JP2010105031A - 偏肉金属管の製造方法及び製造装置並びに偏肉金属管 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属管素材を用いて軽量化を図りつつ、低コストで製造できる偏肉金属管の製造方法及び製造装置並びに偏肉金属管を提供する。
【解決手段】偏肉金属管1を製造する場合、偏芯絞り型で金属管素材の外周部を偏芯絞り加工し、金属管素材の軸方向の一方に偏肉部2を形成する。さらに、軸部3となる金属管素材の非加工部内に芯金を偏芯配置した状態で、しごき型で非加工部の外周部を偏芯しごき加工する。ここで、偏芯しごき加工において非加工部の軸芯をしごき型の軸芯に近付けるようにしごき加工する。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏肉金属管の製造方法及び製造装置並びに偏肉金属管に関する。本発明は、特に、管軸方向の一方に外径芯と内径芯とが偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部を有し、他方に中空の軸部を有する偏肉金属管の製造方法および製造装置並びに偏肉金属管に関する。
近年、自動車部品の軽量化が進んでいる。ステアリングラックバーの素材についても、金属中実材に代えて金属管材が用いられ、中空ラックバーとして形成されている(例えば、特許文献1参照)。
ステアリングラックバーの基端部側の外径部には、ステアリングホィールの回転がピニオンを介して伝達されるラック部(歯部)が形成されており、このラック部は、例えば、冷間鍛造加工や切削加工により形成される。
2006−26703号公報
ところで、ステアリングラックバーのラック部を冷間鍛造加工で形成する場合には、加工工程数が多くなり、製造コストが増大するという問題があった。
他方、製造コストの低減を図るべく、切削加工でラック部を形成する場合には、削り代として相当の肉厚が必要となり、薄肉の電縫管を使用することはできない。
また、ラック部を金属中実材で形成し、ステアリング軸を金属管材で形成して、両者を溶接接合する製造方法もあるが、軽量化代が小さくなるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、金属管素材を用いて軽量化を図りつつ、低コストで製造できる偏肉金属管の製造方法及び製造装置並びに偏肉金属管を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)管軸方向の一方に外径芯と内径芯とが偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部を有し、他方に中空の軸部を有する偏肉金属管の製造方法である。前記偏肉金属管の製造方法は、型の外径芯に対して内径芯を偏芯させた偏芯絞り型で金属管素材の外周部を偏芯絞り加工し、前記金属管素材の管軸方向の一方に前記偏肉部を形成する偏芯絞り加工工程と、前記軸部となる前記金属管素材の非加工部内に芯金を挿入配置した状態で、前記金属管素材の偏肉部端を引っ張って、しごき型内に前記非加工部を通過させて該非加工部の外周部を偏芯しごき加工する偏芯しごき加工工程と、を有する。そして、前記偏芯しごき加工工程において、前記非加工部の軸芯を前記しごき型の軸芯に近付けるようにしごき加工する。
(2)管軸方向の一方に外径芯と内径芯とを偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部を有し、他方に中空軸部を有する偏肉金属管の製造装置である。前記偏肉金属管の製造装置は、金属管素材の管軸方向の一方を自由端側とし、他方を片持ち状態で保持する保持型と、型の外径芯に対して内径芯を偏芯させた偏芯絞り型と、を有し、該偏芯絞り型で前記金属管素材の自由端側の外周部に偏芯絞り加工を施す偏芯絞り加工装置と、前記軸部となる前記金属管素材の非加工部内に挿入配置される芯金と、前記金属管素材の偏肉部端を引っ張る引抜き手段と、前記非加工部の外周部を偏芯しごき加工するしごき型と、を有し、前記引抜き手段で前記金属管素材の偏肉部端を引っ張ってしごき型内に前記非加工部を通過させて偏芯しごき加工を施す偏芯しごき加工装置と、を備える。そして、前記偏芯しごき加工装置は、前記非加工部の軸芯を前記しごき型の軸芯に近付けるようにしごき加工する。
(3)管軸方向の一方に外径芯と内径芯とが偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部を有し、他方に中空の軸部を有する偏肉金属管であって、前記偏肉金属管の製造方法によって製造されてなる偏肉金属管である。
本発明によれば、偏肉金属管を製造する場合、偏芯絞り型で金属管素材の外周部を偏芯絞り加工して金属管素材の軸方向の一方に偏肉部を形成し、さらに、軸部となる金属管素材の非加工部内に芯金を偏芯配置した状態で、しごき型で非加工部の外周部を偏芯しごき加工する。ここで、偏芯しごき加工において前記非加工部の軸芯を前記しごき型の軸芯に近付けるようにしごき加工する。これにより、管軸方向の一方に外径芯と内径芯とが偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部を有し、他方に中空の軸部を有する偏肉金属管が製造される。
したがって、金属管素材を用いて軽量化を図りつつ、偏肉金属管を低コストで製造することが可能となる。
また、偏肉金属管の偏肉部の厚肉部分には十分な肉厚が得られるので安価な切削加工によってラック部を形成でき、しかも偏芯しごき加工を施すことにより偏肉部と軸部との外径芯が一致もしくは近接することになるため、ステアリングラックバーの製造に適用して好ましいものとなる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
(偏肉金属管)
まず、本発明の実施形態に係る偏肉金属管1の構造について説明する。図1は本発明の実施形態に係る偏肉金属管の管軸方向に沿った断面形状を示す断面図および左右側面図である。
図1を参照して、本実施形態に係る偏肉金属管1は、後述する製造装置10および製造方法を用いて製造される管製品であって、自動車部品であるステアリングラックバーの形成に適している。この偏肉金属管1は、管軸方向の一方に外径芯と内径芯とが偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部2が形成され、他方に外径芯と内径芯とが一致して管肉厚が略均一な中空の軸部3が形成されている。
この偏肉金属管1を用いてステアリングラックバーを形成する場合、偏肉部2の厚肉部分2Aに切削加工等によりラック部(歯部)が形成される。偏肉部2の外径芯2Cと軸部3の外径芯3Cは、一致していることが望ましいが、たとえば、1mm以下のオーダーで近接するように形成されていても構わない。
この偏肉金属管1を形成する素材としては、たとえば、電縫管や鋳造管等の継ぎ目無し管などの金属管素材1Aが用いられる(図2(A)参照)。偏肉部2は、後述する偏芯絞り加工装置20を用いて、金属管素材1Aの管軸方向の一方を偏芯絞り加工することにより形成される。また軸部3は、後述する偏芯しごき加工装置30を用いて、金属管素材1Aの管軸方向の他方(偏芯絞り加工の非加工部)を偏芯しごき加工することにより形成される。
(偏肉金属管の製造装置)
次に、本実施形態に係る偏肉金属管の製造装置10について説明する。図2は本実施形態の偏肉金属管の製造装置を構成する偏芯絞り加工装置の概略断面図である。図3は偏芯絞り加工による金属管素材の曲がり状況の説明図である。図4は本実施形態の偏肉金属管の製造装置を構成する偏芯しごき加工装置の概略断面図である。なお、図4において、(B)は(A)のB−B線に沿って切断した拡大断面図、(C)は(A)のA−A線に沿って切断した芯金の拡大断面図である。
本実施形態の製造装置10は、偏芯絞り加工装置20と、偏芯しごき加工装置30と、を備え、これらの装置20、30を用いて、金属管素材4に連続加工を施すことにより、上記偏肉金属管1を製造する装置である(図2および図4参照)。
図2を参照して、偏芯絞り加工装置20は、金属管素材1Aの管軸方向の一方を自由端側とし、他方を片持ち状態で保持する保持型(チャック)21と、この保持型21の型挿入空間22へ挿入される偏芯絞り型23と、を備えている。
保持型21は、たとえば、外観が直方体状もしくは円柱状を呈しており、断面形状が半円弧状のチャック部24で金属管素材1Aを把持すべく、二分割の金型として形成されている。また、型挿入空間22を区画する壁部は偏芯絞り型23の挿入案内部として機能し、型挿入空間22は保持型21の上記自由端側に位置する中空円柱状の空間として区画形成されている。したがって、保持型21のチャック部24に金属管素材1Aの管軸方向の他方を片持ち状態で保持すると、金属管素材1Aの管軸方向の一方(自由端側)が中空円柱状の型挿入空間22の中心部に芯出しした状態で配置される。そして、この保持型21の型挿入空間22へ偏芯絞り型23を押し込んで、金属管素材1Aの外周部に偏芯絞り加工を施すようになっている。
偏芯絞り型23は、円筒体状の押込み金型であって、この偏芯絞り型23の内径芯23Cは上記保持型21に保持された金属管素材1Aの軸芯1Cとずらして形成されている。すなわち、偏芯絞り型23は、型の外径芯に対して内径芯を偏芯させた金型であり、本実施形態では、偏芯絞り型23の内径芯23Cは金属管素材1Aの軸芯1Cよりも下側へ位置している。この偏芯絞り型23は、型の押込み方向先端に案内テーパー部25を有するリング状の絞り部26を形成し、この絞り部26の軸芯が内径芯23Cに相当する。
また、偏芯絞り型23の押込み方向後方側の内径部には、逃げ部27が形成されている。この逃げ部27によって偏芯絞り型23の内径部と、偏芯絞り加工を施す金属管素材1Aの外周部と、の間に隙間が形成され、偏芯絞り型23の押込みおよび引抜き抵抗を軽減している。すなわち、逃げ部27を形成することにより、絞り加工に寄与する絞り部26の加工寸法精度を確保するとともに、偏芯絞り型23と金属管素材1Aとの接触面積を減らして絞り加工の押込みおよび引抜き動作を円滑に行うことができる。
さらに、偏芯絞り型23の逃げ部27には、偏芯絞り加工を施す金属管素材1Aの曲がりを矯正するための曲がり押さえ部28が突設されている。この曲がり押さえ部28は、偏芯絞り型23の内径部において、その長手方向の2箇所に突設されている。但し、曲がり押さえ部28は、少なくとも1箇所以上に突設されていればよい。
ここで、図3を参照して、上記逃げ部27に曲がり押さえ部28を設けない場合には、金属管素材1Aに偏芯絞り加工を施した後に偏芯絞り型23を後退させると、金属管素材1Aに形成された偏肉部2の肉厚に偏りがあるため、薄肉部分となる側へ曲がり61が生じる。したがって、本実施形態の曲がり押さえ部28は、少なくとも、偏肉部2の薄肉部分となる側(下側)に当接するように、偏芯絞り型23の内径部に沿って円弧状に突設されている。なお、これに限定されず、この曲がり押さえ部28は、偏芯絞り型23の内径部に沿ってリング状に突設してもよい。
図4を参照して、偏芯しごき加工装置30は、上記軸部2となる金属管素材1Aの非加工部1B内に挿入配置される芯金31と、金属管素材1Aの偏肉部端を把持して引っ張る引抜き手段(チャック)32と、上記非加工部1Bの外周部を偏芯しごき加工するしごき型33と、を備えている。金属管素材1Aの偏肉部端をチャック32で把持して引っ張って、しごき型33内に上記非加工部1Bを通過させることにより、該非加工部1Bの外周部に偏芯しごき加工を施すようになっている。ここで、非加工部1Bとは、金属管素材1Aにおいて、偏芯絞り加工を施していない部分をいう。
図4(A)(B)を参照して、芯金31は先端部31Aが拡径されたロッド状の金属部材であって、金属管素材1Aの非加工部1B内において、しごき量の少ない側に該芯金31の軸芯31Cを偏らせて配置される。本実施形態では、この芯金31は、金属管素材1Aの非加工部1B内において、下側の素材内壁に近接するように偏らせて配置されている。
また、芯金31の先端部31Aの断面形状は非真円形状であり、この先端部31Aのしごき量の少ない側に外面の径寸法を減少させた減少部が形成されている。本実施形態では、図4(C)に示すように、この芯金31の先端部31Aにおいて、しごき量の少ない側の外周面が内方へ偏芯させられており、当該偏芯量Dは、上記減少部における内径方向への外面の減少量に相当する。
チャック32は、たとえば、外観が直方体状もしくは円柱状を呈しており、断面形状が半円弧状の二分割の把持部材であって、金型金属管素材1Aの偏肉部端を把持する。このチャック32には、たとえば、不図示の引張装置が備えられ、金属管素材1Aの偏肉部端を把持して、金属管素材1Aをその管軸方向の一方(図4(A)において矢印方向)へ引っ張るようになっている。
しごき型33は、たとえば、外観が直方体状もしくは円柱状を呈しており、しごき部33Aが引張方向へ向けて順次縮径されたレジューサー型として形成されている。
この偏芯しごき加工装置30では、しごき型33の軸芯33Cと、非加工部1Bの軸芯1Cと、芯金31の軸芯31Cと、をずらした状態で施工される。具体的には、上方から下方へ向けて非加工部1Bの軸芯1C、しごき型33の軸芯33C、芯金31の軸芯31Cの順に位置されている。この関係で偏芯しごき加工を施すと、施工後に偏肉部2の外径芯2Cと軸部3の外径芯3Cは略一致させられるとともに、後述するように芯金31の撓みを防止して、非加工部1Bは肉厚が均一にしごき加工され得る(図1参照)。
(偏肉金属管の製造方法)
次に、図5から図7を用いて、第1実施形態の製造装置10の作用と共に、本実施形態に係る偏肉金属管1の製造方法について説明する。図5は本実施形態に係る偏肉金属管の製造方法における偏芯絞り加工工程の概略断面図である。図6(A)は本実施形態に係る偏肉金属管の製造方法における偏芯しごき加工工程の概略断面図、図6(B)は比較例における偏芯しごき加工工程の概略断面図である。図7は図6(A)から続く、本実施形態に係る偏肉金属管の製造方法における偏芯しごき加工工程の概略断面図である。
本実施形態の偏肉金属管1の製造方法は、管軸方向の一方に外径芯と内径芯とが偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部2を有し、他方に中空の軸部3を有する偏肉金属管1を製造する方法であって(図1参照)、偏芯絞り加工工程および偏芯しごき加工工程を有する。
偏芯絞り加工工程は、上記偏芯絞り加工装置20を用いて、型の外径芯に対して内径芯を偏芯させた偏芯絞り型23で金属管素材1Aの外周部を偏芯絞り加工し、この金属管素材1Aの管軸方向の一方に偏肉部2を形成する工程である。
すなわち、図5を参照して、偏芯絞り加工工程は、金属管素材1Aの管軸方向の一方が自由端側となるように、保持型21のチャック部24に金属管素材1Aの管軸方向の他方を片持ち状態で保持し、偏芯絞り型23を押し込んで、金属管素材1Aの外周部に偏芯絞り加工を施す。なお、図5では、保持型21の型挿入空間22を省略図示している(図2参照)。
本実施形態の偏芯絞り加工工程では、多段階の偏芯絞り加工を連続して行う。たとえば、3段階の連続した偏芯絞り加工によって、金属管素材1Aの管軸方向の一方が徐々に偏芯絞り加工され、所望の偏絞り形状の中間加工素材を容易かつ精度良く得ることができる。図5におけるWは、金属管素材1Aの軸芯1Cと偏芯絞り型23の軸芯23Cとの偏芯量を示している。このように、金属管素材1Aの軸芯1Cと偏芯絞り型23の軸芯23Cとが偏芯しているので、金属管素材1Aの絞り加工部分に外径芯と内径芯とが偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部2が形成される。本実施形態(図5)では、金属管素材1Aの偏芯絞り加工量は、上側の方が下側よりも多く、偏肉部2の厚肉部分は中間加工素材の上側に位置している。
また、前述したように、本実施形態の偏芯絞り加工工程で用いる偏芯絞り型23は、その押込み方向後方側の内径部に、偏芯絞り加工を施す金属管素材1Aの外周との間に隙間を形成する逃げ部27が形成され、この逃げ部27には、偏肉部2の少なくとも薄肉側(下側)に当接して偏芯絞り加工による金属管素材1Aの曲がりを矯正する曲がり押さえ部28が突設されている(図2参照)。したがって、偏芯絞り型33を戻したときに、金属管素材1Aの加工部分に発生する曲がりを防止することができる。
この偏芯絞り加工工程の終了後偏芯しごき加工工程を実施する前に、偏芯絞り加工を施した金属管素材1Aの残留応力を除去するため、応力除去焼きなまし等の熱処理を施してもよい。
次に、偏芯しごき加工工程は、上記偏芯しごき加工装置30を用いて、軸部3となる金属管素材1Aの非加工部(偏芯絞り加工における非加工部)1B内に芯金31を挿入した状態で、しごき型33で上記非加工部1Bの外周部を偏芯しごき加工する工程である。
本実施形態では、金属管素材1Aの非加工部1B内に芯金31を挿入配置した状態で、金属管素材1Aの偏肉部端をチャック32で把持して引っ張って、しごき型33内に上記非加工部1Bを通過させて偏芯しごき加工を施す。そして、偏芯しごき加工において非加工部1Bの軸芯1Cをしごき型33の軸芯33Cに近付けるようにしごき加工する。
この偏芯しごき加工では、しごき型33の軸芯33Cと、非加工部1Bの軸芯1Cと、芯金31の軸芯31Cと、をずらした状態で施工される。すなわち、金属管素材1Aの非加工部1B内において、芯金31の軸芯31Cをしごき量の少ない側、すなわち下側へ偏らせて配置する。金属管素材1Aの非加工部1Bに偏芯しごき加工を施すと、非加工部1Bの上部はしごき量が多いため、芯金31を押さえ込もうとする荷重が加わる。この押さえ込み荷重が加わると、芯金31は下側へ撓もうとする。そこで、金属管素材1Aの非加工部1B内において、芯金31の軸芯31Cを下側へ偏らせて配置することにより、金属管素材1Aに芯金31が早く当たるので、芯金31の撓みを防止することができる。すなわち、芯金31の見かけ上の剛性が増す。これにより、均等な肉厚の軸部3が得られる。
また、本実施形態の偏芯しごき加工工程で用いる芯金31は、拡径した先端部31Aの断面形状が非真円形状を呈し、この先端部31Aのしごき量の少ない側、すなわち下側に外面の径寸法を減少させた減少部が形成されている(図4(A)(C)参照)。これは、金属管素材1Aの上部の肉厚が厚くなる傾向を防止するための工夫である。すなわち、芯金31の先端部31Aの下側に隙間を設けることによって、管肉が上側から下側へ流れ易くなり、より均等な肉厚の軸部3が得られる。
本実施形態の偏芯しごき加工工程では、多段階の偏芯しごき加工を連続して行う。たとえば、3段階の連続した偏芯しごき加工によって、金属管素材1Aの非加工部1Bが軸部3として形成され、偏肉金属管1を容易かつ精度良く得ることが可能となる。そして、この加工後に偏肉部2と軸部3との両者の外径芯2C、3Cが一致もしくは近接することになる。
また、本実施形態の偏芯しごき加工工程では、図6(A)に示すように、少なくとも1段階の加工において、金属管素材1Aの非加工部1B内に芯金31を偏芯配置し、引き抜き操作で偏芯しごき加工を施工する。これは、引き抜き操作により管肉の逃げが軸長さ方向になるため、肉厚が均等になること、および残留応力を軽減することを狙ったものである。これに対し、図6(B)に示すように、押し出し操作で偏芯しごき加工を施工すると、押し出し時の管肉の逃げが径方向になるため、肉厚にばらつきが生じる。したがって、本実施形態では、引き抜き操作による偏芯しごき加工を採用している。
さらに、第2〜第3段階の加工では、図7に示すように、上記非加工部1B内に芯金31を配置せず、金属管素材1Aの非加工部側を開放した状態にして、引き抜き操作で偏芯しごき加工を施工する。これは、少なくとも1段階の加工において、上記非加工部1B内に芯金31を偏芯配置すれば、均等な肉厚が得られるからである。したがって、それ以降の加工では、軸部3の外径を絞り込むだけであるので、開放しごき加工で足りる。よって、製造が簡易化され、低コスト化がより図られる。但し、第2〜第3段階の加工でも、上記非加工部1B内に芯金31を配置するように構成することも可能である。
この偏芯しごき加工工程後に、金属管素材1Aの残留応力を除去するため、応力除去焼きなまし等の熱処理を施してもよい。
以上説明したように、本実施形態の製造装置10および製造方法によれば、偏芯絞り型23で金属管素材1Aの外周部を偏芯絞り加工し、金属管素材1Aの軸方向の一方に偏肉部2を形成する。さらに、軸部3となる金属管素材1Aの非加工部1B内に芯金31を偏芯配置した状態で、しごき型33で非加工部1Bの外周部を偏芯しごき加工する。ここで、偏芯しごき加工において非加工部1Bの軸芯をしごき型33の軸芯に近付けるようにしごき加工する。
したがって、金属管素材1Aを用いて軽量化を図りつつ、偏肉金属管1を低コストで製造することが可能となる。
また、偏肉金属管1の偏肉部2の厚肉部分には十分な肉厚が得られるので安価な切削加工によってラック部を形成でき、しかも偏芯しごき加工を施すことにより偏肉部2と軸部3との外径芯2C、3Cが一致もしくは近接することになるため、ステアリングラックバーの製造に適用して好ましいものとなる。
本発明の実施形態に係る偏肉金属管の管軸方向に沿った断面形状を示す断面図および左右側面図である。 本実施形態の偏肉金属管の製造装置を構成する偏芯絞り加工装置の概略断面図である。 偏芯絞り加工による金属管素材の曲がり状況の説明図である。 本実施形態の偏肉金属管の製造装置を構成する偏芯しごき加工装置の概略断面図である。 本実施形態に係る偏肉金属管の製造方法における偏芯絞り加工工程の概略断面図である。 (A)は本実施形態に係る偏肉金属管の製造方法における偏芯しごき加工工程の概略断面図、(B)は比較例における偏芯しごき加工工程の概略断面図である。 図6(A)から続く、本実施形態に係る偏肉金属管の製造方法における偏芯しごき加工工程の概略断面図である。
符号の説明
1 偏肉金属管、
1A 金属管素材、
1B 非加工部、
1C 金属管素材(非加工部)の軸芯、
2 偏肉部、
3 軸部
10 偏肉金属管の製造装置、
20 偏芯絞り加工装置、
21 保持型、
23 偏芯絞り型、
23C 偏芯絞り型の軸芯、
27 逃げ部、
28 曲がり押さえ部、
30 偏芯しごき加工装置、
31 芯金、
31C 芯金の軸芯、
32 チャック、
33 しごき型、
33C しごき型の軸芯。

Claims (13)

  1. 管軸方向の一方に外径芯と内径芯とが偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部を有し、他方に中空の軸部を有する偏肉金属管の製造方法であって、
    型の外径芯に対して内径芯を偏芯させた偏芯絞り型で金属管素材の外周部を偏芯絞り加工し、前記金属管素材の管軸方向の一方に前記偏肉部を形成する偏芯絞り加工工程と、
    前記軸部となる前記金属管素材の非加工部内に芯金を挿入配置した状態で、前記金属管素材の偏肉部端を引っ張って、しごき型内に前記非加工部を通過させて該非加工部の外周部を偏芯しごき加工する偏芯しごき加工工程と、を有し、
    前記偏芯しごき加工工程において、前記非加工部の軸芯を前記しごき型の軸芯に近付けるようにしごき加工することを特徴とする偏肉金属管の製造方法。
  2. 前記偏芯しごき加工工程において、前記芯金の軸芯を前記しごき型の軸芯よりもしごき量の少ない側に偏らせて配置することを特徴とする請求項1に記載の偏肉金属管の製造方法。
  3. 前記偏芯しごき加工工程で用いる芯金の先端部の断面形状は非真円形状であり、前記芯金先端部のしごき量の少ない側に外面の径寸法を減少させた減少部を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載の偏肉金属管の製造方法。
  4. 前記偏芯絞り加工工程で用いる偏芯絞り型は、その押込み方向後方側の内径部に、偏芯絞り加工を施す前記金属管素材の外周との間に隙間を形成する逃げ部が形成され、
    前記逃げ部に、前記偏肉部の少なくとも薄肉側に当接して偏芯絞り加工による前記金属管素材の曲がりを矯正する曲がり押さえ部が突設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏肉金属管の製造方法。
  5. 前記偏芯絞り加工工程および前記偏芯しごき加工工程は、それぞれ複数段階の加工により施工することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏肉金属管の製造方法。
  6. 前記偏芯しごき加工工程の第1段階の加工は前記金属管素材の非加工部内に芯金を偏芯配置した状態で引抜き加工し、それ以降の段階の加工は前記非加工部内に芯金を配置しない状態で引抜き加工することを特徴とする請求項5に記載の偏肉金属管の製造方法。
  7. 管軸方向の一方に外径芯と内径芯とを偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部を有し、他方に中空軸部を有する偏肉金属管の製造装置であって、
    金属管素材の管軸方向の一方を自由端側とし、他方を片持ち状態で保持する保持型と、型の外径芯に対して内径芯を偏芯させた偏芯絞り型と、を有し、該偏芯絞り型で前記金属管素材の自由端側の外周部に偏芯絞り加工を施す偏芯絞り加工装置と、
    前記軸部となる前記金属管素材の非加工部内に挿入配置される芯金と、前記金属管素材の偏肉部端を引っ張る引抜き手段と、前記非加工部の外周部を偏芯しごき加工するしごき型と、を有し、前記引抜き手段で前記金属管素材の偏肉部端を引っ張ってしごき型内に前記非加工部を通過させて偏芯しごき加工を施す偏芯しごき加工装置と、を備え、
    前記偏芯しごき加工装置は、前記非加工部の軸芯を前記しごき型の軸芯に近付けるようにしごき加工することを特徴とする偏肉金属管の製造装置。
  8. 前記偏芯しごき加工装置において、前記芯金の軸芯を前記しごき型の軸芯よりもしごき量の少ない側に偏らせて配置することを特徴とする請求項7に記載の偏肉金属管の製造装置。
  9. 前記偏芯しごき加工装置で用いる芯金の先端部の断面形状は非真円形状であり、前記芯金先端部のしごき量の少ない側に外面の径寸法を減少させた減少部を形成していることを特徴とする請求項7または8に記載の偏肉金属管の製造装置。
  10. 前記偏芯絞り加工装置で用いる偏芯絞り型は、その押込み方向後方側の内径部に、偏芯絞り加工を施す前記金属管素材の外周との間に隙間を形成する逃げ部が形成され、
    前記逃げ部に、前記偏肉部の少なくとも薄肉側に当接して偏芯絞り加工による前記金属管素材の曲がりを矯正する曲がり押さえ部が突設されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の偏肉金属管の製造装置。
  11. 前記偏芯絞り加工装置および前記偏芯しごき加工装置は、それぞれ複数段階の加工により施工するための複数の加工部を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の偏肉金属管の製造装置。
  12. 前記偏芯しごき加工装置の第1段階の加工部は前記金属管素材の非加工部内に芯金を偏芯配置した状態で引抜き加工し、それ以降の段階の加工部は前記非加工部内に芯金を配置しない状態で引抜き加工することを特徴とする請求項11に記載の偏肉金属管の製造装置。
  13. 管軸方向の一方に外径芯と内径芯とが偏芯して管肉厚の一部が厚く偏った偏肉部を有し、他方に中空の軸部を有する偏肉金属管であって、
    型の外径芯に対して内径芯を偏芯させた偏芯絞り型で金属管素材の外周部を偏芯絞り加工し、前記金属管素材の管軸方向の一方に前記偏肉部を形成する偏芯絞り加工工程と、
    前記軸部となる前記金属管素材の非加工部内に芯金を挿入配置した状態で、前記金属管素材の偏肉部端を引っ張って、しごき型内に前記非加工部を通過させて該非加工部の外周部を偏芯しごき加工する偏芯しごき加工工程と、を有し、
    前記偏芯しごき加工工程において、前記非加工部の軸芯を前記しごき型の軸芯に近付けるようにしごき加工する偏肉金属管の製造方法によって製造されてなる偏肉金属管。
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JP5246898B1 (ja) * 2012-05-15 2013-07-24 株式会社 吉村カンパニー クランクシャフトの製造方法およびクランクシャフト

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