JP2010083852A - 金属錯体の製造方法、金属錯体および有機電界発光素子 - Google Patents

金属錯体の製造方法、金属錯体および有機電界発光素子 Download PDF

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秀次 大須賀
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潤二 水上
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Abstract

【課題】従来の方法に比べて容易にかつ収率よく金属錯体を製造する。
【解決手段】適当な溶剤に式(1)で表される部分構造を有する化合物と所望の配位子化合物とを溶解させて反応させるのみで、当該所望の配位子を有する金属錯体を得ることができる。
Figure 2010083852

(式(1)中、Mは、周期表の第4〜7周期の金属から選ばれる金属元素である。X11〜X26は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表すが、X11〜X26のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。)
【選択図】図2

Description

本発明は有機電界発光素子等に有用な金属錯体の製造方法に関する。本発明はまた、この方法により製造された金属錯体と、この金属錯体を用いた有機電界発光素子に関する。
従来、有機電界発光素子には蛍光発光材料が数多く用いられてきたが、フラットパネルディスプレイ等の表示、蛍光灯や標識灯等の照明として応用するためには、素子の発光効率を更に改善する必要があり、新たな発光材料の開発が求められている。
近年、素子の発光効率を上げる試みの一つとして、3重項励起状態からの発光すなわち燐光を利用した燐光発光材料の利用が注目を集めている。燐光を用いた場合には、従来の1重項励起状態からの発光(蛍光)に比べて、非常に高い光取り出し効率を得ることができ、素子の高発光効率化が期待されるからである。
例えば、非特許文献1では、フェニルピリジン系有機イリジウム錯体を4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)にドープさせることにより、発光波長510nmの緑色発光を示し、その外部量子効率は13%と従来の1重項発光素子の量子効率限界値(5%)を大きく上回ることが報告されている。
しかしながら、特にこれら金属錯体などの燐光発光材料においては、製造方法の開発が未だ十分でなく、設計の自由度が少ないこともあり、実用化にいたっていない。例えば、特許文献1では白金錯体の合成方法が記載されているが、いまだ満足いくものではなかった。
また、非特許文献2には、白金のビスフェニルピリジル錯体の方法として以下のような合成方法が記載されている。
Figure 2010083852
この方法は、出発物質である2−フェニルピリジンのオルト位のブロモ化、次いでリチオ化を行った後、Pt(SEt)Clと反応させることにより、収率30%でビスフェニルピリジル錯体を得るというものである。しかしながら、この製造方法では、金属錯体の合成方法として煩雑である上、収率が低いという問題点があった。
国際公開第2000/57676号パンフレット Appl.Phys.Lett.,75巻、4頁、1999年 Inorg.Chem.,35巻、4833頁、1996年
本発明は、従来の方法に比べて容易にかつ収率よく金属錯体を製造することができる金属錯体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、下記式(1)で表される部分構造を有する化合物を用いることにより、金属錯体、特に白金錯体を効率よく製造することができることが分かり本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記式(1)で表される部分構造を有する化合物を用いて製造することを特徴とする金属錯体の製造方法、
該製造方法により製造された金属錯体、
並びに、
陽極、陰極、および該陽極と該陰極との間に設けられた有機層を有する有機電界発光素子において、該有機層が該金属錯体を含有することを特徴とする、有機電界発光素子、
に存する。
Figure 2010083852
(式(1)中、Mは、周期表の第4〜7周期の金属から選ばれる金属元素である。X11〜X26は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表すが、X11〜X26のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。)
なお、本明細書において特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。
前記式(1)で表される部分構造を有する化合物を用いる本発明の金属錯体の製造方法であれば、適当な溶剤に式(1)で表される部分構造を有する化合物と所望の配位子化合物とを溶解させて反応させるのみで、当該所望の配位子を有する金属錯体を得ることができ、従来の方法に比べ、反応のステップ数が少なく、容易に金属錯体を製造することができ、また、従来の方法に比べ、収率も向上する。
本発明によれば、反応させる配位子を選択することにより、発光特性に優れた金属錯体を製造することができ、このようにして製造された金属錯体を用いて、発光効率の高い有機電界発光素子を工業的に有利に製造することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
[金属錯体の製造方法]
本発明の金属錯体の製造方法は、下記式(1)で表される部分構造を有する化合物(以下「式(1)の化合物」と称す場合がある。)を用いて金属錯体を製造することを特徴とする。
Figure 2010083852
(式(1)中、Mは、周期表の第4〜7周期の金属から選ばれる金属元素である。X11〜X26は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表すが、X11〜X26のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。)
具体的には、式(1)の化合物に所望の配位子を反応させて、式(1)の化合物の金属元素Mに配位する配位子と置換してこれを導入することにより、金属元素Mに所望の配位子が配位した金属錯体を得る。この反応は、通常、適当な溶剤に式(1)の化合物と導入すべき所望の配位子化合物とを混合溶解させて、加熱することにより、円滑に進行させることができる。
<式(1)の化合物>
式(1)において、Mは、周期表の第4〜7周期の金属から選ばれる金属元素であるが、発光性を得ることから、Mとしては、周期表の第4〜7周期の第7〜13族の元素であることが好ましく、その中でも、Cu,Zn,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Re,Os,Ir,Pt,Auが好ましく、さらに好ましくは、Os,Ir,Pt,Auが好ましく、特に好ましくはPtである。
11〜X26は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表すが、X11〜X26のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。X11〜X26は同一であっても異なっていてもよい。
11〜X26が置換基である場合、その置換基としては、以下のようなものが挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルケニル基(好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数2〜9のアルケニル基であり、例えばビニル基、アリル基、1−ブテニル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルキニル基(好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数2〜9のアルキニル基であり、例えばエチニル基、プロパルギル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアラルキル基(好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数7〜15のアラルキル基であり、例えばベンジル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数1〜10のアシル基であり、例えばホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルキルカルボニルオキシ基(好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数2〜10のアルキルカルボニルオキシ基であり、例えばアセトキシ基などが挙げられる。)
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。)
カルボキシ基
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(例えば、置換基を有していてもよい、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの、5または6員環の単環または2〜5縮合環由来の基が挙げられる。)
置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えば、置換基を有していてもよい、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環などの、5または6員環の単環または2〜4縮合環由来の基が挙げられる。)
上記置換基のうち、置換基を有していてもよいアルキル基およびハロゲン原子が好ましく、ハロゲン原子がより好ましく、中でもフッ素原子が好ましい。
また、上述した各置換基が有しうる置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリールチオ基、炭素数2〜20のアシル基などが挙げられる。
尚、X11〜X26は、同一であっても異なっていてもよいが、X11〜X26のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。特に、X11〜X26の全てがハロゲン原子であることが好ましく、特にX11〜X26の全てがフッ素原子であることが好ましい。
特に、式(1)の化合物は、下記式(1−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010083852
式(1−1)中、Mは、前記式(1)におけると同義である。
nは、Mの価数を表し、2または3である。
〜Xは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基の具体例としては、上記式(1)におけるX11〜X26の置換基の具体例と同様であり、好ましいものも同様である。
また、分子内に存在するn個のX〜Xは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。尚、分子内に存在するn個のX〜Xのうち少なくとも1つはハロゲン原子である。
式(1)の化合物の分子量は、その置換基も含めて、好ましくは350以上、より好ましくは400以上、通常3500以下、好ましくは2000以下、より好ましくは1200以下、特に好ましくは800以下である。分子量が小さい方が、製造工程における使用効率の面で好ましい。
尚、式(1)の化合物は、例えば、Bull.Chem.Soc.Jpn.,54巻,1978頁,1981年に記載の方法などにより合成することができる。
以下に、式(1)の化合物の具体例を挙げるが、式(1)の化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010083852
これらの中でも、配位子にトリフルオロメチル基をもつもの、特に、式(1)におけるX11〜X13、X14〜X16、X21〜X23またはX24〜X26がそれぞれフッ素原子であることにより、トリフルオロメチル基となっているものが好ましい。トリフルオロメチル基をもつことで、配位子が中心金属Mから外れやすくなり、他の配位子に置換されやすい化合物となると考えられる。特に下記式で表される化合物は、配位子にトリフルオロメチル基をもつことで、配位子が中心金属のPtから外れやすく、他の配位子に置換されやすい化合物であると考えられる。
Figure 2010083852
<溶剤>
反応に用いる溶剤としては、種々の溶剤が適用可能であり、特に限定されない。例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;シクロヘキサノン、シクロオクタノン等の脂環を有するケトン;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン;シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環を有するアルコール;ブタノール、ヘキサノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族アルコール;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシプロパノール等の脂肪族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル等の有機溶剤や、水が挙げられる。
反応基質の溶解性、金属イオンの安定化等の意味合いで、反応溶剤は極性を有する溶剤を含むことが好ましく、特に、アルコール性OH基を有する溶剤を含むことが好ましく、好ましくは、メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシプロパノール等の脂肪族エーテルが反応溶剤として好適に用いられる。
これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<配位子>
式(1)の化合物に反応させる配位子としては、所望の配位子が用いられるが、有機電界発光素子に供することが可能な発光性金属錯体を製造するには、例えば、MRS Bulletin 32巻,694頁,2007年の本文および引用文献等に記載の配位子が用いられる。好ましくは1種以上の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を含む配位子と、必要に応じて、補助配位子として1価の配位子を用いることができる。
芳香族炭化水素環または芳香族複素環を含む配位子を以下に例示するが、本発明で用いる配位子は以下のものに限定されない。
Figure 2010083852
Figure 2010083852
Figure 2010083852
また、1価の配位子としては、特開2005−344124号公報に記載のモノアニオン性二座配位子などを用いることができる。具体的には、アセチルアセトネート基、トリフルオロアセチルトリフルオロアセトネート基、ピコリン酸基、スルホニルピリジル基、リン酸誘導体などが挙げられる。
<反応比率及び濃度>
反応に供する上述の式(1)の化合物と配位子との比率は、式(1)の化合物に対して、配位子を1部置換させる反応であれば、式(1)の化合物1部に対して通常配位子0.1〜2部であり、好ましくは0.8〜1.5部、さらに好ましくは0.9〜1.1部である。
また、式(1)の化合物に対して、配位子を2部置換させる場合は、通常配位子1〜4部であり、好ましくは1.6〜3部、さらに好ましくは1.8〜2.2部である。
また、式(1)の化合物に対して、配位子をm部置換させる場合は、通常配位子m×0.5〜m×2部であり、好ましくはm×0.8〜m×1.5部、さらに好ましくはm×0.9〜m×1.1部である。
ただし、2部以上置換させる場合、2部一度に置換しても構わないし、1部ずつ2段階以上で置換してもよい。
なお、上記反応比率の「部」とは「モル部」をさす。
前記溶剤に式(1)の化合物及び配位子を溶解させて得られる反応液中の式(1)の化合物及び配位子の濃度は、高過ぎると副反応を生じる場合があり、低過ぎると反応効率や収率が低くなったり、反応時間が長くなったりする場合があることから、式(1)の化合物及び配位子の合計の濃度で、5〜1000mg/ml−溶剤、特に10〜500mg/ml−溶剤とすることが好ましい。
<反応条件等>
反応温度は、通常50〜250℃、好ましくは70〜200℃である。反応温度が低すぎると反応の進行が遅く、反応温度が高すぎると熱分解により、生成物が分解する恐れがある。
反応時間は、通常1時間〜1週間、好ましくは1時間〜3日である。反応時間が長すぎると非効率な上、副生成物を生じる場合があり、短すぎると反応が完了しない場合がある。
通常は、特に、触媒や酸、塩基を添加しなくても反応は進行するが、反応の効率化を目的に種々の添加剤を添加してもよい。例えば、酸として、酢酸、塩酸、硫酸などを添加してもよい。また、塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−ブトキシドなどを添加してもよい。酸や塩基は、基質により副反応を増長させる場合がある。
また、本反応においては、反応途中にアセチルアセトン誘導体が生成する。このアセチルアセトン誘導体を効果的に系外に排出することにより反応の進行を速めることができる。
その方法としては、反応中に連続的にアセチルアセトン誘導体を留去する方法や、上述の酸や塩基で塩として沈殿させる方法などがある。
<精製>
反応終了後の精製方法としては、沈殿が生成した場合、濾過、再結晶により精製することができる。その他の場合についても、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留、昇華精製などの方法により精製することができる。
[金属錯体]
本発明の金属錯体の製造方法よれば、式(1)の化合物において、金属元素Mに配位している配位子の少なくとも一部が、反応に用いた配位子で置換された金属錯体を製造することができる。
本発明によれば、式(1)の化合物に反応させる配位子を選択することにより、励起状態から強い発光挙動を示す金属錯体を得ることもでき、このような金属錯体は、例えば有機電界発光素子に供することが可能な発光性金属錯体として用いられる。
このような発光性金属錯体としての用途において、特に、本発明の方法により製造される金属錯体は、下記式(2)で表される化合物またはその誘導体やビスフェニルピリジル誘導体であることが好ましい。
Figure 2010083852
(式(2)中、X30〜X35は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。)
式(2)において、X30〜X35の置換基の具体例としては、上記式(1)におけるX11〜X26の置換基の具体例と同様であり、好ましいものも同様である。X30〜X35の置換基としては、特に置換基を有していてもよいアルキル基やハロゲン原子が好ましい。
なお、本発明により得られる金属錯体は、通常、分子量400以上、好ましくは600以上、通常2000以下であり、好ましくは1500以下である。
[有機電界発光素子]
本発明の有機電界発光素子は、陽極、陰極、および該陽極と該陰極との間に設けられた有機層を有する有機電界発光素子において、該有機層が上述の本発明の方法により製造された金属錯体を含有することを特徴とするものである。有機層としては、陽極と陰極の間に有する層であれば、いずれでもよい。
以下に、本発明の方法により製造された金属錯体を用いる本発明の有機電界発光素子の層構成およびその一般的形成方法等について、図1を参照して説明する。
図1は本発明の方法により製造された金属錯体を用いる本発明の有機電界発光素子10の構造例を示す断面の模式図であり、図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は電子注入層、9は陰極を各々表す。
このような有機電界発光素子において、本発明の製造方法により製造された金属錯体は、発光層に用いられることが好ましいが、他の層に用いられてもよい。本発明の金属錯体が発光層に用いられる場合、本発明の金属錯体は発光層中に含まれる発光材料として使用されることが好ましく、特に他の材料をホスト材料として、本発明の金属錯体がドーパント材料として使用されることが好ましい。
なお、このような有機電界発光素子10において、陽極2と陰極9との間の有機層を湿式成膜法で形成する場合は、以下に記載の各層の材料を溶剤に分散または溶解させて塗布用組成物を作製し、この塗布用組成物を用いて成膜すればよい。
ここで、湿式成膜法とは、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷等の溶剤を含有するインクを用いて成膜する方法をいう。これらの湿式成膜法のうち、パターニングのし易さという点で、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法、インクジェット法、フレキソ印刷法が好ましい。
以下、図1の有機電界発光素子の基板、電極(陽極、陰極)、電極間に形成される各層について説明する。
{基板}
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
{陽極}
陽極2は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われることが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極2を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
陽極2に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極2表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
{正孔注入層}
正孔注入層3は、陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層であり、通常、陽極2上に形成される。
以下、まず正孔注入層3に含有される成分を説明し、次に正孔注入層3の形成方法について説明する。
<正孔注入層の材料>
正孔注入層3の材料は、正孔注入層3に含有されるものである。この、正孔注入層3を湿式成膜法で形成する場合は、正孔注入層形成用の塗布用組成物(以下、適宜「正孔注入層用組成物」ということがある)に、正孔注入層の材料が含有される。この正孔注入層3の材料は、正孔注入層3を形成しうるものであれば特に制限は無い。ただし、通常は、正孔注入層3の材料として、ポリマーおよび電子受容性化合物を用いる。さらに、正孔注入層3の材料として、それ以外の成分を用いてもよい。以下、これらの正孔注入層の材料について説明する。
(ポリマー)
正孔注入層3の材料として用いられるポリマーの種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、その中でも、正孔輸送性を有するポリマー(高分子量の正孔輸送性化合物。以下適宜、「正孔輸送性ポリマー」という)が好ましく、この観点から、4.5eV〜5.5eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物であることが好ましい。なお、イオン化ポテンシャルは物質のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、光電子分光法で直接測定されるか、電気化学的に測定した酸化電位を基準電極に対して補正しても求められる。後者の方法の場合は、例えば、飽和甘コウ電極(SCE)を基準電極として用いたとき、下記式で表される(“Molecular Semiconductors”,Springer-Verlag,98頁,1985年)。
イオン化ポテンシャル = 酸化電位(vs.SCE)+4.3eV
正孔注入層の材料として用いられる正孔輸送性ポリマーの重量平均分子量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上、また、通常50万以下、好ましくは20万以下、より好ましくは10万以下である。
正孔輸送性ポリマーの例としては、芳香族アミン化合物、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも、非晶質性、溶剤への溶解度、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましい。
芳香族アミン化合物の中でも、特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。なお、ここでいう芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果の点から、重量平均分子量が1000以上、100万以下の高分子化合物が更に好ましい。
正孔輸送性ポリマーは1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
正孔注入層3中の正孔輸送性ポリマーの割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、正孔注入層3全体に対する重量百分率の値で、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、また、通常99.9重量%以下、好ましくは99重量%以下である。なお、2種以上のポリマーを併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにすることが好ましい。
(電子受容性化合物)
正孔注入層3の材料として用いられる電子受容性化合物の種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。その例としては、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等の有機基の置換したオニウム塩;塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素等が挙げられる。
上記の化合物のうち、強い酸化力を有する点で、有機基の置換したオニウム塩、高原子価の無機化合物が好ましく、種々の溶剤に可溶である点で、有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物が好ましい。さらに、強い酸化力と高い溶解性とを両立する点から、有機基の置換したオニウム塩が最も好ましい。
正孔注入層3の材料としては、電子受容性化合物は、何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いてもよい。
正孔注入層3および正孔注入層用組成物中における電子受容性化合物の含有量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、正孔輸送性ポリマーおよび後述の正孔輸送性化合物に対する値で、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常100重量%以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは50重量%以下である。電子受容性化合物の量は多い方が不溶化しやすいため好ましく、加熱時間が短時間で不溶化することができるが、過度に多いと成膜性が低下したり、電荷注入・輸送性が低下したりする恐れがある。なお、2種以上の電子受容性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
(低分子量の正孔輸送性化合物)
正孔注入層3の材料としては、必要に応じて低分子量の正孔輸送性化合物を用いることが好ましい。低分子量の正孔輸送性化合物は、従来、有機電界発光素子における正孔注入・輸送性の薄膜形成材料として利用されてきた各種の化合物の中から、適宜選択することが可能である。中でも、溶剤溶解性の高いものが好ましい。
低分子量の正孔輸送性化合物の好ましい例としては、芳香族アミン化合物が挙げられる。中でも、芳香族三級アミン化合物が特に好ましい。
なお、低分子量の正孔輸送性化合物の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常200以上、好ましくは400以上、より好ましくは600以上であり、また、通常5000以下、好ましくは3000以下、より好ましくは2000以下、更に好ましくは1700以下、特に好ましくは1400以下の範囲である。分子量が小さ過ぎると耐熱性が低くなる傾向がある一方で、低分子量の正孔輸送性化合物の分子量が大き過ぎると合成および精製が困難となる傾向がある。
なお、低分子量の正孔輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
(その他の成分)
正孔注入層3の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した正孔輸送性ポリマー、電子受容性化合物および低分子量の正孔輸送性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させても良い。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダ、樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
<正孔注入層の形成>
湿式成膜法により正孔注入層3を形成する場合は、上述の材料を適切な溶剤に溶解させて塗布用組成物を調製し、これを塗布、成膜して形成する。正孔注入層3の形成に蒸着法、またはその他の方法を用いてもよいが、正孔注入層3は、中でも湿式成膜法で形成することが好ましい。
正孔注入層3を湿式成膜法で形成する場合、正孔注入層用組成物に含有させる正孔注入層用溶剤としては、正孔注入層3の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。ただし、前述の正孔輸送性ポリマー、電子受容性化合物および必要に応じて用いられる低分子量の正孔輸送性化合物といった正孔注入層3の材料のうち、少なくとも1種、中でも2種以上、特には全ての材料を、溶解することが可能なものが好ましい。具体的な溶解性としては、常温・常圧下で、正孔輸送性ポリマーを通常0.005重量%以上、中でも0.5重量%以上、特には1重量%以上溶解することが好ましく、電子受容性化合物を通常0.001重量%以上、中でも0.1重量%以上、特には0.2重量%以上溶解することが好ましい。
正孔注入層用溶剤としては、疎水性の溶剤を用いることが好ましく、好ましい溶剤としては、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤が挙げられる。具体的には、エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いてもよい。
ただし、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤は、電子受容性化合物とポリマーを溶解する能力が低いため、エーテル系溶剤およびエステル系溶剤と混合して用いることが好ましい。
正孔注入層用組成物に対する正孔注入層用溶剤の比率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50%重量以上、また、通常99.999重量%以下、好ましくは99.99重量%以下、更に好ましくは99.9重量%以下の範囲である。なお、正孔注入層用溶剤として2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、これらの溶剤の合計がこの範囲を満たすようにする。
正孔注入層用組成物の塗布・成膜後、得られた塗膜を乾燥し、正孔注入層用溶剤を除去することにより、正孔注入層が形成される。湿式成膜法の方式は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されず、前述のいかなる方式も用いることができる。
なお、正孔注入層3の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
{正孔輸送層}
図1において、正孔注入層3の上には正孔輸送層4が形成される。
正孔輸送層4を形成する材料としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4’’−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J.Lumin.,72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem.Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth.Metals,91巻、209頁、1997年)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル等のカルバゾール誘導体等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で用いてもよいし、必要に応じて複数種混合して用いてもよい。
上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym.Adv.Tech.,7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
また、正孔輸送層4は、重合性基を有する化合物を、熱および/または活性エネルギー線(紫外線、電子線、赤外線、マイクロ波等)の照射等により重合(架橋)して得られる層であることが好ましい。
ここで「重合性基」とは、熱および/または活性エネルギー線の照射により、近傍に位置する他の分子の同一または異なる基と反応して、新規な化学結合を生成する基をいう。重合性基としては、特に限定されるものではないが、例えば、不飽和二重結合、環状エーテル、ベンゾシクロブテン等を含む基が好ましい。
重合性化合物の例としては、これらの重合性基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーが挙げられるが、中でもモノマーが好ましい。
重合性化合物の具体例としては、例えば、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、2,4,6−トリフェニルピリジン誘導体、C60誘導体、オリゴチオフェン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体誘導体等が挙げられる。中でも、電気化学的安定性および電荷輸送性が高いという理由から、トリフェニルアミンの部分構造と重合性基とを有する化合物が特に好ましい。
正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
正孔輸送層4は、真空蒸着法で形成されても、湿式成膜法で形成されてもよい。湿式成膜法で形成する場合には、上記正孔輸送層に用いる化合物と溶剤とを含有する塗布用組成物を調製し、該組成物を成膜する。成膜後、重合性化合物を熱および/または活性エネルギー線(紫外線、電子線、赤外線、マイクロ波等)の照射等により重合(架橋)させてもよい。
{発光層}
正孔注入層3の上、または正孔輸送層4を設けた場合には正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入された正孔と、陰極9から注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
<発光層の材料>
発光層5は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、あるいは、電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)を含有する。発光材料については特に限定はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよい。通常発光材料をドーパント材料とし、正孔輸送性化合物または電子輸送性化合物をホスト材料として用いられる。
本発明の製造方法により製造された金属錯体は、前述の如く、発光層に用いられることが好ましく、特に発光材料として用いられることが好ましいことから、この発光材料としては、本発明の金属錯体を含むことが好ましい。
また、発光層5は、電荷輸送性化合物を2成分以上含有していることが好ましい。更に、発光層5は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。なお、湿式成膜法で発光層5を形成する場合は、何れも低分子量の材料を使用することが好ましい。
(発光材料)
上述の如く、発光材料としては、本発明の金属錯体を用いることが好ましいが、以下、本発明の金属錯体を、発光層以外に用いる場合に、発光層の材料として使用される発光材料について説明する。これらの発光材料は本発明の金属錯体と共に発光層に用いられてもよい。
発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよいが、内部量子効率の観点から、好ましくは燐光発光材料である。
なお、溶剤への溶解性を向上させる目的で、発光材料の分子の対称性や剛性を低下させたり、或いはアルキル基などの親油性置換基を導入したりすることが好ましい。
以下、発光材料のうち蛍光発光材料の例を挙げるが、蛍光発光材料は以下の例示物に限定されるものではない。
青色発光を与える蛍光発光材料(青色蛍光色素)としては、例えば、ナフタレン、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼンおよびそれらの誘導体等が挙げられる。
緑色発光を与える蛍光発光材料(緑色蛍光色素)としては、例えば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、Al(CNO)などのアルミニウム錯体等が挙げられる。
黄色発光を与える蛍光発光材料(黄色蛍光色素)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。
赤色発光を与える蛍光発光材料(赤色蛍光色素)としては、例えば、DCM(4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
燐光発光材料としては、例えば、周期表第7〜11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
周期表第7〜11族から選ばれる金属として、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。
錯体の配位子としては、(ヘテロ)アリールピリジン配位子、(ヘテロ)アリールピラゾール配位子などの(ヘテロ)アリール基とピリジン、ピラゾール、フェナントロリンなどが連結した配位子が好ましく、特にフェニルピリジン配位子、フェニルピラゾール配位子が好ましい。ここで、(ヘテロ)アリールとは、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
燐光発光材料として、具体的には、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、トリス(2−フェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2−フェニルピリジン)パラジウム、ビス(2−フェニルピリジン)白金、トリス(2−フェニルピリジン)オスミウム、トリス(2−フェニルピリジン)レニウム、オクタエチル白金ポルフィリン、オクタフェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパラジウムポルフィリン、オクタフェニルパラジウムポルフィリン等が挙げられる。
発光材料として用いる化合物の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、また、通常100以上、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは400以上の範囲である。発光材料の分子量が小さ過ぎると、耐熱性が著しく低下したり、ガス発生の原因となったり、膜を形成した際の膜質の低下を招いたり、或いはマイグレーションなどによる有機電界発光素子のモルフォロジー変化を来したりする場合がある。一方、発光材料の分子量が大き過ぎると、有機化合物の精製が困難となってしまったり、溶剤に溶解させる際に時間を要したりする傾向がある。
なお、上述した発光材料は、いずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
発光層5における発光材料の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、また、通常35重量%以下、好ましくは25重量%以下、更に好ましくは20重量%以下である。発光材料が少なすぎると発光ムラを生じる可能性があり、多すぎると発光効率が低下する可能性がある。なお、2種以上の発光材料を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
(正孔輸送性化合物)
発光層5には、その構成材料として、正孔輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、正孔輸送性化合物のうち、低分子量の正孔輸送性化合物の例としては、前述の正孔注入層3における(低分子量の正孔輸送性化合物)として例示した各種の化合物のほか、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(Journal of Luminescence,1997年,74巻,985頁,1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chemical Communications,1996年,pp.2175)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synthetic Metals,1997年,Vol.91,pp.209)等が挙げられる。
なお、発光層5において、正孔輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
発光層5における正孔輸送性化合物の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また、通常65重量%以下、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。正孔輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の正孔輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
(電子輸送性化合物)
発光層5には、その構成材料として、電子輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、電子輸送性化合物のうち、低分子量の電子輸送性化合物の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)等が挙げられる。なお、発光層5において、電子輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
発光層5における電子輸送性化合物の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また、通常65重量%以下、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。電子輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の電子輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
<発光層の形成>
本発明に係る湿式成膜法により発光層5を形成する場合は、上述の材料を適切な溶剤に溶解させて塗布用組成物を調製し、それを用いて成膜する。なお、発光層5の形成に蒸着法、またはその他の方法を用いてもよい。
発光層5を湿式成膜法で形成するための塗布用組成物に含有させる発光層用溶剤としては、発光層の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。ただし、前述の発光材料、正孔輸送性化合物、および電子輸送性化合物を溶解することが可能なものが好ましい。具体的な溶解性としては、常温・常圧下で、発光材料、正孔輸送性化合物あるいは電子輸送性化合物を、通常0.01重量%以上、中でも0.05重量%以上、特には0.1重量%以上溶解することが好ましい。
発光層用溶剤としては、正孔注入層用溶剤として例示したものと同様のものを用いることができる。これらの有機溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
発光層5を形成するための塗布用組成物に対する発光層用溶剤の比率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは50重量%以下の範囲である。なお、発光層用溶剤として2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、これらの溶剤の合計がこの範囲を満たすようにする。
発光層5を形成するための塗布用組成物を、正孔輸送層4、或いは正孔輸送層4がない場合には正孔注入層3の上に湿式成膜法により塗布、成膜後、得られた塗膜を乾燥し、発光層用溶剤を除去することにより、発光層5が形成される。湿式成膜法の方式は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されず、前述のいかなる方式も採用することができる。
また、発光層5は従来使用されてきた真空蒸着法で形成されるものであってもよい。
発光層5の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。発光層5の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると駆動電圧が上昇する可能性がある。
{正孔阻止層}
発光層5と後述の電子注入層8との間に、正孔阻止層6を設けてもよい。正孔阻止層6は、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層される層である。
この正孔阻止層6は、陽極2から移動してくる正孔を陰極9に到達するのを阻止する役割と、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とを有する。
正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層6の材料として好ましい。
なお、正孔阻止層6の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
正孔阻止層6の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層6の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
{電子輸送層}
発光層5と後述の電子注入層8の間に、電子輸送層7を設けてもよい。
電子輸送層7は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、通常、陰極9または電子注入層8からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物を用いる。このような条件を満たす化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
なお、電子輸送層7の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
電子輸送層7の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
電子輸送層7の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
{電子注入層}
電子注入層8は、陰極9から注入された電子を効率良く発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられ、その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
更に、バソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送化合物に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は、通常、5nm以上、中でも10nm以上が好ましく、また、通常200nm以下、中でも100nm以下が好ましい。
なお、電子注入層8の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
電子注入層8の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
{陰極}
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8または発光層5など)に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極9の材料としては、前記の陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
なお、陰極9の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
陰極9の膜厚は、通常、陽極2と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極9を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
{その他の層}
本発明に係る有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極2と陰極9との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
有していてもよい層としては、例えば、電子阻止層が挙げられる。
電子阻止層は、正孔注入層3または正孔輸送層4と発光層5との間に設けられ、発光層5から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、発光層5内で正孔と電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とがある。特に、発光材料として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合は電子阻止層を設けることが効果的である。
電子阻止層に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いこと等が挙げられる。更に、本発明においては、発光層5を湿式成膜法で作製する場合には、電子阻止層にも湿式成膜の適合性が求められる。このような電子阻止層に用いられる材料としては、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(国際公開第2004/084260号公報記載)等が挙げられる。
なお、電子阻止層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
電子阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
さらに陰極9と発光層5または電子輸送層7との界面に、例えばフッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化リチウム(LiO)、炭酸セシウム(II)(CsCO)等で形成された極薄絶縁膜(膜厚0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Applied Physics Letters,70巻,152頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEE Transactions on Electron Devices,44巻,1245頁,1997頁;SID 04 Digest,154頁等参照)。
また、以上説明した層構成において、基板以外の構成要素を逆の順に積層することも可能である。例えば、図1の層構成であれば、基板1上に他の構成要素を陰極9、電子注入層8、電子輸送層7、正孔阻止層6、発光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2の順に設けてもよい。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明に係る有機電界発光素子を構成することも可能である。
また、基板以外の構成要素(発光ユニット)を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その場合には、各段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合は、それら2層)の代わりに、例えば五酸化バナジウム(V)等からなる電荷発生層(Carrier Generation Layer:CGL)を設けると、段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
更には、本発明に係る有機電界発光素子は、単一の有機電界発光素子として構成してもよく、複数の有機電界発光素子がアレイ状に配置された構成に適用してもよく、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構成に適用してもよい。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていてもよい。
{用途}
本発明の有機電界発光素子は、有機ELディスプレイに使用することができる。この場合、本発明により得られる有機電界発光素子を用いて、例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社,平成16年8月20日発行,時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で有機ELディスプレイを形成することができる。
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
プラチナ(II)-(2-フェニルピリジナト-N,C2)-ヘキサフルオロアセチルアセトネート(化合物1)の合成
Figure 2010083852
プラチナ(II)−ヘキサフルオロアセチルアセトネート(100mg,0.16mmol)の30mlエトキシエタノール溶液に2-フェニルピリジン(30mg,0.06mmol)を添加し、反応液を90℃で2時間反応させた。反応液を冷却後、冷水を加え、沈殿を生成させた。
Figure 2010083852
沈殿を濾過し、64mgのオレンジ色の固体(化合物1)を得た(収率99%)。この化合物(1)の分解温度は236℃であった。
1H NMR(CDCl3)δ:6.23(s,1H),7.11-7.21(m,3H),7.35(d,J6.8Hz,1H),
7.43(d,J7.8Hz,1H),7.65(d,J7.8Hz,1H),7.85(t,J6.8Hz,1H),
8.66(d,J5.5Hz,1H)
13C NMR(CDCl3)δ:94.59,118.70,121.69,123.08,124.84,129.48,130.50,133.83,
139.17,144.33,147.63,167.95,170.92
IR(KBr):3058,1614,1586,1553,1200
MS(LDI-TOF)Calcd.for C16H9F6NO2Pt:556.02
Found:555.71
m/z(%)(100,M+)Anal.Calcd.for C18H9F8NO2Pt:C=34.54,H=1.63,N=2.52
Found:C=34.41,H=1.79,N=2.60
[比較例1]
プラチナ(II)-(2-フェニルピリジナト-N,C2)-ヘキサフルオロアセチルアセトネート(化合物1)の合成
K2PtCl4(560mg,1.35mmol)と2-フェニルピリジン(233,mg1.5mmol)を氷酢酸(250ml)に溶解し、80℃で反応液の赤色が消えるまで3日間反応させた。この反応により生成した沈殿を濾過し、320mgのμ-Cl2プラチナ(II)-(2-フェニルピリジナト-N,C2)の黄色い固体を得た(収率64%)。得られた結晶(固体)は、さらなる精製は行わず次のステップに用いた。
得られたμ-Cl2プラチナ(II)-(2-フェニルピリジナト-N,C2)(90mg,0.12mmol)をエトキシエタノール8mlに溶解し、ヘキサフルオロアセチルアセトン(62mg,0.12mmol)とNa2CO3(85mg0.80mmol)を加え、室温にて2日間撹拌した。これにより生成した沈殿を濾過し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)により、4mgのオレンジ色の固体を得た(収率6%)。
NMRにより実施例1で製造した化合物1と同一であることを確認した。
[実施例2]
プラチナ(II)(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジナト-N,C2)-ヘキサフルオロアセチルアセトネート(化合物2)の合成
Figure 2010083852
<2-ブロモ-4-ジメチルアミノピリジンの合成>
4-ジメチルアミノピリジン(2.5g,20mmol)の150mlのテトラヒドロフラン溶液に三フッ化ホウ素エーテル錯塩(3.1ml,22mmol)を0℃で添加した。反応液を30分間撹拌した後、-78℃に冷却した。反応液にn-ブチルリチウム(32.0mmol,1.60Mヘキサン溶液)を加えて30分間撹拌した後、臭素(32.0mmol,1.65ml)を添加した。反応液は室温までゆっくりと昇温し、一晩撹拌した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えて、分液し、酢酸エチル層を脱水、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)により、2-ブロモ-4-ジメチルアミノピリジン0.98g(収率55%)を白色固体として得た。このものの融点は60℃であった。
1H NMR(CDCl3) δ:3.00(s,6H),6.44(dd,J6.0,2.5Hz,1H),6.64(d,J2.5Hz,1H),
7.94(d,J6.0Hz,1H)
13C NMR(CDCl3):39.20,106.14,109.16,142.97,149.23,155.68
IR(KBr):2927,2803,1918,1590,1519,1070
m/z(%)(100,M+)Anal.Calcd.for C7H9BrN2:C=41.82,H=4.51,N=13.93
Found:C=42.01,H=4.33,N=14.15
<2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジンの合成>
2-ブロモ-4-ジメチルアミノピリジン(250mg,1.25mmol)とジフルオロフェニルボロン酸(0.60g,3.8mmol)を8mlのトルエンに溶解し、Pd(CH3COO)2(10mg,0.04mmol,0.5mol%)および2M K3PO4(1,25ml,2.5mmol)水溶液を加え、混合液を3日間還流した。反応液を10%塩酸でクエンチし、クロロホルムで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、脱水、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)により、2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジン260mg(収率92%)を白色結晶として得た。このものの融点は54〜55℃であった。
1H NMR(CDCl3)δ:3.04(s,6H),6.48(dd,J6.0,2.7Hz,1H),6.48-6.99(m,3H),
7.90(dd,J6.8Hz,1H),8.31(d,J6.0Hz,1H)
13C NMR(CDCl3):39.17,104.10,105.50,107.10,111.61,132.11,149.60,152.58,154.57
IR(KBr):2926,1609,1549,1505,1268
m/z(%)(100,M+)Anal.Calcd.for C13H12F2N2:C=66.66,H=5.16,N=11.96
Found:C=66.59,H=4.98,N=11.88
<プラチナ(II)(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジナト-N,C2)-ヘキサフルオロアセチルアセトネート(化合物2)の合成>
プラチナ(II)−ヘキサフルオロアセチルアセトネート(100mg,0.16mmol)の30mlエトキシエタノール溶液に2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジン(30mg,0.06mmol)を添加し、反応液を90℃で2時間反応させた。反応液を冷却後、冷水を加え、沈殿を生成させた。沈殿を濾過し、ヘキサン/ジクロロメタン混合溶液より再結晶を行い、55mgの赤色の固体(化合物2)を得た(収率54%)。このものの分解温度は283℃であった。
1H NMR(CDCl3)δ:3.14(s,6H),6.19(s,1H),6.34(dd,J7.0,3.1Hz,1H),
6.55(ddd,J12.4,9.1,2.3Hz,1H),6.75(dd,J8.2,2.3Hz,1H),
7.14(t,J3.1Hz,1H),8.06(d,J7.0Hz,1H)
13C NMR(CDCl3):39.44,94.66,100.24,103.67,104.50,112.55,136.39,145.93,155.54,
162.75,170.50
IR(KBr):2938,2815,1625,1515,1409,1269
MS(LDI-TOF)Calcd.for C18H12F8N2O2Pt:635.04
Found:634.96
m/z(%)(100,M+)Anal.Calcd.for C18H12F8N2O2Pt:C=34.03,H=1.90,N=4.41
Found:C=34.10,H=2.20,N=4.44
[比較例2]
プラチナ(II)(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジナト-N,C2)-ヘキサフルオロアセチルアセトネート(化合物2)の合成
K2PtCl4(225mg,0.5mmol)と2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジン(200mg,0.8mmol)を氷酢酸(100ml)に溶解し、混合液を80℃で反応液の赤色が消えるまで3日間反応させた。生成した沈殿を濾過し、水、アセトン、ジエチルエーテルにて洗浄し、150mgのμ-Cl2プラチナ(II)-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジナト-N,C2)の灰色の固体を得た(収率64%)。得られた結晶はさらなる精製は行わず次のステップに用いた。
得られたμ-Cl2プラチナ(II)-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジナト-N,C2)(50mg,0.05mmol)をエトキシエタノール8mlに溶解し、ヘキサフルオロアセチルアセトン(40mg,0.25mmol)とNa2CO3(85mg,0.80mmol)を加え、室温にて2日間撹拌した。生成した沈殿を濾過し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)により、8mgの赤色の固体を得た(収率25%)。
NMRにより実施例2で製造した化合物2と同一であることを確認した。
[実施例3]
Cis-プラチナ(II)(2-ジフェニルピリジナト-N,C2)(化合物3)の合成
Figure 2010083852
化合物1(33mg,0.06mmol)の8mlエトキシエタノール溶液に2-フェニルピリジン(18mg,0.12mmol)を添加し、反応液を90℃で1日間反応させた。生成した沈殿をジクロロメタンで抽出し、脱水して濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより赤色の固体(化合物3)を得た(収率55%)。
Figure 2010083852
1H NMR(CDCl3)δ:7.15(td,J7.4,0.9Hz,2H),7.29-7.30(m,4H),7.64(dd,J7.8,1.4Hz,2H),
7.88(dd,J5.3,1.4Hz,4H),8.18(d,J7.4Hz,2H),8.77(d,J5.3Hz,2H)
[実施例4]
プラチナ(II)(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジナト-N,C2)-アセチルアセトネート(化合物4)の合成
Figure 2010083852
実施例3において、化合物1に代えて化合物2を用い、2−フェニルピリジンに代えてアセチルアセトンを用いたこと以外は同様にして、プラチナ(II)(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジナト-N,C2)- アセチルアセトネートを合成した。このものの分解温度は283℃であった。
1H-NMR(CDCl3)δ:1.97(s,6H),3.12(s,6H),5.45(s,1H),6.35(dd,J6.9,2.7Hz,1H),
6.52(ddd,J12.5,9.3,2.6Hz,1H),7.07(dd,J8.7,2.6Hz,1H),
7.18(t,J2.7Hz,1H),8.42(d,J6.9Hz,1H)
13C NMR(CDCl3)δ:27.12,28.07,39.45,98.92,102.47,103.30,104.49,112.47,145.90,
155.31,163.51,184.09,185.37
IR(KBr):2923,1625,1570,1519,1405,1248
MS(LDI-TOF)Calcd.for C18H18F2N2O2Pt:527.10
Found:527.23
m/z(%)(100,M+).Anal.Calcd.for C18H18F2N2O2Pt:C=40.99,H=3.44,N=5.31
Found:C=40.91,H=3.34,N=5.33
[実施例5]
プラチナ(II)(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジナト-N,C2)-ジピバロイルメタン(化合物5)の合成
Figure 2010083852
実施例3において、化合物1に代えて化合物2を用い、2−フェニルピリジンに代えてジピバロイルメタンを用いたこと以外は同様にして、プラチナ(II)(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ジメチルアミノピリジナト-N,C2)-ジピバロイルメタンを合成した。
1H-NMR(CDCl3)δ:1.26(d,J4.6Hz,18H),3.12(s,6H),5.78(s,1H),6.38(dd,J6.9,2.9Hz,1H),
6.52(ddd,J12.4,8.9,2.4Hz,1H),7.09(dd,J8.9,2.4Hz,1H),
7.19(t,J2.9Hz,1H),8.44(d,J6.9Hz,1H)
[実施例6]
プラチナ(II)-(2-フェニルピリジナト-N,C2)-アセチルアセトネート(化合物6)の合成
Figure 2010083852
プラチナ(II)-(2-フェニルピリジナト-N,C2)-ヘキサフルオロアセチルアセトネート(20mg,0.036mmol)をエトキシエタノール5mlに溶解し、アセチルアセトン(4mg,0.040mmol)とNa2CO3(15mg,0.14mmol)を加え、反応液を90℃で2時間撹拌した。反応液を冷却後、水を加えてから、ジクロロメタンで抽出を行った。脱水、濃縮後にカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)によって、プラチナ(II)-(2-フェニルピリジナト-N,C2)-アセチルアセトネート10mg(収率61%)を黄色固体として得た。
1H NMR(CDCl3)δ:2.00(s,6H),5.47(s,H),7.07-7.11(m,2H),
7.20(ddd,15.1,7.8,1.4Hz,1H),7.43(ddJ7.8,0.9Hz,1H),
7.59-7.62(m,2H),7.79(ddd,J15.6,7.8,1.8Hz,1H),
8.98(dd,J6.0,0.9Hz,1H).
MS(LDI-TOF)Calcd.for C16H15NO2Pt:448.08
Found:447.91
[化合物4、化合物5および化合物6の溶液中での発光の測定]
化合物4、化合物5および化合物6をそれぞれクロロホルムに溶解し、1×10−5(mol/l)濃度の溶液を調製した。得られた溶液を分光発光測定器FP-6200(JASCO製)にて波長360nmの光で励起させて発光スペクトルを測定した。結果を図2に示す。
これらの化合物のうち、化合物4および化合物5はともに青色の発光を示し、有機電界発光素子などの表示材料に求められる青色発光材料として活用されうることが示された。
本発明の有機電界発光素子の一例を示す模式的断面図である。 化合物4、化合物5および化合物6のクロロホルム溶液の発光スペクトルを示すチャートである。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
10 有機電界発光素子

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される部分構造を有する化合物を用いて製造することを特徴とする、金属錯体の製造方法。
    Figure 2010083852
    (式(1)中、Mは、周期表の第4〜7周期の金属から選ばれる金属元素である。X11〜X26は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表すが、X11〜X26のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。)
  2. 上記式(1)において、Mが白金であることを特徴とする、請求項1に記載の金属錯体の製造方法。
  3. 上記式(1)におけるX11〜X26が、すべてハロゲン原子であることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属錯体の製造方法。
  4. 上記式(1)で表される部分構造を有する化合物を用いて製造される金属錯体が、下記式(2)で表される化合物またはその誘導体であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の金属錯体の製造方法。
    Figure 2010083852
    (式(2)中、X30〜X35は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。)
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の金属錯体の製造方法により製造された、金属錯体。
  6. 陽極、陰極、および該陽極と該陰極との間に設けられた有機層を有する有機電界発光素子において、該有機層が請求項5に記載の金属錯体を含有することを特徴とする、有機電界発光素子。
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