JP2010089612A - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次衝突における底着衝撃荷重を低減し、運転者の身体に加わる衝撃をより緩和する衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供する。
【解決手段】車体側に固定される固定ブラケット1と、固定ブラケット1と摺動可能なスキッドブラケット2を備え、固定ブラケット1とスキッドブラケット2の摺動により二次衝突時の衝撃を吸収する衝撃吸収式ステアリングコラム装置10であって、固定ブラケット1とスキッドブラケット2の摺動面に摺動抵抗力の異なる少なくとも2以上の摺動溝41a、41bを備え、ストロークの途中で、摺動抵抗力が大きくなるように変化する。
【選択図】図4

Description

自動車の衝突時には、自動車が他の自動車や建造物等と衝突する、所謂一次衝突に続いて、運転者が慣性でステアリングホイールに衝突する、所謂二次衝突が発生する。
そこで、この二次衝突の際に、運転者が受ける衝撃を少なく抑え、運転者の生命保護を図るべく、衝撃吸収式ステアリングシャフトや衝撃吸収式ステアリングコラム装置が広く採用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
この様な衝撃吸収式ステアリングコラム装置としては、例えば、図16及び図17に示すようなステアリングコラム101が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ステアリングコラム101は、コラムチューブ102の上部(図16中、右方)に鋼板製のアッパブラケット106を溶接接合し、同下部(図16中、左方)に鋼板製のカプラ114を溶接接合することにより製作されている。
アッパブラケット106は、樹脂ピンを介して車体103にボルト締めされた左右一対のアルミ製カプセル107に固着されている。また、カプラ114はボルト112とワッシャ113とを介して、車体103にボルト締めされた鋼板製のロアブラケット(支持ブラケット)108に所定の摩擦力で固着されている。ボルト112が螺合するウェルドナット118は、カプラ114に固着されている。
ロアブラケット108には、図17に示したように、下方に向けて係止片109が形成されており、この係止片109には左右一対の係止部110,110が設けられている。
一方、カプラ114には、両側壁前端に貫通孔117が穿設されており、これら貫通孔117に鋼製の可動ピン120が挿通・接合されている。また、カプラ114の後端には、内側に向けて一対の保持片115が形成されており、これら保持片115にはそれぞれ保持孔116が穿設されている。
そして、ロアブラケット108とステアリングコラム101との間に装着されるワイヤ121は、図17に示したように、可塑性を有する鋼線材(金属線)を中央でコ字形状に曲げ形成した基部122と、この基部122と一体に結合された左右一対の変形部123,123とを備える。
ワイヤ121は、図16に示すように、係止片109から前方に向けて延設された後、その途中に形成した折り返し部124を可動ピン120の前面側周囲に配して、この可動ピン120の後方に向けて折り返され、先端部が保持孔115を挿通するよう組み込まれる。
そこで、車両の衝突に伴って運転者がステアリングホイール(図示せず)に二次衝突すると、ステアリングコラム101にはステアリングシャフト105を介して大きな衝撃荷重が作用する。
すると、アッパブラケット106とアルミ製カプセル107とが分離すると共に、カプラ114及びボルト112、ワッシャ113もロアブラケット108との間の摩擦力に打ち勝ってU字状切欠111から前方に抜け出し、ステアリングコラム101が車体103から分離する。
そして、車体103から分離したステアリングコラム101が、斜め前方(図16中、矢印方向)に移動すると、ワイヤ121の基部122がロアブラケット108の係止片109に係止されるので、変形部123が可動ピン120に順次巻回されるかたちでしごかれ、塑性変形することによる衝撃エネルギーの吸収を行う。
この際、ワイヤ121の素材が鋼線材であるため、ステアリングコラム101の移動方向等が若干ずれても容易に撓むことができると共に、該ワイヤ121がカプラ114内に設置されているため、ステアリングコラム101が車体103から離脱して移動するしごき時には変形部123の起き上がりを防止し、しごき荷重を安定させることができる。
この結果、運転者の身体に加わる衝撃が緩和され、運転者の保護が図られる。
特開平11−165643号公報 特許第3738200号公報 特許第3174266号公報
ここで、一般的に二次衝突における衝撃荷重は衝撃吸収ストロークの関数であるが、衝撃荷重がストロークに対して一定の大きさになっていると、図18に示すようにストロークの終端で発生する衝撃荷重の最大値(以下、本明細書において底着衝撃荷重と呼ぶ。)が大きくなるという問題があった。
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、二次衝突における底着衝撃荷重を低減し、運転者の身体に加わる衝撃をより緩和する衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)車体側に固定される第1部材と、前記第1部材と摺動可能な第2部材を備え、前記第1及び第2部材の摺動により二次衝突時の衝撃を吸収する衝撃吸収式ステアリングコラム装置であって、
前記第1及び第2部材の摺動面に摺動抵抗力の異なる少なくとも2以上の摺動部を備え、
衝撃吸収ストロークの途中で、摺動抵抗力が大きくなるように変化することを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
(2)前記少なくとも2以上の摺動部は摺動面に形成された溝の溝幅が異なることを特徴とする(1)に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
(3)前記少なくとも2以上の摺動部は剛性が異なることを特徴とする(1)に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
(4)前記少なくとも2以上の摺動部は表面テクスチャー又は表面形状が異なることを特徴とする(1)に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置によれば、相対摺動する第1及び第2部材の摺動面に摺動抵抗力の異なる少なくとも2以上の摺動部を備えるので、衝撃吸収ストロークの途中で衝撃荷重を変化させることができ、これにより底着衝撃荷重を低減させることができる。
以下、本発明の各実施形態に係るチルト・テレスコピック式のステアリングコラム装置を図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施の第1実施形態に係るステアリングコラム装置の斜視図、図2は本実施の第1実施形態に係るステアリングコラム装置の分解斜視図、図3は、図1のIII−III線の断面図である。
本第1実施形態に係るステアリングコラム装置10は、固定ブラケット1、スキッドブラケット2及び不図示のステアリング軸を支持するコラムハウジング3を主な構成要素として構成され、車両に斜め前方に傾いて固定される。
固定ブラケット1は、図3に示すように、車体VBに対してボルトBTにより固定され、その車両前方側(図1で奥側)に一対のアーム部1a、1aを有している。更に、固定ブラケット1の端部下面1b、1cにそれぞれ接続するようにして、同じ方向に傾いた一対の斜面1d、1eが形成されている。固定ブラケット1の下方には、後述するようにしてスキッドブラケット2が取り付けられている。
固定ブラケット1の下面1gには、後述する衝撃力吸収機構20を構成する複数本の摺動溝41が固定ブラケット1の長手方向(車両の前後方向)に沿って左右方向(車両の幅方向)に等間隔で形成されている。
図1、2に示すように、スキッドブラケット2は、天板2aの両側縁に支持板2b、2bをそれぞれ取り付けた、逆Uの字断面形状を有する。支持板2b、2bの上部外側には、対向する方向に延在する張り出し部2c、2cが形成されている。張り出し部2cは、一つの支持板2bに対して2つ設けられ、後述するコラムハウジング3の軸線方向に見て略直角三角形状を有しており、且つ重合している。又、支持板2b、2bには、上下に延在する長穴状のチルト孔2d、2dがそれぞれ形成されている。
また、スキッドブラケット2の上面2eには、後述する衝撃力吸収機構20を構成する複数本の摺動突起43が、固定ブラケット1の下面1gに形成された摺動溝41に対応して形成され、固定ブラケット1の下面1gとスキッドブラケット2の上面2eにより摺動面40を構成し、摺動突起43と摺動溝41により摺動部を構成する。
固定ブラケット1に内包されるようにして、円筒状のコラムハウジング3が配置されている。コラムハウジング3の車両前方側には、取り付け部3aが形成されており、取り付け部3aは、固定ブラケット1のアーム部1a、1aにボルトLBT、LBTを介して取り付けられている。更に、コラムハウジング3の下方には、軸線方向に延在する長穴状のテレスコ孔3bが形成されている。コラムハウジング3内には、不図示のステアリングホイール(図1で手前側)を取り付けた不図示のステアリングシャフトが不図示のベアリングにより回転自在に支持されている。なお、コラムハウジング3は軸線方向に縮長自在な構成となっている。
図2において、押圧部材としての台形柱状の固定駒7は、長手方向に延在し且つ上方に向かうにつれて互いに接近する一対のテーパ面7a、7aと、テーパ面7a、7aの間に形成されたボルト孔7b、7bとを有している。
ここで、スキッドブラケット2の固定ブラケット1に対する取付態様を説明する。
図3で左側の張り出し部2cを、固定ブラケット1の端部下面1bと斜面1dとで形成される楔状空間に、アングル状に折り曲げた2枚の薄い摩擦板8、8を介在させつつはめ込む。このとき、右側の張り出し部2cと、固定ブラケット1の端部下面1c及び斜面1eとで形成される空間は、図3の方向に見て台形状となる。そこで、図3で右側の張り出し部2cに、アングル状に折り曲げた2枚の薄い摩擦板8、8を巻き付けた状態で、かかる台形状空間に、固定駒7をはめ込むようにすると、そのテーパ面7aの一方は、摩擦板8,8を介して張り出し部2cの下面に当接し、テーパ面7aの他方は、斜面1eに当接する。この状態で、ボルト孔7b、7bにボルトBT、BTを挿通し、固定ブラケット1のねじ孔1f、1fに螺合させることで、スキッドブラケット2は固定ブラケット1に取り付けられる。その後、不図示のレバーにより回転駆動されるレバーシャフト4を、チルト孔2b、テレスコ孔3b、チルト孔2b、カム部材5を挿通し、ナット6に螺合させる。
調整手段であるボルトBT、BTを締め付けると、固定駒7が固定ブラケット1に向かって接近するので、そのテーパ面7a、7aが、張り出し部2cの下面と斜面1eとを強い力で押圧する。このとき、斜面1eからの反力により固定駒7が水平方向に押され、それにより張り出し部2cの下面が強く押圧されるようになるので、両者間に高い摩擦力が発生し、固定ブラケット1に対してスキッドブラケット2を高い剛性で支持することができる。従って、運転者は、高い剛性で支持されたステアリングホイールを操作することができ、良好なドライブフィーリングを得ることができる。
次に、ステアリングコラム装置10のテレスコ・チルト調整機構について説明する。操作者が不図示のレバーを正方向に回すと、レバーシャフト4が一体的に回転する。レバーシャフト4が回転すると、カム部材5が同時に回転する。カム部材5が正方向に回転すると、レバーシャフト4の軸力がゆるむので、コラムハウジング3と、スキッドブラケット2の支持板2b、2bとの面圧が低下し、両者は相対移動が可能となる。
かかる状態で、レバーシャフト4の位置を、チルト孔2d、2d及びテレスコ孔3bに対して相対的に変位させることで、テレスコ・チルト調整を行うことができる。このとき、コラムハウジング3の取り付け部3aと、固定ブラケット1のアーム部1a、1aとを連結するボルトLBT、LBTの軸線を中心として、コラムハウジング3はチルト移動することとなる。
次に、本発明のステアリングコラム装置の衝撃吸収機構について説明する。
衝撃吸収機構20は、固定ブラケット1の下面1gに形成された摺動溝41と、固定ブラケット1の下面1gに対向して配置されたスキッドブラケット2の上面2eに形成された摺動突起43により構成される。
複数本の摺動溝41は固定ブラケット1の長手方向略中央部でその溝幅が小さくなる。図4は、固定ブラケット1の下面1gを図中上向きにして示す衝撃吸収機構の部分斜視図であり、図5は、摺動部の模式図である。図4及び図5に示すように、摺動溝41の後方側溝部41aにおける溝幅d1、前方側溝部41bにおける溝幅d2とすると、d1>d2となるように構成され、スキッドブラケット2の移動方向に後方から前方に向かって溝幅が縮小する。
スキッドブラケット2の上面2eに形成された摺動突起43は、後方側溝部41aの溝幅d1と略等しい若しくは僅かに小さく、後方側溝部41aを構成する側壁と摺動抵抗が作用するように設定されている。
このように構成された本発明のステアリングコラム装置10によれば、二次衝突時に、運転者の身体が衝突したステアリングホイールからステアリングシャフトを介して、図1に示す方向Aに沿って衝撃力が入力されたとき、コラムハウジング3は強い力で車両前方側に押されることとなる。本実施の形態によれば、この際の衝撃力が所定値以上となると摩擦力にうち勝つため、スキッドブラケット2の張り出し部2c、2cが、ステアリングシャフトの軸線に略平行な固定ブラケットの端部下面1c、1b及び斜面1d、固定駒7の片側斜面7aに対して案内されつつ滑動を始める。このとき、コラムハウジング3は伸縮機構により縮長するので、スキッドブラケット2の移動を妨げることはない。摩擦力を調整する手段である摩擦部材8は、所定の摩擦係数を有するコーティングなどを表面に施しているので、スキッドブラケット2の安定した滑動が行えるようになっている。なお、摩擦部材8を設けることなく、張り出し部2c、2cを、固定ブラケットの端部下面1c、1b及び斜面1d、固定駒7の片側斜面7aに対して直接当接させるようにしても良い。
また、固定駒7をボルトBT、BTを用いて固定ブラケット1に取り付けているので、ボルトBT、BTの締め付け力を調整することによって、スキッドブラケット2の滑り出しを開始する衝撃力を任意に設定することができる。
スキッドブラケット2が滑り出しを開始すると、固定ブラケット1とスキッドブラケット2との摺動面40において、スキッドブラケット2の上面2eに形成された摺動突起43が、固定ブラケット1の下面1gに形成された摺動溝41内を移動する。摺動溝41は摺動突起43の移動方向中途部で溝幅が縮小するため、前方側溝部41bにおける摺動抵抗力が後方側溝部41aにおける摺動抵抗力よりも大きく構成される。
図6に示すように、始めに、摺動突起43は後方側溝部41aの壁部に摺接しながら後方側溝部41a内を移動し、続いて、前方側溝部41bの壁部に摺接しながら前方側溝部41b内を移動し、これらの後方側溝部41aと前方側溝部41bの摺動抵抗力により衝撃エネルギが吸収される。
図7は、第1実施形態における衝撃吸収特性を示すグラフである。スキッドブラケット2の移動に伴って、ストロークの初期段階で後方側溝部41aにより衝撃エネルギの吸収がなされ、続いて後方側溝部41aより摺動抵抗力の大きい前方側溝部41bにより、より大きな衝撃エネルギの吸収がなされ、これら後方側溝部41aと前方側溝部41bとにより衝撃荷重はストロークの途中で2段階に変化し、その結果、底着衝撃荷重が低減することが示されている。
このように、第1実施形態では、摺動突起43と摺動抵抗力の異なる後方側溝部41aと前方側溝部41bからなる摺動溝41を設けたので、図16及び図17に記載の従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置101に比べて底着衝撃荷重が低減させることができる。また、後方側溝部41aと前方側溝部41bの距離を変更することで、衝撃エネルギの吸収ストロークが任意に設定できる。
さらに、図5の点線で囲まれた領域Aにおいて、摺動溝41の表面を樹脂コーティングなどで柔らかくすることにより、二次衝突時にスキッドブラケット2がスムースに摺動し始めることができる。
図8には、第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の変形例として、衝撃エネルギ吸収手段の模式図を示す。
本変形例においては、摺動溝51が摺動突起43の移動方向において後方側溝部51a、中間溝部51b、前方側溝部51cから形成される。それぞれの溝幅をd3、d4、d5とすると、d3>d4>d5となるように構成され、後方側から前方側に溝幅が縮小する。従って、摺動溝51における摺動抵抗は後方側溝部51aから中間溝部51b、前方側溝部51cと順に大きくなっている。
図9は、本変形例における衝撃吸収特性を示すグラフである。スキッドブラケット2の移動に伴って、ストロークの初期段階で後方側溝部51aにより衝撃エネルギの吸収がなされ、続いて後方側溝部51aより摺動抵抗力の大きい中間溝部51bにより、より大きな衝撃エネルギの吸収がなされ、さらに中間溝部51bより摺動抵抗力の大きい前方側溝部51cにより、さらに大きな衝撃エルギの吸収がなされる。これら後方側溝部51a、中間溝部51b、前方側溝部51cにより、図9に示すように、衝撃荷重はストロークの途中で3段階に変化し、その結果、底着衝撃荷重が低減することが示されている。
本変形例においては、溝幅の異なる3つの摺動部を設けたが、4つ以上の摺動部を設けてもよく、また、摺動抵抗力を異ならせる方法として、溝幅を変えることに限らず、溝の剛性を変えたり、表面粗さ等の表面テクスチャーを変えたり、表面形状を変えてもよい。
次に、本発明の第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置について説明する。
図10は、本実施の第2実施形態に係るステアリングコラム装置の断面図である。
本実施の形態では、図10に示すように、ステアリングシャフト11は、ステアリングコラム12に軸受13と軸受14とにより回転自在に支持してある筒状のアッパーシャフト11aと、この筒状のアッパーシャフト11aに対してスプライン嵌合等により摺動自在に設けた中軸のロアーシャフト11bとから構成してある。従って、テレスコピック摺動時には、ステアリングコラム12とアッパーシャフト11aとが軸受13、14と共に一体的に軸方向に移動することができる。
ステアリングコラム12は不図示の支持ブラケットにより車体側に固定されたコラムハウジング15にその一部が収容され、コラムハウジング15の内周面と、ステアリングコラム12の外周面との間に、筒状の鉄製のブッシュ16が嵌合してある。
具体的には、コラムハウジング15の内周面に、筒状の鉄製のブッシュ16が嵌め込んであり、ブッシュ16は、コラムハウジング15の端部で加締め等により折り返した鍔部16aを有している。また、本実施形態において衝撃吸収機構20は摺動可能なステアリングコラム12とブッシュ16により構成され、ステアリングコラム12の外周面12aとブッシュ16の内周面16bにより摺動面80が構成される。この鍔部16aは、コラムハウジング15の端縁に係合することにより、ブッシュ16がもぐり込むことを防止する。
本実施形態では、ステアリングコラム12の外周面12aに、図11に示すように、摩擦係数の異なる2つの摺動部が設けられており、前方側摺動部81aの摩擦係数をμ1、後方側摺動部81bの摩擦係数をμ2とすると、μ1<μ2となるように構成される。
以下、第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置10Aの作用を説明する。車両の衝突に伴って運転者がステアリングホイールに二次衝突すると、ステアリングコラム12にはステアリングシャフト11を介して大きな衝撃荷重が作用し、ステアリングコラム12はブッシュ16に対し相対移動する。
このとき、摺動面80において、ステアリングコラム12の外周面12aのうち、最初に前方側摺動部81aがブッシュ16の内周面16bに摺動し、続いて前方側摺動部81aより摩擦係数の大きい後方側摺動部81bもブッシュ16の内周面16bに摺動し、これらの前方側摺動部81aと後方側摺動部81bの摺動抵抗力により衝撃エネルギが吸収される。
図12は、第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置における衝撃吸収特性を示すグラフである。ステアリングコラム12の移動に伴って、ストロークの初期段階で前方側摺動部81aにより衝撃エネルギの吸収がなされ、続いて前方側摺動部81aより摺動抵抗力の大きい後方側摺動部81bにより、より大きな衝撃エネルギの吸収がなされ、これら前方側摺動部81aと後方側摺動部81bとにより衝撃荷重はストロークの途中で2段階に変化し、その結果、底着衝撃荷重が低減することが示されている。
このように、第2実施形態では、ステアリングコラム12の外周面12aの摩擦係数を変えることにより摺動抵抗力の異なる前方側摺動部81aと後方側摺動部81bを設けたので、図16及び図17に記載の従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置101に比べて底着衝撃荷重が低減させることができる。また、前方側摺動部81aと後方側摺動部81bの長さを変更することで、衝撃エネルギの吸収ストロークが任意に設定できる。なお、ブッシュ16の内周面16bの摩擦係数を変えることにより摺動抵抗力の異なる摺動部を形成してもよい。
図13には、第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第1変形例として、衝撃エネルギ吸収手段の模式図を示す。
本変形例においては、摺動部が前方側摺動部82a、中間摺動部82b、後方側摺動部82cから形成される。それぞれの摩擦係数をμ3、μ4、μ5とすると、μ3<μ4<μ5となるように摩擦係数が増加する。従って、摺動部82における摺動抵抗は前方側摺動部82aから中間摺動部82b、後方側摺動部82cと大きくなっている。
図14は、本変形例における衝撃吸収特性を示すグラフである。ステアリングコラム12の移動に伴って、ストロークの初期段階で下部摺動部82aにより衝撃エネルギの吸収がなされ、続いて下部摺動部82aより摺動抵抗力の大きい中間摺動部82bにより、より大きな衝撃エネルギの吸収がなされ、さらに中間摺動部82bより摺動抵抗力の大きい後方側摺動部82cにより、さらに大きな衝撃エルギの吸収がなされる。これら下部摺動部82a、中間摺動部82b、後方側摺動部82cにより、図14に示すように、衝撃荷重はストロークの途中で3段階に変化し、その結果、底着衝撃荷重が低減することが示されている。
本変形例においては、摩擦係数の異なる3つの摺動部を設けたが、4つ以上の摺動部を設けてもよく、また、摺動抵抗力を異ならせる方法として、摩擦係数を変えることに限らず、溝の剛性を変えたり、表面粗さ等の表面テクスチャーを変えたり、表面形状を変えてもよい。
図15には、第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置10Aの第2変形例として、後方側摺動部81bに変えて、ステアリングコラム12の外周面12aの上部側に摺動により塑性変形する凹凸形状を有する塑性変形部81b’を形成してもよい。また、スプライン、ローレット目転写等他の形状を採用することもできる。
尚、本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置は上記各実施形態における衝撃吸収式ステアリングコラム装置10、10Aの構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは云うまでもない。
本発明の第1実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の斜視図である。 図1における衝撃吸収式ステアリングコラム装置の分解斜視図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1における衝撃吸収式ステアリングコラム装置の固定ブラケットの下面を図中上向きにして示す衝撃吸収機構の部分斜視図である。 図1の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を構成する摺動部の模式図である。 図1の衝撃吸収式ステアリングコラム装置による衝撃吸収を説明する説明図であり、(a)は摺動突起が後方側溝部にある状態、(b)は摺動突起が前方側溝部にある状態である。 図1の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の衝撃吸収特性を示すグラフである。 第1実施形態の変形例の摺動部の模式図である。 図8の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の衝撃吸収特性を示すグラフである。 本発明の第2実施形態の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の断面図である。 図10の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を構成する摺動部の模式図である。 図10の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の衝撃吸収特性を示すグラフである。 第2実施形態の第1変形例の摺動部の模式図である。 図13の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の衝撃吸収特性を示すグラフである。 第2実施形態の第2変形例の摺動部の模式図である。 特許文献1に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の側面図である。 図16における衝撃エネルギ吸収手段の要部分解斜視図である。 図16の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の衝撃吸収特性を示すグラフである。
符号の説明
1 固定ブラケット(第1部材)
2 スキッドブラケット(第2部材)
3 コラムハウジング
10、10A 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
12 ステアリングコラム(第2部材)
16 ブッシュ(第1部材)
20 衝撃吸収機構
40、80 摺動面
41、51 摺動溝
43 摺動突起

Claims (4)

  1. 車体側に固定される第1部材と、前記第1部材と摺動可能な第2部材を備え、前記第1及び第2部材の摺動により二次衝突時の衝撃を吸収する衝撃吸収式ステアリングコラム装置であって、
    前記第1及び第2部材の摺動面に摺動抵抗力の異なる少なくとも2以上の摺動部を備え、
    衝撃吸収ストロークの途中で、摺動抵抗力が大きくなるように変化することを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  2. 前記少なくとも2以上の摺動部は摺動面に形成された溝の溝幅が異なることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  3. 前記少なくとも2以上の摺動部は剛性が異なることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  4. 前記少なくとも2以上の摺動部は表面テクスチャー又は表面形状が異なることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
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