JP2010096843A - 全反射プリズムおよび投影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】臨界角以上の入射角度に対する反射率特性に影響を与えることなく、臨界角未満の入射角度に対する透過率特性を改善した全反射プリズムを提供する。
【解決手段】第1プリズム11の第1光学面11aと、第2プリズム12の第2光学面12aとをエアギャップ13を介して対向させ、第1光学面11a及び第2光学面12aの各々は、対応する第1プリズム11及び第2プリズム12内での光線の入射角度に応じて全反射面又は透過面として作用させて、全反射光は、対応する第1プリズム11又は第2プリズム12から出射させ、第1光学面11aの透過光は、エアギャップ13を経て第2光学面12aから第2プリズム12に入射させて出射させ、第2光学面12aの透過光は、エアギャップ13を経て第1光学面11aから第1プリズム11に入射させて出射させる全反射プリズム10において、第1光学面11a又は第2光学面12aの少なくとも一方に、反射防止膜14を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、全反射プリズム、およびこれを用いる投影装置に関するものである。
従来、全反射プリズムとして、2つの三角柱状のプリズムを有し、それらの各1面を、エアギャップを介して平行に対向させて配置してなるTIR(Total Internal Reflection)プリズムが知られている。
また、このようなTIRプリズムを用いる投影装置として、例えば図5に示すような構成の投影装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図5に示す投影装置は、光源101からの照明光を、インテグレータ素子102および照明レンズ103を経てTIRプリズム104に入射させて、該TIRプリズム104を透過させ、このTIRプリズム104を透過した照明光を、反射型の空間光変調素子であるデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)105に入射させている。また、DMD105により表示画像に応じて空間変調された投影光(DMD105のオン光)は、TIRプリズム104に入射させて、該TIRプリズム104で全反射させ、この全反射された投影光をスクリーン106に投影表示するようにしている。
TIRプリズム104は、それぞれ三角柱状の第1プリズム111および第2プリズム112を有し、第1プリズム111の光学面111aと、第2プリズム112の光学面112aとをエアギャップ113を介して平行に対向させて、第1プリズム111および第2プリズム112が配置されている。
図5に示す投影装置においては、照明レンズ103を経た照明光を、第1プリズム111の光学面111bから光学面111aに臨界角未満の入射角度で入射させることにより、光学面111aを透過させ、該光学面111aを透過した照明光を、エアギャップ113を経て第2プリズム112の光学面112aから該第2プリズム112内に入射させることにより、第2プリズム112の光学面112bから出射させてDMD105に導くようにしている。
また、DMD105からの投影光は、第2プリズム112の光学面112bに対して、照明光の出射角度とは異なる入射角度で入射させて、光学面112aに臨界角以上の入射角度で入射させることにより、該光学面112aで全反射させて、第2プリズム112の光学面112cから出射させるようにしている。
このように、TIRプリズム104を用いて、光学面111aに対する照明光の入射角度、および光学面112aに対する投影光の入射角度を適切に設定することにより、TIRプリズム104において、照明光束と投影光束とを重畳させて、両者を分離することができ、投影装置の小型化を図ることが可能となる。
米国特許第6880935号明細書
ところで、TIRプリズムは、屈折率の高い光学部材(プリズム)側から、屈折率の低い空気(エアギャップ)側へ光を入射させることにより、その入射角度に応じて、光を全反射または透過させるようにしている。ここで、プリズムの屈折率をn、エアギャップの屈折率を1とすると、臨界角(全反射角)θcは、θc=arcsin(1/n)、で与えられる。したがって、入射角度を臨界角θc以上として光を入射させれば、入射光を全反射させることができ、臨界角θc未満で入射させれば、入射光を透過させることができる。
しかしながら、本発明者による実験によると、従来のTIRプリズムは、光を反射させる場合には、入射角度を臨界角以上として、全反射を利用するので、ほぼ100%の反射率を得ることができるが、入射角度を臨界角未満として、光を透過させる場合には、十分な透過率が得られないことがわかった。
図6は、本発明者が実験した従来のTIRプリズムにおける可視光領域での反射率特性を示すもので、屈折率が1.65のプリズムを用いた場合を示している。なお、図6において、実線はP偏光成分を示し、破線はS偏光成分を示している。この場合、臨界角θcは、37度付近となり、臨界角θc以上の入射角度では、P偏光およびS偏光ともに、ほぼ100%の反射率が得られているが、入射角度を臨界角未満として、光を透過させる場合には、特にS偏光については、臨界角近傍においても、反射率が十分低下せず、十分な透過率が得られていないことがわかる。
このため、入射角度を臨界角未満として、光を透過させる場合には、光量損失が生じ、光の利用効率が低下することになる。特に、TIRプリズムの場合には、エアギャップを介して非常に接近した2つの光学面を透過することになるため、光量損失はさらに著しくなる。
また、図5に示したようなDMDを用いる投影装置の場合、DMDに入射する照明光とDMDから反射される投影光(オン光)との成す角度は、DMDによって決定され、十分大きく確保するのが困難である。このため、TIRプリズムにおいては、照明光の入射角度と投影光の入射角度とが、一般には接近していることから、例えば、照明光の入射角度と投影光の入射角度との中間に臨界角が位置するように、TIRプリズムおよびDMDを配置して投影装置を構成すると、図5の場合には、照明光の入射角度が臨界角の近傍となって、照明光の光量損失が大きくなり、十分な明るさの投影光が得られなくなる。その結果、光量の大きな光源が必要となって、装置の大型化やコストアップを招くことが懸念される。このような問題は、反射型の空間光変調素子として、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いる場合にも、同様に生じるものである。
したがって、上記の点に鑑みてなされた本発明の第1の目的は、臨界角以上の入射角度に対する反射率特性に影響を与えることなく、臨界角未満の入射角度に対する透過率特性を向上でき、光量損失を低減できる全反射プリズムを提供することにある。
さらに、本発明の第2の目的は、上記の全反射プリズムを用いることで、光の利用効率を向上でき、装置の小型化およびコストダウンが図れる投影装置を提供することにある。
上記第1の目的を達成する請求項1に係る全反射プリズムの発明は、
第1プリズムの第1光学面と、第2プリズムの第2光学面とをエアギャップを介して対向させて、前記第1プリズムおよび前記第2プリズムを配置してなり、前記第1光学面および前記第2光学面の各々は、対応する前記第1プリズムおよび前記第2プリズム内での光線の入射角度に応じて全反射面または透過面として作用させて、全反射光は、対応する前記第1プリズムまたは前記第2プリズムから出射させ、前記第1光学面の透過光は、前記エアギャップを経て前記第2光学面から前記第2プリズムに入射させて、該第2プリズムから出射させ、前記第2光学面の透過光は、前記エアギャップを経て前記第1光学面から前記第1プリズムに入射させて、該第1プリズムから出射させる全反射プリズムにおいて、
前記第1光学面または前記第2光学面の少なくとも一方に、反射防止膜を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の全反射プリズムにおいて、
前記第1光学面および前記第2光学面の双方に、前記反射防止膜を設けたことを特徴とするものである。
さらに、上記第2の目的を達成する請求項3に係る投影装置の発明は、
照明光を出射する光源と、
第1プリズムの第1光学面と、第2プリズムの第2光学面とをエアギャップを介して対向させて、前記第1プリズムおよび前記第2プリズムを配置してなり、前記第1光学面または前記第2光学面の少なくとも一方に、反射防止膜を設けた全反射プリズムと、
前記光源からの照明光を表示画像に応じて空間変調して、入射光方向とは異なる方向に投影光として反射させる反射型の空間光変調素子とを有し、
前記光源からの照明光を、前記第1プリズムに入射させて、前記第1光学面に臨界角未満の入射角度で入射させ、該第1光学面を透過する照明光を、前記第1光学面または前記第2光学面の少なくとも一方に設けた前記反射防止膜および前記エアギャップを経て前記第2光学面から前記第2プリズムに入射させて、該第2プリズムから出射される照明光を前記空間光変調素子に導き、
前記空間光変調素子からの投影光を、前記第2プリズムに入射させて、前記第2光学面に臨界角以上の入射角度で入射させ、該第2光学面で全反射されて前記第2プリズムから出射される投影光を投影する、ように構成したことを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の投影装置において、
前記第1光学面に対する照明光の入射角度を、当該第1光学面における照明光の反射率がほぼ最小となる角度に設定したことを特徴とするものである。
さらに、上記第2の目的を達成する請求項5に係る投影装置の発明は、
照明光を出射する光源と、
第1プリズムの第1光学面と、第2プリズムの第2光学面とをエアギャップを介して対向させて、前記第1プリズムおよび前記第2プリズムを配置してなり、前記第1光学面または前記第2光学面の少なくとも一方に、反射防止膜を設けた全反射プリズムと、
前記光源からの照明光を表示画像に応じて空間変調して、入射光方向とは異なる方向に投影光として反射させる反射型の空間光変調素子とを有し、
前記光源からの照明光を、前記第2プリズムに入射させて、前記第2光学面に臨界角以上の入射角度で入射させ、該第2光学面で全反射される照明光を、前記第2プリズムから出射させて前記空間光変調素子に導き、
前記空間光変調素子からの投影光を、前記第2プリズムに入射させて、前記第2光学面に臨界角未満の入射角度で入射させ、該第2光学面を透過する投影光を、前記第1光学面または前記第2光学面の少なくとも一方に設けた前記反射防止膜および前記エアギャップを経て前記第1光学面から前記第1プリズムに入射させて、該第1プリズムから出射される投影光を投影する、ように構成したことを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の投影装置において、
前記第2光学面に対する投影光の入射角度を、当該第2光学面における投影光の反射率がほぼ最小となる角度に設定したことを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項3〜6のいずれか一項に記載の投影装置において、
前記全反射プリズムの前記第1光学面および前記第2光学面の双方に、前記反射防止膜を設けたことを特徴とするものである。
本発明に係る全反射プリズムによれば、第1プリズムの第1光学面、または該第1光学面とエアギャップを介して対向する第2プリズムの第2光学面の少なくとも一方に、反射防止膜を設けたので、第1プリズムおよび第2プリズムを通して光を透過させる場合に、反射防止膜によって透過光の透過率特性を向上でき、光量損失を低減することが可能となる。
さらに、本発明に係る投影装置によれば、全反射プリズムにおける透過光の透過率特性を向上して光量損失を低減することができるので、光源からの照明光の利用効率を向上でき、その結果、光源を大型化する必要がなくなるので、装置の小型化およびコストダウンが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る全反射プリズムの構成を模式的に示す図である。この全反射プリズム10は、TIRプリズムを構成するもので、それぞれ三角柱状の第1プリズム11および第2プリズム12を有する。第1プリズム11および第2プリズム12は、第1プリズム11の第1光学面である光学面11aと、第2プリズム12の第2光学面である光学面12aとを、エアギャップ13を介して平行に対向させて配置する。
本実施の形態では、エアギャップ13を介して平行に対向する第1プリズム11の光学面11aと、第2プリズム12の光学面12aとに、可視光領域の透過光の反射を防止するように、それぞれ反射防止膜14を形成する。
反射防止膜14は、例えば、誘電体薄膜を蒸着により複数層積層して構成する。例えば、第1プリズム11および第2プリズム12が、屈折率1.65のガラスからなる場合には、反射防止膜14は、表1に示す屈折率および厚さを有する9層の誘電体薄膜を積層して構成する。なお、表1において、層順は、プリズムからエアギャップ13に向けて1〜9とし、各層は、公知の誘電体材料を用いて、吸収係数0に形成する。
Figure 2010096843
このようにして、第1プリズム11の光学面11bまたは光学面11cから第1プリズム11内に入射する光線の内、光学面11aに臨界角未満の入射角度で入射する光線は、該光学面11aに形成した反射防止膜14により反射を防止して、該光学面11aおよび反射防止膜14を透過させ、その透過光を、エアギャップ13を経て、第2プリズム12の光学面12aから、該光学面12aに形成した反射防止膜14により反射を防止して第2プリズム12内に入射させて、第2プリズム12の三角形状に応じて、第2プリズム12の光学面12bまたは光学面12cから出射させる。
また、第1プリズム11の光学面11bまたは光学面11cから第1プリズム11内に入射する光線の内、光学面11aに臨界角以上の入射角度で入射する光線は、該光学面11aで全反射させて、その反射光を、第1プリズム11の三角形状に応じて、同一の光学面11bまたは光学面11cから、あるいは、光学面11aを除く当該第1プリズム11の他方の光学面11cまたは光学面11bから、出射させる。
同様に、第2プリズム12の光学面12bまたは光学面12cから第2プリズム12内に入射する光線の内、光学面12aに臨界角未満の入射角度で入射する光線は、該光学面12aに形成した反射防止膜14により反射を防止して、該光学面12aおよび反射防止膜14を透過させ、その透過光を、エアギャップ13を経て、第1プリズム11の光学面11aから、該光学面11aに形成した反射防止膜14により反射を防止して第1プリズム11内に入射させて、第1プリズム11の三角形状に応じて、第1プリズム11の光学面11bまたは光学面11cから出射させる。
また、第2プリズム12の光学面12bまたは光学面12cから第2プリズム12内に入射する光線の内、光学面12aに臨界角以上の入射角度で入射する光線は、該光学面12aで全反射させて、その反射光を、第2プリズム12の三角形状に応じて、同一の光学面12bまたは光学面12cから、あるいは、光学面12aを除く当該第2プリズム12の他方の光学面12cまたは光学面12bから、出射させる。
図2は、本実施の形態による全反射プリズム10における可視光領域での反射率特性を示すものである。なお、この場合の全反射プリズム10は、第1プリズム11および第2プリズム12が、屈折率1.65のガラスからなり、第1プリズム11の光学面11aおよび第2プリズム12の光学面12aにそれぞれ形成した反射防止膜14は、上記の表1に示した9層の誘電体多層膜からなっている。
本実施の形態によれば、図6に示した従来のTIRプリズムの反射率特性との比較から明らかなように、臨界角以上の入射角度では、従来と同様に、P偏光(実線)およびS偏光(破線)ともに、ほぼ100%の反射率が得られている。また、臨界角未満の入射角度では、第1プリズム11の光学面11aおよび第2プリズム12の光学面12aにそれぞれ形成した反射防止膜14により、P偏光およびS偏光ともに、従来よりも反射率が低減し、透過光の透過率特性が向上している。したがって、光を透過させる場合の光量損失を低減することができる。
なお、厳密には、P偏光については、従来は、ほぼ32度付近に反射率が0となるブリュースター角が存在し、本実施の形態の場合には、ほぼ22度付近にブリュースター角が存在している。このため、本実施の形態の場合には、30度付近の入射角度におけるP偏光の反射率は、従来よりも若干高くなっているが、30度以下の入射角度では反射率が低くなっているので、臨界角未満の入射角度におけるS偏光と合わせた全体の反射率は、従来の反射防止膜を有しないTIRプリズムよりも十分低くなっている。
(第2実施の形態)
図3は、本発明の第2実施の形態に係る投影装置の概略構成を示す図である。この投影装置は、図1に示した全反射プリズム10を用いるもので、光源21からの照明光は、インテグレータ素子22および照明レンズ23を経て、全反射プリズム10の第1プリズム11の光学面11bから光学面11aに臨界角未満の入射角度で入射させて、該光学面11aに形成された反射防止膜14を経て透過させる。
第1プリズム11を透過した照明光は、エアギャップ13を経て、第2プリズム12の光学面12aから、該光学面12aに形成された反射防止膜14を経て第2プリズム12内に入射させて光学面12bから出射させ、この光学面12bから出射する照明光をDMD25に入射させる。
DMD25は、入射する照明光を表示画像に応じて所定方向に反射させることにより空間変調し、その空間変調された投影光(DMD25のオン光)を、全反射プリズム10の第2プリズム12の光学面12bから光学面12aに臨界角以上の入射角度で入射させて、該光学面12aで全反射させ、この全反射された投影光を第2プリズム12の光学面12cから出射させてスクリーン26に投影表示する。
ここで、全反射プリズム10を構成する第1プリズム11の光学面11aに対する照明光の入射角度、および第2プリズム12の光学面12aに対する投影光の入射角度は、これら照明光の入射角度と投影光の入射角度との中間に、臨界角が位置するように、全反射プリズム10およびDMD25を配置することも可能であるが、本実施の形態では、透過させる照明光の入射角度を、反射率がほぼ最小となるように、臨界角から離れる方向にシフトして設定する。すなわち、全反射プリズム10が、図2に示した反射率特性を有する場合には、P偏光の反射率がほぼ0となって全体の反射率が最小となる、ほぼ22度付近に照明光の入射角度を設定し、それに伴って、投影光の入射角度を、臨界角以上で、臨界角側にシフトして設定する。
なお、カラー画像を投影する場合には、光源21を、例えば、高圧水銀ランプやキセノンランプ等の白色光を出射する公知のランプを用いて構成し、この光源21からの白色光を回転色フィルタによりRGBに順次分離し、その照明光の色分離に同期して、対応する色の画像信号をDMD25に供給して、面順次でカラー画像を投影表示すればよい。あるいは、光源21を、例えば、R,G,Bの3色LEDや3色レーザを用いて構成し、各色を順次発光して、その発光に同期して、対応する色の画像信号をDMD25に供給して、面順次でカラー画像を投影表示することもできる。あるいは、DMD25に白色光の照明光を照射するとともに、DMD25の前方(入出射面)に画素単位にRGBの色フィルタを設けて、同時にカラー画像を投影表示することもできる。
本実施の形態によれば、図1に示した反射防止膜14を有する全反射プリズム10を用い、光源21からの照明光は、全反射プリズム10を透過させてDMD25に導き、DMD25からの投影光は、全反射プリズム10で全反射させてスクリーン26に投影表示するようにしたので、DMD25に入射する照明光の光量損失を低減することができる。したがって、光の利用効率を向上できるので、光源21を大型化する必要がなく、装置の小型化およびコストダウンを図ることができる。しかも、本実施の形態では、全反射プリズム10の光学面11aに対する照明光の入射角度を、反射率がほぼ最小となる角度にシフトして設定したので、照明光の光量損失を、より効果的に抑えることが可能となる。
(第3実施の形態)
図4は、本発明の第3実施の形態に係る投影装置の概略構成を示す図である。この投影装置は、図3に示した投影装置において、光源21、インテグレータ素子22および照明レンズ23を有する照明系と、スクリーン26を有する投影系との配置を逆にしたものである。
すなわち、図4に示す投影装置では、光源21からの照明光を、インテグレータ素子22および照明レンズ23を経て全反射プリズム10の第2プリズム12の光学面12cから光学面12aに臨界角以上の入射角度で入射させて、該光学面12aで全反射させ、この全反射された照明光を、光学面12bから出射させてDMD25に入射させる。
また、DMD25で変調された投影光は、第2プリズム12の光学面12bから光学面12aに臨界角未満の入射角度で入射させて、該光学面12aに形成された反射防止膜14を経て透過させる。この光学面12aを透過した投影光は、エアギャップ13を経て、第1プリズム11の光学面11aから、該光学面11aに形成された反射防止膜14を経て第1プリズム11内に入射させて光学面11bから出射させ、この光学面11bから出射する投影光をスクリーン26に投影表示する。
なお、図4に示す構成において、全反射プリズム10の第2プリズム12の光学面12aに対する照明光の入射角度および投影光の入射角度は、これら照明光の入射角度と投影光の入射角度との中間に、臨界角が位置するように、全反射プリズム10およびDMD25を配置することも可能であるが、本実施の形態では、透過させる投影光の入射角度を、反射率がほぼ最小となるように、臨界角から離れる方向にシフトして設定する。すなわち、全反射プリズム10が、図2に示した反射率特性を有する場合には、P偏光の反射率がほぼ0となって全体の反射率が最小となる、ほぼ22度付近に投影光の入射角度を設定し、それに伴って、照明光の入射角度を、臨界角以上で、臨界角側にシフトして設定する。その他の構成および動作は、第2実施の形態と同様である。
したがって、本実施の形態によれば、DMD25からの投影光が、全反射プリズム10を透過する際の光量損失を低減でき、光の利用効率を向上することができるので、第2実施の形態の場合と同様に、光源21を大型化する必要がなく、装置の小型化およびコストダウンを図ることができる。しかも、本実施の形態では、全反射プリズム10の光学面12aに対する投影光の入射角度を、反射率がほぼ最小となる角度にシフトして設定したので、投影光の光量損失を、より効果的に抑えることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、全反射プリズム10の第1プリズム11の光学面11aと、第2プリズム12の光学面12aとを、エアギャップ13を介して平行に対向させたが、全反射プリズム10を透過させる光線の、光学面11aおよび光学面12aに対する入射角度が、それぞれ臨界角未満となれば、必ずしも平行に対向させる必要はない。
また、上記実施の形態では、全反射プリズム10の対向する第1プリズム11の光学面11aと、第2プリズム12の光学面12aとの双方に反射防止膜14を形成したが、光学面11aまたは光学面12aのいずれか一方にのみ反射防止膜14を形成して、全反射プリズムを構成することもできる。この場合でも、従来の反射防止膜を有しないTIRプリズムと比較して、透過光の反射率を低減することができる。したがって、投影装置に適用した場合には、光源の小型化が図れ、結果として装置の小型化およびコストダウンを図ることができる。
さらに、全反射プリズムを構成する第1プリズムおよび第2プリズムは、任意の三角形状とすることができるとともに、第1プリズムの一面と第2プリズムの一面とがエアギャップを介して対向すれば、三角柱状に限らず、照明系や投影系の配置に応じて、任意の多角形状とすることができる。
また、上記第2実施の形態および第3実施の形態では、反射型の空間光変調素子としてDMDを用いたが、LCOSを用いて投影装置を構成することもできる。さらに、投影装置は、一枚の空間光変調素子を用いる単板式に限らず、2枚の空間光変調素子を用いる2板式あるいは3枚の空間光変調素子を用いる3板式で構成することもできる。
本発明の第1実施の形態に係る全反射プリズムの構成を模式的に示す図である。 図1に示す全反射プリズムにおける可視光領域での反射率特性を示す図である。 本発明の第2実施の形態に係る投影装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3実施の形態に係る投影装置の概略構成を示す図である。 従来の投影装置の概略構成を示す図である。 従来のTIRプリズムにおける可視光領域での反射率特性を示す図である。
符号の説明
10 全反射プリズム
11 第1プリズム
11a 光学面(第1光学面)
11b,11c 光学面
12 第2プリズム
12a 光学面(第2光学面)
12b,12c 光学面
13 エアギャップ
14 反射防止膜
21 光源
22 インテグレータ素子
23 照明レンズ
25 DMD
26 スクリーン

Claims (7)

  1. 第1プリズムの第1光学面と、第2プリズムの第2光学面とをエアギャップを介して対向させて、前記第1プリズムおよび前記第2プリズムを配置してなり、前記第1光学面および前記第2光学面の各々は、対応する前記第1プリズムおよび前記第2プリズム内での光線の入射角度に応じて全反射面または透過面として作用させて、全反射光は、対応する前記第1プリズムまたは前記第2プリズムから出射させ、前記第1光学面の透過光は、前記エアギャップを経て前記第2光学面から前記第2プリズムに入射させて、該第2プリズムから出射させ、前記第2光学面の透過光は、前記エアギャップを経て前記第1光学面から前記第1プリズムに入射させて、該第1プリズムから出射させる全反射プリズムにおいて、
    前記第1光学面または前記第2光学面の少なくとも一方に、反射防止膜を設けたことを特徴とする全反射プリズム。
  2. 前記第1光学面および前記第2光学面の双方に、前記反射防止膜を設けたことを特徴とする請求項1に記載の全反射プリズム。
  3. 照明光を出射する光源と、
    第1プリズムの第1光学面と、第2プリズムの第2光学面とをエアギャップを介して対向させて、前記第1プリズムおよび前記第2プリズムを配置してなり、前記第1光学面または前記第2光学面の少なくとも一方に、反射防止膜を設けた全反射プリズムと、
    前記光源からの照明光を表示画像に応じて空間変調して、入射光方向とは異なる方向に投影光として反射させる反射型の空間光変調素子とを有し、
    前記光源からの照明光を、前記第1プリズムに入射させて、前記第1光学面に臨界角未満の入射角度で入射させ、該第1光学面を透過する照明光を、前記第1光学面または前記第2光学面の少なくとも一方に設けた前記反射防止膜および前記エアギャップを経て前記第2光学面から前記第2プリズムに入射させて、該第2プリズムから出射される照明光を前記空間光変調素子に導き、
    前記空間光変調素子からの投影光を、前記第2プリズムに入射させて、前記第2光学面に臨界角以上の入射角度で入射させ、該第2光学面で全反射されて前記第2プリズムから出射される投影光を投影する、ように構成したことを特徴とする投影装置。
  4. 前記第1光学面に対する照明光の入射角度を、当該第1光学面における照明光の反射率がほぼ最小となる角度に設定したことを特徴とする請求項3に記載の投影装置。
  5. 照明光を出射する光源と、
    第1プリズムの第1光学面と、第2プリズムの第2光学面とをエアギャップを介して対向させて、前記第1プリズムおよび前記第2プリズムを配置してなり、前記第1光学面または前記第2光学面の少なくとも一方に、反射防止膜を設けた全反射プリズムと、
    前記光源からの照明光を表示画像に応じて空間変調して、入射光方向とは異なる方向に投影光として反射させる反射型の空間光変調素子とを有し、
    前記光源からの照明光を、前記第2プリズムに入射させて、前記第2光学面に臨界角以上の入射角度で入射させ、該第2光学面で全反射される照明光を、前記第2プリズムから出射させて前記空間光変調素子に導き、
    前記空間光変調素子からの投影光を、前記第2プリズムに入射させて、前記第2光学面に臨界角未満の入射角度で入射させ、該第2光学面を透過する投影光を、前記第1光学面または前記第2光学面の少なくとも一方に設けた前記反射防止膜および前記エアギャップを経て前記第1光学面から前記第1プリズムに入射させて、該第1プリズムから出射される投影光を投影する、ように構成したことを特徴とする投影装置。
  6. 前記第2光学面に対する投影光の入射角度を、当該第2光学面における投影光の反射率がほぼ最小となる角度に設定したことを特徴とする請求項5に記載の投影装置。
  7. 前記全反射プリズムの前記第1光学面および前記第2光学面の双方に、前記反射防止膜を設けたことを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の投影装置。
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