JP2010116310A - シリコンの精製方法及び精製装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属シリコンを原料とする高純度シリコンの生産効率向上とコスト低減。
【解決手段】溶融した原料シリコンを収容した水冷ハース13をハースの傾動によって溶湯から露出した底、内壁に形成された凝固層からなるスカル22を溶湯21から露出させてスカル22の新しい溶解面に対して酸素ラジカルを供給してホウ素を酸化し、形成された酸化ホウ素を真空雰囲気において蒸発させ、しかる後、一方向性凝固等による固液分配係数の差を利用して不純物部分を除去して精製シリコンインゴットを形成した後、当該インゴットを電子ビーム14照射と真空雰囲気に暴露し、これを溶解して溶融面を真空雰囲気中に暴露することによって、リンの蒸発除去過程を行い、高純度精製シリコンを得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンの精製方法及び精製装置に関し、特に、冶金的手法により製造された原料シリコンからリン、ホウ素等の不純物を効率的、かつ高い収率で除去して高純度シリコンを製造する方法及び装置に関する。
高純度シリコンは、半導体デバイス用及び太陽電池用に用いられているが、これらの用途における要求に応える高純度に精製することは困難であり、これらの高純度の要求に応えると共に高い生産効率、高い収率向上が求められている。
太陽電池用シリコン(Solar Grade Silicon: SOG-Si)に対する純度の要求は、Si:99.9999%(6N)以上であることから、半導体デバイス用のSi:99.999999999%(11N)以上に比して純度に関する要求は比較的低いが、特にコスト低減が大きな課題とされる。
これらの出発原料とされる冶金的に製造された市販の金属シリコン(MG−Si)は、純度99.5%程度であって、多くの不純物を含むため多くの精製過程が必要である。金属シリコン中に含有される不純物の内、アルミニウム、鉄、チタン等は、固液分配係数の差を利用した一方向凝固法による除去が可能であり、炭素については炭化ケイ素の形態であれば溶融凝固時に表面に浮上して分離され、炭素単体の状態であれば酸化除去されるなど、比較的容易に除去することができる。
これに対し、金属シリコン中に含有される不純物としてのリン及びホウ素は除去が困難であり、高温処理による蒸発あるいは酸化工程を必要とする。その結果、この高温処理に伴ってエネルギー投入量がかさむばかりでなく、処理過程におけるシリコンの損失量が大きく、高純度化の達成と共にコスト低減と効率向上が課題とされている。
市販の金属シリコンから太陽電池用シリコンを量産する冶金的なプロセスが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)において開発され、成果が公開されている。
第一回「エネルギー使用合理化シリコン製造プロセス開発」(事後評価)分科会、資料6−2、平成13年12月21日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)太陽・風力技術開発室太陽電池用原料技術研究組合(SOGA) 特許第3473369号公報 特許第3369094号公報
先行技術例として上記非特許文献1記載の技術を挙げると、市販の金属シリコンを出発原料として、まず真空雰囲気中で溶融シリコンからシリコンよりも蒸気圧の高いリンを蒸発させて除去する工程と、次に水蒸気添加プラズマ或いは低圧酸素プラズマ溶解により溶融シリコン中のホウ素を酸化させて、酸化ホウ素とシリコンあるいは酸化シリコンとの僅かな蒸気圧差を利用して酸化ホウ素の形でホウ素を除去する工程とからなる。
これらの工程例を図に沿って説明する。
図5において、真空チャンバー101に配置された保持容器(ハース)103中にホッパー102から供給された塊状の原料シリコン(金属シリコン)を電子銃104により加熱して溶融する。このときの加熱温度においてリンの蒸気圧がシリコンのそれよりも高いため、リンは溶融面より蒸発して除去される。
リン除去後の溶湯シリコンは、一方向凝固用鋳型106に供給されて上方より電子銃105により加熱されつつ下方から凝固され、不純物の濃縮した末端が切り捨てられてホウ素を含むがリン及び他の不純物が除去された精製シリコンインゴットが得られる。
次に、上記の工程で得られた精製シリコンインゴットは粉砕され、洗浄された後、図6に示すようにチャンバー111内の保持容器113に供給され、プラズマトーチ114により水蒸気添加プラズマジェット加熱を行って溶融すると共にホウ素を酸化し、高温における酸化ホウ素の蒸気圧がシリコンあるいは酸化シリコンのそれよりも僅かに高いことを利用して酸化ホウ素を溶融表面から蒸発除去させる。
ホウ素除去後の溶湯シリコンは、前記と同様にして一方向凝固用鋳型116に供給され、上面をプラズマトーチ115により加熱されて溶融状態を保持しつつ下方から凝固され、最後に不純物の濃縮された末端が切り捨てられて高純度精製シリコンインゴットが得られる。
これらの工程において得られた高純度シリコンについて、その純度は次の表1に示すように報告されている。
以上のように非特許文献1による開発成果として、太陽電池用シリコンに要求される高純度の目標は達成され、比抵抗値も0.006〜0.013Ωmが達成されたことが報告されている。
このように太陽電池用規格に適合する高純度シリコンの製法が開発されているが、これらの各工程においては、投入エネルギー量がすこぶる大きく、またシリコンの損失が著しいことが明らかとなっている。
すなわち、リンの除去工程は、リンの蒸気圧がシリコンのそれより高いことを利用し、シリコンの溶解温度以上でリンの蒸発が行う必要があるが、シリコン中のリンが短時間で除去され、またリン以外にもアルミニウム、カルシウムも同時に除去されることから、加熱手段として電子ビーム104が用いられ、シリコンを保持する容器103として水冷銅ハースが用いられる。
ところで電子ビーム照射によりシリコンを溶解すると、溶湯表面からの加熱であるため溶解したシリコンはハースの器壁に触れて冷却されて直ちに凝固して凝固層(スカル)を形成する。この現象は、容器として水冷銅ハースを用いた場合であっても、黒鉛ハースを用いた場合であっても本質的に避けることができない。
これら凝固層の存在はシリコン精製反応の障害になり、また、シリコン精製過程が進行して溶湯シリコン内における不純物濃度が低下すると、凝固層中の不純物の拡散や凝固層の部分的な溶解によりこれら不純物の供給源となる。このため、電子ビームの照射強度を高めて溶融シリコンの温度を上昇させ、凝固層の厚さを抑制する。しかしながら、電子ビーム照射のような溶湯表面を加熱する手段によって溶融シリコンの温度を上げると、同時に溶湯表面温度が著しく上昇するためシリコンの蒸発を招いてしまい、その損失は20%以上にも達してしまう。
さらに、これらの蒸発による不純物の除去過程は、溶湯表面からの蒸発によるため溶湯内の不純物の溶湯表面への移動が律速過程とされるが、溶湯内の自然対流が不十分なため、リンなどの不純物が反応域である溶湯表面へ移動する作用は拡散作用などによるところが大きく、不純物除去過程が抑制されてしまう。このため、溶湯容器の水平回転や超音波による撹拌等が提案されているが、溶湯内部からその表面方向に向かう溶湯の撹拌ができないため上記の問題は解消できていない。
前記電子ビーム照射により溶融され、リン等の不純物が除去された溶湯シリコンは、一方向凝固法により精製シリコンインゴットとされる。この精製シリコンインゴットは、粉砕され、洗浄が行われた後、後述するホウ素の除去過程のシリコン原料として供給される。しかしながら、電子ビーム溶解工程及び一方向凝固工程によって不純物の多くが除去された精製シリコンは、粉砕工程において新たな不純物の混入を避ける事ができない。粉砕工程を行った後の原料シリコンを洗浄しても混入した不純物を皆無にすることができない。従って、後述する水蒸気添加プラズマジェット加熱によるホウ素除去工程及びそれに続く一方向凝固工程において、上記粉砕に伴い混入した不純物を除去するための工程上の負荷を増加させることとなる。
ホウ素の除去過程は、ホウ素の酸化とその酸化物の蒸発による除去過程であるため、いずれの反応も溶湯表面を介して進行する。従って、ホウ素の溶湯表面への輸送過程が働かなければならないが、ホウ素の酸化反応は同時にシリコンの酸化反応を伴う。その結果、シリコン酸化物が溶湯表面を覆って雰囲気を遮断するためその抑制若しくは除去が同時に行われないと脱ホウ素過程が進行しない。
上記のホウ素除去過程では、プラズマアーク加熱と酸素雰囲気制御によって、ホウ素の酸化及び当該ホウ素酸化物の蒸発を行うが、シリコンの酸化によって生じる酸化シリコンが溶湯表面を覆うにつれて脱ホウ素過程の進行が阻害される。このため、これらの高温度下のホウ素の除去過程は、目的とするホウ素除去を達成するためには十分な処理時間を必要とし、加熱のための投入エネルギー量がかさむばかりでなく、酸化や蒸発によるシリコンの損失も大きい。また、ホウ素の除去過程においても、上記のリン除去の場合と同様の凝固層によるスカル形成が生じる。このため、プラズマアーク加熱の強度を高めて溶融シリコンの温度を上昇させ、凝固層の厚さを抑制する。しかしながら、プラズマアーク加熱と酸素雰囲気制御のような溶湯表面を加熱する手段によって溶融シリコンの温度を上げると、同時に溶湯表面温度が著しく上昇するためシリコンの蒸発及び酸化を促進してしまい、その損失は投入原料の40%以上にまで達してしまう。
したがって、ホウ素の除去過程においても、溶湯中のホウ素が反応域である溶湯表面に速やかに移動することが必要であり、同時に溶湯表面のシリコン酸化物層を除去してホウ素の酸化及び蒸発が速やかに行われる条件を達成すること、またリンの除去過程と同様に凝固層に対しても効率よく溶融および酸化反応を行わせることが必要である。
従って、本発明は、原料シリコンの精製において、上記のシリコンの損失を 抑制し
、投入エネルギーの低減、精製装置内の蒸発成分の堆積による負荷の低減と共に、不純物の除去・精製過程の効率を向上し、コスト低減と共に高度の高純度化を達成することを課題とする。
本発明者らは、上記したホウ素及びリン等の不純物を除去して高純度シリコンを得るシリコン精製方法について鋭意検討を行った結果、不活性ガスとしてヘリウムを用いたプラズマジェット加熱と酸素雰囲気制御によって、ホウ素の除去率を著しく向上できることを見出した。
表2は、不活性ガスとしてアルゴン(Ar)を用いた場合と、ヘリウム(He)を用いた場合のボロン(B)およびリン(P)の不純物濃度の変化を比較した実験の一例である。なお、ここでは非移送型プラズマトーチを用い、共に5%の水蒸気を添加し、溶解時間は1時間の同条件で比較した。

この比較実験から明らかなように、ヘリウムプラズマの場合、アルゴンプラズマに比べて5倍強のボロン除去能力が得られ、さらにリン除去に於いても2倍近い能力が得られることが判明した。
この能力の差は、原料シリコンを同一条件で溶解した溶解実験後のそれぞれのインゴットの外観(図7)にも現れており、アルゴンプラズマの場合では、図7−(b)に示すように溶解が一様に進行していないのに対して、ヘリウムプラズマを用いた場合は図7−(a)の断面写真が示すように全体が一様に溶解していることがわかる。
この効果は、プラズマトーチを移送型とした場合でも基本的に変わらない。
すなわち、ヘリウムプラズマではより高い溶湯面温度が得られることを意味しているのであり、これにより同一パワーでも溶解およびボロン除去に要する時間を短縮できることとなり、大きな工業的経済効果をもたらすことを見出した。
更に、本発明者らは、ホウ素の酸化及びこのホウ素酸化物の蒸発を行うに際して、傾斜回転する溶湯容器の器壁(容器底面)とその中に収容されたシリコン溶湯との間で、溶湯を排出することなく互いに相対位置を変化させながらプラズマジェット加熱と酸素雰囲気制御を行うこと、つまり傾斜容器下部器壁に溶湯を排出することなく溶湯を移動させ、傾斜容器上部の容器の器壁に形成された凝固層(スカル)を露出させ、かつ当該器壁とシリコン溶湯とを溶湯を排出することなく相対位置を変化させながら、プラズマジェット加熱と酸素雰囲気制御を行うことによって、該凝固層(スカル)を溶融すると同時に、溶湯表面に絶えず新しい溶融シリコン面を露出させることを可能とし、シリコン中に含まれているホウ素を効果的に酸化除去する方法を見出した。
これらの知見により、原料シリコンの精製において第1の工程としてプラズマジェット加熱と酸素雰囲気制御を行って、金属シリコン中に含まれるホウ素を酸化除去するとともに、リンの大半の除去も行い、後に行われる第2の工程としてのリンの蒸発除去工程における加熱負荷を著しく軽減し得る事を見出した。又、このことから、ホウ素を酸化除去する第1工程の後に行われる一方向凝固によって得た精製シリコンインゴットを粉砕することなく、第2の工程に導入し、これを真空雰囲気中で直接溶解することで第2の工程におけるリンの蒸発除去を行い得ることを見出した。
すなわち、本発明は、溶融状態にある金属シリコンの溶湯面に酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットを照射して、該金属シリコンに含有するホウ素を酸化除去するシリコンの精製方法において、
溶融シリコンの収容容器のシリコン凝固層の形成される器壁を順次溶湯表面上方に露出せしめて当該器壁に形成されたシリコン凝固層を前記酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットの照射に暴露してこれを溶融することにより溶湯シリコンからのホウ素の酸化除去を促進することを特徴とするシリコンの精製方法であり、
上記溶融シリコンの収容容器を傾斜させた状態で回転することにより、シリコン凝固層の形成される器壁を順次溶湯表面上方に露出せしめ、
あるいは、上記溶融シリコンの収容容器を相互に異なる方向に傾動することにより、シリコン凝固層の形成される器壁を順次溶湯表面上方に露出せしめ、さらに、
上記溶融シリコンの収容容器を傾斜させた状態で回転すると共に更に異なる方向に傾動することにより、シリコン凝固層の形成される器壁を順次溶湯表面上方に露出せしめることを特徴とする。
また、上記不活性ガスが、ヘリウムであり、上記酸素雰囲気が水蒸気により構成されていることを特徴とし、上記プラズマジェットは、上記溶湯表面上方に露出したシリコン凝固層及びシリコン溶湯の双方に照射されるように走査されることを特徴とする。
また、本発明は上記溶湯シリコンからのホウ素の酸化除去後、固液分配係数の差を利用した凝固を行った後に不純物含有部分を除去して精製シリコンインゴットを得ることを特徴とし
さらに、精製シリコンインゴットを真空雰囲気中でその端部に電子ビームを照射して順次溶解して、リンを蒸発除去することを特徴とする。
また、上記リンが蒸発除去された溶融シリコンを、固液分配係数の差を利用した凝固を行った後に不純物含有部分を除去して高純度精製シリコンインゴットを得ることを特徴とする。
また、本発明は、溶融状態にある金属シリコンの溶湯面に酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットを照射して、該金属シリコンに含有するホウ素を酸化除去するとともに、リンを含む他の不純物を蒸発除去して精製シリコンを得る第1の工程の後に、
該精製シリコンを真空雰囲気中で電子ビーム加熱を行うことにより溶融シリコンを得、これによりリンを蒸発除去して高純度精製シリコンを得る第2工程を行うことを特徴とし、該プラズマジェットが、ヘリウムと酸素雰囲気からなる混合ガスが用いられることを特徴とする。
本発明は、さらに上記第1工程の後に溶融シリコンを、固液分配係数の差を利用した凝固を行った後に不純物含有部分を除去して精製シリコンインゴットを得ることを特徴とし、
上記第2工程におけるリンの蒸発による精製過程が、精製シリコンインゴットを電子ビーム照射域に送給してインゴット端面より順次溶融することによって行う、
ことを特徴とする。
また、本発明は、溶融状態にある金属シリコンの溶湯面に酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットを照射して、該金属シリコンに含有するホウ素を酸化除去するシリコンの精製装置において、
チャンバーと、
該チャンバー内に設けられた溶融シリコンの収容容器と、
溶融シリコンの収容容器のシリコン凝固層の形成される器壁を溶湯シリコンが排出されることなく順次溶湯表面上方に露出せしめるよう動作する駆動装置、
該溶湯表面上方に露出せしめた器壁に形成された凝固層に対して酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットを照射してこれを溶融するプラズマ照射装置を具える、ことを特徴とするシリコンの精製装置であり、
さらに、本発明は溶融状態にある金属シリコンの溶湯面に酸素雰囲気を含むヘリウムからなるプラズマジェットを照射して、該金属シリコンに含有するホウ素を酸化除去するとともに、リンを含む他の不純物を蒸発除去して精製シリコンを得る第1の精製装置と、
該精製シリコンを真空雰囲気中で電子ビーム加熱を行うことにより溶融シリコンを得、これによりリンを蒸発除去して高純度精製シリコンを得る第2の精製装置を有す
シリコンの精製装置である。
本発明は、シリコン精製に際してハース内壁に形成される凝固層による汚染を抑制し、溶湯内の撹拌を行うことにより、リン及びホウ素の除去を効果的に行うと共にシリコンの損失を抑制して収率を向上し、また、投入エネルギーと製造コストの低減を達成する。
以下、本願発明のシリコンの精製方法及び精製装置を添付図面の記載に沿って具体的に説明する。
〈ホウ素の除去過程〉
図1は、本発明のシリコン精製装置における第1の工程を示す1実施例である。
溶解チャンバー10内に配置された精製容器(傾斜回転ハース)13中にホッパー12から原料シリコン(金属シリコン)が供給される。この傾斜回転ハース13中の原料シリコンにヘリウム励起プラズマトーチ14により水蒸気を添加したプラズマジェットを照射して、これを加熱・溶融して溶湯シリコンを形成すると共に、溶湯シリコン中に含有するホウ素を酸化し、酸化ホウ素として溶湯表面から蒸発除去させる。
脱ホウ素過程終了後、傾斜回転ハース13を傾動して溶湯シリコンを保持ルツボ17に傾注する。保持ルツボ17はヒーター15で加熱されており内部に傾注されたシリコンは溶湯シリコン状態に保持される。
上記の溶解・脱ボロン→傾注を所定回数繰り返して、保持ルツボ17が溶湯シリコンで満たされると、保持ルツボ17は昇降機構18によりヒータ15の下方に下降し、図示しない移送機構によりゲートバルブ19を経由して真空状態の一方向凝固チャンバー11に移送される。
一方向凝固チャンバー11に移送された保持ルツボ17は、昇降機構20により上部のヒーター16内に移動した後、加熱されながら所定の速度で徐々に降下される。この過程で、保持ルツボ17内の溶湯シリコンは一方向性凝固が行われ、鉄、アルミ等の不純物が除去された精製シリコンインゴットが形成される。
傾斜回転ハース13は、例えば水冷銅ハース或いは黒鉛ハースが用いられ、図3に示す如く、図中左方の器壁(容器底面)が下方に、右方の器壁が上方となるように傾斜配置され、溶湯シリコン22が常に下方に溜まるようにすると共に、傾斜した軸13−1を中心に溶湯シリコン22を排出することなく回転して、器壁の特定の部位が上方から下方へ或いは下方から上方へ常に移動するように構成されている。その結果、ハース13内の下方に溜められた溶湯シリコン22は常に新たな器壁に接触するように、溶湯シリコンに対してハース13の器壁が常に相対的に変化(移動)する構成とされている。
上記傾斜回転ハース13における溶湯シリコンとハース器壁の相対的変化(移動)に基づく不純物除去の作用は、ハースを双方向に傾斜するように駆動する場合(双方向傾動ハース)と原理的に同様なので、説明の便宜上、図2(a)〜(d)に示す双方向傾動ハース13'を例にして説明する。
双方向傾動ハース13'中に供給された原料シリコンに対してプラズマトーチ14から水蒸気添加プラズマジェットを照射して、これを加熱溶融すると、溶融したシリコンがハース13'底に溶湯21となって貯まるとともに、水冷ハース(或いは黒鉛ハース)内壁にシリコンが凝固してスカル22を形成する (図2a) 。
ハース13'内のシリコンが更に溶融されてホウ素の酸化蒸発による精製過程が開始されると溶湯シリコン内のホウ素は水蒸気添加プラズマジェットによる酸化によって溶融面から蒸発し、溶湯シリコン中のホウ素濃度は低下するが、固相のスカル中のホウ素は固定されて殆どこの精製過程に加わらない。
この水蒸気添加プラズマジェットによれば、溶湯シリコン中のホウ素を酸化して、
23をはじめとする、蒸気圧の大きい各種酸化ホウ素の形で気化・除去することが行われる。しかしながら、特許文献2および非特許文献2で開示・報告されているごとく、H2OまたはCO2等を添加した熱プラズマにより、ホウ素の酸化および蒸発処理が行われるが、溶湯表面が酸化シリコン(SiO2)膜で覆われ、ホウ素の酸化反応速度が低下するために、ホウ素除去の処理時間が大きくなるという生産上の問題を抱えていた。一方、シリコン自体もSiO等の形で気化してロスとなるため、処理時間の増大と共にロスも増加するという問題も併せ持っていた。
また、非特許文献2に報告されている通り、約1350℃以上でシリコンよりもホウ素が優先的に酸化されるので、ここでは1600〜2300℃の比較的高温で処理を行う。これにより酸化ホウ素の気化を促進すると同時に、シリコン表面に発生する酸化シリコン(SiO2)をSiOの形にして気化させなければならない。
「溶融シリコン中のリンおよびホウ素の蒸発除去」、日本金属学会誌 第54巻 第2号(1990)161-167
そこで、ハース13'を傾動軸18の廻りに矢印のように一方向に傾動させると、ハース13'器壁が下方となった部位(図中右側)に溶湯シリコン21がハース13'から排出されることなく移動し、一方器壁が上方となった部位(図中左側)において凝固層からなるスカル22が溶湯から露出して水蒸気添加プラズマジェットに曝される(図b)。
そして、水蒸気添加プラズマジェットを直接受けたスカル22は溶融し、ハース13'器壁に沿って流下して反対側に貯留されるシリコン溶湯に向けて流れ込む。この過程で、スカル22表面では、水蒸気添加プラズマジェット照射による加熱に伴って溶融して凝固シリコン表面が更新されると共にホウ素の酸化蒸発が行われる。更にこの工程を継続することで、常に新たな溶解面を露出してこれも更に溶融及びホウ素の酸化蒸発が行われるから、ホウ素はその表面からすみやかに蒸発して除去される。
このスカル溶解過程は、残存するスカル層に対してハース壁面からの冷却と水蒸気添加プラズマジェット照射による加熱が平衡するまで進行する。このようにして、水蒸気添加プラズマジェット照射による溶融とホウ素の酸化蒸発が同時に進行するスカルの暴露面は、最も活発、且つ効果的に脱ホウ素過程が進行する領域となる。
以上の過程によりハース13'の一方側のスカルの溶融、酸化蒸発による脱ホウ素過程が終了すると、ハース13'を反対側に傾動して、ハース13'を傾動軸18の廻りに反対方向に傾動させると、今度はハース13'器壁が下方となった部位(図中左側)に溶湯シリコン21が移動し、一方器壁が上方となった部位(図中右側)において新たな凝固層からなるスカル22が溶湯から露出して水蒸気添加プラズマジェットに曝され、上記と同様にスカル22が溶融し、ホウ素の酸化蒸発が行われる(図c)。このようにして、図b及び図cの過程を反復して繰り返すことにより、プラズマ加熱期間中に次々と生成される凝固層(スカル)中の不純物が除去され、またこの過程を通して溶湯全体の脱ホウ素過程が促進される。
一方、スカルが溶解されて流入する溶湯側は、溶融シリコンの流入によって溶湯内は一様に攪拌されるため、溶湯内のホウ素は溶融シリコンと共に溶湯表面に輸送され、水蒸気添加プラズマジェット照射に暴露されるために酸化蒸発することができる。
図1に示した傾斜回転ハース13及び図2に示した双方向傾動ハース13'は、共に溶融シリコンが水蒸気添加プラズマジェット照射されて溶解されながら、ハース内の器壁(容器底面)の下方に溜まるようにハース内を繰り返し相対移動することが特徴である。これにより上方となった他方の器壁に堆積した不純物を含む凝固層(スカル)が水蒸気添加プラズマジェット照射に直接暴露され、これによりハース13及び13'器壁に堆積したスカルが溶融して酸化蒸発による脱ホウ素処理が効果的に促進される。
従って、本発明において第1の工程に用いられる精製容器は、図1に記載の傾斜回転ハース13であっても図2に記載の双方向傾動ハース13'でもよく、更に例えば、図1に示した傾斜回転ハース13に図2に示した双方向傾動機能を付加したものであってもよい。
図1に戻って、プラズマトーチ14は、傾斜回転ハース13中のシリコンに対して水蒸気添加プラズマジェットを照射してシリコンを溶融するものであるが、傾斜回転ハース13の上方のスカルが暴露した器壁部分及び下方の溶湯シリコンが溜まった部分の各々に向けてプラズマジェットを照射することができるように走査可能に構成されている。このプラズマジェットの走査は、図1に示すようにプラズマトーチを機械的に操作するようにしたものでも、プラズマトーチ14自体は固定しておき、ここから照射されるプラズマジェットに対して磁気的作用等を付与してプラズマジェットの照射方向を変化させて走査するように構成してもよい。
脱ボロン用のプラズマトーチ14の励起用不活性ガスとしては、従来例の多くでアルゴンが用いられている。
ここで本発明者らは、不活性ガスとしてヘリウムを用いたプラズマジェット加熱と水蒸気添加からなる酸素雰囲気制御によって、シリコン溶湯中のホウ素の酸化及び該ホウ素酸化物の蒸発を行ったところ、驚くべきことにアルゴンプラズマに比べて5倍強のボロン除去能力が得られ、さらにリン除去に於いても2倍近い能力が得られることを見出した(前掲表2参照)。更に図7に示した溶解後のインゴット比較においても、ヘリウムプラズマの方が、実際の溶湯面で高温が得られると推測するに足る結果を得た。
同一出力のプラズマ照射条件において、塊状の原料シリコンをヘリウムプラズマにより溶解した場合は、図7(a)のように完全に溶解しているのに対して、アルゴンプラズマによる場合は図7(b)のように溶解が十分進行しておらず、十分な加熱温度に達していないことが解る。
不活性ガスとしてヘリウムを用いた場合の上記の効果が発生する理由については必ずしも明らかとなっていないが、プラズマジェットを包囲するヘリウムの比熱に基づくプラズマの収束効果、或いは自己発生磁束による磁気的な収束効果に基づいてプラズマジェットにおける更なる加熱向上効果が発生したものと推測される。
以上述べたように、傾斜回転ハース13或いは双方向傾動ハース13'の使用により、シリコンが水蒸気添加プラズマジェット照射されて溶解されながら、ハース内の器壁(容器底面)の下方に移行流動するようにハースを繰り返し交互に傾動し、上方となった他方の器壁に堆積した不純物を含む凝固層(スカル)を水蒸気添加プラズマジェット照射に直接暴露する。これによりハース13及び13'器壁に堆積したスカルが溶融して、酸化蒸発による脱ホウ素処理が効果的に促進される上記第1の工程においては、ホウ素が効果的に酸化除去されるのみではなく、金属シリコンからの除去が難しいとされているリンについても、その多くの除去が可能となるから、後述するリンの除去過程(第2の工程)における加熱負荷を著しく軽減する。
このようにホウ素の酸化除去を主眼とした水蒸気添加プラズマジェット照射が行われ、不純物の多くが除去された溶湯シリコンは、一方向凝固による精製装置11に移送される。
一方向凝固による精製装置11は、上方にヒーター16を具えて溶融たまりを維持しつつ、保持ルツボ17内の溶融シリコンを凝固させて精製後の溶融シリコンから固液分配係数の差を利用して偏析による不純物除去を行い、凝固したシリコンを下方に引き出して不純物が除去された精製シリコンインゴットが形成される。
〈リンの除去過程〉
図4は、本願発明のシリコンの精製装置における第2の工程を示す1実施例であり、真空チャンバー41内に電子ビーム照射装置44、及び一方向凝固鋳型47及びこの周囲に設けられたヒーター45からなる精製装置を基本構造とする。
真空チャンバー41内は、図示しない真空排気装置により10-3〜10-5Torrの真空雰囲気に維持され、溶融シリコンから蒸発したリンは速やかに系外に排出されるようになっている。真空チャンバー41には、第1の工程において水蒸気添加プラズマジェット照射により脱ボロンされ、一方向凝固により鉄、アルミ等の遷移金属不純物が除去された精製シリコンインゴット50が、図示しない挿入機構により矢印方向に挿入され、この精製シリコンインゴット50の端部を電子ビーム照射装置44で加熱・溶融する。精製シリコンインゴット50は所定の速度で送り込まれ、その間、この加熱・溶融過程を継続することにより、傾斜回転ハース43内に溶湯シリコンを形成する。
この精製シリコンインゴット50の加熱・溶融の過程において溶湯シリコンは真空雰囲気に暴露されており、その結果不純物として含まれるリンの蒸発が同時に進行する。この過程における反応条件は、シリコンの融点が1420℃であり、一方リンは1300℃以上で気化、蒸発するから精製シリコンインゴット50端部の加熱温度を1600℃程度に上げて溶解すれば、電子ビーム照射によって溶融したシリコンは流下しつつインゴット端部の溶解域が更新されて真空雰囲気中に晒されるためこの溶融中に速やかに脱リン過程が進行する。
これにより形成された溶湯シリコンは下方に流下し、図1に示したと同様な傾斜軸43−1を中心に回転する傾斜回転ハース43に一旦蓄積され、電子ビーム照射装置48により電子ビーム加熱が行われて、更なるリンの蒸発除去を行うことができる。傾斜回転ハース43の器壁と溶融シリコンとの相対移動及び上方の器壁のスカル露出及びこのスカル加熱溶融については、図1に示した実施例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
また、前記したように本発明の第1工程である脱ボロン段階で、原料シリコン中に含まれるリンの50%程度が除去されているので、ここでの脱リンに要する電子ビーム照射装置による精製過程の負荷は著しく軽減される。従って、本実施例においてはかかる回転傾斜ハース43及び電子ビーム照射装置48の構成を設けることは必須ではなく省略することもできる。この場合、精製シリコンインゴット50端部で溶解された溶湯を直接一方向凝固鋳型47に滴下し、ここで、ヒーター45の加熱により溶融たまりを維持しつつ、鋳型47内の溶融シリコンを凝固させて高純度精製後の溶融シリコンから固液分配係数の差を利用して不純物除去を行い、凝固したシリコンを下方に引き出して不純物が除去された高純度精製シリコンインゴットが形成される。
図4においては、精製シリコンインゴット50は横方向から挿入しているが、精製シリコンインゴットの供給方向は横方向に限らず、上・下方向からでもインゴット端部に対して電子ビーム照射が行われ、真空雰囲気中で加熱・溶解が行われて端部の溶解部位における上記の脱リン過程が進行する条件が満たされればよい。
このように、精製シリコンインゴット50を真空雰囲気中で端部から電子ビーム照射により溶融するのみで、効果的にリンの蒸発を行うことができる理由は、前記した第1の工程(脱ホウ素工程)において、脱ホウ素の他、リンの大半を含む多くの不純物が既に除去されて、精製シリコンインゴット50が形成されていることに由来する。更に、当該精製シリコンインゴット50は、粉砕、洗浄されることなくインゴットのまま第2の工程(脱リン工程)に供されるから、上記粉砕に伴う新たな不純物の混入もない。
従って、単に第1工程で脱ボロンされた精製シリコンインゴットを真空雰囲気中で溶解するのみで第2の工程における脱リンを可能とする。
以上のリンの除去過程では、精製シリコンインゴット端部を直接電子ビームの照射に曝して溶解するため、前記した従来技術のように溶湯表面を過剰に加熱する必要はなく、シリコンの蒸発が抑制されると共に加熱のための投入エネルギーも低く抑制でき、また、チャンバー内の蒸発シリコンによる汚染やハースの消耗も抑制される。
真空雰囲気中で精製シリコンインゴット50から脱リンが行われると共に溶融されたシリコン溶湯は、一方向凝固鋳型47に供給され、一方向凝固法によりさらにそのほかの不純物を除去して、最終的に高純度精製シリコンインゴットとされる。
本発明のこれらの過程において、前述の公知文献に報告された純度達成が見積もられるが、なおこれらの反応過程の特徴から、さらに高純度のシリコン精製が可能である。
なお、本発明において、シリコンの精製容器として用いられた傾斜回転水冷ハース或いは双方向傾動水冷ハースを例としているが、その作用は従来のハース本来の機能が溶融したシリコンの貯留容器に過ぎなかったところ、シリコンが水蒸気添加プラズマジェット照射(図4の例においては電子ビーム照射)されて溶解されながら、ハース内の器壁(容器底面)の下方に溜まるようにハース内を繰り返し相対移動し、上方となった他方の器壁に堆積した不純物を含む凝固層(スカル)が水蒸気添加プラズマジェット照射(図4の例においては電子ビーム照射)に直接暴露され、これによりハース13及び13'器壁に堆積したスカルが溶融、酸化蒸発して効果的に脱ホウ素(図4の例においては脱リン)処理が促進されることによってハース内壁にスカルとして形成される凝固層をこれらの精製反応が最も活発に進行する領域とし、またリンやホウ素を反応域である溶湯表面に移動させるための撹拌作用をすることにあるから、要は凝固層を形成したハース底や内壁面を溶融したシリコンを貯留した溶湯の貯留領域からこれらの雰囲気中に露出、暴露する動作が行われ、またそれに伴って溶湯が移動して撹拌されればよいのである。
また、これらの例ではシリコンの溶解容器として水冷銅製ハースを挙げたが、処理対象とするシリコンに対して上記した脱ホウ素(脱リン)の過程を行うことができればよいのであって、黒鉛などの材質を用いることが可能であり、またその形状、構造も問わない。
脱ホウ素工程(第1の工程)及び脱リン工程(第2の工程)の後に、それぞれ一方向凝固精製過程を示したがこれらの精製過程は、固液分配係数の差を利用して凝固を行うと共に、不純物部分を除去できるようにすればよく、一方向凝固によるもののほか精製過程帯域溶融法など公知の手段に代替、或いは必要とする過程に組み合わせて適用することが可能である。
本願発明によれば、原料シリコンから高純度シリコンを得る過程における投入エネルギーを大幅に低減し、従来の精製過程において生じていたシリコンの損失を低減して収率を向上すると共に生産効率を向上することが可能であり、半導体産業において求められる需要に応えるばかりでなく、太陽電池用シリコンの普及上の課題であったコスト低減と品質向上を達成するものであって、今後の資源、エネルギー及び環境における課題への取り組みに資するものである。
本発明の脱ホウ素過程を行う精製装置。 (a)〜(b)本発明の脱ホウ素過程の各工程を示す図。 本発明の脱ホウ素過程の概略斜視図。 本発明の脱リン過程を行う精製装置。 脱リン過程を行う従来例。 脱ホウ素過程を行う従来例。 (a),(b)ヘリウムプラズマ及びアルゴンプラズマにより溶解したインゴット断面及び外観を比較する図面に替わる写真。
符号の説明
11 チャンバー
13 傾斜回転ハース
13−1 回転軸
14 プラズマ照射装置
15 ヒーター
16 ヒーター
17 保持ルツボ
13' 双方向傾動ハース
18 回転軸
21 シリコン溶湯
22 スカル
41 真空チャンバー
44 電子ビーム照射装置
45 ヒーター
47 一方向凝固型
50 精製シリコンインゴット
101 真空チャンバー
102 原料シリコン供給装置
103 シリコン精製容器
104 電子ビーム照射装置
105 電子ビーム照射装置
106 一方向凝固精製装置
111 チャンバー
112 原料シリコン供給装置
113 シリコン精製容器
114 プラズマ照射装置
115 プラズマ照射装置
116 一方向凝固精製装置。

Claims (16)

  1. 溶融状態にある金属シリコンの溶湯面に酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットを照射して、該金属シリコンに含有するホウ素を酸化除去するシリコンの精製方法において、
    溶融シリコンの収容容器のシリコン凝固層の形成される器壁を順次溶湯表面上方に露出せしめて当該器壁に形成されたシリコン凝固層を前記酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットの照射に暴露してこれを溶融することにより溶湯シリコンからのホウ素の酸化除去を促進することを特徴とするシリコンの精製方法。
  2. 上記溶融シリコンの収容容器を傾斜させた状態で回転することにより、シリコン凝固層の形成される器壁を順次溶湯表面上方に露出せしめることを特徴とする請求項1記載のシリコンの精製方法。
  3. 上記溶融シリコンの収容容器を相互に異なる方向に傾動することにより、シリコン凝固層の形成される器壁を順次溶湯表面上方に露出せしめる
    ことを特徴とする請求項1記載のシリコンの精製方法。
  4. 上記溶融シリコンの収容容器を傾斜させた状態で回転すると共に更に異なる方向に傾動することにより、シリコン凝固層の形成される器壁を順次溶湯表面上方に露出せしめることを特徴とする請求項2あるいは3記載のシリコンの精製方法。
  5. 上記不活性ガスが、ヘリウムであることを特徴とする請求項1記載のシリコンの精製方法。
  6. 上記酸素雰囲気が水蒸気により構成されていることを特徴とする請求項1記載のシリコンの精製方法。
  7. 上記プラズマジェットは、上記溶湯表面上方に露出したシリコン凝固層及びシリコン溶湯の双方に照射されるように走査されることを特徴とする請求項1記載のシリコンの精製方法。
  8. 上記溶湯シリコンからのホウ素の酸化除去後、固液分配係数の差を利用した凝固を行った後に不純物含有部分を除去して精製シリコンインゴットを得ることを特徴とする請求項1記載のシリコンの精製方法。
  9. 上記精製シリコンインゴットを真空雰囲気中でその端部に電子ビームを照射して順次溶解して、リンを蒸発除去することを特徴とする請求項8記載のシリコンの精製方法。
  10. 上記リンが蒸発除去された溶融シリコンを、固液分配係数の差を利用した凝固を行った後に不純物含有部分を除去して高純度精製シリコンインゴットを得ることを特徴とする請求項9記載のシリコンの精製方法。
  11. 溶融状態にある金属シリコンの溶湯面に酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットを照射して、該金属シリコンに含有するホウ素を酸化除去するとともに、リンを含む他の不純物を蒸発除去して精製シリコンを得る第1の工程の後に、
    該精製シリコンを真空雰囲気中で電子ビーム加熱を行うことにより溶融シリコンを得、これによりリンを蒸発除去して高純度精製シリコンを得る第2工程を行うことを特徴とするシリコンの精製方法。
  12. プラズマジェットが、ヘリウムと酸素雰囲気からなる混合ガスが用いられることを特徴とする請求項11記載のシリコンの精製方法。
  13. 上記第1工程の後に溶融シリコンを、固液分配係数の差を利用した凝固を行った後に不純物含有部分を除去して精製シリコンインゴットを得ることを特徴とする請求項11記載のシリコンの精製方法。
  14. 上記第2工程におけるリンの蒸発による精製過程が、精製シリコンインゴットを電子ビーム照射域に送給してインゴット端面より順次溶融することによって行う、
    ことを特徴とする請求項11記載のシリコンの精製方法。
  15. 溶融状態にある金属シリコンの溶湯面に酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットを照射して、該金属シリコンに含有するホウ素を酸化除去するシリコンの精製装置において、
    チャンバーと、
    該チャンバー内に設けられた溶融シリコンの収容容器と、
    溶融シリコンの収容容器のシリコン凝固層の形成される器壁を溶湯シリコンが排出されることなく順次溶湯表面上方に露出せしめるよう動作する駆動装置、
    該溶湯表面上方に露出せしめた器壁に形成された凝固層に対して酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットを照射してこれを溶融するプラズマ照射装置を具える、ことを特徴とするシリコンの精製装置。
  16. 溶融状態にある金属シリコンの溶湯面に酸素雰囲気を含む不活性ガスからなるプラズマジェットを照射して、該金属シリコンに含有するホウ素を酸化除去するとともに、リンを含む他の不純物を蒸発除去して精製シリコンを得る第1の精製装置と、
    該精製シリコンを真空雰囲気中で電子ビーム加熱を行うことにより溶融シリコンを得、これによりリンを蒸発除去して高純度精製シリコンを得る第2の精製装置を有することを特徴とするシリコンの精製装置。
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