JP2010130629A - 周波数シンセサイザ及び電子回路装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超広帯域である528MHzの帯域幅を持つ複数の信号を高速に切り替え可能で、更にバンドグループ及びサブバンドを任意に設定・切り替えが可能な、周波数ホッピング通信の技術を提供する。
【解決手段】周波数シンセサイザは、基準信号発生器1が単一の基準周波数f1を出力しており、中心周波数生成手段2に入力される。さらに、中心周波数生成手段2からはオフセット周波数生成手段3及びミキサ4にそれぞれ周波数f2及びf3(中心周波数及び基準周波数)の信号が出力され、オフセット周波数生成手段3からはミキサ4に周波数f4(オフセット周波数)の周波数が出力される。そして、ミキサ4にて周波数f3及びf4が周波数ミキシングされ、周波数f5の信号を合成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、周波数シンセサイザに関し、さらに詳しくは、基準周波数を元にして、必要とする周波数を生成する周波数シンセサイザに関わるものであり、特に、UWB帯におけるマルチバンドOFDM方式の通信に関して、UWB全帯域(3.1〜10.6GHz)を利用することに注目した周波数シンセサイザに関するものである。
一般に無線通信システムは、データの送受を行うために所定の周波数帯域を用いる。例えば、広くワイヤレスLocal Area Network(LAN)の米国標準として知られるIEEE802.11gでは、2.4GHzから2.47GHzの周波数帯を用い、通信距離50〜100mの範囲で最大の伝送速度として54Mbpsを達成する。
しかしながら、一般のユーザのデータに対する要求は年々高まり、高精細静画像のほか音楽データや動画像データを短時間にユーザの携帯機器へダウンロードすることが強く期待されている。この要求に応える1つの技術が超広帯域(Ultra Wide Band:UWB)無線通信である。UWB無線通信は、2002年4月に米国連邦通信委員会がUWBの商用利用を許可して以来、多くの機関が研究開発を進めている。
具体的には、マルチキャリア方式に、直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)を用いた、超広帯域通信システム(UWB)が、米国のIEEEの802.15a規格に提案された。その後、このUWBは、Multi-Band OFDM Alliance(:MBOA)にて、Multi-Band OFDM(:MB−OFDM、マルチバンドOFDM)と呼ばれている。
UWB無線通信に関しては、近年、屋内通信に向けてこのマルチバンドOFDM方式を用いたUWB無線通信用の周波数配置が提案されている。このマルチバンドOFDM方式を用いたUWB無線通信用の周波数配置(サブバンド構造)を図17に示す。図17に示すように、マルチバンドOFDMではUWBの民生利用帯域として解放された3.1〜10.6GHzの周波数帯を14のサブバンドに分割し、これらのサブバンドのうちの幾つかを組み合わせて利用している。
具体的には、3432MHzを中心周波数とし528MHzの帯域幅を有する第1のサブバンドから、10296MHzを中心周波数とする同じく528MHzの帯域幅を有する第14のサブバンドまで分割されている。これらサブバンドは3つのサブバンド毎にグループ化され、第1から第3、第4から第6、第7から第9、第10から第12、そして第13と第14で形成する5グループで構成する。各サブバンドの中心周波数は、低い周波数から順に、3432、3960、4488、5016、5544、6072、6600、7128、7656、8184、8712、9240、9768、10296(単位:MHz)である。各バンドグループ毎にピコネットと称す通信ネットワークを形成される。
通信時はある1つのバンドグループを利用し、バンドグループ内の3つのサブバンドを312.5nS毎に切り替えながら、即ち周波数ホッピングさせながら、OFDMシンボルを伝送する。これらにより、伝送速度が大きく、かつ超広帯域にスペクトラム拡散された無線信号を実現している。周波数ホッピング時の搬送波周波数切り替えに許容される時間は最大9.5nSと規定されている。このような高速な周波数ホッピングを用いた送受信機には、高速な周波数切り替えが可能なローカル信号発生器が必要である。
発振周波数を切り換えることの出来る周波数シンセサイザとしてよく知られた公知技術に、位相同期ループ(PLL)を用いたものがある。PLLは、ループ内に持つ分周比Nの分周器によって、基準となるクロックのN倍の周波数を持つ出力クロックを得ることができる周波数逓倍回路である。そこで、上記分周比Nをセレクタ等で変更できるようにすれば、出力クロックの周波数を切り換えることが出来る。また基準となるクロックを水晶発信器で生成すれば高精度の出力クロックを得ることが出来る。
しかしながら、上記分周比Nを切り換えてからPLLの出力周波数が所望の値にロックするまでには、PLL内にあるローパスフィルタで決まる時定数だけの時間がかかり、数mS要する欠点がある。この時定数には基準クロックによって決まる上限周波数があるため、ロックするまでにある一定の時間(一般的には数百マイクロ秒)がかかってしまう。さらに9.5nS以内に周波数切り替えを完了するには、9.5nSの間に複数回の位相比較動作が必要となるため、位相比較周波数は少なくともGHz前後のオーダとなり、移動体無線通信に要求される位相雑音特性と消費電力、コストを全て満足させることは困難である。またこれだけ広帯域に周波数を可変でき、かつ無線通信用途に耐える位相雑音特性を有する電圧制御発振器が実現困難である。
従って、従来の周波数ホッピングシステムに用いられる、高速な周波数ロックの可能なPLL周波数シンセサイザを利用する方式では、9.5nS以内の周波数ホッピングは不可能である。以上の背景から、UWB無線通信用の搬送波信号を広い周波数範囲にわたって生成するための技術開発が必要となる。
従来技術として特許文献1には、無線送受信装置が超広帯域信号を高速に切り替えるUWB方式の周波数ホッピング通信機能を備え、本装置では、局部発振回路における位相切り替えスイッチの制御によるSSBミキサの入力端子の信号入力を切り替えと共に、四相直交信号を切り替えにより、高速に周波数ホッピングする。また、SSBミキサの出力端子から、第1及び第2の四相直交信号を混合した和成分または差成分のいずれかを出力する周波数ホッピング通信用ICについて開示されている。
また、特許文献2には、超広帯域で使用する搬送波周波数を生成するための構成において、低位相雑音化と低消費電力化を同時に実現する周波数シンセサイザについて開示されている。
また、特許文献3には、高精度に生成された基準クロックを元に、デジタル的な演算とD/Aコンバータ、ローパスフィルタを用いて所望の周波数の正弦波信号を発生させ、その正弦波信号を元の基準クロックとミキシングし、適切なフィルタを通す事で所望の周波数の正弦波を生成する事ができる周波数シンセサイザについて開示されている。
特開2007−295066公報 特開2007−329804公報 特開2007−215039公報
しかし、特許文献1と3の従来技術では、バンドグループ1又は6336MHz〜7392MHz帯のみの利用であり、UWB帯全域(〜10.6MHz)を活用していない。多数のユーザへ高速データ伝送用無線通信を提供するためには、約3GHzから約10GHzまでおよぶUWB帯域に設けられたサブバンド(計14つ)を広く用いてピコネット数を増やすことが必要である(他の無線システムとの干渉避けるため)。そのため、UWB信号を送受信する無線回路では、受信信号の復調と送信信号の変調の目的で第1から第14のサブバンド周波数を搬送波信号として生成することが必要となる。この観点から、UWB帯全域を活用しないことは高速データ伝送用無線通信を実現するにあたってボトルネックとなる。
また、特許文献2の従来技術では、高周波域で6つ以上のSSBミキサが必要であり、このようなSSBミキサはチップ面積と消費電力の大きい素子であるので、全体のチップサイズが増大する。また、2分周器も7つ以上(3分周器及び5分周器で使用されるため)と多く、高周波用(2つ)では共振負荷用のインダクタが必要であり、チップ面積の増加と、消費電流の増加を招くといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、基準周波数が1つであること、高周波を扱うSSBミキサの数及びSSBミキサのカスケード接続される数を抑えること、バンドグループを決定してからバンドを決定する(ホッピングする)こと等に注目し、超広帯域である528MHzの帯域幅(周波数切り替え幅)を持つ複数の信号を高速に切り替え(サブバンドの切り替え)可能で、更にバンドグループ及びサブバンドを任意に設定・切り替えが可能な、周波数ホッピング通信の技術を提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、単一周波数である基準周波数を有する基準信号を元に周波数を合成する周波数シンセサイザであって、前記基準信号を出力する基準信号発生器と、該基準信号発生器が出力する基準信号を元に中心周波数を生成する中心周波数生成手段と、該中心周波数生成手段より生成された周波数を元にオフセット周波数を生成するオフセット周波数生成手段と、複数の周波数を合成する第1のミキサと、を備え、前記第1のミキサは、前記中心周波数生成手段で生成された中心周波数と、前記オフセット周波数生成手段で生成されたオフセット周波数と、を合成した周波数を出力することを特徴とする。
請求項2は、前記中心周波数生成手段が、周波数分周手段と周波数ミキシング手段により構成され、前記周波数分周手段は、前記基準周波数を分周した分周信号及び前記基準信号を出力し、前記周波数ミキシング手段は、前記基準信号と前記分周信号とを周波数ミキシングすることを特徴とする。
請求項3は、前記周波数分周手段から生成される生成周波数が3つ以上の場合、前記周波数ミキシング手段は、周波数ミキシングするための第2のミキサを2つ以上有し、各第2のミキサからの変調信号及び前記基準信号を選択して前記第1のミキサに出力することを特徴とする。
請求項4は、前記周波数分周手段の生成周波数が2つの場合、前記周波数ミキシング手段では、周波数ミキシングするための前記第2のミキサを1つ有し、前記第2のミキサの変調信号及び前記基準信号を選択して前記第1のミキサに出力することを特徴とする。
請求項5は、前記周波数分周手段が、第1の二分周器と第3のミキサにより構成されることを特徴とする。
請求項6は、前記オフセット周波数生成手段に入力される信号を、前記周波数分周手段から得ることを特徴とする。
請求項7は、前記オフセット周波数生成手段の生成周波数が2つ以上であり、該出力を選択して前記オフセット周波数として前記第1のミキサに出力することを特徴とする。
請求項8は、前記オフセット周波数生成手段が出力するオフセット周波数が1つであることを特徴とする。
請求項9は、前記オフセット周波数生成手段が、第2の二分周器及び第4のミキサにより構成されることを特徴とする。
請求項10は、前記第1及び第2の二分周器が2つのラッチで構成されることを特徴とする。
請求項11は、前記ラッチがコモンモードロジックであることを特徴とする。
請求項12は、前記第1乃至4のミキサでの片側波帯を、ダブルバランスミキサとバンドパスフィルタにより構成して生成することを特徴とする。
請求項13は、前記第1乃至4のミキサでの片側波帯を、約90°位相シフトのある信号を扱うシングルサイドバンドミキサにより構成して生成することを特徴とする。
請求項14は、前記基準信号発生器がPLLにより構成されていることを特徴とする。
請求項15は、前記PLL内の位相比較器に帰還させる信号を前記中心周波数生成手段から得ることを特徴とする。
請求項16は、前記PLL内の位相比較器に帰還させる信号を前記オフセット周波数生成手段から得ることを特徴とする。
請求項17は、マルチバンドOFDM方式に関わる無線通信において、UWB全帯域を利用することを目的とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の周波数シンセサイザを有することを特徴とする。
本発明によれば、基準信号発生器1は単一の基準周波数f1を出力しており、中心周波数生成手段2に入力される。さらに、中心周波数生成手段2からはオフセット周波数生成手段3及びミキサ4にそれぞれ周波数f2及びf3(中心周波数及び基準周波数)の信号が出力され、オフセット周波数生成手段3からはミキサ4に周波数f4(オフセット周波数)の周波数が出力される。そして、ミキサ4にて周波数f3及びf4が周波数ミキシングされ、周波数f5の信号を合成している。このことによって、周波数f3をバンドグループの中心周波数(図1にて囲い線がある周波数)、周波数f4をバンドグループ内での隣接するサブバンドと捉えれば、バンドグループを決定してからバンドを決定する(ホッピングする)ことが可能となる(バンドグループを決める中心周波数とその中心周波数を軸に各バンドをホッピングするという形)。つまり、切り替えの命令(信号)が与えられたとき、その命令のみで直接バンドを切り替えることが出来る。これは、バンドを切り替える際に、周波数の選択が一箇所のみで済むことを示している。さらに中心周波数生成手段2及びオフセット周波数生成手段3内において、周波数ミキシング後のバンドパスフィルタの中心周波数や、あるいは出力部のセレクタを変化させれば、基準信号の周波数を変更する事無く周波数切り換えを行えるので、高速な周波数切り換えを実現する事が出来る。また、基準周波数も1つで実現出来る。
また、実施形態1における中心周波数生成手段2が、周波数分周手段2aと周波数ミキシング手段2bで構成される形となっており、周波数分周手段2aからは基準周波数f1及びそれを分周した周波数f1aを持つ信号が周波数ミキシング手段2bに出力されている。さらに比較的周波数の高い基準周波数f1を分周することで、基準周波数f1及び基準周波数f1より低い周波数を複数用意し、これらを周波数ミキシングすることで所望の中心周波数を得ることが出来る。周波数分周手段2aにより周波数の低い信号を初段で扱うことで、インダクタを用いた共振負荷回路を必要とするSSBミキサ等の数を低く抑えることが可能となる。
また、周波数分周手段2aの生成周波数を3つ以上、周波数ミキシング手段2bにおいて周波数ミキシングするための第2ミキサを2つ以上有し、第2ミキサの変調信号及び基準信号を選択し第1ミキサに出力することで、14つのサブバンドの生成が可能である。基準周波数は7128MHzであり、周波数分周手段2aと周波数ミキシング手段2bによりバンドグループの中心周波数(計5つ)が合成されている。さらに、CMOSトランジスタを使用したとして周波数特性によりゲインが低下する周波数(5GHz以上とする)を出力するSSBミキサをカウントすると、ミキサ4を含めSSBミキサは4つで実現できる。これは周波数分周手段2aにおいて、7128MHzという信号から3168MHz及び1584MHzという信号を生成するには5GHz以上の信号を扱うSSBミキサは多くても1つであるからである。528MHzの信号については周波数分周手段2aにおける比較的周波数の低い信号から生成すれば良く、高周波信号を出力するSSBミキサは必要ない。SSBミキサが4つで済むことはサイズが大きい素子である共振用インダクタの数が減少することになるので、チップサイズの増大を抑え、コスト面での利点が得られる。
また、周波数分周手段2aの生成周波数が唯2つであり、周波数ミキシング手段2bにおいて周波数ミキシングするための第2ミキサを唯1つ有し、第2ミキサの変調信号及び基準信号を選択し第1ミキサに出力することで、14つのサブバンドの生成が可能である。基準周波数は6600MHzであり、周波数分周手段2aと周波数ミキシング手段2bにより周波数(計3つ)が合成されている。さらに、CMOSトランジスタを使用したとして周波数特性によりゲインが低下する周波数(5GHz以上とする)を出力するSSBミキサをカウントすると、ミキサ4を含めSSBミキサは3つで実現できる。これは周波数分周手段2aにおいて、6600MHzという信号から2640MHzという信号を生成するには5GHz以上の信号を扱うSSBミキサは多くても1つであるからである。528MHz及び1056MHzの信号については周波数分周手段2aにおける比較的周波数の低い信号から生成すれば良く、高周波信号を出力するSSBミキサは必要ない。このようなSSBミキサが3つで済むことはサイズが大きい素子である共振用インダクタの数が減少することになるので、チップサイズの増大を抑え、コスト面での利点が得られる。
また、周波数分周手段2aが、第1二分周器と第3ミキサで構成されることで、14つのサブバンドの生成が可能である。基準周波数は6600MHzであり、周波数分周手段2aと周波数ミキシング手段2bにより周波数(計3つ)が合成されている。さらに、CMOSトランジスタを使用したとして周波数特性によりゲインが低下する周波数(5GHz以上とする)を出力するSSBミキサをカウントすると、ミキサ4を含めSSBミキサは3つで実現できる。また、必要とする分周器は基本的な2分周器のみで構成可能である。SSBミキサが3つで済むことはサイズが大きい素子である共振用インダクタの数が減少することになるので、チップサイズの増大を抑え、コスト面での利点が得られる。
また、オフセット周波数生成手段3に入力される信号を、周波数分周手段2aから得ることで、周波数分周手段2aで扱う信号を有効に活用でき、さらにオフセット周波数生成手段3に与える信号を別途PLL等で生成しなくとも良いため、チップ面積や消費電力及び設計の煩雑さを抑え、コスト面での大きな利点がある。
また、オフセット周波数生成手段3の生成周波数が2つ以上であり、該出力を選択してオフセット周波数として第1ミキサに出力することで、セレクタ3aにより528MHzと1056MHzとを選択し、バンドグループ内でのホッピングを可能にしている。そのため、図8に示す通り、ミキサ4は1つで良く、チップ面積や消費電力を抑え、コスト面での大きな利点がある。
また、オフセット周波数生成手段3が出力するオフセット周波数が1つであることで、オフセット周波数生成手段3に与える信号の周波数は1584MHzであり、そこから528MHzの信号を生成するには3分周器が必要であるが、1584MHzという比較的低周波の信号を扱うためその分周器の容易に実現出来る。信号の周波数が1つで済むことは回路の規模を小さく抑えるのに有効な手段として活用出来る。
また、オフセット周波数生成手段3の出力が、第2二分周器及び第4ミキサで構成されることで、基準周波数が1つであること、高周波を扱うSSBミキサの数及びSSBミキサのカスケード接続される数を抑えること、バンドグループを決定してからバンドを決定する(ホッピングする)ことに大きな利点があり、超広帯域である528MHzの帯域幅(周波数切り替え幅)を持つ複数の信号を高速に切り替え(サブバンドの切り替え)可能で、更にバンドグループ及びサブバンドを任意に設定・切り替えが可能な、周波数ホッピング通信の技術を提供可能となっている。これはUWB帯におけるマルチバンドOFDM方式の通信に関して、UWB全帯域(3.1〜10.6GHz)でのバンドに切り替え可能なものである。このことは、ピコネット数を増やすことにつながり、多数のユーザへ高速データ伝送用無線通信を提供することが可能となる。また、基準周波数が1つであり、高周波を扱うSSBミキサの数も他の公開・公告公報、文献に比べ低く、チップ面積や消費電力の上で大きな利点があり、全体的なコスト削減を実現出来る。
また、第1及び第2二分周器が2つのラッチで構成されることで、周波数が1/2である直交信号を容易に得ることが出来る。
また、ラッチがCML(コモンモードロジック)であることで、周波数が1/2である直交信号を容易に得られるだけでなく、システム全体として安定した高速動作が期待出来る
また、第1乃至4ミキサでの片側波帯の生成を、DBM(ダブルバランスミキサ)とBPF(バンドパスフィルタ)とで実施することで、設計及びチップ面積の面で優れた点を持つことが出来る。
また、第1乃至4ミキサでの片側波帯の生成を、約90°位相シフトのある信号を扱うSSB(シングルサイドバンド)ミキサで実施することで、全ての回路が差動回路で構成されている場合、例えばsin(2×π×f2×t)の正・負をスイッチ部で入れ替えられる(スワップ回路やセレクタ回路)ようするなどしておけば、和周波と差周波を選択的に得ることが出来る。このような入れ替えの回路は容易な回路で実現出来る。
また、基準信号発生器がPLL(PHASE-LOCKED-LOOPS)であることで、周波数シンセサイザが出力する複数の周波数全体の制度を高めることに繋がる。
また、PLL内の位相比較器に帰還させる信号を中心周波数生成手段から得ることで、PLL内部で一定の周波数レベルまで下げる必要を省くことが出来、このことはチップ面積や消費電力の面で大きな利点を得ることが出来る。
また、PLL内の位相比較器に帰還させる信号を前記オフセット周波数生成手段から得ることで、PLL以降で合成でき得る最小の周波数を帰還させることが出来、PLL内部でさらに分周するにしてもその負担は大幅に軽減出来る。このことは、低チップ面積や低消費電力、また設計労力等の削減に大きな効果をあげることが出来る。
また、マルチバンドOFDM方式に関わる無線通信において、Ultra Wide Band(UWB)全帯域を利用することを目的とする請求項1乃至19に記載の周波数シンセサイザを有することで、超広帯域である528MHzの帯域幅(周波数切り替え幅)を持つ複数の信号を高速に切り替え可能で、更にバンドグループ及びサブバンドを任意に設定・切り替えが可能な、周波数ホッピング通信の技術を提供するにあたって、基準周波数が1つであること、高周波を扱うSSBミキサの数及びSSBミキサのカスケード接続される数を抑えること、バンドグループを決定してからバンドを決定する(ホッピングする)こと等において大きな優位点を持つ電子回路装置が実現可能となる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る周波数シンセサイザの基本的な構成を示す図である。基準信号発生器1は単一の基準周波数f1を出力しており、中心周波数生成手段2に入力される。さらに、中心周波数生成手段2からはオフセット周波数生成手段3及びミキサ4にそれぞれ周波数f2及びf3(中心周波数及び基準周波数)の信号が出力され、オフセット周波数生成手段3からはミキサ4に周波数f4(オフセット周波数)の周波数が出力される。そして、ミキサ4にて周波数f3及びf4が周波数ミキシングされ、周波数f5の信号を合成している。
ここで、周波数f3をバンドグループの中心周波数(図17にて囲い線がある周波数)、周波数f4をバンドグループ内での隣接するサブバンドのオフセット周波数と捉えれば、バンドグループを決定してからバンドを決定する(ホッピングする)ことが可能となる(バンドグループを決める中心周波数とその中心周波数を軸に各バンドをホッピングするという形)。また、基準周波数も1つで実現している。
即ち、切り替えの命令(信号)が与えられたとき、その命令のみで直接サブバンドが切り替わるアーキテクチャーとなっている。これは、サブバンドを切り替える際に、周波数の選択(切り替え)が一箇所のみで済むことを示している。従って、中心周波数生成手段2及びオフセット周波数生成手段3内において、周波数ミキシング後のバンドパスフィルタの中心周波数や、あるいは出力部のセレクタを変化させれば、基準信号の周波数を変更する事無く周波数切り換えを行えるので、高速な周波数切り換えを実現する事ができる。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る周波数シンセサイザの基本的な構成を示す図である。実施形態1における中心周波数生成手段2が、周波数分周手段2aと周波数ミキシング手段2bで構成される形となっており、周波数分周手段2aからは基準周波数f1及びそれを分周した周波数f1aを持つ信号が周波数ミキシング手段2bに出力されている。
比較的周波数の高い基準周波数f1を分周することで基準周波数f1及び基準周波数f1より低い周波数を複数用意し、これらを周波数ミキシングすることで所望の中心周波数を得る。周波数分周手段2aにより周波数の低い信号を初段で扱うことで、インダクタを用いた共振負荷回路を必要とするSSBミキサ等の数を低く抑えることが可能となる。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。この実施例では、具体的に図17に示された14つのサブバンドの生成が可能である。基準周波数は7128MHzであり、周波数分周手段2aと周波数ミキシング手段2bによりバンドグループの中心周波数(計5つ)が合成されている。
この構成によれば、CMOSトランジスタを使用したとして周波数特性によりゲインが低下する周波数(5GHz以上とする)を出力するSSBミキサをカウントすると、ミキサ4を含めSSBミキサは4つで実現できる。これは周波数分周手段2aにおいて、7128MHzという信号から3168MHz及び1584MHzという信号を生成するには5GHz以上の信号を扱うSSBミキサは多くても1つであるからである。528MHzの信号については周波数分周手段2aにおける比較的周波数の低い信号から生成すれば良く、高周波信号を出力するSSBミキサは必要ない。≪特開2007−329804≫では高周波信号を扱うSSBミキサが6つ以上必要であり、このようなSSBミキサが4つで済むことはサイズが大きい素子である共振用インダクタの数が減少することになるので、チップサイズの増大を抑え、コスト面での利点がある。
図4は、本発明の第4の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。ここでは、具体的に図17に示された14つのサブバンドの生成が可能である。基準周波数は6600MHzであり、周波数分周手段2aと周波数ミキシング手段2bにより周波数(計3つ)が合成されている。
バンドグループの中心周波数(計5つ)を生成しているわけではないが、オフセット周波数生成手段3に用意した528MHz、1056MHz信号のみでバンドグループ内のサブバンドを遷移することが出来る。バンドグループを決定してからバンドを決定することに変わりはない。
バンドグループ2においては、サブバンドを遷移する際に中心周波数生成手段2の出力周波数f3を変化させなくてはならないが、そもそも日本やヨーロッパではバンドグループ2は使用不可であるので、特に問題はない。
この構成によれば、CMOSトランジスタを使用したとして周波数特性によりゲインが低下する周波数(5GHz以上とする)を出力するSSBミキサをカウントすると、ミキサ4を含めSSBミキサは3つで実現できる。これは周波数分周手段2aにおいて、6600MHzという信号から2640MHzという信号を生成するには5GHz以上の信号を扱うSSBミキサは多くても1つであるからである。528MHz及び1056MHzの信号については周波数分周手段2aにおける比較的周波数の低い信号から生成すれば良く、高周波信号を出力するSSBミキサは必要ない。
≪特開2007−329804公報≫では高周波信号を扱うSSBミキサが6つ以上必要であり、このようなSSBミキサが3つで済むことはサイズが大きい素子である共振用インダクタの数が減少することになるので、チップサイズの増大を抑え、コスト面での利点がある。
図5は、本発明の第5の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。ここでは、具体的に図17に示された14つのサブバンドの生成が可能である。基準周波数は6600MHzであり、周波数分周手段2aと周波数ミキシング手段2bにより周波数(計3つ)が合成されている。
バンドグループの中心周波数(計5つ)を生成しているわけではないが、オフセット周波数生成手段3に用意した528MHz、1056MHz信号のみでバンドグループ内のサブバンドを遷移することが出来る。バンドグループを決定してからバンドを決定することに変わりはない。
バンドグループ2においては、サブバンドを遷移する際に中心周波数生成手段2の出力周波数f3を変化させなくてはならないが、そもそも日本やヨーロッパではバンドグループ2は使用不可であるので、特に問題はない。
この構成によれば、CMOSトランジスタを使用したとして周波数特性によりゲインが低下する周波数(5GHz以上とする)を出力するSSBミキサをカウントすると、ミキサ4を含めSSBミキサは3つで実現できる。また、必要とする分周器は基本的な2分周器のみで構成可能である。
≪特開2007−329804公報≫では高周波信号を扱うSSBミキサが6つ以上必要であり、このようなSSBミキサが3つで済むことはサイズが大きい素子である共振用インダクタの数が減少することになるので、チップサイズの増大を抑え、コスト面での利点がある。
図6は、本発明の第6の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。オフセット周波数生成手段3が必要とする周波数はバンドグループ間でのサブバンドの遷移であることを考えると528MHz又は1056MHzであり、中心周波数と比較すると非常に低い信号を扱う。つまり、528MHz又は1056MHzの元となる信号も高い必要はない。
ここで、周波数分周手段2aは周波数を分周している箇所であり、低い周波数を持つ信号が得られやすい。また、オフセット周波数生成手段3に与える信号を別途PLL等で生成することはチップ面積の増大に繋がる。図6から、具体的に528MHz及び1056MHzの倍数である2640MHzを与えることで、オフセット周波数f4の生成が可能であることが容易であることが分かる。
この構成によれば、周波数分周手段2aで扱う信号を有効に活用でき、さらにオフセット周波数生成手段3に与える信号を別途PLL等で生成しなくとも良いため、チップ面積や消費電力及び設計の煩雑さを抑え、コスト面での大きな利点がある。
図7は、本発明の第7の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。中心周波数生成手段2から出力される中心周波数と528MHz又は1056MHzとがミキシングされた周波数信号(計3つ)を用意した上で3つの周波数を選択する場合、図7でのミキサ4に相当するミキサがもう1つ必要であり、これは広帯域でかつ高周波数域の信号を出力するSSBミキサであるので、サイズが大きい素子である共振用インダクタの数が増大する。
この構成によれば、セレクタ3aを設けることで528MHzと1056MHzとを選択し、バンドグループ内でのホッピングを可能にしている。そのため、図7に示す通り、ミキサ4は1つで良く、チップ面積や消費電力を抑え、コスト面での大きな利点がある。
図8は、本発明の第8の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。この構成によれば、オフセット周波数生成手段3に与える信号の周波数は1584MHzであり、そこから528MHzの信号を生成するには3分周器が必要であるが、1584MHzという比較的低周波の信号を扱うためその分周器の実現は容易である。信号の周波数が1つで済むことは回路の規模を小さく抑えるのに有効な手段である。
図9及び図10は、本発明の第9の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。図9は実施形態3に係るものであり、図10は実施形態4に係るものである。図9を見てみると、実際にUWB帯の全14サブバンドの生成が可能であり、かつバンドグループの指定を行ったうえでのサブバンドのホッピングが可能である。さらに、CMOSトランジスタを使用したとして周波数特性によりゲインが低下する周波数(5GHz以上とする)を出力するSSBミキサをカウントすると、ミキサ4を含めSSBミキサは4つで実現できることが具体的に示されている。
図10を見てみると、実際にUWB帯の全14サブバンドの生成が可能であり、かつバンドグループの指定(日本及びヨーロッパで使用不可能なバンドグループ2を除く)を行ったうえでのサブバンドのホッピングが可能である。この構成によれば、CMOSトランジスタを使用したとして周波数特性によりゲインが低下する周波数(5GHz以上とする)を出力するSSBミキサをカウントすると、ミキサ4を含めSSBミキサは3つで実現できることが具体的に示されている。
この構成によれば、基準周波数が1つであること、高周波を扱うSSBミキサの数及びSSBミキサのカスケード接続される数を抑えること、バンドグループを決定してからバンドを決定する(ホッピングする)ことに大きな利点があり、超広帯域である528MHzの帯域幅(周波数切り替え幅)を持つ複数の信号を高速に切り替え(サブバンドの切り替え)可能で、更にバンドグループ及びサブバンドを任意に設定・切り替えが可能な、周波数ホッピング通信の技術を提供可能となっている。これはUWB帯におけるマルチバンドOFDM方式の通信に関して、UWB全帯域(3.1〜10.6GHz)でのバンドに切り替え可能なものである。このことは、ピコネット数を増やすことにつながり、多数のユーザへ高速データ伝送用無線通信を提供することが可能となる。また、基準周波数が1つであり、高周波を扱うSSBミキサの数も他の公開・公告公報、文献に比べて低く、チップ面積や消費電力の上で大きな利点があり、全体的なコスト削減を実現できる。
本発明の第10の実施形態に係る周波数シンセサイザの説明を示す。≪Behzad Razavi、黒田忠広監訳、”RFマイクロエレクトロニクス”、2005、P.267、図7.45≫にある2分周回路は良く知られた容易に実現可能な回路であり、マスタースレーブのフリップフロップ(ラッチ)を用いて周波数2fの信号から生成する方法である。その出力信号は周波数fを持ち、かつ直交信号(クアドラチャ信号、位相が90°異なる信号)となる。この信号はSSBミキサを実現するために必須のものである。該直交信号を得るための構成としては、シンプルかつ設計が容易である点が優れている。
次に、本発明の第11の実施形態に係る周波数シンセサイザの説明を示す。≪Behzad Razavi、黒田忠広監訳、”RFマイクロエレクトロニクス”、2005、P.317、図7.45(b)≫にあるCML(コモンモードロジック、カレントステアリングとも言う)回路をラッチ回路として用いることで、高速動作が可能な2分周器の実現が可能となる。このCML回路は動作点等を決めなければならず、その設定によっては希望の動作が行われないが、本発明では数GHzの信号を扱うため、CML回路を積極的に使用することでシステム全体として安定した高速動作が期待できる。また直交信号も得られる。
次に、本発明の第12の実施形態に係る周波数シンセサイザの説明を示す。≪Behzad Razavi、黒田忠広監訳、”RFマイクロエレクトロニクス”、2005、P.317、図7.46(a)≫にあるSSBミキサは2つの信号を周波数ミキシングし、BPF(バンドパスフィルタにより、その和もしくは差の周波数を得る。これは、良く知られたDBM(ダブルバランスミキサ)1つとBPF(バンドパスフィルタ)で実現可能であり、設計及びチップ面積の面で優れた点がある。
次に、本発明の第13の実施形態に係る周波数シンセサイザの説明を示す。≪Behzad Razavi、黒田忠広監訳、”RFマイクロエレクトロニクス”、2005、P.317、図7.46(b)≫にあるSSBミキサが差周波と和周波を切り替えて出力する仕組みは、次の通りである。
まず、周波数f1の成分と、周波数f2の成分のそれぞれに、sinとcosを用意する。これは実施形態11及び12で得られる直交信号を示している。
和周波を得るための信号処理の一例として、次のような方法がある。
sin(2×π×f1×t)×cos(2×π×f2×t)+cos(2×π×f1×t)×sin(2×π×f2×t)=sin{2×π×(f1+f2)×t}
一方差周波を得るには、次のようにすればよい。
sin(2×π×f1×t)×cos(2×π×f2×t)−cos(2×π×f1×t)×sin(2×π×f2×t)=sin{2×π×(f1−f2)×t}
全ての回路が差動回路で構成されている場合、例えばsin(2×π×f2×t)の正・負をスイッチ部で入れ替えられる(スワップ回路やセレクタ回路)ようするなどしておけば、和周波と差周波を選択的に得ることが出来る。このような入れ替えの回路は容易な回路で実現できる。
図11及び図12は、本発明の第14の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。基準信号発生器1がPLLに置き換わっているが、もしPLLでないVCO等のみで実現するとなると、電源電圧及び制御電圧変動により出力周波数が変動する等の問題が発生する。一方、RFトランシーバにおいては、発振器の周波数は大変厳しい仕様であり、非常に高い精度で出力されなければならない。
このことから、高精度で安定的な周波数を発生する水晶発信器等の出力周波数を参照するPLLは、厳しい仕様を満たすためには必要な回路であり、PLLを使用することで周波数シンセサイザが出力する複数の周波数全体の精度を高めることに繋がる。
図13及び図14は、本発明の第15の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。PLLは水晶発信器等の出力周波数(数十MHz)を参照信号とするため、PLLの出力信号をいくつか分周して周波数を下げなければならない。この分周する過程をPLL内部でなく、図13及び図14におけるPLL以降の経路で得られることが出来れば効率的である。
この構成によれば、中心周波数生成手段2の出力信号を利用し、図13では1584MHz信号、図14では2640MHz信号をPLLに帰還させており、PLL内部でこの周波数レベルまで下げる必要が省けていることが分かる。このことはチップ面積や消費電力の面で大きな利点となる。
図15及び図16は、本発明の第16の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。PLLは水晶発信器等の出力周波数(数十MHz)を参照信号とするため、PLLの出力信号をいくつか分周して周波数を下げなければならない。この分周する過程をPLL内部でなく、図15及び図16におけるPLL以降の経路で得られることが出来れば効率的である。
この構成によれば、オフセット周波数生成手段3の出力信号を利用し、図14及び図15共にでは528MHz信号をPLLに帰還させており、PLL内部でこの周波数レベルまで下げる必要が省けていることが分かる。このことはチップ面積や消費電力の面で大きな利点となる。
またPLL以降で合成でき得る最小の周波数を帰還させているので、PLL内部でさらに分周するにしてもその負担は大幅に軽減できる。このことは、低チップ面積や低消費電力、また設計労力等の軽減に大きな効果がある。
次に、本発明の第17の実施形態として、マルチバンドOFDM方式に関わる無線通信において、Ultra Wide Band(UWB)全帯域を利用する実施形態1乃至16の周波数シンセサイザを有する電子回路装置がある。
UWBシステムにおいて多数のユーザへ高速データ伝送用無線通信を提供するためには、約3GHzから約10GHzまでおよぶUWB帯域に設けられたサブバンド(計14つ)を広く用いてピコネット数を増やすことが必要である。そのため、UWB信号を送受信する無線回路では、受信信号の復調と送信信号の変調の目的で上記第1から第14のサブバンド周波数を搬送波信号として生成することが必要となる。そしてその搬送波信号を高速に切り替える周波数ホッピング動作が規定されている。
この課題に対して、実施形態1乃至16では、周波数発振器(基準信号発信器)、複数の周波数分周器、周波数混合器(ミキサ)を有し、信号の加算、減算を繰り返した後、特定の信号に切り替えて出力することで、所望信号を、9nS以内で周波数遷移させている。
超広帯域である528MHzの帯域幅(周波数切り替え幅)を持つ複数の信号を高速に切り替え可能で、更にバンドグループ及びサブバンドを任意に設定・切り替えが可能な、周波数ホッピング通信の技術を提供するにあたって、基準周波数が1つであること、高周波を扱うSSBミキサの数及びSSBミキサのカスケード接続される数を抑えること、バンドグループを決定してからバンドを決定する(ホッピングする)こと等において大きな優位点を持つ電子回路装置が実現可能となる。
以上、本発明を、具体的に実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施の形態には限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で変形したものも本発明に含まれることは言うまでもない。
また、“約90°位相シフトのある信号”は、実用上80°以上100°以下とするのが好ましい。
本発明の第1の実施形態に係る周波数シンセサイザの基本的な構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数シンセサイザの基本的な構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。 本発明の第7の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。 本発明の第8の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である。 本発明の第9の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である(その1)。 本発明の第9の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である(その2)。 本発明の第14の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である(その1)。 本発明の第14の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である(その2)。 本発明の第15の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である(その1)。 本発明の第15の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である(その2)。 本発明の第16の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である(その1)。 本発明の第16の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成を示す図である(その2)。 マルチバンドOFDM方式を用いたUWB無線通信用の周波数配置(サブバンド構造)を示す図である。
符号の説明
1 基準信号発生器、2 中心周波数生成手段、2a 周波数分周手段、2b 周波数ミキシング手段、3 オフセット周波数生成手段、3a セレクタ、4 ミキサ

Claims (17)

  1. 単一周波数である基準周波数を有する基準信号を元に周波数を合成する周波数シンセサイザであって、
    前記基準信号を出力する基準信号発生器と、該基準信号発生器が出力する基準信号を元に中心周波数を生成する中心周波数生成手段と、該中心周波数生成手段より生成された周波数を元にオフセット周波数を生成するオフセット周波数生成手段と、複数の周波数を合成する第1のミキサと、を備え、
    前記第1のミキサは、前記中心周波数生成手段で生成された中心周波数と前記オフセット周波数生成手段で生成されたオフセット周波数とを合成した周波数を出力することを特徴とする周波数シンセサイザ。
  2. 前記中心周波数生成手段が、周波数分周手段と周波数ミキシング手段により構成され、前記周波数分周手段は、前記基準周波数を分周した分周信号及び前記基準信号を出力し、前記周波数ミキシング手段は、前記基準信号と前記分周信号とを周波数ミキシングすることを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ。
  3. 前記周波数分周手段から生成される生成周波数が3つ以上の場合、前記周波数ミキシング手段は、周波数ミキシングするための第2のミキサを2つ以上有し、各第2のミキサからの変調信号及び前記基準信号を選択して前記第1のミキサに出力することを特徴とする請求項2に記載の周波数シンセサイザ。
  4. 前記周波数分周手段の生成周波数が2つの場合、前記周波数ミキシング手段では、周波数ミキシングするための前記第2のミキサを1つ有し、前記第2のミキサの変調信号及び前記基準信号を選択して前記第1のミキサに出力することを特徴とする請求項2に記載の周波数シンセサイザ。
  5. 前記周波数分周手段が、第1の二分周器と第3のミキサにより構成されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の周波数シンセサイザ。
  6. 前記オフセット周波数生成手段に入力される信号を、前記周波数分周手段から得ることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の周波数シンセサイザ。
  7. 前記オフセット周波数生成手段の生成周波数が2つ以上であり、該出力を選択して前記オフセット周波数として前記第1のミキサに出力することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の周波数シンセサイザ。
  8. 前記オフセット周波数生成手段が出力するオフセット周波数が1つであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の周波数シンセサイザ。
  9. 前記オフセット周波数生成手段が、第2の二分周器及び第4のミキサにより構成されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の周波数シンセサイザ。
  10. 前記第1及び2の二分周器が2つのラッチで構成されることを特徴とする請求項5乃至9の何れか一項に記載の周波数シンセサイザ。
  11. 前記ラッチがコモンモードロジックであることを特徴とする請求項10に記載の周波数シンセサイザ。
  12. 前記第1乃至4のミキサでの片側波帯を、ダブルバランスミキサとバンドパスフィルタにより構成して生成することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の周波数シンセサイザ。
  13. 前記第1乃至4のミキサでの片側波帯を、約90°位相シフトのある信号を扱うシングルサイドバンドミキサにより構成して生成することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の周波数シンセサイザ。
  14. 前記基準信号発生器がPLLにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の周波数シンセサイザ。
  15. 前記PLL内の位相比較器に帰還させる信号を前記中心周波数生成手段から得ることを特徴とする請求項14に記載の周波数シンセサイザ。
  16. 前記PLL内の位相比較器に帰還させる信号を前記オフセット周波数生成手段から得ることを特徴とする請求項14に記載の周波数シンセサイザ。
  17. マルチバンドOFDM方式に関わる無線通信において、UWB全帯域を利用することを目的とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の周波数シンセサイザを有することを特徴とする電子回路装置。
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