JP2010145259A - Memsセンサの製造方法およびmems - Google Patents

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Abstract

【課題】MEMSセンサの錘部の厚さを均一化する。
【解決手段】支持部と、一端が前記支持部と結合し可撓性を有する可撓部と、前記可撓部の他端に結合している連結部と、前記可撓部の変形を検出する検出部とを備える積層構造体を形成し、前記連結部の底面に結合する錘部となる領域に外接する環状溝を前記積層構造体とは別体のウエハの上面に異方性エッチングにより形成し、前記ウエハの上面に前記環状溝を埋める犠牲膜を形成し、前記ウエハの上面が露出するまで前記犠牲膜の表層を除去し、前記ウエハの前記犠牲膜で埋められた前記環状溝の内側領域を前記連結部の底面に接合し、少なくとも前記犠牲膜が露出するまで前記ウエハの底面を後退させることによって前記錘部の厚さを調整し、前記連結部に接合された前記ウエハから前記犠牲膜を除去する、ことを含むMEMSセンサの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサの製造方法およびMEMSセンサに関する。
従来、錘部に結合している可撓部の変形を電気信号に変換する、加速度センサ、振動ジャイロスコープなどのMEMSセンサが知られている(例えば特許文献1、2参照)。このようなMEMSセンサにおいては、特性のばらつきを抑えるために、錘部の厚さの寸法精度を高める必要がある。
特開平8−54413号公報 特許第2892788号公報 特開平6−324076号公報
しかし、錘部となる層の厚さを調整するとき、目標厚さに正確に調整することは容易でない。
本発明はこの問題を解決するために創作されたものであって、MEMSセンサの錘部の厚さを均一化することを目的の1つとする。
(1)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法は、支持部と、一端が前記支持部と結合し可撓性を有する可撓部と、前記可撓部の他端に結合している連結部と、前記可撓部の変形を検出する検出部とを備える積層構造体を形成し、前記連結部の底面に結合する錘部となる領域を囲む環状溝を前記積層構造体とは別体のウエハの上面に異方性エッチングにより形成し、前記ウエハの上面に前記環状溝を埋める犠牲膜を形成し、前記ウエハの上面が露出するまで前記犠牲膜の表層を除去し、前記ウエハの前記犠牲膜で埋められた前記環状溝の内側領域を前記連結部の底面に接合し、少なくとも前記犠牲膜が露出するまで前記ウエハの底面を後退させることによって前記錘部の厚さを調整し、前記連結部に接合された前記ウエハから前記犠牲膜を除去する、ことを含む。
本発明によると、異方性エッチングによってウエハにあらかじめ形成した環状溝の深さを基準にして錘部の厚さを調整することができる。したがって本発明によるとMEMSセンサの錘部の厚さを均一化することができる。なお、本明細書では、錘部に対する可撓部の位置関係を上として「上」と「底」の用語を用いる。
(2)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、前記積層構造体は、前記連結部の底面を構成し前記可撓部には含まれないバルク材料からなる厚層を含んでもよい。
本発明によると、可撓部と錘部とを連結する連結部にバルク材料からなる厚層を挿入し、厚層を含む連結部によって可撓部と錘部とを連結するため、可撓部と錘部との熱膨張係数の違いによって可撓部に生ずる応力を低減することができる。
(3)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、前記厚層はシリコンからなり、前記ウエハはガラスからなってもよい。
本発明によると、可撓部とガラスからなる錘部とを、シリコンのバルク材料からなる厚層を含む連結部によって連結するため、可撓部に生ずる応力を低減することができる。
(4)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、前記厚層と前記ウエハとを樹脂層を介して接着することを含み、前記支持部の前記厚層のパターンと前記錘部のパターンとは一部が重なり合い、前記支持部の前記厚層の底面に接合された前記樹脂層が前記錘部と前記支持部との緩衝層となってもよい。
本発明によると、直接接合に比べて低温の条件で厚層とウエハとを接合できるため、可撓部に生ずる応力を低減することができる。また本発明によると、厚層とウエハとの接合に用いる樹脂層を錘部と支持部との緩衝層として形成するため、対衝撃性能が高いMEMSセンサを簡素な構造で実現することができる。なお、本明細書において「パターン」とは連結部の底面に対して垂直な方向から見た形状をいうものとする。
(5)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、前記厚層の表面に前記ウエハを直接接合してもよい。
本発明によると、連結部と錘部とを強固に接合することができる。
(6)上記目的を達成するためのMEMSセンサは、支持部と、一端が前記支持部と結合し可撓性を有する可撓部と、前記可撓部の他端に結合している連結部と、前記連結部に結合し前記支持部のパターンと一部が重なるパターンを有し前記支持部に対して運動する錘部と、前記錘部の運動に伴う前記可撓部の変形を検出する検出部と、前記連結部の底面と前記錘部の上面とを接着している樹脂層とを備え、前記樹脂層は前記支持部のパターンと前記錘部のパターンとが重なっている領域において前記錘部と前記支持部との緩衝層を構成している。
本発明によると、連結部と錘部との接着に用いる樹脂層を錘部と支持部との緩衝層として形成するため、対衝撃性能が高いMEMSセンサを簡素な構造で実現することができる。
尚、請求項に記載された動作の順序は、技術的な阻害要因がない限りにおいて記載順に限定されず、同時に実行されても良いし、記載順の逆順に実行されても良いし、連続した順序で実行されなくても良い。また、請求項に記載された動作の順序は、技術的な阻害要因がない限りにおいて記載順に限定されず、同時に実行されても良いし、記載順の逆順に実行されても良いし、連続した順序で実行されなくても良い。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
(構成)
本発明のMEMSセンサの第一実施形態であるモーションセンサを図1A、図1Bおよび図2に示す。図1Aはモーションセンサ1のセンサダイ1Aを示す断面図であって図1Bに示すAA線の断面図である。図1Bはセンサダイ1Aの上面図である。図2はモーションセンサ1を示す断面図である。図1Aおよび図2において、センサダイ1Aを構成する層の界面は破線で示し、センサダイ1Aを構成する機械的構成要素の境界は実線で示している。
モーションセンサ1は互いに直交する3軸の加速度成分と角速度成分とを検出するためのMEMSセンサである。モーションセンサ1は、図2に示すパッケージ1Bと、パッケージ1Bに収容されたセンサダイ1Aとを備える。
センサダイ1Aは、図1Aに示すように、ベース層80と、厚層としての厚いシリコン層11と、エッチングストッパ層12と、薄層としての薄いシリコン層13と、第一絶縁層20と、電極層31、33と、圧電層32と、第二絶縁層40と、表面配線層50とからなる積層構造体である。ベース層80は、SiOとBとを混合したパイレックス(登録商標)等のガラスまたは結晶化ガラスからなる。ベース層80の厚さは300μmである。厚いシリコン層11と薄いシリコン層13はいずれも単結晶シリコン(Si)からなる。厚いシリコン層11の厚さは625μmである。薄いシリコン層13の厚さは10μmである。エッチングストッパ層12および第一絶縁層20はシリコン酸化膜(SiO)からなる。エッチングストッパ層12の厚さは1μmである。第一絶縁層20の厚さは0.5μmである。電極層31、33は、白金(Pt)からなる。電極層31、33の厚さは0.1μmである。圧電層32はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。圧電層32の厚さは3μmである。第二絶縁層40は感光性ポリイミドからなる。第二絶縁層40の厚さは10μmである。表面配線層50はアルミニウム(Al)からなる。表面配線層50の厚さは0.5μmである。
モーションセンサ1のセンサダイ1Aは、枠形の支持部Sと、支持部Sの内側に十文字形に配置された4つの梁Fと、4つの梁Fのそれぞれに結合している柱形の連結部Cと、連結部Cと結合している錘部Mと、4つの梁Fのそれぞれに設けられた検出手段としてのピエゾ抵抗素子131・検出用圧電素子30bと、4つの梁Fのそれぞれに設けられ4つの梁Fを撓ませることによって錘部Mを駆動する駆動用圧電素子30aとを備える。
支持部Sは図1Bに示すように矩形枠の形態を有する。支持部Sは厚いシリコン層11、エッチングストッパ層12、薄いシリコン層13、第一絶縁層20および第二絶縁層40を含む。支持部Sは厚いシリコン層11を含み、ベース層80を介してパッケージ1Bに固定されるため、モーションセンサ1に固定された座標系において不動の実質的な剛体として振る舞う。支持部Sの底面にはベース層80の矩形枠形の部分が結合している。ベース層80の支持部Sに結合している部分の底面はパッケージ1Bの底面に接着層92を介して接合される。
可撓部としての4つの梁Fのそれぞれは片持ち梁の形態を有する。梁Fは薄いシリコン層13と第一絶縁層20と第二絶縁層40とを含む。梁Fは厚いシリコン層11を含まないため、可撓性を有する膜として振る舞う。4つの梁Fのそれぞれの一端は支持部Sの内側の4辺に結合している。支持部Sは不動の剛体として振る舞うため、モーションセンサ1に固定された座標系において梁Fの一端は固定端となる。4つの梁Fは支持部Sの内側の4辺から支持部Sの内側の空間の中央に向かって突出している。4つの梁Fのそれぞれの突端は連結部Cに結合している。錘部Mは連結部Cにのみ結合し、図2に示すようにパッケージ1Bの底面90aから浮いているため、連結部Cに結合している梁Fの突端はモーションセンサ1に固定された座標系において自由端として振る舞う。4つの梁Fは錘部Mの運動にともなってそれぞれ変形する。
錘部Mは、梁Fの厚さ方向から見て外周が矩形である板の形態を有する。錘部Mはベース層80からなる。錘部Mはベース層80を含むため実質的に剛体として振る舞う。錘部Mのパターン(連結部Cの底面に垂直な方向から見た形状であり、梁Fの厚さ方向から見た形状でもある。)と支持部Sの厚いシリコン層11のパターンとは一部が重なっている。具体的には、支持部Sの厚いシリコン層11の矩形の内周は錘部Mの矩形の外周よりも内側に位置し、錘部Mの外周近傍は支持部Sの厚いシリコン層11の底面と梁Fの厚さ方向において対向している。錘部Mの上面と支持部Sの厚いシリコン層11の底面との間には空隙Gが形成されている。空隙Gの高さに応じて錘部Mの運動範囲が規制される。すなわち支持部Sの厚いシリコン層11が錘部Mのストッパとして機能するため、空隙Gの高さに応じて梁Fの変形範囲が規制される。この空隙Gは錘部Mの上面の外周部に形成された環状凹部80aによって形成されている。
連結部Cは厚いシリコン層11の四角柱形の部分と、エッチングストッパ層12の四角柱形の部分と、薄いシリコン層13と第一絶縁層20と第二絶縁層40の4つの梁Fに囲まれた四角柱形の部分とで構成されている。連結部Cは厚いシリコン層13を含むため実質的に剛体として振る舞う。4つの梁Fに結合している連結部Cの底面は錘部Mの上面に結合している。すなわち連結部Cは錘部Mと4つの梁Fとを連結している。連結部Cの形状と寸法は、連結部Cが錘部Mと梁Fとを連結し、錘部Mと一体に運動する実質的な剛体として振る舞うように設定すればよいが、梁Fと錘部Mとに熱膨張係数の差がある場合には、梁Fと錘部Mとの熱膨張係数の差によって発生する応力が薄い梁Fに伝達しないように連結部Cを構成する厚いシリコン層11の厚さは厚い方が好ましい。このため、本実施形態では厚いシリコン層11をバルク材料である単結晶シリコンウエハから構成している。
ピエゾ抵抗素子131は錘部Mの運動に伴う梁Fの変形を検出するための検出手段である。ピエゾ抵抗素子131は梁Fと支持部Sとの境界近傍に形成されている。ピエゾ抵抗素子131は薄いシリコン層13に形成された高抵抗部131aと低抵抗部131bとで構成されている。高抵抗部131aにはボロン(B)イオンが2×1018/cmの濃度で拡散している。低抵抗部131bには、ボロンイオンが2×1020/cmの濃度で拡散している。高抵抗部131aに比べて比抵抗が小さい低抵抗部131bは高抵抗部131aと表面配線層50との接続抵抗を低減する。ピエゾ抵抗素子131は第一絶縁層20に形成されたコンタクトホールを介して電極層31に接続している。電極層31は第二絶縁層40に形成されたコンタクトホールを介して表面配線層50に接続している。ピエゾ抵抗素子131は長手方向に直線的に並ぶ2つの梁Fに形成された4つを1組とする合計3組のホイーストンブリッジを構成するように結線される。互いに直交する3軸の加速度成分のそれぞれに対応する信号を各ホイーストンブリッジから得ることができる。
駆動用圧電素子30aおよび検出用圧電素子30bはいずれも電極層31,33と圧電層32とからなる。駆動用圧電素子30aおよび検出用圧電素子30bの下部電極を構成する電極層31はセンサダイ1Aの周辺部に形成されたコンタクトホールを介して表面配線層50に接続している。駆動用圧電素子30aおよび検出用圧電素子30bの上部電極を構成する電極層33は駆動用圧電素子30aおよび検出用圧電素子30bの真上に形成されたコンタクトホールを介して表面配線層50に接続している。
駆動用圧電素子30aは梁Fと支持部Sとの境界近傍に形成されている。駆動用圧電素子30aは錘部Mを振動させるための駆動手段である。駆動用圧電素子30aには錘部Mを周回運動させる正弦波信号が印加される。
検出用圧電素子30bは梁Fと連結部Cとの境界近傍に形成されている。検出用圧電素子30bは錘部Mの運動に伴う梁Fの変形を検出するための検出手段である。実質的に剛体として振る舞う錘部Mと可撓性を有する梁Fとの境界には、梁Fの変形に伴う応力と歪みが集中する。このため、検出用圧電素子30bを錘部Mと梁Fとの境界上に設けることにより、効率よく可撓部Fの変形にともなう歪みを検出することができる。検出用圧電素子30bからは同期検波などによって3軸の角速度成分に対応する信号を得ることができる。
なお、駆動用圧電素子30aを連結部Cと4つの梁Fとのそれぞれの境界上に設けてもよい。また検出用圧電素子30bを支持部Sと4つの梁Fとのそれぞれの境界上に設けてもよい。いずれにしても、梁Fとそれに結合している実質的な剛体との境界(振動端)近傍に駆動用圧電素子30aと検出用圧電素子30bとを設けることが望ましい。
図2に示すパッケージ1Bは、無蓋箱型のベース90とベース90の内部空間を閉塞するカバー94とを備える。ベース90とカバー94とは接着層93を介して接合されている。ベース90には複数の貫通電極91が設けられている。ワイヤ95は一端がセンサダイ1Aの表面配線層50に接合され他端がパッケージ1Bの貫通電極91に接合される。センサダイ1Aのベース層80の支持部Sに結合している矩形枠の部分はベース90の内側の底面90aに接着層92によって接着されている。底面90aに形成する凹部の深さや接着層92の厚さによってセンサダイ1Aの錘部Mとベース90の内側の底面90aとの間の空隙の高さが設定されている。なお、パッケージ1Bの内部にセンサダイ1Aと接続されるLSIダイを収容してもよい。
(製造方法)
以下、図3から図19に基づいてモーションセンサ1の製造方法の一例を説明する。図3から図19の断面図は図9Bおよび図11を除いて全て図1Bに示すAA線に対応する断面図である。図9Bおよび図11は図9Cに示すBB線に対応する断面図である。
はじめに図3に示すように、フォトレジストからなる保護膜R1を用いてSOIウエハ10の薄い方の薄いシリコン層13に不純物を導入することにより高抵抗部131aを形成する。不純物として、例えば2×1018/cmの濃度でボロン(B)イオンを注入する。イオン注入後はアニールによる活性化が行われる。SOIウエハ10は、厚いシリコン層11、エッチングストッパ層12および薄いシリコン層13を含む。SOIウエハ10の厚いシリコン層11は厚さ625μmの単結晶シリコンからなる。エッチングストッパ層12は厚さ1μmの二酸化シリコンからなる。薄いシリコン層は厚さ10μmの単結晶シリコンからなる。
次に図4に示すように薄いシリコン層13の表面に第一絶縁層20を形成する。第一絶縁層20として、例えば熱酸化またはCVDにより厚さ0.5μmの二酸化シリコンの膜を形成する。
次に図5に示すようにフォトレジストからなる保護膜R2を用いて第一絶縁層20にコンタクトホール20hを形成し、高抵抗部131aを露出させる。コンタクトホール20hは、例えばCF+HまたはCHFガスを用いた反応性イオンエッチングによって第一絶縁層20を異方的にエッチングすることによって形成する。フッ酸(HF)または緩衝フッ酸(BHF)を用いたウエットエッチングによってコンタクトホール20hを形成してもよい。
続いてコンタクトホール20hから露出している高抵抗部131aに不純物を導入することにより低抵抗部131bを形成する。不純物として、例えば2×1020/cmの濃度でボロンイオンを注入する。イオン注入後はアニールによる活性化が行われる。
次に図6に示すように、第一絶縁層20の表面上に電極層31、圧電層32、電極層33をこの順に積層する。電極層31、33としては、スパッタリング等によって白金からなる膜を形成する。第一絶縁層20と電極層31の密着層として厚さ30nmのチタン(Ti)を成膜してもよい。また電極層31の材料にはイリジウム(Ir)、酸化イリジウム(IrO)を用いても良い。電極層33の材料にはイリジウム、酸化イリジウム、金(Au)などを用いても良い。圧電層32としては、スパッタリング、ゾルゲル法等によってPZTからなる膜を形成する。電極層33と圧電層32の密着層として厚さ30nmのチタンを成膜しても良い。
次に図7に示すように、電極層33と圧電層32とをフォトレジストからなる保護膜R3を用いてエッチングすることにより、電極層33と圧電層32とを所定形状にパターニングする。具体的には、白金からなる電極層33はアルゴン(Ar)イオンを用いたイオンミリングによってパターニングする。PZTからなる圧電層32は塩素(Cl)をエッチングガスとして用いた反応性イオンエッチングによってパターニングする。
次に図8に示すように、電極層31をフォトレジストからなる保護膜R4を用いてエッチングすることにより、電極層31を所定形状にパターニングする。その結果、駆動用圧電素子30aと検出用圧電素子30bとが形成される。このとき同時にピエゾ抵抗素子131の配線と駆動用圧電素子30aおよび検出用圧電素子30bの下部電極の配線とが形成される。具体的には、白金からなる電極層31はアルゴン(Ar)イオンを用いたイオンミリングによってパターニングする。反応性イオンエッチングにより電極層31をパターニングしても良い。
次に図9A、図9Bおよび図9Cに示すように絶縁層20、電極層31および電極層33の表面に第二絶縁層40を形成する。具体的には感光性ポリイミドを塗布し、露光と現像とによってコンタクトホール40hと開口部40eとを形成することによって所定パターンの第二絶縁層40を形成する。なお、第二絶縁層40の材料としてシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、アルミナ等の無機材料を用いても良い。
次に図10に示すように第二絶縁層40の表面に表面配線層50を形成し、表面配線層50をエッチングすることによって所定パターンの配線を構成する表面配線層50を形成する。その結果、圧電素子の上部電極の配線とボンディングパッドとが表面配線層50によって構成される。表面配線層50として、例えばスパッタリングによって0.3μmの厚さのアルミニウム(Al)の膜を形成する。表面配線層50として銅やアルミシリコン(AlSi)の膜を形成してもよい。表面配線層50のパターンは、例えば塩素(Cl)ガスを用いた反応性イオンエッチングにより形成する。
次に図11に示すように第二絶縁層40を保護膜として用いて第一絶縁層20および薄いシリコン層13を所定形状にパターニングする。その結果、4つの梁Fのパターンが形成される。第一絶縁層20はCHFまたはCF+Hをエッチングガスとして用いた反応性イオンエッチングによってパターニングする。薄いシリコン層13はCF+Oをエッチングガスとして用いた反応性イオンエッチングによってパターニングする。テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)や水酸化カリウム(KOH)を用いたウエットエッチングによって梁Fのパターンを形成してもよい。
次に上述の工程によって形成された積層構造体Wの表面配線層50が形成されている面を図12に示すように犠牲基板71に接着する。接着層Bとして、例えばワックス、フォトレジスト、両面粘着シート等を用いる。
次に図13に示すようにフォトレジストからなる保護膜R5を用いて厚いシリコン層11をエッチングすることによって厚いシリコン層11に環状の通孔11hを形成することによって連結部Cの厚いシリコン層11からなる部分を形成する。具体的には例えば、SFプラズマガスを用いたパッシベーションとCプラズマガスを用いたエッチングのステップを短い時間間隔で交互に繰り返すDeep−RIE(いわゆるボッシュプロセス)によって厚いシリコン層11をパターニングする。なお、厚いシリコン層11のパターニングを最初に実施しても良いし、薄いシリコン層11の表面側を処理する工程の間に実施しても良い。
次に、環状の通孔11hから露出しているエッチングストッパ層12を図13に示すように等方性エッチングする。以上の工程を実施することによって、支持部Sと、一端が支持部Sと結合した可撓部としての梁Fと、梁Fの他端に結合している連結部Cと、梁Fの変形を検出する検出部としてのピエゾ抵抗素子131と検出用圧電素子30bとを備える積層構造体Wが完成する。
次に錘部Mを構成するベース層80となるウエハの加工について説明する。
まず図14に示すようにフォトレジストからなる保護膜R6を用いてベース層80となるウエハ80の上面(主面の一方)に環状凹部80aを形成する。環状凹部80aは錘部Mと支持部Sとの空隙Gを確保する。ウエハ80にはガラスウエハなどの透明なバルク材料を用いることが好ましい。具体的には例えば厚さ500μmのパイレックス(登録商標)ガラスをウエハ80として用いる。そしてCHF+Oをエッチングガスとして用いた反応性イオンエッチングによって深さ10μmの環状凹部80aを形成する。なお、ウエハ80に結晶化ガラスを用いても良い。ウエハ80に結晶化ガラスを用いることにより、後述する積層構造体Wとウエハ80との接合工程やダイシング工程においてウエハ80が損傷しにくくなる。また、フォトリソグラフィによる保護膜R6の形成とエッチングとの組み合わせにより環状凹部80aを形成する代わりに、ナノインプリントやレーザ加工やサンドブラスト等の機械加工によって環状凹部80aを形成しても良い。
次にフォトレジストからなる保護膜R7を用いてウエハ80の上面に環状溝80bを形成する。環状溝80bの深さは錘部Mの厚さを基準とし、錘部Mの厚さと一致させるか、錘部Mの厚さより僅かに深く設定する。ここでは環状溝80bの深さは錘部Mの厚さに等しい300μmとする。環状溝80bを形成することによって錘部Mの側面を確定させる。すなわち環状溝80bを錘部Mとなる領域に外接させることにより、環状溝80bの内側の側面は錘部Mの側面となる。このとき環状凹部80aが錘部Mの上面の外周にまで達するように環状溝80bは環状凹部80aと連続した領域もしくは環状凹部80aの内部に形成する。環状溝80bはCHFをエッチングガスとして用いる反応性イオンエッチングによって形成される。
なお、2つの保護膜R6、R7を用いて環状凹部80aと環状溝80bとを形成する代わりに、ハーフトーンマスクやレーザーを用いて形成される1つの立体パターンを有する保護膜とともにウエハ80を異方的にエッチングすることによって環状凹部80aと環状溝80bとを一工程で形成しても良い。
次に図16に示すようにウエハ80の上面に犠牲膜60を形成することによって環状凹部80aおよび環状溝80bを埋める。その結果、残部とは異質の犠牲膜60からなる異質領域がウエハ80に形成される。犠牲膜60としては、密着層としての厚さ0.3μmの窒化チタン(TiNx)膜をウエハ80の上面にCVD法によって形成した後に厚さ10μmの銅(Cu)膜を電界めっき法によって形成する。犠牲膜60のウエハ80との界面はウエハ80の底面をCMPやエッチングによって後退させるときに終点制御のためのストッパとなる。したがって犠牲膜60を複層構造とする場合、ウエハ80と接する層にはウエハ80のポリシングまたはエッチングに対するストッパとして機能する材料を用い、ウエハ80と接しない層にはウエハ80と同一の材料を用いることもできる。このように犠牲膜60を複層構造とすることによって応力やスループットの観点から犠牲膜60の材質を最適化することができる。また単層の犠牲膜60として、多結晶シリコンや窒化シリコン等の無機膜をCVD法によって形成しても良いし、ポリイミド・フォトレジスト等の有機膜をスピンコーティング等によって形成しても良い。また犠牲膜60のウエハ80と接する下層を窒化シリコン(Si)膜によって構成し、犠牲膜60のウエハ80と接しない上層をポリイミド膜によって構成しても良い。
次に図17に示すように、ウエハ80の上面が露出するまで犠牲膜60の表層を除去する。犠牲膜60が窒化チタンの下層と銅の上層との二層構造である場合、窒化チタン膜をポリシングストッパとして銅膜のCMPの終点を制御し、さらに窒化チタン膜を所定時間だけ除去することによってウエハ80の上面を露出させる。犠牲膜60が窒化シリコンの下層と多結晶シリコンの上層との二層構造である場合、CFをエッチングガスとする反応性イオンエッチングにより多結晶シリコン膜の表層を除去して窒化シリコン膜を露出させる。多結晶シリコン膜のエッチングの終点は、プラズマの発光スペクトルを観察することによって制御することが好ましい。また多結晶シリコン膜の表層をCMPによって除去し、窒化シリコン膜をポリシングストッパとして用いても良い。ウエハ80に接している窒化シリコン膜はCF+HまたはCHFをエッチングガスとして用いた反応性イオンエッチングにより除去し、ウエハ80の上面を露出させる。窒化シリコン膜のエッチングの終点もプラズマの発光スペクトルを観察することによって制御することが好ましい。
次に図3から図13に対応する工程を実施することによって形成された積層構造体Wを図18に示すようにウエハ80の上面に接合する。このとき、犠牲膜60で埋められた環状溝80bの内側領域が連結部Cの底面に接合されるように積層構造体Wとウエハ80とを位置合わせする。ウエハ80には錘部Mの厚さに等しい深さの環状溝80bが深く形成されているものの、環状溝80bおよび環状凹部80aが犠牲膜60によって埋められているため、積層構造体Wとウエハ80とを接合するのに必要な荷重がウエハ80に加わったとしてもウエハ80が損傷しにくい。連結部Cの底面を構成している厚いシリコン層11とウエハ80とは陽極接合によって直接接合する。陽極接合の条件は、例えば温度は250℃、厚いシリコン層11とウエハ80とに印加する電圧は800Vとする。
次に図19に示すように少なくとも犠牲膜60が露出するまでウエハ80の底面を後退させることによって錘部Mの厚さを調整する。犠牲膜60のウエハ80と接する下層が窒化チタン膜からなる場合、CHF+Oをエッチングガスとする反応性イオンエッチングによりウエハ80の底面を後退させ、窒化チタン膜からなる犠牲膜60の下層をエッチングストッパとして終点を制御する。その結果、ウエハ80の厚さが錘部Mの設計厚さに調整される。反応性イオンエッチングの代わりにCMPによってウエハ80の底面を後退させてもよい。なお、本工程において、犠牲膜60の下層が露出してから所定時間経過した時点にCMPの終点を設定して犠牲膜60の上層をウエハ80の底面に露出させても良い。本工程では、ウエハ80の底面を後退させる終点を犠牲膜60の露出時に制御できる。犠牲膜60は異方性エッチングにより形成された環状溝80bの深さまでウエハ80に埋め込まれている。ウエハ80の異方性エッチングでは環状溝80bの深さを正確に制御できる。したがって、本工程において設定されるウエハ80の底面を後退させる終点は、ウエハ80の上面から正確な深さに制御される。その結果、ウエハ80からなる錘部Mの厚さが設計値に正確に調整される。また本工程では、犠牲膜60によって環状凹部80aおよび環状溝80bが埋められた状態でウエハ80の底面を加工するため、ウエハ80が損傷しにくい。
次にウエハ80の底面に露出した異質領域である犠牲膜60を除去することによって錘部Mをウエハ80内においてリリースする。例えばCF+O+H+NHをエッチングガスとする反応性イオンエッチングにより、犠牲膜60の下層を構成する窒化チタン膜を除去し、犠牲膜60の銅膜からなる上層を露出させる。続いて銅膜からなる犠牲膜60の上層を等方性エッチングによって除去する。さらにウエハ80の環状凹部80aの表面に残存している犠牲膜60の窒化チタン膜からなる下層をSC1溶液(DI:H:NHOH)をエッチャントとして除去する。なお、ウエハ80の環状凹部80aの表面に残存している犠牲膜60の下層は除去せずに残存させておいても良い。本工程では、錘部Mをウエハ80内においてリリースするにあたってダイシング等による物理的な力がウエハ80に加える必要がないため、ウエハ80や積層構造体Wが損傷しにくい。
その後、ダイシング、パッケージング等の後工程を実施すると図1および図2に示すモーションセンサ1が完成する。
以上説明したモーションセンサ1の製造方法によると、錘部Mの厚さを正確に調整することができるため、特性のばらつきが小さいモーションセンサ1を製造することができる。またウエハ80の上面側からの加工だけで錘部Mの側面を確定できるため、錘部Mの寸法精度を高めることができる。
2.第二実施形態
(構成)
図20は本発明の第二実施形態によるモーションセンサのセンサダイ2Aを示す断面図である。図20において、センサダイ2Aを構成する層の界面は破線で示し、センサダイ2Aを構成する機械的構成要素の境界は実線で示している。
連結部Cの底面と錘部Mの上面とは図20に示すように樹脂層75による接着によって接合されていても良い。この場合、支持部Sの底面とベース層80の上面との間にも挿入される樹脂層75は支持部Sと錘部Mとが対向する領域において錘部Mと支持部Sとの緩衝層としても用いることが好ましい。これにより構造を複雑化することなしにモーションセンサの耐衝撃性能を向上させることができる。
(製造方法)
図21はセンサダイ2Aを製造する方法を示す断面図であって、図1B示すAA線断面に対応している。
第一実施形態において説明した図17に対応する工程までを実施した後、積層構造体Wと錘部Mとなるウエハ80とを接合する工程において、図21に示すように樹脂層75を積層構造体Wの厚いシリコン層11の底面に接合し、続いてウエハ80の上面を樹脂層75に接合すればよい。厚いシリコン層11に接合する樹脂層75のパターンは、厚いシリコン層11の底面のパターンと一致させる。すると、厚いシリコン層11の底面のパターンと錘部Mの上面のパターンとが重なっているため、樹脂層75が緩衝層となる。樹脂層75としてはポリイミドなどの熱可塑性樹脂接着剤を用いる。このとき厚いシリコン層11のパターニングに用いたフォトレジストからなる保護膜を除去せずに樹脂層75として用いても良い。ウエハ80を樹脂層75に接合するときには、例えば200℃に加熱し、6インチウエハあたり2tの荷重を印加して熱圧着する。その後、第一実施形態と同様に犠牲膜60を除去すると、センサダイ2Aが完成する。なお、図21に示すように、積層構造体Wに接合する前にウエハ80の底面を後退させて錘部Mの厚さを調整しても良い。
本実施形態によると、陽極接合では必要な電圧の印加が不要であるため、積層構造体Wと錘部Mとなるウエハ80とを接合する工程での電圧印加による絶縁破壊を防止することができる。また陽極接合に比べて低温条件下において積層構造体Wと錘部Mとなるウエハ80とを接合することができるため、接合時の熱膨張による応力を低減することができる。また接合面の凹凸や塵埃の付着による接合不良が陽極接合に比べて発生しにくい。
3.第三実施形態
図22から図25はモーションセンサ1のセンサダイ1Aを製造する第三実施形態を示す断面図である。図22から図25は図1Bに示すAA線断面に対応している。
本実施形態では錘部Mとなるウエハ80は感光性ガラスとする。そして錘部Mの厚さと等しい厚さのウエハ80を用いる。感光性ガラスとはある種の金属を含み、紫外線等の光の照射により露光された部分が加熱により結晶化するガラスである。例えば金、銀、パラジウムなどの核成形剤を0.01〜0.5%、光増感剤として微量の酸化セシウム(CeO)を含有した厚さ300μmのリチウム・ケイ酸塩ガラス板をウエハ80として用いる。
まず図22に示すようにウエハ80の上面にフォトレジストからなる保護膜R6を用いて環状凹部80aをエッチングにより形成する。例えばCHF+Oをエッチングガスとして用いた反応性イオンエッチングにより深さ10μmの環状凹部80aが形成される。ウエハ80上に保護膜R6を成膜する前に犠牲膜(遮光膜)としてクロム(Cr)を100nm成膜し、保護膜R6をマスクに用いて犠牲膜(遮光膜)をエッチングした後、保護膜R6、犠牲膜(遮光膜)の少なくとも一方を用いて環状凹部80aを形成しても良い。この場合、犠牲膜(遮光膜)は保護膜R6とともに除去する。
次に図23に示すように透光領域と遮光領域とを有するフォトマスク81を介してウエハ80に紫外線を照射し、第一実施形態で説明した環状溝80bに対応する形状を有する対象領域に潜像である露光領域80dを形成する。すなわち露光領域80dは錘部Mとなる領域に外接する対象領域に形成する。
次にウエハ80をガラス転移温度以上の高温で熱処理し露光領域80dを結晶化させることによって、図24に示すように残部とは異質の異質領域である微結晶領域80eを形成する。例えば850℃で2時間ウエハ80を加熱することにより潜像である露光領域80dが微結晶領域80eとして顕在化する。
次に微結晶領域80eが形成されたウエハ80を第一実施形態と同様に積層構造体Wに接合する。このとき、第一実施形態と同様にウエハ80に深い溝が形成されていないため、ウエハ80が破損しにくい。環状凹部80aによって応力が集中する領域が結晶化ガラスからなるため、ウエハ80がさらに破損しにくい。
次に積層構造体Wに接合されたウエハ80から微結晶領域80eを選択的に除去し、錘部Mをウエハ80内においてリリースするとセンサダイ1Aが完成する。具体的には例えば、積層構造体Wの表面配線層50が形成されている面を図示しない保護膜によって覆った後に、緩衝フッ酸を用いて微結晶領域80eを除去する。積層構造体Wの表面を覆う保護膜としてはフォトレジストや加熱により発泡する粘着テープを用いることができる。
本実施形態によると、ウエハ80内において錘部Mをリリースするために必要な異質領域となる犠牲膜を形成する必要がないため、製造工程を簡素化することができる。またウエハ80の上面側からの加工だけで錘部Mの側面を確定できるため、錘部Mの寸法精度を高めることができる。またウエハ80内において錘部Wをリリースする工程において、ダイサーとの摩擦力がウエハ80に加わらないため、ウエハ80や積層構造体Wが損傷することがない。
4.第四実施形態
図26および図27はモーションセンサ1のセンサダイ1Aを製造する第四実施形態を示す断面図であって、図1Bに示すAA線断面に対応している。
第三実施形態において説明した図24に対応する工程を実施した後、図26に示すようにウエハ80の底面にフォトレジストからなる補強板76を形成する。
次に、積層構造体Wにウエハ80を接合する前に、微結晶領域80eの表層(ウエハの上面に近い層)をエッチングにより選択的に除去する。これにより、図27に示すように積層構造体Wにウエハ80を接合した後に微結晶領域80eを除去するのに要する時間を短縮することができる。その結果、微結晶領域80eを選択的に除去するために用いるエッチャントによって積層構造体Wが受けるダメージを低減することができる。また微結晶領域80eの表層を除去することによってウエハ80の強度は第三実施形態に比べれば低下するものの、ウエハ80の薄肉部が結晶化ガラスからなる微結晶領域80eによって構成されているために十分な強度を有する。そしてウエハ80の強度を確保できないほどに微結晶領域80eの残厚を薄くすることによってウエハ80と積層構造体Wの接合後のエッチング時間を短縮するとしても、補強板76を接合した状態でウエハ80と積層構造体Wとの接合を実施すればウエハ80が損傷しにくくなる。
5.第五実施形態
図28および図29はモーションセンサ1のセンサダイ1Aを製造する第五実施形態を示す断面図であって、図1Bに示すAA線断面に対応している。
ウエハ80の露光領域80dはフォトマスクを用いずに図28に示すようにレーザ光をレンズLによって集光して形成しても良い。例えばフェムト秒レーザをレンズLによって集光し、集光点を移動させることによって環状凹部80aと環状溝80bとに対応する露光領域80dを形成する。1点に集光したレーザ光によって露光するため、自由な形状の露光領域80dを形成することができる。
次にウエハ80を第四実施形態と同様に熱処理することによって図29に示すように露光領域80dを微結晶領域80eとして顕在化させる。
本実施形態によると、ウエハ80に凹部や溝が全く形成されていない状態でウエハ80と積層構造体Wとを接合できるため、ウエハ80がさらに損傷しにくくなる。
5.第六実施形態
図30Aは図30Bに示すAA線断面を示している。レーザ光を集光することによって感光性ガラスからなるウエハに露光領域を形成する場合、錘部Mの設計自由度は高い。例えば図30に示すように支持部Sの内側空間の大部分を埋めるような形状の錘部Mを形成することも可能である。図30に示す錘部Mは連結部Cの底面よりも梁Fの側の空間に突出する4つの凸部を有する形態である。このように支持部Sの内側空間に占める錘部Mの割合を高めることにより、モーションセンサの感度を高めることができる。
図31から図34は図30に示すセンサダイ5Aを製造する方法を示す断面図であって、図30Bに示すAA線断面に対応する。
図31に示すようにレーザ光をレンズLによって集光することによってウエハ80に3次元形状の露光領域80dを形成する。露光領域80dのパターンはセンサダイ5Aの厚いシリコン層11のパターンが内側に収まる形態とする。
次に図32に示すように熱処理をウエハ80に施すことによって露光領域80dを微結晶領域80eに顕在化させる。
次に図33に示すように補強板76をウエハ80の底面に形成した状態で緩衝フッ酸を用いて微結晶領域80eの表層を選択的に除去する。本実施形態では微結晶領域80eが厚くなるため、積層構造体Wにウエハ80を接合する前の段階で微結晶領域80eを大部分除去しておくことが大変有効である。
次に図34に示すように積層構造体Wにウエハ80を接合し、その後に補強板76を除去した上で微結晶領域80eの残部を選択的に除去すればよい。
なお、積層構造体Wにウエハ80を直接接合する代わりに、図35に示すように樹脂層75を介して積層構造体Wとウエハ80とを接合しても良い。この場合、第二実施形態と同様に、図36に示すように錘部Mのストッパとして機能する支持部Sと錘部Mとの緩衝層として樹脂層75を機能させることができる。
6.他の実施形態
本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、厚いシリコン層11およびエッチングストッパ層12を省略し、連結部Cの底面を薄いシリコン層13の底面によって構成し、薄いシリコン層13とウエハ80とを接合しても良い。この場合、応力を緩和するために樹脂層75を介して薄いシリコン層13とウエハ80とを接合することが好ましい。また本発明はモーションセンサの他、加速度センサ、振動ジャイロスコープ、姿勢センサ等の他のMEMSセンサに適用することもできる。
また例えば、上記実施形態で示した材質や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。また例えば、上述した製造工程において、膜の組成、成膜方法、膜の輪郭形成方法、工程順序などは、膜材料の組み合わせや、膜厚や、要求される輪郭形状精度などに応じて適宜選択されるものであって、特に限定されない。
図1Aは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図1Bは本発明の第一実施形態にかかる上面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 図9Aおよび図9Bは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図9Cは本発明の第一実施形態にかかる上面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第二実施形態にかかる断面図。 本発明の第二実施形態にかかる断面図。 本発明の第三実施形態にかかる断面図。 本発明の第三実施形態にかかる断面図。 本発明の第三実施形態にかかる断面図。 本発明の第三実施形態にかかる断面図。 本発明の第四実施形態にかかる断面図。 本発明の第四実施形態にかかる断面図。 本発明の第五実施形態にかかる断面図。 本発明の第五実施形態にかかる断面図。 図30Aは本発明の第六実施形態にかかる断面図。図30Bは本発明の第六実施形態にかかる上面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。
符号の説明
1:モーションセンサ、1A:センサダイ、1B:パッケージ、2A:センサダイ、5A:センサダイ、10:SOIウエハ、11:シリコン層、11h:通孔、12:エッチングストッパ層、13:シリコン層、20:第一絶縁層、30a:駆動用圧電素子、30b:検出用圧電素子、31:電極層、32:圧電層、33:電極層、40:第二絶縁層、40e:開口部、40h:コンタクトホール、50:表面配線層、60:犠牲膜、71:犠牲基板、75:樹脂層、76:補強板、80:ベース層、80:ウエハ、80a:環状凹部、80b:環状溝、80d:露光領域、80e:微結晶領域、81:フォトマスク、90:ベース、90a:底面、91:貫通電極、92:接着層、93:接着層、94:カバー、95:ワイヤ、131:ピエゾ抵抗素子、131a:高抵抗部、131b:低抵抗部、B:接着層、C:連結部、F:可撓部、F:梁、G:空隙、L:レンズ、M:錘部、R1:保護膜、R2:保護膜、R3:保護膜、R4:保護膜、R5:保護膜、R6:保護膜、R7:保護膜、S:支持部、W:積層構造体

Claims (6)

  1. 支持部と、一端が前記支持部と結合し可撓性を有する可撓部と、前記可撓部の他端に結合している連結部と、前記可撓部の変形を検出する検出部とを備える積層構造体を形成し、
    前記連結部の底面に結合する錘部となる領域に外接する環状溝を前記積層構造体とは別体のウエハの上面に異方性エッチングにより形成し、
    前記ウエハの上面に前記環状溝を埋める犠牲膜を形成し、
    前記ウエハの上面が露出するまで前記犠牲膜の表層を除去し、
    前記ウエハの前記犠牲膜で埋められた前記環状溝の内側領域を前記連結部の底面に接合し、
    少なくとも前記犠牲膜が露出するまで前記ウエハの底面を後退させることによって前記錘部の厚さを調整し、
    前記連結部に接合された前記ウエハから前記犠牲膜を除去する、
    ことを含むMEMSセンサの製造方法。
  2. 前記積層構造体は、前記連結部の底面を構成し前記可撓部には含まれないバルク材料からなる厚層を含む、
    ことを含む請求項1に記載のMEMSセンサの製造方法。
  3. 前記厚層はシリコンからなり、
    前記ウエハはガラスからなる、
    ことを含む請求項2に記載のMEMSセンサの製造方法。
  4. 前記厚層と前記ウエハとを樹脂層を介して接着することを含み、
    前記支持部の前記厚層のパターンと前記錘部のパターンとは一部が重なり合い、前記支持部の前記厚層の底面に接合された前記樹脂層が前記錘部と前記支持部との緩衝層となる、
    請求項2または3に記載のMEMSセンサの製造方法。
  5. 前記厚層の表面に前記ウエハを直接接合する、
    請求項2または3に記載のMEMSセンサの製造方法。
  6. 支持部と、
    一端が前記支持部と結合し可撓性を有する可撓部と、
    前記可撓部の他端に結合している連結部と、
    前記連結部に結合し前記支持部のパターンと一部が重なるパターンを有し前記支持部に対して運動する錘部と、
    前記錘部の運動に伴う前記可撓部の変形を検出する検出部と、
    前記連結部の底面と前記錘部の上面とを接着している樹脂層とを備え、
    前記樹脂層は前記支持部のパターンと前記錘部のパターンとが重なっている領域において前記錘部と前記支持部との緩衝層を構成している、
    MEMSセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102944339A (zh) * 2012-10-22 2013-02-27 北京大学 一种mems压阻式压力传感器及其制备方法

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