JP2010113612A - 位置検出装置及び位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】共振回路及びICを含む位置指示器の応答性を良好に維持してユーザの作業効率を向上させることができる位置検出装置を提供する。
【解決手段】第1の方向に平行に配置された複数の第1コイルからなる第1コイル群及び第1の方向に直交する第2の方向に平行に配置された複数の第2コイルからなる第2コイル群を有する位置検知部と、選択回路と、制御部とを備える位置検出装置を提供する。そして、制御部は、位置指示器の指示位置が位置検知部で検知できなくなった場合に、第1コイル群の一方の端部の第1コイルから他方の端部の第1コイルまで、選択回路で第1コイルを切換えながら各第1コイルで位置指示器の座標の検知を行うように制御する。その際に、位置指示器が検知できなくなる直前の位置指示器の位置に最も近い第1コイルで座標検知を複数回行うように制御する。
【選択図】図11
【解決手段】第1の方向に平行に配置された複数の第1コイルからなる第1コイル群及び第1の方向に直交する第2の方向に平行に配置された複数の第2コイルからなる第2コイル群を有する位置検知部と、選択回路と、制御部とを備える位置検出装置を提供する。そして、制御部は、位置指示器の指示位置が位置検知部で検知できなくなった場合に、第1コイル群の一方の端部の第1コイルから他方の端部の第1コイルまで、選択回路で第1コイルを切換えながら各第1コイルで位置指示器の座標の検知を行うように制御する。その際に、位置指示器が検知できなくなる直前の位置指示器の位置に最も近い第1コイルで座標検知を複数回行うように制御する。
【選択図】図11
Description
本発明は位置検出装置及び位置検出方法に関し、より詳細には、位置検知器上でユーザが位置指示器により指示した位置を検出する位置検出装置及び位置検出方法に関する。
従来、コンピュータ装置上で写真加工やイラスト作成などに用いられるポインティングデバイスの一つとして、ペンタブレットと呼ばれるデバイスが開発されている。ペンタブレットは、一般には、略平板状の位置検知器(以下、タブレットともいう)と、ユーザがタブレット上で操作するペン状の専用の位置指示器とで構成される。
上述のようなペンタブレットには、例えば、電磁誘導方式を採用したペンタブレットがある。この電磁誘導方式を利用するペンタブレットは、タブレット内にX方向及びY方向にそれぞれ複数のループコイルが配列されており、位置指示器内には共振回路が設けられている。そして、タブレットは、ループコイルを順次切り替えながら、ループコイル毎に、電磁誘導作用により位置指示器内の共振回路と所定周波数の電波の送受信を行い、位置指示器の指示位置を検出する。
一般に、ペンタブレットでは、位置指示器の指示位置の検出モードには2種類ある。位置指示器の指示位置を検出する際には、それらの2つの検出モードを順次行う。最初に行う第1の検出モードでは、位置指示器がタブレットの検出可能範囲(以下、スキャン可能領域という)内に存在するか否か、並びに、位置指示器に最も近いX方向及びY方向のループコイルを検出する。
具体的には、第1の検出モードでは、X方向及びY方向のループコイルを順次切り替えながら、ループコイル毎にタブレットと位置指示器との間で電波の送受信を行う。この検出モードでは、全てのループコイルでこの動作を行う。そして、電波受信時にループコイルで発生する誘導電圧を測定し、その誘導電圧の大きさに基づいて位置指示器に最も近いX方向及びY方向のループコイルを検出して記憶する。なお、以下では、この第1の検出モードをオールスキャンという。
オールスキャンに続いて行う第2の検出モードでは、オールスキャンで検出した位置指示器に最も近いX方向及びY方向のループコイルを中心とする所定の本数のループコイルを用いて、それらのループコイルを選択回路で順次切り替えて、位置指示器の指示位置を検出する。以下では、この第2の検出モードをセクタースキャンという。
また、従来、位置指示器内に共振回路だけでなく集積回路(IC:Integrated Circuit)を含むペンタブレットも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このICを搭載したペンタブレットでは、位置指示器の指示位置以外の情報、例えば、位置指示器のID(Identification Data)情報や筆圧情報などを、位置指示器内のICで複数ビットのデジタルデータに変換する。そして、ICは、変換されたデジタルデータに基づいて、ビット毎に共振回路に接続されたスイッチを開閉制御して共振回路からの信号の送信をオン/オフ制御する。タブレットは、このオン/オフ制御された電波の受信信号パターンを検出してID情報や筆圧情報などを復調する。なお、ID情報や筆圧情報などの情報は、上述したセクタースキャンの動作時に検出する。
上述したICを搭載した位置指示器は、ICの駆動電源を位置指示器内の励振された共振回路から電源抽出回路を介して得る構成になっている。すなわち、ICの動作は、共振回路の励振状態(共振回路内のコンデンサでの充電量)に依存する。それゆえ、ユーザの作業中、すなわち、位置指示器がタブレットのスキャン可能領域内に存在する場合には、常に位置指示器とタブレットとの間で電波の送受信を行っているので、共振回路内は十分充電(励振)された状態にある。
しかしながら、例えば、ユーザが作業中に位置指示器を一旦タブレットのスキャン可能領域から外した場合には、タブレットから位置指示器への電波の送信が無くなるので、位置指示器の共振回路内の充電量が落ちる。この場合、その後、ユーザが作業を再開して位置指示器をタブレットのスキャン可能領域内に戻しても、共振回路内の充電量が不十分であるので、セクタースキャン時のICの立ち上がりが遅くなり(即座に動作せず)、位置指示器の応答性が悪くなることがある。この場合、ユーザの作業効率が低下するという問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ユーザが作業中に位置指示器を一旦タブレットのスキャン可能領域から外した場合であっても、ICを含む位置指示器の応答性を良好に維持してユーザの作業効率を向上させることである。
上記問題を解決するために、本発明の位置検出装置は、共振回路及び集積回路を含む位置指示器と、センサ部と、選択回路と、制御部とを備える構成とし、各部の構成及び機能を次のようにした。センサ部は、所定方向に略平行に配置された複数のセンサを有し、その複数のセンサを構成する各センサと、位置指示器の共振回路を構成する少なくとも一つのコイルとの間の電気的な相互結合により位置指示器の位置検知を行う。選択回路は、センサ部の複数のセンサから少なくとも一つのセンサを選択する。そして、制御回路は、選択回路を制御してセンサ部の複数のセンサを所定の順番で選択する第一の処理と、センサ部が位置指示器の位置を見失った場合に、選択回路を制御して、センサ部が位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサを選択する回数を、該位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサ以外のセンサを選択する回数よりも多くする第二の処理とを行う。
また、上記問題を解決するために、本発明の位置検出方法は、次のような手順で行うようにした。まず、センサ部の所定方向に略平行に配置された複数のセンサのうちの任意のセンサを順次選択する。次いで、共振回路及び集積回路を含む位置指示器と前記選択したセンサとの間で電気的な相互結合により、前記選択したセンサで前記位置指示器の位置を検知する。そして、位置指示器を見失った際に、位置指示器を見失う前に該位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサを複数回選択する。
上述のように、本発明では、位置指示器の指示位置がセンサ部上で検知できなくなった場合に、制御回路は、選択回路を制御して、位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサを選択する回数を、該位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサ以外のセンサを選択する回数よりも多くする。
位置指示器がセンサ部上から一旦外れた後、再度、位置指示器が戻って来る可能性の高い位置のセンサは、位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサである。それゆえ、位置指示器の指示位置がセンサ部上で検知できなくなった後に行うオールスキャン(第二の処理)において、位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサでの検知回数(例えば、電波の送信回数)を増やすことにより、位置指示器の励振回数が増える。これにより、位置指示器がセンサ部上から外れた後、再度戻って来た際にも、一旦落ちた位置指示器の共振回路内の充電量をこのオールスキャンで給電補充することができる。
上述のように、本発明によれば、位置指示器の指示位置がセンサ部上で検知できなくなった場合には、その後に行われる第二の処理(オールスキャン)で、位置指示器の共振回路を給電補充することができる。それゆえ、位置指示器がセンサ部上から一旦外れた場合であっても、セクタースキャン時の位置指示器の応答性を良好に維持することができ、ユーザの作業効率を向上させることができる。
以下、本発明の位置検出装置の一実施形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
[ペンタブレットの構成]
図1に、本実施形態の位置検出装置(以下、ペンタブレットという)の外観斜視図を示す。ペンタブレット10は、ペン形状の位置指示器1と、平板状の位置検知器2(以下、タブレットという)とで構成される。
図1に、本実施形態の位置検出装置(以下、ペンタブレットという)の外観斜視図を示す。ペンタブレット10は、ペン形状の位置指示器1と、平板状の位置検知器2(以下、タブレットという)とで構成される。
位置指示器1は、タブレット2のスキャン可能領域2a上で使用する。このスキャン可能領域2a上では、タブレット2により位置指示器1の指示位置(座標)が検出できるようになっている。
タブレット2は、外部のコンピュータ装置(不図示)に接続されている。タブレット2は、位置指示器1が指示した位置の座標を検出し、その座標情報をコンピュータ装置に出力する。そして、コンピュータ装置では、タブレット2から入力された座標が画面に表示される。
[位置指示器の構成]
図2に、位置指示器1の内部構成を示す。位置指示器1は、共振回路11と、共振回路11に並列接続されたスイッチ12と、制御回路13と、制御回路13に接続された可変容量コンデンサ14と、駆動回路15と、共振回路11及び制御回路13間に設けられたコンデンサ16とから構成される。
図2に、位置指示器1の内部構成を示す。位置指示器1は、共振回路11と、共振回路11に並列接続されたスイッチ12と、制御回路13と、制御回路13に接続された可変容量コンデンサ14と、駆動回路15と、共振回路11及び制御回路13間に設けられたコンデンサ16とから構成される。
共振回路11は、位置指示コイル11aと共振コンデンサ11bとを並列接続して構成される。共振回路11は、後述するタブレット2内の位置検知用コイル(ループコイル)から送信される周波数f0の電波を受信して、該周波数f0で共振する。共振回路11で受信した信号はコンデンサ16を介して制御回路13に供給される。
共振回路11の位置指示コイル11aは、図示はしないが、位置指示器1内部で、芯体1aを取り囲むように配置される。一方、共振回路11の共振コンデンサ11bは、位置指示器1内部の回路基板(不図示)に実装される。なお、図2に示した位置指示器1の各部のうち位置指示コイル11a以外の各部は、図示しない回路基板に実装されている。
スイッチ12は、位置指示器1の座標情報以外の情報、例えばID情報や筆圧情報などを位置指示器1からタブレット2に送信する際に、それらの情報に応じて開閉される。この開閉動作は制御回路13により制御される。
制御回路13は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)技術による集積回路(IC:Integrated Circuit)で構成される。制御回路13は、共振回路11からコンデンサ16を介して供給される信号に基づいて、位置指示器1とタブレット2との間で行う電波の送受信のために使用されるクロック信号および筆圧検出のためのクロック信号を生成する。また、制御回路13は、筆圧情報などをデジタル情報に変換し、そのデジタル情報に基づいて、筆圧情報などをタブレット2に送信する際のスイッチ12の開閉動作を制御する。
可変容量コンデンサ14は、筆圧によってその容量が変化する。また、可変容量コンデンサ14は、抵抗(不図示)と接続されて時定数回路を構成している。可変容量コンデンサ14の容量が筆圧に応じて変化するとこの時定数回路の時定数も変化する。そして、この時定数に対応した時間間隔で、共振回路11に発生する信号の波の数が制御回路13で計測される。この計測された数値は、制御回路13で所定のビット数、例えば8ビット等の筆圧データ等に変換される。
駆動回路15は、ダイオード17とコンデンサ18とからなる半波整流回路で構成される。ダイオード17は共振回路11に接続されており、位置指示コイル11aから供給される励磁信号に基づいて共振回路11に発生する交流電圧が、このダイオード17に印加される。そして、この交流電圧は、ダイオード17とコンデンサ18とによって整流されて直流電圧に変換される。この変換された直流電圧は、制御回路13内の集積回路の駆動電源として用いられる。
[タブレットの構成]
図3に、タブレット2の内部構成を示す。タブレット2は、位置指示器1の指示位置を検知するセンサ部20と、センサ部20を構成する複数のループコイル(センサ)を選択・切替する選択回路21と、位置検知回路22とで構成される。なお、本実施形態では、タブレット2として、液晶タブレットを用いる。
図3に、タブレット2の内部構成を示す。タブレット2は、位置指示器1の指示位置を検知するセンサ部20と、センサ部20を構成する複数のループコイル(センサ)を選択・切替する選択回路21と、位置検知回路22とで構成される。なお、本実施形態では、タブレット2として、液晶タブレットを用いる。
センサ部20は、Y軸方向(所定方向)に配列された複数のループコイルからなるループコイル群20aと、X軸方向に配列された複数のループコイルからなるループコイル群20bとを備える。また、Y軸方向のループコイル群20a(以下、Y軸ループコイル群という)及びX軸方向のループコイル群20b(以下、X軸ループコイル群という)は、選択回路21に接続されている。
各コイルループ群内の各ループコイルは、例えば、略等間隔に配置され、且つ、隣り合うループコイルの開口部の一部が互いに重なり合うように配置されている。また、本実施形態では、各コイルループ群を40個のループコイル(図3中のX1〜X40及びY1〜Y40)で構成する。なお、Y軸ループコイル群20aとX軸ループコイル群20bとは積層して配置されている。
選択回路21は、Y軸ループコイル群20a及びX軸ループコイル群20b内のいずれか一つのループコイルを選択する。この選択回路21の切替え制御は、後述する制御部33により制御される。
位置検知回路22は、切替回路23と、送信系回路群24と、受信系回路群25とで構成される。切替回路23は、選択回路21により選択された所定のループコイルを送信系回路群24及び受信系回路群25のいずれかに切替えて接続する。
送信系回路群24は、発振器26と、電流ドライバ27(送信アンプ)とで構成される。発振器26は、所定周波数f0の交流信号を電流ドライバ27に出力する。電流ドライバ27は、発振器26から入力された交流信号を電流に変換して切替回路23に出力する。
受信系回路群25は、受信アンプ28と、検波器29と、ローパスフィルタ30と、サンプルホールド(S/H)回路31と、A/D(Analog to Digital)変換回路32と、制御部33とで構成される。
受信アンプ28は、選択された所定のループコイルから選択回路21及び切替回路23を介して入力される該所定のループコイルで発生した誘導電圧、すなわち、センサ部20で受信した信号を増幅する。そして、受信アンプ28は、この増幅された誘導電圧を検波器29に出力する。
検波器29は、受信アンプ28で増幅された受信信号を検波し、検波した受信信号をローパスフィルタ30に出力する。ローパスフィルタ30は、発振器26から出力される交流信号の周波数f0より充分低い遮断周波数を有する。ローパスフィルタ30は、検波器29の出力信号を直流信号に変換し、その直流信号をS/H回路31に出力する。
S/H回路31は、ローパスフィルタ30の出力信号(電圧)の所定のタイミングにおける電圧値を保持し、その保持した電圧信号をA/D変換回路32に出力する。そして、A/D変換回路32は、S/H回路31の出力信号をアナログデジタル変換する。
制御部33は、タブレット2の各部の上記動作を制御する。具体的には、制御部33は、選択回路21の選択動作、切替回路23の切り替え動作、S/H回路31のタイミング抽出動作を制御する。また、制御部33は、位置指示器1及びタブレット2間での電波の送受信動作(電気的な相互結合)によりY軸ループコイル群20a及びX軸ループコイル群20bの各ループコイルから得られる誘導電圧の電圧値に基づいて、位置指示器1のX軸方向及びY軸方向の指示位置の座標値を算出する。さらに、制御部33は、位置指示器1のID情報や筆圧情報に応じてオン/オフ制御された受信信号の波形群を検出し、それらの情報を復調する。
[通常作業時の動作]
次に、本実施形態のタブレット2における位置指示器1の指示位置の検出動作を説明する。まず、ペンタブレット10の通常作業時の動作を図4を参照しながら説明する。図4は、通常作業時におけるタブレット2の位置検出処理の手順を示したフローチャートである。
次に、本実施形態のタブレット2における位置指示器1の指示位置の検出動作を説明する。まず、ペンタブレット10の通常作業時の動作を図4を参照しながら説明する。図4は、通常作業時におけるタブレット2の位置検出処理の手順を示したフローチャートである。
まず、タブレット2は、Y軸ループコイル群20aを用いて、Y軸方向のオールスキャンを行う(ステップS1)。Y軸方向のオールスキャンでは、Y軸ループコイル群21aのすべてのループコイルを順次選択及び走査しながら、各ループコイルと位置指示器1との間で電波の送受信を行う。以下では、この各ループコイルにおける一連の処理動作をスキャンという。
ここで、ステップS1におけるY軸方向のオールスキャンの処理(第一の処理)について、図5〜7を参照しながら説明する。
図5は、図4中のステップS1の処理(Y軸方向のオールスキャン)時のループコイルの切替えサイクル例(選択回路21の動作シーケンス例)を示した図である。ここでは、一例として、図3中のY軸方向の最上端のループコイルY1(一方の端部の第1コイル)から最下端のループコイルY40(他方の端部の第1コイル)に向かって順次ループコイルをスキャンする動作例を説明する。
また、図6は、各ループコイルにおけるスキャン時のタブレット2の送受信の動作例を示した図である。オールスキャン時には、タブレット2は、所定時間(図6の例では42μS)、送信動作及び受信動作をこの順で行った後、所定時間(図6の例では42μS)で、受信信号(誘導電圧)をアナログデジタル変換(A/D変換)する。すなわち、タブレット2は、オールスキャン時には、ループコイル毎に、送信、受信及びA/D変換の動作を繰り返す。
ステップS1では、まず、制御部33は、図3中の最上端のループコイルY1を選択する信号を選択回路21に出力するとともに、送信系回路群24を選択する信号を切替回路23に出力する(図6中の送信動作)。これにより、発振器26から発生した周波数f0の正弦波信号がループコイルY1に供給され、ループコイルY1に周波数f0の電波が発生する。この際、タブレット2上に位置指示器1が存在すると、ループコイルY1で発生した周波数f0の電波は、位置指示器1内の共振回路11を励振し、共振回路11内に周波数f0の誘導電圧を発生させる。
次いで、制御部33は、送信系回路群24を選択する信号を切替回路23に所定時間(図6の例では42μS)出力した後、受信系回路群25を選択する信号を切替回路23に出力する(図6中の受信動作)。これにより、ループコイルY1から発生する電波を消滅させる。すると、共振回路11内に発生した誘導電圧により、位置指示器1の共振回路11から周波数f0の電波が発信される。そして、この位置指示器1から発信された周波数f0の電波は、前述のループコイルY1を励磁し、ループコイルY1に誘導電圧を発生させる。なお、この際、位置指示器1から発信される電波の強度(共振回路11内の誘導電圧)は時間と共に徐々に減衰する。
そして、制御部33は、受信系回路群25を選択する信号を切替回路23に所定時間(図6の例では42μS)出力する。これにより、ループコイルY1に発生した誘導電圧が受信信号として受信系回路群25に入力される。そして、受信系回路群25に入力された受信信号は、検波器29で検波されて直流信号に変換される。次いで、変換された直流信号は、ローパスフィルタ30で平滑化され、S/H回路31で所定のタイミングにて保持される。そして、サンプルホールドされた信号がA/D変換回路30でアナログデジタル変換され、該変換された信号(電圧値)が制御部33に入力される(図6中のA/D変換動作)。
次いで、上述した受信動作及びA/D変換動作を所定時間行った後、制御部33は、上端から2番目のループコイルY2を選択する情報を選択回路21に出力するとともに、送信系回路群24を選択する信号を切替回路23に出力する。次いで、上述したループコイルY1での電波の送受信動作及びA/D変換動作と同様のスキャン動作をループコイルY2で行う。その後、タブレット2は、Y軸方向のループコイル群20aの上端から3番目のループコイルY3から最下端のループコイルY40に対して、上述した一連のスキャン動作を順次繰り返す。本実施形態では、このようにして通常作業時に、Y軸方向のオールスキャン(ステップS1)を行う。
なお、上述したY軸方向のオールスキャン時の各ループコイルにおけるスキャン動作では、Y軸方向ループコイル群21aの全てのループコイルを順次選択する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ループコイルを1つ置き、2つ置きなど間引いて選択しても良い。また、一つのループコイルに対する電波の送受信動作を複数回繰り返しても良い。さらにまた、各ループコイルにおける送信動作の時間と送信動作の時間とを同一にしなくても良い。
ここで、再度、図4に戻ってステップS1以降の通常作業時の位置検出処理を説明する。次に、制御部33は、Y軸方向のループコイル群20aの各ループコイルで受信した信号(誘導電圧)と、予め設定した所定値(有効レベル)とを比較する(ステップS2)。具体的には、S/H回路31の出力信号のレベルと、予め設定した所定値とを比較する。
ステップS2では、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域内に存在するか否かを判定するとともに、位置指示器1の指示位置に最も近いY軸方向のループコイル(位置指示器1のY軸方向の座標)を検出する。ここで、位置指示器1のY軸方向の座標の検出原理を、図7に示す。図7(a)は、タブレット2内のY軸方向のループコイル群20aと位置指示器1内の共振回路11との間の電波の送受信の様子を示した図である。図7(b)は、ループコイルの位置と受信動作時に検出される誘導電圧との関係を示す。
電波受信時にループコイルに発生する誘導電圧の大きさは、図7(b)に示すように、ループコイルと位置指示器1(共振回路)との距離に依存し、ループコイルと位置指示器1が近いほど、誘導電圧の値(S/H回路31の出力信号のレベル)は大きくなる。それゆえ、ステップS2で、S/H回路31の出力信号のレベルを予め設定した所定値と比較することにより、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域内に存在するか否かを判定するとともに、位置指示器1に最も近いY軸方向のループコイルを特定することができる。
そこで、ステップS2で、Y軸方向のオールスキャンで検出した誘導電圧が有効レベル未満であると判定された場合(ステップS2でNO判定の場合)には、ステップS1に戻ってY軸方向のオールスキャンを行う。
一方、ステップS2で、Y軸方向のオールスキャンで検出した誘導電圧が有効レベル以上であると判定された場合(ステップS2でYES判定の場合)には、制御部33は、各ループコイルで得られた信号のうち、S/H回路31の出力レベルが最大となったY軸方向のループコイル(以下、Y軸方向のピークコイルYPという)を特定する。そして、制御部33は、Y軸方向のピークコイルYPのコイル番号を記憶する。
次いで、タブレット2は、発振器26から発生した周波数f0の正弦波信号をY軸方向のピークコイルYPに所定時間(例えば、1.8mS程度)供給し、位置指示器1に電波を送信する(ステップS3:以下、この動作をプリバーストという)。
プリバースト動作後、タブレット2は、X軸方向のループコイル群20bを用いて、X軸方向のオールスキャンを行う(ステップS4)。X軸方向のオールスキャンは、上述したY軸方向のオールスキャンと同様にして行う。
次いで、制御部33は、X軸方向のループコイル群20bの各ループコイルで受信した信号(誘導電圧)と、予め設定した所定値(有効レベル)とを比較する(ステップS5)。具体的には、S/H回路31の出力信号のレベルと、予め設定した所定値とを比較する。そして、位置指示器1がタブレット2の有効読取り高さ内に存在するか否かを判定するとともに、位置指示器1に最も近いX軸方向のループコイル(位置指示器1のX軸方向の座標)を検出する。
ステップS5で、X軸方向のオールスキャンで検出した誘導電圧が有効レベル未満であると判定された場合(ステップS5でNO判定の場合)には、ステップS1に戻ってY軸方向のオールスキャンを行う。
一方、ステップS5で、X軸方向のオールスキャンで検出した誘導電圧が有効レベル以上であると判定された場合(ステップS5でYES判定の場合)には、制御部33は、各ループコイルで得られた信号のうち、S/H回路31の出力レベルが最大となったX軸方向のループコイル(以下、X軸方向のピークコイルXPという)を特定する。そして、制御部33は、X軸方向のピークコイルXPのコイル番号を記憶する。
次いで、ステップS5でYES判定の場合には、セクタースキャン(ステップS6)を行う。ここで、セクタースキャン時の動作を図8及び9を用いて説明する。
図8は、セクタースキャン時におけるタブレット2の送受信の動作例を示した図である。セクタースキャンでは、タブレット2は、バースト送信、データ受信及び座標スキャン動作からなる動作サイクルを繰り返して、位置指示器1のID情報や筆圧情報等を検出しながら指示位置の追従を行う。
セクタースキャンでは、まず、タブレット2は、位置指示器1内の集積回路(制御回路13)の給電を目的としたバースト送信動作を行う。この動作では、タブレット2から、所定時間(図8の例では1.6mS)、電波を位置指示器1に送信して、位置指示器1内の共振回路11を十分に充電(励振)する。なお、この動作期間に、位置指示器1は、筆圧を検出する。
次いで、タブレット2は、バースト送信を停止し、その後、所定時間の間(図8の例では126μS)に、位置指示器1から、位置指示器1のID情報や筆圧情報などを受信する。このデータ受信処理時には、タブレット2は、位置指示器1に対して所定期間の送信動作及び受信動作を複数回繰り返す。
ここで、このデータ受信動作の様子の一例を図9に示す。図9(a)は、位置指示器1及びタブレット2間でID情報や筆圧情報などの情報を送受信する際の概念図である。また、図9(b)は、ID情報や筆圧情報などのデータ受信時におけるタブレット2の送信信号波形及び受信信号波形を示した図である。
上述のように、位置指示器1では、筆圧によってその容量が変化する可変容量コンデンサ14と、図示しない抵抗とからなる時定数回路が制御回路13に接続されている。そして、制御回路13は、筆圧に応じて変化する時定数回路の時定数に基づいて、筆圧情報を所定のビット数、例えば、図9(a)の例では5ビットの筆圧データ(図9の例では「00101」)に変換する。次いで、制御回路13は、タブレット2と位置指示器1との間での信号の送受信に供されるクロック信号に同期して、タブレット2の受信期間毎に、変換された筆圧データを1ビットずつ出力する。そして、この出力信号により、共振回路11に並列接続されたスイッチ12の開閉を制御する。
図9の例に示すデジタル信号「0」に対応する1ビットの筆圧データが制御回路13から出力された場合には、スイッチ12を開ける。この場合には、共振回路11で励振された誘導電圧により、電波をタブレット2に送信することができる。一方、デジタル信号「1」に対応する1ビットの筆圧データが制御回路13から出力された場合には、スイッチ12を閉じる。この場合には、共振回路11は短絡され、共振状態でなくなるので、位置指示器1からタブレット2に電波は送信されない。
したがって、図9(b)中の受信信号波形に示すように、タブレット2の受信期間に位置指示器1のスイッチ12が開放されている場合には、受信信号が検出されるが、スイッチ12が閉じられている場合には受信信号は検出されない。セクタースキャン時のデータ受信動作では、タブレット2は、位置指示器1のスイッチ12の開閉制御により生成される受信信号のオン/オフパターンを検出して筆圧データを復調する。
次に、タブレット2は、位置指示器1のID情報や筆圧情報などのデータ受信動作を行った後、位置指示器1の座標位置の検出動作(座標スキャン)を所定期間(図8の例では3.274mS)行う。具体的には、次のようにして座標検出を行う。まず、制御部33は、Y軸方向のループコイル群20aのうちのピークコイルYPを中心とする所定の本数、例えば、7本のループコイルを用いて、それらのループコイルを切り替えながら位置指示器1と電波の送受信を行う。以下の説明では、この動作をY軸セクタースキャンという。
なお、Y軸セクタースキャンでは、電波の送信時、すなわち、切替回路23で送信系回路群24を選択するときは、常にピークコイルYPを選択する。これに対し、電波の受信時、すなわち、切替回路23で受信系回路群25を選択するときは、コイル番号の小さいループコイルから大きいループコイル(又はコイル番号の大きいループコイルから小さいループコイル)へ順次スキャンを行う。
次いで、Y軸セクタースキャン後には、X軸方向のループコイル群20bのうちのピークコイルXPを中心とする所定の本数、例えば、7本のループコイルを用いて、それらのループコイルを切り替えながら位置指示器1と電波の送受信を行う。なお、以下では、この送受信動作をX軸セクタースキャンという。また、X軸セクタースキャンでは、電波の送信時、すなわち、切替回路23で送信系回路群24を選択するときは、常にピークコイル(ここではコイル番号XP)を選択する。これに対し、電波の受信時、すなわち、切替回路23で受信系回路群25を選択するときは、コイル番号の小さいループコイルから大きいループコイル(又はコイル番号の大きいループコイルから小さいループコイル)へ順次スキャンを行う。
上述のようにして、セクタースキャンでは、タブレット2は、位置指示器1のID情報や筆圧情報等を位置指示器1から受信するとともに、ユーザの操作により移動する位置指示器1の座標を追従する。
次いで、セクタースキャン(ステップS6)が終了した後、制御部33は、セクタースキャンで検出した受信信号(誘導電圧)と、予め設定した所定値(有効レベル)とを比較する(ステップS7)。具体的には、ステップ7では、S/H回路31の出力信号のレベルと、予め設定した所定値とを比較する。この処理により、位置指示器1がタブレット2の有効読取り高さ内に存在するか否かを判定するとともに、位置指示器1に最も近いY軸及びX軸方向のループコイル(位置指示器1のY軸方向及びX軸方向の座標)を検出する。
そして、ステップS7において、セクタースキャンで検出した誘導電圧が有効レベル以上であると判定された場合(ステップS7でYES判定の場合)には、ステップS6に戻って、セクタースキャンを続ける。
一方、ステップS7において、セクタースキャンで検出した誘導電圧が有効レベル未満であると判定された場合(ステップS7でNO判定の場合)には、位置指示器1が、セクタースキャン時の検出領域に存在しないので、ステップS1に戻って、Y軸方向のオールスキャンを行う。本実施形態では、通常作業時に、上述のようにして位置指示器1の位置検出及び筆圧情報等の検出を行う。
[位置指示器が検出できなくなった後の検出処理動作]
次に、ユーザの操作中に、位置指示器1がタブレット2aの読み取り有効領域2aから外れた等の原因により、位置指示器1の位置がタブレット2で検出できなくなった後の検出動作(第二の処理)を説明する。
次に、ユーザの操作中に、位置指示器1がタブレット2aの読み取り有効領域2aから外れた等の原因により、位置指示器1の位置がタブレット2で検出できなくなった後の検出動作(第二の処理)を説明する。
上記原因等により、位置指示器1の位置がタブレット2で検出できなくなった場合には、通常、図4に示したY軸方向のオールスキャン(ステップS1)から検出動作をやり直す。しかしながら、上述したように、位置指示器1がタブレット2aの読み取り有効領域2aから外れることにより、位置指示器1とタブレット2との間での電波の送受信ができなくなるので、位置指示器1内の共振回路11での充電量が落ちる。それゆえ、その後、位置指示器1がタブレット2の検出領域2a内に戻ってきても、共振回路11での充電量が不十分であり、セクタースキャン時に位置指示器1内のICが即座に動作しないという問題が生じる。
特に、本実施形態のように、タブレット2として液晶タブレットを用いた場合には、この問題がより顕著になる。これは、次の理由によるものである。位置指示器1がタブレット2の読み取り有効領域2aの外枠2b(上下左右端のいずれか)から外れた場合、再度、位置指示器1が戻って来る可能性の高いループコイルは、外枠2b近傍のループコイルである。しかしながら、液晶タブレットでは、タブレット2の外枠2b(ベゼル)は一般に金属製であるので、その外枠2b近傍のループコイルで発生する磁界は、その一部が外枠2bに吸収されて弱くなる。それゆえ、上述のように、液晶タブレットを用いた場合には、位置指示器1がスキャン可能領域2aの外枠2b近傍に戻ってきてもループコイルで発生する磁界が弱いので、オールスキャンを行っても位置指示器3内の共振回路11の十分に励振(給電)することができない。
本実施形態では、上記問題を解決するために、上記原因等により、位置指示器1の位置がタブレット2で検出できなくなった際には、次のようにして、Y軸方向のオールスキャンを行う。図10は、位置指示器1の位置がタブレット2で検出できなくなった後に行う検出処理の手順を示したフローチャートである。
ユーザの作業中に位置指示器1の位置がタブレット2で検知できなくなった際には、まず、位置指示器1の給電補助を兼ねたY軸方向のオールスキャン(以下では、給電補助有りY軸オールスキャンという)を行う(ステップS11)。ここで、給電補助有りY軸オールスキャンについて、図11及び12を参照しながら詳細に説明する。
図11(a)及び(b)は、給電補助有りY軸オールスキャン時のループコイルの切替えサイクル例(選択回路21の動作シーケンス例)を示した図である。なお、図11(a)及び(b)の例では、操作中に位置指示器1がスキャン可能領域2aの上端側(ループコイルY1側)から外れた場合の動作シーケンスを示す。この場合、位置指示器1が再度戻って来る可能性の高い位置のループコイルはY軸方向の最上端のループコイルY1となる。以下では、このループコイルY1を最終Y軸ループコイルY1ともいう。
なお、タブレット2の制御部33は、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域2aから外れる直前まで、座標位置を追従しているので、位置指示器1が検知できなくなる直前の座標は認識している。すなわち、制御部33は、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域2aから外れる直前の座標に最も近いY軸方向のループコイル(最終Y軸ループコイル)を認識している。
図11(a)及び(b)の給電補助有りY軸オールスキャンの動作では、まず、図11(a)に示したサイクルのスキャン動作を所定回数繰り返す。次いで、図11(b)に示したサイクルのスキャン動作を所定回数繰り返す。そして、給電補助有りY軸オールスキャンでは、この一連の動作を1サイクルとして、このサイクルを所定回数繰り返す。
図11(a)に示したスキャン動作では、まず、最上端のループコイルY1と位置指示器1との間で電波を送受信してスキャンを行う。次いで、上端から3番目のループコイルY3でスキャンを行う。次いで、再度、ループコイルY1に戻ってスキャンを行う。次いで、5番目のループコイルY5でスキャンを行う。以降、ループコイルY1と上端から奇数番目のループコイルとで交互にスキャンを行う。すなわち、図11(a)に示したスキャン動作では、最終Y軸ループコイルY1と上端から奇数番目のループコイルとを交互にスキャンする。
図11(a)に示したスキャン動作を所定回数繰り返した後、図11(b)に示したスキャン動作を行う。図11(b)のスキャン動作では、まず、最上端のループコイルY1でスキャンを行う。次いで、上端から2番目のループコイルY2でスキャンを行う。次いで、再度、ループコイルY1に戻ってスキャンを行う。次いで、4番目のループコイルY4でスキャン動作を行う。以降、ループコイルY1と上端から偶数番目のループコイルとで交互にスキャンを行う。すなわち、図11(a)に示したスキャン動作では、最終Y軸ループコイルY1と上端から偶数番目のループコイルとを交互にスキャンする。
なお、上述した各ループコイルにおけるスキャン動作は、上述した通常作業時のオールスキャンの動作と同様である。図12に、給電補助有りY軸オールスキャン時におけるタブレット2のスキャン動作を示す。給電補助有りY軸オールスキャン時のタブレット2の動作は、スキャンするループコイルの順序が変わること以外は、通常作業時の動作(図6参照)と同様であり、ループコイル毎に、送信、受信及びA/D変換の動作を繰り返す。
ここで、再度、図10に戻ってステップS11以降の位置検出処理を説明する。上述した給電補助有りY軸オールスキャン(ステップS11)を1サイクル行った後、タブレット2は、給電補助有りY軸オールスキャン開始からの所要時間tと予め設定した所定期間T(例えば、0.5〜1秒程度)とを比較する(ステップS12)。
ステップS12で、給電補助有りY軸オールスキャン開始からの所要時間tが所定期間Tより小さいと判定された場合(ステップS12がYES判定の場合)には、制御部33は、Y軸方向のループコイル毎に検出した誘導電圧の値(具体的には、S/H回路31の出力レベル)と、予め設定した所定値(有効レベル)とを比較する。これにより、制御部33は、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域内に存在するか否かを判定するとともに、位置指示器1に最も近いY軸方向のループコイル(座標)を検出する(ステップS13)。
そして、給電補助有りY軸オールスキャンで検出した誘導電圧が有効レベル未満である場合(ステップS13でNO判定の場合)には、ステップS11に戻って、再度、給電補助有りY軸オールスキャンを行う。一方、給電補助有りY軸オールスキャンで検出した誘導電圧が有効レベル以上である場合(ステップS13でYES判定の場合)には、図4中のステップS3へ進む。その後は、図4中の通常作業時の動作(ステップS3〜S7)を行い、位置指示器1の検出を行う。
また、ステップS12で、給電補助有りY軸オールスキャン開始からの所要時間tが所定期間T以上であると判定された場合(ステップS12がNO判定の場合)には、上述した通常作業時のY軸方向のオールスキャンを行う(ステップS14)。その後は、図4中のステップS2へ進み、図4中の通常作業時の動作(ステップS2〜S7)を行う。
本実施形態では、ユーザの作業中に、位置指示器1がタブレット2aのスキャン可能領域から外れた等の原因により位置指示器1の位置がタブレット2で検知できなくなった場合には、上述のようにして位置指示器1の検知を行う。
本実施形態の給電補助有りY軸オールスキャン(ステップS11)では、タブレット2の最上端のループコイルY1から最下端のループコイルY40までスキャン動作を繰り返す中で、1回置きに、位置指示器1が再度戻って来る可能性の高い位置のループコイル(最終Y軸ループコイルY1)に戻ってスキャンを行う。すなわち、タブレット2の最上端のループコイルY1から最下端のループコイルY40までの全てのループコイルを一通り(1サイクル)スキャンする間に、最終Y軸ループコイルY1を複数回スキャンする。それゆえ、本実施形態で行う給電補助有りY軸オールスキャンでは、最終Y軸ループコイルY1から位置指示器1に送信する電波の1サイクル当たりの送信時間が長くなる。これにより、最終Y軸ループコイルY1でのスキャン1回当たりの発生磁界が弱くても、給電補助有りY軸オールスキャンにおいて、位置指示器1の充電量を十分に補給することができる。その結果、上述した問題を解消することができ、セクタースキャン時にも十分な位置指示器1の応答性が得られ、ユーザの作業効率が向上する。
[変形例1]
上記実施形態の給電補助有りY軸オールスキャンでは、操作中に位置指示器1がスキャン可能領域2aの上端側(ループコイルY1側)から外れた場合の動作シーケンスの一例として図11に示した動作サイクルを説明したが、本発明はこれに限定されない。図13に、操作中に位置指示器1がスキャン可能領域2aの上端側(ループコイルY1側)から外れた場合の別の動作シーケンス例を示す。
上記実施形態の給電補助有りY軸オールスキャンでは、操作中に位置指示器1がスキャン可能領域2aの上端側(ループコイルY1側)から外れた場合の動作シーケンスの一例として図11に示した動作サイクルを説明したが、本発明はこれに限定されない。図13に、操作中に位置指示器1がスキャン可能領域2aの上端側(ループコイルY1側)から外れた場合の別の動作シーケンス例を示す。
図13に示した動作サイクルでは、まず、最終Y軸ループコイルY1と上端から奇数番目のループコイルとで交互にスキャンする動作を1回行う。次いで、最終Y軸ループコイルY1と上端から偶数番目のループコイルとで交互にスキャンする動作を1回行う。そして、この一連の動作を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返す。
また、上記実施形態では、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域2aの上端側(ループコイルY1側)から外れた場合の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域2aの下端側(ループコイルY40側)から外れた場合には、図14(a)及び(b)に示すような動作サイクルで給電補助有りY軸オールスキャンを行ってもよい。
図14(a)及び(b)の例では、最終Y軸ループコイルが最下端のループコイルY40となる。図14(a)及び(b)の動作サイクル例では、まず、最終Y軸ループコイルY40と上端から奇数番目のループコイルとで交互にスキャンするサイクル(図14(a)のサイクル)を所定回数行い、その後、最終ループコイルY40と上端から偶数番目のループコイルとで交互にスキャンするサイクル(図14(b)のサイクル)を所定回数行う。そして、この一連の動作サイクルを1サイクルとして、これを所定回数繰り返す。
また、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域2aの左右端から外れた場合や、位置指示器1が高さ方向に遠ざかった場合においても上記実施形態と同様にして位置指示器1の検出を行うことができる。いずれの場合も、給電補助有りY軸オールスキャン時に、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域2aから外れる直前の座標に最も近いY軸方向のループコイル(最終Y軸ループコイル)を複数回スキャンすればよい。
また、上記実施形態では、Y軸方向のオールスキャンをX軸方向のオールスキャンより先に行ったが、X軸方向のオールスキャンを先に行っても良い。この場合には、位置指示器1の位置がタブレット2で検出できなくなった後に行う給電補助有りオールスキャンは、X軸方向のループコイル群20bを用いて行う(給電補助有りX軸オールスキャン)。なお、給電補助有りX軸オールスキャンは、上述した給電補助有りY軸オールスキャンと同様にして行うことができる。
また、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域2aの上端または下端から外れた場合には、給電補助有りY軸オールスキャンを行い、位置指示器1がタブレット2のスキャン可能領域2aの左端または右端から外れた場合には、給電補助有りX軸オールスキャンを行うように制御してもよい。
また、上記実施形態の給電補助有りY軸オールスキャンでは、1回置きに最終Y軸ループコイルに戻ってスキャンを行う例を説明したが本発明はこれに限定されない。1回以外の所定回数置きに最終Y軸ループコイルに戻ってスキャンを行ってもよいし、ランダムなタイミングで最終Y軸ループコイルに戻ってスキャンを行ってもよい。また、最終Y軸ループコイルを所定回数連続してスキャンしてもよい。
[変形例2]
上記実施形態では、電磁誘導方式の位置検出装置について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、例えば、静電結合方式の位置検出装置にも適用することができる。図15に、静電結合方式の位置検出装置の概略構成図を示す。静電結合方式の位置検出装置は、位置検知器40と、ペン形状の位置指示器70とで構成される。
上記実施形態では、電磁誘導方式の位置検出装置について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、例えば、静電結合方式の位置検出装置にも適用することができる。図15に、静電結合方式の位置検出装置の概略構成図を示す。静電結合方式の位置検出装置は、位置検知器40と、ペン形状の位置指示器70とで構成される。
位置検知器40は、センサ部50と、選択回路55と、位置検知回路60とで構成される。センサ部50は、縦横に一定間隔で配置された複数のセンサからなるセンスライン群51と、その周囲に設けられた励磁コイル52とを備える。センスライン群51は選択回路55に接続され、励磁コイル52は、位置検知回路60内のドライブ回路66に接続される。一方、位置指示器70は、その先端部に設けられた2つの電極71及び72と、それらの電極に接続された発振器73と、コイル74と、電源生成回路75とで構成される。
静電結合方式の位置検出装置では、通常、センサ部50の励磁コイル52から送出される励磁信号がコイル74で受信され、コイル74に高周波信号が誘起される。そして、この誘起された高周波信号が電源生成回路75に入力され、発振器73の駆動用電源が電源生成回路75で生成される。発振器73は電源生成回路74によって生成された駆動用電源により駆動され、電極71及び72を介して高周波電界をセンス部50に放射する。位置検知器40は、放射された高周波電界をセンスライン群51で検出して位置指示器70の指示位置を検知する。
上述のような静電結合方式の位置検出装置では、位置検知器40内のセンスライン群51を構成する各センサと、位置指示器70内のコイル74との間の電気的な相互結合により、位置指示器70内のコイル74を励磁して位置指示器70内の電源生成回路74を動作させることも可能であり、その場合には、本発明の位置検出方法を上記実施形態と同様にして適用することができ、同様の効果が得られる。
上記実施形態では、位置検出装置が位置指示器を含む例を説明したが、本発明はこれに限定されず、位置検出装置が位置指示器を含まなくてもよい。
1…位置指示器、2…タブレット、10…ペンタブレット(位置検出装置)、11…共振回路、11a…位置指示コイル、11b…共振コンデンサ、12…スイッチ、13…制御回路、14…可変容量コンデンサ、15…駆動回路、20…センサ部、20a…Y軸方向ループコイル群、20b…X軸方向ループコイル群、21…選択回路、22…位置検知回路、23…切替回路、24…送信系回路群、25…受信系回路群、26…発信器、27…送信アンプ、28…受信アンプ、29…検波器、30…ローパスフィルタ、31…サンプルホールド回路、32…A/D変換器、33…制御部
Claims (7)
- 共振回路及び集積回路を含む位置指示器と、
所定方向に略平行に配置された複数のセンサを有し、前記共振回路を構成する少なくとも一つのコイルと前記複数のセンサを構成する各センサとの間の電気的な相互結合により前記位置指示器の位置検知を行うセンサ部と、
前記複数のセンサから少なくとも一つのセンサを選択する選択回路と、
前記選択回路を制御して前記複数のセンサを所定の順番で選択する第一の処理と、前記センサ部が前記位置指示器の位置を見失った場合に、前記選択回路を制御して、前記センサ部が前記位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサを選択する回数を、該位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサ以外のセンサを選択する回数よりも多くする第二の処理とを行う制御回路と、
を備える位置検出装置。 - 前記第二の処理は、前記位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサと、前記位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサ以外のセンサとを交互に選択する処理である、
請求項1に記載の位置検出装置。 - 前記第二の処理は、前記所定方向に略平行に配置された前記複数のセンサのうち、一方の端に配置されたセンサから他方の端に配置されたセンサへ順番に切り替えて選択し、その際に、前記位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサを複数回選択する、
請求項1に記載の位置検出装置。 - 前記第二の処理を所定時間行っても前記位置指示器が検知されない場合には、前記制御回路は、前記第一の処理を行い前記位置指示器の位置を検知する、
請求項1に記載の位置検出装置。 - 前記位置指示器は電磁誘導方式の位置検出装置に用いる位置指示器である、
請求項1に記載の位置検出装置。 - 前記位置指示器は静電結合方式の位置検出装置に用いる位置指示器である、
請求項1に記載の位置検出装置。 - センサ部の所定方向に略平行に配置された複数のセンサのうちの任意のセンサを順次選択するステップと、
共振回路及び集積回路を含む位置指示器と前記選択したセンサとの間で電気的な相互結合により、前記選択したセンサで前記位置指示器の位置を検知するステップと、
前記位置指示器を見失った際に、前記位置指示器を見失う前に該位置指示器を最後に検知した位置の近傍に位置するセンサを複数回選択するステップと、
を含む位置検出方法。
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