JP2010100121A - 自動車用ホイールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】振れ精度の良好なカウンターバランス付きホイールの提供
【解決手段】本発明の自動車用ホイール10は、リム8トリミング8の内側に圧入嵌合されるディスク7を備えている。そして、ディスク7は、四つのフランジ3a〜3dと四つのディスク盗み4a〜4dを有している。エアバルブは、リム8のバルブ穴9に取り付けられる。バルブ穴9に対応する位置には、一つのディスク盗みが存在する。このディスク盗みの対面側のディスク盗みを挟み込む二つのフランジ3a,3dの長さを、他の二つのフランジ3b,3cの長さより長くすることによって、エアバルブの質量分のカウンターバランス質量の確保を容易に行うことができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車用ホイールおよびその製造方法に関する。
近年、自動車用ホイールには、タイヤ内圧力を検知し、事故を未然に防止することを目的として、タイヤ空気圧警報システムが取り付けられるようになっている。タイヤ空気圧警報システムには、タイヤ圧力センサを内蔵したエアバルブを用いて直接タイヤ空気圧を検知する直接式タイヤ空気圧警報システム(「TPMS」と呼ばれる。)と、ABS車輪速度を検知し相対的にタイヤ空気圧を推定する間接式タイヤ空気圧警報システムとが知られているが、検知精度が優れていることから、直接式タイヤ空気圧警報システムが一般に用いられている。
しかし、通常のホイールにそのままタイヤ圧力センサ付きエアバルブを取り付けたのでは、ホイールの重心がエアバルブ側に偏り、ホイールのアンバランス量を増大させる。この対策としては、タイヤ圧力センサ付きエアバルブの質量分をディスクにあらかじめアンバランスとなるように成形し、成形されたディスクの軽部トリミングのエアバルブ装着孔とを周方向に合致させ組付け溶接してホイールが製造される。タイヤ圧力センサ付きエアバルブが装着されたときにホイールバランスが適正に確保できるよう配慮される。
図1は、一般的なディスク成形加工工程を説明する図であり、(a)はブランキング工程後の状態、(b)は、絞り工程、ハブ穴抜き・トリミング工程後の状態、(c)はフランジアップ後の状態、(d)は各種穴抜き後の状態、(e)はコインニング後の状態をそれぞれ示しており、いずれの図においても、上に上面図を、下に断面図をそれぞれ記載している。
ディスク成形加工工程においては、素材コイルから巻き戻した板を、所定寸法に切断し、その後、ブランキング工程により、図1(a)に示すように、四隅が円弧状に切断され、ブランク1を得る。次に、ブランク1の円弧状の四隅をクランプした状態で、絞り加工を行い(通常は、2〜4段階の絞り工程)、その後、図1(b)に示すように、ハブ2の穴抜きとともに、4つのフランジ3a〜3dが所定の形状となるようにトリミングされる。このとき、フランジ3a〜3dの長さが一定になるように切断され、また、4つのディスク盗み4a〜4dが形成される。
その後、フランジアップ工程により、図1(c)に示すように、フランジ3a〜3dの足部が立ち上げられ、さらに図1(d)に示すように、ボルト穴5および冷却穴6の穴抜きがされた後、図1(e)に示すように、冷却穴5およびボルト穴6のコインニングがされ、ディスクが完成する。このとき、ディスク盗み形状及び深さは、4ヶ所ともにほぼ同一になされ、ホイール振れへの影響を最小限に留める配慮がなされている。そして、このようにして形成されたディスクのフランジは、リムの内面側と接合され、ホイールが製造される。
特許文献1に記載の発明は、コイルを巻き戻ししつつ、連続的に線切断する代わりに、コイルを流動させながらブランキングして、ディスク軽部と対面部に質量増部を形成するものである。
特許文献2には、例えば、図3および4に示す例では、コイルの巻き戻ししつつ、切断した後、次のブランク工程での円弧状のブランク寸法を1ヶ所のみ大きくあるいは小さくし且つ切り欠きを入れて軽部となった部位に印が入れられる。また、図5に示す例では、円弧状にブランクされた一ヶ所に穴抜きを行い軽部が形成される。
特許文献3に記載の発明は、ディスク軽部を形成させるためリムエアバルブと合致するディスク盗みにディスクフランジ高さ(足長さ)を短くした切欠き部位を設けるものである。また、リムエアバルブに最も近接する組付け溶接部の長さを小さくしてアンバランスを生じさせエアバルブ装着時のバランスを取ることとしている。
特開2005−8049号公報 特開2002−166703号公報 実開平3−5601号公報
引用文献1に記載の方法は、ブランキングの刃物形状が複雑で刃物寿命が短くなることやディスクの連続成形加工機(トランスファー装置)の大幅な改造が必要となるという問題がある。また、金型形状を複雑にするなど、大幅なコストアップを招来する。また、ディスク盗みの形状がいびつ(不安定)なため、ホイール完成時の振れ性が大きな問題となる。
引用文献2に記載の方法は、例えば、図5、別工程での加工(切欠き、穴抜き)を要するため、工程の増加を招く。また、図6に示されているように、あらかじめ作られたディスク軽部とエアバルブ位置が完全には一致していないため、タイヤ圧力センサ付エアバルブが取り付けられたときにおいてアンバランス調整が完全には解消できない。
引用文献3の方法では、切欠きによる軽部の形成は、先に述べたディスクフランジ立ち上げ工程の後に打ち抜き工程を追加しなければならない。しかも、この工程は、極めて複雑な金型を要し、刃物寿命の低下、ならびに、組付け溶接後のホイールの横振れおよび縦振れを増大させることが予想される。また、溶接長さによる軽部の形成は、タイヤ圧力センサ装着の場合には、軽部質量が不足し、バランスの確保は困難を極める。通常、タイヤ圧力センサ付きエアバルブの質量は、約38g〜40gであり溶接長さのみでの軽部形成によるバランス確保は不可能に近い。
このように、上記公報に開示された発明によれば、ディスクを製造するにあたり、コイルシャー切断や成形加工金型が複雑となるなど課題が残る。また、近年のTPMS装着に対応するためにはTPMS質量を相殺するのに十分なアンバランス量を確保し且つホイールの振れ性、コストを考慮した製造方法及び加工方法が重要である。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、ディスク製造工程トリミングとディスクの組付け工程の生産効率を低下させることなく、質量バランスの調整が容易な自動車用ホイールおよびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記の問題を解決するべく、鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得た。
既に述べたように、ブランキング工程において形成される、円弧状の四隅部分が最終的にフランジとなる。即ち、円弧状の四隅がクランプされた状態で、絞り加工が実施され、その後、ハブ穴抜き・トリミング工程時に、必要な長さに切断され、その後のフランジアップ工程においてフランジ形状に立ち上げられて、フランジとなる。
即ち、フランジ部分は、絞り工程においてクランプされる箇所であるため、絞り工程では十分な長さを確保しておく必要があるが、それ以降の工程では、リムとの接合に必要な長さがあれば足りるため、ハブ穴抜き・トリミング工程において、所定の長さに切断される。このとき、フランジの長さを調整することにより、圧力センサ付きエアバルブの質量分のカウンターバランス質量の確保を容易に行うことができることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、下記の(1)に示す自動車用ホイールならびに下記の(2)および(3)に示す自動車用ホイールの製造方法を要旨としている。
(1)リムトリミングの内側に圧入嵌合されるディスクとを備える自動車用ホイールであって、ディスクが四つのフランジと四つのディスク盗みを有し、隣り合う二つのフランジの長さが、他の隣り合う二つのフランジの長さより長いことを特徴とする自動車用ホイール。
(2)ディスク用鋼板を打ち抜いてブランクを得る打ち抜き工程、ブランクの四つのフランジをクランプした状態でディスク形状に加工してディスク成形体を得る絞り工程、ディスク成形体のフランジを切り落とすトリミング工程、ディスク成形体のフランジを立ち上げる平滑化工程およびディスク成形体に穴を形成する穴抜き工程を含む工程によってディスクを製造する自動車用ホイールの製造方法であって、トリミング工程において、隣り合う二つのフランジ(第1フランジ対)の長さを、他の隣り合う二つのフランジ(第2フランジ対)の長さより短くなるように切断することを特徴とする自動車用ホイールの製造方法。
(3)トリミング工程において、下記(1)式から求められるA値が20.46〜23.54の範囲となるように、第1フランジ対および第2フランジ対を切断することを特徴とする上記(1)の自動車用ホイールの製造方法。
A=1.03Kbd+3.42t−0.29Tbg−Ubd・・・(1)
但し、上記(1)式中の各記号の意味は、下記の通りである。
bd:第1フランジ対のフランジトリミング径(mm)
bd:第2フランジ対のフランジトリミング径(mm)
bg:圧力センサ付きエアバルブ質量(g)
t:ディスク材の板厚(mm)
本発明によれば、圧力センサ付きエアバルブ装着時のカウンターバランス量を製品設計に反映することができる。また、ディスク成形加工機の大幅な改造をすることなく、且つ振れ精度の良好なカウンターバランス付きホイールの提供ができる。
図2は、ディスクとリムとを接合した自動車用ホイールの例を示す図である。また、図3は、長さの異なるディスクフランジの形態を重ね合わせて示す図であり、図4は、ハブ穴抜き・トリミング工程後のディスク形状を示す図である。
図2に示すように、本発明の自動車用ホイール10は、リム8トリミング8の内側に圧入嵌合されるディスク7を備えている。そして、図1〜図3に示すように、ディスク7は、四つのフランジ3a〜3dと四つのディスク盗み4a〜4dを有している。そして、エアバルブ(図示しない)は、リム8のバルブ穴9に取り付けられる。バルブ穴9に対応する位置には、一つのディスク盗み(例えば、図1における4a)が存在することになる。そして、このディスク盗みの対面側のディスク盗み(例えば、図1における4c)を挟み込む二つのフランジ(例えば、図1および図3における3b、3c)の長さを、他の二つのフランジ(例えば、図1および図3における3a、3d)の長さより長くすることによって、エアバルブの質量分のカウンターバランス質量の確保を容易に行うことができる。
ここで、ディスクの製造方法については、特に制約はないが、例えば、図1に示すように、ディスク用鋼板を打ち抜いてブランクを得る打ち抜き工程、ブランクの四つのフランジをクランプした状態でディスク形状に加工してディスク成形体を得る絞り工程、ディスク成形体のフランジを切り落とすトリミング工程、ディスク成形体のフランジを立ち上げる平滑化工程およびディスク成形体に穴を形成する穴抜き工程を含む工程によってディスクを製造することができる。
即ち、ディスク成形加工工程においては、素材コイルから巻き戻した板を、所定寸法に切断し、その後、ブランキング工程により、図1(a)に示すように、四隅が円弧状に切断され、ブランク1を得る。次に、ブランク1の円弧状の四隅をクランプした状態で、絞り加工を行い(通常は、2〜4段階の絞り工程)、その後、図1(b)に示すように、ハブ2の穴抜きとともに、4つのフランジ3a〜3dが所定の形状となるようにトリミングされる。このとき、フランジ3a〜3dの長さが一定になるように切断され、また、4つのディスク盗み4a〜4dが形成される。
その後、フランジアップ工程により、図1(c)に示すように、フランジ3a〜3dの足部が立ち上げられ、さらに図1(d)に示すように、ボルト穴5および冷却穴6の穴抜きがされた後、図1(e)に示すように、冷却穴5およびボルト穴6のコインニングがされ、ディスクが完成する。このとき、ディスク盗み形状及び深さは、4ヶ所ともにほぼ同一になされ、ホイール振れへの影響を最小限に留める配慮がなされている。そして、このようにして形成されたディスクのフランジは、リムの内面側と接合され、ホイールが製造される。
ここで、一般に、ホイールのサイズが決定されると、ディスクブランク計算がなされる。これは、ディスク断面形状を展開し、投入材料寸法からコイル幅とシャー切断長さが決められ、更に、角寸法が決定される。次の穴抜き・トリミング工程での丸寸法は、設計寸法のインセット長さに加えて組付け溶接部となるディスクフランジ足長さを適正に判断して決定される。
フランジの長さを調整する方法については、特に制約はない。例えば、ブランキング工程においてその長さを調整することもできるが、ブランキング後のフランジ(円弧状の四隅)は、続く工程の絞り工程においてクランプされる箇所であるため、その寸法に自由度がほとんどない。従って、上記の穴抜き・トリミング工程において、例えば、図4に示すように、隣り合う二つのフランジ3a,3dの長さ(トリミング径)を、他の隣り合う二つのフランジ3b,3cの長さより長くなるように切断するのがよい。
ここで、例えば、第1フランジ対および第2フランジ対のそれぞれのトリミング径は、下記の計算式によって求めることができる。
A=1.03Kbd+3.42t−0.29Tbg−Ubd・・・(1)
但し、上記(1)式中の各記号の意味は、下記の通りである。
bd:第1フランジ対のフランジトリミング径(mm)
bd:第2フランジ対のフランジトリミング径(mm)
bg:圧力センサ付きエアバルブ質量(g)
t:ディスク材の板厚(mm)
上記のA値が20.46〜23.54の範囲となるように、第1フランジ対および第2フランジ対の長さを決定し、切断するのがよい。上記のA値が20.46よりも小さい場合には、ホイール完成後の静的アンバランス量が400g・cmを超える確率が高くなる。一方、23.54を超えると、フランジ径の差が大きくなるため、振れ精度が悪化し、生産性が低下するおそれがある。また、カウンターバランス量が過多となり、ホイール完成後の静的アンバランス量が大きくなるおそれがある。
通常、ディスクの応力解析等により発生応力がわかれば、ディスク板厚が決定され、ディスク寸法形状が決まれば、角寸法とディスクフランジトリミング径を決定することができる。これらの情報の他、圧力センサ付きエアバルブ質量がわかっていれば、上記の計算式により、ディスクが必要とするカウンターバランス量、即ち、第1フランジ対および第2フランジ対のトリミング径を容易に算出することができる。
ここで、圧力センサ付きエアバルブを取付けた場合の静的アンバランス量は、400g・cm以下に制限することが好ましい。圧力センサ付きエアバルブの合計質量をTbgとし、リムのバルブ穴位置における径をVrd(図2参照)とする。一方のディスク軽点(カウンターバランス)が形成されたディスクのカウンターバランス質量をUngとし、ディスクフランジ外径をDfd(図2参照)、ディスク板厚をt(図2参照)としたとき、下記式を満足するとき、圧力センサ付きエアバルブを装着した時において、ホイールのバランスを高精度に調整することができる。
Tbg・Vrd/2−Ung・(Dfd−t)/2≦150
但し、上記式中の各記号の意味は下記の通りである。
bg:圧力センサ付きエアバルブの合計質量(TPMS質量+バルブ質量)(g)
rd:リムのバルブ穴位置における径(mm)
ng:ディスクのカウンターバランス質量(g)
fd:ディスクフランジ外径(mm)
t :ディスクの板厚(mm)
なお、上記式の左辺値は、圧力センサ付エアバルブを装着した時のホイール全体のアンバランス量Wugに対応する。そして、切断、ブランキング、トリミング寸法の公差が±0.5mmであり1mm単位で切断される。また、製造のバラツキを考慮し、Wugは150以下とするのが好ましい。上記式を満足するとき、ディスクトリミングを組付け溶接され完成したホイールのアンバランス量を、確実に400g・cm以下に抑制することができる。
ここで、Ungは、ディスク製造後に測定してもよく、設計段階で推定するため次式を使用してもよい。
ng=−3.36・Ubd+3.47・Kbd+11.79・t−77.7
但し、上記式中の各記号の意味は下記の通りである。
ng:ディスクのカウンターバランス質量(g)
bd:第1フランジ対のフランジトリミング径(mm)
bd:第2フランジ対のフランジトリミング径(mm)
t :ディスクの板厚(mm)
なお、リムにディスクを嵌合する方法については、特に制限はないが、溶接により接合するのがよく、特に、全てのフランジを同時に溶接するのが好ましい。このとき、溶接は、各フランジ先端部トリミングとの溶接となるが、各フランジを連続ビードとした1ビード溶接としてもよく、各フランジの溶接を間欠溶接し8ビードあるいは12ビードとしてもよい。
本発明の効果を確認するべく、質量(Tbg)が39gの圧力センサ付きエアバルブを15インチ×6Jのサイズのホイールに装着する実験を行い、各種のバランスを調査した。
まず、ディスク板厚を2.9mmとして、シャー切断により得た角424mmの板材を、ブランク丸寸法をφ470mmとしてブランキングした後、絞り加工を実施し、皿に、第1フランジ対(長い方のフランジ対)の丸寸法(Kbd)をφ440mmとして、トリミングした。
バルブ穴位置径(Vrd)は359.2mm、ディスク外径(Dfd)は338.4mmとしリム径(Rd)は380.2mm、フランジ高さ(Fh)は17.5mmとして製品設計した。
ここで、下記(1)式から得られるA値をセンター値としてUbdを求めた。
A=1.03Kbd+3.42t−0.29Tbg−Ubd・・・(1)
その結果、トリミング工程での第2フランジ対(短い方のフランジ対)のトリミング径寸法Ubdはφ429.37mmで、下記式から得られたディスクのカウンターバランス計算質量Ungは、38.88gであり、圧力センサ付きエアバルブとほぼ同等のカウンターバランス質量となった。
ng=−3.36・Ubd+3.47・Kbd+11.79・t−77.7
なお、A値をMin値の場合のUbdはφ431.1mmでMax値ではφ428.5mmとなった。
実際のディスク製造においては、嵌合時の均一化を図るため、A値をセンター値として求めた第2フランジ対のフランジトリミング径Ubdに近い値であるφ430mmを選定した。この場合のディスクのカウンターバランス実測質量(Ung)は36gであった。
ここで、ディスクのカウンターバランス実測質量Ung(36g)に基づき、バルブ装着時のホイールアンバランス量Wub(g・cm)を下記式により計算したところ、96.5となった。
ub=Tbg・Vrd/2−Ung・(Dfd−t)/2
一方、ディスクのカウンターバランス計算質量Ung(38.88g)に基づき、バルブ装着時のホイールアンバランス量Wub(g・cm)を上記式により計算したところ、48.3になった。
ubは、実測値、計算値いずれのUngを用いた場合も、150(g・cm)以下となっており、ホイール完成後の静的アンバランス量は良好となることが予想される。
以上の条件及び寸法でディスクを製造しリム15インチ×6Jのリムのバルブ穴と一つのディスク盗みとを合致させて組付け溶接を行った。組付け溶接は、MAG溶接とし、ディスクフランジを70mmの溶接長さとし4箇所同時溶接を行った。このとき、第1フランジ対の溶接線位置と変化している第2フランジ対の溶接線位置のそれぞれに狙い位置を決定し、溶接を実施した。
組み付け溶接した後に化成処理工程と電着下塗り工程を行い、上塗り塗装後に乾燥工程で乾燥させ製品を完成させた。完成ホイール10本について、圧力センサ付きエアバルブ装着していない状態での静的アンバランス量と、圧力センサ付きエアバルブを装着した状態での静的アンバランス量とを比較した。その結果を表1に示す。
Figure 2010100121
表1に示すようにカウンターバランス付きホイールでは、圧力センサバルブ装着無しの場合、ホイール単体での静的アンバランス量は著しく大きくなる。しかし、圧力センサバルブを装着することにより、アンバランス質量は大きく低減し、アンバランス量も平均値で125.5g・cmとなり、目標400g・cmを大きく下回った。
さらに、このホイールにタイヤを組付けてアウター側、インナー側の動的アンバランス量を測定した結果を表2に示す。
Figure 2010100121
表2に示すように、本発明のホイールの動的アンバランス量は、アウター側、インナー側ともにアンバランス質量が最大4.5gでアンバランス量は約90g・cmとなった。従って、バランサー用錘を取り付ける場合でも5g程度の小さな錘でバランスの確保が可能となる。以上の結果から、本発明によれば、高バランスを有するカウンターバランス付きホイールの提供が可能であることがわかった。
次に、通常のホイールの場合の静的アンバランス量を表3に、動的アンバランス量を表4に示す。なお、通常のホイールとは、KbdとUbdとの径差を設けないものである。
Figure 2010100121
Figure 2010100121
表3に示すように、ホイール単体での静的アンバランス量は、バラツキはあるものの最大300g・cm程度で400g・cmを下回っているが、圧力センサバルブ装着の場合、アンバランス量は、平均で760g・cm、最大915g・cmと大きくなった。また、表4に示すように、タイヤASSY後の動的バランスを調査すると、アンバランス量は多少小さくなる傾向にあるが平均値、最大値ともにほぼ同等であった。バランスさせるための錘質量は、最大で45g〜50gが必要であることがわかる。この錘質量は、寸法的にかなり大きなサイズが必要となり外観的にも見栄えが良くなく、走行中に脱落した場合にも大きな問題となる。
次に、振れ性について検討した。この実験では、本発明のカウンターバランス付きホイール(No.1〜10)、通常のホイール(No.11〜20)、従来型のディスク盗みに切欠きを付けたホイール(No.21〜30)を用い、ホイール単体で振れ精度を測定した。比較するため、振れ基準を設定し、その範囲を超えた場合をNGとし範囲内をOKとして評価した。振れの合格基準は縦振れアベレージ0.5mm以下、横振れアウター、インナー側ともに0.7mm以下として設定した。その結果を表5に示す。
なお、従来型のディスク盗みに切欠きを付けたホイールとはディスクまたはスミ部(アーチ部)に切り欠き軽量部を設けるものであって、この切り欠き軽量部と圧力センサバルブの装着位置とを合わせることにより、圧力センサバルブ装着状態で静的アンバランスを確保するものである。
Figure 2010100121
表5に示すように、本発明のホイール(No.1〜10)および通常のホイール(No.11〜20)の振れ精度は、アウター側、インナー側の縦振れ、横振れともに良好な振れ精度が確保されている。それに対し、従来型のディスク盗みに切欠きを付けたホイール(No.21〜30)では、縦振れが大きく殆どがNGとなった。これらの結果から、ディスクフランジとディスク盗みの各4箇所をでき得る限り同一形状として均一に圧入することが振れ精度向上に最も効果があることが分かった。
本発明によれば、圧力センサ付きエアバルブ装着時のカウンターバランス量を製品設計に反映することができる。また、ディスク成形加工機の大幅な改造をすることなく、且つ振れ精度の良好なカウンターバランス付きホイールの提供ができる。
一般的なディスク成形加工工程を説明する図 (a)ブランキング工程後の状態 (b)絞り工程、ハブ穴抜き・トリミング工程後の状態 (c)はフランジアップ後の状態 (d)は各種穴抜き後の状態 (e)はコインニング後の状態 ディスクとリムとを接合した自動車用ホイールの例を示す図 長さの異なるディスクフランジの形態を重ね合わせて示す図 ハブ穴抜き・トリミング工程後のディスク形状を示す図
符号の説明
1 ブランク
2 ハブ
3a〜3d フランジ
4a〜4d ディスク盗み
5 ボルト穴
6 冷却穴
7 ディスク
8 リム
9 バルブ穴
10 本発明の自動車用ホイール

Claims (3)

  1. リムトリミングの内側に圧入嵌合されるディスクとを備える自動車用ホイールであって、ディスクが四つのフランジと四つのディスク盗みを有し、隣り合う二つのフランジの長さが、他の隣り合う二つのフランジの長さより長いことを特徴とする自動車用ホイール。
  2. ディスク用鋼板を打ち抜いてブランクを得る打ち抜き工程、ブランクの四つのフランジをクランプした状態でディスク形状に加工してディスク成形体を得る絞り工程、ディスク成形体のフランジを切り落とすトリミング工程、ディスク成形体のフランジを立ち上げる平滑化工程およびディスク成形体に穴を形成する穴抜き工程を含む工程によってディスクを製造する自動車用ホイールの製造方法であって、
    トリミング工程において、隣り合う二つのフランジ(第1フランジ対)の長さを、他の隣り合う二つのフランジ(第2フランジ対)の長さより短くなるように切断することを特徴とする自動車用ホイールの製造方法。
  3. トリミング工程において、下記(1)式から求められるA値が20.46〜23.54の範囲となるように、第1フランジ対および第2フランジ対を切断することを特徴とする請求項2に記載の自動車用ホイールの製造方法。
    A=1.03Kbd+3.42t−0.29Tbg−Ubd・・・(1)
    但し、上記(1)式中の各記号の意味は、下記の通りである。
    bd:第1フランジ対のフランジトリミング径(mm)
    bd:第2フランジ対のフランジトリミング径(mm)
    bg:圧力センサ付きエアバルブ質量(g)
    t:ディスク材の板厚(mm)
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