JP2010140938A - 細線印刷方法、光透過性電磁波シールド材の製造方法及び光透過性電磁波シールド材 - Google Patents

細線印刷方法、光透過性電磁波シールド材の製造方法及び光透過性電磁波シールド材 Download PDF

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Yoshinori Iwabuchi
芳典 岩淵
Hideaki Takenouchi
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Abstract

【課題】導電性インク又は前処理剤等を透明基材に印刷することにより電磁波シールド層を形成する光透過性電磁波シールド材の製造方法において、高精細メッシュパターン等の精細画像を精確に形成することで、光透過性と電磁波シールド性とを十分に両立させた製造方法、及びその製造方法によって得られる光透過性電磁波シールド材を提供する。
【解決手段】凹版印刷における版胴12の凹部13に電磁波シールド層形成用材料16を充填し、版胴12と版胴12に対向配置された圧胴ロール14との間に透明基材17を挿入し、透明基材17の表面に電磁波シールド層形成用材料16を転写する工程を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法であって、
転写工程前に、前記透明基材17を加熱する工程を含むことを特徴とする製造方法、及びその製造方法よって得られる光透過性電磁波シールド材。
【選択図】図1

Description

本発明は、細線の印刷方法、その印刷方法を適用する、プラズマディスプレイパネル(PDP)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓に用いられ得る貼着用シート等として有用な光透過性電磁波シールド材の製造方法、及びその製造方法により得られる光透過性電磁波シールド材に関する。
近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波によりもたらされる人体への影響が懸念されている。また、携帯電話等の電磁波により精密機器の誤作動などを起こす場合もあり、この点からも電磁波は問題視されている。
OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性及び光透過性を有する光透過性電磁波シールド材が開発され、実用に供されている。このような光透過性電磁波シールド材はまた、電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。
この光透過性電磁波シールド材では、光透過性と電磁波シールド性を両立することが必要である。そのために、光透過性電磁波シールド材は、例えば、透明基材の一方の面に、金属線や導電性繊維を編み状にした導電メッシュ、銅箔等の層を網状にエッチング加工して開口部を設けもの、又は導電性粉末を含む導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等の電磁波シールド層を設けたものが使用される。この導電性のメッシュ部分によって電磁波がシールドされ、開口部によって光の透過が確保される。
このような電磁波シールド層において、優れた光透過性と電磁波シールド性を両立させるには、メッシュ状の導電層を用い、極めて線幅を細くし、非常に微細な高精細パターンとする必要があるが、従来の光透過性電磁波シールド材では、光透過性と電磁波シールド性を十分に両立させるのが困難であった。
その中で、導電性インクの印刷により電磁波シールド層を形成する光透過性電磁波シールド材は、例えば、金属粉末又はカーボン粉末などの導電性粉末と、樹脂とを含む導電性インクを用い、透明基材上に凹版オフセット印刷法により印刷パターンを形成する方法を用いて製造される。従って、エッチング加工などを必要とせず、簡易な方法かつ低コストで製造できるという利点を有している。
この技術を改良したものとして、特許文献1および2では、導電性インクを凹版オフセット印刷法により透明基材上に印刷パターンを形成した後、さらに電磁波シールド性を向上させるために、無電解めっき又は電解めっきなどにより、前記印刷パターン上に金属層を選択的に形成する方法が開示されている。
また、特許文献3では、透明基体に、貴金属超微粒子触媒と反対の表面電荷をもった粒子に前記貴金属超微粒子触媒を担持させて作製した担持体を含有するペーストでパターン印刷を行い、このパターン印刷された貴金属超微粒子触媒上に無電解めっき処理を施して、パターン印刷部のみに導電性の金属層を形成させる光透過性電磁波シールド材の製造方法が開示されている。
更に、特許文献4には、電磁波障害を受け得る電子装置類の外装を構成する不導体基板の少なくとも一方の面に、複合金属酸化物水化物とバインダとからなる塗料組成物を塗布し、該組成物を乾燥して下地層を形成するステップと、該下地層の表面に銅及び/又はニッケルを無電解メッキすることにより金属層を形成するステップとからなることを特徴とする電磁波シールドの形成方法が開示されている。
特許第3017987号明細書 特許第3532146号明細書 特許第3363083号明細書 特開平09−135097号公報
しかしながら、上述した特許文献1〜3による光透過性電磁波シールド材では、導電性インク又はペーストを透明基材に精度よく印刷して、幅が数十μm以下の高精細メッシュパターンを形成するのが困難であり、光透過性と電磁波シールド性との両立に依然として改善の余地を残している。例えば、インクの粘度が低い場合は、透明基材へ印刷されたメッシュパターンが乾燥までの間に、垂れて広がる傾向があるため、目的の寸法の高精細メッシュパターンを印刷できない。
また、特許文献4では、下地層の全面に銅及び/又はニッケルを無電解めっきすることにより金属層を形成しているため、透明性が十分でなく光透過性電磁波シールド材としては不適である。
特許文献4に記載の下地層を凹版印刷等で、メッシュ状に形成することも考えられるが、このような下地層の形成用インク(前処理剤)を用いて微細なメッシュパターンを印刷する場合も、特許文献1〜3の場合と同様な問題が生じる。
従って、本発明の目的は、凹版印刷等で高精細の細線を印刷する方法を提供し、上述のように、導電性インク又は前処理剤等を透明基材に印刷することにより電磁波シールド層を形成する光透過性電磁波シールド材の製造方法において、高精細メッシュパターン等の精細画像を精確に形成することで、光透過性と電磁波シールド性とを十分に両立させた製造方法、及びその製造方法によって得られる光透過性電磁波シールド材を提供することにある。
上記目的は、凹版印刷における版胴の凹部に印刷用材料を充填し、当該版胴と版胴に対向配置された圧胴ロールとの間に印刷基材を挿入し、当該印刷基材の表面に当該印刷用材料を転写する工程を含む細線印刷方法であって、転写工程前に、前記印刷基材を加熱する工程を含むことを特徴とする方法によって達成される。
これにより、版胴の凹部の印刷用材料が印刷基材に接触・転写された時点で印刷用材料の乾燥が促進され、印刷用材料が垂れて広がることを抑制することが可能となるため、印刷用材料の高精細な画像を印刷基材の表面に形成することができる。
本発明の細線印刷方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記印刷基材の加熱を、加熱した前記圧胴ロールの表面と接触させることにより行うことを含む。
(2)前記印刷基材の加熱を、前記転写工程前に設けた予備加熱装置の加熱領域を通過させることにより行うことを含む。
また、上記目的は、凹版印刷における版胴の凹部に電磁波シールド層形成用材料を充填し、その版胴と版胴に対向配置された圧胴ロールとの間に透明基材を挿入し、透明基材の表面に当該電磁波シールド層形成用材料を転写する工程を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法であって、転写工程前に、前記透明基材を加熱する工程を含むことを特徴とする製造方法によっても達成される。
これにより、版胴の凹部の電磁波シールド層形成用材料が透明基材に接触・転写された時点で電磁波シールド層形成用材料の乾燥が促進され、電磁波シールド層形成用材料が垂れて広がることを抑制することが可能となるため、電磁波シールド層形成用材料の高精細な所定のパターンを目的の寸法で透明基材の表面に形成することができる。従って、高精細メッシュパターン等の電磁波シールド層を有する光透過性電磁波シールド材を製造することができる。
本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記透明基材の加熱を、加熱した前記圧胴ロールの表面と接触させることにより行うことを含む。
(2)前記透明基材の加熱を、前記転写工程前に設けた予備加熱装置の加熱領域を通過させることにより行うことを含む。
(3)前記凹版印刷がダイレクトグラビア印刷である。
(4)前記透明基材がポリエチレンテレフタレートである
(5)前記加熱圧胴ロールの表面温度及び/又は前記予備加熱装置の加熱領域温度が50〜150℃である。
(6)前記電磁波シールド層形成用材料が、導電性粒子及びバインダ樹脂を含む導電性インクである。
(7)前記導電性粒子が銀、銅、金、ニッケル、インジウム、スズ及び導電性高分子からなる群より選ばれた1種以上の導電性物質を含む粒子である。
(8)前記電磁波シールド形成用材料が、無電解めっき前処理剤である。
(9)前記無電解めっき用前処理剤が、複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物と合成樹脂を含む液である。
(10)前記無電解めっき前処理剤が、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物又は反応生成物、及び貴金属化合物を含む液である。
また、上記目的は、本発明の製造方法によって製造される光透過性電磁波シールド材によっても達成される。
本発明の細線印刷方法によれば、高精細な画像をどのような印刷基材にも印刷することができる。また、本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法によれば、高精細メッシュパターンの電磁波シールド層を有する光透過性電磁波シールド材を製造することができるので、光透過性が高く、且つ電磁波シールド性に優れた光透過性電磁波シールド材を製造することができる。従って、本発明の光透過性電磁波シールド材は光透過性と電磁波シールド性が十分に両立された光透過性電磁波シールド材であるということができる。
本発明の細線印刷方法の代表的な例として、本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法、及び光透過性電磁波シールド材について図面を参照しながら説明する。図1には本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法における、凹版印刷の代表的な一例を示す。
図1に示す例は、ダイレクトグラビア印刷であり、版胴としてグラビアロール12、グラビアロール12に対向する圧胴ロール14、及びドクターブレード15を有する印刷機で行うものである。グラビアロール12は所定の高精細メッシュパターンを彫りこまれた凹部13を有する。圧胴ロール14は電気ヒータ20を内蔵する。透明基材17はポリエチレンテレフタレート製の長尺状フィルムである。
まず、電磁波シールド層形成用材料として導電性インク16をグラビアロール12に付着させ、ドクターブレード15で導電性インク16を掻き落とし、凹部13にのみ導電性インク16を充填する。透明基材17はグラビアロール12と圧胴ロール14の間に挿入され、その間に挟まれた状態で搬送され、その間に圧胴ロール14によりグラビアロール12に押しつけられ、透明基材17に凹部13に充填された導電性インク16が転写される。ここで、圧胴ロール14が電気ヒータ20で加熱されており、導電性インク16が転写される前に、透明基材17が圧胴ロール14に接触することによって加熱されている。これにより、透明基材17に導電性インク16が接触する時点で導電性インク16の乾燥が促進され、導電性インク16が垂れて広がることが抑制される。その後透明基材17は乾燥炉へ搬送され、十分に乾燥される。
導電性インク16の乾燥を早めるために、インク中の溶剤を低沸点のものにするなど、導電性インク16の組成を検討する方法もあるが、その場合は、透明基材17に転写される前においても、乾燥し易くなるため、グラビアロール12の凹部13の目詰まりや、乾燥度合が場所によって異なり、印刷ムラが生じるなどの問題がある。本発明の方法によれば、凹部13に充填された導電性インク16が透明基材17と接触した時点で、初めて乾燥が促進されるため、凹部13の目詰まり等の問題もなく、所定の高精細メッシュパターンを透明基材17に印刷することができる。
圧胴ロール14の加熱は所定の温度に圧胴ロール14を加熱ができれば電気ヒータ20に依らなくても、蒸気や温水循環等、任意な加熱方法で行うことができる。
図2には本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法における凹版印刷の別の代表例を示す。図2に示す例は、図1の場合と同様に、所定の高精細メッシュパターンを彫りこまれた凹部23を有するグラビアロール22、グラビアロール22に対向する圧胴ロール24、及びドクターブレード25を有する印刷機で行うダイレクトグラビア印刷である。透明基材27は図1の透明基材17と同様である。図2の場合は、図示のように図1とは異なり、透明基材27がグラビアロール22及び圧胴ロール24と接触する前に、加熱領域を有する予備加熱装置30が設けられている。
まず、図1の場合と同様に、電磁波シールド層形成用材料として導電性インク26をグラビアロール22に付着させ、ドクターブレード25で導電性インク27を掻き落とし、凹部23にのみ導電性インク26を充填する。透明基材27は予備加熱装置30の加熱領域を通過することにより、所定の温度に加熱された後、グラビアロール22と圧胴ロール24の間に挟まれて搬送される。その間に透明基材27は、圧胴ロール24によりグラビアロール22に押しつけられ、導電性インク26が転写される。ここで、導電性インク26が転写される前に、透明基材27が予備加熱装置30の加熱領域を通過することによって加熱されているため、透明基材27に導電性インク26が接触する時点で導電性インク26の乾燥が促進され、導電性インク26が垂れて広がることが抑制される。
予備加熱装置30は所定の温度の加熱領域を有するものであれば、任意の装置を使用することができる。例えば、電気ヒータや蒸気による加熱炉型等の気相加熱式装置、又は電気ヒータ、蒸気又は温水循環等によって加熱される加熱用ロール等の接触加熱式装置が挙げられる。
図1及び2に示す例においては、ダイレクトグラビア印刷であるが、凹版オフセット印刷であっても、導電性インクが透明基材に転写される前に透明基材が、圧胴ロールまたは予備加熱装置によって加熱されていれば適用できる。版胴から直接透明基材に転写するため、転写回数が少なく、目的とする高精細メッシュパターンのコントロールが容易な点でダイレクトグラビア印刷が好ましい。
透明基材としては、図1及び2の例においてはポリエチレンテレフタレート(PET)を使用したが、透明性及び可とう性を備え、その後の処理に耐えるものであれば特に制限はない。透明基材の材質としては、例えば、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる、これらの中で、加工処理(加熱、溶剤、折り曲げ)による劣化が少なく、透明性の高い材料であるPET、PC、PMMAが好ましく、特にPETが好ましい。透明基材の厚さは特に限定されないが、光透過性電磁波シールド材の光透過性を維持するという観点からすると薄いほど好ましく、通常は、使用時の形態や必要とされる機械的強度に応じて0.05〜5mmの範囲で適宜、厚さが設定される。
なお、透明基材には前処理剤との密着性、あるいは転写性、形状保持性を向上させる目的で、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等の1層以上のコーティング層(アンカーコート層)を設けても良い。
加熱方式については、図1の圧胴ロール14に加熱装置を設ける方式の方が透明基材の加熱後すぐに導電性インク16が転写されるため、加熱効率が良い点で好ましい。一方で、図2の予備加熱装置30による方式では、圧胴ロール24が加熱されないため、グラビアロール22への不要な熱の移動が少なく、グラビアロール上での導電性インク26の乾燥が生じ難く、凹部の目詰まりや印刷ムラが生じ難い点で有利である。また、両方の方式を組み合せて加熱することもできる。例えば、予備加熱装置30による加熱で透明基材の温度を所定の温度まで上昇させ、圧胴ロール14における加熱は予備加熱装置30より低い温度で行い、温度維持を図ることもできる。この場合、圧胴ロール14の加熱温度を単独で加熱する場合より低く設定できるため、上述のグラビアロールへの不要な熱の移動を低減する点で好ましい。加熱方式は、透明基材の種類及び電磁波シールド層形成用材料の種類に応じて選定できる。
加熱温度については、透明基材の種類及び電磁波シールド層形成用材料の種類に応じて任意に選定できる。例えば、透明基材の種類がPETである場合は50〜150℃が好ましい。50℃未満では電磁波シールド層形成用材料の乾燥促進効果が得難く、150℃を超えると、PETにシワが寄ったり、版胴に熱が移動することで、版胴上での電磁波シールド層形成用材料の乾燥が生じ、凹部の目詰まりが生じる場合がある。
また、加熱時間についても、透明基材の種類及び電磁波シールド層形成用材料の種類に応じて任意に設定できる。通常、印刷速度や加熱領域の範囲によって設定する。通常、0.5秒〜数十秒である。
印刷速度は電磁波シールド層形成用材料の種類や透明基材の種類によって、任意に設定できる。通常は1〜50m/分で行うのが好ましい。
このような印刷方法は、上述の透明基材の表面に電磁波シールド層形成用材料の細線を印刷して電磁波シールド層を形成するために使用するだけでなく、合成紙、塩化ビニルフィルム、不織布、アルミフィルム等の各種印刷基材の表面に各種印刷用材料による細線を印刷するのに適している。
電磁波シールド層形成用材料は、図1及び2では導電性インクを示したが、光透過性電磁波シールド材の製造方法によって異なる。光透過性電磁波シールド材の製造方法には、
(A)導電層形成材料を透明基材の表面にメッシュパターンで印刷して導電層を形成する工程を含む製造方法、
(B)無電解めっき前処理剤を透明基材の表面にメッシュパターンで印刷して前処理層を形成する工程、及び前処理相乗に無電解めっき処理により金属導電層を形成する工程を含む製造方法、
等が挙げられる。
電磁波シールド層形成用材料は、(A)の製造方法の場合は導電層形成材料であり、(B)の製造方法の場合は無電解めっき前処理剤である。
各方法について、以下に詳細に説明する。
図3には本発明で好適な光透過性電磁波シールド性窓材の形成方法(A)を説明する概略図を示す。工程(A1)において、本発明の方法に従って、透明基材32上に導電層形成材料として導電性インクをメッシュ状に印刷して乾燥することにより、メッシュ状の導電層36の電磁波シールド層を形成する。本発明の方法を用いることで、高精細なメッシュパターンを形成することができ、光透過性が高く、且つ電磁波シールド性に優れた光透過性電磁波シールド材とすることができる。
導電層形成材料は本発明の目的を達成できる導電性を有する材料であれば何れでも良いが、特に導電性粒子及びバインダ樹脂を含む導電性インクが好ましい。
上記導電性インクに使用される導電性粒子としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、鉛等の金属、その合金;或いは酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム−酸化スズ(ITO、いわゆるインジウムドープ酸化スズ)、酸化スズ−酸化アンチモン(ATO、いわゆるアンチモンドープ酸化スズ)、酸化亜鉛−酸化アルミニウム(ZAO;いわゆるアルミニウムドープ酸化亜鉛)等の導電性酸化物、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリイソチオアナフテン、ポリピロール、ポリパラフェニレンビニレン等の導電性高分子のドーピング物等を挙げることができる。これらは一種段独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
なかでも、上記導電性粒子としては、銀、銅、金、ニッケル、インジウム、スズ及び導電性高分子を含む粒子が好ましい。これらの導電性粒子であれば、得られるメッシュ状導電層の導電性を向上させることが可能となる。
導電性粒子の平均粒子径は、10nm〜10μm、特に10nm〜5μmであるのが好ましい。
導電性インクにおける導電性粒子の含有量は、バインダ樹脂の100質量部に対して、400〜1000質量部、特に400〜800質量部とするのが好ましい。これにより、導電性粒子同士の接触性に優れる導電層を形成することができる。
導電性インクに用いられるバインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、含ケイ素樹脂等を挙げることができる。更に、これらの樹脂のうち熱硬化性樹脂であることが好ましい。
導電性インクには、適度な粘度及び乾燥性に調整するため、更に溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、シクロヘキサノール、テルピネオール等のアルコール;エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のアルキルエーテルを挙げることができる。
導電性インクは、更に、黒色着色剤を更に含有していてもよい。これにより、印刷精度の向上とともに、得られる電磁波シールド性光透過窓材において透明基材側から見た際の防眩効果を付与することができる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄、黒鉛、および活性炭などをも用いることが好ましい。これらは、1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。カーボンブラックの平均粒径は、好ましくは0.1〜1,000nm、特に好ましくは5〜500nmである。
導電性インクにおける黒色着色剤の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部、特に1〜5質量部とするのが好ましい。
導電性インクは、更に、界面活性剤などの分散剤、可塑剤、消泡剤、硬化剤など、従来公知の助剤を含んでいてもよい。
導電性インクの粘度は、断線の発生を抑制するために、また印刷により微細な線幅および間隙(ピッチ)を有するために、25℃において、好ましくは100〜10000cps、より好ましくは500〜5000cpsとすることが好ましい。
メッシュ状の導電層52の線幅は、一般に30μm以下、好ましくは5〜25μm、特に5〜20μmが好ましい。線のピッチは300μm以下が好ましい。また、開口率は70%以上であることが好ましく、特に75%以上が好ましい。なお、開口率とはメッシュの線幅と1インチ幅に存在する線の数から計算で求めたものである。
導電層の線で囲まれた開口部の形状は、円、楕円、角形(4角形、6角形)など任意の形状とすることができるが、一般に角形であり、特に正方形であることが好ましい。
乾燥は、導電性インクを透明基材に印刷した後、乾燥炉において行われる。乾燥温度は80〜160℃、より好ましくは90〜130℃が好ましい。乾燥温度が80℃未満では、溶媒の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られない恐れがあり、160℃を超えるとバインダ樹脂の熱分解が生じる恐れがある。乾燥時間は5秒〜5分が好ましい。
図4には本発明の導電層の形成方法(B)を説明する概略断面図を示す。まず、工程(B1)において、本発明の方法に従い、透明基材42上に無電解めっき前処理剤をメッシュ状に印刷して乾燥することで、メッシュ状の前処理層46を形成する。そして、工程(B2)において、前処理層46に無電解めっきを行うことにより、前記前処理層46上に金属などの導電材料からなるメッシュ状の金属導電層50の電磁波シールド層を形成する。本発明の方法を用いることによって、高精細なメッシュパターンを形成することができ、光透過性が高く、且つ電磁波シールド性に優れた光透過性電磁波シールド材とすることができる。
無電解めっき前処理剤は本発明の目的を達成できる無電解めっき前処理剤であれば何れでも良いが、複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物と、合成樹脂とを含む無電解めっき前処理剤が好ましい。以下にこの場合の方法を詳細に説明する。
上記複合金属酸化物及び複合金属酸化物水化物としては、Pd、Ag、Si、Ti及びZrよりなる群から選択される少なくとも2種の金属元素を含むものが好ましく用いられる。より好ましくは、Pd又はAgの金属元素と、Si、Ti又はZrの金属元素とを含むものを挙げることができる。このような複合金属酸化物及び複合金属酸化物水化物は、高いめっき金属析出能力を有し、更に前処理剤中での安定性及び分散性に優れた特性を有する。
なかでも、前記特性が特に優れることから、下記式(I)
1 X・M22・n(H2O) ・・・(I)
(式中、M1はPd又はAgを表し、M2はSi、Ti又はZrを表し、M1がPdである場合、xは1であり、M1がAgである場合、xは2であり、nは1〜20の整数である)で表されるが好ましい。これにより、高いめっき析出能力を有する複合金属酸化物水水化物が得られる。
前記複合金属酸化物水化物としては、例えばPdSiO3、Ag2SiO3、PdTiO3、Ag2TiO3、PdZrO3及びAg2TiO3などの水化物が挙げることができる。
上述した複合金属酸化物水化物は、それぞれの相当する金属塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、相当する金属酸化物の水和物等を原料とし、これらを加熱し、加水分解する方法などを用いることによって得られる。
また、複合金属酸化物としては、M1 X・M22(M1、M2及びXについては、上記式(I)と同義である)で表されるものが好ましく用いられる。
無電解めっき前処理剤に用いられる複合金属酸化物及び複合金属酸化物水化物の平均粒径は、0.01〜10μm、特に0.05〜3μmのものを用いるのが好ましい。これにより、凝集が抑制された高い分散性および触媒活性を有する複合金属酸化物及び前記複合金属酸化物水化物とすることができる。
なお、本発明において、複合金属酸化物及び複合金属酸化物水化物の平均粒径は、複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物を電子顕微鏡(好ましくは透過型電子顕微鏡)により倍率100万倍程度で観測し、少なくとも100個の粒子の面積円相当径を求めた数平均値とする。
複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜120質量部、より好ましくは30〜90質量部とするのが好ましい。含有量が、10質量部未満では十分なめっき析出能力が得られない恐れがあり、120質量部を超えるとこれらの複合金属酸化物の凝集に基づくスジやカブリが形成する恐れがある。
無電解めっき前処理剤は、合成樹脂を含むことにより、透明基材及び導電層との密着性を向上させることができ、前処理層が剥離し難くなり、導電層をより精度よく形成することが可能となる。
合成樹脂は、透明基材および導電層との密着性を確保できるものであれば、特に制限されない。好ましい例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、およびエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂などを挙げることができる。これらを用いることにより、透明基材および導電層との高い密着性が得られ、前処理層上に導電層を精度よく形成することができる。また、これらの合成樹脂は、1種単独で用いられてもよいほか、2種以上を混合して用いてもよい。
アクリル樹脂としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル等のメタアクリル酸アルキルエステル類のホモポリマー、コポリマーが使用できるが、特にメチルメタクリレート、エチルメタクリレートまたはブチルメタクリレートなどのホモポリマー、コポリマーが好ましい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、2,6−ポリエチレンナフタレートなどを挙げることができる。
ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステル系ウレタン樹脂 、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂などが挙げられる。なかでも、ポリエステル系ウレタン樹脂が好ましい。
上記ポリウレタン樹脂として、例えばポリエステル系ポリオールとポリイソシアネート化合物との反応生成物からなるポリエステル系ウレタン樹脂を使用することができる。ポリエステル系ウレタン樹脂の平均分子量は、一般的に1万〜50万である。
ポリエステル系ポリオールとしては、例えば低分子ジオールとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオールや、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等を挙げることができる。なお、低分子ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、グリセリン等のトリオール、ソルビトール等のヘキサオールを挙げることができる。前記ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸類、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類、等が単独使用又は2種以上で使用される。また、前記ラクトンには、ε−カプロラクトン等が使用される。
そして、ポリエステル系ポリオールとしては、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリブチレンヘキサブチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート、ポリエチレンアゼート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンアゼート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等を挙げることができ、これらが単独使用又は2種以上で使用される。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネート(例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタリンジイソシアネート、n−イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、m−或いはp−イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート等);脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等);脂環式ジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等)のポリイソシアネート、或いはまた、これら各種イソシアネートの付加体、又は多量体等が、単独使用又は2種以上で使用される。
ポリエステル系ポリオールとポリイソシアネート化合物との使用比率は、特に限定されないが、通常はポリエステル系ポリオール:ポリイソシアネート化合物=1:0.01〜0.5程度(モル比)の範囲内において、使用する化合物の種類等に応じて適宜決定すれば良い。
ポリエステル系ウレタン樹脂を使用する場合、無電解めっき前処理剤は、ポリイソシアネート硬化剤を更に含むのが好ましい。ポリイソシアネート硬化剤としては、上述したポリイソシアネート化合物が用いられる。硬化剤の含有量は、ポリエステル系ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部、特に0.1〜1.0質量部とするのが好ましい。
塩化ビニル樹脂としては、従来公知の塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂、または従来公知の各種のコポリマー樹脂が挙げられ、特に限定されるものではない。コポリマー樹脂としては、従来公知のコポリマー樹脂を使用でき、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニルコポリマー樹脂などの塩化ビニルとビニルエステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸2エチルヘキシルコポリマー樹脂などの塩化ビニルとアクリル酸エステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−エチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピレンコポリマー樹脂などの塩化ビニルとオレフィン類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリロニトルコポリマー樹脂などを挙げることができる。特に、塩化ビニル単独樹脂、エチレン−塩化ビニルコポリマー樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニルコポリマー樹脂などを使用するのが好ましい。
合成樹脂としては、高い密着性が得られることから、活性水素を含有する官能基を分子末端に有するものが好ましい。活性水素を含有する官能基としては、活性水素を有していれば特に制限されず、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ヒドロキシル基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、カルバゾリル基等を挙げることができる。1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシル基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはチオール基が好ましい。特に、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはヒドロキシル基が好ましい。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されていてもよい。なかでも、ヒドロキシル基、カルボニル基、およびアミノ基が好ましい。
無電解めっき前処理剤における合成樹脂の含有量は、無電解めっき前処理剤の全量に対して、5〜30質量%、特に10〜20質量%とすることが好ましい。これにより、高い密着性を有する前処理層を形成することが可能となる。
また、無電解めっき前処理剤は、更に無機微粒子を含んでいてもよい。無機微粒子を含有することにより、印刷精度を向上することができ、より精度の高い導電層を形成することが可能となる。好ましい無機微粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、マイカ、ガラスフレーク、金属ウィスカー、セラミッックウィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、スメクタイト等を挙げることができる。これらは、1種単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
無機微粒子の平均粒径は、0.005〜3μm、特に0.007〜1μmであることが好ましい。無機微粒子の平均粒径が、0.005μm未満であると無機微粒子の添加により所望するほどの印刷精度の向上が得られない恐れがあり、3μmを超えるとスジやカブリが発生し易くなる恐れがある。
無電解めっき前処理剤における無機微粒子の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、5〜50質量部、特に10〜40質量部とすることが好ましい。これにより、高い印刷適正を持った前処理剤とすることができる。
また、無電解めっき前処理剤は、更にチキソトロピック剤を含有してもよい。前記チキソトロピック剤によれば、前処理剤の流動性を調整することにより印刷精度を向上させることができ、より精度の高い導電層を形成することが可能となる。チキソトロピック剤としては、従来公知のものであれば使用できる。好ましくは、アマイドワックス、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等を使用することができる。
無電解めっき前処理剤におけるチキソトロピック剤の含有量は、前記合成樹脂100質量部に対して、5〜50質量部、特に10〜40質量部とすることが好ましい。これにより、高い印刷適正を持った前処理剤とすることができる。
本発明の無電解めっき前処理剤は、黒色着色剤を更に含有していてもよい。これにより、印刷精度の向上とともに、得られる光透過性電磁波シールド材において透明基材側から見た際の防眩効果を付与することができる。
好ましい黒色着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄、黒鉛、および活性炭などを挙げることができる。これらは、1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等を挙げることができる。カーボンブラックの平均粒径は、好ましくは0.1〜1,000nm、特に好ましくは5〜500nmである。
無電解めっき前処理剤における黒色着色剤の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部、特に1〜5質量部とするのが好ましい。これにより、防眩効果を有する前処理層を精度よく形成することが可能となる。
黒色着色剤を用いる場合、市販されている墨インキを用いて無電解めっき前処理剤を調製するのが好ましい。このような墨インキとしては、東洋インキ製造株式会社製 SS8911、十条ケミカル株式会社製 EXG−3590、大日精化工業株式会社製 NTハイラミック 795R墨などがある。例えば、東洋インキ製造株式会社製 SS8911の場合、溶剤中に、カーボンブラックの他、更に塩化ビニルおよびアクリル樹脂などを含んでいる。したがって、前記した市販品であれば、合成樹脂および黒色着色剤を含む無電解めっき前処理剤の調製を容易に行うことができる。
また、無電解めっき前処理剤は、適当な溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール、アセトン、トルエン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサンなどを挙げることができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
無電解めっき前処理剤は、必要に応じて体質顔料、界面活性剤などの各種添加剤を更に含有していてもよい。
無電解めっき前処理剤の粘度は、印刷により断線のない微細な線幅および間隙(ピッチ)を有する前処理層を得るためには、25℃において、好ましくは500〜5000cps、より好ましくは1000〜3000cpsとすることが好ましい。
無電解めっき前処理剤を印刷した後、好ましくは80〜160℃、より好ましくは90〜130℃で加熱することにより乾燥させるのが好ましい。乾燥温度が80℃未満では、溶媒の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られない恐れがあり、160℃を超えると化合物の熱分解が生じる恐れがある。塗布後に熱乾燥させる場合の乾燥時間は5秒〜5分が好ましい。
前処理層の厚さは、一般に0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmとするのがよい。これにより、透明基材および導電層との高い密着性を確保することができる。
複合金属酸化物等を含む無電解めっき前処理層を形成させた場合、メッシュ状の金属導電層を形成する工程の前に、前処理層46に還元処理を行うことが好ましい。還元処理することにより、前処理層46に含まれる無電解めっき触媒である複合金属酸化物及び複合金属酸化物水化物に含まれる金属種を還元し、活性成分である金属種のみを超微粒子状で均一に析出させることができる。このように還元析出した金属種は、高い触媒活性を有し且つ安定であることから、前処理層46と透明基材との密着性及び無電解めっきの析出速度を向上させ、更には複合金属酸化物及び複合金属酸化物水化物の使用量を少なくすることが可能となる。
還元処理は、前処理層に含まれる複合金属酸化物及び前記複合金属酸化物水化物を還元して金属化できる方法であれば特に制限されない。具体的には、(i)前記前処理層が形成された透明基材を、還元剤を含む溶液を用いて処理する液相還元法、(ii)前記前処理層が形成された透明基材を、還元性ガスと接触させる気相還元法などを用いることが好ましい。
液相還元法において還元剤を含む溶液を用いて処理する方法として、例えば、前処理層が形成された透明基材を、還元剤を含む溶液中に浸漬させる方法、透明基材の前処理層が形成された面に還元剤を含む溶液をスプレーする方法などを用いることができる。
還元剤を含む溶液は、所定の還元剤を水などの溶媒に分散又は溶解させて調製されるものである。前記還元剤としては、特に制限されないが、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルアクリルアミド、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ブドウ糖、アミノボラン、ジメチルアミンボラン(DMAB)、トリメチルアミンボラン(TMAB)、ヒドラジン、ジエチルアミンボラン、ホルムアルデヒド、グリオキシル酸、イミダゾール、アスコルビン酸、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウムなどの次亜リン酸塩、硫酸ヒドロキシルアミン、亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩、ハイドロサルファイト(Na224:亜二チオン酸ナトリウムともいう)等を挙げることができる。還元剤は、後工程で用いる無電解めっき浴中に含まれる還元剤と同一のものを用いると、還元処理後の前記透明基材を水洗処理することなく無電解めっきを行うことができ、また無電解めっき浴の組成を変化させる恐れも少ない。
還元剤としては、高い還元性が得られることから、アミノボラン、ジメチルアミンボラン、次亜リン酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシルアミン、ハイドロサルファイト、及びホルマリンを用いるのが好ましい。
還元剤を含む溶液における還元剤の含有量は、0.01〜200g/L、特に0.1〜100g/Lとすることが好ましい。還元剤の濃度が低すぎる場合には十分に還元処理を行うのに所要時間が長くなる恐れがあり、還元剤の濃度が高すぎる場合には析出させためっき触媒が脱落する恐れがある。
液相還元法において還元剤を含む溶液を用いて処理する方法としては、前処理層に含まれる複合金属酸化物及び前記複合金属酸化物水化物の高い還元性が得られることから、前処理層が形成された透明基材を、還元剤を含む溶液中に浸漬させる方法を用いるのが好ましい。
透明基材を浸漬させる場合、前記還元剤を含む溶液の温度は、20〜90℃、特に40〜80℃とするのが好ましい。また、浸漬時間は、少なくとも1分以上、好ましくは1〜10分程度とすればよい。
一方、気相還元法を用いて還元処理を行う場合、還元性ガスとしては、水素ガス、ジボランガスなど、還元性を有する気体であれば特に制限されない。還元ガスを用いた還元処理時の反応温度および反応時間は、使用する還元ガスの種類などに応じて適宜決定すればよい。
また、無電解めっき前処理剤として、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物又は反応生成物、及び貴金属化合物を含む液を用いることもできる。この場合、シランカップリング剤、アゾール系化合物、および貴金属化合物が、前処理層において原子レベルで分散しているので、スジやカブリの発生がない、微細なパターンを有するメッシュ状の前処理層を精度よく形成することができる点で好ましい。以下にこの場合の方法を詳細に説明する。
シランカップリング剤は、一分子中に金属補足能を持つ官能基を有するものを用いるのが好ましい。これにより、無電解めっき触媒である貴金属化合物の活性を効果的に発現する電子状態、配向状態とすることが可能となり、被めっき材との高い密着性が得られる。
シランカップリング剤として、エポキシ基含有シラン化合物を挙げることができる。エポキシ基含有シラン化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。特に、得られる前処理層が透明基材および導電層と高い密着性を示すことから、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが好ましい。
アゾール系化合物としては、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、オキサトリアゾール、チアトリアゾール、ベンダゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾールなどを挙げることができる。これらに制限されるものではないが、シランカップリング剤が有するエポキシ基などの官能基および貴金属化合物との反応性に優れることから、イミダゾールが特に好ましい。
無電解めっき前処理剤において、シランカップリング剤およびアゾール系化合物は単に混合されているだけでもよいが、これらを予め反応させて反応生成物を形成してもよい。これにより、貴金属化合物を前処理層中に原子レベルでより高分散できるとともに、得られる前処理層の光透過性を向上させることができる。
シランカップリング剤とアゾール系化合物とを反応させるには、例えば、80〜200℃でアゾール系化合物1モルに対して0.1〜10モルのシランカップリング剤を混合して5分〜2時間反応させるのが好ましい。その際、溶媒は、一般に不要であるが、水の他、クロロホルム、ジオキサンメタノール、エタノール等の有機溶媒を用いてもよい。このようにして得られた前記シランカップリング剤と前記アゾール系化合物との反応生成物に、貴金属化合物を混合することで、無電解めっき前処理剤が得られる。
無電解めっき前処理剤に用いられる貴金属化合物は、無電解めっき処理において銅やアルミニウムなどの金属を選択的に析出・成長させることができる触媒効果を示すものである。例えば、高い触媒活性が得られることから、パラジウム、銀、白金、および金などの金属原子を含む化合物を用いるのが好ましい。このような化合物としては、上記金属原子の塩化物、水酸化物、酸化物、硫酸塩、アンモニウム塩などのアンミン錯体などが用いられるが、特にパラジウム化合物、中でも塩化パラジウムが好ましい。
無電解めっき前処理剤は、アゾール系化合物および記シランカップリング剤に対し、貴金属化合物を、好ましくは0.001〜50モル%、より好ましくは0.1〜20モル%含むのがよい。貴金属化合物の濃度が、0.001モル%未満では十分な触媒活性が得られずに所望する厚さを有する導電層を形成できない恐れがあり、50モル%を超えると添加量の増加に見合った貴金属化合物による触媒効果が得られない恐れがある。
また、無電解めっき前処理剤は、適当な溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール、アセトン、トルエン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサンなどを挙げることができる。これらは、1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
無電解めっき前処理剤には、必要に応じて体質顔料、界面活性剤、着色剤などの各種添加剤を更に含有させてもよい。
無電解めっき前処理剤の粘度は、印刷により微細な線幅および間隙(ピッチ)を有する前処理層を得るためには、25℃において、好ましくは500〜5000cps、より好ましくは1000〜3000cpsとするのがよい。
無電解めっき前処理剤を印刷した後、前述の複合金属酸化物等を含む無電解めっき前処理剤の場合と同様に乾燥する。
次に、上記のようにして得られた無電解めっき前処理層上に無電解めっき処理することにより、メッシュ状の金属導電層を形成する工程を実施する。無電解めっき処理を行うことにより、微細な金属粒子が濃密な連続皮膜として沈積形成されて、前処理層上のみに選択的に金属導電層を得ることが可能となる。
めっき金属は、導電性を有してめっき可能である金属であれば使用することができ、金属単体、合金、導電性金属酸化物等であってもよく、均一な金属薄膜又は一様に塗布された微細な微粒子等からなるものであってもよい。
無電解めっきにおけるめっき金属としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、白金、銅、チタン、コバルト、鉛等を用いることができる。特に、高い電磁波シールド性が得られる導電層が得られることから、好ましくは、銀、銅又はアルミニウムが好ましく用いられる。これらのめっき金属を用いて形成される導電層は、前処理層との密着性に優れている上、光透過性と電磁波シールド性の両立に好適である。
無電解めっきは、無電解めっき浴を用いて常法に従って常温または加温下で行うことができる。即ち、めっき金属塩、キレート剤、pH調整剤、還元剤などを基本組成として含むめっき液を建浴したものにめっき基材を浸漬して行うか、構成めっき液を2液以上と分けて添加方式でめっき処理を施すなど適宜選択すれば良い。
無電解めっきとして一例を挙げると、Cuからなる導電層を形成する場合、硫酸銅等の水溶性銅塩1〜100g/L、特に5〜50g/L、ホルムアルデヒド等の還元剤0.5〜10g/L、特に1〜5g/L、EDTA等の錯化剤20〜100g/L、特に30〜70g/Lを含み、pH12〜13.5、特に12.5〜13に調整した溶液に、前処理層を有する透明基材を50〜90℃、30秒〜60分浸漬する方法を採用することができる。
無電解めっきをする際に、めっきされる透明基材を揺動、回転させたり、その近傍を空気撹拌させたりしてもよい。
メッシュ状(格子状)の金属導電層の線幅は、一般に30μm以下、好ましくは5〜25μmで、特に5〜20μmが好ましい。線のピッチは300μm以下が好ましい。また、開口率は70%以上であることが好ましく、特に75%以上が好ましい。
導電層の線で囲まれた開口部の形状は、円、楕円、角形(4角形、6角形)など任意の形状とすることができるが、一般に角形であり、特に正方形であることが好ましい。
更に、メッシュ状の導電層上に電気めっき処理を行って導電層上に金属めっき層を形成しても良い。また、この金属めっき層上に前述の防眩層を形成しても良いし、後述の黒化処理を行っても良い。
めっき処理に用いる材質としては、金属めっき層が優れた電磁波シールド効果を有するものであればよく特に制限はないが、例えば、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、銀、及び、金等の金属が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上の合金として使用してもよい。
金属めっき層の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。前記厚さが0.1μm未満であると、充分な電磁波シールド効果を付与できないことがある一方、10μmを超えると、めっきは、めっき層形成に際し、巾方向にも広がることから、線幅が太くなり、導電層の開口率が低くなってしまうことがある。
金属めっき層における表面抵抗率としては、3Ω/□以下が好ましく、1Ω/□以下がより好ましい。メッキ層の表面抵抗率が3Ω/□を超えると、導電性が不充分で、電磁波シールド効果が不充分となることがある。
金属めっき層を形成した後、防眩性を付与させても良い。この防眩化処理を行う場合、メッシュ状導電層の表面に黒化処理を行っても良い。例えば、導電層又はめっき層の酸化処理、硫化処理、クロム合金等の黒色めっき、黒又は暗色系のインキの塗布等を行うことができる。
黒化処理は、導電層又はめっき層の金属の酸化処理又は硫化処理によって行うことが好ましい。特に酸化処理は、より優れた防眩効果を得ることができ、更に廃液処理の簡易性及び環境安全性の点からも好ましい。
黒化処理として酸化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を使用することが可能であり、特に経済性の点から、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、又は亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液を使用することが好ましい。
黒化処理として硫化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には硫化カリウム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等の水溶液を使用することが可能であり、好ましくは、硫化カリウム及び硫化アンモニウムであり、特に低温で使用可能である点から、硫化アンモニウムを使用することが好ましい。
黒化処理層の厚さは、特に制限されないが、一般に0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.5μmである。前記厚さが、0.01μm未満であると、光の防眩効果が充分でない恐れがあり、1μmを超えると、斜視した際の見かけ上の開口率が低下する恐れがある。
本発明の方法により得られる光透過性電磁波シールド材は、更に、接着剤層の他、ハードコート層、反射防止層、色調補正フィルタ層、近赤外線吸収層などを有していてもよい。これらの各層の積層の順序は、目的に応じて決定される。また、ディスプレイ用フィルタには、電磁波シールド機能を高めるために、PDP本体のアース電極と接続するための電極を設けてもよい。
好ましい光透過性電磁波シールド材としては、得られたメッシュ状導電層の表面に、例えば、ハードコート層、及び低屈折率層等の反射防止層が設けられ、裏面に近赤外線吸収層が設けられたもの、或いはメッシュ状導電層の表面に、粘着剤層を介して、或いは直接近赤外線吸収層が設けられ、裏面にハードコート層、及び低屈折率層等の反射防止層が設けられたものを挙げることができる。
本発明の光透過性電磁波シールド材は、光透過性が要求される用途、例えば電磁波を発生する各種電気機器のLCD、PDP、CRT等のディスプレイ装置のディスプレイ面、又は、施設や家屋の透明ガラス面や透明パネル面に好適に適用される。本発明の光透過性電磁波シールド材は、高精細なメッシュパターンの電磁波シールド層を有しているので、前述したディスプレイ装置のディスプレイ用フィルタ、特にPDP用フィルタに好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
以下の組成:
ポリエステル樹脂(バイロン670(東洋紡(株)製);固形分100質量%):100質量部、
触媒粒子(平均1次粒子径0.21μmの二酸化チタンに0.6質量%のパラジウムを担持した複合金属酸化物):60質量部、
シリカ(アエロジル#200(日本アエロジル社製);平均1次粒子径12nm):20部、
分散剤(ディスパロンDA325(楠本化成(株)製)):1.5質量部、
シクロヘキサノン:560質量部、
からなる触媒インク(無電解めっき前処理剤)を、幅16μm、版深6μm、ピッチ200μmの格子状メッシュパターンが刻まれたグラビアロール、及び80℃に加熱した圧胴ロールを備えるダイレクトグラビア印刷機を用いて、厚さ100μmのPETフィルム上にメッシュ状の印刷パターンを形成した。
形成された印刷パターンを顕微鏡観察し、任意の5地点の線幅及び線高さを測定し、平均値を求めた。
(実施例2)
圧胴ロールの加熱温度を120℃とした以外は、実施例1と同様に印刷パターンを形成し、実施例1と同様に線幅及び線高さを測定した。
(比較例1)
圧胴ロールを加熱しなかった以外は、実施例1と同様に印刷パターンを形成し、実施例1と同様に線幅及び線高さを測定した。
(結果)
実施例1、2及び比較例1の結果を表1に示す。
Figure 2010140938

表1に示すように、圧胴ロールを加熱した実施例1及び実施例2は、無加熱の比較例1に比べて線幅が狭く、線高さが高い結果であった。実施例1及び実施例2における線幅はグラビアロールに刻まれたメッシュパターンの線幅(16μm)に近く、触媒インクの垂れ広がりが抑制され、目的とする高精細なメッシュパターンを形成することが可能であることが示された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法における、凹版印刷の実施形態の代表的な一例を示す概略断面図である。 本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法における、凹版印刷の実施形態の別の一例を示す概略断面図である。 本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法の実施形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法の実施形態の別の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
12、22 グラビアロール
13、23 凹部
14、24 圧胴ロール
15、25 ドクターブレード
16、26 導電性インク
17、27、37、47 透明基材
20 電気ヒータ
30 予備加熱装置
36 導電層
46 前処理層
50 金属導電層

Claims (15)

  1. 凹版印刷における版胴の凹部に印刷用材料を充填し、当該版胴と版胴に対向配置された圧胴ロールとの間に印刷基材を挿入し、当該印刷基材の表面に当該印刷用材料を転写する工程を含む細線印刷方法であって、
    転写工程前に、前記印刷基材を加熱する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記印刷基材の加熱を、加熱した前記圧胴ロールの表面と接触させることにより行うことを含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記印刷基材の加熱を、前記転写工程前に設けた予備加熱装置の加熱領域を通過させることにより行うことを含む請求項1又は2に記載の方法。
  4. 凹版印刷における版胴の凹部に電磁波シールド層形成用材料を充填し、当該版胴と版胴に対向配置された圧胴ロールとの間に透明基材を挿入し、当該透明基材の表面に当該電磁波シールド層形成用材料を転写する工程を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法であって、
    転写工程前に、前記透明基材を加熱する工程を含むことを特徴とする製造方法。
  5. 前記透明基材の加熱を、加熱した前記圧胴ロールの表面と接触させることにより行うことを含む請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記透明基材の加熱を、前記転写工程前に設けた予備加熱装置の加熱領域を通過させることにより行うことを含む請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 前記凹版印刷がダイレクトグラビア印刷である請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記透明基材がポリエチレンテレフタレートである請求項4〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記加熱圧胴ロールの表面温度及び/又は前記予備加熱装置の加熱領域温度が50〜150℃である請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記電磁波シールド層形成用材料が、導電性粒子及びバインダ樹脂を含む導電性インクである請求項4〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記導電性粒子が銀、銅、金、ニッケル、インジウム、スズ及び導電性高分子からなる群より選ばれた1種以上の導電性物質を含む粒子である請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記電磁波シールド形成用材料が、無電解めっき前処理剤である請求項4〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記無電解めっき用前処理剤が、複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物と合成樹脂を含む液である請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記無電解めっき前処理剤が、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物又は反応生成物、及び貴金属化合物を含む液である請求項12に記載の製造方法。
  15. 請求項4〜14のいずれか1項に記載の製造方法によって製造される光透過性電磁波シールド材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103872257A (zh) * 2012-12-14 2014-06-18 三星显示有限公司 卷对卷制程用柔性基板及其制造方法和有机发光显示装置
JP2016221843A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 富士フイルム株式会社 導電性フィルム、タッチパネルセンサー、および、タッチパネル

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