JP2010090970A - 断熱構造体および排ガス処理装置 - Google Patents

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豊司 篠原
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Abstract

【課題】高温(600〜800℃)に適用でき、同程度の断熱効果を有する断熱材よりも薄く、かつ安価な断熱構造体を提供すること。
【解決手段】断熱構造体11は、高温空間21側に配置された高温側壁22と、低温空間27側に配置され、高温側壁22との間に断熱領域20を形成する低温側壁26と、高温側壁22と低温側壁26の間に配置され、断熱領域20を分離して前記高温側壁22との間に高温領域23を形成し前記低温側壁26との間に低温領域25を形成する隔壁24と、高温領域23に配置され、高温側壁22からの放射熱を反射し隔壁24への伝熱を抑制する反射板41とを備え、高温領域23は、真空にされ、低温領域25は、真空にされまたは低熱伝導率ガスが封入されることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、断熱性を向上させる断熱構造体に関する。特に、断熱構造体を2つの領域に分け、それぞれの温度領域に適した断熱構造をとることにより断熱性を向上させた断熱構造体およびその断熱構造体を用いた排ガス処理装置に関する。
半導体の製造過程で排出される排ガス中には、フッ素を含有する難分解性ガスが含まれる。この難分解性ガスを分解するために、触媒式、加熱分解式、乾式等の排ガス処理装置が用いられるが、これらの装置の反応槽内は600〜800℃にもなる。そのため、反応槽の周りに厚さが60mm以上の断熱材を配置して伝熱を抑制すべく断熱を行っている。
また、高温断熱の一例として燃焼式排ガス処理装置では、炉内の温度が約1300℃まで加熱されるが、その炉の外側には多孔質セラミック断熱材として、無機質ファイバー(SiO55%、Al15%、CaO17%、B8%、その他酸化物5%)で補強したセラミック粉末(SiO60〜65%、TiO20〜35%、Al2〜3%、その他酸化物<1%)等が使用される。この場合の多孔質セラミック断熱材の厚さは約30mmであるが、高価なものである。さらに、冷却効果を高めるために、装置の外筒と断熱材の間にパージ空気を供給する(例えば、特許文献1参照)。
一方で、真空断熱、及びキセノン等の低熱伝導率ガスを用いた断熱構造は、例えば特許文献2または特許文献3で提案されているが、特許文献2は魔法瓶内部の熱が外部へ伝わるのを断熱する構造に関するものであり、特許文献3は冷蔵冷凍庫、恒温庫等または構造物の壁体に適した断熱構造に関するものである。したがって、真空断熱または低熱伝導率ガスを用いた断熱体において、600〜800℃の熱を断熱し、外表面の温度を約50℃程度に抑える技術については開示されていなかった。
国際公開第00/32990号パンフレット Fig1 特開平8−224178号公報 特開2001−311233号公報
本発明は、高温(600〜800℃)に適用でき、断熱後の温度を約50℃程度に抑えることができる断熱構造体を提供することを目的とする。また、同程度の断熱効果を有する断熱材よりも薄くすることができる断熱構造体、および、安価な断熱構造体を提供することを目的とする。さらに、この断熱構造体を備える排ガス処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る断熱構造体は、例えば図2に示すように、高温空間21からその高温空間21よりも温度の低い低温空間27への熱を断熱する断熱構造体11であって、高温空間21側に配置された高温側壁22と、低温空間27側に配置され、高温側壁22との間に断熱領域20を形成する低温側壁26と、高温側壁22と低温側壁26の間に配置され、断熱領域20を分離して高温側壁22との間に高温領域23を形成し前記低温側壁26との間に低温領域25を形成する隔壁24と、高温領域23に配置され、高温側壁22からの放射熱を反射し隔壁24への伝熱を抑制する反射板41とを備え、高温領域23は真空にされ、低温領域25は真空にされまたは低熱伝導率ガスが封入される。
このように構成すると、高温領域内に配置された反射板により、高温空間から高温側壁に伝わった熱が、熱放射により隔壁に伝わるのを抑制することができる。さらに、高温領域内を真空に維持することにより、気体の対流による熱伝達や熱伝導により熱が隔壁に伝わるのを抑制することができる。さらに、低温領域内は真空に維持され、または低熱伝導率ガスが封入されるため、高温領域から隔壁を介して伝わった熱が、気体の対流による熱伝達や熱伝導により低温側壁へ伝わるのを抑制することができる。このように、高温領域と低温領域を異なる断熱構造とすることにより効果的に断熱を行うとともに、安価で薄い断熱構造体を構成することができる。なお、「真空」とは、内圧が1〜10Torr(絶対圧、1Torr≒133.322Paabs)の場合をいう。また、「低熱導電率ガス」とは、キセノン、クリプトン、塩素、臭化メチル、三塩化ホウ素、およびこれらのうち2以上を混合した混合ガスからなる群から選択されたいずれかのガスをいう。
また、本発明の第2の態様に係る断熱構造体は、例えば図4に示すように、高温空間21からその高温空間21よりも温度の低い低温空間27への熱を断熱する断熱構造体11であって、高温空間21側に配置された高温側壁22と、低温空間27側に配置され、高温側壁22との間に断熱領域20を形成する低温側壁26と、高温側壁22と低温側壁26の間に配置され、断熱領域20を分離して高温側壁22との間に高温領域23を形成し前記低温側壁26との間に低温領域25を形成する隔壁24と、高温領域23に配置され、高温側壁22からの熱を断熱し隔壁24への伝熱を抑制する断熱材61を備え、高温領域23は低熱伝導率ガスが封入され、低温領域25は真空にされまたは低熱伝導率ガスが封入される。
このように構成すると、高温領域内に配置された断熱材により、高温側壁から隔壁に熱が伝わるのを抑制することができ、かつ、高温領域内には低熱伝導率ガスが封入されているため、気体の熱伝導により熱が伝わるのを抑制することができる。低温領域内は真空にされ、または低熱伝導率ガスが封入されているため、高温領域から隔壁を介して伝わった熱が、気体の対流による熱伝達や熱伝導により低温側壁へ伝わるのを抑制することができる。このように、高温領域と低温領域を異なる断熱構造とすることにより効果的に断熱を行うとともに、安価で薄い断熱構造体を構成することができる。
また、本発明の第3の態様に係る断熱構造体では、上記本発明の第1または第2の態様に係る断熱構造体11において、低熱伝導率ガスは、キセノン、クリプトン、塩素、臭化メチル、三塩化ホウ素、およびこれらのうち2以上を混合した混合ガスからなる群から選択されたいずれかのガスである。
また、本発明の第4の態様に係る断熱構造体では、例えば図2に示すように、上記本発明の第1乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る断熱構造体11において、低温領域25には、低温領域25内で対流による熱伝達が起こることを抑制する対流防止板51を備える。
このように構成すると、低温領域内に配置された対流防止板により、隔壁に伝わった熱が対流による熱伝達で低温側壁に伝わるのを抑制することができる。なお、低温領域内を真空とした場合でも、わずかに残る気体により対流による熱伝達が生ずるため、対流防止板を設置することで伝熱を抑制することができる。
また、本発明の第5の態様に係る断熱構造体では、対流防止板51は、ベローズ状に形成され、低温側壁26側に配置されるベローズ状の波のそれぞれの頂上、および隔壁24側に配置されるベローズ状の波のそれぞれの頂上が、低温側壁26および隔壁24のそれぞれから1mm以下の間隔を隔てて配置される。ここでベローズ状に形成された波板は波の頂上にあたる稜線が水平方向に向くように配置される。
また、本発明の第6の態様に係る排ガス処理装置では、例えば図1に示すように、600〜800℃で排ガスを処理する反応槽12と、反応槽12を取り囲むように設置され、反応槽12から外部へ伝わる熱を断熱し伝熱を抑制する上記本発明の第1乃至第5の態様のいずれか1つの態様に係る断熱構造体11とを備える。
このように構成すると、排ガスを処理する排ガス処理装置において、反応槽内の温度が600〜800℃の場合でも、断熱構造体の断熱効果により、効果的に断熱することができ、低温側壁の外表面の温度を約50℃にすることができる。
本発明によれば、断熱構造体を温度勾配が生じる方向を分離するように高温領域と低温領域の2つに分け、高温領域では主に熱放射を抑制しかつ熱伝導と対流による熱伝達を低減させるような構造とし、低温領域では主に熱伝導と対流による熱伝達を抑制するような構造とすることで、600〜800℃の熱を断熱し、低温側壁の外表面の温度を約50℃まで下げることができる。また、同程度の効果を有する断熱材を用いた場合よりも厚さを薄くすることができ、かつ安価に断熱構造体を構成することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一または相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。また、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る排ガス処理装置10の縦断面図である。排ガス処理装置10は、その内部に反応槽12を備え、反応槽12の周囲に断熱構造体11を備える。断熱構造体11は、内部温度が600〜800℃になる反応槽12から熱が外部に伝わるのを断熱するために設置される。図1(a)では、断熱構造体11は反応槽12の側面全周を取り囲むように配置されている。したがって、図1(b)に示すように、水平断面(BB断面)における断熱構造体11は、反応槽12を囲むドーナツ型となっている。ただし、断熱構造体11は、反応槽12から外部に伝わる熱を断熱できればよく、上記形状に限定されるものではない。なお、反応槽12内の上部空間には、円盤形状の上部ヒータ15が設けられており、被処理ガスを加熱する。ヒータ15の下面には、シースヒータ(不図示)をはわせている。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る断熱構造体11を示す図である。断熱構造体11は、高温側壁としての反応槽壁22と、低温側壁としての外壁26と、反応槽壁22と外壁26により形成される空間である断熱領域20の上下面としての上面28と下面29を備える。さらに、断熱領域20を高温領域23と低温領域25に分割する隔壁24とを備える。反応槽壁22と隔壁24により形成される高温領域23には反射板41(本実施の形態では3枚)を備え、高温領域23は真空にされる。外壁26と隔壁24により形成される低温領域25は、真空にされるかまたは低熱伝導率ガスが封入される。なお、反応槽壁22は、図1に示す反応槽12の外壁と一体に形成される。そうすると、材料を節約することができる。または、反応槽12の外壁の周囲に反応槽壁22を別途形成してもよい。そうすると、より断熱効果を高めることができる。
断熱構造体11の反応槽壁22は、反応槽12(図1参照)から伝わる熱により高温となる高温空間21側に配置される。断熱構造体11の外壁26は、高温空間21から断熱構造体11により隔てられた、高温空間21よりも低温である低温空間27側に配置される。隔壁24は、反応槽壁22と外壁26により形成される空間である断熱領域20を温度勾配が生ずる方向を分離するように、反応槽壁22と外壁26の間に配置される。
反応槽壁22には、耐熱、耐腐食性の高いニッケル系合金が好ましい。また、隔壁24、外壁26、上面28、下面29には、耐熱、耐腐食性に優れたステンレスが好ましい。ただし、同様の効果を備えるものであれば、材料は特に限定されない。
反射板41は、反応槽壁22の側面全周を取り囲むように円環形状に構成される。また、反射板41は、一枚であってもよく複数枚であってもよい。反射板41には、その表面が鏡面仕上げされた例えばステンレスのような合金板が好ましい。なお、鏡面仕上げすることにより、熱の反射率をさらにあげることができる。ただし、反射板41は、反応槽壁22に伝わった熱の熱放射を反射し、隔壁24に熱が伝わるのを抑制する構造・素材であればよい。また、表面を鏡面仕上げする代わりに金、銀、アルミ合金のような熱反射率の高い金属でメッキしてもよい。
また、反射板41(例えば図2では3枚)は、互いに離間させて配置し、それぞれの鉛直方向上下の端部を反射板固定用ピン42で、上面28および下面29と接続固定される。そうすると、反射板41と上面28および下面29との接触面積を極力小さくすることができるので、反射板41から上記上下面への熱伝導を抑えることができる。このことから、反射板固定用ピン42の数は、より少ないほうが好ましい。反射板固定用ピン42には、耐熱、耐腐食性に優れたステンレスが好ましい。ただし、同様の効果を備えるものであれば、材料は特に限定されない。
さらに、高温領域23は真空にされる。「真空」とは、内圧が1〜10Torr(絶対圧、1Torr≒133.322Paabs)の場合をいう。なお、内圧が1Torr未満の場合は、金属壁で形成された空間内において、1.金属表面に吸着している気体の離脱、2.金属材料中に溶解、吸収されている気体の拡散放出、3.ガスの透過等が生ずる。そのため、上記空間内を1Torr未満の状態に保つのが難しくなり、金属表面の加工などの対策が必要になる。
なお、本実施の形態である断熱構造体11において、各領域を1Torr未満の状態に保つ代わりに、一旦各領域内の気体を低熱伝導率ガスで置換しその後、または置換しながら1〜10Torrの真空にすることで、上記1Torr未満の状態とほぼ同じ断熱効果を得ることができる。なお、置換しながら真空にすると低熱伝導率ガスの使用量を節約することができる。
外壁26と隔壁24により形成される低温領域25は、真空にされる。または、低熱導電率ガスが封入される。「低熱導電率ガス」とは、キセノン、クリプトン、塩素、臭化メチル、三塩化ホウ素、およびこれらのうち2以上を混合した混合ガスからなる群から選択されたいずれかのガスをいう。化学的安定性、安全性を考慮すると、キセノン、クリプトンが好ましい。
なお、各種気体の熱伝導率κ(mW/(m・K)(25℃、1atm))は、キセノン:5.54、臭化メチル:7.66、塩素:8.9、三塩化ホウ素:8.95、クリプトン:9.35である。一方で、空気の熱伝導率κは、26(mW/(m・K)(25℃、1atm))である。
また、本発明者らの研究により、300℃における断熱効果は、キセノン、アルゴン、窒素の順に高いことが解った。この順は、これらの物質の熱伝導率の数値の順(低い順)と一致する。さらに、300℃において、約1〜約10Torrの状態においてもキセノンを封入することにより1Torr未満の状態とほぼ同等の断熱効果が得られることが解った。
高温領域23および低温領域25を真空にする、または低熱伝導率ガスを封入する場合は、図2に示すように、それぞれの領域に配管72を接続するポートを少なくとも2箇所ずつ設け、ポートに接続された配管72上に封止用バルブ71をそれぞれ2箇所取り付ける。それぞれの領域において配管72の一方を真空ポンプに接続し、他方を低熱伝導率ガス供給源に接続することにより、それぞれの領域を真空、低熱伝導率ガスの封入等、所望の状態にすることができる。なお、それぞれの領域を真空に引いたまたは低熱伝導率ガスを封入した後は、配管72を接続したポートを密封しかつ配管72をつぶしてもよい。
図1(a)および図2に示すように、排ガス処理装置10において、反応槽12と断熱構造体11を覆う上部断熱材31には、セラミックファイバーモールドまたは超微細ヒュームドシリカ粉末成分体を用いることが好ましい。さらに、上部断熱材31の上部断熱材上面31aには、高機能断熱材32が配置される。高機能断熱材32としては、厚さ10mmのアルミナ系またはシリカ系の断熱ボードが好ましい。ただし、これらの断熱材は、同程度の断熱効果を有する物であれば、材質および厚さは特に限定されない。なお、図2では、上部断熱材31は、低温領域25の上面のみと接触しているが、低温領域25の上面だけでなく、高温領域23の上面の一部または全部と接触させて配置してもよい。
また、反応槽12と断熱構造体11の下側部分を覆う断熱材33には、上部断熱材31および高機能断熱材32と同様に、セラミックファイバーモールド、超微細ヒュームドシリカ粉末成分体、アルミナ系またはシリカ系の断熱ボードが用いられることが好ましい。
図1(b)および図3に示すように、反応槽12の外部ヒータ14を断熱構造体11の高温領域23内に設置してもよい。その場合には加熱が均等に行われるように、ヒータ14は複数の棒状のヒータが円周方向に均等分散されて配置されるのが好ましい(図1(b)参照)。また、ヒータ14は、断熱構造体11にステンレスケーシングにより固定されるのが好ましい。
なお、断熱効果をより高めるために、図1(b)に示すように、断熱構造体11の外周にさらに薄い断熱材13を設けてもよい。断熱材13には、セラミックファイバーモールド、超微細ヒュームドシリカ粉末成分体、アルミナ系またはシリカ系の断熱ボードが用いられることが好ましい。
上記のように、本発明の第1の実施の形態に係る断熱構造体11を構成すると、反応槽壁22から熱放射により伝わる熱は、反射板41で熱反射され、隔壁24へ伝わるのを抑制することができる。また、高温領域23内は真空であるため、高温領域内の気体の熱伝導や対流による熱伝達により熱が隔壁24へ伝わるのを抑制することができる。したがって、反応槽12の内部温度が600〜800℃であっても、高温領域23内の隔壁24の周辺温度を約300℃にすることができる。
さらに、低温領域25内は、真空にされるかまたは低熱伝導率ガスが封入されているため、隔壁24に伝わった熱が対流による熱伝達または熱伝導により外壁26へ伝わるのを抑制することができる。したがって、隔壁の温度が約300℃であっても、外壁26の外表面付近の温度を約50℃にすることができる。
このように高温領域23と低温領域25で異なる断熱構造を組み合わせることによって、600〜800℃の熱を断熱し、低温側壁26の外表面付近の温度を約50℃にすることができる。さらに高温領域23の厚さは約30mm以下とすることができ、また低温領域25の厚さは約5mmとすることができる。その結果、同程度の断熱効果を有する断熱材を用いた場合よりも薄い断熱構造体を構成することができる。
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る断熱構造体11では、上記第1の実施の形態において、高温領域23に断熱材61が配置される。この断熱材61には、セラミックファイバーモールド、超微細ヒュームドシリカ粉末成分体、アルミナ系またはシリカ系の断熱ボードを用いるのが好ましい。ただし、反応槽壁22を介して伝わる熱が隔壁24へ伝わることを抑制する断熱材であればよく、材質は特に限定されない。なお、高機能断熱材であるアルミナ系またはシリカ系の断熱ボードは、空気よりも断熱効果が高く、反応槽壁22に接触して取り囲むように設置される。また、この高機能断熱材と隔壁24は、熱伝導を抑制するため離間(1mm以下)して設置する。さらに、高温領域23には、前述の低熱伝導率ガスが封入される。その結果、反応槽壁22から伝わる熱の熱伝導、対流による熱伝達、熱放射を抑制することができる。また、第1の実施の形態と同様に、高温領域23の厚さを約30mm以下とすることができる。
上記のように、本発明の第2の実施の形態に係る断熱構造体11を構成すると、反応槽壁22から隔壁24への伝熱を断熱材61で断熱することができる。また、高温領域23内は低熱伝導率ガスが封入されているため、高温領域23内の気体の熱伝導により熱が隔壁24へ伝わるのを抑制することができる。したがって、反応槽12の内部温度が600〜800℃であっても、高温領域23内の隔壁24の表面付近の温度を約300℃にすることができる。
図2乃至図4に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る断熱構造体11では、上記第1または第2の実施の形態において、低温領域25に対流防止板51を備える。対流防止板51は、耐温性の優れたステンレスの金属板が好ましい。また、対流防止版51はベローズに形成され、隔壁24を囲むように配置される。その場合、図2乃至図4に示すように、対流防止版51の縦断面が波状になるように配置される。このように配置すると、効果的に対流を防止することができる。または、対流防止版51の横断面が波状になるように配置されてもよい。このように配置すると、ベローズ状の対流防止版51で隔壁24を囲みやすく製作が容易となる。
なお、対流防止板51は、低温領域25内の対流による熱伝達を防止できればよく、材質・形状は特に限定されない。
また、対流防止板51は、外壁26側に配置されるベローズ状の波のそれぞれの頂上、および隔壁24側に配置されるベローズ状の波のそれぞれの頂上が、外壁26および隔壁24のそれぞれから1mm以下の間隔を隔てて配置されることが好ましい。間隔が1mm以下であると、対流による熱伝達をより効果的に抑制できる。
さらに、対流防止板51は、複数の対流防止板固定用ピン52で、外壁26および隔壁24に固定される。その結果、外壁26および隔壁24との接触面積が極力小さくなるため、対流防止板固定用ピン52を介しての熱伝導を抑えることができる。このことから、対流防止板固定用ピン52の数は、より少ないほうが好ましい。
なお、図5に示すように、対流防止板51を外壁26と接触させて固定してもよい。この場合、対流防止版の厚さを十分薄く(例えば0.1〜0.5mm)すると、熱伝導による伝熱を低く抑えることができ、かつ製造も容易となる。なお、対流防止板51から熱伝導により外壁26に熱が伝わることを考慮し、外壁26の一部を低熱伝導材で構成してもよい。または、外壁26の外側にさらに低熱伝導材(断熱材13)を設置してもよい(図1(b)参照)。低熱伝導材には、セラミックファイバーモールド、超微細ヒュームドシリカ粉末成分体、アルミナ系またはシリカ系の断熱ボードが好ましい。
上記のように、本発明の第3の実施の形態に係る断熱構造体11を構成すると、低温領域25内での対流による熱伝達を抑制することができ、隔壁24から外壁26への伝熱をさらに抑制することができる。なお、低温領域25に対流防止板51を備えた場合でも、低温領域25の厚さは約5mmとすることができる。
さらに、本発明の実施の形態に係る断熱構造体11を排ガス処理装置、例えば乾式排ガス処理装置に用いると、断熱構造部分の厚さを薄くすることができるため、装置全体の設置面積を変えることなく内部の反応槽の容量を大きくすることができる。そのため、排ガス処理剤を多く充填でき、結果として排ガス処理装置の処理効率を上げることが可能となった。
また、本発明の実施の形態に係る断熱構造体11では、断熱手段に水を一切使用していないため、貴重な資源である水を用いることなく高温に適した断熱が可能となるだけでなく、工場のレイアウト上水を使用できない場合であっても、効果的に断熱することができるようになった。
本発明の実施の形態である断熱構造体を備える排ガス処理装置の断面図であり、(a)は縦断面図、(b)は図(a)のBB断面における断熱構造体の断面図である。 本発明の実施の形態である断熱構造体を示す図であり、図1の断熱構造体の部分を拡大したものである。 本発明の実施の形態である断熱構造体を示す図であり、図2の断熱構造体にさらにヒータが追加されたものである。 本発明の実施の形態である断熱構造体を示す図であり、高温領域に断熱材を配置したものである。 本発明の実施の形態である断熱構造体を示す図であり、対流防止板の部分を拡大したものである。
符号の説明
10 排ガス処理装置
11 断熱構造体
12 反応層
13 断熱材、低熱伝導材
14 ヒータ
15 上部ヒータ
20 断熱領域
21 高温空間
22 高温側壁、反応槽壁
23 高温領域
24 隔壁
25 低温領域
26 低温側壁、外壁
27 低温空間
28 上面
29 下面
31 上部断熱材
31a上部断熱材上面
32 高機能断熱材
33 断熱材
41 反射板
42 反射板固定用ピン
51 対流防止板
52 対流防止板固定用ピン
61 断熱材
71 封止用バルブ
72 配管

Claims (6)

  1. 高温空間から前記高温空間よりも温度の低い低温空間への熱を断熱する断熱構造体であって;
    前記高温空間側に配置された高温側壁と;
    前記低温空間側に配置され、前記高温側壁との間に断熱領域を形成する低温側壁と;
    前記高温側壁と前記低温側壁の間に配置され、前記断熱領域を分離して前記高温側壁との間に高温領域を形成し前記低温側壁との間に低温領域を形成する隔壁と;
    前記高温領域に配置され、前記高温側壁からの放射熱を反射し前記隔壁への伝熱を抑制する反射板とを備え;
    前記高温領域は、真空にされ;
    前記低温領域は、真空にされまたは低熱伝導率ガスが封入された;
    断熱構造体。
  2. 高温空間から前記高温空間よりも温度の低い低温空間への熱を断熱する断熱構造体であって;
    前記高温空間側に配置された高温側壁と;
    前記低温空間側に配置され、前記高温側壁との間に断熱領域を形成する低温側壁と;
    前記高温側壁と前記低温側壁の間に配置され、前記断熱領域を分離して前記高温側壁との間に高温領域を形成し前記低温側壁との間に低温領域を形成する隔壁と;
    前記高温領域に配置され、前記高温側壁からの熱を断熱し前記隔壁への伝熱を抑制する断熱材を備え;
    前記高温領域は、低熱伝導率ガスが封入され;
    前記低温領域は、真空にされまたは低熱伝導率ガスが封入された;
    断熱構造体。
  3. 前記低熱伝導率ガスは、キセノン、クリプトン、塩素、臭化メチル、三塩化ホウ素、およびこれらのうち2以上を混合した混合ガスからなる群から選択されたいずれかのガスである;
    請求項1または請求項2に記載の断熱構造体。
  4. 前記低温領域には、前記低温領域内で対流による熱伝達が起こることを抑制する対流防止板を備える;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の断熱構造体。
  5. 前記対流防止板はベローズ状に形成され、前記低温側壁側に配置される前記ベローズ状の波のそれぞれの頂上、および前記隔壁側に配置される前記ベローズ状の波のそれぞれの頂上が、前記低温側壁および前記隔壁のそれぞれから1mm以下の間隔を隔てて配置される;
    請求項4に記載の断熱構造体。
  6. 600〜800℃で排ガスを処理する反応槽と;
    前記反応槽を取り囲むように設置され、前記反応槽から外部へ伝わる熱を断熱し伝熱を抑制する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の断熱構造体とを備える;
    排ガス処理装置。
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