JP2010140959A - 電気化学キャパシタ用電解液 - Google Patents

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晃一 斎藤
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靖幸 伊藤
Satomi Ohata
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秀樹 島本
Nao Matsumura
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Abstract

【課題】本発明の課題は、水分による加水分解を受けてHFを発生しない、高耐久性である電気化学キャパシタ用電解液を提供することである。
【解決手段】一般式(1)で表される電解質(A)を含有することを特徴とする電気化学キャパシタ用電解液であって、一般式(1)のRfが炭素数2〜4のアルキル基の水素の全部をフッ素で置換した基であることが好ましく、Mがアミジニウムであることが好ましい。
RfSO (1)
(式中のRfは、炭素数2〜4のアルキル基の水素の一部又は全部をフッ素で置換した基を、またMは4級アンモニウム基をそれぞれ示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は特に高耐久化が要求される電気化学キャパシタ用電解液である。
一般に使用される電解液は、4級アンモニウム塩のカーボネート系溶媒に溶解した溶液で、対アニオンは、BF 、PF の弗化物アニオンが用いられる。BF 、PF は広い電位窓を有し、また、ファンデルワールス体積が小さく、電解液に使用した際、高電導度、高耐電圧性を発現するアニオンである。(例えば特許文献1〜2参照)。
特開2000−114107 特開2008−034883
電解液に使用されるBF 、PF の弗化物アニオンは、高温、長時間の条件では水分による加水分解を受け、HFを発生する。発生したHFはコンデンサ部材の腐食、カーボネート系溶媒等の溶媒の分解を引き起こし、コンデンサの寿命、電気化学特性に悪影響を与えるという問題がある。
ファンデルワールス体積が比較的小さいことから抵抗が低く、広い電位窓を有し、かつ高温、長時間の条件でも水分による加水分解を受けてHFを発生しない電解質からなる電解液を使用したキャパシタは、電気化学特性も良く、高耐久性であることが期待できる。
本発明の課題は、このような高耐久性電気化学キャパシタ用電解液を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、一般式(1)で表される電解質(A)を含有することを特徴とする電気化学キャパシタ用電解液、及び該電気化学キャパシタ用電解液を使用した電気化学キャパシタである。
RfSO (1)
(式中のRfは、炭素数2〜4のアルキル基の水素の一部又は全部をフッ素で置換した基を、またMは4級アンモニウム基をそれぞれ示す。)
本発明の電解液は、高温、高圧で長時間の条件下でも水分による加水分解の影響が少ないため、本発明の電解液を使用したキャパシタは、電気化学特性も良く高耐久性である。
本発明の電気化学キャパシタ用電解液に含有される電解質(A)は、一般式(1)で表される。
RfSO (1)
式中のRfは、炭素数2〜4のアルキル基の水素の一部又は全部をフッ素で置換した基を、またMは4級アンモニウム基をそれぞれ示す。Rfの炭素数が1の場合、部材を腐食してしまうため、電気化学キャパシタ用電解液としては使用できない。また、Rfの炭素数が5以上の場合、アニオンのファンデルワールス体積が大きくなり、電導度が低くなる。
Rf基としては、炭素数2〜4のアルキル基の水素の一部をフッ素で置換した基、炭素数2〜4のアルキル基の水素の全部をフッ素で置換した基が挙げられるが、炭素数2〜4のアルキル基の水素の全部をフッ素で置換した基が好ましい。
炭素数2〜4のアルキル基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基を含む。
一般式(1)のアニオンの具体例としては、
アルキル基の水素の全部をフッ素で置換したペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、1−トリフルオロメチル−テトラフルオロエタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、1−トリフルオロメチル−ヘキサフルオロプロパンスルホン酸アニオン、1−トリフルオロメチル−ヘキサフルオロプロパンスルホン酸アニオン、1,1−ジトリフルオロメチル−トリフルオロエタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。
また、アルキル基の水素の一部をフッ素で置換した1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロプロパン−2−スルホン酸アニオン、1,2,2,3,3,3,−ヘキサフルオロプロパン−2−スルホン酸アニオン、3,3,3,−トリフルオロプロパンスルホン酸アニオン、2,2,3,3,3,−ペンタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、1,1,1,−トリフルオロプロパン−2−スルホン酸アニオン、1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン−2−スルホン酸アニオン、1,1,1,3,テトラフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン−2−スルホン酸アニオン、2−(ジフルオロメチル)−1,1,1,3,3,−ペンタフルオロプロパン−2−スルホン酸アニオン、1,1,1,3,−テトラフルオロ−2−メチルプロパン−2−スルホン酸アニオン、1,1,3,3,3,−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパンスルホン酸アニオン、2,2,3,3,4,4,4,−ペンタフルオロブタンスルホン酸アニオン、4,4,4,−トリフルオロブタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。
以下、上記アニオンをフルオロアルカンスルホン酸アニオンと記載することがある。
一方、4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、
テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムカチオン;
N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム、スピロ−(1、1’)−ビピロリジニウム、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウム等のピロリジンカチオン;
N,N′−ジメチルイミダゾリウム、N−エチル−N′−メチルイミダゾリウム、N,N′−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3ジメチルイミダゾリウム、1,2,3トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウムカチオン;
N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、1,2−ジメチルピリジニウム等のピリジニウムカチオン;
N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム等のピペリジニウムカチオン;
N,N−ジメチルイミダゾリニウム、N−エチル−N’−メチルイミダゾリニウム、N,N−ジエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム等のイミダゾリニウムカチオン;
N,N−ジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N,N−ジエチルモルホリニウム等のモルホリニウムカチオン;
N,N,N’,N’−テトラメチルピペラジニウム、N−エチル−N,N’,N’−トリメチルピペラジニウム、N,N−ジエチル−N’,N’−ジメチルピペラジニウム、N,N,N’−トリエチル−N’−メチルピペラジニウム、N,N,N’,N’−テトラエチルピペラジニウム等のピペラジニウムカチオン等が挙げられる。
上記記載のカチオンのうちで、N,N′−ジメチルイミダゾリウム、N−エチル−N′−メチルイミダゾリウム、N,N′−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3ジメチルイミダゾリウム、1,2,3トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウムカチオン;
N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、1,2−ジメチルピリジニウム等のピリジニウムカチオン、N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム等のピペリジニウムカチオン;
N,N−ジメチルイミダゾリニウム、N−エチル−N’−メチルイミダゾリニウム、N,N−ジエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム等のイミダゾリニウムカチオン等のアミジニウムが好ましく、一般式(2)で表されるイミダゾリウムカチオンが特に好ましい。
Figure 2010140959
[R、R3はC1〜C6のアルキル基、R、R4、R5はC1〜C6のアルキル基又は水素原子である。]
一般式(2)において、R、R4、R5は水酸基を有していてもよい炭素数1〜6の1価炭化水素基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、または水素原子であり、好ましくは炭素数1〜3の1価炭化水素基または水素原子であり、より好ましくは炭素数1〜2の1価炭化水素基または水素原子である。
一般式(2)で示されるイミダゾリウムカチオンの好ましい具体例としては、N,N′−ジメチルイミダゾリウム、N−エチル−N′−メチルイミダゾリウム、N,N′−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,5−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、4−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,4−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,5−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−4−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,3,4−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3,5−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,4,5−トリメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、4−エチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2−ジエチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−2,4−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジエチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジエチル−2,5−ジメチルイミダゾリウム、2,4−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、4,5−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチル−4−メチルイミダゾリウム、1,2,4−トリエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,5−トリエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3,4−トリエチル−2−メチルイミダゾリウム、1,3,4−トリエチル−5−メチルイミダゾリウム、1,4,5−トリエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウム等のアルキルイミダゾリウムイオンが挙げられ、分子サイズの観点から、最も好ましくは、1−エチル−2,3ジメチルイミダゾリウム、1,2,3トリメチルイミダゾリウム、及び1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムである。これらカチオンは分子サイズが小さいため粘度が低く、より高電導度の電解液となる。また、RがC1〜C4のアルキル基である場合、電気化学的安定性が飛躍的に向上し、キャパシタの耐久性が大幅に向上する。
本発明の電解質(A)の製造方法としては、以下のようである。まず、任意の3級アミンをアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などで4級化して、4級アンモニウム塩を得る。該4級アンモニウム塩にフルオロアルカンスルホン酸を加えることにより、対アニオンをフルオロアルカンスルホン酸アニオンに交換し、一般式(1)で表される電解質(A)を含有する粗電解質(A0)が合成される。
電解質(A)は、粗電解質(A0)を以下のような方法で精製することにより得られる。
なお、上記フルオロアルカンスルホン酸は、ハロゲン化アルキルを亜硫酸ナトリウムによりスルホン化後、アルキル基の水素をフッ化水素によりフッ素で置換し、蒸留により精製して、製造することができる。
上記のように合成された粗電解質(A0)は、例えば、アルコールを含有する溶媒(S1)中で再結晶して精製される。粗電解質(A0)をアルコールを含有する溶媒(S1)に溶解するときの温度は、10℃〜60℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。再結晶温度は−40℃〜30℃が好ましく、−15℃〜20℃がより好ましい。再結晶冷却時間は2時間〜60時間が好ましく、5時間〜20時間がより好ましい。
さらに、再結晶して精製された該結晶を、アルコールを含有する溶媒(S2)にて洗浄し、結晶中に残存するアルコールを含有する溶媒(S1)を除去することが好ましい。洗浄温度は−40℃〜30℃が好ましく、−15℃〜20℃がより好ましい。
アルコールを含有する溶媒(S1)とは、アルコール単独、および少なくとも2種以上のアルコールを混合した混合溶媒、少なくとも1種以上のアルコールとアルコール以外の溶媒を混合した混合溶媒のことである。混合溶媒の場合、合成された粗電解質(A0)の溶解性が高い溶媒を、混合溶媒中に多く含むものである。このとき、少なくとも2種類以上の混合溶媒は、使用する溶媒の混和性が高いほど好ましい。例えば、1−エチル−2,3ジメチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホン酸の場合、溶解性の高い溶媒として、エタノールが挙げられ、溶解性の低い溶媒としてイソプロピルアルコールが挙げられる。このとき、エタノールとイソプロピルアルコールの重量比率は、エタノールが60重量%以上であることが好ましい。
アルコールを含有する溶媒(S2)とは、アルコール単独、および少なくとも2種以上のアルコールを混合した混合溶媒、少なくとも1種以上のアルコールとアルコール以外の溶媒を混合した混合溶媒のことである。混合溶媒の場合、合成された粗電解質(A0)の溶解性が低い溶媒を、混合溶媒中に多く含むものである。このとき、少なくとも2種類以上の混合溶媒は、使用する溶媒の混和性が高いほど好ましい。例えば、1−エチル−2,3ジメチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホン酸の場合、溶解性の低い溶媒としてイソプロピルアルコールが挙げられ、溶解性の高い溶媒としてエタノールが挙げられる。このとき、イソプロピルアルコールとエタノールの重量比率は、イソプロピルアルコールが70重量%以上であることが好ましい。
アルコールとしては、例えば炭素数1〜8のアルコールが挙げられ、具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキサンメタノールが挙げられる。
アルコール以外の溶媒としては、例えばジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の炭酸エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素が挙げられる。
これらのなかで、メタノール、およびエタノール、イソプロピルアルコール、メタノールとエタノール、メタノールとイソプロピルアルコール、メタノールとt−ブチルアルコール、メタノールとトルエン、メタノールとキシレン、メタノールとシクロヘキサン、メタノールとヘキサン、メタノールとクロロホルム、メタノールとジメチルカーボネートの混合溶媒とイミダゾリウム塩の組合せが好ましく、メタノール、およびエタノール、メタノールとエタノール、メタノールとイソプロピルアルコール、メタノールとトルエン、メタノールとヘキサンの混合溶媒とイミダゾリウム塩の組合せがより好ましく、メタノール、およびメタノールとエタノール、メタノールとトルエンの混合溶媒とイミダゾリウム塩の組合せが特に好ましい。
粗電解質(A0)とアルコールを含有する溶媒(S1)の重量比率は、3:97〜50:50が好ましく、5:95〜25:75がより好ましい。
上記操作後、電解質(A)の結晶に残存する溶媒を留去する条件は、温度40〜150℃、圧力は常圧以下であることが好ましく、20KPa以下であることがより好ましい。
本発明の電気化学素子用電解液は上記操作で得られた電解質(A)を単独で用いることができるが、好ましくは電解質(A)を非水溶媒(B)に溶解して用いる。
非水溶媒(B)としては、特に限定されず、公知のものが使用され、電解質(A)の溶解性と電気化学的安定性とを考慮して適宜選択でき、例えば、以下のものが挙げられる。非水溶媒(B)は、単独で用いても良いし、2種以上の混合物であっても良い。
・エーテル:炭素数4〜12の鎖状エーテル(ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテル等)、及び炭素数4〜12の環状エーテル{テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、4−ブチルジオキソラン及びクラウンエーテル(1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン等)等}等。
・アミド:炭素数3〜6の鎖状アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド及びヘキサメチルホスホリルアミド等)、及び炭素数4〜6の環状アミド(ピロリジノン、N−メチルピロリジノン及びN−ビニルピロリジノン等)。
・ニトリル:炭素数2〜5のニトリル(アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、3−エトキシプロピオニトリル及びアクリロニトリル等)。
・カーボネート:炭素数3〜4の鎖状カーボネート(ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等)、及び炭素数3〜4の環状カーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート及びビニレンカーボネート等)。
・スルホキシド:炭素数2〜6の鎖状スルホキシド(ジメチルスルホキシド及びジプロピルスルホキシド等)。
・スルホン:炭素数4〜6の環状スルホン(スルホラン、3−メチルスルホラン及び2,4−ジメチルスルホラン等)。
・ニトロ化合物:ニトロメタン及びニトロエタン等。
・他の環状化合物:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等。
これらのうち、カーボネート、スルホン及びニトリルが好ましく、さらに好ましくはプロピレンカーボネート、アセトニトリル、スルホラン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートである。これらの非水溶媒(B)は、2種以上の混合物であってもよいが、混合物の場合は主溶媒と副溶媒とからなることが好ましい。主溶媒としてはプロピレンカーボネートが好ましい。副溶媒としてはジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましく、特に好ましくはジメチルカーボネートである。混合物の非水溶媒(B)の好ましい例としてはプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネートが好ましい。ここで主溶媒とは、非水溶媒のうち、50〜99重量%、好ましくは70〜90重量%を含有することを意味する。副溶媒とは、混合物の非水溶媒のうち、1〜50重量%、好ましくは10〜30重量%を含有することを意味する。
本発明で得られる電気化学素子用電解液は、HFの発生を抑制し、コンデンサの電気化学特性が保持される高耐久性の電解液である。
また、本発明の電気化学素子用電解液を使用して、電気化学キャパシタ等の電気化学素子を製造することができる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」、%は重量%を意味する。
以下の製造例、実施例において、電解質(A)の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量して決定した。
HPLCの条件は、カラム:ポリマーコート型充填剤を充填したもの、移動相:リン酸緩衝液(pH2〜3)、流速:0.8ml/min、検出器:UV、温度:40℃である(例えば、機器:型名(LC−10A)、メーカー(島津製作所)、カラム:ODS C18−MG(4.6mmφ×25cm)メーカー(資生堂)、移動相:リン酸の濃度10mmol/L、過塩素酸ナトリウムの濃度100mmol/Lの水溶液、流速:0.8ml/min、検出器:UV(210nm)、RI(示差屈折率)注入量:20μl、カラム温度:40℃)。
電解質(A)の構造は、1H−NMR(機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)、19F−NMR(機器:XL−300(バリアン製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)及び13C−NMR(機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)等によって特定した。
水分はカールフィシャー電量滴定法により測定した。
残存溶媒量はガスクロマトグラフィー[機器:GC−17A(株式会社島津製作所製)、カラム温度:50〜220℃まで5℃/min、検出器:FID、カラム:DBWAX(LENGTH:30m、ID:0.53mm、FILM:1.5μm J&W Scientific社製)]により定量した。
実施例1
公知の方法(例えば特開2005−197666号公報)により合成した1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩427部をフラスコにとり、撹拌下においてノナフルオロブタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)308部を0℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状275部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホネート(以下粗EDMI・CSOと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗EDMI・CSO100部をイソプロピルアルコール150部に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−15℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、125℃で3時間、減圧下、イソプロピルアルコール、水分を留去し、EDMI・CSOを得た。乾燥後の水分は42ppm、残存溶媒量は31ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.86%であった。収率は80%であった。
実施例2
2−クロロプロパン(東京化成工業株式会社製)を亜硫酸ナトリウムによりスルホン化後、アルキル基の水素をフッ化水素によりフッ素で置換し、蒸留により分離、精製して1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−スルホン酸を得た。
実施例1で得られた1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩410部に、得られた1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−スルホン酸282部を5℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状213部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−スルホネート(以下粗EDMI・(CFCSOと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗EDMI・(CFCSO100部をエタノール160部に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−15℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、135℃で3時間、減圧下、エタノール、水分を留去し、EDMI・(CFCSOを得た。乾燥後の水分は37ppm、残存溶媒量は22ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.57%であった。収率は76%であった。
実施例3
ブロモエタン(東京化成工業株式会社製)を亜硫酸ナトリウムによりスルホン化後、アルキル基の水素をフッ化水素によりフッ素で置換し、蒸留により分離、精製してペンタフルオロエタンスルホン酸を得た。
実施例1で得られた1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩472部に、得られたペンタフルオロエタンスルホン酸215部を5℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状240部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムペンタフルオロエタンスルネート(以下粗EDMI・CSOと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗EDMI・CSO100部をメタノールとエタノールの混合溶媒160部(メタノールとエタノールの比率は15:85重量%)に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−25℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、125℃で3時間、減圧下、メタノール、エタノール、水分を留去し、EDMI・CSOを得た。乾燥後の水分は23ppm、残存溶媒量は46ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.86であった。収率は63%であった。
実施例4
2−クロロ−2−メチルプロパン(東京化成工業株式会社製)を亜硫酸ナトリウムによりスルホン化後、アルキル基の水素をフッ化水素によりフッ素で置換し、蒸留により分離、精製して1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロプロパン−2−スルホン酸を得た。
実施例1で得られた1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩547部に、得られた1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロプロパン−2−スルホン酸290部を5℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状267部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロプロパン−2−スルホネート(以下粗EDMI・(CFCHSOと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗EDMI・(CFCHSO100部をメタノール130部に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−15℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、135℃で3時間、減圧下、メタノール、水分を留去し、EDMI・(CFCHSOを得た。乾燥後の水分は21ppm、残存溶媒量は18ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.91%であった。収率は78%であった。
実施例5
2−クロロ−2−メチルプロパン(東京化成工業株式会社製)を亜硫酸ナトリウムによりスルホン化後、アルキル基の水素をフッ化水素によりフッ素で置換し、蒸留により分離、精製して1,1,1,2,3,3,3,−ヘプタフルオロプロパン−2−スルホン酸を得た。
実施例1で得られた1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩431部に、得られた1,1,1,2,3,3,3,−ヘプタフルオロプロパン−2−スルホン酸183部を5℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状203部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1,1,1,2,3,3,3,−ヘプタフルオロプロパン−2−スルホネート(以下粗EDMI・(CFCFSOと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗EDMI・(CFCFSO100部をエタノール160部に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−10℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、135℃で3時間、減圧下、エタノール、水分を留去し、EDMI・(CFCFSOを得た。乾燥後の水分は23ppm、残存溶媒量は26ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.86%であった。収率は78%であった。
実施例6
1−ブロモプロパン(東京化成工業株式会社製)を亜硫酸ナトリウムによりスルホン化後、アルキル基の水素をフッ化水素によりフッ素で置換し、蒸留により分離、精製して、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸を得た。
公知の方法(例えば特開2005−197666号公報)により合成した1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩427部に、得られたヘプタフルオロプロパンスルホン酸192部を5℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状230部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムヘプタフルオロプロパンスルホネート(以下粗EDMI・CSOと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗EDMI・CSO100部をメタノールとエタノールの混合溶媒175部(メタノールとエタノールの比率は70:30重量%)に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−15℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、125℃で3時間、減圧下、メタノール、エタノール、水分を留去し、EDMI・CSOを得た。乾燥後の水分は34ppm、残存溶媒量は41ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.57であった。収率は68%であった。
実施例7
公知の方法(例えば特開2005−197666号公報)により合成した1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩427部にノナフルオロブタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)308部を0℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状275部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホネート(以下粗EMI・CSOと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗EMI・CSO100部をイソプロピルアルコール150部に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−40℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、125℃で3時間、減圧下、イソプロピルアルコール、水分を留去し、EDMI・CSOを得た。乾燥後の水分は46ppm、残存溶媒量は32ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.35%であった。収率は56%であった。
実施例8
合成したトリエチルメチルアンモニウム炭酸塩395部をフラスコにとり、撹拌下においてノナフルオロブタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)を0℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状物質81部が残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、トリエチルメチルアンモニウムノナフルオロブタンスルホネート(以下粗TEMA・CSOと略す)であった。
三角フラスコに作成した粗TEMA・CSO100部をメタノール、エタノールの混合溶媒200部(メタノールとエタノールの比率は70:30重量%)に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−10℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、125℃で3時間、減圧下、メタノール、エタノール、水分を留去し、TEMA・BFを得た。乾燥後の水分は37ppm、残存溶媒量は19ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.62%であった。収率は69%であった。
比較例1
実施例1で得られた1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩427部をフラスコにとり、撹拌下においてトリフルオロメタンスルホン酸(東京化成工業製)157部を0℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状283部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(以下粗EDMI・CFSOと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗EDMI・CFSO100部をエタノール165部に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−15℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、125℃で3時間、減圧下、エタノール、水分を留去し、EDMI・CFSOを得た。乾燥後の水分は42ppm、残存溶媒量は31ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.86%であった。収率は76%であった。
比較例2
公知の方法(例えば特開2005−197666号公報)により合成した1、2、3−トリメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩395部をフラスコにとり、撹拌下においてホウフッ化水素酸水溶液207部(純度42重量%)を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状80部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下粗TMI・BFと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗粗TMI・BF100部をメタノール135部に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−15℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、125℃で3時間、減圧下、メタノール、水分を留去し、TMI・BFを得た。乾燥後の水分は46ppm、残存溶媒量は32ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.62%であった。収率は60%であった。
比較例3
1−クロロペンタン(東京化成工業株式会社製)を亜硫酸ナトリウムによりスルホン化後、アルキル基の水素をフッ化水素によりフッ素で置換し、蒸留により分離、精製してウンデカフルオロペンタンスルホン酸を得た。
実施例1で得られた1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩472部に、得られたウンデカフルオロペンタンスルホン酸215部を5℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状240部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムペンタフルオロエタンスルネート(以下粗EDMI・C11SOと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗EDMI・C11SO100部をメタノールとエタノールの混合溶媒160部(メタノールとエタノールの比率は15:85重量%)に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−25℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、125℃で3時間、減圧下、メタノール、エタノール、水分を留去し、EDMI・C11SOを得た。乾燥後の水分は23ppm、残存溶媒量は46ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.86であった。収率は63%であった。
比較例4
1−クロロブタン(東京化成工業株式会社製)を亜硫酸ナトリウムによりスルホン化後、蒸留より分離、精製してブタンスルホン酸を得た。
実施例7で得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩427部に得られたブタンスルホン酸237部を0℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状226部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブタンスルホネート(以下粗EMI・CSOと略す)であった。
三角フラスコに、作成した粗EMI・CSO100部をイソプロピルアルコール150部に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−40℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、125℃で3時間、減圧下、イソプロピルアルコール、水分を留去し、EMI・CSOを得た。乾燥後の水分は39ppm、残存溶媒量は36ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.20%であった。収率は56%であった。
比較例5
公知の方法(例えば特開2005−197666号公報)により合成した1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩532部にヘキサフルオロりん酸カリウム(東京化成工業株式会社)195部を0℃下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、黄褐色透明の液状235部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスホネート(以下粗TeMI・PFと略す)であった。
三角フラスコに、作成したTeMI・PF100部をイソプロピルアルコール150部に、25℃で撹拌しながら溶液にした。−10℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、125℃で3時間、減圧下、イソプロピルアルコール、水分を留去し、TeMI・PFを得た。乾燥後の水分は46ppm、残存溶媒量は32ppmであった。HPLC、19F−NMR、13C−NMR、H−NMR分析より、得られたイミダゾリウム塩の純度は99.10%であった。収率は56%であった。
本発明の実施例1〜8および比較例1〜5の電解質をプロピオンカーボネート(PCと略記する。)で1mol/Lに希釈し、本発明の電解液1〜8及び比較電解液1〜5を作成した。
これらの各種電解液を使用して、コイン型の電気二重層キャパシタを作製し、初期抵抗値と等価直列抵抗の変化率を評価した。これらの結果を表1に示した。
(1)等価直列抵抗の変化率
電気化学キャパシタに80℃で2.8Vの電圧を3000時間印加したときの電気化学キャパシタの1kHzでの等価直列抵抗(RE3000)と電圧印加前の1kHzでの等価直列抵抗(RE0)との比を以下の式で算出し、これを等価直列抵抗の変化率とした。なお、等価直列抵抗はインピーダンスアナライザ(ソーラトロン製SI1253、SI1286)を用いて25℃で測定した。この変化率は、値が小さいほど、経時的な性能劣化が小さく、良好な充放電特性を維持できることを意味する。
等価直列抵抗変化率(%)=[(RE3000)/(RE0)]×100
Figure 2010140959
表1から、フルオロアルキルスルホン酸塩のうち、一般式(1)で表される炭素数2〜4のフルオロアルキル基を有する電解質(A)を含有する電解液は、高温、長時間の条件でも等価直列抵抗の変化率が小さく、高耐久性の電解液であることが判明した。
本発明の、電解質(A)を含有する電気化学キャパシタ用電解液は、電気化学素子用電解液、特に電気化学キャパシタ用電解液、電気二重層キャパシタ用に好適に用いられる。

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表される電解質(A)を含有することを特徴とする電気化学キャパシタ用電解液。
    RfSO (1)
    (式中のRfは、炭素数2〜4のアルキル基の水素の一部又は全部をフッ素で置換した基を、またMは4級アンモニウム基をそれぞれ示す。)
  2. 一般式(1)におけるRfが、炭素数2〜4のアルキル基の水素の全部をフッ素で置換した基である請求項1に記載の電気化学キャパシタ用電解液。
  3. 一般式(1)におけるMがアミジニウムである請求項1に記載の電気化学キャパシタ用電解液。
  4. 一般式(1)におけるMが、1−エチル−2,3ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、及び1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ用電解液。
  5. さらに非水溶媒(B)を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ用電解液。
  6. 非水溶媒(B)が、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、アセトニトリル、スルホラン及びガンマブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも一種の溶媒である請求項5に記載の電気化学キャパシタ用電解液。
  7. 一般式(1)で表される電解質(A)が、一般式(1)で表される電解質(A)を含有する粗電解質(A0)を、アルコールを含有する溶媒(S1)中で再結晶して精製されたものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ用電解液。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ用電解液を使用してなる電気化学キャパシタ。
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