JP2010099105A - ヘッドレスト付き椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロッキング時に背もたれに対して相対的に前進するヘッドレストを有する椅子において、ロッキング時に頭をのけ反らせる安楽姿勢を採ることも可能ならしめる。
【手段】背もたれ5はバックフレーム13とサポートシート14とから成っており、バックフレーム13は左右サイドメンバー13aを有している。ヘッドレスト装置6はヘッド支柱27とヘッドレスト28とを有しており、ヘッド支柱27はサイドメンバー13aの内側面に回動可能に連結されている。ロッキングするとリアリンク22における起立部22aが背もたれ5に対して相対的に後傾し、起立部22aの後傾動は弾性ジョイント29を介してヘッド支柱27に伝えられる。弾性ジョイント29とヘッド支柱27との逃げ作用により、起立部22aとヘッド支柱27とが相対回動することが許容されている。
【選択図】図3
【手段】背もたれ5はバックフレーム13とサポートシート14とから成っており、バックフレーム13は左右サイドメンバー13aを有している。ヘッドレスト装置6はヘッド支柱27とヘッドレスト28とを有しており、ヘッド支柱27はサイドメンバー13aの内側面に回動可能に連結されている。ロッキングするとリアリンク22における起立部22aが背もたれ5に対して相対的に後傾し、起立部22aの後傾動は弾性ジョイント29を介してヘッド支柱27に伝えられる。弾性ジョイント29とヘッド支柱27との逃げ作用により、起立部22aとヘッド支柱27とが相対回動することが許容されている。
【選択図】図3
Description
本願発明は、ヘッドレスト付き椅子に関するものである。
椅子において、着座した人の頭を支持するヘッドレストを設けることは広く行われている。そのうち、ヘッドレストの高さと側面視姿勢とを変更できるようににした椅子の公知例として、例えば特許文献1〜3が挙げられる。これらの文献では、具体的な構造に違いはあるものの、大まかには、背もたれに固定された支柱部材にヘッドレストが高さ調節自在及び姿勢変更自在に取り付けられていると言える。
さて、背もたれが後傾する(ロッキングする)と人の上半身は後ろにのけ反る状態になるが、例えば自動車用座席の場合は背もたれが後傾しても頭(顔)は前を向いた姿勢に保持するのが好適であり、また、座椅子に座ってテレビを観ている場合、背もたれは後傾しても頭はテレビを正視するように姿勢が変わらないのが好ましい。このような観点から、特許文献4では、背もたれが後傾するとヘッドレストを背もたれに対して相対的に前傾させることが提案されている。
特開2003−265264号公報
特開2007−301024号公報
特開2004−057397号公報
実開昭60−083452号のマイクロフィルム
ところで、近年のオフィスワークではパソコンやCADのようなOA機器の操作が主流になっており、椅子を使用しているワーカーは、背もたれにもたれ掛かったロッキング状態でもモニター(ディスプレイ)を観続けることが多い。従って、特許文献4の構成の椅子は、現在のオフィスワークに好ましいと言える。
しかし、背もたれが後傾したロッキング状態において人は常にモニター等を観続けるという訳ではなく、頭ものけ反らせて安楽姿勢を得たいと欲することも多い。この点、特許文献4は単にロッキング時にヘッドレストが背もたれに対して相対的に前傾(前進)することを開示するに留まり、頭も安楽姿勢を得たいとの要望に応えることはできない。
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、ヘッドレストの機能を高めたユーザーフレンドリーな椅子を提供せんとするものである。
請求項1の発明に係る椅子は、座と背もたれ、及び前記背もたれに対して前後移動可能なヘッドレストを有しており、前記ヘッドレストは、着座した人が頭を軽く当てても後退しないが頭にある程度の力を掛けて押すと後退するように後退動が弾性手段で支持されている。
請求項2の発明に係る椅子は、請求項1において、前記ヘッドレストはその下方において略上下方向に延びるヘッド支柱に取り付けられており、前記ヘッド支柱は、前記背もたれ又はこれが取り付くフレーム材に後傾動可能に連結されており、前記ヘッド支柱の後傾動を弾性手段で支持している。
請求項3の発明に係る椅子は、請求項2において、前記ヘッド支柱は、背もたれが後傾動するとこれに連動して後傾又は前傾するリアリンクによってロッキング時に後傾するようになっており、前記リアリンクとヘッド支柱との間に弾性ジョイントを介在させることにより、着座した人の頭でヘッドレストを押して後退させることが許容されている。弾性ジョイントは弾性手段の一例である。
請求項4の発明に係る椅子は、請求項3において、背もたれには着座した人の腰部を押すランバーパッドが併設されており、背もたれが後傾するとリアリンクの回動によってランバーパッドが後退するようになっている。
さて、頭は後ろに倒せば倒すほど後ろ向きのモーメントは大きくなり、従って、頭を後ろから支えるのに必要な力は頭の倒し角度に比例して大きくなる。端的に述べると、頭を後ろから支えるにおいて、頭を起こしている場合は僅かの力で当該起こした状態を保持することができるが、頭を大きく倒している場合は下から支えるのに大きな力を要する。
そして、本願発明では、ヘッドレストは人の頭を軽く当てた程度では後傾しないため頭を起こした状態に保持することができると共に、頭を大きく後傾させると頭自体のモーメントによって弾性手段を弾性変形した状態に保持し続けることができるため、頭を倒した状態を保持して安楽状態を確保できる(ヘッドレストが強い力で押圧されないと後傾しないのでは、却って頸が疲れてしまって安楽状態を確保できない。)。
請求項1の発明において弾性手段はどこにでも設けられるが、請求項2のように傾動式のヘッド支柱の回動を弾性手段で支持すると、ヘッド支柱には頭が当たることで大きなモーメントが作用するため、ばね手段を的確に変形等させて安楽状態を的確に得ることができる。
上記の説明はヘッドレストに対して常に前傾方向(前進方向)の付勢力が作用している場合であったが、本願発明では、摩擦を利用することにより、ヘッドレストを後退(後傾)させるとその姿勢が保持されるように設定することも可能である。この場合は、頭に対して前進方向の付勢力が作用することはないため、頸の疲れといった問題は全く生じない。
請求項1,2の発明は、背もたれが後傾しない非ロッキング椅子や、ロッキングに際してヘッドレストが背もたれと同じ割合で後傾するタイプの椅子にも適用できるが、請求項3のようにロッキングに際してヘッドレストが背もたれに対して相対的に前傾(前進)するタイプの椅子に適用すると、ロッキングに際して頭を起こした姿勢と倒した姿勢とを的確に選択できるため特に好適である。
請求項4の構成では、ロッキングに際して背もたれのランバーサポート部で人の腰部が過度に突き上げられる現象を防止できる。そして、ヘッドレストとランバーパッドとはリアリンクの回動に連動しているが、ヘッド支柱とリアリンクととの間に弾性ジョイントが介在しているため、ヘッドレストの動きがリアリンクに作用することを遮断でき、その結果、ランバーパッドの後退動が不完全になる虞を解消できる。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、事務用に多用されている回転椅子に適用している。なお、以下の説明では方向を特定するための左右の文言を使用するが、この左右の方向は、着座した人が向いた方向を基準にしている。まず、第1実施形態を説明する。
(1).第1実施形態の概要
まず、図1〜図6に基づいて第1実施形態に係る椅子の概要を説明する。図1のうち(A)は椅子の斜視図で(B)は背もたれの部分的な一部破断正面図、図2は側面図、図3は背面図、図4及び図5は前方から見た分離斜視図、図6はロッキング機構を説明するための分離斜視図である。
まず、図1〜図6に基づいて第1実施形態に係る椅子の概要を説明する。図1のうち(A)は椅子の斜視図で(B)は背もたれの部分的な一部破断正面図、図2は側面図、図3は背面図、図4及び図5は前方から見た分離斜視図、図6はロッキング機構を説明するための分離斜視図である。
例えば図1〜3に示すように、椅子は、主要要素として、脚支柱2(ガスシリンダ)を有する脚装置1、脚支柱2の上端に固定されたベース3、ベース3の上方に配置された座4、背もたれ5、オプション品として背もたれ5に取付けられたヘッドレスト装置6を備えている。脚1は放射状に延びる複数本の枝足7を備えており、各枝足7の先端にはキャスタを設けている。
ベース3の左右両側には左右一対の揺動フレーム8が配置されている。揺動フレーム8は、非ロッキング時に水平に近い姿勢で後傾している基部9とその後端から立ち上がった背支柱10とから成っている。そして、揺動フレーム8はその前端部を中心にして後傾動(回動)するように、基部9の前端部がベース3に左右長手の支軸部11で連結されている。揺動フレーム8は例えばアルミダイキャストのような金属成形品を採用しているが、樹脂成形品で良いし、或いは、板金製品を採用することも可能である。左右の揺動フレーム8は、基部9と背支柱10とが連接したコーナー部においてジョイントフレーム11で連結されている。
背もたれ5は、正面視略四角形のバックフレーム13にサポートシート14が張られた構成であり、バックフレーム13は揺動フレーム10の支柱10にビスで固定されている(詳細は後述する。)。バックフレーム13は、着座者の腰部に当たる部分が側面視で最も前端となるように側面視で緩く湾曲しており、従って、サポートシート14(或いは背もたれ5)はランバーサポート部14aを有している。サポートシート14におけるランバーサポート部14aの左右両側部には裏側からランバーパッド14が当たっている。なお、サポートシート14は平面視で前向き凹状に凹んでいる。また、本実施形態のサポートシート14は縦長の疎部と密部とが左右方向に交互に配置された縦縞模様の外観を呈しており、疎部では前後に透けて見える。
バックフレーム13は樹脂の成形品であり、例えば図4に示すように、上下方向に長く延びる左右サイドメンバー13aと、左右サイドメンバー13aの上端に繋がったアッパーメンバー13bと、左右サイドメンバー13aの下端に繋がったロアメンバー13cとから成っている。従って、バックフレーム13は正面視で略四角形の形態を成している。アッパーメンバー13b及びロアメンバー13cは平面視で前向き凹状に緩く湾曲している。
既述のとおり、揺動フレーム10はその前端部を中心にして後傾するようにベース3に支軸部11で連結されているが、本実施形態では、ロッキング用ばね手段として、支軸部11に内蔵したトーションバーを採用している。トーションバーはその左右中間部がベース3に回転不能に保持されており、左右両端部は揺動フレーム8の前端部に固定されている。このため、揺動フレーム8はトーションバーをねじり変形させながら後傾する。
支軸部11はベース3の左右外側に大きく突出しており、このため揺動フレーム8もベース3のかなり外側に配置されている。但し、例えば図3(B)から理解できるように、揺動フレーム8は座4の左右外側面よりも内側に位置している。従って揺動フレーム8が人の歩行の邪魔になるようなことはない。
座4は、樹脂製のインナーシェル(図示せず)とその上面に張ったクッション、及びインナーシェルを支持するアウターシェル16(図6参照)を有している。本願発明との関係は薄いので詳細は省略するが、座4のアウターシェル16はその下方に配置した中間部材17に前後位置可能に取り付けられており、中間部材の前部には前ブラケット部18が形成されていて、この前ブラケット部18とベース3とがフロントリンク20で連結されている。フロントリンク20はベース3に挿通した前支軸20′に回動可能に取り付けられている。フロントリンク20の上端は前後長手の補助枠材21に連結されている。補助枠材21は中間部材17に前後スライド可能でに保持されており、かつ、補助枠材21は座4(アウターシェル19)と一体に動く。
図4〜6に示すように、揺動フレーム10の内側面にはリアリンク22が配置されている。リアリンク22は揺動フレーム8に似た側面視略L形の形態であり、起立部22aが揺動フレーム8における背支柱10の内面に沿って延びており、かつ、リアリンク22は起立部22aの付け根よりもやや手前側の部位において枢支ピン23(図4参照)。揺動フレーム8に連結されている。リアリンク21の前端は上向きに突出しており、これが補助枠材21の後端部にリアピン24で連結されている。
従って、背もたれ5(及び揺動フレーム8)が後傾すると座4は後退しつつ後傾する。揺動フレーム8のおおよそ前後中間部の内側面には水平に対してやや後傾した姿勢のガイド長穴が空いている一方、座4が取り付けられている中間部材にはガイド長穴にスライド自在に嵌まるガイドピン25(図5,7参照)を設けている。ガイドピン25がガイド長穴でガイドされることにより、座4は独自に後退及び後傾することなく、揺動フレーム8との連動関係が強制されている。
着座した人が背もたれ5にもたれ掛かると、リアリンク22の起立部22aも後傾するが、背支柱10に対しても相対的に後傾する。すなわち、背支柱10が後傾する割合よりもリアリンク22の起立部22aが後傾する割合が大きい。そして、リアリンク22における起立部22aの上端部に、既述したランバーパッド15を高さ調節可能に取り付けている。従って、ロッキングに際してランバーパッド15は背支柱10に対して相対的に後退することになり、このため、サポートシート14はロッキングするとテンションが緩む。
さて、非ロッキング状態で人がパソコン操作等の執務・作業を行う場合、上半身はサポートシート14のランバーサポート部14aで腰部を後ろから支えているのが好ましい。従って、非ロッキング状態では、ランバーサポート部14aは側断面視で前向き凸にかなり突出しているのが好ましい。他方、ランバーサポート部14aが大きく突出した状態のままでロッキング状態に移行すると、腰部が過度に突き上げられる虞がある。そこで本実施形態では、ロッキング時にはランバーパッド15を背支柱10に対して相対的に後退させてサポートシート14のテンションを緩めているのである。
ヘッドレスト装置6は、バックフレーム13におけるサイドメンバー13aの左右内側面から立ち上がった左右のヘッド支柱27を有しており(図1(A)や図4では片方のヘッド支柱13bしか表示していない)、ヘッド支柱27にヘッドレスト28が高さ調節可能に取り付けられている。
ヘッド支柱27はその下端寄りの部位を中心にして前後に回動するようにピン(或いはビン部)でサイドメンバー13aに連結されており、かつ、ヘッド支柱27の下端は、弾性ジョイント29を介してリアリンク22の起立部22aに連結されている。ロッキングに際してはヘッド支柱27はその上部が手前に移動するように回動する。
(2).揺動フレームとランバーパッドの補足
次に、従前の図に加えて図7,8も参照してランバーパッド15等を補足しておく。図7のうち(A)は要部の分離側面図、(B)は要部の分離斜視図、図8はランバーパッド15を設けている部分の平断面図である。例えば図6に示すよう、揺動フレーム8の基部9には、リアリンク22を覆うための下インサイドカバー31を設けている。例えば図8に明示するように、背支柱10は変形L形になっている。背支柱10を変形L形に形成しているのは、側板と背面板とで囲われた空間にリアリンク22の起立部22aを配置するためである。リアリンク22の起立部22aは上インサイドカバー32で覆われている。
次に、従前の図に加えて図7,8も参照してランバーパッド15等を補足しておく。図7のうち(A)は要部の分離側面図、(B)は要部の分離斜視図、図8はランバーパッド15を設けている部分の平断面図である。例えば図6に示すよう、揺動フレーム8の基部9には、リアリンク22を覆うための下インサイドカバー31を設けている。例えば図8に明示するように、背支柱10は変形L形になっている。背支柱10を変形L形に形成しているのは、側板と背面板とで囲われた空間にリアリンク22の起立部22aを配置するためである。リアリンク22の起立部22aは上インサイドカバー32で覆われている。
ヘッドレスト装置6はオプション品であり、これを取り付けない場合は、例えば図5に示すように背支柱10の上端には天キャップ33が装着されている。例えば図8に示すように、バックフレーム13のサイドメンバー13aは背支柱10に左右外側から重なっている。サイドメンバー13aは左右外側に向けて前後幅が徐々に小さくなる略台形の断面形状であり、かつ、前面も背面も背もたれ5の中心部に近づくほど後ろにずれるように後ろ向きに傾斜している。
バックフレーム13を構成する各メンバーの外周面は平坦面になっている。そして、図8に代表して明示するように、各メンバーの外側面(バックフレーム13の外周面)には溝条34が長く延びて形成されており、サポートシート14の終縁に固定された縁部材35が溝条34に嵌め込まれている。なお、縁部材35は各メンバーの箇所ごとに分断されている。
図8に示すように、背支柱10は、その上下複数箇所がビス36とナット37とで背支柱10に締結されている。ビス36は背支柱10の側板に内側から挿通されており、ナット37はサイドメンバー13aに形成した前向き開口のナット穴38に嵌め込まれて回転不能に保持されている。
次に、ランバーパッド15を説明する。ランバーパッド15は樹脂製品であり、例えば図7に示すように、上下長手で側面視及び平面視で前向き突状に湾曲している。このため、サポートシート14は特定部位に応力が集中することなく円滑に支持されている。そして、ランバーパッド15のうち左右外端部にはリアリンク22の起立部22aに前から嵌まる溝形の受け部40が後ろ向きに突設されている。
図7に示すように、受け部40の内底面には山形のストッパー突起41が形成されている一方、リアリンク22の起立部22aにはストッパー突起が嵌まる凹所42を多段に形成している。また、ランバーパッド15の背面には、人が指で摘まみ得る横向きの操作片43を一体に形成している。従って、椅子の使用者は好みや体格等に応じてランバーサポート14の高さ位置を調節できる。上インサイドカバー32の内面には、ランバーパッド15が後退したときに受け部40を安定的に保持するスペーサ44を配置している。
(3).ヘッドレスト装置
次に、図9,10も参照してヘッドレスト装置6を補足・詳述する。図9の(A)(B)は見る方向を異ならせた要部の分離斜視図、図10のうち(A)は分離正面図、(B)は非分離状態での(A)のB−B視断面図、(C)は作用を示す図、(D)はカム部材の正面図である。
次に、図9,10も参照してヘッドレスト装置6を補足・詳述する。図9の(A)(B)は見る方向を異ならせた要部の分離斜視図、図10のうち(A)は分離正面図、(B)は非分離状態での(A)のB−B視断面図、(C)は作用を示す図、(D)はカム部材の正面図である。
まず、ヘッドレスト装置6の全体構成を補足しておく。図1や図3ではヘッド支柱27は片方しか表示していないが、ヘッド支柱27は左右のサイドメンバー13aに連結されている。図3から明瞭に把握できるように、左右のヘッド支柱27は、バックフレーム13のサイドメンバー13aに連結された下端部27aと、下端部27aから立ち上がって上に行くに従って背支柱10の縦長中心線に向けて傾斜した傾斜部27aと、傾斜部27aから正面視で鉛直方向に立ち上がった上平行部27cとを有している。左右のヘッド支柱27は上平行部27cの下端部において横バー47で連結されている。
図2に示すように、傾斜部27aは非ロッキング状態では側面視で後傾姿勢になっており、上平行部27cは非ロッキング状態では側面視で前傾姿勢になっている。従って、傾斜部27bと上平行部27cとにより、側面視で前向き凹に曲がったくの字状の形態が構成されている。
ヘッドレスト28は、正面視略四角形で前後に開口したヘッド枠48とこれに張ったヘッドシート49とを有している。詳細は省略するが、ヘッドレスト28は左右ヘッド支柱27の上端に高さ調節自在に取り付けられている。
次に弾性ジョイント29を説明する。図9,10に示すように、弾性ジョイント29は、弾性手段の一例としての圧縮コイルばね50と、コイルばね50に上からきっちり嵌り込んだ上部ばねホルダー51と、上部ばねホルダー51に上方から重なってカム部材51bと、コイルばね50に下からきっちり嵌まり込んだ下部ばねホルダー52と、これらの大部分が格納された上下長手のケース53と、ケース53を覆うカバー54とで構成されている。
上部ばねホルダー51は、コイルばね50が下方から当接する大径部を有しており、大径部に背もたれ5の側面視で上向き開口のV形のしたカム溝51aを形成している。また、上部ばねホルダー51は平面視角形であり、ケース53に上下動自在で回転不能に嵌まっている。他方、カム部材51bはヘッド支柱27の下端に形成した二股状の軸受け板55の間に入り込んでおり、軸受け板5に上ピン56で連結されている。
カム部材51bの上面を平坦状に形成している一方、ヘッド支柱27の下端面のうち軸受け板55の間の部位59も平坦面になっており、このため、カム部材51bは回転不能に保持される。そして、カム部材51bに、上部ばねホルダー51のカム溝51aに嵌まる側面視下向き山形のカム部51b′を形成している。
他方、下部ばねホルダー52は、コイルばね50が下端が当接するフランジ52aと、その下端に連続した円筒軸部52bと、円筒軸部52bの下端に連続した正面視二股状の軸受け部52cとを有しており、軸受け部52はリアリンク22における起立部22aの上端部に左右長手の下部ピン57で回動可能に連結されている。
ケース53は概ね角形で上部ばねホルダー51及びカム部51bとコイルばね50とをすっぽり覆うと共に、底板に空けた穴58に下部ばねホルダー52の円筒軸部52bがスライド可能に嵌まっている。また、ケース53の左右側板は上向きに突出した軸受け部53aになっていてヘッド支柱27の軸受け板55を左右外側から挟んでおり、軸受け部53aは上部ピン56(ビス)で軸受け板55及び上部ばねホルダー51に連結されている。上部ピン56はバックフレーム13のサイドメンバー13aにねじ込まれている。ケース53は上部ピン56を中心に解答することが許容されている。
コイルばね50は上下部ばねホルダー51,52をしっかりと掴持していると共に上下部ばねホルダー51,52の間に上下方向から多少突っ張っている。カム部材51bと上部ばねホルダー51とが嵌まり合っているため、リアリンク22の起立部22aが後傾動すると、ヘッド支柱27は、ヘッドレスト29を前進させるように上部ピン56を中心にして回動する。
そして、図10(C)に示すように、ヘッド支柱27に前後方向からある程度の外力が掛かるカム部材51bは上部ばねホルダー51を押し下げることで、リアリアン22とは関係なく独自に回動しうる。従って、ロッキングによって背もたれ5に対して相対的に前進したヘッドレスト28を後退させることや、ヘッドレスト28と背もたれ5との相対姿勢は変えることなくリアリンク22のみを後傾動させることができる。
カム部材51bで上部ばねホルダー51を押し下げた状態でヘッドレスト38に対する外力が解除されると、ばね50の押圧作用とカム面のガイド作用により、上部ばねホルダー51がケース53の内部で上昇してカム部材51bと上部ばねホルダー51とはきっちり重なり合う。従って、頭で後退させていたヘッドレスト1728と元の前進姿勢に戻る。
図9に示すように、ヘッド支柱27における下部27aの外側面にはバックフレーム13のサイドメンバー13aに向けて突出した突起60を設けている一方、バックフレーム13におけるサイドメンバー13aの内側面には突起60が嵌まる規制穴61を形成している。突起60の前後移動範囲が規制穴61で規制されることにより、ヘッド支柱27の回動範囲が規制されている。
既述のとおり、リアリンク22における起立部22aが回動すると弾性ジョイント29を介してヘッド支柱27が回動する。この場合、リアリンク22における起立部22aはその回動によって上端が上部ピン56に対して遠近移動するが、ケース53の底板が下部ばねホルダー52の円筒軸部52bをスライドすることにより、リアリンク22における起立部22aの回動が許容されている。
そして、ヘッド支柱27はコイルばね50の突っ張り力を介してリアリンク22における起立部22aと連動しているに過ぎないので、ケース53の上端がヘッド支柱27の円弧面59に対して滑ることにより、前傾したヘッド支柱27を後傾させたり、ヘッド支柱27は背もたれ5に対する姿勢を変えることなくリアリンク22における起立部22aのみを後傾させたりすることができる。従って、椅子の使用者はロッキング状態で頭を後ろにのけ反らせた安楽姿勢を採ることができる。
例えば図3に示すようにカバー54の下端は背支柱10の上端に当接又は密接しており、このためカバー54は回動不能に保持されている。また、カバー54の背面は背支柱10の背面と同一面を成すように配置されている。そして、図9や図10(B)に示すように、カバー54の前内面はケース53の回動が許容されるように傾斜状の逃げ面54bを形成している。
さて、本実施形態のようにランバーバッド15がリアリンク22における起立部22aに取り付けられていると、ヘッド支柱27とリアリンク22における起立部22aとが単にピン等で連結されているに過ぎない場合は、ロッキング時に人の頭によってヘッド支柱27に後傾方向の外力が作用するとリアリンク22における起立部22aは前傾方向に押されることになり、すると、力の関係によってリアリンク22における起立部22aが前傾動する可能性がないともに言えず、するとロッキング時における背もたれ5とランバーパッド15とヘッドレスト装置6とのバランスが不安定になる可能性がないとも言えない。
これに対して本願発明のようにリアリンク22における起立部22aとヘッド支柱27との間に弾性ジョイント29等の弾性手段(バッファ手段)を介在させると、ヘッド支柱27の後傾動による外力がリアリンク22における起立部22aの前傾動として作用することを防止して、安定したロッキング状態を実現できる。
なお、ヘッド支柱27はケース53との摩擦に抗して後傾するように構成すること可能であり、この場合は、後傾させた状態ではヘッド支柱27はコイルばね50で前傾方向に付勢されてはおらず、従って、人は頸を疲れさせることなく安楽状態を確保できる(この場合は、後退させヘッドレスト28は人が手で前に移動させることになる。)。
(6).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えばヘッドレスト装置の具体的態様は図示のものには限定されず、ヘッド支柱やヘッドレストなど様々に変更できる。弾性ジョイント等の弾性支持手段しとては、板ばねやねじりばね、ゴムなど様々の弾性体を使用できる。
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えばヘッドレスト装置の具体的態様は図示のものには限定されず、ヘッド支柱やヘッドレストなど様々に変更できる。弾性ジョイント等の弾性支持手段しとては、板ばねやねじりばね、ゴムなど様々の弾性体を使用できる。
また、適用対象は必ずしも回転椅子に限定されるものではなく、劇場用椅子やベンチのような固定式椅子にも適用できる。背もたれはサポートシートの方式が好適であるが、インナーシェルとクッションとを有する方式を排除するものではない。ロッキングに際してヘッドレストを背もたれに対して相対的に前進させる構成を採用する場合、連動機構は実施形態のようなリンクを使用することには限らず、例えばワイヤーがチューブに入った索導管を使用するなど、様々の機構を採用できる。
(7).本実施形態に含まれている別発明
椅子においてヘッドレスト装置を設けることは広く行われているが、特許文献1〜3のように、ヘッド支柱は専用品又は兼用品として背もたれの背後に配置していることが一般的である。他方、例えば特開2004−49658号のように、椅子の背もたれを前後に開口したバックフレームにネット状(或いはメッシュ状)のサポートシートを張った構造とすることが広く行われており、特開2004−49658号ではヘッドレストをバックフレームの上端部(アッパーメンバー)に取り付けている。
椅子においてヘッドレスト装置を設けることは広く行われているが、特許文献1〜3のように、ヘッド支柱は専用品又は兼用品として背もたれの背後に配置していることが一般的である。他方、例えば特開2004−49658号のように、椅子の背もたれを前後に開口したバックフレームにネット状(或いはメッシュ状)のサポートシートを張った構造とすることが広く行われており、特開2004−49658号ではヘッドレストをバックフレームの上端部(アッパーメンバー)に取り付けている。
しかし、ヘッドレストはオプション品であるため、前記公報のようにヘッドレストをバックフレームのアッパーメンバーに取り付けると、ヘッドレストを取り付けないときに取り付け穴が外部から鮮明に視認できて体裁を悪くする虞がある問題や、バックフレームのアッパーメンバーにハンガー類を取り付けできなくなる問題がある。更に、ヘッドレストを前後傾動式とせねばならない場合への対応も困難になる。他方、ヘッド支柱を背もたれの背面に配置することも考えられるが、これではヘッド支柱が目立ち過ぎて美感が良くないという問題がある(サポートシートは前から透けて見えるため、バックビューだけでなくフロントビューでも見た目が良くない。
これに対して本実施形態のようにヘッド支柱をバックフレームにおけるサイドメンバーに取り付けると、傾動式のヘッドレストについても簡単に対応できる利点や、ヘッド支柱が目立つことを防止できる利点、或いはアッパーメンバーにハンガー等の他の部材を取り付けできる利点がある。特に、ヘッド支柱をサイドメンバーの内側面に取り付けると、ヘッドレスト装置を取り付けない状態であっても穴類は対して目立たないため、美感の悪化という問題も克服できる。また、サポートシートをサイドメンバーの外側面(バックフレームの外周面)に取り付けている場合、ヘッド支柱をサイドメンバーの内面に取り付けると強度低下もなくて好適である。
なお、ヘッドレストの左右横幅は背もたれの横幅よりも小さいため、ヘッド支柱をサイドメンバーに取り付けた場合は、本実施形態のように、その上部を背もたれの縦長中心線に寄らせた形態とすると、ヘッド支柱が邪魔になったり体裁が悪化したりすることがなくて好ましい。
1 脚装置
3 ベース
4 座
5 背もたれ
6 ヘッドレスト装置
10 揺動フレームの背支柱
13 バックフレーム
13a バックフレームのサイドメンバー
14 サポートシート
27 ヘッド支柱
28 ヘッドレスト
29 弾性支持手段の一例としての弾性ジョイント
50 弾性ジョイントを構成するコイルばね
3 ベース
4 座
5 背もたれ
6 ヘッドレスト装置
10 揺動フレームの背支柱
13 バックフレーム
13a バックフレームのサイドメンバー
14 サポートシート
27 ヘッド支柱
28 ヘッドレスト
29 弾性支持手段の一例としての弾性ジョイント
50 弾性ジョイントを構成するコイルばね
Claims (4)
- 座と背もたれ、及び前記背もたれに対して前後移動可能なヘッドレストを有しており、前記ヘッドレストは、着座した人が頭を軽く当てても後退しないが頭にある程度の力を掛けて押すと後退するように後退動が弾性手段で支持されている、
ヘッドレスト付き椅子。 - 前記ヘッドレストはその下方において略上下方向に延びるヘッド支柱に取り付けられており、前記ヘッド支柱は、前記背もたれ又はこれが取り付くフレーム材に後傾動可能に連結されており、前記ヘッド支柱の後傾動を弾性手段で支持している、
請求項1に記載したヘッドレスト付き椅子。 - 前記ヘッド支柱は、背もたれが後傾動するとこれに連動して後傾又は前傾するリアリンクによってロッキング時に後傾するようになっており、前記リアリンクとヘッド支柱との間に弾性ジョイントを介在させることにより、着座した人の頭でヘッドレストを押して後退させることが許容されている、
請求項2に記載したヘッドレスト付き椅子。 - 背もたれには着座した人の腰部を押すランバーパッドが併設されており、背もたれが後傾するとリアリンクの回動によってランバーパッドが後退するようになっている、
請求項3に記載したヘッドレスト付き椅子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008270553A JP2010099105A (ja) | 2008-10-21 | 2008-10-21 | ヘッドレスト付き椅子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008270553A JP2010099105A (ja) | 2008-10-21 | 2008-10-21 | ヘッドレスト付き椅子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010099105A true JP2010099105A (ja) | 2010-05-06 |
Family
ID=42290286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008270553A Pending JP2010099105A (ja) | 2008-10-21 | 2008-10-21 | ヘッドレスト付き椅子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010099105A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101703185B1 (ko) * | 2015-08-21 | 2017-02-15 | 주식회사 다원체어스 | 의자의 헤드레스트 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3053505U (ja) * | 1998-04-24 | 1998-11-04 | ▲あお▼瀚企業有限公司 | 椅 子 |
JP2001299499A (ja) * | 2000-04-25 | 2001-10-30 | Takano Co Ltd | 椅子の背凭れ構造 |
JP2007159842A (ja) * | 2005-12-14 | 2007-06-28 | Komura Seisakusho:Kk | 椅子 |
-
2008
- 2008-10-21 JP JP2008270553A patent/JP2010099105A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP3053505U (ja) * | 1998-04-24 | 1998-11-04 | ▲あお▼瀚企業有限公司 | 椅 子 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130911 |