JP2010114660A - 移動通信システムおよび移動通信方法 - Google Patents

Abstract

【課題】ＣＳフォールバックに要する時間を短縮することのできる移動通信システムおよび方法を提供する。
【解決手段】第１のセルラーシステムの無線回線を通じて、リセレクション先の第２のセルラーシステムの識別子を含むページング要求を送信する第１のセルラーシステムの基地局と、前記ページング要求に従い、前記第１のセルラーシステムの基地局から第２のセルラーシステムの基地局へのリセレクションを実行する移動局とを有する移動通信システムであって、前記移動局は、前記第２のセルラーシステムにおけるリセレクション先の基地局に関する情報を予め保持しており、前記識別子により識別される第２のセルラーシステムにおける基地局へのリセレクションを前記情報に基づいて行う。
【選択図】図１

Description

本発明は、複数のセルラーシステム間におけるページング配信に関し、特に、回線交換網へのページングをパケット交換網へ配信する手順に関する。

将来の移動通信システムには、回線交換（ＣＳ；Ｃｉｒｃｕｉｔ Ｓｗｉｔｃｈｅｄ）網のような音声サービス専用ネットワークに代わり、ＩＭＳ（ＩＰ Ｍｕｌｔｉｍｅｄｉａ Ｓｕｂｓｙｓｔｅｍ）などを利用したＶｏＩＰサービスを提供する新しいネットワークの採用が検討されている。新たに設置するシステムと既存ＣＳサービスを提供するシステムとが併存するようなケースでは、双方の効果的な連携方法を検討することが有効である。この連携方法の１つにＣＳフォールバック（ＣＳＦａｌｌｂａｃｋ）があげられる。

ＣＳフォールバックは、ＩＭＳによるＶｏＩＰサービスの代わりに、既存ＣＳ網による音声サービスを提供する機能である。ＣＳフォールバックの導入は、ＩＭＳの追加インフラ導入や既存ＣＳ網への設備追加が不要であるため、導入コストを抑えることができる。

従来のＣＳフォールバック手順に関しては例えば３ＧＰＰ ＴＳ２３．２７２等に記載されている。
３ＧＰＰ ＴＳ２３．２７２ Ｖ８．０．０（２００８−０６），Ａｎｎｅｘ Ｂ（ｎｏｒｍａｔｉｖｅ）：ＣＳ Ｆａｌｌｂａｃｋ ｔｏ １ｘＲＴＴ，Ｆｉｇｕｒｅ Ｂ．２．３−１

従来のＣＳフォールバック手順においては、ページング要求が基地局において発生したのち、これに対するページング応答が移動局から返されるまでに時間がかかるという問題点がある。

そこで本発明は、ＣＳフォールバックに要する時間を短縮することのできる移動通信システムおよび方法を提供することを目的とする。

本発明の一観点に係る移動通信システムは、第１のセルラーシステムの無線回線を通じて、リセレクション先の第２のセルラーシステムの識別子を含むページング要求を送信する第１のセルラーシステムの基地局と、前記ページング要求に従い、前記第１のセルラーシステムの基地局から第２のセルラーシステムの基地局へのリセレクションを実行する移動局とを有する移動通信システムであって、前記移動局は、前記第２のセルラーシステムにおけるリセレクション先の基地局に関する情報を予め保持しており、前記識別子により識別される第２のセルラーシステムにおける基地局へのリセレクションを前記情報に基づいて行うことを特徴とする。

本発明の別の観点に係る移動通信方法は、第１のセルラーシステムの無線回線を通じて第１のセルラーシステムの基地局が、リセレクション先の第２のセルラーシステムの識別子を含むページング要求を送信し、移動局が、前記ページング要求に従い、前記第１のセルラーシステムの基地局から第２のセルラーシステムの基地局へのリセレクションを実行する移動通信方法であって、前記移動局が、前記第２のセルラーシステムにおけるリセレクション先の基地局に関する情報を予め保持し、前記識別子により識別される第２のセルラーシステムにおける基地局へのリセレクションを前記情報に基づいて行うことを特徴とする。

本発明によれば、ＣＳフォールバックに要する時間を短縮することのできる移動通信システムおよび方法を提供できる。

以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。

図１は本発明の一実施形態に係る移動通信システムを示している。本実施形態は、複数のセルラーシステム間におけるページング配信に関する。例えば、一方のセルラーシステムは、Ｅ−ＵＴＲＡＮ（Ｅｖｏｌｖｅｄ Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｔｅｒｒｅｓｔｒｉａｌ Ｒａｄｉｏ Ａｃｃｅｓｓ Ｎｅｔｗｏｒｋ）により構成され、他方のセルラーシステムは、ＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴにより構成されている。

図１において、１ｘＲＴＴ ＭＳＣ（Ｍｏｂｉｌｅ Ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ Ｃｅｎｔｒｅ，移動通信交換局）１において検出されたページング要求は、１ｘＣＳ ＩＷＳ（ＩｎｔｅｒＷｏｒｋｉｎｇ Ｓｏｌｕｔｉｏｎ）２、ＭＭＥ（Ｍｏｂｉｌｉｔｙ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ Ｅｎｔｉｔｙ）３を経て、Ｅ−ＵＴＲＡＮ４の基地局から無線回線を介して１ｘＣＳ ＣＳＦＢ ＵＥ（Ｕｓｅｒ Ｅｑｕｉｐｍｅｎｔ，移動局）５に送信される。これに応じてＵＥ５は、１ｘＲＴＴ ＣＳ Ａｃｃｅｓｓ６にハンドオーバし、１ｘの着信処理を行う。

図２（ａ）（ｂ）は、本実施形態に用いられるページングメッセージの一例を示している。このページングメッセージは、ｕｅ−Ｉｄｅｎｔｉｔｙフィールド３０、ｐａｇｉｎｇＣａｕｓｅフィールド３１、ｓｙｓｔｅｍＩｎｆｏＭｏｄｉｆｉｃａｔｉｏｎフィールド３２に加え、ＣＳ ＲＡＴ−ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータ３３が追加されたものである。ＣＳ ＲＡＴ−ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータ３３には、ＣＳフォールバック先のセルラーシステムを示す識別情報である、ＲＡＴ（Ｒａｄｉｏ Ａｃｃｅｓｓ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ）識別子が設定される。つまり、ＣＳ ＲＡＴ−ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータ３３は、ＵＥ５がどのセルラーシステムへリセレクションを行えばよいのかを示している。

ＵＥ５はページングメッセージ受信の際、ｐａｇｉｎｇＣａｕｓｅフィールド３１に設定されたＣＳ識別子を見てＣＳフォールバックであることを確認すると、次にＲＡＴ識別子であるＣＳ ｒａｔ−Ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータ３３を見てどのシステムへフォールバックするのかを確認する。そして、ＣＳ ＲＡＴ−Ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータ３３に対応する、ＵＥ５内にあらかじめ保持されたセルラーシステムの情報を参照してリセレクションを実行する。

ここで、ＵＥ５内にあらかじめ保持されたセルラーシステムの情報とは、次のような情報のことである。すなわち、ＵＥ５は、Ｅ−ＵＴＲＡＮ４においてアイドル状態でページングを間欠受信する間に、ＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴシステムへの位置登録処理を実行する。そしてＵＥ５はＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴシステムにおける（好ましくはもっとも良い）基地局の識別子、およびタイミング情報をＵＥ５内に保持する。

このため、本実施形態では、リセレクションにあたって、ＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴシステムのシステム情報をＭＭＥ３から転送する必要はない。

図２（ａ）はページングメッセージの構造体を示す形式であることから、正確には（ａ）のような形式でなくてもよく、従来メッセージ形式に従い本発明のＣＳ ｒａｔ−Ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータが追加されていればよい。

Ｅ−ＵＴＲＡＮからのＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴへのＣＳフォールバックの処理手順を図３を参照して説明する。

（ステップＳ１） １ｘＲＴＴ ＭＳＣ１はページング要求メッセージを１ｘＣＳ ＩＷＳ２に送信する。

（ステップＳ２） １ｘＣＳ ＩＷＳ２はページング要求メッセージ（１ｘＲＴＴ ＣＳ Ｐａｇｉｎｇ）を所定手順を介してＭＭＥ３に転送する。

（ステップＳ３，Ｓ４） 図２に示したページングメッセージがＭＭＥ３からＥ−ＵＴＲＡＮ４を通じてＵＥ５に送られる。ＵＥ５は、このページングメッセージに含まれるＣＳ ＲＡＴ−Ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータ３３を参照し、ＲＡＴ識別子を得る。このＲＡＴ識別子により識別されるシステム（例えば「ＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴシステム」、ターゲット基地局）については、その基地局の識別子、およびタイミング情報をＵＥ５が予め位置登録処理により求めて保持しているので、ＵＥ５はこれを読み出す。

（ステップＳ５） ＵＥ５はこのタイミング情報を参考にＣＤＭＡ２０００ネットワーク（１ｘＲＴＴ ＣＳ）上に存在する基地局へのセルリセレクションを実行する。

（ステップＳ６，Ｓ７） ターゲット基地局へのリセレクションが成功したら、ＵＥ５は所定のアクセス手順に従い基地局との上り回線における同期確立を実行し、その回線上にてページング応答を返す。

以上のように、ステップＳ４で送信されるページングメッセージにはＣＳフォールバック先のＲＡＴ識別子を表すパラメータ（ＣＳ ＲＡＴ−ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータ３３）が追加されており、ＵＥ５はアイドル状態からアクティブ状態へ遷移することなく、直接、指定された無線アクセスに所属する基地局へのリセレクションが可能である。

上記ＣＳ ｒａｔ−Ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータ３３の設定手順についてさらに詳細に説明する。

ＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴのネットワーク内に呼び出しが発生した場合、予め位置登録をされている１ｘＲＴＴ ＭＳＣ１から１ｘＣＳ ＩＷＳ２に対する呼び出し要求メッセージが所定のフォーマットで送出される。次に１ｘＣＳ ＩＷＳ２はＥ−ＵＴＲＡＮ４の移動管理を行うＭＭＥ３へ所定の識別子を付加して送出する。

ＭＭＥ３は受け取ったメッセージの識別子を検出し、それが特定の識別子である場合、メッセージのデータ部をデコードしてＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴからの呼び出し要求であることを判断し、図２（ｂ）に示したようにＰａｇｉｎｇフィールド内にＣＳ ｒａｔ−Ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータ３３として「ＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴ」を記載してＥ−ＵＴＲＡＮ４の無線基地局へ送出する。なお、参考文献「３ＧＰＰ ＴＳ ２９．２７７ Ｖ１．１．０ Ｄｒａｆｔ（２００８−０６）」からも分かるように、従来例においてＭＭＥはＣＤＭＡ２０００１ｘＲＴＴのメッセージのデコード機能を備えていない。

ＭＭＥ３は受け取ったメッセージからCSフォールバックによるページングであることを検出し、CSフォールバックである場合、呼び出し先となる端末の識別子と、ネットワーク内に保持された該端末のUE Capabilityなどの端末情報からＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴからの呼び出し要求であることを判断し、図２（ｂ）に示したようにＰａｇｉｎｇフィールド内にＣＳ ｒａｔ−Ｉｄｅｎｔｉｔｙパラメータ３３として「ＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴ」を記載してＥ−ＵＴＲＡＮ４の無線基地局へ送出する。

以上説明したように、本発明の実施形態に係るＵＥ５は、上述した従来技術のようにアイドル状態からアクティブ状態へ遷移することがないため、ページングメッセージを受信してからリセレクションを開始するまでの時間を短縮できる。したがって、１ｘＭＳＣ１にページング応答を返すまでの時間が短縮できることから、高速なページング応答を実現できる。

（比較例）
Ｅ−ＵＴＲＡＮからのＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴへのＣＳフォールバックの処理手順について、本発明の実施形態に対する比較例を図５を参照して説明する。

（ステップＳ１） １ｘＲＴＴ ＭＳＣ１００はページング要求メッセージを１ｘＣＳ ＩＷＳ２００に送信する。

（ステップＳ２） １ｘＣＳ ＩＷＳ２００はページング要求メッセージを所定手順を介してＭＭＥ３００に転送する。

（ステップＳ３） ＵＥ５００がアイドル状態にある場合、ＭＭＥ３００はページング要求の手順を実行することによって、ＵＥ５００をアクティブ状態に遷移させる。

（ステップＳ４） ＭＭＥ３００は所定メッセージ（Ｄｏｗｎｌｉｎｋ Ｓ１ ＣＤＭＡ２０００ Ｔｕｎｎｅｌｉｎｇ）を送出し、ＭＭＥ３００とＥ−ＵＴＲＡＮ４００とＵＥ５００の間でＣＤＭＡ２０００形式のパケットデータを通すためのトンネリング（Ｔｕｎｎｅｌｉｎｇ）を設定する。一方、Ｅ−ＵＴＲＡＮ４００はアクティブ状態に遷移したＵＥ５００との下り回線を接続するため所定メッセージ（ＤＬ ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ ｔｒａｎｓｆｅｒ）を同ＵＥ５００に送る。これによりＭＭＥ３００はＵＥ５００に対してＣＤＭＡ２０００のパケット形式のメッセージを送ることができる。とくにステップＳ４では、ＵＥ５００のセルリセレクションを支援するためのターゲット基地局に関する情報、すなわち周波数やタイミング情報などをＵＥ５００に送信する。

（ステップＳ５） ＵＥ５００はこのタイミング情報を参考にＣＤＭＡ２０００ネットワーク（１ｘＲＴＴ ＣＳ）上に存在する基地局へのセルリセレクションを実行する。

（ステップＳ６） ターゲット基地局へのリセレクションが成功したら、ＵＥは所定のアクセス手順に従い基地局との上り回線における同期確立を実行し、その回線上にてページング応答を返す。

（ステップＳ７） 所定時間内にページング応答が１ｘＲＴＴ ＭＳＣ１００において検出されたら、ＵＥ５００はターゲット基地局との間でＣＤＭＡ２０００システムの所定手順に従い上下個別回線の接続手順を実行し、音声サービスが開始される。

ここで、ステップＳ３の処理手順を詳細に説明する。

（ステップＳ３１） ＭＭＥ３００はＥ−ＵＴＲＡＮ４００にページングメッセージを送出する。ページングメッセージにはＣＳフォールバックの識別子が設定される。

（ステップＳ３２） ページングメッセージを受信したＥ−ＵＴＲＡＮ４００上の基地局は、これを所定の手順で物理チャネル上にマッピングして送信する。

（ステップＳ３３） ＵＥ５００は、ページングの受信を検出し、ＣＳフォールバックであることを確認すると、ＭＭＥ３００に対しＣＳフォールバックの識別子を付加したサービス要求を実行し、アイドル状態からアクティブ状態に遷移する。

図４（ａ）（ｂ）はこの比較例において用いられるページングメッセージの情報内容である。これはＥ−ＵＴＲＡＮ４００からＵＥ５００に対して送られるページングメッセージであり、図５のステップＳ３２においてＥ−ＵＴＲＡＮ４００上の基地局が送信し、ステップＳ３３でＵＥ５００が受信するものである。

このように比較例では、ＣＳフォールバックの際に、所定フィールド（ｐａｇｉｎｇＣａｕｓｅ）内にＣＳ識別子を設定する。このフィールドをＵＥ５００が参照したら、同ＵＥ５００はＣＳフォールバックが要求されたことを解釈する。さらにＵＥ５００は、ステップＳ４においてＣＤＭＡ２０００形式で送付されるリセレクション関連情報を受信し、アクティブ状態からアイドル状態への遷移を実行し、Ｅ−ＵＴＲＡＮからＣＤＭＡ２０００へのシステム間リセレクションを実行する。

このような比較例では、最初に１ｘＲＴＴ ＭＳＣ１００においてページング要求が生じてから、ＵＥ５００からのページング応答が返答されるまでの間において、同ＵＥ５００は、上述したようにＥ−ＵＴＲＡＮ４００上の基地局で一度アクティブ状態へ遷移するため、ページング応答を返すまでに時間がかかっていた。

これに対し本発明の実施形態では、ＵＥは、アイドル状態からアクティブ状態へ遷移することなくリセレクションを開始する。したがって、１ｘＲＴＴ ＭＳＣにページング応答を返すまでの時間が短縮できることから、高速なページング応答を実現できる。

なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

本発明の一実施形態に係る移動通信システムを示す図 上記実施形態に用いられるページングメッセージの一例を示す図 上記実施形態におけるＥ−ＵＴＲＡＮからのＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴへのＣＳフォールバックの処理手順を示す図 上記実施形態に対する比較例において用いられるページングメッセージの一例を示す図 上記実施形態に対する比較例におけるＥ−ＵＴＲＡＮからのＣＤＭＡ２０００ １ｘＲＴＴへのＣＳフォールバックの処理手順を示す図

符号の説明

１…１ｘＲＴＴ ＭＳＣ；
２…１ｘＣＳ ＩＷＳ；
３…ＭＭＥ；
４…Ｅ−ＵＴＲＡＮ；
５…１ｘＣＳ ＣＳＦＢ ＵＥ；
６…１ｘＲＴＴ ＣＳ Ａｃｃｅｓｓ

Claims (4)

1. 第１のセルラーシステムの無線回線を通じて、リセレクション先の第２のセルラーシステムの識別子を含むページング要求を送信する第１のセルラーシステムの基地局と、
   前記ページング要求に従い、前記第１のセルラーシステムの基地局から第２のセルラーシステムの基地局へのリセレクションを実行する移動局とを有する移動通信システムであって、
   前記移動局は、
   前記第２のセルラーシステムにおけるリセレクション先の基地局に関する情報を予め保持しており、
   前記識別子により識別される第２のセルラーシステムにおける基地局へのリセレクションを前記情報に基づいて行うことを特徴とする移動通信システム。
2. 前記ページング要求は、前記リセレクション先の第２のセルラーシステムの識別子として、ＲＡＴ（Ｒａｄｉｏ Ａｃｃｅｓｓ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ）識別子を含むことを特徴とする請求項１記載の移動通信システム。
3. 前記移動局は、位置登録処理を実行することにより、前記第２のセルラーシステムにおける基地局の識別子およびタイミング情報を予め取得して保持することを特徴とする請求項１又は２に記載の移動通信システム。
4. 第１のセルラーシステムの無線回線を通じて第１のセルラーシステムの基地局が、リセレクション先の第２のセルラーシステムの識別子を含むページング要求を送信し、移動局が、前記ページング要求に従い、前記第１のセルラーシステムの基地局から第２のセルラーシステムの基地局へのリセレクションを実行する移動通信方法であって、
   前記移動局が、
   前記第２のセルラーシステムにおけるリセレクション先の基地局に関する情報を予め保持し、
   前記識別子により識別される第２のセルラーシステムにおける基地局へのリセレクションを前記情報に基づいて行うことを特徴とする移動通信方法。

Images