JP2010151910A - 楕円偏光板、およびそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

楕円偏光板、およびそれを用いた画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】サングラス越しに表示面を見た場合等偏光作用のある光学部材を通して観察した場合でも、表示画像が見え難くなる程度を低減できる楕円偏光板と、それを用いた画像表示装置を提供する。
【解決手段】ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層と、脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子と、偏光素子と、透光性保護フィルムとが、この順に積層されている楕円偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、楕円偏光板と該楕円偏光板を配置した携帯電話、携帯情報機器、カメラ、カーナビ等の液晶モニターに用いられる液晶表示パネル、液晶モニターを備えた液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス素子、タッチパネル等の各種画像表示装置に関する。
液晶表示装置は、自らは発光しないため、バックライトにより背面から照明する透過型、あるいは入射光を反射させる反射型のいずれの場合にも、入射光を効果的に透過あるいは反射するように種々の改良がなされている。透過型、反射型のいずれでも、十分なコントラストを得て、良好な表示品位を達成するために、表示モードとしては、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーツイステッドネマティック)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード,IPS(In-Plane Switching)モード,VA(Vertical Alignment)モード,OCB(Optically Compensated Birefringence)モードがあり、偏光板が用いられている。
また、自発光タイプであるエレクトロルミネッセンス素子や抵抗感圧式タッチパネルでは、外光反射防止として最表面側から順に偏光板とλ/4位相差板を配置することが知られている(特許文献1および2)。
このように最表面に偏光板を利用した画像表示装置においては、表示側の偏光板から出射する表示光は全て直線偏光である。一方、サングラス等の光学部材には偏光機能を有するものが多く、従って、例えばサングラス越しに表示光を見た場合、状態によっては表示画像が暗くなり、見えなくなる場合もある。つまり、表示光の偏光軸とサングラスの吸収軸が一致する角度で見た場合である。
この表示画像が偏光軸の方向に起因して見え難くなる程度を低減できるようにするために、表示側偏光板の外側に、λ/4位相差板を配置して、直線偏光を円偏光または楕円偏光として出射させる方法が提案されている(特許文献3)。
λ/4位相差板としてはポリカーボネート等を一軸延伸配向させた高分子フィルムを用いるものがほとんどであり、長尺フィルム形態におけるそれらの配向軸は通常延伸方向すなわちMD方向に限られている。一方、偏光板もポリビニルアルコール等の一軸延伸フィルムを使用しているため、長尺フィルム形態における吸収軸は通常MD方向に限られている。従って、偏光板と位相差フィルムを長尺フィルム形態から連続的に貼り合わせて楕円偏光板を製造しようとすると、偏光板の吸収軸と位相差フィルムの配向軸が平行の特殊な場合に限られていた。平行以外の軸配置にするためには、どちらかの長尺フィルムをシート状に切り出して貼り合わせる必要があり、工程が煩雑で生産性が悪いという問題もあった。さらに、延伸配向させた位相差フィルムでは、高分子の配向を自在にコントロールすることが困難であり光学特性の自由度に制限があった。以上のように、偏光板の吸収軸と位相差フィルムの配向軸が様々な軸配置を有し光学性能に優れた楕円偏光板への要求に対して、十分に対応することができなかった。
この問題を解消するために、例えば、液晶性高分子を配向固定化させた光学異方素子が提案されている(特許文献4および5)。更に、ツイステッドネマチック配向構造を固定化した液晶フィルムからなる1/4波長板が提案されている(特許文献6および7)。
このような液晶性高分子を用いた場合、配向軸角度が任意に設定できるため、長尺フィルム形態から連続的に貼り合わせて種々の楕円偏光板が製造可能である他、延伸フィルムよりも厚みを大幅に低減できるという利点があった。
しかし、表示面側偏光板には、一般にハードコート層や反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等が施されるが、液晶層に直接、所望の特性を有する前記各層を形成させるのは困難であった。
特開平9−127885号公報 特開2005−352068号公報 特開平4−57017号公報 特開平6−242317号公報 特開平2002−48917号公報 特開平2004−309904号公報
本発明の目的は、偏光板を利用した画像表示装置の表示画像をサングラス等の偏光作用のある光学部材を通して観察した場合でも、表示画像が見え難くなる程度を低減できる楕円偏光板を提供し、それを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層と、脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子と、偏光素子と、透光性保護フィルムとが、この順に積層されている楕円偏光板。
[2] 該光学異方素子がλ/4位相差板であり、偏光素子の吸収軸と光学異方素子の遅相軸が45°になるように積層されていることを特徴とする前記[1]に記載の楕円偏光板。
[3] 透光性保護フィルムと該偏光素子との間に、液晶層からなる光学異方素子が積層されていることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の楕円偏光板。
[4] 透光性保護フィルムが、セルロース系ポリマーおよび/または脂環式構造を有する重合体であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずかに記載の楕円偏光板。
[5] 前記楕円偏光板の厚みが150μm以下であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずかに記載の楕円偏光板。
[6] 前記[1]〜[5]のいずかに記載の楕円偏光板に、さらに少なくとも1つの光学フィルムが積層されていることを特徴とする楕円偏光板。
[7] 表示面側に、前記[1]〜[6]のいずかに記載の楕円偏光板を配置した画像表示装置。
[8] 液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス素子またはタッチパネルであることを特徴とする前記[7]に記載の画像表示装置。
上記構成によれば、出射される表示光が円偏光または楕円偏光となるため、サングラス越しに表示面を見た場合であっても、表示画像が偏光軸の方向に起因して見え難くなる程度を低減できる。また、大幅に薄型化が可能であり、長尺フィルム形態で貼合することができるために、従来法より貼合工程が合理化できる利点がある。
以下、本発明について説明する。
本発明の楕円偏光板の層構成は、(I)ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層/脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子/偏光素子/透光性保護フィルム、からなる。
また、偏光素子に対し光学異方素子がある側とは反対側にも、光学異方素子が、透光性保護フィルムと偏光素子の間に積層されたような例えば、(II)ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層/脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子/偏光素子/液晶層からなる光学異方素子/透光性保護フィルム、からなる層構成のものでもよい。
なお、各層間は必要により粘着剤または接着剤を介して積層されていてもよい。
また、透光性保護フィルムは、必要に応じてハードコート層や反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等のオーバーコート層等が設けられていてもよい。
以下、本発明に用いられる構成部材について順に説明する。
まず、本発明に用いられるハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂について説明する。
本発明に使用される紫外線硬化型アクリル樹脂は、アクリロイル基を有する化合物および/またはメタクリロイル基を有する化合物(以下、両者を総称して(メタ)アクリレートという)を主成分とし、必要により紫外線カット性を付与する紫外線吸収剤と必要により添加されるハードコート性を付与する化合物からなる組成物である。
(メタ)アクリレートとしては、各種の単官能および多官能の(メタ)アクリレートや(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、等を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、官能基数が2、3、4、5、6等のものが挙げられ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート。1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、前記樹脂中の多官能(メタ)アクリレート量を調節することにより、所望のハードコート性を付与することもできる。
(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは混合物であってもよい。また、(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマー、例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、スチレン等を併用してもよい。また、(メタ)アクリレートモノマーは、親水性・親油性バランスをとる目的で、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドで変性させたものを用いることもできる。
前記の紫外線吸収剤としては、無機化合物からなる微粒子状の金属酸化物が好ましい。微粒子状金属酸化物とは、平均一次粒子径が1〜100nmの範囲にあり紫外線防御効果を有するものを指し、例えば微粒子状の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄等が挙げられる。これらの微粒子状金属酸化物の1種以上、好ましくは2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。例えば酸化チタンと酸化亜鉛を組み合わせることが好ましい。微粒子状金属酸化物の粒度分布は特にシャープである必要はなく、シャープであってもブロードであっても構わない。また、微粒子状金属酸化物の形状としては、球状、針状、棒状、紡錘状、不定形状、板状など特に限定されず、さらに結晶形についてもアモルファス、ルチル型、アナターゼ型など特に限定されない。
さらに、これらの微粒子状金属酸化物は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などによって事前に表面処理されていることが好ましく、特にシリコーン、シラン、フッ素化合物、アミノ酸系化合物、金属石鹸から選ばれる一種以上の表面処理剤により撥水化処理されていることが好ましい。
シリコーン処理の例としては、メチルヒドロゲンポリシロキサンの被覆・加熱処理が挙げられ、シランとしてはアルキルシラン処理が挙げられ、フッ素化合物としてはペルフルオロアルキルリン酸エステル、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロアルキルシリコーン、ペルフルオロアルキル・ポリエーテル共変性シリコーン、ペルフルオロアルキルシランなどが挙げられ、アミノ酸系化合物としては、N−ラウロイル−L−リジンなどが挙げられ、さらに金属石鹸としてはステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
さらに、本発明で用いる微粒子状金属酸化物は、光触媒活性を抑制するために、粒子表面にシリカ、アルミナから選ばれる金属酸化物層が設けてあることが好ましく、特に好ましくは微粒子状金属酸化物をシリカ、アルミナで被覆した後、上記撥水化表面処理が行われていることが好ましい。また、特開2001−191873号公報、特開2005−272267号公報、特開2005−272270号公報等の各公報記載の方法を用いて、光触媒活性を抑制することもできる。
微粒子状金属酸化物の市販品としては、例えば、微粒子状酸化亜鉛としては、“FINEX−25”、“FINEX−50”、“FINEX−75”(堺化学工業(株))、“MZ500”シリーズ、“MZ700”シリーズ(テイカ(株))“ZnO−350”(住友大阪セメント(株))等が挙げられる。微粒子状酸化チタンとしては、“TTO−55、51、S、M、D”シリーズ(石原産業(株))、“JR”シリーズ、“JA”シリーズ(テイカ(株))等が挙げられる。また、微粒子状酸化セリウムとしては、(株)ニッキ又はセイミケミカル(株)から販売されている高純度酸化セリウムが挙げられる。
その他無機物、有機物を問わず、種々の表面処理剤で表面処理したものも好ましく使用できる。無機の表面処理剤としては、酸化ジルコニウム及び酸化亜鉛等が好ましい。有機物では、シロキサン、ステアリン酸、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
表面処理剤の使用量は、被処理物に対して3〜45質量%が好ましく、より好ましくは5〜35質量%である。処理剤の使用量は多いほうが、分散性などは改良されるが、金属酸化物の量が相対的に低下して紫外線の吸収が小さくなり、所期の目的である紫外線カットの効果が損なわれることがあるため、上記2つの性能が両立できるように適切に選択することが好ましい。
紫外線吸収剤は目的に応じて塗工量を選択できるが、上記金属酸化物が0.01〜20g/mとなるように使用するのが好ましい。使用量が多いと紫外線の吸収は大きくなり、該上限値以下であれば透明性の低下が抑制できる。より好ましい量は0.02〜10g/m2、さらに好ましくは0.05〜2g/mである。紫外線硬化型アクリル樹脂への添加量としては、0.1〜80質量%、より好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは、10〜30質量%である。
なお、紫外線吸収剤としてオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物等の有機化合物も知られているが、耐ブリード性から好ましくない。
ハードコート性は前述のように多官能(メタ)アクリレート量を調節することにより付与することができるが、ハードコート性を付与する無機微粒子等の添加が好ましい。無機微粒子の例には、二酸化ケイ素粒子、二酸チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク、カオリンおよび硫酸カルシウム粒子が含まれる。中でも二酸化ケイ素粒子(コロイド状シリカ)が特に好ましい。
無機微粒子の平均粒子径は1〜2000nmであることが好ましく、2〜1000nmであることがより好ましく、5〜500nmであることがさらに好ましく、10〜200nmであることが最も好ましい。
前記の二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、「アエロジル」R972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。
無機微粒子は、分散性を考慮してシランカップリング剤で表面処理しておくのが好ましい。シランカップリング剤は、バインダーポリマーとなる(メタ)アクリレートと化学的に結合できる官能基を有するものが好ましく、例えば、エチレン性不飽和基を重合性基および架橋性基として有するシランカップリング剤が好ましい。
無機微粒子の添加量は、前記の多官能(メタ)アクリレート量や紫外線吸収剤の種類や添加量に合わせて調整することが可能であり、一概に決定できないが、好ましくは紫外線硬化型アクリル樹脂全量中の10質量%〜70質量%である。この範囲外ではハードコート性が不足したり、塗布性が悪化したりして好ましくない。
また、前記樹脂には必要に応じてその他の公知の(メタ)アクリレートオリゴマーや各種添加剤、例えば、光重合開始剤、表面改質剤、粘度調整剤、粘着性付与剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、耐衝撃性改良剤などを含有させてもよい。
前記の光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤、例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルメチルケタール、ヒドロキシフェニルケトン、1,1−ジクロロアセトフェノン、チオキサントン類、ヘキサアリールビイミダゾール類、アシルフォスフィンオキシド類あるいはアミンを併用したベンゾフェノン類などが例示される。これらは混合物として使用してもよく、また必要によっては増感剤を併用しても良い。光重合開始剤の使用量は紫外線硬化型アクリル樹脂の0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜7質量%の範囲が好ましい。この範囲外では、重合が進行しがたい、解裂した開始剤残片による耐光性が悪化する、などして好ましくない。
表面改質剤は、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性を確保するために、フッ素系、シリコーン系の何れかの界面活性剤、又はその両者を用いるのが好ましく、特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量においてその効果が現れるため好ましく用いられる。
粘度調整剤や粘着性付与剤としては、クマロン・インデン樹脂、テルペン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、石油系樹脂などを挙げることができる。
本発明に使用されるハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の調製は公知の方法で行うことができる。例えば、光重合開始剤以外の所要成分と必要により溶剤を添加し、分散機を用いて媒体中に分散できる。分散機の例には、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライターおよびコロイドミルが含まれる。サンドグラインダーミルおよび高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散基の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダーおよびエクストルーダーを使用することができる。
溶剤は、塗布方法に応じて適宜選択されるが、例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノアセテート等のエステルやトルエン、キシレン等が好適に用いられる。
分散終了後、光重合開始剤を添加してハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の組成物を得ることができる。
ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の塗布は、塗布が均一に行われる方法であれば特に制限はなく、例えば、ロールコート、グラビアコート、バーコート、ロッドコート、カーテンコート、ダイコートなどの方法を用いることができる。
溶剤を用いた場合は塗布後、溶剤を乾燥する手段を設けることが好ましい。乾燥条件は用いた(メタ)アクリレート化合物や溶剤等の種類やその量により変化するため、一概には決定できないが、通常20℃〜150℃、好ましくは40℃〜100℃である。この範囲外では溶剤の乾燥に時間がかかる、塗布物に悪影響を及ぼす、等して好ましくない。乾燥装置としてはオーブンや連続式乾燥炉等が挙げられる。
乾燥後の塗布膜厚は、0.5〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
次いで、用いた光重合開始剤に適した波長光を放射できる光源、例えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク等からの光を照射して紫外線硬化型アクリル樹脂を硬化させる。紫外線照射量としては、100mJ/cm〜2000mJ/cmが好ましく、より好ましくは300mJ/cm〜1500mJ/cmである。
ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層の表面の鉛筆硬度は、2H以上、好ましくは3H以上である。
紫外線カット性は、300nmから370nmの範囲の紫外線透過率が30%以下となるものが好ましい。より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下となるものである。
次に、本発明に用いられる脂環式構造を有する重合体について説明する。
本発明で使用される脂環式構造を有する重合体は重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を有するものであり、主鎖中に脂環式構造を含有する重合体、及び側鎖に脂環式構造を含有する重合体のいずれも用いることができる。
脂環式構造としては、例えばシクロアルカン構造、シクロアルケン構造等が挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素数は特に制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。脂環式構造を構成する炭素原子数がこの範囲にあると、耐熱性及び柔軟性に優れた透明プラスチックフィルムを得ることができ、本発明の楕円偏光板のフィルム状支持体として好ましく用いることができる。
脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択することができるが、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位が過度に少ないと耐熱性が低下し好ましくない。なお脂環式構造含有重合体における脂環式構造を有する繰り返し単位以外の繰り返し単位は、使用目的に応じて適宜選択される。
脂環式構造含有重合体の具体例としては、(i)ノルボルネン系重合体、(ii)単環の環状オレフィン系重合体、(iii)環状共役ジエン系重合体、(iv)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体が好ましい。
(i)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体としては、具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体と開環重合可能なその他の単量体との開環共重合体、及びこれらの水素化物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体と共重合可能なその他の単量体との付加重合体等が挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系単量体の開環(共)重合体の水素化物が特に好ましい。
ノルボルネン系単量体としては、例えば、ジシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン(テトラシクロドデセン)等が挙げられ、これらの化合物は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルコシキカルボニル基、カルボキシル基等を挙げることができる。またこれらの置換基は、同一又は、相異なる複数個が環に結合してもよい。ノルボルネン系単量体は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノルボルネン系単量体と開環重合体可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のモノ環状オレフィン類及びその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン等の環状共役ジエン及びその誘導体;等が挙げられる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との開環共重合体は、単量体を開環重合触媒の存在下に重合することにより得ることができる。開環重合触媒としては、公知のものを使用できる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体や、ノルボルネン系単量体と開環重合可能なその他の単量体との開環共重合体の水素化物は、公知の水素化触媒を用い、炭素−炭素不飽和結合を好ましくは90%以上水素化することによって得られる。
ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体としては、例えばエチレン、プロピレン等の炭素数2〜20のα−オレフィン及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン等のシクロオレフィン及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエン等が挙げられる。これらの単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
ノルボルネン系単量体の付加重合体、及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能な他の単量体との付加共重合物は、単量体を付加重合触媒の存在下に重合することにより得ることができる。付加重合触媒としては、公知のものを使用することができる。
上記ノルボルネン系(共)重合体としては、例えば、日本ゼオン(株)製、商品名“ZEONOR”、“ZEONEX”;ジェイエスアール(株)製、商品名“ARTON”;日立化成工業(株)製、商品名“OPTOREZ”;三井化学(株)製、商品名“APEL”等が市販されている。
(ii)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の付加重合体重合体を挙げることができる。
(iii)環状共役ジエン系重合体及びこれらの水素化物
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の環状共役ジエン系単量体を1,2−付加重合、又は1,4−付加重合した重合体、及びその水素化物を挙げることができる。
(iv)ビニル脂環式炭化水素重合体及びこれらの水素化物
ビニル脂環式炭化水素重合体は、ビニルシクロアルカン又はビニルシクロアルケン由来の繰り返し単位を有する重合体である。ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキサン等のビニル脂環式炭化水素化合物の重合体、及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族炭化水素化合物の重合体の芳香環部分の水素化物等が挙げられる。また、ビニル脂環式炭化水素重合体は、ビニル脂環式炭化水素化合物やビニル芳香族炭化水素化合物と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体等の共重合体、及びその水素化物であってもよい。
本発明で用いる脂環式構造を有する重合体の分子量は、溶媒としてシクロヘキサン(重合体が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定した、ポリイソプレン又はポリスチレン換算の重量平均分子量が、通常10,000〜300,000、好ましくは20,000〜200,000の範囲である。分子量がこのような範囲にある時に、透明プラスチックフィルムの機械的強度と成形加工性とが高度にバランスされ、本発明の楕円偏光板の構成材料として好適である。
脂環式構造を有する重合体のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃〜250℃の範囲である。ガラス転移温度がこのような範囲にある時、高温下での使用における変形や応力が生じることなく耐久性に優れており、本発明の楕円偏光板の構成材料として好適である。
本発明における脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子は、当該重合体をフィルムに成形し、必要により延伸を行うことにより得ることができる。フィルムの成型は前記重合体を公知の成形方法により成形することができる。
フィルムに成形する方法としては、溶液キャスティング法、又は溶融押出成形法が挙げられる。中でも、フィルム中の揮発成分の含有量や厚さムラを少なくできる点、及び生産性の観点から、溶融押出成形法が好ましい。さらに溶融押出成形法としては、Tダイ等のダイスを用いる方法やインフレーション法等が挙げられるが、厚み精度に優れる点でTダイを用いる方法が好ましい。
フィルムを成形する方法としてTダイを用いる方法を採用する場合、Tダイを有する押出機における溶融温度は、用いる重合体のガラス転移温度よりも80℃〜180℃高い温度にすることが好ましく、100℃〜150℃高い温度にすることがより好ましい。押出機での溶融温度が過度に低いと重合体の流動性が低下し、逆に溶融温度が過度に高いと重合体が劣化する可能性がある。
さらに、フィルムに成形する前に、用いる重合体を予備乾燥しておくことが好ましい。予備乾燥は、例えば原料をペレットの形態にして、熱風乾燥機を用いて行われる。乾燥温度は100℃以上が好ましく、乾燥時間は2時間以上が好ましい。予備乾燥を行うことにより、フィルム中の揮発成分量を低減させることができる。さらに押し出す重合体の発泡を防ぐことができる。
用いる重合体は、その飽和吸水率が0.05%未満であることが好ましい。飽和吸水率が0.05%未満であるものを使用することにより、得られるフィルム上に積層体を形成する時に、水分が放出されて品質が劣化したり、生産性が低下したりすることがない。また、吸湿によりフィルムが伸縮して、積層している層がフィルムから剥離することもない。特に、大型画面液晶表示装置において使用する場合には、吸湿による寸法変化が引き起こす画像品質の悪化を解消することができる。
フィルムの厚みは、5〜150μmが好ましく、20〜120μmがより好ましく、20〜80μmが更に好ましい。フィルムの厚みが該下限値以上であれば、フィルム強度が弱くなるなどの問題が生じにくく、該上限値以下であれば、質量が増加しすぎて、特に20インチ以上の大型テレビに用いた場合に不利になるなどの弊害が生じにくいので好ましい。
得られたフィルムが所望の光学異方性を示す場合は延伸を行う必要はないが、光学異方性が不十分の場合は、公知の延伸方法により延伸して所望の光学異方性を発現させればよい。望ましい光学異方性はフィルムがλ/4位相差板の機能を示すものである。
例えば、特開平2008−221834号公報の方法により、フィルム長軸方向と遅相軸が45°になるフィルムを得ることで、偏光素子との貼合の際、ロール・トゥ・ロールが可能となる。
液晶層からなる光学異方素子としては、公知の低分子液晶性化合物、高分子液晶性化合物やそれらの混合物からなる組成物等を、公知の方法で展開・配向させ、該配向を固定化して得られるものでよく、液晶相としては、ネマチック、ねじれネマチック、スメクチック相等を、配向形態としては、ホモジニアス、チルト、ハイブリッドチルト、ホメオトロピック配向を挙げることができる。
液晶層からなる光学異方素子のリタデーション(光学異方性Δn×液晶層厚)は、本発明の楕円偏光板の用途により適宜選定すればよいが、通常は50nm〜2000nm、好ましくは80nm〜1000nmである。この範囲外では目的とする効果が見られなかったり、見る方向によって着色が現れたりして好ましくない。
なお、液晶層は支持フィルム上に形成されていてもよいが、薄膜化の要求から支持フィルムを剥離した形態が好ましい。
本発明に使用できる偏光素子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光素子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性材料(沃素、染料)を吸着・配向したものが好適に用いられる。偏光素子の厚さも特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光素子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
偏光素子の一方の面に設けられる透光性保護フィルムとしては、光学的に等方な基板が好ましく、例えばフジタック(富士フイルム社製品)やコニカタック(コニカ社製品)などのトリアセチルセルロースフィルム、アートンフィルム(JSR社製品)やゼオノアフィルム、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン社製品)などの脂環式構造を有する重合体、TPXフィルム(三井化学社製品)、アクリプレンフィルム(三菱レーヨン社製品)が挙げられるが、楕円偏光板とした場合の耐熱性や耐湿性などからトリアセチルセルロースや脂環式構造を有する重合体が好ましい。透光性保護フィルムの厚さは、一般には150μmであり、1〜100μmが好ましく、5〜50μmとするのが特に好ましい。
次に、本発明の楕円偏光板の製造方法について説明する。
本発明で得られる楕円偏光板の層構成は種々あるが、例えば以下の構成を例示できる。
(I)ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層/脂環式構造を有する重合体からなる光学異方性子/偏光素子/透光性保護フィルム
(II)ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層/脂環式構造を有する重合体からなる光学異方性子/偏光素子/液晶層からなる光学異方素子/透光性保護フィルム
上記構成において、各層間は必要により粘着剤または接着剤(以下、粘・接着剤という)を介して積層されていてもよい。
楕円偏光板の製造方法としては、特に限定されないが、一例として以下の方法で製造することができる。
まず、構成(I)の製造方法について説明する。
構成(I)は、
(1)脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子にハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂層を形成して、該アクリル樹脂層を硬化させ、ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層/脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子からなる積層体(A)を得る工程、
(2)積層体(A)、偏光素子、透光性保護フィルムを、粘・接着剤を介して積層せしめることにより、ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層/脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子/粘・接着剤層/偏光素子/粘・接着剤層/透光性保護フィルムを得る工程により、製造することができる。
次に、構成(II)の製造方法について説明する。
構成(II)は、
(1)脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子にハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂層を形成して、該アクリル樹脂層を硬化させ、ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層/脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子からなる積層体(A)を得る工程、
(2)積層体(A)、偏光素子、液晶層からなる光学異方素子、透光性保護フィルムを、粘・接着剤を介して接着せしめることにより、ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層/脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子/粘・接着剤層/偏光素子/粘・接着剤層/液晶層からなる光学異方素子/粘・接着剤層/透光性保護フィルムを得る工程により、製造することができる。
なお、各層の積層に当たって、その表面を例えばコロナ放電処理等の処理を行っておいてもよい。
上記の粘・接着剤は積層される両界面に適度な接着力を有する光学グレードのものであれば特に制限はなく、例えば、アクリル重合体系、エポキシ樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ゴム系、ウレタン系およびこれらの混合物系や、熱硬化型および/または光硬化型、電子線硬化型等の各種反応性のものを挙げることができるが、光(UV)硬化型が処理の容易さなどから好ましい。
中でも、UV硬化型のアクリル系粘・接着剤の如く、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
アクリル系粘・接着剤は、市販されている各種(メタ)アクリル系の単官能モノマーや多官能モノマー、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート等のオリゴマーや、光重合開始剤、粘度調整剤(増粘剤)、界面活性剤や分散剤等の添加剤等を適宜添加して調製してもよい。 また、UV硬化型の粘・接着剤の反応(硬化)条件は、粘・接着剤を構成する成分、粘度や反応温度等の条件により変化するため、それぞれに適した条件を選択して行えばよく、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線が利用できる。照射する活性エネルギー線の量は光重合開始剤がラジカルを発生する範囲であれば任意であるが、200〜400nmの紫外線を0.1〜1000mJ/cm、好ましくは10〜600mJ/cmの範囲で照射する。電子線硬化型の場合の加速電圧は、通常10kV〜200kV、好ましくは25kV〜100kVである。
光重合開始剤は、紫外線等の活性エネルギー線によりラジカルを発生するものであれば、特に限定されるものではない。その具体例としては、従来からのUV硬化型の接着剤や塗料等に使用されているアセトフェノン類、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキシド類、ビスイミダゾール誘導体類やトリハロメチル基誘導体類等を挙げることができる。
光重合開始剤の添加量は、粘・接着剤の構成成分100質量部に対して0.01〜15質量部、好ましくは0.1〜7質量部である。これらの光重合開始剤は二種以上を併用してもよい。また、ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミノ基を有する増感剤を併用してもよい。
粘・接着剤層の形成は、適宜な方式で行うことができる。その例としては、例えば、トルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40質量%程度の粘・接着剤の溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で光学異方素子や偏光素子等の上に直接付設する方式、あるいはセパレータ上に粘・接着剤層を形成してそれを前記の光学異方素子や偏光素子上に移着する方式などが挙げられる。
粘・接着剤層の厚さは、積層する部材を貼着しかつ十分な密着力を維持できる限り特に膜厚に制限はなく、粘・接着剤の特性や粘・接着される部材により適宜選定することができる。得られる積層体(楕円偏光板)の総厚の低減要求の強いことから、粘・接着剤の厚さは薄いほうが好ましいが、通常は2〜80μm、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは5〜40μmである。この範囲外では、接着力が不足したり、積層時や積層体の保存時に端部から滲み出すなどして好ましくない。
また、上記の脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子で、例えば、特開平2008−221834号公報の方法により、フィルム長軸方向と遅相軸が45°になるフィルム、偏光素子、液晶層からなる光学異方素子、透光性保護フィルムは、長尺フィルム形態でそのままロール・トゥ・ロールにより積層することができる。
かくして得られる本発明の楕円偏光板の厚みは、150μm以下が好ましい。
本発明の楕円偏光板と併用される光学フィルムとしては、位相差を有し、透明性と均一性に優れたものであれば特に制限されず、高分子延伸フィルムや液晶からなる光学補償フィルムを好ましく挙げることができる。高分子延伸フィルムとしては、セルロース系、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリスルフォン系、ポリアクリル系、ポリエーテルスルフォン系、脂環式構造を有する重合体等からなる1軸又は2軸位相差フィルムを例示することができる。中でもポリカーボネート系がコスト面およびフィルムの均一性から好ましい。
また、ここで言う液晶からなる光学補償フィルムとは、液晶を配向させてその配向状態から生じる光学異方性を利用できるフィルムであれば特に制限されるものではない。例えばネマチック液晶やディスコチック液晶、スメクチック液晶等を利用した各種光学機能性フィルム等、公知のものを使用することができる。
ここに例示した光学フィルムは、1枚のみの使用でも良いし、複数枚使用しても良い。また、高分子延伸フィルムと、液晶からなる光学補償フィルムの両方を使用することもできる。
これら光学フィルムの複屈折Δnと厚みd(nm)の積(リターデーション値)は、本発明に使用される光学異方素子のリターデーション値や組み込まれる画像表示装置を構成する液晶セルのリターデーション値により変化するので一概に決定することはできないが、通常は50〜2000nm、好ましくは80〜1000nmである。
本発明の楕円偏光板は、各種の画像表示装置、例えば液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス素子、タッチパネル等に適用することができる。
まず、本発明の楕円偏光板を適用する液晶表示装置について説明する。
液晶表示装置は一般的に、偏光板、液晶セル、および必要に応じて位相差補償板、反射層、光拡散層、バックライト、フロントライト、光制御フィルム、導光板、プリズムシート等の部材から構成されるが、本発明においては表示面側偏光板に換えて本発明の楕円偏光板を使用する点を除いて特に制限は無い。
前記液晶表示装置に用いる偏光板は特に制限されず、前述した楕円円偏光板に使用するものと同様の偏光素子から得られるものを使用することができる。
液晶セルとしては特に制限されず、電極を備える一対の透明基板で液晶層を狭持したもの等の一般的な液晶セルが使用できる。
液晶セルを構成する前記透明基板としては、液晶層を構成する液晶性を示す材料を特定の配向方向に配向させるものであれば特に制限はない。具体的には、基板自体が液晶を配向させる性質を有している透明基板、基板自体は配向能に欠けるが、液晶を配向させる性質を有する配向膜等をこれに設けた透明基板等がいずれも使用できる。また、液晶セルの電極は、公知のものが使用できる。通常、液晶層が接する透明基板の面上に設けることができ、配向膜を有する基板を使用する場合は、基板と配向膜との間に設けることができる。
前記液晶層を形成する液晶性を示す材料としては、特に制限されず、各種の液晶セルを構成し得る通常の各種低分子液晶物質、高分子液晶物質およびこれらの混合物が挙げられる。また、これらに液晶性を損なわない範囲で色素やカイラル剤、非液晶性物質等を添加することもできる。
前記液晶セルは、前記電極基板および液晶層の他に、後述する各種の方式の液晶セルとするのに必要な各種の構成要素を備えていても良い。
前記液晶セルの方式としては、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式、IPS(In-Plane Switching)方式、VA(Vertical Alignment)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)方式、ハーフトーングレイスケール方式、ドメイン分割方式、あるいは強誘電性液晶、反強誘電性液晶を利用した表示方式等の各種の方式が挙げられる。
また、液晶セルの駆動方式も特に制限はなく、STN−LCD等に用いられるパッシブマトリクス方式、並びにTFT(Thin Film Transistor)電極、TFD(Thin Film Diode)電極等の能動電極を用いるアクティブマトリクス方式、プラズマアドレス方式等のいずれの駆動方式であっても良い。
前記液晶表示装置に用いる位相差補償板としては、透明性と均一性に優れたものであれば特に制限されないが、高分子延伸フィルムや、液晶からなる光学補償フィルムが好ましく使用できる。高分子延伸フィルムとしては、セルロース系、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリスルフォン系、ポリアクリル系、ポリエーテルスルフォン系、脂環式構造を有する重合体等からなる1軸又は2軸位相差フィルムを例示することができる。中でもポリカーボネート系がコスト面およびフィルムの均一性から好ましい。
また、ここで言う液晶からなる光学補償フィルムとは、液晶を配向させてその配向状態から生じる光学異方性を利用できるフィルムであれば特に制限されるものではない。例えばネマチック液晶やディスコチック液晶、スメクチック液晶等を利用した各種光学機能性フィルム等、公知のものを使用することができる。
ここに例示した位相差補償板は、液晶表示装置を構成するにあたり、1枚のみの使用でも良いし、複数枚使用しても良い。また、高分子延伸フィルムと、液晶からなる光学補償フィルムの両方を使用することもできる。
前記反射層としては、特に制限されず、アルミニウム、銀、金、クロム、白金等の金属やそれらを含む合金、酸化マグネシウム等の酸化物、誘電体の多層膜、選択反射を示す液晶又は、これらの組み合わせ等を例示することができる。これら反射層は平面であっても良く、また曲面であっても良い。さらに反射層は、凹凸形状など表面形状に加工を施して拡散反射性を持たせたもの、液晶セルの観察者側と反対側の前記電極基板上の電極を兼備させたもの、反射層の厚みを薄くしたり、穴をあける等の加工を施すことで光を一部透過させるようにした半透過反射層であっても良く、またそれらを組み合わせたものであっても良い。
前記光拡散層は、入射光を等方的あるいは異方的に拡散させる性質を有するものであれば、特に制限はない。例えば2種以上の領域からなり、その領域間に屈折率差をもつものや、表面形状に凹凸を付けたものが挙げられる。前記2種以上の領域からなり、その領域間に屈折率差をもつものとしては、マトリックス中にマトリックスとは異なる屈折率を有する粒子を分散させたものが例示される。前記拡散層はそれ自身が粘接着性を有するものであっても良い。
前記光拡散層の膜厚は、特に制限されるものではないが、通常10μm以上500μm以下であることが望ましい。
また光拡散層の全光線透過率は、50%以上であることが好ましく、特に70%以上であることが好ましい。さらに当該光拡散層のヘイズ値は、通常10〜95%であり、好ましくは40〜90%であり、さらに好ましくは60〜90%であることが望ましい。
前記バックライト、フロントライト、光制御フィルム、導光板、プリズムシートとしては、特に制限されず公知のものを使用することができる。
本発明の液晶表示装置は、前記した構成部材以外にも他の構成部材を付設することができる。例えば、カラーフィルターを本発明の液晶表示装置に付設することにより、色純度の高いマルチカラー又はフルカラー表示を行うことができるカラー液晶表示装置を作製することができる。
次いで本発明の楕円偏光板を適用する有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネッセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。前記記載の通り、外部光の反射を防止するため、観察者から見て、有機EL表示装置の観察者側(前方側)に偏光板とλ/4位相差板からなる円偏光板が配置されるが、本発明の楕円偏光板を有機EL表示装置に適用する場合は、本発明の楕円偏光板を直接、粘・接着剤を介して有機EL表示装置の観察者側に配置すればよい。
次いで本発明の楕円偏光板を適用するタッチパネルについて説明する。
一般に、タッチパネルは、ガラスもしくはフィルム上に導電層を形成し、スペーサーを介してフィルムに形成された導電層を対向配置させた構造、すなわち、例えば、ディスプレイ/ガラスもしくはフィルム/導電層A/(スペーサー)/導電層B/フィルム/ハードコート層などの構成で、指やペンでハードコート側から直接押圧すればフィルムがその部分だけ湾曲し、ハードコート側の導電層Bが対向している導電層Aに接触し入力が図れ、押圧位置はX−Y座標として認識され、コンピューターなどへ入力されるものである。従って、例えば、カーナビ、PDA(携帯情報端末)、家電用品、ディスプレイなどの用途に用いられる。
本発明の楕円偏光板をタッチパネルに適用する場合は、有機EL表示装置に適用するのと同様にすればよく、外部光の反射を防止として配置される偏光板とλ/4位相差板からなる円偏光板の代わりに、本発明の楕円偏光板を直接、粘・接着剤を介してタッチパネルの観察者側に配置すればよい。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例で用いた分析や測定の方法は以下の通りである。
(1)顕微鏡観察
オリンパス光学社製BH2偏光顕微鏡で液晶の配向状態を観察した。
(2)対数粘度の測定
ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロエタン(60/40質量比)混合溶媒中、30℃で測定した。
(3)偏光解析測定
(株)溝尻光学工業所製エリプソメーター(DVA−36VWLD)を用いた。
(4)ハードコート性試験
JIS−K5600−5−4 引っかき硬度法による評価を行った。
(5)UV吸収測定
紫外可視分光光度計V−570(日本分光社製)によるUV吸収測定を行った。
[実施例1]
市販のλ/4位相差フィルム(45°斜め延伸ゼオノア:日本ゼオン(株)製)に、ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂としてUVクリアー T7735(レジノカラー工業(株)製)を塗工、70℃にて予備乾燥2分ののち、高圧水銀灯により100mW/cm以上の強度で、1000mJ/cm照射し、ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層(4μm厚)/λ/4位相差フィルムからなる積層体Aを得た。積層体Aおよび45°斜め延伸ゼオノアの紫外可視光スペクトルを図1に示す。
次に、この積層体の位相差フィルム側に、偏光板(粘着剤/偏光素子/トリアセチルセルロース(TAC)フィルム)を偏光素子の吸収軸とλ/4位相差フィルムの遅相軸が45℃になるように貼り合わせて楕円偏光板(紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層/λ/4位相差フィルム/粘着剤/偏光素子/TACフィルム)を得た。
得られた楕円偏光板の厚さは、106μmであり、紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層の鉛筆硬度は、3Hであった。
[比較例1]
市販のλ/4位相差フィルム(45°斜め延伸ゼオノア:日本ゼオン(株)製)に、偏光板(粘着剤/偏光素子/TACフィルム)を偏光板の吸収軸とλ/4位相差フィルムの遅相軸が45℃になるように貼り合わせ楕円偏光板(位相差フィルム/粘着剤/偏光素子/TACフィルム)を得た。得られた楕円偏光板は実施例1より薄い(102μm)が、鉛筆硬度Hで表面硬度が劣る。また、図1に示すように紫外線が透過し、偏光素子の劣化が促進される。
[比較例2]
市販のλ/4位相差フィルム(45°斜め延伸ゼオノア:日本ゼオン(株)製)に、偏光板(粘着剤/偏光素子/TACフィルム)を偏光板の吸収軸とλ/4位相差フィルムの遅相軸が45℃になるように貼り合わせた後、ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂に換えてハードコートTAC(45μm)を粘着剤を介して位相差フィルム表面に張り合わせることにより、楕円偏光板(ハードコートTAC/粘着剤/位相差フィルム/粘着剤/偏光素子/TACフィルム)得た。このようにして得られた楕円偏光板の厚みは170μmであり、実施例1のものに比べ厚みの点で劣ることが分かる。
[実施例2]
(液晶性組成物溶液、光学異方素子Aおよび積層体Bの作製)
テレフタル酸50mmol、2,6−ナフタレンジカルボン酸50mmol、メチルヒドロキノンジアセテート40mmol、カテコールジアセテート60mmol、およびN−メチルイミダゾール60mgを用いて窒素雰囲気下、270℃で12時間重合を行った。次に得られた反応生成物をテトラクロロエタンに溶解したのち、メタノールで再沈殿を行って精製し、液晶性ポリエステル(ポリマー1)14.7gを得た。この液晶性ポリエステルの対数粘度は0.17、液晶相としてネマチック相をもち、等方相−液晶相転移温度は250℃以上、ガラス転移点は115℃であった。
ビフェニルジカルボニルクロリド90mmol、テレフタロイルクロリド10mmol、S−2−メチル−1,4−ブタンジオール105mmolをジクロロメタン中で室温にて20時間反応させ、反応液をメタノール中に投入し再沈殿させることにより液晶性ポリエステル(ポリマー2)12.0gを得た。ポリマー2の対数粘度は0.12であった。
19.82gのポリマー1と0.18gのポリマー2からなる混合ポリマーを20質量%となるようにN−メチルピロリドンに溶解し液晶性組成物溶液を調製した。
幅650mm、厚み100μmの長尺のPEEKフィルムを搬送しながら、レーヨン布を巻き付けた150mmφのラビングロールを斜めに設定し、高速で回転させることにより連続的にラビングを行い、ラビング角度45°の配向基板フィルムを得た。ここで、ラビング角度はラビング面を上からみたときにMD方向から反時計回り方向の角度とする。
液晶性組成物溶液を、前記配向基板フィルム上に、ダイコーターを用いて連続的に塗布・乾燥し、未配向の液晶性組成物層を形成した後、150℃×10分間加熱処理をして液晶性組成物を配向させ、次いで室温に冷却して配向を固定化して、液晶層からなる光学異方素子AとPEEKフィルムとの積層体Bを得た。この液晶層は、ネマチック配向しており、Δndは140nmであった。
(積層体Cの作製)
積層体Bの光学異方素子A上に市販のUV硬化型接着剤(UV−3400、東亞合成(株)製)を5μmの厚さに接着剤層1として塗布し、この上にTACフィルム(40μm、富士フイルム(株)製)をラミネートし、約600mJのUV照射により該接着剤層1を硬化させた。この後、PEEKフィルム/光学異方素子A/接着剤層1/TACフィルムが一体となった積層体からPEEKフィルムを剥離することにより光学異方素子AをTACフィルム上に転写し、TACフィルム/接着剤層1/光学異方素子Aからなる積層体Cを得た。
(楕円偏光板Dの作製)
延伸したポリビニルアルコールに沃素を吸着させた偏光素子の一方の面に、アクリル系接着剤を用いて、積層体Cの光学異方素子A側で連続的に貼り合わせた。また偏光素子の他方の面には、実施例1で作製した積層体Aのゼオノア面に250W・min/mの条件でコロナ処理を施し、そのコロナ処理後30秒以内に、そのコロナ処理面で貼り合わせて、楕円偏光板Dを作製した。総膜厚は約130μmであり、通常のものよりも薄くすることが出来た。この楕円偏光板Dをエリプソメーター((株)溝尻光学工業所製DVA−36VWLD)で偏光解析したところ、波長550nmにおける楕円率が0.94であり、良好な円偏光特性を持つ楕円偏光板であることが確認できた。
この楕円偏光板Dを光学検査したところ光学異方素子層にシミや傷などの損傷は見られなかった。
(液晶ディスプレイでの視認性)
上記の楕円偏光板Dを1枚用いて、バックライト、下偏光板、IPS型液晶セル、上偏光板の順で配置された市販のIPS型の液晶テレビに対し、上偏光板の代わりに、実施例2で作製した楕円偏光板Dを光学異方素子Aが外側になるように配置した。その結果、偏光サングラス越しに表示面を見た場合も、表示画像が暗くなることはなく良好な画像が確認できることが分かった。
(有機ELディスプレイでの視認性)
上記の楕円偏光板Dを1枚用いて、有機EL素子、λ/4フィルム、偏光板の順で配置された市販の有機ELディスプレイ対し、λ/4フィルム、偏光板の代わりに、実施例2で作製した楕円偏光板Dを配置した。その結果、偏光サングラス越しに表示面を見た場合も、表示画像が暗くなることはなく良好な画像が確認できることが分かった。
(タッチパネル付液晶表示装置での視認性)
上記の楕円偏光板Dを1枚用いて、液晶表示装置、タッチパネル、λ/4フィルム、上偏光板の順で配置された市販のタッチパネル付液晶表示装置に対し、λ/4フィルム、上偏光板の代わりに、実施例2で作製した楕円偏光板Dを配置した。その結果、偏光サングラス越しに表示面を見た場合も、表示画像が暗くなることはなく良好な画像が確認できることが分かった。
実施例1で得た積層体Aおよび45°斜め延伸ゼオノアの紫外可視光スペクトルを示す。

Claims (8)

  1. ハードコート性および紫外線カット性を有する紫外線硬化型アクリル樹脂の硬化層と、脂環式構造を有する重合体からなる光学異方素子と、偏光素子と、透光性保護フィルムとが、この順に積層されている楕円偏光板。
  2. 該光学異方素子がλ/4位相差板であり、偏光素子の吸収軸と光学異方素子の遅相軸が45°になるように積層されていることを特徴とする請求項1に記載の楕円偏光板。
  3. 透光性保護フィルムと偏光素子との間に、液晶層からなる光学異方素子が積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の楕円偏光板。
  4. 透光性保護フィルムが、セルロース系ポリマーおよび/または脂環式構造を有する重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずかに記載の楕円偏光板。
  5. 前記楕円偏光板の厚みが150μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずかに記載の楕円偏光板。
  6. 請求項1〜5のいずかに記載の楕円偏光板に、さらに少なくとも1つの光学フィルムが積層されていることを特徴とする楕円偏光板。
  7. 表示面側に、請求項1〜6のいずかに記載の楕円偏光板を配置した画像表示装置。
  8. 液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス素子またはタッチパネルであることを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
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