JP2010083715A - 多孔体、金属−セラミックス複合材料、及びそれらの製造方法 - Google Patents

多孔体、金属−セラミックス複合材料、及びそれらの製造方法 Download PDF

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【課題】加圧浸透法により金属−セラミックス複合材料を得るための高強度の多孔体を提供し、クラックやメタルリッチ層、浸透不良が生じず、低コストで剛性の高い金属-セラミックス複合材料の作製を可能とする。
【解決手段】加圧浸透法によりアルミニウムまたはアルミニウム合金を浸透させて金属−セラミックス複合材料を得るための炭化ケイ素を主成分とする多孔体であって、炭化ケイ素の充填率が60%以上であり、Siとカーボンが反応してなる反応焼結炭化ケイ素が、炭化ケイ素全体の5〜10質量%を占めることを特徴とする多孔体。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属−セラミックス複合材料の製造方法に関し、特に加圧浸透法による金属−セラミックス複合材料の製造方法に関するものである。
セラミックス粉末またはセラミックス繊維と金属との複合材料の製造方法には、鋳造法、加圧鋳造法、加圧浸透法、非加圧浸透法、粉末冶金法等の方法がある。そのうち加圧浸透法は、セラミックス粉末またはセラミックス繊維の多孔体を形成して、その多孔体に溶融したアルミニウムを浸透させる方法である。加圧浸透法によれば、圧力を高めることにより、アルミニウムを強制的に浸透させることができ、比較的緻密な複合材料が得られる。また、予め多孔体を所定形状に形成してアルミニウムを浸透させれば、ニアネットで複合材料が得られ余分な加工を減らすことができる。
この製造方法では、多孔体にアルミニウムを細部まで浸透させるために高圧力をかける必要がある。したがって、多孔体の強度が弱かったり、クラックがあったりすると浸透時の圧力に耐え切れず、多孔体に割れが生じ、そこにアルミニウムが浸透されて、ライン状のメタルリッチ層が発生してしまう。このメタルリッチ層は他のセラミックスが高充填されている箇所と比較すると強度に劣る可能性があるため、特性に影響がでると考えられる。そこで、多孔体の強度を高める方法が種々検討されている。
例えば、特許文献1には、気孔径が5〜70μmの多孔質セラミックス焼結体の気孔内に、マトリックス金属の溶湯を加圧浸透して金属−セラミックス複合材料を得る方法が開示されている。この多孔質セラミックス焼結体は、放電プラズマ焼結法、雰囲気焼結法、再結晶法、反応焼結法等の各種焼結法により作製されている。
また、特許文献2には、金属等を含侵するマトリックス材として好適に用いられる炭化ケイ素多孔体の例として、気孔径が5〜60μmの範囲に分布し、30〜50%の気孔率を有する多孔体が開示されている。この多孔体は、Ar雰囲気中、2200〜2500℃の温度範囲で得られるもので、高い強度を有している。
特開2000−336438号公報 特開2001−151579号公報
しかしながら、これらの文献に開示された方法では、高い強度の炭化ケイ素多孔体は得られるものの、2000℃を超えるような高い温度での焼結が必要であり、多孔体の製造コストが高くなってしまう。また、特許文献1には、比較的低温で焼結する方法として、反応焼結法が挙げられているが、具体的な構成や、方法は記載されておらず、どのような条件によれば金属−セラミックス複合材料としたときに十分な品質のものが得られるのか不明であった。
また、その他の多孔体の強度を高める方法としてバインダーの添加量を増やす方法が挙げられる。バインダーの種類としては、カーボンを主成分とする有機バインダーと酸化物などを主成分とする無機バインダーを用いることができる。しかし、有機バインダーを多量に用いた場合、主成分であるカーボンが残炭となり、浸透させたアルミニウムと反応して炭化アルミニウムが発生する。この炭化アルミニウムは水分と反応して水酸化アルミニウムへと変化しやすい。その変化が金属−セラミックス複合材料内部で発生すると複合材料自体の強度が大幅に低下することがある。また、無機バインダーを多量に用いるとセラミックス粒子間をバインダーが埋めてしまうため、浸透不良が発生したり、それを防止するために浸透圧力を高くしなければならないので不都合が生じたりする。さらに無機バインダーはシリカなどの非晶質のものが多く、それが金属−セラミックス複合材料内に多量に存在すると強度の低下、剛性の低下、熱伝導率の低下など特性に大きな影響を及ぼすという問題点があった。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、加圧浸透法により金属−セラミックス複合材料を得るための高強度の多孔体を提供し、クラックやメタルリッチ層、浸透不良が生じず、低コストで剛性の高い金属-セラミックス複合材料を作製可能とするものである。
本発明は、これらの問題を解決するため、加圧浸透法によりアルミニウムまたはアルミニウム合金を浸透させて金属−セラミックス複合材料を得るための炭化ケイ素を主成分とする多孔体であって、炭化ケイ素の充填率が60%以上であり、Siとカーボンが反応してなる反応焼結炭化ケイ素が、炭化ケイ素全体の5〜10質量%を占めることを特徴とする多孔体を提供する。
本発明の多孔体は、炭化ケイ素を主成分とし、その炭化ケイ素全体の5〜10質量%をSiとカーボンが反応して得られた炭化ケイ素とした。これは、反応焼結炭化ケイ素の量をこのような範囲に調整することで、多孔体の強度を高めると同時に、その後のアルミニウムまたはアルミニウム合金の浸透を円滑に進行させるためである。反応焼結炭化ケイ素の量が5質量%より少ないと炭化ケイ素同士のネッキングによる接着箇所が少なくなり、多孔体の強度が低下するため好ましくない。また、10質量%より多いとSiとカーボンが反応し炭化ケイ素が形成される際の体積変化により多孔体にクラックが発生する原因となるため好ましくない。
炭化ケイ素の充填率は、60%以上が好ましい。これよりも充填率が小さくなると、多孔体の形状を保持する強度を発現することが困難であり、更に加圧浸透のときにクラックが生じ、そこにメタルリッチ層が発生し易くなる。また、60%以上であれば、得られる金属−セラミックス複合材料の剛性も高まるため好ましい。
また、多孔体に含まれるカーボンの割合は、0.1〜0.5質量%であることが好ましい。多孔体にカーボンが含まれると、カーボンとアルミニウムが反応し、炭化アルミニウムを生成するため望ましくないが、上記範囲であれば不具合を抑えることができる。また、カーボンを完全に除去しようとすると、Siとの反応に必要なカーボン量が確保できず、十分なケイ素を生成することができないおそれがある。なお、ここでいうカーボンとは炭化ケイ素を構成する炭素ではなく、いわゆる遊離炭素及び有機物の炭化により生成した炭素を意味する。
また、多孔体に含まれるSiの割合は、0.5〜5質量%であることが好ましい。このようにカーボンとの炭化反応に消費されず多孔体に残るSiを所定の割合とすることで、その後に金属を浸透させたときに、Siと金属とが溶融し合うので浸透が促され、細孔にも十分に金属を浸透させることができる。その結果、緻密でヤング率の高い金属−セラミックス複合材料が得られる。Siの割合が0.5質量%より少ないと、アルミニウムまたはアルミニウム合金の浸透を促進する効果が小さく、細孔に浸透させることができず緻密化できないおそれがある。一方、Siの割合が5質量%より多い場合には、相対的に炭化ケイ素の充填率が低下するため、多孔体の強度低下の原因となる。なお、ここでいうSiとは金属Siを意味し、炭化ケイ素を構成するケイ素は含まない。
さらに、本発明の多孔体においては、気孔径1μm以下の積算気孔率が2%以下とすることができる。これは、反応焼結炭化ケイ素の量を調整しているので気孔径1μm以下の微細気孔が低減されることによる。これよりも多く1μm以下の気孔が存在すると、金属を浸透させる際に10〜50MPaもの圧力を加えても微細な空隙が残り、ヤング率が低下する原因となる。また、この空隙の形成を防ぐために更に高い圧力でアルミニウムまたはアルミニウム合金を浸透させると多孔体にクラックが生じ、複合化の際にメタルリッチ層が発生するおそれがある。
また、本発明は、上記の多孔体の気孔に加圧浸透法によりアルミニウムまたはアルミニウム合金が浸透された金属−セラミックス複合材料であって、ヤング率が200GPa以上である金属−セラミックス複合材料を提供する。
多孔体の製造方法は、炭化ケイ素に、有機バインダーとSiをそれぞれ20質量%以下添加して混合粉末を得る工程と、前記混合粉末を攪拌混合した後、成形して成形体を得る工程と、前記成形体の残炭を3質量%以上となるように大気中で加熱して脱脂する工程と、1400℃以上に加熱してSiとカーボンとを反応させることにより、カーボンの割合を0.1〜0.5質量%、Siの割合を0.5〜5質量%とした多孔体を得る工程とが含まれる。
有機バインダーの添加量を20質量%以下とするのは、これより多いと、相対的に炭化ケイ素の充填率が低下するとともに、有機バインダーの残炭が過剰に残り、アルミニウムと反応して炭化アルミニウムが発生するからである。また、残炭を消費するためにSiを過剰に添加すると反応焼結炭化ケイ素が多量に発生し、体積変化により多孔体にクラックが発生してしまう。なお、多孔体に所定量の反応焼結炭化ケイ素を生成させる必要があるので、成形体の残炭が3質量%以上となるように添加する。
Siの添加量は20質量%以下が好ましい。Siは有機バインダーの残炭のカーボンと反応して炭化ケイ素になるが、高温ではSiの蒸発も発生するため、残炭のカーボンを消費するだけのSiを添加する必要がある。したがって、反応焼結炭化ケイ素を多孔体全体の5質量%以上生成させることができる量を添加する。上述のようにカーボンを消費するためにSiを過剰に添加すると反応焼結炭化ケイ素が多量に発生し、体積変化により多孔体にクラックが発生してしまう。また、Siの添加量が20質量%より多くなると成形体の炭化ケイ素の割合が低くなり、複合材料化したときの炭化ケイ素の充填率が低下してしまうため好ましくない。
残炭を3質量%以上とするのは、これよりも少ない割合では反応焼結炭化ケイ素の生成が不十分となるため、高温での強度が低下し、加圧浸透時にメタルリッチ層が発生するためである。また、残炭は10質量%以下とすることが好ましい。残炭が10質量%より多い場合、アルミニウムと反応して生成する炭化アルミニウムの影響が顕著に現れるため、好ましくない。なお、ここでいう残炭は、脱脂工程で有機物の炭化により生成し成形体に残留した炭素を意味する。
Siとカーボンを反応させる工程は、1400℃以上とすることが好ましい。1400℃より低温ではSiとカーボンの反応が十分行われず、多孔体における炭化ケイ素の割合も低下し、ヤング率にも影響する。また1600℃より高温で行うとSiの蒸発が顕著に発生し、Si不足により反応焼結炭化ケイ素量が少なくなり、多孔体における炭化ケイ素の割合も低下し、多孔体の強度やヤング率が著しく低下するため好ましくない。
さらに、本発明は、上記のようにして得られた多孔体にアルミニウムまたはアルミニウム合金を加圧浸透する金属−セラミックス複合材料の製造方法を提供する。
加圧浸透法により金属−セラミックス複合材料を得るための高強度の多孔体を提供し、クラックやメタルリッチ層、浸透不良が生じず、低コストで剛性の高い金属-セラミックス複合材料が作製可能となる。
以下、本発明の多孔体および金属−セラミックス複合材料の製造方法について、より詳細に説明する。
炭化ケイ素としては、純度が99%以上で#180〜#800の工業用の研磨材として用いられているものを適用することができる。粒度の配合については#180と#700を混合するなど粗粒と細粒を組み合わせて炭化ケイ素の充填率を向上させることが好ましい。なお、細粒は平均粒径が5μm以上のものを用いることが好ましい。平均粒径5μm以下の微粉を使用するとSiとカーボンの反応による反応熱や体積変化の影響を大きく受け、多孔体にクラックが発生しやすいため好ましくない。
添加するSiとしては、平均粒径が10〜20μm程度の粉末が好ましい。これは多孔体における炭化ケイ素の充填率を低下させないための粒径である。また純度は99%以上が好ましい。純度が低いとSiとカーボンの反応に影響が出る可能性がある。
添加するカーボンとしては、フェノール樹脂のように残炭が50%程度のものが好ましい。形状は粉末でも液体でも構わない。またフェノール樹脂は熱を加えることにより低温で硬化するため、多孔体を加工することも可能である。
混合粉末の成形方法は、乾式プレス成形や湿式成形等の公知の方法を用いることができる。なかでも乾式プレス成形が望ましい。これはプレスした際に熱を加えることにより、添加したフェノール樹脂が硬化し、成形体の取り扱いが容易になるからである。
脱脂工程は、600〜700℃の大気中で行うことが好ましい。これにより成形体の残炭を3質量%以上、10質量%以下に調整することができる。これより低温では残炭が過剰となる。また700℃よりも高温では残炭が微量となり、反応焼結炭化ケイ素を生成するためのカーボンが不足してしまう。
Siとカーボンとを反応させる工程は、1400〜1600℃で真空中が好ましい。1400より低温ではSiとカーボンが十分に反応しない。1600℃より高温ではSiの蒸発が顕著に起こり、反応焼結炭化ケイ素の発生量が低下してしまう。
また、Siとカーボンとを反応させる熱処理の雰囲気は真空が最も好ましい。不活性雰囲気としてArを用いるとSi粉末の表面にある酸化膜の除去が十分に出来ず、Siとカーボンの反応が阻害される。また、NではSiとNが反応し、窒化ケイ素が発生してしまうため好ましくない。
このような工程によれば、多孔体において、Siとカーボンが反応した炭化ケイ素が炭化ケイ素全体の5〜10質量%となり、また、カーボンおよびSiの割合を所定量にすることができる。これによりSiとカーボンとの反応により生じた炭化ケイ素が多孔体のネッキング材として作用することから多孔体の強度が強く、浸透後にメタルリッチ層の無い金属−セラミックス複合材料を作製することが出来る。さらに炭化ケイ素の充填率が上がることによって金属−セラミックス複合材料の剛性を高くすることが出来る。
浸透させる金属は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることが好ましい。具体的には、例えば純度99.0%以上の純アルミニウムやAC8Aなどの一般的に用いられている合金を用いることができる。このような金属を用いてSiが0.5〜5重量%含まれる多孔体に加圧浸透すると、SiとAlとが溶融し合うので浸透が促され、細孔にも十分に金属を浸透させることができる。
浸透時の圧力は、10〜50MPaが好ましい。10MPaより低い圧力では多孔体の細孔に十分にアルミニウムまたはアルミニウム合金が浸透せず、ヤング率などの特性において十分なものが得られないおそれがある。50MPaより高いと圧力が高すぎて、多孔体にクラックが生じるおそれがある。
またアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶融温度は、融点以上であって、十分に浸透が進行する温度であれば良い。具体的には、650〜800℃の溶融温度を採用することができる。浸透の際に周囲の治具に熱を奪われるなどして浸透が十分に行われないような場合には、周囲の治具にヒーターを内蔵したり、外部から加熱したりしながら浸透させても良い。800℃より高温ではアルミニウムの酸化が著しく発生し、作業工程上問題が生じる。
以下、本発明の実施例を比較例とともに具体的に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
市販の炭化ケイ素(#180、#500、#700(JISR6001規定の粒度))、Si粉末(平均粒径20μm)、フェノール樹脂粉末(残留炭素分:58%)を乾式で混合し、150℃の熱プレスで成形を行った。その後、600℃-5hr大気中で脱脂、1450℃真空中で熱処理を行い、多孔体を得た。なお、比較のため比較例1では、有機バインダーとしてフェノール樹脂粉末ではなくポリビニルアルコール樹脂を10質量%添加したものを作製した。また、比較例2では、真空中-1300℃で熱処理を行った。
次に、20MPaの圧力でアルミニウム合金AC8Aを加圧浸透し、金属−セラミックス複合材料を作製した。
表1に炭化ケイ素粉末、Si及びバインダーの原料配合、並びに脱脂工程後の成形体の残炭率について示した。脱脂工程後の成形体の残炭率は脱脂した後の成形体の重量から炭化ケイ素およびSiの重量をひいて残炭量を求め算出した。
表2に多孔体の炭化ケイ素充填率と、その炭化ケイ素全体に占める反応焼結炭化ケイ素の割合、カーボンの割合、Siの割合、及び1μm以下積算気孔率を示した。
多孔体の炭化ケイ素充填率およびSiの割合については、多孔体の見かけ密度をアルキメデス法によって測定して求めた。炭化ケイ素全体に占める反応焼結炭化ケイ素の割合は、多孔体に含まれる炭化ケイ素の重量と脱脂工程後の成形体に含まれる炭化ケイ素の重量との差から求めた。多孔体に最終的に含まれるカーボンの割合については、多孔体を600℃大気中で20hr再度熱処理し、その前後の重量変化から求めた。また、多孔体における気孔径1μm以下の積算気孔率は、水銀ポロシメーターによる細孔分布測定から求めた。
また、表2にアルミニウム合金を加圧浸透して得られた金属−セラミックス複合材料のヤング率を示した。ヤング率は、金属−セラミックス複合材料を3×4×40の形状に加工し、JISR1602に準拠し共振法により求めた。
Figure 2010083715
Figure 2010083715
本発明の範囲内である実施例1〜6では、炭化ケイ素充填率62〜71%、反応焼結炭化ケイ素が5.9〜9.4質量%の多孔体が得られた。また、多孔体のカーボン量は、0.1〜0.4質量%、Si量は0.5〜1.6質量%であった。これらの多孔体の気孔径1μm以下の積算気孔率は、0.6〜1.4%であった。また、これらの多孔体にアルミニウム合金を加圧浸透させた複合材料のヤング率は212〜251GPaと200GPa以上のヤング率を示した。すべての試料でメタルリッチな層はなく、ヤング率も高いことから、閉気孔が少なく緻密な複合材料が得られた。
一方、本発明の範囲外である比較例1では残炭が少ないため、反応焼結炭化ケイ素が十分に生成せず、炭化ケイ素の充填率も少ないため、十分なヤング率を得ることが出来なかった。比較例2では焼成温度が低いため、炭化ケイ素の反応が十分に起こらず、同様に充填率が少なく、ヤング率も低下した。また、比較例1および2ではSiがカーボンと反応せずに多く残ったため、積算気孔率も大きくなった。比較例3では添加したSiの量が多いため、反応焼結炭化ケイ素の生成量も多くなったが、その分、体積変化の影響が大きく、多孔体にクラックが発生した。比較例4では反応焼結炭化ケイ素の量が少なく、そのため粒子間のネッキングが弱いためにクラックが発生した。また、比較例5では炭化ケイ素の充填率は高いが、Siの添加量が少なく反応焼結炭化ケイ素の生成量も少ないため、ネッキングが弱く、加圧浸透の際にクラックが生じ、その部分がメタルリッチ層となった。また、多孔体中のSi量が少ないため、細孔までアルミニウム合金が入らず、ヤング率も低い値となった。

Claims (6)

  1. 加圧浸透法によりアルミニウムまたはアルミニウム合金を浸透させて金属−セラミックス複合材料を得るための炭化ケイ素を主成分とする多孔体であって、
    炭化ケイ素の充填率が60%以上であり、
    Siとカーボンが反応してなる反応焼結炭化ケイ素が、炭化ケイ素全体の5〜10質量%を占めることを特徴とする多孔体。
  2. カーボンの割合が0.1〜0.5質量%、Siの割合が0.5〜5質量%である請求項1に記載の多孔体。
  3. 気孔径1μm以下の積算気孔率が2%以下である請求項1または2に記載の多孔体。
  4. 請求項1〜3に記載の多孔体の気孔に加圧浸透法によりアルミニウムまたはアルミニウム合金が浸透された金属−セラミックス複合材料であって、ヤング率が200GPa以上であることを特徴とする金属−セラミックス複合材料。
  5. 炭化ケイ素に、有機バインダーとSiをそれぞれ20質量%以下添加して混合粉末を得る工程と、
    前記混合粉末を攪拌混合した後、成形して成形体を得る工程と、
    前記成形体の残炭を3質量%以上となるように大気中で加熱して脱脂する工程と、
    1400℃以上に加熱してSiとカーボンとを反応させることにより、カーボンの割合を0.1〜0.5質量%、Siの割合を0.5〜5質量%とした多孔体を得る工程とを含むことを特徴とする多孔体の製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法により得られた多孔体にアルミニウムまたはアルミニウム合金を加圧浸透する金属−セラミックス複合材料の製造方法。
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