JP2010115699A - 加圧成形装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加圧成形装置100は、プレスフレーム15によりバックアップシリンダ12が支持され、バックアップシリンダ12の上に下加圧台10が載置されている。下加圧台10の上には、加圧ゴム3及び成形ゴム5が加圧ゴム押え6により取り付けられている。加圧成形装置100は、上加圧台14に取り付けられた加圧プレート7と成形圧力容器8とにより成形加圧室32を形成し、成形圧力容器8が押圧され、ばね機構9により移動する。加圧成形前における外枠ゴムシートの初期厚さT2と成形圧力容器8に挿通される加圧プレート7の深さT3がT2<T3の関係を満足するように設定されている。
【選択図】図1
Description
この加圧成形装置による加圧成形に際しては、たとえば、先ず平面部材の表面に被加圧成形物を載置し、その上を保護部材で覆い、平面部材と加圧手段とで被加圧成形物を挟み付ける。次いで加圧手段により、被加圧成形物を平面部材に対して押圧する。この平面部材は加圧成形時には移動不可能に規制されているので、押圧手段による押圧力によって、被加圧成形物は平面部材と押圧手段とにより強固に挟み付けられ押圧される。一定時間の押圧により、被加圧成形物が固結してなる加圧成形物が得られる。
特許文献1においては、被加圧成形物に加圧媒体が接触することを防ぐシール部材を中板と端板とよりなる圧力容器により挟み込み、支持部材にて形状保持している。加圧及び加熱によるシール部材の伸びを吸収するため、シール部材の加圧面に窪み部と凸部とからなる伸び代を設ける技術が開示されている。なお、シール部材と被加圧成形物との間に設けられる保護ゴムは、下ピストンの上昇と共に、圧力容器内に挿入されるものとなっている。
特許文献1に開示された技術については、加圧は加温状態で行なわれ、シール部材はゴム材質であるため、圧力容器等の金属部材より、線膨張率が大きく、加圧時には弛みを生じた状態で加圧されることになり、皺が発生して被加圧成形物に転写される可能性がある。また、保護ゴムも加温により伸びており、下ピストンの外径と圧力容器の内径とが適切な径寸法でない場合には、保護ゴムやシール部材などのはみ出しや噛み込みが起こる可能性がある。
このように、シート状の成形物を、成形物に加圧媒体が接触しない乾式により加圧成形する装置では、成形物を覆う保護ゴムや型ゴムなどのゴム部材が存在し、このような部材を被加圧成形物と共に圧力容器に挿入する場合、圧力容器の寸法(径や深さ)が不適切であると、圧力容器の挿入開口部からはみ出たり噛み込んだりするといった不都合が、従来より存在していた。
本発明にかかる加圧成形装置は、被加圧成形物を上方から加圧する上加圧台と、前記上加圧台と対向すると共に前記被加圧成形物を下方から加圧する下方加圧台と備える加圧成形装置であって、前記下加圧台には、前記被加圧成形物及び被加圧成形物を取り囲む外枠弾性部材を下方から支持する成形用弾性部材と、該成形用弾性部材の下方に配備され且つ加圧成形時に前記成形用弾性部材に下方から加圧力を付与する加圧用弾性部材と、が設けられ、前記上加圧台には、前記外枠弾性部材が挿入すると共に前記下加圧台で押し上げられることで深さが浅くなるよう構成された成形圧力容器が設けられ、加圧成形前における前記外枠弾性部材の厚さT2と前記成形圧力容器の深さT3とが、T2<T3の関係を満足するように設定されていることを特徴とする。
そのため、処理前には、外枠弾性部材が成形圧力容器内に確実に入り込むこととなり、はみ出したりする不都合を確実に回避できる。
加えて、加圧中は、外枠弾性部材の変形に応じて、予圧時に成形圧力容器の深さT3が変わるので、密閉された成形圧力容器内に処理前の被加圧成形物と外枠弾性部材とで充満させることができ、外枠弾性部材の変形により、被加圧成形物の周囲に側圧を与えることができる。成形圧力容器の深さT3が変化することにより、外枠弾性部材に従来のような伸び代(凹部、窪み部)を設置する必要がなくなる。
また、前記下加圧台には、当該下加圧台を上方に押し上げるバックアップシリンダが備えられているよい。
このように構成すると、バックアップシリンダを用いて、被加圧成形物に対する予圧が容易に行える。また、予圧処理において、加圧用弾性部材を膨張させる必要が無くなるため、加圧用弾性部材のゴムの変形量を少なくでき裂損の危険性を少なくすることができる。従来の成形室に比して浅い成形室となるので、空気が逃げやすく特別の脱気孔を設ける必要がなくなる。
このように構成すると、万が一、バックアップシリンダ内の圧力が減少した場合でも同時に加圧ゴム液圧室の圧力も減少するので、加圧ゴムが無負荷で膨張することを防止できる。また、何らかの原因で、加圧ゴム液圧室の圧力が上昇したとしても、同時にバックアップシリンダ内の圧力も上昇するため、下加圧台が上加圧台から外れることは無い。
この構成であると、減圧時に、加圧ゴム液圧室ラインを大気圧以下にして、加圧ゴムを加圧ゴムサポートプレートに密着させることができる。
また、前記上加圧台及び下加圧台は、プレスフレームに支持されており、前記上加圧台は、前記プレスフレームの外方に延びる上加圧台ガイドに移動自在に懸架されて、下加圧台に対し非対向とすることが可能となるように構成することは好ましい。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は本実施形態に係る加圧成形装置100の概略を示す側面図である。図2は本実施形態に係る加圧成形装置100の概略を示す正面図である。
加圧成形装置100は、内部開放の門型のプレスフレーム15を有し、このプレスフレーム15の下側にバックアップシリンダ12が設けられている。このバックアップシリンダ12の上には、間座11(スペーサ部材)を介して下加圧台10が載置されている。バックアップシリンダ12が伸長することで下加圧台10が上方へ移動する。
間座11の内部には、加圧ゴム3内に形成された空間、すなわち加圧ゴム3の液圧室31とバックアップシリンダ12内とが連通路30で接続されており、この連通路30の途中には、液圧室31の圧力がバックアップシリンダ12内の圧力より高くなることを防止する圧力調整手段(逆止弁18)が設けられている。この逆止弁18は、バックアップシリンダ12側に圧媒が自由に流れる機能を備える。
下加圧台10には下ヒータ16が組込まれており、上加圧台14には上ヒータ17が組み込まれている。上ヒータ17と下ヒータ16とは独立に所定温度に制御でき、全体として被加圧成形物1を所定温度に均熱できる。
このようにすると、上加圧台14を下加圧台10に対し非対向とし、上加圧台14を下加圧台10の上方位置から外すことができて、その結果、加圧ゴム3、成形ゴム5及び加圧ゴム押え6の上方を開放することが可能となる。そのため、メンテナンス時に、上加圧台14と下加圧台10との間の開口の狭さを解消して作業容易性を確保できる。
本実施形態に係る加圧成形装置100は、加圧成形前における、外枠ゴムシートの初期厚さT2と成形圧力容器8の深さT3(すなわち、成形圧力容器8内に挿入された加圧プレート7の深さ)が、T2<T3の関係を満足することを特徴とする。
以下、これについて詳しく説明する。
図3に、被加圧成形物1を取り囲む外枠ゴムシート2(外枠弾性部材)、加圧プレート7及び成形圧力容器8の部分拡大図を示す。
成形圧力容器8の深さT3は、外枠ゴムシート2の厚さT2より大きく、被加圧成形物1と外枠ゴムシート2が成形圧力容器8内に完全に入ってから加圧できるようになっている。ゆえに、外枠ゴムシート2が成形圧力容器8内に入りきらず、成形圧力容器8の開口側縁部からはみ出て挟み込まれることによる破損を確実に防止できる。
この時(すなわち予圧時に)、外枠ゴムシート2の変形に応じて、密閉された成形圧力容器8内を処理前の被加圧成形物1と外枠ゴムシート2とで充満させることができる。また、外枠ゴムシート2の変形により、被加圧成形物1の周囲に側圧(被加圧成形物1を側方から内側に押さえる力)を与えることができる。このように、被加圧成形物1の外周部に配置した外枠ゴムシート2を本加圧前に圧縮し、成形物1を支持してその径方向の変位を制限することで、被加圧成形物1の位置ズレや割れやダレを防止できるようになる。
なお、図1,図2から明らかなように、本実施形態に係る加圧成形装置100は、バックアップシリンダ12などに圧力を供給する液圧配管(連通路30など)を全て被加圧成形物1の下方側に配置している。そのため、液漏れが発生したとしても、被加圧成形物1が汚れることを防止できる。加圧ゴム3の液重量による膨れも防ぐことができる。
図4に加圧成形装置100における加圧前予圧状態を示す側面図を示す。図5に加圧成形装置100における加圧状態を示す側面図を示す。
まず、予圧処理動作として、加圧前に、低圧ポンプ19からの圧媒(液圧)をバックアップシリンダ12のみに導き(油圧ユニットの方向切換弁は図示せず)、間座11を介して下加圧台10を、加圧ゴム押え6の上面が成形圧力容器8の下面に当たるまで上昇させる。
さらには、下加圧台10を上昇させ、外枠ゴムシート2を成形圧力容器8内に挿入することから明らかなように、予圧・加圧に処理において、金属部品同士が脱着することがないため、金属接触による焼付きを防止可能な加圧成形装置となっている。
ところで、かかる逆止弁18すなわち圧力調整手段を加圧成形装置10の外部に設けることも考えられるが、その場合、外部にある逆止弁18までの配管抵抗等のため、動作遅れを生じたり、差圧が生じたりする。本実施形態の逆止弁18は、このような問題を回避して、加圧ゴム3が無負荷で過膨張することを防止できる。
なお、減圧処理後に液圧室31に残圧があると、加圧ゴム3は過膨張状態となるので、増圧機20を動作させ、液圧室31を若干負圧(大気圧以下)にし、加圧ゴム3を加圧ゴムサポートプレート4に密着させるとよい。負圧を発生させる手段は増圧機20に限らず、エゼクタのようなものでもよい。
以上のように予圧処理→加圧処理→減圧処理を行なうことにより、被加圧成形物1の乾式等方圧加圧処理を適切に行なうことができる。
2 外枠ゴムシート
3 加圧ゴム
4 加圧ゴムサポートプレート
5 成形ゴム
6 加圧ゴム押え
7 加圧プレート
8 成形圧力容器
9 ばね機構
10 下加圧台
11 間座
12 バックアップシリンダ
13 ラム
14 上加圧台
15 プレスフレーム
16 下ヒータ
17 上ヒータ
18 逆止弁
19 低圧ポンプ
20 増圧機
30 連通路
31 加圧ゴムの液圧室
32 成形加圧室
100 加圧成形装置
200 上加圧台ガイド
T1 被加圧成形物厚さ
T2 外枠ゴムシート厚さ
T3 成形圧力容器の初期深さ
Claims (6)
- 被加圧成形物を上方から加圧する上加圧台と、前記上加圧台と対向すると共に前記被加圧成形物を下方から加圧する下方加圧台と備える加圧成形装置であって、
前記下加圧台には、前記被加圧成形物及び被加圧成形物を取り囲む外枠弾性部材を下方から支持する成形用弾性部材と、該成形用弾性部材の下方に配備され且つ加圧成形時に前記成形用弾性部材に下方から加圧力を付与する加圧用弾性部材と、が設けられ、
前記上加圧台には、前記外枠弾性部材が挿入すると共に前記下加圧台で押し上げられることで深さが浅くなるよう構成された成形圧力容器が設けられ、
加圧成形前における前記外枠弾性部材の厚さT2と前記成形圧力容器の深さT3とが、T2<T3の関係を満足するように設定されていることを特徴とする加圧成形装置。 - 前記上加圧台の下面には、前記成形圧力容器が下方付勢力を発生する弾性体機構を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の加圧成形装置。
- 前記下加圧台には、当該下加圧台を上方に押し上げるバックアップシリンダが備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の加圧成形装置。
- 前記加圧用弾性部材の内部に形成された圧力室と前記バックアップシリンダ内とを連通する連通路が設けられ、
前記連通路には、前記圧力室の圧力がバックアップシリンダ内の圧力より高くなることを防止する圧力調整手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の加圧成形装置。 - 加圧成形後の減圧時に、前記加圧用弾性部材の圧力室の圧力を大気圧以下とすることができるよう構成されていることを特徴とする請求項4に記載の加圧成形装置。
- 前記上加圧台及び下加圧台は、プレスフレームに支持されており、
前記上加圧台は、前記プレスフレームの外方に延びる上加圧台ガイドに移動自在に懸架されて、下加圧台に対し非対向とすることが可能となっている請求項1〜5のいずれかに記載の加圧成形装置。
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