JP2010157936A - 歪補償回路及び無線基地局 - Google Patents

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政彦 大西
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Abstract

【課題】屈曲点を有するような複雑な入出力特性を呈する増幅器に関しても、逆モデルを正確に表現することによって高精度の歪補償を実現することが可能な、関数方式の歪補償回路を得る。
【解決手段】DPD処理部2は、HPA6への入力信号とHPA6からの出力信号とに基づいて、HPA6の入出力特性に対する逆モデルを推定する逆モデル推定部25と、逆モデルに基づいて入力信号を補正する入力信号補正部24とを備え、入出力特性には、その特性の変化率が所定値より大きい屈曲点が含まれ、逆モデル推定部25は、屈曲点を境界として別個に規定される複数の逆モデルを求め、入力信号補正部24は、複数の逆モデルに基づいて入力信号を補正する。
【選択図】図5

Description

本発明は、歪補償回路及びそれを備えた無線基地局に関する。
携帯電話等を用いた通信システムが備える無線基地局においては、送信信号を増幅して出力するための高出力増幅器(HPA:High Power Amplifier)が、送信処理部内に実装される。一般的にHPAは、増幅効率を優先するが故に、入出力特性の線形性が低い。つまりHPAにおいては、その入力信号と出力信号との間の入出力特性が、非線形の歪特性を呈する。従って、このような入出力特性を有するHPAを用いて入力信号を増幅すると、その歪に起因して、所望の出力信号が得られない場合がある。そこで、このような歪を補償するための歪補償方式の一つとして、増幅器の入出力特性を表すモデルを推定し、そのモデルとは逆の特性を呈する逆モデルをディジタル信号処理によって生成し、増幅器への入力信号(アナログ信号に変換する前のディジタル信号)に対してその逆モデルを付加することにより、増幅器の入出力特性における歪を補償する手法(いわゆるDPD:Digital Pre-Distortion)が、下記非特許文献1において提案されている。また、下記非特許文献2,3においては、HPAの高効率増幅技術が提案されている。
Lei Ding, "Digital predistortion of Power Amplifiers for Wireless Applications", Georgia Institute of Technology, March 2004. Donald F. Kimball, et al., "High-Efficiency Envelope-Tracking W-CDMA Base-Station Amplifier Using GaN HFETs", IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, Vol.54, NO.11, November 2006. Feipeng Wang, et al., "Design of Wide-Bandwidth Envelope-Tracking Power Amplifiers for OFDM Applications", IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, Vol.53, NO.4, April 2005.
上記の逆モデルは、高次べき級数の多項式の形(べき級数モデル)によって表現することができる。また、べき級数モデルの具現化手法としては、予め準備したLUT(Look Up Table)を用いるLUT方式と、べき級数モデルを定義した関数を用いて演算を行う関数方式とがある。関数方式のDPDは、入力信号に逆モデルを付加する処理の所要時間が短いこと、LUTを記憶する必要がないために記憶部の記憶容量を占有しないこと、及び、メモリ効果の影響を考慮した逆モデルを求める際にも記憶部の記憶容量の占有量がさほど増えないこと、等の点でLUT方式のDPDよりも有利である。ここで、メモリ効果とは、ある時点での入力信号(又は出力信号)の信号値が、その前後の入力信号(又は出力信号)の信号値によって影響を受ける現象である。
関数方式が採用されたDPDにおいて、高精度の歪補償を実現するためには、正確な逆モデルを求める必要がある。しかし、増幅器によっては、その入出力特性が複雑であるために、一つの逆モデルによってはその入出力特性を正確に表現できない場合がある。例えば、高効率の増幅器において、入力信号の電力値が大きくなって所定のレベルを超え始めると、デバイス内の寄生容量や相互コンダクタンスが急激に変化し、その変化点においてAM(振幅)−PM(位相)特性に屈曲点(特性が急激に折れ曲がる点)が生じる。また、ドハティ増幅器は、動作される増幅器の個数が入力信号のレベルに応じて異なり、その動作の切り替え点において、AM−PM特性及びAM−AM特性に屈曲点が生じる。このような屈曲点を有する入出力特性は、べき級数の次数をいくら増やしても、一つの逆モデルによっては正確には表現することができない。
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、屈曲点を有するような複雑な入出力特性を呈する増幅器に関しても、逆モデルを正確に表現することによって高精度の歪補償を実現することが可能な、関数方式の歪補償回路、及びそれを備えた無線基地局を得ることを目的とするものである。
本発明の第1の態様に係る歪補償回路は、増幅器への入力信号と前記増幅器からの出力信号とに基づいて、前記増幅器の入出力特性に対する逆モデルを推定する推定部と、前記逆モデルに基づいて前記入力信号を補正する歪補償部とを備え、前記入出力特性には屈曲点が含まれ、前記推定部は、前記屈曲点を境界として別個に規定される複数の逆モデルを求め、前記歪補償部は、前記複数の逆モデルに基づいて前記入力信号を補正することを特徴とするものである。
第1の態様に係る歪補償回路によれば、推定部は、入出力特性の屈曲点を境界として別個に規定される複数の逆モデルを求める。また、歪補償部は、複数の逆モデルに基づいて、増幅器への入力信号を補正する。従って、屈曲点を有し、一つの逆モデルによっては正確には表現できない複雑な入出力特性を呈する増幅器に関しても、屈曲点を境界とする複数の逆モデルを用いることによって、全体として逆モデルを正確に表現することができる。その結果、高精度の歪補償を実現することが可能となる。
本発明の第2の態様に係る歪補償回路は、第1の態様に係る歪補償回路において特に、前記屈曲点を探索する探索部をさらに備えることを特徴とするものである。
第2の態様に係る歪補償回路によれば、温度等の増幅器の動作環境によって屈曲点の位置(及び個数)が変動する場合であっても、各動作環境に応じた屈曲点を、探索部によって探索することができる。従って、推定部は、探索部によって探索された屈曲点の位置(及び個数)に応じて、複数の逆モデルを適切に求めることが可能となる。
本発明の第3の態様に係る歪補償回路は、第1又は第2の態様に係る歪補償回路において特に、前記増幅器の温度を検出する検出部と、前記増幅器の温度と前記屈曲点の位置との対応関係が記憶された記憶部とをさらに備えることを特徴とするものである。
第3の態様に係る歪補償回路によれば、増幅器の温度によって屈曲点の位置(及び個数)が変動する場合であっても、推定部は、各温度に応じた屈曲点の位置(及び個数)を、記憶部に記憶されている対応関係に基づいて求めることができる。従って、推定部は、その対応関係から求めた屈曲点の位置(及び個数)に応じて、複数の逆モデルを適切に求めることが可能となる。
本発明の第4の態様に係る歪補償回路は、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る歪補償回路において特に、前記歪補償部は、ある時点での前記入力信号の信号値と当該信号値の前後の信号値とを含む複数の信号値に基づいて、その時点に関する信号値を求めることにより、メモリ効果の影響を考慮した前記入力信号の補正を行い、ある時点での前記入力信号の信号値が前記屈曲点に近接する場合には、前記歪補償部は、当該信号値と、前記屈曲点の一方側の領域に属する信号値と、前記屈曲点の他方側の領域に属する信号値とを含む前記複数の信号値に基づいて、その時点に関する信号値を求めることを特徴とするものである。
第4の態様に係る歪補償回路によれば、ある時点での入力信号の信号値が屈曲点に近接する場合には、歪補償部は、その信号値と、屈曲点の一方側の領域に属する信号値と、屈曲点の他方側の領域に属する信号値とを含む複数の信号値に基づいて、その時点に関する信号値を求める。このように、複数の信号値が屈曲点を跨ぐ場合には、屈曲点の一方側及び他方側のいずれかの領域のみに属する信号値ではなく、双方の領域に属する複数の信号値を用いることにより、メモリ効果の影響を考慮した歪補償を行うことが可能となる。
本発明の第5の態様に係る無線基地局は、増幅器と、第1〜第4のいずれか一つの態様に係る歪補償回路とを備えることを特徴とするものである。
第5の態様に係る無線基地局によれば、増幅器の入出力特性の歪が歪補償回路によって適切に補償されることにより、所望の送信信号を無線基地局から送信することが可能となる。
本発明によれば、屈曲点を有するような複雑な入出力特性を呈する増幅器に関しても、逆モデルを正確に表現することができるため、高精度の歪補償を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
図1は、本発明の実施の形態に係る無線基地局1の構成の一部を示すブロック図である。図1の接続関係で示すように、無線基地局1は、DPD(Digital Pre-Distortion)処理部2、DAC(Digital-to-Analog Converter)3、LPF(Low Pass Filter)4、周波数変換部5、HPA(High Power Amplifier)6、カプラ7、アンテナ8、周波数変換部9、LPF10、及びADC(Analog-to-Digital Converter)11を備えて構成されている。
DPD処理部2は、ディジタル信号である入力信号S1を補正することにより、信号S2を出力する。DPD処理部2による補正の内容については後述する。DAC3は、ディジタル信号である信号S2をアナログ信号である信号S3に変換して出力する。LPF4は、信号S3に対してローパスフィルタ処理を施して、信号S4を出力する。周波数変換部5は、ベースバンドの信号S4を高周波の信号S5に周波数変換して出力する。HPA6は、信号S5を増幅することにより、信号S6を出力する。信号S6は、アンテナ8から送信される。
HPA6からアンテナ8に向かう信号S6の一部は、カプラ7によって信号S7として取り出される。周波数変換部9は、高周波の信号S7をベースバンドの信号S8に周波数変換して出力する。LPF10は、信号S8に対してローパスフィルタ処理を施して、信号S9を出力する。ADC11は、アナログ信号である信号S9をディジタル信号である信号S10に変換して出力する。信号S10はDPD処理部2に入力される。
例えば、HPA6は、キャリア増幅用及びピーク増幅用の複数の増幅器を有するドハティ増幅器である。ドハティ増幅器は、動作される増幅器の個数が入力信号(信号S5)の信号レベルに応じて異なり、その動作の切り替え点において、AM−AM特性及びAM−PM特性に屈曲点が生じる。ここで、屈曲点とは、特性が急激に折れ曲がる点を意味し、より具体的には、特性の変化率が所定値より大きい点を意味する。図2は、ドハティ増幅器のAM−AM特性K1の一例を示す図であり、図3は、ドハティ増幅器のAM−PM特性K2の一例を示す図である。図2に示した特性K1には、1個の屈曲点P1が生じている。また、図3に示した特性K2には、2個の屈曲点P2A,P2Bが生じている。屈曲点P1,P2A,P2Bの位置(つまり横軸の入力信号の信号レベル)は、ドハティ増幅器の構成によって定まる。但し、温度等のドハティ増幅器の動作環境によって、屈曲点の位置や個数は変動する。
また例えば、HPA6は、高効率の増幅器である。高効率の増幅器は、入力信号(信号S5)の信号レベル(例えば電力値)が大きくなって所定のレベルを超え始めると、デバイス内の寄生容量や相互コンダクタンスが急激に変化し、その変化点においてAM−PM特性に屈曲点が生じる。図4は、高効率の増幅器のAM−PM特性K3の一例を示す図である。図4に示した特性K3には、1個の屈曲点P3が生じている。上記と同様に、屈曲点P3の位置は、増幅器の構成によって定まる。また、温度等の増幅器の動作環境によって、屈曲点の位置や個数は変動する。
図5は、DPD処理部2の第1の構成例を示すブロック図である。図5の接続関係で示すように、DPD処理部2は、レベル検出部21、レベル判定部22、係数記憶部23、入力信号補正部(歪補償部)24、逆モデル推定部25、データ分類部26、及び屈曲点記憶部27を備えて構成されている。
屈曲点記憶部27には、増幅器の構成によって定まる屈曲点の位置(例えば図2〜4に示した屈曲点P1,P2A,P2B,P3の位置)に関するデータS21が予め記憶されている。データS21は、屈曲点記憶部27からデータ分類部26に入力される。また、データ分類部26には、HPA6の入力信号(具体的には信号S2)が入力信号補正部24から入力されるとともに、HPA6の出力信号(具体的には信号S10)がADC11から入力される。
データ分類部26は、データS21で与えられる屈曲点の位置を境界として、信号S2,S10を分類する。例えば図2を参照して、データ分類部26は、信号S2,S10を、屈曲点P1未満の領域R1Aに対応する信号と、屈曲点P1以上の領域R1Bに対応する信号とに分類する。また例えば図3を参照して、データ分類部26は、信号S2,S10を、屈曲点P2A未満の領域R2Aに対応する信号と、屈曲点P2A以上かつ屈曲点P2B未満の領域R2Bに対応する信号と、屈曲点P2B以上の領域R2Cに対応する信号とに分類する。また例えば図4を参照して、データ分類部26は、信号S2,S10を、屈曲点P3未満の領域R3Aに対応する信号と、屈曲点P3以上の領域R3Bに対応する信号とに分類する。信号の分類に関するデータS22は、データ分類部26から逆モデル推定部25に入力される。また、逆モデル推定部25には、信号S2,S10も入力される。
逆モデル推定部25は、逆モデルをn次べき級数(nは自然数)の多項式の形で表現するための各次の係数(つまり逆モデルの係数セット)を、屈曲点によって分割された各領域ごとに演算によって求める。ここで、逆モデルとは、入出力特性における非線形の歪を補償するための、入出力特性の歪特性とは逆の特性を呈するモデルである。例えば図2を参照して、特性K1を表すモデルは屈曲点P1を境界として2つの部分モデルK1A,K1Bに分割される。この場合、逆モデル推定部25は、部分モデルK1Aに対する逆モデルと、部分モデルK1Bに対する逆モデルとを推定する。また例えば図3を参照して、特性K2を表すモデルは屈曲点P2A,P2Bを境界として3つの部分モデルK2A,K2B,K2Cに分割される。この場合、逆モデル推定部25は、部分モデルK2Aに対する逆モデルと、部分モデルK2Bに対する逆モデルと、部分モデルK2Cに対する逆モデルとを推定する。また例えば図4を参照して、特性K3を表すモデルは屈曲点P3を境界として2つの部分モデルK3A,K3Bに分割される。この場合、逆モデル推定部25は、部分モデルK3Aに対する逆モデルと、部分モデルK3Bに対する逆モデルとを推定する。
上記の通り各特性K1〜K3が屈曲点を境界として複数の部分モデルに分割されることにより、各部分モデル内には屈曲点は存在しない。従って、各部分モデルの逆モデルはn次べき級数の多項式の形で表現することが可能である。各部分モデルに対応する逆モデルの係数セットに関するデータS23は、逆モデル推定部25から係数記憶部23に入力される。これにより、係数記憶部23内には、複数の逆モデルに関する複数の係数セットが記憶される。
ところで、入力信号S1は、入力信号補正部24に入力されるとともに、レベル検出部21にも入力される。レベル検出部21は、入力信号S1の信号レベル(例えば電力値)を検出する。検出された信号レベルに関するデータS24は、レベル検出部21からレベル判定部22に入力される。
また、レベル判定部22には、屈曲点記憶部27からデータS21が入力される。レベル判定部22は、データS24で与えられる入力信号S1の信号レベルと、データS21で与えられる屈曲点の信号レベルとを比較することにより、各時点での入力信号S1がいずれの逆モデルに対応しているかを判定する。例えば図2を参照して、入力信号S1の信号レベルが屈曲点P1の信号レベル未満である場合には、レベル判定部22は、その時点での入力信号S1は部分モデルK1Aの逆モデルに対応していると判定し、一方、入力信号S1の信号レベルが屈曲点P1の信号レベル以上である場合には、レベル判定部22は、その時点での入力信号S1は部分モデルK1Bの逆モデルに対応していると判定する。その判定の結果に関するデータS25は、レベル判定部22から係数記憶部23に入力される。
係数記憶部23は、記憶している複数の係数セットの中から、その時点での入力信号S1に対応する逆モデルの係数セットをデータS25に基づいて選択して、その選択した係数セットをデータS26として入力信号補正部24に入力する。
入力信号補正部24は、データS26で与えられる係数セットの逆モデルを、入力信号S1に付加することにより、その逆モデルに基づいて入力信号S1を補正する。これにより、入力信号S1に対して適切な歪補償がなされた信号S2が、入力信号補正部24から出力される。例えば図2を参照して、入力信号S1の信号レベルが屈曲点P1の信号レベル未満である場合には、入力信号補正部24は、部分モデルK1Aに対応する逆モデルに基づいて入力信号S1を補正し、一方、入力信号S1の信号レベルが屈曲点P1の信号レベル以上である場合には、入力信号補正部24は、部分モデルK1Bに対応する逆モデルに基づいて入力信号S1を補正する。
ここで、入力信号補正部24は、ある時点での入力信号S1の信号値とその信号値の前後の信号値とを含む複数の信号値に基づいて、その時点に関する信号値を求めることにより、メモリ効果の影響を考慮した入力信号S1の補正を行うことが可能である。ここで、メモリ効果とは、ある時点での入力信号(又は出力信号)の信号値が、その前後の入力信号(又は出力信号)の信号値によって影響を受ける現象である。
図6は、時系列で連続する複数の入力信号S1の信号値D1〜D10を示す図である。図6に示した例では、信号値D1,D2,D7,D8は、屈曲点P1の信号レベル未満の領域R1Aに属しており、信号値D4〜D6,D9,D10は、屈曲点P1の信号レベル以上の領域R1Bに属しており、信号値D3は屈曲点P1の信号レベルに一致している。以下では、例えば3個の信号値(注目信号値とその前後の各1個の信号値)を用いることによって、メモリ効果の影響を考慮した補正を行う場合について説明する。
この場合、注目信号値が例えば信号値D5であるときは、いずれも領域R1Bに属する信号値D4〜D6が、入力信号補正部24が有するレジスタ50内に記憶される。そして、信号値D4〜D6に基づく所定の演算によって算出された値が、その時点での注目信号値とされる。例えば、信号値D5と信号値D4との差分絶対値に所定の係数を乗じた値と、信号値D5と信号値D6との差分絶対値に所定の係数を乗した値とを、信号値D5に加算することによって得られる値が、その時点での注目信号値とされる。
また、3個の信号値が屈曲点P1の信号レベルを跨ぐ場合であっても、上記と同様の処理がなされる。例えば、注目信号値が信号値D8であるときは、領域R1Aに属する信号値D7,D8と、領域R1Bに属する信号値D9とが、レジスタ50内に記憶される。そして、信号値D7〜D9に基づく所定の演算によって算出された値が、その時点での注目信号値とされる。例えば、信号値D8と信号値D7との差分絶対値に所定の係数を乗じた値と、信号値D8と信号値D9との差分絶対値に所定の係数を乗した値とを、信号値D8に加算することによって得られる値が、その時点での注目信号値とされる。
図7は、DPD処理部2の第2の構成例を示すブロック図である。図5に示した屈曲点記憶部27の代わりに(又は屈曲点記憶部27に加えて)、屈曲点探索部30及び屈曲点保存部31が実装されている。屈曲点探索部30には、信号S2,S10が入力される。屈曲点探索部30は、信号S2,S10に基づいて作成した入出力特性をトレースし、各位置での微分値(つまり特性の変化率)を求めることにより、微分値が所定値より大きくなる点を、屈曲点として決定する。事前の実験又はシミュレーションによって所定値を適切に設定することによって、屈曲点探索部30は、図2〜4に示した特性K1〜K3における屈曲点P1,P2A,P2B,P3を探索することができる。屈曲点探索部30によって探索された屈曲点の位置(及び個数)に関する情報は、データS30としてデータ分類部26に入力されるとともに、屈曲点保存部31内に保存される。データ分類部26は、データS30に基づいて、上記と同様に信号S2,S10の分類を行う。また、レベル判定部22は、屈曲点保存部31から読み出したデータS30に基づいて、上記と同様に各時点での入力信号S1がいずれの逆モデルに対応しているかを判定する。その他の動作は図5と同様である。
図8は、DPD処理部2の第3の構成例を示すブロック図である。図5に示した屈曲点記憶部27の代わりに(又は屈曲点記憶部27に加えて)、温度センサ40、テーブル記憶部41、及び屈曲点保存部42が実装されている。温度センサ40は、HPA6の温度を検出する。検出された温度に関するデータS40は、温度センサ40からテーブル記憶部41に入力される。
テーブル記憶部41には、HPA6の温度と屈曲点の位置(及び個数)との対応関係に関するデータテーブルが記憶されている。このデータテーブルは、事前の実験又はシミュレーションによって作成することができる。また、このデータテーブルは、動作状況に応じて更新することもできる。例えば、実稼働されている無線基地局1を対象として、温度センサ40によってHPA6の温度を検出しながら、例えば上記の屈曲点探索部30によって屈曲点の位置(及び個数)を探索する。そして、HPA6の温度と屈曲点の位置(及び個数)とを関連付けて蓄積し、それを統計処理することによって、データテーブルを更新することができる。
テーブル記憶部41は、記憶しているデータテーブルを参照することにより、温度センサ40から入力されたデータS40で与えられる温度に対応する屈曲点の位置(及び個数)に関するデータS41を出力する。データS41は、データ分類部26に入力されるとともに、屈曲点保存部42内に保存される。データ分類部26は、データS41に基づいて、上記と同様に信号S2,S10の分類を行う。また、レベル判定部22は、屈曲点保存部42から読み出したデータS41に基づいて、上記と同様に各時点での入力信号S1がいずれの逆モデルに対応しているかを判定する。その他の動作は図5と同様である。なお、図8に示した第3の構成例は、図7に示した第2の構成例と組み合わせて適用することも可能である。
このように本実施の形態に係るDPD処理部2(歪補償回路)によれば、逆モデル推定部25は、HPA6の入出力特性の屈曲点を境界として別個に規定される複数の逆モデルを求める。また、入力信号補正部24は、複数の逆モデルに基づいて、HPA6への入力信号S1を補正する。従って、屈曲点を有し、一つの逆モデルによっては正確には表現できない複雑な入出力特性を呈するHPA6に関しても、屈曲点を境界とする複数の逆モデルを用いることによって、全体として逆モデルを正確に表現することができる。その結果、高精度の歪補償を実現することが可能となる。
また、図7に示したDPD処理部2によれば、温度等のHPA6の動作環境によって屈曲点の位置(及び個数)が変動する場合であっても、各動作環境に応じた屈曲点を、屈曲点探索部30によって探索することができる。従って、逆モデル推定部25は、屈曲点探索部30によって探索された屈曲点の位置(及び個数)に応じて、複数の逆モデルを適切に求めることが可能となる。
また、図8に示したDPD処理部2によれば、HPA6の温度によって屈曲点の位置(及び個数)が変動する場合であっても、逆モデル推定部25は、各温度に応じた屈曲点の位置(及び個数)を、テーブル記憶部41に記憶されているデータテーブルに基づいて求めることができる。従って、逆モデル推定部25は、そのデータテーブルから求めた屈曲点の位置(及び個数)に応じて、複数の逆モデルを適切に求めることが可能となる。
また、図6に示したように本実施の形態に係るDPD処理部2によれば、ある時点での入力信号の信号値が屈曲点の信号レベルに近接する場合には、入力信号補正部24は、その信号値と、屈曲点の一方側の領域に属する信号値と、屈曲点の他方側の領域に属する信号値とを含む複数の信号値に基づいて、その時点に関する注目信号値を求める。このように、複数の信号値が屈曲点を跨ぐ場合には、屈曲点の一方側及び他方側のいずれかの領域のみに属する信号値ではなく、双方の領域に属する複数の信号値を用いることにより、メモリ効果の影響を考慮した歪補償を行うことが可能となる。
また、本実施の形態に係る無線基地局1によれば、HPA6の入出力特性の歪がDPD処理部2によって適切に補償されることにより、所望の送信信号を無線基地局1から送信することが可能となる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る無線基地局の構成の一部を示すブロック図である。 ドハティ増幅器のAM−AM特性の一例を示す図である。 ドハティ増幅器のAM−PM特性の一例を示す図である。 高効率の増幅器のAM−PM特性の一例を示す図である。 DPD処理部の第1の構成例を示すブロック図である。 時系列で連続する複数の入力信号の信号値を示す図である。 DPD処理部の第2の構成例を示すブロック図である。 DPD処理部の第3の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 無線基地局
2 DPD処理部
6 HPA
21 レベル検出部
22 レベル判定部
23 係数記憶部
24 入力信号補正部
25 逆モデル推定部
26 データ分類部
30 屈曲点探索部
31 屈曲点保存部
40 温度センサ
41 テーブル記憶部
50 レジスタ
K1〜K3 入出力特性
K1A,K1B,K2A〜K2C,K3A,K3B 部分モデル
P1,P2A,P2B,P3 屈曲点
D1〜D10 信号値

Claims (5)

  1. 増幅器への入力信号と前記増幅器からの出力信号とに基づいて、前記増幅器の入出力特性に対する逆モデルを推定する推定部と、
    前記逆モデルに基づいて前記入力信号を補正する歪補償部と
    を備え、
    前記入出力特性には屈曲点が含まれ、
    前記推定部は、前記屈曲点を境界として別個に規定される複数の逆モデルを求め、
    前記歪補償部は、前記複数の逆モデルに基づいて前記入力信号を補正する、歪補償回路。
  2. 前記屈曲点を探索する探索部をさらに備える、請求項1に記載の歪補償回路。
  3. 前記増幅器の温度を検出する検出部と、
    前記増幅器の温度と前記屈曲点の位置との対応関係が記憶された記憶部と
    をさらに備える、請求項1又は2に記載の歪補償回路。
  4. 前記歪補償部は、ある時点での前記入力信号の信号値と当該信号値の前後の信号値とを含む複数の信号値に基づいて、その時点に関する信号値を求めることにより、メモリ効果の影響を考慮した前記入力信号の補正を行い、
    ある時点での前記入力信号の信号値が前記屈曲点に近接する場合には、前記歪補償部は、当該信号値と、前記屈曲点の一方側の領域に属する信号値と、前記屈曲点の他方側の領域に属する信号値とを含む前記複数の信号値に基づいて、その時点に関する信号値を求める、請求項1〜3のいずれか一つに記載の歪補償回路。
  5. 増幅器と、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載の歪補償回路と
    を備える、無線基地局。
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