JP2010083318A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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JP2010083318A JP2008254294A JP2008254294A JP2010083318A JP 2010083318 A JP2010083318 A JP 2010083318A JP 2008254294 A JP2008254294 A JP 2008254294A JP 2008254294 A JP2008254294 A JP 2008254294A JP 2010083318 A JP2010083318 A JP 2010083318A
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博司 松井
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Abstract

【課題】重量増加を抑えながらピンチカットの発生を大幅に抑制する。
【解決手段】カーカス6の内側面かつサイドウォール部に配された断面略三日月状のサイド補強ゴム層9を具え、しかもビード部4に、リムフランジJFのタイヤ半径方向外側を覆うようにタイヤ軸方向外側に突出してタイヤ周方向にのびるリムプロテクタ11が設けられる。正規状態の子午線断面において、カーカス6のカーカス最大幅点Mが、内圧を零としかつ正規荷重が負荷されたランフラット状態で前記リムプロテクタ11がリムフランジJFと接する最もタイヤ軸方向外側の点であるリム離反点Fよりも0.5〜4.0mmタイヤ軸方向内側に位置する。又カーカスコードに、アラミド繊維コードが用いられ、しかもアラミド繊維コードの撚り係数Tは0.5〜0.7の範囲である。
撚り係数T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3 −−−(1)
(Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重)
【選択図】図3

Description

本発明は、ピンチカットの発生を抑制してランフラット走行距離を増大したランフラットタイヤに関する。
従来、パンク等によってタイヤの空気が抜けた場合でも、比較的高速度で一定の距離を安全に走行しうるランフラットタイヤが種々提案されている。図9にはこの種のランフラットタイヤaの一例が示される。ランフラットタイヤaは、そのサイドウォール部bに断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層cが配され、またビード部dにはリムフランジjfを覆うようにタイヤ軸方向外側に突出しかつタイヤ周方向にのびるリムプロテクタeが設けられている。タイヤの空気が抜けた場合、サイド補強ゴム層cで補強されたサイドウォール部bが主としてタイヤの荷重を支え、これにより該タイヤの縦撓みが制限される。
一方、ランフラットタイヤの損傷原因の一つにピンチカットが挙げられる。このピンチカットは、概ね次のような過程で生じる。図10(A)に示されるように、例えばランフラット走行時にタイヤaが路面gに形成された突起や凹みf等を走行すると、その段差部の角によってサイドウォール部bに局部的に大きな撓みが生じる。この撓みによって、ビード部dにおいてカーカスコードの破断やカーカスコードとゴムとの剥離が生じる。これらの損傷は走行に伴いタイヤの内部で進行し、最終的には図10(B)に示されるようにサイド補強ゴム層cをも破断させる。従って、ランフラット走行距離を増大させるためには、このようなピンチカットを長期に亘って抑制することが急務となる。
そこで本出願人は、下記の特許文献1において、ランフラット状態においてリムプロテクタがリムフランジと接する最もタイヤ軸方向外側の点であるリム離反点とカーカス最大幅点との相対位置を規制することにより、重量増加を抑えながらピンチカットの発生を抑制することを提案した。
特開2005−247007号公報
しかしながら、特許文献1における前記相対位置の規制のみでは、ランフラット走行の距離増大には限界があり、近年のより強い距離増大の要求に対応することが難しく、さらなる改善が望まれている。
本発明は、前記特許文献1の改良に係わり、重量増加を抑えながらピンチカットの発生を大幅に抑制することができ、ランフラット走行の距離増大に大きく貢献しうるランフラットタイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、前記カーカスの内側面かつサイドウォール部に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層とを具え、かつ前記ビード部に、リムフランジのタイヤ半径方向外側を覆うようにタイヤ軸方向外側に突出してタイヤ周方向にのびるリムプロテクタが設けられたランフラットタイヤであって、
前記カーカスは、タイヤ周方向に対して75〜90°の角度で配列したカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなり、
かつ正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態におけるタイヤ回転軸を含む子午線断面において、
前記カーカスのタイヤ軸方向の最も外側を通るカーカス最大幅点が、内圧を零としかつ正規荷重が負荷されたランフラット状態において前記リムプロテクタがリムフランジと接する最もタイヤ軸方向外側の点であるリム離反点よりも0.5〜4.0mmタイヤ軸方向内側に位置するとともに、
前記カーカスコードに、アラミド繊維コードが用いられ、しかも該アラミド繊維コードは、次式(1)で示す撚り係数Tを0.5〜0.7の範囲としたことを特徴としている。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3 −−−(1)
(ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)
又請求項2の発明では、前記カーカスプライの前記トッピングゴムは、複素弾性率E*が5〜13MPaの範囲としたことを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記カーカスは、前記ビードコア間をトロイド状にのびる本体部と、この本体部に連なり前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有するとともに、
前記折返し部の外端は、前記カーカス最大幅点をタイヤ半径方向外側に超えてのびることを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記リムプロテクタは、前記リム離反点から前記カーカスの外面までの最短距離で測定されるゴム厚さが4.0〜7.0mmであることを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記サイドウォール部は、前記カーカス最大幅点において、サイドウォールゴムの厚さtsと、前記サイド補強ゴム層の厚さtiとの比(ti/ts)が1.0〜8.0であることをことを特徴としている。
ここで、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。さらに「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"とする。
又本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、正規状態で特定される値とする。
又複素弾性率E*は、 JIS−K6394の規定に準じて、次に示される条件で(株)岩本製作所製の「粘弾性スペクトロメータ」を用いて測定した値である。
・初期歪み(10%)、
・振幅(±1%)、
・周波数(10Hz)、
・変形モード(引張)、
・測定温度(70℃)。
本発明は、カーカス最大幅点をリム離反点からタイヤ軸方向内側に所定距離だけ遠ざけたカーカスプロファイルを採用している。これにより、折返し部のカーカスコードが、圧縮及び引張変形がない曲げのニュートラルラインに近づき、ランフラット走行時、前記折返し部のカーカスコードに作用する応力、及びカーカスコードとその周囲ゴムとの間の剪断力を減じることができる。そのため、該カーカスコードの破断損傷、及び周囲ゴムとの剥離損傷を抑制しうる。
又前記カーカスコードにアラミド繊維コードを採用している。このアラミド繊維コードはそれ自体、他の有機繊維コードに比して破断強度が高い。しかもアラミド繊維コードは高弾性であり、カーカス本体部のカーカスコードの伸びを低く抑えることができる。そのため、ランフラット走行における突起や凹み乗り越し時に生じる局部的なタイヤ撓みに対しても、この局部的なタイヤ撓みを効果的に減じることができ、カーカスコードの破断損傷、及びカーカスコードと周囲ゴムとの剥離損傷を抑制しうる。
特に本発明では、前述のカーカスプロファイルの採用と、カーカスコードへのアラミド繊維コードの採用との双方の手段を組み合わせることにより、相乗効果が発揮される。即ち、カーカスコードの破断損傷抑制効果、及びカーカスコードと周囲ゴムとの剥離損傷抑制効果を、各手段の個別の効果を単に加え合わせた場合に比して、より高めることができ、ピンチカットの抑制を大幅に抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。 図1は本発明のランフラットタイヤ1の正規状態における断面図、図2には内圧を零としかつ正規荷重を負荷した状態のタイヤの断面図、図3は図1のビード部を拡大して示す部分断面図である。
図1において、本実施形態のランフラットタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、前記カーカス6の内側面かつサイドウォール部3に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層9とを具え、かつ前記ビード部4には、リムフランジJFのタイヤ半径方向外側を覆うようにタイヤ軸方向外側に突出してタイヤ周方向にのびるリムプロテクタ11が配されている。なお前記サイド補強ゴム層9のタイヤ軸方向内側には、空気を透過しにくいゴムからなるインナーライナゴム10が配されている。
前記カーカス6は、タイヤ周方向に対して75〜90°の角度で配列されるカーカスコードをトッピングゴムにより被覆した1枚以上のカーカスプライから形成される。本例では、カーカスコードを80〜90°の角度で配列した1枚のカーカスプライ6Aからなる場合が示されている。前記カーカス6は、前記ビードコア5、5間をトロイド状に跨る本体部6aの両端に、前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返される折返し部6bを一連に具える。
そして前記本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5のタイヤ半径方向の外側面から外側に先細状でのびるビードエーペックスゴム8が配される。このビードエーペックスゴム8は、ゴム硬度が例えば65〜95°、より好ましくは70〜95°の硬質のゴムにより形成される。これにより、ビード部4の曲げ剛性を高めてタイヤの縦撓みを抑制する。ビードエーペックスゴム8のビードベースラインBLからの高さhaは、特に限定はされないが、小さすぎるとランフラット走行時の耐久性が低下しやすく、逆に大きすぎてもタイヤ重量の過度の増加や著しい乗り心地の悪化を招くおそれがある。このような観点より、ビードエーペックスゴム8の前記高さhaは、タイヤ断面高さSHの10〜50%、より好ましくは25〜45%程度が望ましい。本明細書においては、前記「ゴム硬度」は、JIS−K6253に基づきデュロメータータイプAにより、23°の環境下で測定したデュロメータA硬さである。
本例では、カーカス6の前記折返し部6bは、カーカス6のタイヤ軸方向の最も外側を通るカーカス最大幅点Mを超えてタイヤ半径方向外側に巻き上がり、具体的には、前記折返し部6bの外端部がカーカス6の本体部6aとベルト層7との間に挟まれて終端している。このようなカーカス6は、1枚という最小のプライ枚数でサイドウォール部3を効果的に補強しうる。また、カーカス6は、耐久性の低い折返し部6bの外端6beを、パンク走行中に大きく撓み易いサイドウォール部3から遠ざけ得るため、該外端6beを起点としたセパレーション等の損傷を抑制し、耐久性を高めるのにも役立つ。表1には、前記折返し部6bとベルト層7とが重なるタイヤ軸方向の長さEWを種々違えてタイヤ(サイズ:P225/60R17)を試作し、正規状態での該折返し部6bの端部位置での歪を測定した結果が示されている。表1から明らかなように、長さEWが大きくなると、折返し部6bの端部位置での歪が効果的に緩和されるのが分かる。このような観点より、折返し部6bとベルト層7とが重なる重なり部のタイヤ軸方向長さEWは、例えば10mm以上、好ましくは15mm以上、より好ましくは20mm以上とするのが望ましく、上限についてはタイヤ重量の増大を防止する上で例えば25mm以下が望ましい。
Figure 2010083318
次に、前記ベルト層7は、タイヤ周方向に対して例えば10〜35°の角度で配列したベルトコードをトッピングゴムにて被覆した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。ベルトプライ7A、7Bは、前記ベルトコードが互いに交差するように、コードの傾斜の向きを互いに違えて重ね合わされる。これによりベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強する。前記ベルトコードとしてスチールコードが好適に採用される。
又前記サイドウォール部3には、ランフラット機能を確保するためのサイド補強ゴム層9が配される。このサイド補強ゴム層9は、最大厚さを有する中央部分9aから、タイヤ半径方向内端9i及び外端9oに向かってそれぞれ厚さを徐々に減じてのびる断面三日月状をなす。前記内端9iは、ビードエーペックスゴム8の外端8Tよりもタイヤ半径方向内側かつ前記ビードコア5よりもタイヤ半径方向外側に位置している。又前記外端9oは、ベルト層7の外端7eよりもタイヤ軸方向内側の位置で終端する。これにより、サイド補強ゴム層9は、比較的広い範囲でタイヤの剛性を高め縦撓み量を抑制する。
サイド補強ゴム層9は、前記カーカス6の本体部6aの内側面側(タイヤ内腔側)に配される。このため、サイドウォール部3の曲げ変形時には、サイド補強ゴム層9には主として圧縮荷重が、またコード材を有するカーカスプライ6Aには主として引張荷重がそれぞれ作用する。ゴムは圧縮荷重に強く、かつ、コード材は引張荷重に強いため、上記のようなサイド補強ゴム層9の配設構造は、サイドウォール部3の曲げ剛性を効率良く高め、ランフラット走行時のタイヤの縦撓みをより効果的に低減しうる。
特に限定はされないが、サイド補強ゴム層9は、ゴム硬度が65゜以上、さらには70°以上の比較的硬質のゴム材により構成されるのが好ましい。前記ゴム硬度が65゜未満であると、ランフラット走行時の圧縮歪が大きくなって、耐久性が悪化しランフラット走行距離が低下しやすくなる。他方、前記ゴム硬度が大きすぎても、タイヤの縦バネ定数を過度に高めてしまい、通常走行時の乗り心地を著しく悪化させる傾向がある。このような観点より、前記サイド補強ゴム層9のゴム硬度の上限は、80゜以下、さらには75゜以下が好ましい。
またサイド補強ゴム層9では、図1に示される前記内端9i、外端9o間のタイヤ半径方向の配設長さLが小さすぎると、図2に示されるような滑らかなサイドウォール部3の湾曲状態が得られ難く、逆に大きすぎると内圧が適切に満たされている通常走行時において乗り心地の著しい悪化が生じやすい他、リム組み性能をも悪化させる傾向がある。従って、サイド補強ゴム層9の前記配設長さLは、タイヤ断面高さSHの35〜70%、さらには40〜65%の範囲が好ましい。
また、サイド補強ゴム層9の厚さなどはタイヤサイズや、タイヤのカテゴリ等に応じて適宜定められるが、例えば図3に示すように、カーカス最大幅点Mにおいて、タイヤ軸方向に測定されるサイドウォールゴム(カーカス6のタイヤ軸方向外側のゴムである。)の厚さtsと、前記サイド補強ゴム層9の厚さtiとの比(ti/ts)が1.0〜8.0の範囲が好ましい。ちなみに、前記サイドウォールゴムの前記厚さtsは、概ね6.0〜8.0mm程度が好ましい。
またランフラットタイヤ1のビード部4には、リムJのリムフランジJFのタイヤ半径方向外側を覆うように突出しかつタイヤ周方向に連続してのびるリムプロテクタ11が設けられる。図3に示されるように、本例のリムプロテクタ11は、タイヤ軸を含む子午線断面において、タイヤ軸方向外側に最も突出した突出面部11cと、この突出面部11cのタイヤ半径方向内側縁に連なりタイヤ半径方向内側へ滑らかにのびてビード部4に連なる内の斜面部11aと、突出面部11cのタイヤ半径方向外側縁に連なってタイヤ半径方向外側にのびサイドウォール部3に滑らかに連なる外の斜面部11bとで囲まれる断面略台形状の***体からなる。
前記突出面部11cは、リムフランジJFのタイヤ軸方向の外端点JFbよりも僅かにタイヤ軸方向外側に突出した位置に設けられるのが望ましい。これにより、通常走行時において、縁石等からリムフランジJFを保護するのにも役立つ。また内の斜面部11aは、ビード部4よりもタイヤ軸方向外側に中心を有しかつリムフランジJFの外周面JFaの曲率半径よりも大きい曲率半径r1で形成された円弧部分を含んだ滑らかな凹面で形成されている。このような内の斜面部11aは、負荷走行時において抵抗無くリムフランジJFの外周面に寄りかかるように変形でき、カーカス6へのせん断力を緩和するのに役立つ。また外の斜面部11bもタイヤの外方に中心を有する曲率半径r2の円弧部分を含んで滑らかに形成される。
図3に示されるように、正規状態ではリムプロテクタ11の内の斜面部11aはリムフランジJFの外周面JFaと殆ど接触していない。しかし、図2に示されるようなランフラット走行時では、リムプロテクタ11の内の斜面部11aは、リムフランジJFの外周面JFaと広範囲でかつこれを覆うように密に接触する。これにより、ランフラット走行時のビード変形量を低減でき、ランフラット時の操縦安定性及びランフラット耐久性を向上させ得る。また、これに伴い、例えばサイド補強ゴム層9の厚さを減じることが可能となり、サイド補強ゴム層9の小型化、軽量化に貢献しうる。なお図中の符号jは、サイドウォール部3からビード部4に至る基準輪郭線jであって、タイヤ外面に局部的に形成される例えば文字、図形、記号等を示す装飾用、情報用等の微細なリブや溝、前記リムプロテクタ11リム、カット傷防止用のサイドプロテクトリブなどの局部的凹凸部を除外した滑らかな輪郭線を意味する。
本発明のランフラットタイヤ1は、正規状態におけるタイヤ回転軸を含む子午線断面において、カーカス6のタイヤ軸方向の最も外側を通るカーカス最大幅点Mが、リムプロテクタ11がリムフランジJFと接する最もタイヤ軸方向外側の点であるリム離反点Fよりも0.5〜4.0mmタイヤ軸方向内側に位置している。ここで、前記リム離反点Fは、図2にX部として拡大視されるように、内圧を零としかつ正規荷重を負荷してタイヤを平面に接地させたランフラット状態において、リムプロテクタ11がリムフランジJFと接する最もタイヤ軸方向外側の点で定義される。従って、図1、図3の如く正規加重が負荷されない正規状態においては、前記リム離反点Fは、リムフランジJFとは接触していない。
従来のランフラットタイヤを調べると、カーカス最大幅点Mがリム離反点Fよりもタイヤ軸方向外側に位置していることが判明した。それには、種々の理由が考えられるが、主に金型の成形面のプロファイルやサイド補強ゴム層9の厚さのバランス等により、カーカス6のプロファイルが、全体的にタイヤ軸方向外側へと張り出す傾向があったものと推察される。発明者らは、カーカス最大幅点Mとリム離反点Fとの間のタイヤ軸方向の距離Aを違えて複数種類のランフラットタイヤを試作し、各々のランフラットタイヤについて破壊エネルギーを測定した。この破壊エネルギーの具体的なテスト内容は、後述の実施例において述べるが、破壊エネルギーが大きいほど耐ピンチカット性能に優れることになる。図4にその結果を示す。
図4において、距離Aがマイナスのものはカーカス最大幅点Mがリム離反点Fよりもタイヤ軸方向外側にあることを意味する。これらの結果からも明らかなように、前記距離Aが0.5mm以上になると破壊エネルギーが向上していることが確認できる。
ランフラット走行状態では、リムフランジJFに接触しているビード部4(リムプロテクタ11)は、このリムフランジJFによって拘束されるが、その近傍を通る折返し部6bのカーカスコードは圧縮歪を受ける。このため、両者の界面では、大きなせん断力が発生する。特に路面上の突起や凹みを乗り越す際には、このせん断力は突発的に大きな値となり、カーカスコード周囲のゴムがこれに追従できない場合、コードとゴムとの剥離が生じ、これがピンチカットの起点になる。しかし、予めカーカス6の変形の起点となるカーカス最大幅点Mを、リム離反点Fからタイヤ軸方向内側へ遠ざけることで、折返し部6bのカーカスコードが、圧縮及び引張変形がない曲げのニュートラルラインに近づき、これにより、ランフラット走行時、前記カーカスコードに作用する応力、及びカーカスコードとその周囲ゴムとの間の剪断力を減じることができる。
ここで、前記距離Aが0.5mmを越えて大きくなるに従い、折返し部6bのカーカスコードに作用するせん断力の低減を図ることができるが、4.0mmを超えるとその効果は頭打ちとなる。また距離Aが過度に大きくなると、サイドウォール部3におけるカーカスプロファイルがタイヤ半径方向に沿った立ち上がったものとなる。このようなカーカスプロファイルを持つタイヤは、サイド補強ゴム層9が加硫成形中にビードコア5側へとゴム流れしやすく生産性が悪いという不具合がある。このような観点より、距離Aの下限値は1.0mm以上が好ましく、又上限は3.0mm以下、さらには2.0mm以下が好ましい。なお前記カーカス最大幅点Mは、カーカスコードの外面をもってこれを定義し、カーカスのトッピングゴムは含めないもとする。
またランフラット走行時において、折返し部6bのカーカスコードへのせん断力をより効果的に緩和するために、上述の距離Aの限定に加えて、リムプロテクタ11のゴム厚さを限定することが特に望ましい。具体的には、前記正規状態において、リム離反点Fからカーカス6の外面まで(カーカスコードまでを意味する)の最短距離で測定されるゴム厚さtが4.0〜7.0mm、より好ましくは5.0〜7.0mmであるのが望ましい。前記ゴム厚さtが4.0mm以上であると、ランフラット走行時においてリムフランジJFとカーカスコードとの間のゴムボリュームが十分に得られるため、このゴムによってせん断力の緩和ないし吸収が可能になる。一方、前記ゴム厚さが7.0mmを超えると、この部分の発熱が大きくなって耐久性を低下させ易くなる。
なお前記距離Aの調節は、主としてタイヤ加硫金型の成形面のプロファイルを変えることによって行うことができる。またこれに合わせて、サイドウォールゴム、リムプロテクタ11、ビードエーペックスゴム8等の形状乃至ゴム厚さを調節することによってもなしうる。
次に本発明では、前記カーカスコードに、アラミド繊維コードを使用している。
前記アラミド繊維コードは高弾性であり、走行中の負荷荷重に対するカーカスコードの伸びを低く抑えることができる。従って、ランフラット時のタイヤ変形、とりわけ、路面上の突起や凹みを乗り越す際に受ける瞬間的かつ局部的な大きな撓みを効果的に減じることができる。しかも、アラミド繊維コードはそれ自体、他の有機繊維コードに比して破断強度が高い。従って、前記突起や凹みを乗り越す際の、カーカスコードの破断損傷、及びカーカスコードと周囲ゴムとの剥離損傷を抑えることができ、ピンチカットの発生を抑制しうる。
特に本発明者の研究の結果、前述如く前記距離Aを0.5〜4.0mmとしたカーカスプロファイルを有するタイヤのカーカスコードに、アラミド繊維コードを使用した場合、相乗効果が発揮されることが判明した。即ち、前記カーカスプロファイルを単独で採用した場合のピンチカット抑制効果と、カーカスコードにアラミド繊維コードを単独で採用した場合のピンチカット抑制効果とを、単に加え合わせた場合の効果に比して、双方を組み合わせた場合の方がより大きなピンチカット抑制効果を発揮しうることが判明した。
その理由としては、高弾性のアラミド繊維コードをカーカスコードとして用いたカーカス6を中立軸としたとき、この中立軸よりタイヤ内方に配されるサイド補強ゴム層9、及びタイヤ外方に配されるリムプロテクタ11のバランスが最適状態となり、外部からの衝撃を最大限に吸収、緩和しうるからと推測される。
又前記アラミド繊維コードは、高弾性でありタイヤの荷重支持能力を高めうるため、この荷重支持能力の上昇代の分だけ、サイド補強ゴム層9の負担を減じることができ、サイド補強ゴム層9のゴムボリュームを従来に比して減じ、タイヤ質量の低減、及び乗り心地性の向上を図ることも可能となる。
しかしながらアラミド繊維は、弾性率が高い分、耐疲労性に劣るため、ランフラット走行におけるタイヤ変形の繰り返しによって、アラミド繊維コードが疲労破断を起こすという問題がある。そのため本発明では、アラミド繊維コードを、従来よりも高い0.5〜0.7の範囲の撚り係数Tにて形成している。本例では、図5に略示するように、アラミド繊維コード21として、下撚りしたアラミド繊維フィラメント束22(即ちストランド22)の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造を採用している。
ここで前記「撚り係数T」は、周知の如く、コードの上撚り数をN(単位:回/10cm)、コード1本のトータル表示デシテックス(繊度)をD(単位:dtex)、コード材料の比重をρとしたとき、次式(1)で示される。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3 −−−(1)
そして、この撚り係数Tを0.5〜0.7の範囲まで高めることにより、ランフラット走行時のコードの疲労破断を克服しながら前述のピンチカット抑制効果を奏することができる。前記撚り係数Tが0.5を下回ると、耐疲労性の改善効果が不充分であり、逆に、撚り係数Tが0.7を上回ると、コードの撚り加工が難しくなり生産性に不利となる他、アラミド繊維の重要な特性である高弾性が充分に活かされず、コードの弾性率が減じて前述のピンチカット抑制効果が有効に達成されなくなる。このような観点から、撚り係数Tの下限は、特に0.6以上が好ましい。なおカーカスコードでは、アラミド繊維の重要な特性である高弾性を活かして優れた補強効果を発揮させるために、2本撚り構造が採用されている。そのとき、下撚り数と、上撚り数とが等しい所謂バランス撚りが好ましいが、撚り数の比(下撚り数/上撚り数)が0.2〜2.0の範囲内、好ましくは0.5〜1.5の範囲内で、下撚り数と上撚り数とを相違させても良い。
又前記トータル表示デシテックスD(繊度)は、特に限定されるものではないが、ランフラットタイヤの場合、1500〜5000dtexの範囲が好ましい。又カーカスプライ6Aにおけるコードエンド数n(本/5cm)と前記トータル表示デシテックスDとの積(n×D)は、70000〜150000の範囲が好ましく、70000未満では、アラミド繊維コード21とはいえプライ強度が不充分となり、逆に150000を越えると、カーカス剛性が過大となって乗り心地性に不利を招くとともに、質量や材料コストの不必要な増加を招く。このような観点から前記積(D×n)の下限は100000以上がさらに好ましく、上限は120000以下がさらに好ましい。
又本例では、前記カーカスプライ6Aのトッピングゴムとして、複素弾性率(E*)が、5MPa以上と、従来のカーカストッピングゴムに比して高弾性のゴムを採用している。なお従来のカーカストッピングゴムの複素弾性率(E*)は3.8MPa程度である。このように高弾性のゴムをトッピングゴムに採用することで、タイヤ変形時にカーカスコードに掛かる歪みを低減でき、カーカスコードの疲労破断を抑制し、ランフラット耐久性のいっそうの向上を達成しうる。なお複素弾性率(E*)が5MPaを下回ると前記効果が期待できず、逆に13MPaを上回ると、ゴムが硬くなり過ぎて、乗り心地性が一気に悪化してしまう。このような観点から、複素弾性率(E*)の下限値は、6MPa以上、さらには7MPa以上が好ましく、又上限値は10MPa以下、さらには9MPa以下が好ましい。
次に、前記正規状態のタイヤ子午断面において、タイヤ外面2Aのプロファイルは、曲率半径が異なる複数の円弧からなる曲面によって形成されており、特に、タイヤ外面2Aとタイヤ赤道面Cとの交点であるタイヤ赤道点CPから、接地端側に向かって曲率半径Rが漸減する複数の円弧からなる曲面によって、前記プロファイルを形成するのが好ましい。これにより、前記サイド補強ゴム層9のゴムボリュームを最小限に抑え、タイヤの軽量化、及び乗り心地性の向上を図ることができる。
詳しく説明すると、先ず図6に示すように、タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面2A上の点をPとするとき、タイヤ外面2Aの曲率半径RCは、前記タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間で徐々に減少するように設定される。なお前記「タイヤ最大断面巾SW」とは、タイヤ外面2Aの基準輪郭線jにおける最大巾である。
又前記タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てる各タイヤ外面2A上の点をP60、P75、P90及びP100 とする。又この各タイヤ外面2A上の点P60、P75、P90及びP100 と、前記タイヤ赤道点CPとの間の半径方向の距離をY60、Y75、Y90及びY100 とする。
そして、前記正規内圧状態においてビードベースラインBLから前記タイヤ赤道点CPまでの半径方向高さであるタイヤ断面高さをSHとするとき、前記半径方向距離Y60、Y75、Y90及びY100 は、それぞれ以下の関係を満足することを特徴としている。
0.05< Y60 /SH ≦0.1
0.1< Y75 /SH ≦0.2
0.2< Y90 /SH ≦0.4
0.4< Y100 /SH ≦0.7
ここで、RY60=Y60/SH
RY75=Y75/SH
RY90=Y90/SH
RY100 =Y100 /SH
として前記関係を満足する範囲RYiを図7に例示する。図6、7のように前記関係を満足するプロファイルは、トレッドが非常に丸くなるため、フットプリントが、接地巾が小かつ接地長さを大とした縦長楕円形状となる。なお前記RY60、RY75、RY90及びRY100 の値が、各下限値を下回ると、トレッド部2を中心としてタイヤ外面2Aが平坦化するため、従来タイヤとのプロファイルの差が少なくなる。逆に各上限値を上回ると、トレッド部2を中心としてタイヤ外面2Aが著しく凸状をなすため、接地巾が過小となり、通常走行において必要な走行性能を確保することができなくなる。
なおタイヤでは、予めタイヤサイズを定めることにより、JATMA、ETRTOなどのタイヤの規格から、タイヤ偏平率、タイヤ最大断面巾、タイヤ最大高さなどを概ね定め得るため、前記RY60、RY75、RY90及びRY100 の範囲を容易に算出できる。従って、前記タイヤ外面2Aは、前記各位置におけるRY60、RY75、RY90及びRY100 の範囲を満たすように、かつ曲率半径RCが徐々に減少するように、前記タイヤ赤道点CPから前記点Pまで滑らかな曲線で描くことにより適宜定めうる。
このような特殊プロファイルでは、サイドウォール部の領域が短いという特徴を有するため、ランフラットタイヤに採用することにより、サイド補強ゴム層9のゴムボリュームを低減でき、ランフラットタイヤにおける質量低下と乗り心地性の向上とを達成しうる。しかし、ゴムボリューウムが大なトレッド部2での変形量が通常プロファイルのタイヤに比して大きくなる。そのためアラミド繊維のカーカスコードは、この特殊プロファイルのタイヤにとってもより有利となりうる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の効果を確認するために、図1の構造をなすタイヤサイズ(245/40R18)のランフラットタイヤを表2の仕様に基づき試作するとともに、各供試タイヤの耐ピンチカット性能の目安となる破壊エネルギーを測定し比較した。各タイヤとも、表2に記載の仕様以外は実質的に同仕様である。なおカーカスは、プライ枚数(1)、コード角度(90°)、トッピングゴムの複素弾性率E*(5.7MPa)。ベルト層は、ベルトプライ枚数(2)、コード角度(+24°/−24°)。サイド補強ゴム層は、ゴム硬度(90°)である。
又トレッドプロファイルは、各タイヤとも、RY60=0.05〜0.1、RY75=0.1〜0.2、RY90=0.2〜0.4、RY100=0.4〜0.7の範囲で実質的に同じプロファイルのものを使用している。
破壊エネルギーは、各供試タイヤを18×8Jのリムに組み付け、内圧230kPaを満たした状態で図8に示されるように水平な固定軸に固着するとともに、トレッド面に、重さ2.94kN(300kgf)のブロック状の錘を自由落下させて衝突させた。錘の衝突は、サイドウォール部を局部的に湾曲させピンチカットの発生状況と近似した状況を作り出すことができる。そして、錘を衝突させた後のタイヤのサイドウォール部を目視によって観察し、サイドウォール部に現れる局部的な膨れにより確認した。この膨れは、ピンチカットの初期損傷であり、タイヤ内部でカーカスコードが破断していることを意味している。そして、サイドウォール部に膨れが生じるまで錘の高さを徐々に増してテストを繰り返し、膨れが生じたときの錘の高さと重量との積によって破壊エネルギーを計算した。結果は、比較例1を100とする指数で表示している。数値が大きいほど耐ピンチカット性能に優れている。なお錘は、トレッド面においてタイヤ赤道位置と一方のトレッド端との間の領域Yに衝突させ、その衝突面は平坦なものとした。テストの結果などを表2に示す。
Figure 2010083318
Figure 2010083318
比較例1と比較例2とを比較するように、距離Aが0mmから1mmとなるカーカスプロファイルの変更により、破壊エネルギーは約30ポイント上昇している。一方、比較例1と比較例3とを比較するように、カーカスコードをレーヨンコードからアラミド繊維コードに変更することにより、破壊エネルギーは約20ポイント上昇している。
これに対して、比較例1と実施例1とを比較するように、距離Aが0mmから1mmとなるカーカスプロファイルの変更、及びカーカスコードのレーヨンコードからアラミド繊維コードへの変更を同時に行うことにより、破壊エネルギーを約175ポイント上昇させることができる。これは、個別の効果(30ポイント、20ポイント)を単に加え合わせた場合の50ポイントに比して大であり、相乗効果が発揮されているのが確認できる。
本発明の実施形態を示すランフラットタイヤの断面図である。 そのランフラット状態の断面図である。 図1のビード部を拡大して示す部分断面図である。 破壊エネルギーと、距離Aとの関係を示すグラフである。 アラミド繊維コードを概念的に示す斜視図である。 タイヤ外面のプロファイルを示す線図である。 タイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲を示す線図である。 破壊エネルギーを測定するテストの例を示す略図である。 従来のランフラットタイヤの断面図である。 (A)、(B)は、ランフラット走行時の一例を示す側面図、及びピンチカットを説明する部分断面図である。
符号の説明
1 ランフラットタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a 本体部
6b 折返し部
9 サイド補強ゴム層
11 リムプロテクタ
21 アラミド繊維コード
F リム離反点
JF リムフランジ
M カーカス最大幅点

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、前記カーカスの内側面かつサイドウォール部に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層とを具え、かつ前記ビード部に、リムフランジのタイヤ半径方向外側を覆うようにタイヤ軸方向外側に突出してタイヤ周方向にのびるリムプロテクタが設けられたランフラットタイヤであって、
    前記カーカスは、タイヤ周方向に対して75〜90°の角度で配列したカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなり、
    かつ正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態におけるタイヤ回転軸を含む子午線断面において、
    前記カーカスのタイヤ軸方向の最も外側を通るカーカス最大幅点が、内圧を零としかつ正規荷重が負荷されたランフラット状態において前記リムプロテクタがリムフランジと接する最もタイヤ軸方向外側の点であるリム離反点よりも0.5〜4.0mmタイヤ軸方向内側に位置するとともに、
    前記カーカスコードに、アラミド繊維コードが用いられ、しかも該アラミド繊維コードは、次式(1)で示す撚り係数Tを0.5〜0.7の範囲としたことを特徴とするランフラットタイヤ。
    T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3 −−−(1)
    (ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)
  2. 前記カーカスプライの前記トッピングゴムは、複素弾性率E*が5〜13MPaの範囲としたことを特徴とする請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記カーカスは、前記ビードコア間をトロイド状にのびる本体部と、この本体部に連なり前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有するとともに、
    前記折返し部の外端は、前記カーカス最大幅点をタイヤ半径方向外側に超えてのびることを特徴とする請求項1又は2記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記リムプロテクタは、前記リム離反点から前記カーカスの外面までの最短距離で測定されるゴム厚さが4.0〜7.0mmであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記サイドウォール部は、前記カーカス最大幅点において、サイドウォールゴムの厚さtsと、前記サイド補強ゴム層の厚さtiとの比(ti/ts)が1.0〜8.0であることをことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のランフラットタイヤ。
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