JP2010101675A - 赤外線撮像素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】入射赤外線の有効利用と放熱の抑制とにより、高感度の赤外線撮像素子を提供する。
【解決手段】赤外線撮像素子10は、Si基板11の上に、空間30を隔てて、ダイヤフラム部Dが設けられている。ダイヤフラム部Dには、絶縁支持膜17と、第1,第2熱電部材20a,20bと、配線19と、熱吸収膜22とが設けられている。第1,第2熱電部材20a,20bは、配線19の両端から、基板上まで延びている。第1,第2熱電部材20a,20bは、第1,第2電極12a,12bに電気的に接続されている。ダイヤフラム部Dに、単一の絶縁層からなる絶縁支持膜17を設けることで、ダイヤフラム部Dの熱容量が低減し、赤外線検知感度が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線,特に遠赤外線を検知して撮像するための赤外線撮像素子およびその製造方法に係り、特に、赤外線検知感度の向上対策に関する。
従来より、赤外線センサに配置される赤外線検知素子として、特許文献1,2に開示されるものが知られている。
特許文献1の図2には、空間となる犠牲層を挟んで、赤外線吸収層および1対の熱電部材を配置したダイヤフラム構造が開示されている。1対の熱電部材(サーモパイル)は、絶縁支持膜である酸化膜および窒化膜とともに、犠牲層の側部から基板上まで延びている。1対の熱電部材は、n型ポリシリコン,p型ポリシリコンであり、温接点部同士はアルミ配線によって接続されている。
特開平06−137943号公報
しかしながら、上記特許文献1の赤外線検出素子を用いて、撮像を行うに際し、以下のような不具合があった。
特許文献1の構造では、同文献の図2に示されるように、ダイヤフラム部に窒化膜4と窒化膜6とが存在する。しかしながら、窒化膜は、精度よく形成するには、ある程度の厚みが必要である。そのために、2枚の窒化膜を設けることで、合計厚さは厚くならざるを得ず、熱容量が増大する。この熱容量の増大のために、赤外線の検知精度が低下する。
本発明の目的は、入射される赤外線を有効に利用しつつ、ダイヤフラム部の熱容量を低減する手段を講ずることにより、高感度の赤外線撮像素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明の赤外線撮像素子は、基板上に空間を挟んで設けられたダイヤフラム部を備えている。そして、ダイヤフラム部に、熱吸収膜と、熱吸収膜を支持する絶縁支持膜とを設ける。一方、基板の熱吸収膜下方に位置する領域に、赤外線反射膜を設ける。また、ダイヤフラム部に温接点部を、基板上に冷接点部を、それぞれ有する熱電部材を設ける。さらに、熱電部材を含み、基板上でダイヤフラム部を支持する梁部材を設ける。
ここで、絶縁支持膜は、単一の絶縁層によって構成されている。
この構造により、本発明では、以下の作用効果が得られる。
熱吸収膜等を支持する絶縁支持膜を設けたことで、ダイヤフラム部に熱吸収膜を安定して保持することができる。また、単一の絶縁層からなる絶縁支持膜なので、熱吸収率を維持しうる下限の厚さ付近にすることができるからである。したがって、絶縁支持膜の熱容量を低減することにより、赤外線の検知感度も向上する。
一方、特許文献1のように、ダイヤフラム部に2枚の絶縁支持膜(窒化膜)を設けた場合、その合計厚さが厚くなる。反面、各窒化膜を薄くすると、熱吸収率が低下する。
それに対し、本発明では、絶縁支持膜の熱吸収率を高く維持しうる。よって、入射される赤外線を有効に利用しつつ、ダイヤフラム部の熱容量を低減して、高感度の撮像を行うことができる。
絶縁支持膜は、窒化シリコンにより構成されていることが好ましい。シリコン窒化膜は、比較的赤外線吸収率および強度が大きい。よって、絶縁支持膜を窒化シリコンによって構成することにより、検知感度をより高くすることができる。
絶縁支持膜が、窒化シリコンからなる場合、絶縁支持膜の厚さが、400nm未満であることが好ましい。窒化膜の熱吸収率を高く維持するためには、200nm程度の厚みが必要である。特許文献1のごとく、2枚の窒化膜を設けた場合、熱吸収率を高く維持するためには、合計厚さが400nm以上になる。それに対し、単一の窒化膜では、400nm未満にして、熱吸収率を高く維持しつつ、熱容量を効果的に低減することができる。
梁部材が絶縁支持膜と同時に堆積された絶縁層を含んでいてもよい。これにより、梁部材の強度を強化しつつ、赤外線の検知感度も高く維持することができる。
1対の熱電部材のうち、一方はBi−TeまたはBi−Se−Teからなり、他方はBi−Sb−Teからなることが好ましい。大きな起電力を確保して、高い感度が得られるからである。
本発明の赤外線撮像素子の製造方法は、以下の手順によって行われる。基板上に赤外線反射膜を形成した後、島状の犠牲層を形成する。次に、犠牲層の上面上に、絶縁支持膜を形成した後、犠牲層の側面および上面に亘る領域に、1対の熱電部材を形成する。または、犠牲層の側面および上面に亘る領域に、1対の熱電部材を形成した後、その上に絶縁支持膜を形成する。さらに、熱吸収膜を形成してから、犠牲層を除去する。
この方法により、上述の効果を発揮する赤外線撮像素子が得られる。
特に、絶縁支持膜を形成する工程で、犠牲層の側面上の熱電対に接する部分を残存させることにより、梁部材の強度を強化することができる。
本発明の赤外線撮像素子またはその製造方法によると、入射赤外線を有効に利用しつつ、熱容量を低減して高感度の赤外線撮像素子を得ることができる。
(実施の形態1)
−赤外線撮像素子の構造−
図1(a),(b)は、本発明の実施形態1に係る赤外線撮像素子のI-I線における断面図、および平面図である。本実施の形態の赤外線撮像素子は、たとえば波長8〜12μm(中心波長10μm)の遠赤外線を用いたものである。しかし、本発明の赤外線撮像素子は、遠赤外線を用いたものに限定されるものではない。
赤外線撮像素子10は、Si基板11を用いて形成されている。Si基板11の上には、第1,第2電極12a,12bと、反射膜13と、保護膜14とが形成されている。反射膜13は、保護膜14によって覆われている。第1,第2電極12a,12bの大部分は保護膜によって覆われているが、一部は保護膜14の開口内に露出している。開口内において、第1,第2電極12a,12bの上には、第1,第2コンタクト18a,18bが形成されている。
第1,第2電極12a,12bおよび反射膜13は、いずれも厚み200nm程度のAl膜から形成されている。保護膜14は、厚み200nm程度のシリコン酸化膜から形成されている。第1,第2コンタクト18a,18bは、厚み200nm程度のTi/Au膜から形成されている。Au膜は,後述する熱電部材とオーミック接触するための材料である。Ti膜は、AuとAlとの密着性を高めるための材料である。
保護膜14の上方には、空間30が存在している。そして、空間30の上方を覆うようにダイヤフラム部Dが設けられている。ダイヤフラム部Dには、絶縁支持膜17と、配線19と、第1,第2熱電部材20a,20bと、熱吸収膜22とが設けられている。
絶縁支持膜17は、厚み250nm程度のシリコン窒化膜から形成されている。配線19は、厚みが100nm程度のAu膜から形成されている。熱吸収膜22は、厚みが3〜5nm程度のニッケルクロム膜または白金膜から形成されている。
図1(b)に示されるように、絶縁支持膜17および熱吸収膜21は、平面形状が矩形である。また、配線19は、幅が5μm程度の線材である。そして、絶縁支持膜17は、ダイヤフラム部D全体を支持するものである。また、絶縁支持膜17により、熱吸収膜21の平板形状が、精度よく維持される。
配線22の両端上には、熱電対を構成する第1,第2熱電部材20a,20bが接触している。第1,第2熱電部材20a,20bは、それぞれ基板上まで延びている。基板上で、第1,第2熱電部材20a,20bの端部は、第1,第2コンタクト18a,18bにそれぞれ接続されている。つまり、第1,第2熱電部材20a,20bは、第1,第2電極12a,12bに電気的に接続されている。
第1熱電部材20aは、厚み0.5μm程度のBi−TeまたはBi−Se−Te膜から形成されている。第2熱電部材20bは、厚み0.5μm程度のBi−Sb−Te膜から形成されている。Bi−Te,Bi−Se−TeおよびBi−Sb−Teは、熱処理によってAuと容易にオーミック接触する材料である。
第1,第2熱電部材20a,20bの配線19に接続される端部は、温接点部Tha,Thbである。第1,第2熱電部材20a,20bの第1,第2コンタクト18a,18bに接続される端部は、冷接点部Tca,Tccbである。
本実施の形態の赤外線撮像素子10は、空間30を挟んで、ダイヤフラム部Dを設けたダイヤフラム構造を有している。ダイヤフラム部Dは、第1,第2熱電部材20a,20b,熱吸収膜22,絶縁支持膜17等を有している。また、熱電部材20a,20bのみにより、ダイヤフラム部Dを支持する梁部材Hが構成されている。つまり、セルフサポート構造を有している。
赤外線が入射されると、熱吸収膜22に吸収されて、図1(b)に示すホットポイントRht付近の温度が特に上昇する。熱吸収膜22等を通過した赤外線は、赤外線反射膜13によって反射され、熱吸収膜22に再入射される。
ここで、空間30の縦方向寸法は、赤外線の波長をλとすると、(1/4)λ付近に設定されている。つまり、反射赤外線と入射赤外線とが打ち消し合う干渉が生じる。この干渉を生じた赤外線同士が、熱吸収膜22中の自由電子に吸収されて熱になる。この熱は、に伝わり、絶縁被覆膜19の温度が上昇する。つまり、絶縁被覆膜19に接触している温接点部Tha,Thbの温度が上昇する。
このように、入射した赤外線をできるだけ有効に検知に利用しうる構造となっている。本実施の形態では、熱吸収膜22と赤外線反射膜13との間の距離は、2.5μm{≒(1/4n)×10}である。ここで、nは、熱吸収膜22と赤外線反射膜13との実効的な屈折率である。
温接点部Tha,Thbの温度が上昇すると、冷接点部Tca,Tccbとの温度差に応じた電位差が第1,第2熱電部材20a,20bに生じる。つまり、第1,第2熱電部材20a,20bの電位差に応じた起電力が得られる。この起電力が第1,第2電極20a,20bから取り出され、電気信号としてSi基板11上の読み出し回路に送られる。この電気信号は、赤外線撮像素子10が配置されている領域に入射された赤外線量を示している。そして、Si基板11上の多数の赤外線撮像素子10からの電気信号に基づいて、外部回路で赤外画像が作成される。
−赤外線撮像素子の製造工程−
図2(a)〜(e)および図3(a)〜(c)は、実施の形態1に係る赤外線撮像素子の製造工程を示す断面図である。
まず、図2(a)に示す工程で、Si基板11上に、レジスト膜を堆積する(図示せず)。続いて、リソグラフィーにより、レジスト膜のうち、部材を形成する領域を開口する。次に、レジスト膜およびSi基板11の上に、スパッタにより、厚み200nm程度のAl膜を堆積する。次に、レジスト膜をアセトン等のエッチャントを用いて除去する。このリフトオフによって、Si基板11の上に、赤外線反射膜13、および第1,第2電極12a,12bを形成する。赤外線反射膜13は、Al膜のうち,素子中央部に位置する部分である。第1,第2電極12a,12bは、Al膜のうち,素子の両端から側方に延びる部分である。図示しないが、第1,第2電極12a,12bは、Si基板11上に延びて、撮像信号の供給配線につながっている。
次に、図2(b)に示す工程で、スパッタにより、基板上に、SiOからなる,厚み200nm程度の保護膜14を堆積する。保護膜14は、Si基板11,赤外線反射膜13、および第1,第2電極12a,12bを覆っている。保護膜14のうち、赤外線反射膜13の上方に位置する部分は、赤外線反射膜13を保護する機能を果たしている。
次に、図2(c)に示す工程で、スパッタにより、保護膜14の上に、厚み1.5μm程度の感光性ポリイミド膜(レジスト膜)を順次堆積する。続いて、リソグラフィーにより、感光性ポリイミド膜をパターニングする。この感光性ポリイミド膜を、200℃程度でハードベークして、犠牲層15を形成する。犠牲層15の立体形状は、第1,第2電極12a,12bの近傍に下端部を有する四角錐台である。
次に、図2(d)に示す工程で、スパッタにより、基板全体に、厚みが250nm程度のシリコン窒化膜を堆積する。続いて、CF・CHF・Oを用いたRIEにより、シリコン窒化膜をパターニングして、絶縁支持膜17を形成する。絶縁支持膜17は、犠牲層15の上面および保護膜14を覆っており、ダイヤフラム部Dの底壁となる。
絶縁支持膜17のうち、第1,第2電極12a,12bの上方に位置する部分には、コンタクトホールが形成されている。また、犠牲層15の斜面上では、絶縁支持膜17が除去されている。
次に、図2(e)に示す工程で、基板上に、スパッタにより、Ti膜およびAu膜を連続して堆積する。Au/Ti膜の合計厚みは200nm程度である。続いて、Clを用いたRIEにより、Au/Ti膜をパターニングする。これにより、ダイヤフラム部Dの絶縁支持膜17の上に、幅が5μm程度の配線19が形成される。同時に、第1,第2電極12a,12bの上に、第1,第2コンタクト18a,18bが形成される。
次に、図3(a)に示す工程で、リソグラフィーにより、基板全体に、第1熱電部材を形成する領域を開口したレジスト膜を形成する。続いて、スパッタにより、レジスト膜の上に、Bi−Te(またはBi−Se−Te)膜を堆積する。続いて、アセトン等により、レジスト膜を除去して、リフトオフ法により、第1熱電部材20aを形成する。同様のリフトオフ法により、Bi−Sb−Teからなる第2熱電部材20bを形成する。第1,第2熱電部材20aの各一端は、配線19の各端部に接触している。第1,第2熱電部材20a,20bは、ダイヤフラム部Dから犠牲層15の斜面を経て、Si基板11上まで延びている。第1,第2熱電部材20a,20bの他端は、コンタクトホールを埋めて、第1,第2コンタクト18a,18bに接触している。
次に、図3(b)に示す工程で、スパッタにより、基板全体に、厚みが3〜5nm程度のNiCr膜を堆積する。NiCr膜に代えて、Pt膜を堆積してもよい。続いて、Cl・BClを用いたRIEにより、NiCr膜をパターニングして、ダイヤフラム部Dに熱吸収膜22を形成する。熱吸収膜22は、各熱電部材20a,20b,配線19,および絶縁支持膜17を覆っている。犠牲層15の斜面上では、熱吸収膜22は除去されている。
次に、図3(c)に示す工程で、酸素プラズマを用いて、犠牲層15を除去する。これにより、図1(a),(b)に示す赤外線撮像素子10が形成される。
その後、熱処理を行なって、各熱電部材20a,20bを構成するBi−Te(またはBi−Se−Te),Bi−Sb−Teの性能を向上させる。
本実施の形態の赤外線撮像素子10によると、以下の作用効果が得られる。
1対の熱電部材20a,20bのみにより、配線19,絶縁支持膜17,熱吸収膜22等が支持されている。つまり、いわゆるセルフサポート構造をしている。固体を介した基板への熱伝導は、各熱電部材20a,20bを経る経路だけであるので、放熱が抑制される。空間30等の周囲は,通常は真空に保持されるので、放熱量は小さい。
加えて、ダイヤフラム部Dには、単一の絶縁層からなる絶縁支持膜17だけが設けられているので、熱容量が低減する。単一の絶縁層からなる絶縁支持膜なので、熱吸収率を維持しうる下限の厚さ付近にすることができるからである。したがって、絶縁支持膜の熱容量を低減することにより、赤外線の検知感度も向上する。
一方、特許文献1のように、ダイヤフラム部Dに2枚の絶縁支持膜(窒化膜)を設けた場合、その合計厚さが厚くなる。反面、各窒化膜を薄くすると、熱吸収率が低下する。
それに対し、本発明では、絶縁支持膜の熱吸収率を高く維持しうる。よって、入射される赤外線を有効に利用しつつ、ダイヤフラム部Dの熱容量を低減して、高感度の撮像を行うことができる。
絶縁支持膜17が、窒化シリコンからなる場合、絶縁支持膜の厚さが、400nm未満であることが好ましい。窒化膜の熱吸収率を高く維持するためには、200nm程度の厚みが必要である。特許文献1のごとく、2枚の窒化膜を設けた場合、熱吸収率を高く維持するためには、合計厚さが400nm以上になる。それに対し、単一の窒化膜では、400nm未満にして、熱吸収率を高く維持しつつ、熱容量を効果的に低減することができる。
本実施の形態では、熱吸収膜22を通過した赤外線は、赤外線反射膜13によって反射され、熱吸収膜22に吸収される。その際、上述のように、空間30の縦方向寸法の設計によって、反射赤外線と入射赤外線との干渉が生じる。そして、干渉により熱吸収膜22に効率よく熱が吸収されるとともに、絶縁支持膜17によっても熱が吸収される。よって、入射した赤外線をできるだけ有効に利用することができ、高い検知精度を発揮することができる。
本発明の第1,第2熱電部材20a,20bは、Bi−Te(またはBi−Se−Te),Bi−Sb−Teに限定されるものではない。ただし、Bi−Te(またはBi−Se−Te),Bi−Sb−Teを用いると、起電力を大きく確保でき、高い検出感度が得られる。
1対の熱電部材が、互いにオーミック接触可能な材料である場合は、配線19は必要でない。その場合には、各熱電部材を絶縁支持膜17の中央付近まで延ばして、互いに接触させればよい。
本実施の形態では、Bi−Te(またはBi−Se−Te),Bi−Sb−Teを用いたので、配線19にはAu膜を用いている。熱電部材として他の材料を用いる場合には、当該材料とオーミック接触させうる配線材料を用いればよい。
(実施の形態2)
−赤外線撮像素子の構造−
図4(a),(b)は、本発明の実施形態2に係る赤外線撮像素子のIV-IV線における断面図、および平面図である。図4(a),(b)において、実施の形態1と同じ部材については、同じ符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態においては、単一の絶縁支持膜17が、配線19および各熱電部材20a,20bの上方に設けられている。配線19および各熱電部材20a,20bの下方には、絶縁支持膜は存在しない。絶縁支持膜17の厚みおよび材質は、実施の形態1と同じである。
−赤外線撮像素子の製造工程−
図5(a)〜(d)および図6(a)〜(d)は、実施の形態2に係る赤外線撮像素子の製造工程を示す断面図である。
まず、図5(a)〜(c)に示す工程で、実施の形態1における図2(a)〜(c)と同じ工程を行う。
次に、図5(d)に示す工程で、基板上に、スパッタにより、Ti膜およびAu膜を連続して堆積する。Au/Ti膜の合計厚みは200nm程度である。続いて、Clを用いたRIEにより、Au/Ti膜をパターニングする。これにより、犠牲層15の上で、ダイヤフラム部Dの底部に、幅が5μm程度の配線19が形成される。また、第1,第2電極12a,12bの上に、第1,第2コンタクト18a,18bが形成される。
次に、図6(a)に示す工程で、リソグラフィーにより、基板全体に、第1熱電部材を形成する領域を開口したレジスト膜を形成する。続いて、スパッタにより、レジスト膜の上に、Bi−Te(またはBi−Se−Te)膜を堆積する。続いて、アセトン等により、レジスト膜を除去して、リフトオフ法により、第1熱電部材20aを形成する。同様のリフトオフ法により、Bi−Sb−Teからなる第2熱電部材20bを形成する。第1,第2熱電部材20aの各一端は、配線19の各端部に接触している。第1,第2熱電部材20a,20bは、ダイヤフラム部Dから犠牲造15の斜面を経て、Si基板11上まで延びている。第1,第2熱電部材20a,20bの他端は、コンタクトホールを埋めて、第1,第2コンタクト18a,18bに接触している。
次に、図6(b)に示す工程で、スパッタにより、基板全体に、厚みが250nm程度のシリコン窒化膜を堆積する。続いて、CF・CHF・Oを用いたRIEにより、シリコン窒化膜をパターニングして、ダイヤフラム部Dに、絶縁支持膜17を形成する。絶縁支持膜17は、配線および各熱電部材20a,20bを覆っている。
絶縁支持膜17のうち、第1,第2電極12a,12bの上方に位置する部分には、コンタクトホールが形成されている。また、犠牲層15の斜面上では、絶縁支持膜17が除去されている。
次に、図6(c)に示す工程で、スパッタにより、基板全体に、厚みが3〜5nm程度のNiCr膜を堆積する。NiCr膜に代えて、Pt膜を堆積してもよい。続いて、Cl・BClを用いたRIEにより、NiCr膜をパターニングして、ダイヤフラム部Dに熱吸収膜22を形成する。熱吸収膜22は、配線19,各熱電部材20a,20b,および絶縁支持膜17を覆っている。犠牲層15の斜面上では、熱吸収膜22は除去されている。
次に、図6(d)に示す工程で、XeFガスを用いて、犠牲層15を除去する。これにより、図4(a),(b)に示す赤外線撮像素子10が形成される。
その後、熱処理を行なって、各熱電部材20a,20bを構成するBi−Te(またはBi−Se−Te),Bi−Sb−Teの性能を向上させる。
本実施の形態の赤外線撮像素子10においても、ダイヤフラム部Dには、単一の絶縁層からなる絶縁支持膜17が設けられている。よって、本実施の形態によっても、実施の形態1と同じ効果を発揮することができる。
(実施の形態3)
−赤外線撮像素子の構造−
図7(a),(b)は、本発明の実施形態3に係る赤外線撮像素子のVII-VII線における断面図、および平面図である。図7(a),(b)において、実施の形態1と同じ部材については、同じ符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態においては、絶縁支持膜17の一部が斜面に延びて、第1,第2斜面絶縁膜17a,17となっている。そして、第1,第2斜面絶縁膜17a,17bの上に、第1,第2熱電部材20a,20bが形成されている。両者の幅は、ほぼ同じである。梁部材Hが、各熱電部材20a,20bの一部と、その下方の斜面絶縁膜17a,17bとによって構成されている。絶縁支持膜17の厚みおよび材質は、実施の形態1と同じである。ただし、Bi−Te(またはBi−Se−Te),Bi−Sb−Teからなる第1,第2熱電部材20a,20bの厚みは、0.3μm程度でよい。
−赤外線撮像素子の製造工程−
図8(a)〜(c)は、実施の形態3に係る赤外線撮像素子の製造工程を示す断面図である。本実施の形態においては、実施の形態1と同じ処理を行う工程については、図示を省略している。
図示しないが、まず、実施の形態1における図2(a)〜(c)に示す工程と同じ処理を行う。
次に、図8(a)に示す工程で、スパッタにより、基板上に、厚みが250nm程度のシリコン窒化膜を堆積する。続いて、CF・CHF・Oを用いたRIEにより、シリコン窒化膜をパターニングして、絶縁支持膜17を形成する。絶縁支持膜17は、犠牲層15の上面および保護膜14を覆っており、ダイヤフラム部Dの底壁となる。また、本実施の形態では、絶縁支持膜17の一部である第1,第2斜面絶縁膜17a,17bを、犠牲層15の斜面上に残す。斜面絶縁膜17a,17bは、後に形成する第1,第2熱電部材20a,20bとほぼ同じ幅を有している。
また、絶縁支持膜17のうち、第1,第2電極12a,12bの上方に位置する部分には、コンタクトホールが形成されている。
次に、図8(b)に示す工程で、基板上に、スパッタにより、Ti膜およびAu膜を連続して堆積する。Au/Ti膜の合計厚みは200nm程度である。続いて、Clを用いたRIEにより、Au/Ti膜をパターニングする。これにより、犠牲層15の上で、ダイヤフラム部Dの底部に、幅が5μm程度の配線19が形成される。また、第1,第2電極12a,12bの上に、第1,第2コンタクト18a,18bが形成される。
次に、図8(c)に示す工程で、リソグラフィーにより、基板全体に、第1熱電部材を形成する領域を開口したレジスト膜を形成する。続いて、スパッタにより、レジスト膜の上に、Bi−Te(またはBi−Se−Te)膜を堆積する。続いて、アセトン等により、レジスト膜を除去して、リフトオフ法により、第1熱電部材20aを形成する。同様のリフトオフ法により、Bi−Sb−Teからなる第2熱電部材20bを形成する。
第1,第2熱電部材20a,20bは、ダイヤフラム部Dから犠牲層15の斜面を経て、Si基板11上まで延びている。第1,第2熱電部材20aは、犠牲層15の斜面上においては、第1,第2斜面絶縁膜17a,17bの上に形成される。これにより、第1,第2熱電部材20a,20bの各一部と、第1,第2斜面絶縁膜17a,17bとからなる梁部材Hが形成される。
また、第1,第2熱電部材20aの各一端は、配線19の各端部に接触している。第1,第2熱電部材20a,20bの他端は、絶縁支持膜17のコンタクトホールを埋めて、第1,第2コンタクト18a,18bに接触している。
その後の工程の図示は省略するが、実施の形態1における図3(b),(c)と同じ処理を行う。これにより、図7(a),(b)に示す赤外線撮像素子10が形成される。
その後、熱処理を行なって、各熱電部材20a,20bを構成するBi−Te(またはBi−Se−Te),Bi−Sb−Teの性能を向上させる。
本実施の形態の赤外線撮像素子10においても、ダイヤフラム部Dには、単一の絶縁層からなる絶縁支持膜17が設けられている。よって、本実施の形態によっても、実施の形態1と同じ効果を発揮することができる。
加えて、本実施の形態では、梁部材Hが、第1,第2斜面絶縁膜17a,17bをも含んでいる。しかも、工程数は、実施の形態1よりも増えることはない。よって、本実施の形態により、工程数を増やすことなく、実施の形態1よりも強い梁部材Hが得られる。
(その他の実施の形態)
実施の形態3における第1,第2斜面絶縁膜17a,17bを、第1,第2熱電部材20a,20bの上方に形成してもよい。その場合には、実施の形態2における絶縁支持膜17の一部を、第1,第2熱電部材20a,20bに残せばよい。
上記開示された本発明の実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の赤外線撮像素子は、各種生体や発熱性機器,あるいはそれらの一部などを撮像する撮像装置に利用することができる。
(a),(b)は、順に、実施の形態1に係る赤外線撮像素子のI-I線における断面図、および平面図である。 (a)〜(e)は、実施の形態1に係る赤外線撮像素子の製造工程の前半部分を示す断面図である。 (a)〜(c)は、実施の形態1に係る赤外線撮像素子の製造工程の後半部分を示す断面図である。 (a),(b)は、本発明の実施形態2に係る赤外線撮像素子のIV-IV線における断面図、および平面図である。 (a)〜(d)は、実施の形態2に係る赤外線撮像素子の製造工程の前半部分を示す断面図である。 (a)〜(d)は、実施の形態2に係る赤外線撮像素子の製造工程の後半部分を示す断面図である。 (a),(b)は、本発明の実施形態3に係る赤外線撮像素子のVII-VII線における断面図、および平面図である。 (a)〜(c)は、実施の形態3に係る赤外線撮像素子の製造工程を示す断面図である。
符号の説明
10 赤外線撮像素子
11 Si基板
12a 第1電極
12b 第2電極
13 赤外線反射膜
14 保護膜
15 犠牲層
17 絶縁支持膜
17a 第1斜面絶縁膜
17b 第2斜面絶縁膜
18a 第1コンタクト
18b 第2コンタクト
19 配線
20a 第1熱電部材
20b 第2熱電部材
22 熱吸収膜

Claims (7)

  1. 基板上に空間を挟んで設けられたダイヤフラム部を備えた赤外線撮像素子であって、
    前記ダイヤフラム部に配置された熱吸収膜と、
    前記ダイヤフラム部に配置され、前記熱吸収膜を支持する絶縁支持膜と、
    前記基板の前記熱吸収膜下方に位置する領域に配置された赤外線反射膜と、
    前記ダイヤフラム部に温接点部を、前記基板上に冷接点部を、それぞれ有し、温接点部同士、冷接点部同士が直接または間接的に接続された熱電部材と、
    前記基板上で、前記ダイヤフラム部を支持する梁部材とを備え、
    前記梁部材は、前記熱電部材を含んでおり、
    前記絶縁支持膜は、単一の絶縁層によって構成されている、赤外線撮像素子。
  2. 請求項1記載の赤外線撮像素子において、
    前記絶縁支持膜は、窒化シリコンにより構成されている、赤外線撮像素子。
  3. 請求項1または2記載の赤外線撮像素子において、
    前記絶縁支持膜の厚さは、400nm未満である、赤外線撮像素子。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の赤外線撮像素子において、
    前記梁部材は、前記絶縁支持膜と同時に堆積された絶縁層を含んでいる、赤外線撮像素子。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の赤外線撮像素子において、
    前記1対の熱電部材のうち、一方はBi−TeまたはBi−Se−Teからなり、他方はBi−Sb−Teからなる、赤外線撮像素子。
  6. 基板上に赤外線反射膜を形成する工程(a)と、
    前記基板および赤外線反射膜の上に、上面および側面を有する島状の犠牲層を形成する工程(b)と、
    前記基板と、前記犠牲層の側面および上面に亘る領域に、1対の熱電部材を形成する工程(c)と、
    前記工程(b)の後、前記工程(c)の前または後のいずれか一方の時点で、前記犠牲層の上面上に、単一の絶縁層からなる絶縁支持膜を形成する工程(d)と、
    前記各熱電部材および絶縁支持膜の上に、熱吸収膜を形成する工程(e)と、
    前記犠牲層を除去する工程(f)と、
    を含む赤外線撮像素子の製造方法。
  7. 請求項6記載の赤外線撮像素子の製造方法において、
    前記工程(d)では、前記絶縁支持膜のうち、前記犠牲層の側面上の熱電対に接する部分を残存させる、赤外線撮像素子の製造方法。
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