧が所定値よりも高くなったとき前記可変動弁機構が前記リフト量を前記第1のリフト量から前記第2のリフト量に切り替えたと判定する切替判定手段と備える、エンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンであって、
    前記可変動弁機構は、前記リフト量が前記第2のリフト量であるとき、前記排気バルブを閉じ終わる前に前記吸気バルブを開き始める、エンジン。
  3. 請求項1に記載のエンジンであってさらに、
    前記吸気圧センサにより検知された吸気圧のうち吸気及び排気行程の間に検知された吸気圧をサンプリングして前記切替判定手段に提供するサンプリング手段を備える、エンジン。
  4. 請求項1に記載のエンジンであってさらに、
    前記可変動弁機構に前記リフト量を切り替えるよう指令する切替指令手段と、
    前記切替指令手段により前記リフト量の切り換えが指令されたにもかかわらず、前記切替判定手段により前記リフト量が切り替えられたと判定されないとき、前記可変動弁機構は故障と判断する故障判断手段とを備える、エンジン。
  5. 請求項4に記載のエンジンであってさらに、
    所定の制限時間を設定する時間制限手段を備え、
    前記故障判断手段は、前記切替指令手段により前記リフト量の切り換えが指令されてから前記時間制限手段により設定された制限時間が経過したにもかかわらず、前記切替判定手段により前記リフト量が切り替えられたと判定されないとき、前記可変動弁機構は故障と判断する、エンジン。
  6. 請求項1に記載のエンジンであってさらに、
    単一のシリンダを備える、エンジン。
  7. 請求項1に記載のエンジンであって、
    前記所定値は大気圧よりも高い、エンジン。
  8. 請求項1に記載のエンジンを備えた自動二輪車。
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