JP2010084384A - 鋼矢板及び鋼矢板遮水壁、並びに止水ゴムの損傷推定方法 - Google Patents

鋼矢板及び鋼矢板遮水壁、並びに止水ゴムの損傷推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 一対の鋼矢板の継手部間における止水の信頼性を低下させることなく、鋼矢板のポケット溝に嵌挿された止水ゴムにおける損傷の有無を簡単に推定する。
【解決手段】鋼矢板10を地盤に打設する際に、外部荷重が止水ゴム28に作用すると、この外部荷重が被覆電線30にも作用するので、一定以上の外部荷重が止水ゴム28及び被覆電線30に作用し、止水ゴム28及び被覆電線30の被覆部に損傷が生じると、被覆電線30の導線部が地盤中に含まれる水を通して鋼矢板10と電気的に導通する。この結果、地盤中で被覆電線30に損傷が生じたときに、被覆電線30の導電端子部と鋼矢板10との間の電気抵抗を測定すれば、被覆電線30に損傷が生じていないときと比較し、導電端子部38と鋼矢板との間における電気抵抗が小さいものになり、止水ゴム28に損傷が発生したことを推定できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、他の鋼矢板の継手部と連結可能とされた継手部と、この継手部に形成され、止水ゴムが嵌挿されるポケット溝とを有する鋼矢板に関する。
また本発明は、他の鋼矢板の継手部と連結可能とされた継手部と、この継手部に形成されたポケット溝と、を有する鋼矢板が複数枚、用いられて構築された鋼矢板遮水壁に関する。
さらに本発明は、他の鋼矢板の継手部と連結可能とされた継手部と、この継手部に形成されたポケット溝とを有する鋼矢板が地盤中に埋設された状態で、鋼矢板のポケット溝に嵌挿された止水ゴムの損傷の有無を推定するための止水ゴムの損傷推定方法に関する。
鋼矢板は、その幅方向の両端側それぞれに設けられた継手部を他の鋼矢板の継手部に嵌合させ、他の鋼矢板に連結することにより、高い耐久性を有する壁体を形成できる。このような複数枚の鋼矢板からなる壁体を汚染水等の拡散を防止する遮水壁として用いる場合には、遮水壁に対して極めて高い止水性が求められる。このような高い止水性を発揮できる鋼矢板としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。
特許文献1に記載された鋼矢板は、細長いプレート状のウェブ部と、このウェブ部の幅方向に沿った一端側及び他端側にそれぞれ設けられたフランジ部と、フランジ部の先端部に形成されたラルゼン型の継手部と、この継手部の内面側に形成されたポケット溝と、を有している。この鋼矢板を用いて遮水壁を構築する際には、例えば、遮水壁を構成する複数枚の鋼矢板の各ポケット溝に水膨張性を有する棒状の止水ゴムをそれぞれ嵌挿した後、複数枚の鋼矢板を順次地盤中に打設する。この際、鋼矢板(後続鋼矢板)の継手部を、既に地盤中に打設された他の鋼矢板(先行鋼矢板)の継手部に嵌合させつつ、後続鋼矢板を地盤中に打設し、後続鋼矢板を先行鋼矢板に連結する。このようにして構築された遮水壁では、各鋼矢板の止水ゴムが地盤中の水分を吸収して膨張することにより、膨張した止水ゴムにより継手部間の隙間が閉塞されて、継手部間の止水性が確保される。
ところで、特許文献1に記載されたような鋼矢板では、地盤中への打設時に地盤を構成する石、土砂等との摩擦により止水ゴムが損傷する懸念がある。
上記のような止水ゴムの損傷の有無を判断できる遮水壁としては、特許文献2に記載されたものが知られている。この特許文献2記載の遮水壁では、複数枚の鋼矢板を地盤中に打設する際に、互いに嵌合する継手部間における一端側(処分場内側)には水膨潤性止水ゴム等の止水材を配置しておくが、他端側(処分場外側)には止水材を配置せず、その部分を鋼矢板の長手方向へ連通する空隙部として残しておく。これにより、継手部間の空隙部における水の有無を検出し、又は空隙部に溜まった水を回収し、その水に含まれる特定成分を分析することで、止水材の損傷等に起因する止水性の低下を推定できる。
特開2003−160929号公報 特開2003−82655号公報
しかしながら、特許文献2記載の遮水壁では、互いに嵌合する継手部間(隙間)における一端側(処分場内側)にのみ止水材が配置され、他端側(処分場外側)が空隙部のままになっているので、継手部間における一端側及び他端側をそれぞれ止水ゴムにより止水する場合と比較し、継手部間の隙間に対する止水ゴムの充填率が低下する。このため、特許文献2記載の遮水壁は、継手部間における止水の信頼性の面からは不利になることがある。また継手部間の空隙部に土砂等が浸入した場合には、この土砂等を空隙部から排除しなければ、空隙部における水の有無を検出し、又は空隙部から水を回収できないので、継手部間における止水性低下を推定するための作業が非常に煩雑なものになる。
本発明の目的は、上記事実を考慮し、一対の継手部間における止水の信頼性を低下させることなく、ポケット溝に嵌挿された止水ゴムにおける損傷の有無を簡単に推定できる鋼矢板及び、この鋼矢板を用いて構築された鋼矢板遮水壁を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上記事実を考慮し、一対の鋼矢板の継手部間における止水の信頼性を低下させることなく、鋼矢板のポケット溝に嵌挿された止水ゴムにおける損傷の有無を簡単に推定できる止水ゴムの損傷推定方法を提供することにある。
本発明の請求項1に係る鋼矢板は、プレート状のウェブ部と、前記ウェブ部の側端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の先端部に形成されたラルゼン型の継手部と、前記継手部に形成されたポケット溝と、を有する鋼矢板であって、水と反応して体積が膨張する水膨張性ゴムにより形成され、前記ポケット溝に嵌挿されて、前記継手部と該継手部に嵌合する他の鋼矢板の継手部との間を止水する止水ゴムと、前記止水ゴムと共に前記ポケット溝へ挿入され、先端部が絶縁状態とされると共に、基端側に電気抵抗測定用の導電端子部が設けられた被覆電線と、を有することを特徴とする。
上記請求項1に係る鋼矢板では、鋼矢板の継手部に形成されたポケット溝に止水ゴムと共に被覆電線が挿入され、この被覆電線の先端部が絶縁状態とされると共に、被覆電線の基端側に電気抵抗測定用の導電端子部が設けられていることにより、鋼矢板を地盤中に打設する際に、又は鋼矢板が地盤中に打設された状態で、ポケット溝に嵌挿された止水ゴムに外部から荷重が作用すると、この荷重が直接に又は、止水ゴムを介して間接的に被覆電線にも作用するので、外部荷重により止水ゴムに変形が生じた場合には、この止水ゴムと共に被覆電線にも変形が生じる。
この際、一定以上の外部荷重が被覆電線に作用し、被覆電線における被覆部に破断、亀裂等の損傷が生じて、中心部にある導線部が露出すると、この導線部が地盤中に含まれる水を通して金属製の鋼矢板と電気的に導通し、又は導線部と鋼矢板との間の電気抵抗が低下する。
この結果、地盤中で被覆電線に損傷が生じたときに、地表で被覆電線の導電端子部と鋼矢板との間の電気抵抗を測定すれば、被覆電線に損傷が生じていないときと比較し、導電端子部と鋼矢板との間における絶縁抵抗(電気抵抗)が小さいものになる。
このとき、地表で被覆電線の導電端子部と金属製の鋼矢板との間の電気抵抗を測定すれば、その測定値に基づいて被覆電線の損傷の有無を判断できるので、その判断に基づいて止水ゴムに損傷が発生しているか否かを精度良く推定できる。
さらに請求項1に係る鋼矢板では、止水ゴムを、水と反応して体積が膨張する水膨張性ゴムにより形成したことにより、鋼矢板が地盤中に打設された後に、ポケット溝に嵌挿された止水ゴムにより地盤中に含まれる水を吸収させ、止水ゴムを膨張させることができる。
この結果、鋼矢板を地盤中に打設する際には、止水ゴムをポケット溝内に収納して、止水ゴムが地盤(地盤構成物)や他の鋼矢板の継手部との摩擦により損傷することを効果的に抑制でき、また鋼矢板を地盤中に打設した後には、止水ゴムをポケット溝内から継手部間の隙間へ膨張させ、この隙間を止水ゴムにより確実にシール(止水)できる。
また請求項1に係る鋼矢板では、互いに嵌合する一対の鋼矢板の継手部にそれぞれ止水ゴムが配置され、これら2個の止水ゴムにより一対の継手部間の隙間が止水されることから、一対の継手部間の隙間を1個の止水材により止水する場合と比較し、高い止水性及び信頼性を得られる。
また請求項2に係る鋼矢板は、請求項1記載の鋼矢板において、前記被覆電線は、前記止水ゴムの外周面と前記ポケット溝の内面部との間に挟持されて、前記止水ゴムの外周面に密着している。
上記請求項2に係る鋼矢板では、被覆電線を止水ゴムの外周面とポケット溝の内面部との間に挟持し、止水ゴムの外周面に密着させることにより、鋼矢板を地盤中に打設する際、又は鋼矢板が地盤中に打設された状態で、被覆電線に外部から荷重が作用しても、被覆電線がポケット溝内から脱落することを防止できると共に、止水ゴムに外部から荷重が作用したときには、止水ゴムと被覆電線との摩擦抵抗を介して、ポケット溝に嵌挿された止水ゴムに作用した外部荷重を被覆電線に伝達できる。
また請求項3に係る鋼矢板は、請求項1記載の鋼矢板において、前記被覆電線は、前記止水ゴムの外周面に接着されていることを特徴とする。
上記請求項3に係る鋼矢板では、被覆電線をポケット溝に嵌挿された止水ゴムの外周面に接着することにより、鋼矢板を地盤中に打設する際、又は鋼矢板が地盤中に打設された状態で、被覆電線に外部から荷重が作用しても、被覆電線が止水ゴムから分離することを確実に防止できると共に、止水ゴムに外部から荷重が作用したときには、被覆電線と止水ゴムとの間に生じた接着力を介して、止水ゴムに作用した外部荷重を被覆電線に確実に伝達できる。
また請求項4に係る鋼矢板は、請求項1記載の鋼矢板において、前記被覆電線は、前記止水ゴムの内部にインサートされて、該止水ゴムの一部として複合化されていることを特徴とする。
上記請求項4に係る鋼矢板では、被覆電線を止水ゴムの内部にインサートして、この止水ゴムの一部として複合化したことにより、鋼矢板を地盤中に打設する際、又は鋼矢板が地盤中に打設された状態で、被覆電線に外部から荷重が作用しても、止水ゴムから被覆電線が離脱することを確実に防止できると共に、ポケット溝に嵌挿された止水ゴムに外部から荷重が作用したときには、この外部荷重を殆ど損失させることなく被覆電線に確実に伝達できる。
また、本発明の請求項5に係る鋼矢板遮水壁は、複数枚の鋼矢板を有し、隣接する鋼矢板の継手部同士が連結されて構築された鋼矢板遮水壁であって、前記鋼矢板として、請求項1乃至4の何れか1項記載の鋼矢板を用いたことを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る止水ゴムの損傷推定方法は、プレート状のウェブ部と、前記ウェブ部の側端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の先端部に形成されたラルゼン型の継手部と、前記継手部に形成されたポケット溝と、を有する鋼矢板に用いられる止水ゴムの損傷推定方法であって、前記ポケット溝に、前記継手部と該継手部に嵌合する他の鋼矢板の継手部との間を止水するための止水ゴムを嵌挿すると共に、先端部が絶縁状態とされ且つ基端側に電気抵抗測定用の導電端子部が設けられた被覆電線を挿入する装着工程と、互いに隣接する一対の鋼矢板の継手部同士を互いに嵌合させつつ、複数枚の鋼矢板を順次地盤中に打設した後、損傷推定の対象となる止水ゴムが装着された鋼矢板と前記止水ゴムと共に前記ポケット溝に挿入された被覆電線の導電端子部との間の電気抵抗を測定する測定工程と、前記測定工程にて測定された電気抵抗が予め設定された閾値未満であると、損傷推定の対象となる止水ゴムの損傷発生を推定する推定工程と、を有することを特徴とする。
上記請求項6に係る止水ゴムの損傷推定方法では、測定工程にて、複数枚の鋼矢板を順次地盤中に打設した後、損傷推定の対象となる止水ゴムが装着された鋼矢板と被覆電線の導電端子部との間の電気抵抗を測定し、この電気抵抗が予め設定された閾値未満であると、損傷推定の対象となる止水ゴムの損傷発生を推定することにより、地表で鋼矢板と被覆電線の導電端子部との間の電気抵抗を測定し、測定値と閾値とを比較すれば、止水ゴムの損傷発生の有無を精度良く推定できる。
このとき、例えば、予め地盤中で被覆電線に損傷が生じたときの電気抵抗と被覆電線に損傷が生じていないときの電気抵抗とを測定しておけば、これらの電気抵抗間の中間値を閾値として設定できる。
また請求項7に係る止水ゴムの損傷推定方法は、請求項6記載の止水ゴムの損傷推定方法において、前記装着工程では、被覆電線を鋼矢板のポケット溝に挿入した後、該ポケット溝に止水ゴムを嵌挿して、被覆電線を止水ゴムの外周面とポケット溝の内面部との間に挟持すると共に、止水ゴムを被覆電線に密着させることを特徴とする。
また請求項8に係る止水ゴムの損傷推定方法は、請求項6記載の止水ゴムの損傷推定方法において、前記装着工程では、止水ゴム及び、該止水ゴムの外周面に接着された被覆電線を前記ポケット溝に嵌挿することを特徴とする。
また請求項9に係る止水ゴムの損傷推定方法は、請求項6記載の止水ゴムの損傷推定方法において、前記装着工程では、止水ゴム及び、該止水ゴムの内部にインサートされて、止水ゴムの一部として複合化された被覆電線を前記ポケット溝に嵌挿することを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係る鋼矢板及び鋼矢板遮水壁によれば、一対の継手部間における止水の信頼性を低下させることなく、ポケット溝に嵌挿された止水ゴムにおける損傷の有無を簡単に推定できる。
さらに、本発明に係る止水ゴムの損傷推定方法によれば、一対の鋼矢板の継手部間における止水の信頼性を低下させることなく、鋼矢板のポケット溝に嵌挿された止水ゴムにおける損傷の有無を簡単に推定できる。
以下、本発明の実施形態に係る鋼矢板、鋼矢板遮水壁及び鋼矢板に用いられる止水ゴムの損傷推定方法について図面を参照して説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る鋼矢板が示され、図2には本発明の実施形態に係る鋼矢板の継手部が拡大されて示されている。
本実施形態に係る鋼矢板10は、図1に示されるように、全体として一方向へ細長いプレート状に形成されており、略U字状の断面形状を有している。鋼矢板10には、幅方向(矢印W方向)中央部に長手方向(図1(B)の矢印L方向)に沿って細長く、一定の幅を有する平板状のウェブ部12が全長に亘って形成されると共に、このウェブ部12における幅方向の一端部及び他端部からそれぞれ斜め方向へ屈曲されたフランジ部14が形成されている。一対のフランジ部14は、それぞれ幅方向Wに沿って外側へ広がるテーパ状に形成されており、ウェブ部12の幅方向中心に対して互いに対称となる形状を有している。
図1(A)の断面図に示されるように、フランジ部14の先端部には、幅方向Wに沿った断面形状が略フック状となったラルゼン型の継手部16が形成されている。この継手部16には、フランジ部14の先端部から幅方向Wに沿って外側へ突出する底板部17が形成されると共に、この底板部17の先端部から鋼矢板10の厚さ方向(矢印T方向)に沿ってウェブ部12側へ突出する爪部18が形成されている。爪部18は、幅方向Wに沿って内側(フランジ部14側)へ傾斜しており、その先端側の断面形状が略楔状になっている。この爪部18の内側には略平面状の噛合面20が形成されている。
図2に示されるように、継手部16には、底板部17の内側面に凹状のポケット溝22が全長に亘って形成されている。ポケット溝22は、その深さ方向が厚さ方向Tと略一致しており、断面形状が略台形状に形成されている。ここで、ポケット溝22は、図2(B)に示されるように、入口側の幅方向Wに沿った幅(開口幅)WEが底面側の幅より若干狭くなっている。
本実施形態に係る鋼矢板10は、図7に示されるように垂直遮水壁等の壁体24の構造部品として用いられるものである。この壁体24は、複数枚の鋼矢板10を順次、地盤26中に打込み、これらの鋼矢板10を幅方向Wに沿って直線的に配列することにより構築されている。このとき、互いに隣接する一対の鋼矢板10は、図7(B)及び(C)の部分拡大図に示されるように、継手部16同士が互いに噛合うように地盤26中に打込まれており、これらの継手部16を介して十分な強度で互いに連結されている。
本実施形態に係る壁体24は、特に、廃棄物最終処分場や汚染土壌等から流出する汚染水の拡散を防止する用途に用いられるものであり、非常に高い止水性(例えば、換算透水係数が1×10-6cm/s以下)が要求されている。このため、鋼矢板10におけるポケット溝22には、図2(B)に示されるように、定形のシール材である止水ゴム28が嵌挿されている。止水ゴム28は、断面が略円形の丸棒状に成形されている。止水ゴム28の成形材料としては、水に接触して吸水反応を生じることにより、その体積が数倍まで膨張可能な所謂、水膨張性ゴム(広義には、水膨張性を有するエラストマ)が用いられており、例えば、天然ゴム、クロロプレンゴム等に、澱粉系、セルロース系、ポリアクリル酸塩系、ポリビニルアルコール系等の高分子物質を配合したものが用いられる。
止水ゴム28の外径はポケット溝22の開口幅WEよりも僅かに大径とされており、ポケット溝22の深さは、止水ゴム28の外径よりも若干長くなっている。これにより、ポケット溝22に嵌挿された止水ゴム28は、その外周面の一部がポケット溝22内の開口端付近に圧接した状態になり、弾性的な復元力によりポケット溝22の底面側へ付勢されると共に、ポケット溝22内から脱落し難いようになっている。また、鋼矢板10を地盤26中に打込む際には、止水ゴム28がポケット溝22内に収納されているので、止水ゴム28が地盤26の構成物や他の鋼矢板10の継手部16との摩擦により損傷することを効果的に抑制できる。
図2に示されるように、ポケット溝22内には、その底面部と止水ゴム28の外周面との間にワイヤ状の被覆電線30が配置されている。なお、図2に示される被覆電線30は、その配置及び構造を明瞭に示すために、実寸よりも拡大されて(太く)描かれており、ポケット溝22内に止水ゴム28及び被覆電線30が実際に挿入された状態では、止水ゴム28の外周面が被覆電線30及びポケット溝22の底面部にそれぞれ圧接した状態になる。またポケット溝22の底面部付近には、被覆電線30及び止水ゴム28が挿入される直前に、接着剤が塗布されて接着層32が形成される。これにより、被覆電線30及び止水ゴム28は、それぞれポケット溝22に挿入されると、接着層32を介してポケット溝22の底面部に接着固定される。
図6に示されるように、被覆電線30には、中心部に銅合金等の導電性金属からなる導線部34が設けられると共に、この導線部34の外周側にフッ素樹脂等の高耐熱性の絶縁性材料からなる被覆部36が設けられている。また被覆電線30には、その基端側に導線部34が露出した導電端子部38が設けられている。なお、導電端子部38には、後述するように電気抵抗の測定器であるメガテスタ40(図5参照)のプローブ(図示省略)が接続される。このため、プローブの接続作業を容易にするため、導電端子部38は、導線部34を露出させるだけではなく、露出した導線部34にプローブに適合するソケット(図示省略)を接続して構成しても良く、また導線部34の露出部に半田や金属端子を固着し、これを導電端子部38としても良い。
図6に示されるように、被覆電線30には、先端部にチューブ状の絶縁キャップ44が被せられており、この絶縁キャップ44により被覆電線30の先端部は絶縁状態になっている。絶縁キャップ44は、先端側が閉塞されると共に基端側が開口した円筒状の内側チューブ46と、この内側チューブ46の外周側に配置され、先端側及び基端側がそれぞれ開口した円筒状の外側チューブ48とを備えている。内側チューブ46は熱収縮性を有する樹脂材料により形成されており、その内周面に熱反応性の接着剤が塗布されている。外側チューブ48は、弾性及び熱収縮性を有する樹脂材料により形成されている。また外側チューブ48は、その全長が内側チューブ46よりも長くなっている。
次に、上記のように構成された鋼矢板10により壁体24を構築する方法について説明する。
壁体24を構築する際には、鋼矢板10に対する止水ゴム28の装着工程が行われる。この装着工程では、図2(A)に示されるように、鋼矢板10におけるポケット溝22の底面付近に接着剤を塗布して接着層32を形成した後、被覆電線30をポケット溝22の底面上に載置し、被覆電線30をポケット溝22内に配線する。このとき、被覆電線30は、その長手方向が長手方向Lと略一致するようにポケット溝22内に配置される。また被覆電線30は、絶縁キャップ44の先端部がポケット溝22の下端と略一致し、かつ導電端子部38がポケット溝22の上端から突出するように配線される(図5参照)。
次いで、図2(B)に示されるように、止水ゴム28をポケット溝22内に嵌挿する。このとき、例えば、円形ローラを備えたロール治具(図示省略)により止水ゴム28を一端部から他端側へ向かって連続的に押圧して行くことにより、止水ゴム28を一端部から他端側へ向かって徐々にポケット溝22内へ圧入して行き、最終的に止水ゴム28を全長に亘ってポケット溝22内に嵌挿する。ポケット溝22内に嵌挿された止水ゴム28は、その外周面が被覆電線30に圧接すると共に、ポケット溝22における底面部及び両側面部へそれぞれ圧接する。これにより、被覆電線30が接着層32によりポケット溝22の底面部に接着されると共に、止水ゴム28が被覆電線30に圧接した状態のまま、接着層32によりポケット溝22の底面部に接着される。
上記のような装着工程は、好ましくは、鋼矢板10を地盤26へ打設する直前に行われる。これは、止水ゴム28が雨、湿気等により打設前に膨張することを確実に防止するためである。
本実施形態に係る鋼矢板10では、上記したように、ポケット溝22に被覆電線30及び止水ゴム28が挿入され、被覆電線30が止水ゴム28とポケット溝22の底面部との間に加圧状態で挟持されることにより、止水ゴム28に対する損傷推定機能を有する止水ゴム構造52(図2参照)が構成される。
図7に示されるように、鋼矢板10を地盤26に打設する際には、クローラクレーン54のクレーン56に吊り下げられたバイブロハンマ58により鋼矢板10の上端部を把持し、バイブロハンマ58により鋼矢板10を上下方向へ振動させつつ、クレーン56によりバイブロハンマ58を所定の打込み速度で鋼矢板10と共に下降させる。これにより、鋼矢板10の自重及び振動の衝撃力により鋼矢板10が地盤26に所定の打込み速度で打込まれる。
このとき、図3に示されるように、後続鋼矢板10Fは、その他方の継手部16が先行鋼矢板10Pの一方の継手部16に嵌合した状態とされつつ、地盤26中に打込まれて行く。これにより、先行鋼矢板10Pに後続鋼矢板10Fがそれぞれの継手部16を介して連結されて、後続鋼矢板10Fにより壁体24が幅方向Wへ延長される。
鋼矢板10が地盤26中に打込まれると、鋼矢板10のポケット溝22に嵌挿された止水ゴム28は、地盤26に含まれる水分を吸収して、図4(B)に示されるように、ポケット溝22内から互いに嵌合した一対の継手部16間の隙間内へ膨張する。これにより、一対の継手部16間の隙間が膨張した止水ゴム28により確実にシール(止水)される。
次に、本実施形態に係る止水ゴム構造52の作用及び、止水ゴム構造52を用いた止水ゴム28の損傷推定方法について説明する。
鋼矢板10を地盤26中に打込む際に、継手部16の内側に土砂、石等の地盤構成物が浸入することがあり、このような場合、ポケット溝22内に嵌合された止水ゴム28に地盤構成物との摩擦力が作用する。さらに後続鋼矢板10Fを地盤26に打込む際には、一方の鋼矢板10の継手部16に嵌合された止水ゴム28に、他方の鋼矢板10の継手部16の内面部分が直接又は地盤構成物を介して接し、止水ゴム28に継手部16の内面部分との摩擦力が作用する。
止水ゴム構造52では、鋼矢板10を地盤26に打設する際に、又は鋼矢板10が地盤26に打設された状態で、摩擦力等の外部荷重が止水ゴム28に作用すると、この外部荷重が直接に又は、止水ゴム28を介して間接的に被覆電線30にも作用するので、外部荷重により止水ゴム28に変形が生じた場合には、被覆電線30にも止水ゴム28の変形に対応する変形が生じる。
この際、一定以上の外部荷重が被覆電線30に作用し、被覆電線30における被覆部36に破断、亀裂等の損傷が生じて、中心部にある導線部34が露出すると、この導線部34が地盤26中に含まれる水を通して鋼製の鋼矢板10と電気的に導通し、又は導線部34と鋼矢板10との間の電気抵抗が低下する。
この結果、地盤26中で被覆電線30に損傷が生じたときに、図5に示されるように、被覆電線30の導電端子部38と鋼矢板10との間の電気抵抗をメガテスタ40により測定すれば、被覆電線30に損傷が生じていないときと比較し、導電端子部38と鋼矢板との間における絶縁抵抗(電気抵抗)が小さいものになっていることが検知される。
このとき、地表でメガテスタ40により被覆電線30の導電端子部38と鋼矢板10との間の電気抵抗を測定すれば、その測定値に基づいて被覆電線30の損傷の有無を判断できる。すなわち、地表で測定した電気抵抗が予め設定された閾値未満であると、損傷推定の対象となる止水ゴムの損傷発生を推定することにより、電気抵抗の測定値と閾値とを比較すれば、止水ゴム28に損傷が発生しているか否かを精度良く推定できる。
また本実施形態に係る止水ゴム構造52では、互いに嵌合する一対の鋼矢板10の継手部16にそれぞれ止水ゴム28が配置され、これら2個の止水ゴム28により一対の継手部16間の隙間が止水されることから、一対の継手部間の隙間を1個の止水材により止水する場合と比較し、高い止水性及び信頼性を得られる。
ところで、本実施形態に係る止水ゴム構造52では、図8(B)に示されるように、被覆電線30がポケット溝22の略全長に亘って直線的に配線され、この被覆電線30の先端部が絶縁キャップ44により絶縁されていたが、このような絶縁キャップ44を省略するため、図8(C)に示されるように、被覆電線30をポケット溝22内にU字状に配線しても良い。
被覆電線30を図8(C)に示されるように、U字状に配線した場合には、被覆電線30の両端部がそれぞれ地表から突出しており、他端部を汎用の絶縁材により簡単に絶縁できるので、被覆電線30の他端部を絶縁するための絶縁キャップ44(図6参照)を不要にできる。
なお、本実施形態に係る鋼矢板10では、長手方向に延在するポケット溝22が継手部16における底板部17の内面側(図2参照)に形成されている例を示したが、図11(A)に示されるように、一方の鋼矢板10における底板部17の内面側と対向する、他の鋼矢板10における爪部18の先端付近にポケット溝80が形成されている場合や、図11(B)に示されるように、一方の鋼矢板10におけるフランジ部14の継手部16との境界付近における爪部18の外面側にポケット溝82が形成されている場合についても、本発明に係る止水ゴム構造52を適用すれば、止水ゴム28と共にポケット溝80、82内に配置された被覆電線30の損傷の有無を判断し、ポケット溝80、82内に配置された止水ゴム28の損傷発生の有無を精度良く推定できる。
(止水ゴム構造の変形例)
次に、本発明の実施形態に係る鋼矢板に用いられる止水ゴム構造の第1の変形例について説明する。図9(A)及び(B)には鋼矢板の継手部及び第1の変形例における止水ゴム構造が示され、図9(C)には第1の変形例における被覆電線が示されている。なお、図9に示される止水ゴム構造60では、図2に示される止水ゴム構造52と同一の部分について同一符号を付して説明を省略する。
この止水ゴム構造60では、図9(C)に示されるように、被覆電線61として、断面形状が扁平な矩形状とされており、電線全体として細長いシート状に形成されたフラットケーブルが用いられている。この被覆電線61には、中心部に細長いフィルム状の導線部62が設けられると共に、この導線部62の外周側を覆う細長いシート状の被覆部64が設けられている。この被覆部64は、被覆電線30と同様に、フッ素樹脂等の高耐熱性の樹脂材料により成形されている。また被覆電線61にも、被覆電線30と同様に、その上端部に導電端子部が設けられると共に、下端部が絶縁キャップにより絶縁される。
止水ゴム構造60では、図9(A)に示されるように、止水ゴム28がポケット溝22に嵌挿される前に、被覆電線61が止水ゴム28の外周面に接着剤により接着されると共に、ポケット溝22の底面部付近に接着剤により接着層32が形成される。この後、止水ゴム28及び、これに接着された被覆電線61がポケット溝22内へ嵌挿される。
止水ゴム構造60を備えた鋼矢板10の場合にも、止水ゴム構造52を備えた鋼矢板10の場合と同様に、地表で被覆電線61の導電端子部38と鋼矢板10との間の電気抵抗を測定すれば、その測定値に基づいて被覆電線30の損傷の有無を判断できるので、電気抵抗の測定値と予め設定された閾値とを比較すれば、止水ゴム28に損傷が発生しているか否かを精度良く推定できる。
さらに、止水ゴム構造60では、被覆電線61が止水ゴム28と接着されて予め一体化された状態で、ポケット溝22内へ嵌挿されることから、止水ゴム構造52と比較し、止水ゴム28をポケット溝22内へ嵌挿する際に、被覆電線61がポケット溝22内の所定の位置から変移(位置ずれ)することを防止できると共に、止水ゴム28との摩擦により打設前に被覆電線61に荷重(予備荷重)が作用することを防止できるので、このような位置ずれや予備荷重により止水ゴム28の損傷推定の精度が低下することを効果的に防止できる。
なお、止水ゴム構造60でも、被覆電線61をポケット溝22内にU字状に配線して、被覆電線61の両端部を継手部16の上端から突出させ、被覆電線61の他端部を汎用の絶縁材により絶縁することで、専用の絶縁キャップを省略するようにしても良い。
次に、本発明の実施形態に係る止水ゴム構造の第2の変形例について説明する。図10(A)及び(B)には本発明の実施形態に係る止水ゴム構造の第2の変形例が示され、図10(C)には、第2の変形例における止水ゴム及び被覆電線が示されている。なお、図10に示される止水ゴム構造70では、図2に示される止水ゴム構造52と同一の部分について同一符号を付して説明を省略する。
この止水ゴム構造70では、図10(B)及び(C)に示されるように、被覆電線72が止水ゴム74の中心部にインサートされており、止水ゴム74の一部として複合化されている。被覆電線72には、図2に示される被覆電線30と同様に、中心部に導線部34が設けられると共に、この導線部34の外周側を被覆する被覆部36が設けられている。被覆電線72は、止水ゴム74の加硫成形温度(例えば、100℃〜200℃程度)よりも高い耐熱性を有する必要があるが、フッ素樹脂等の高耐熱性の樹脂材料により被覆部36が成形された被覆電線30と同一のものを用いることができる。
止水ゴム構造70では、図10(A)に示されるように、ポケット溝22の底面部付近に接着剤により接着層32を形成した後、予め被覆電線72が複合化された止水ゴム74がポケット溝22に嵌挿される。これにより、被覆電線72が複合化された止水ゴム74がポケット溝22の底面部に接着固定される。
止水ゴム構造70を備えた鋼矢板10の場合にも、止水ゴム構造52を備えた鋼矢板10の場合と同様に、地表で被覆電線72の導電端子部38と鋼矢板10との間の電気抵抗を測定すれば、その測定値に基づいて被覆電線30の損傷の有無を判断できるので、電気抵抗の測定値と予め設定された閾値とを比較すれば、止水ゴム74に損傷が発生しているか否かを精度良く推定できる。
さらに、止水ゴム構造70では、被覆電線72を止水ゴム74の内部にインサートして、この止水ゴム74の一部として複合化したことにより、鋼矢板10を地盤26中に打込む際、又は鋼矢板10が地盤26中に打設された状態で、被覆電線72に外部から荷重が作用しても、止水ゴム74から被覆電線72が分離することを確実に防止できると共に、ポケット溝22に嵌挿された止水ゴム74に外部荷重が作用したときには、この外部荷重を殆ど損失させることなく、被覆電線30にも確実に伝達できる。
なお、本実施形態に係る鋼矢板10は、その幅方向両端側にそれぞれフランジ部14及び継手部16が設けられたものであったが、壁体24の幅方向に沿った一端部及び他端部に配置される鋼矢板については、その外側にフランジ部14及び継手部16は必ずしも必要ないので、このような鋼矢板10の内側にのみフランジ部14及び継手部16が設けられた鋼矢板にも、止水ゴム構造52、60、70及び止水ゴム28の損傷推定方法を適用できる。
また本実施形態に係る鋼矢板10は、一対のテーパ状のフランジ部14を有しており、断面形状が所謂U字状のものであったが、これ以外にも、一対のフランジ部の先端側が幅方向外側へそれぞれ屈曲され、このフランジ部の先端部に継手部が形成されて、断面形状が所謂ハット状とされた鋼矢板であっても、止水ゴム構造52、60、70及び止水ゴム28の損傷推定方法を適用できる。
次に、本発明の実施形態に係る止水ゴム構造52を備えた鋼矢板10を地盤26に打設し、止水ゴム構造52を用いた損傷推定方法により止水ゴムの損傷を推定した実験結果の一例を実施例として説明する。
鋼矢板10としては、有効幅WR=600mm、有効高さHR=210mm(図1(A)参照)、長さ16.5mのものを用いた。
止水ゴム28としては、直径=12mm、引張り強さ=2.94MPa以上、切断時伸び=500%以上、硬さ=A34±10、体積変化率=175±75%のものを用いた。
被覆電線30としては、耐電圧=600V、耐熱温度=200℃、外径=1.4mm、被覆部36の厚さ=0.4mmの耐熱リード線(錫メッキ)を用いた。ここで、被覆部36の成形素材としてはフッ素樹脂を用い、この被覆電線30の先端部を絶縁キャップ44により絶縁した。
また止水ゴム28及び被覆電線30をポケット溝22の底面部に接着する接着剤としては、主成分が合成ゴム、主溶剤がトルエン及びn−ヘキサンのものを用い、これを刷毛によりポケット溝22の底面部に均一の厚さに塗布した。
一方、鋼矢板10の地盤26中への打込み深さは8.5mとした。
また本実施例では、上記のような止水ゴム28及び被覆電線30が装着された鋼矢板10を、バイブロハンマを用いて地盤26中へ打込んだ。
また地盤26への打込み前に、メガテスタ40により被覆電線30の導電端子部38と鋼矢板10の上端部との間の電気抵抗を測定したところ、100MΩ以上の測定値が得られた。
本実施例では、9枚の鋼矢板10をそれぞれ地盤26に打込んだ後、被覆電線30の導電端子部38と鋼矢板10の上端部との間の電気抵抗を測定したところ、何れの鋼矢板10についても100MΩ以上の測定値が得られた。打込み完了後に、鋼矢板10を地盤26から引き抜き、止水ゴム28の損傷の有無を目視にて検査した結果、止水性に悪影響を与えるような欠損、断裂等の損傷は発見されなかった。
本発明の実施形態に係る鋼矢板の構成を示す幅方向に沿った断面図及び斜視図である。 図1に示される鋼矢板及び、この鋼矢板に装填される止水ゴム構造の構成を示す幅方向に沿った断面図である。 本発明の実施形態に係る一対の鋼矢板が互いに嵌合した状態及び、鋼矢板に装填された止水ゴム構造を示す幅方向に沿った断面図及び斜視図である。 本発明の実施形態に係る一対の鋼矢板における互いに嵌合した継手部及び止水ゴムを示す幅方向に沿った断面図である。 本発明の実施形態に係る一対の鋼矢板が互いに嵌合した状態及び、鋼矢板に装填された止水ゴム構造における導電端子部を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る止水ゴム構造における被覆電線の構成を示す長手方向に沿った断面図である。 本発明の実施形態に係る鋼矢板により構築された壁体及び、この壁体の構築方法を示す模式図である。 (A)は本発明の実施形態に係る鋼矢板及び鋼矢板に装填された止水ゴム構造の構成を示す幅方向に沿った断面図、(B)は(A)のB−B切断線に沿った継手部の断面図、(C)は被覆電線をポケット溝内でU字状に配線した構成例を示す継手部の断面図である。 (A)及び(B)は本発明の実施形態に係る鋼矢板及びこの鋼矢板に装填される止水ゴム構造の第1の変形例を示す幅方向に沿った断面図、(C)は第1の変形例における被覆電線の構成を示す幅方向に沿った断面図である。 (A)及び(B)は本発明の実施形態に係る鋼矢板及びこの鋼矢板に装填される止水ゴム構造の第2の変形例を示す幅方向に沿った断面図、(C)は第2の変形例における被覆電線の構成を示す幅方向に沿った断面図である。 本発明の実施形態に係る鋼矢板におけるポケット溝及び止水ゴムの配置についての他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
10 鋼矢板
10F 後続鋼矢板
10P 先行鋼矢板
12 ウェブ部
14 フランジ部
16 継手部
17 底板部
18 爪部
20 噛合面
22 ポケット溝
24 壁体
26 地盤
28 止水ゴム
30 被覆電線
32 接着層
34 導線部
36 被覆部
38 導電端子部
40 メガテスタ
44 絶縁キャップ
46 内側チューブ
48 外側チューブ
52 止水ゴム構造
54 クローラクレーン
56 クレーン
58 バイブロハンマ
60 止水ゴム構造
61 被覆電線
62 導線部
64 被覆部
70 止水ゴム構造
72 被覆電線
74 止水ゴム
80、82 ポケット溝

Claims (9)

  1. プレート状のウェブ部と、前記ウェブ部の側端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の先端部に形成されたラルゼン型の継手部と、前記継手部に形成されたポケット溝と、を有する鋼矢板であって、
    水と反応して体積が膨張する水膨張性ゴムにより形成され、前記ポケット溝に嵌挿されて、前記継手部と該継手部に嵌合する他の鋼矢板の継手部との間を止水する止水ゴムと、
    前記止水ゴムと共に前記ポケット溝へ挿入され、先端部が絶縁状態とされると共に、基端側に電気抵抗測定用の導電端子部が設けられた被覆電線と、
    を有することを特徴とする鋼矢板。
  2. 前記被覆電線は、前記止水ゴムの外周面と前記ポケット溝の内面部との間に挟持されて、前記止水ゴムの外周面に密着していることを特徴とする請求項1記載の鋼矢板。
  3. 前記被覆電線は、前記止水ゴムの外周面に接着されていることを特徴とする請求項1記載の鋼矢板。
  4. 前記被覆電線は、前記止水ゴムの内部にインサートされて、該止水ゴムの一部として複合化されていることを特徴とする請求項1記載の鋼矢板。
  5. 複数枚の鋼矢板を有し、隣接する鋼矢板の継手部同士が連結されて構築された鋼矢板遮水壁であって、
    前記鋼矢板として、請求項1乃至4の何れか1項記載の鋼矢板を用いたことを特徴とする鋼矢板遮水壁。
  6. プレート状のウェブ部と、前記ウェブ部の側端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の先端部に形成されたラルゼン型の継手部と、前記継手部に形成されたポケット溝と、を有する鋼矢板に用いられる止水ゴムの損傷推定方法であって、
    前記ポケット溝に、前記継手部と該継手部に嵌合する他の鋼矢板の継手部との間を止水するための止水ゴムを嵌挿すると共に、先端部が絶縁状態とされ且つ基端側に電気抵抗測定用の導電端子部が設けられた被覆電線を挿入する装着工程と、
    互いに隣接する一対の鋼矢板の継手部同士を互いに嵌合させつつ、複数枚の鋼矢板を順次地盤中に打設した後、損傷推定の対象となる止水ゴムが装着された鋼矢板と前記止水ゴムと共に前記ポケット溝に挿入された被覆電線の導電端子部との間の電気抵抗を測定する測定工程と、
    前記測定工程にて測定された電気抵抗が予め設定された閾値未満であると、損傷推定の対象となる止水ゴムの損傷発生を推定する推定工程と、
    を有することを特徴とする止水ゴムの損傷推定方法。
  7. 前記装着工程では、被覆電線を鋼矢板のポケット溝に挿入した後、該ポケット溝に止水ゴムを嵌挿して、被覆電線を止水ゴムの外周面とポケット溝の内面部との間に挟持すると共に、止水ゴムを被覆電線に密着させることを特徴とする請求項6記載の止水ゴムの損傷推定方法。
  8. 前記装着工程では、止水ゴム及び、該止水ゴムの外周面に接着された被覆電線を前記ポケット溝に嵌挿することを特徴とする請求項6記載の止水ゴムの損傷推定方法。
  9. 前記装着工程では、止水ゴム及び、該止水ゴムの内部にインサートされて、止水ゴムの一部として複合化された被覆電線を前記ポケット溝に嵌挿することを特徴とする請求項6記載の止水ゴムの損傷推定方法。
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