JP2010083017A - 製本冊子および製本冊子の製造方法 - Google Patents

製本冊子および製本冊子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010083017A
JP2010083017A JP2008255013A JP2008255013A JP2010083017A JP 2010083017 A JP2010083017 A JP 2010083017A JP 2008255013 A JP2008255013 A JP 2008255013A JP 2008255013 A JP2008255013 A JP 2008255013A JP 2010083017 A JP2010083017 A JP 2010083017A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
cut
fold line
sheet bundle
cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008255013A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruto Oka
照人 岡
Hiroshi Miyawaki
浩 宮脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritsu Koki Co Ltd filed Critical Noritsu Koki Co Ltd
Priority to JP2008255013A priority Critical patent/JP2010083017A/ja
Publication of JP2010083017A publication Critical patent/JP2010083017A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sheet Holders (AREA)

Abstract

【課題】シート束を従来にも増して背表紙に確実に接着することができる製本冊子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】原シート210を2つ折りにして得られる折りシート21の複数枚を、折り位置を合わせて積層することにより折り線部211が形成されてなるシート束20と、おもて表紙31、うら表紙32および背表紙33からなり、折り線部211を背表紙33に対向させた状態でおもて表紙31およびうら表紙32間にシート束20を挟持する表紙30と、背表紙33とシート束20との間に介設される両者を接着した接着剤層40とを備えて製本冊子10が構成されている。各折りシート21の折り線部211には、複数の切れ目22が並設され、切れ目22として、折り線方向と交差する方向に向いた交差切れ目221が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数枚の書類や写真が積層されてなるシート束に対して所定の製本処理を施すことにより得られる製本冊子および製本冊子の製造方法に関するものである。
従来、特許文献1に記載されているような製本冊子(特許文献1では製本ファイル)が知られている。この製本冊子は、複数枚のシートが積層されてなるシート束が、おもて表紙とうら表紙との間に背表紙が形成されてなる表紙を用いて製本されてなるものである。背表紙の裏面側には、金属泊の両面に熱可塑性合成樹脂からなる接着剤層が形成された、いわゆるホットメルト接着剤が配置される。シート束は、その基端縁部がホットメルト接着剤に当接するようにおもて表紙とうら表紙との間に挟持される。引き続きホットメルト接着剤に電磁誘電加熱が施される。これによる金属泊の発熱で熱可塑性合成樹脂を溶融させてシート束の基端縁部を背表紙に接着することで製本冊子が仕上がる。
なお、特許文献1では、接着剤として金属泊を芯にして両面に接着剤が積層された、いわゆる両面テープが採用されているが、金属泊を用いない通常のホットメルト接着剤が使用される場合もある。この場合には、ホットメルト接着剤を溶融するために外部加熱が採用される。
特開平7−108783号公報
ところで、このような製本処理において、シートが中央部を境にして2つ折りに折られ、折り線位置を合わせて複数のシートが積層されてなるシート束が製本される場合がある。このような製本処理においては、従来、折り線に沿ってシートに折り線方向に延びる複数の切れ目(以下折り線向き切れ目という)を入れることが行われる。こうすることで粘性状態の接着剤が、切れ目に浸透するため、シート束の基端縁面は、接着剤が固化した状態でより強固に背表紙に接着される。
しかしながら、例えばシートが写真の印画紙のように表裏が非常に滑らかな材質のものである場合には、シートの折り線に沿って多数の折り線向き切れ目を入れたとしても、接着剤の展浸範囲が比較的に狭いことから、当該接着剤は、接着力を十分に発揮することができず、各シートがバラバラになり易いという問題点を有している。
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、シート束を従来にも増して背表紙に確実に接着することができる製本冊子およびその製造方法を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明(製本冊子)は、2つ折りにしたシートの複数枚を、折り位置を合わせて積層することにより折り線部が形成されてなるシート束と、おもて表紙、うら表紙および背表紙からなり、前記折り線部を前記背表紙に対向させた状態でおもて表紙およびうら表紙間に前記シート束を挟持する表紙と、前記背表紙と前記シート束との間に介設される両者を接着した接着剤層と、が備えられ、前記各シートの折り線部には、複数の切れ目が並設され、前記切れ目として、折り線方向と交差する方向に向いた交差切れ目が含まれていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、シート束を構成する複数の2つ折りシートの折り線部には、折り線方向と交差する方向に向いた複数の交差切れ目が並設されているため、接着剤層を形成する接着剤は、固化する前に毛細管現象により各交差切れ目に浸透していき、接着剤が各シートの基端縁部に広い範囲で広がった状態になる。
そして、特にシートが写真の印画紙である場合、当該印画紙は、通常の紙材料の表裏に合成樹脂層が積層されて形成されていることから、合成樹脂層はその滑らかさの故に被接着性能が低く、従って、表裏が接着剤によって接着され難いという特質を備えている。かかる印画紙を製本するに当たっては、多くの切れ目を設け、接着剤を当該切れ目を介して内部の紙材料に可能な限り多く到達させる必要がある。そして、交差切れ目は、多数並設することによってその全長を印画紙のサイズに制約されることなく長くすることが可能であり、結果として大量の接着剤を芯の紙材料に浸透させることができるため、印画紙同士を強固に連結することが可能になる。
従って、従来のようにシートの折り線部に複数の折り線向き切れ目のみが並設された場合には、シートの折り線部に単に線状に接着剤が付与されるだけであり、接着剤の大きな広がりが確保されないため、十分な接着力を引き出すことができないという不都合が存在したが、請求項1の発明は、シートの折り線部に接着剤の大きな広がりを確保することができる交差切れ目が適用されているため、十分な接着力を確保することができ、特にシートが印画紙である場合でもシート束がバラバラになるような不都合の発生を有効に防止することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記切れ目として、折り線方向に延びる折り線向き切れ目が付加されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、シートの折り線部には、交差切れ目に加えて折り線向き切れ目が設けられているため、これらを通してシートに付与される接着剤の量はより多くなり、シート束はより強固に背表紙に接着される。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記切れ目は、隣り合うシート間で同一位置に設けられていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、複数枚のシートを重ねた状態で、これら複数枚のシートに同時に切れ目を形成させることができるため、切れ目形成作業の作業性が向上する。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記切れ目は、隣り合うシート間で異なる位置に設けられていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、隣り合うシートの内の一方側のシートの切れ目に浸透した接着剤は、他方側のシートの表面に向かい、毛細管現象で面状に広がるため、接着剤のシート束の折り線部に供給される接着剤の量が多くなり、結果としてシート束は接着剤層を介してより強固に背表紙に接着される。
請求項5記載の発明(製本冊子の製造方法)は、2つ折りにするシートの折り線部に沿って折り線方向と交差する方向に向いた複数の交差切れ目を入れる交差切れ目形成工程と、前記切れ目の入れられたシートの複数枚を、折り位置を合わせて積層することによりシート束を形成するシート束形成工程と、おもて表紙、うら用紙および背表紙からなる表紙の背表紙の裏面側にホットメルト接着剤を付与する接着剤付与工程と、前記シート束を、その基端縁面を前記ホットメルト接着剤に当接させた状態でおもて表紙とうら表紙とで挟持することにより表紙に装着するシート束装着工程と、前記ホットメルト接着剤の加熱溶融処理によりシート束の基端縁面を背表紙に接着する接着工程とを順次経ることにより製本冊子を製造することを特徴とするものである。
かかる構成によれば、請求項1記載の発明の得ることができる作用効果を享受することができる。また、接着剤として常温で固形のホットメルト接着剤が採用されているため、接着剤の取り扱いが容易であり、製本処理が簡単になる。
本発明に係る製本冊子によれば、シートの折り線部に複数の交差切れ目が並設されているため、当該交差切れ目を介してシート上に接着剤の大きな広がりが形成され、結果として従来の折り線向き切れ目では確保することができなかった強固な接着力を確保することができ、シート束がバラバラになってしまうような不都合の発生を有効に防止することができる。
図1および図2は、本発明に係る製本冊子10の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、図1は、製本冊子10が閉じられた状態、図2は、製本冊子10が開かれつつある状態をそれぞれ示している。また、図3は、図1のIII−III線断面図である。なお、図1〜図3においては、各折りシート21間に隙間が形成されているように誇張して示しているが、実際は隙間が形成されないように密に積層されている。
図1および図2に示すように、製本冊子10は、複数枚の2つ折りされた折りシート21が積層されてなるシート束20と、このシート束20を装丁するための表紙30と、この表紙30と前記シート束20との間に介設された接着剤層40とを備えてなる基本構成を有している。
前記折りシート21は、原シート210(図5)の長手方向の中央部が折り線部211に沿って2つ折りされることによって形成されている。かかる折りシート21の複数枚を、折り線部211を互いに合わせるようにして積層されることにより、シート束20が形成される。かかるシート束20における各折りシート21の折り線部211によって、背表紙33側の端面である折り線側縁面(基端縁面)23が形成されている。
折りシート21における折り線部211の位置には、折り線部211の延びる方向に向けて等ピッチで複数の切れ目22が並設されている。本実施形態においては、切れ目22として折り線部211の延びる方向と交差するように切り込まれて形成した複数の交差切れ目221と、折り線部211の延びる方向に向かって切り込まれることにより形成した折り線向き切れ目222とが採用されている。
また、本実施形態においては、交差切れ目221と折り線向き切れ目222とは、同一位置に設けられ、これによって切れ目22は、いわゆる十字切れ目になっているが、十字切れ目に限定されるものではなく、交差切れ目221と折り線向き切れ目222とが重なることなく並設されていてもよい。
前記表紙30は、厚手の用紙によって形成されている。かかる表紙30は、おもて表紙31と、裏面側でこのおもて表紙31と対向されたうら表紙32と、これらおもて表紙31およびうら表紙32の各基端縁部間に架設された背表紙33とからなっている。
おもて表紙31およびうら表紙32は、平面形状がシート束20の平面形状より僅かに大きめに形状設定されている。従って、製本処理が完了したときには、おもて表紙31およびうら表紙32の背表紙33に続く部分を除く3つの縁部は、シート束20の対応した3つの縁部より外方へ向けて僅かに食み出した状態になっている。
そして、おもて表紙31およびうら表紙32における背表紙33に隣接した位置には、交差切れ目221の分だけ背表紙33から離間した位置に、長手方向へ延びる折り溝311,312がそれぞれ設けられている。かかる折り溝311,321の存在で、おもて表紙31およびうら表紙32は、図2に示すように、見開き易くなっている。
前記接着剤層40は、シート束20の折り線側縁面(基端縁面)23と、背表紙33の裏面との間に介設されて両者を接着するものである。かかる接着剤層40は、いわゆる糊が固化して形成されている。かかる接着剤層40を形成させるために各種の接着剤を採用することが可能であるが、本実施形態においては、接着作業の容易性を考慮して常温で固体であり、加熱されることによって粘性ある液状の糊になる、いわゆるホットメルトシートを採用している。
ホットメルトシートは、ポリアミド、ポリエステル、アタクチックポリプロピレンあるいはエチレン酢酸ビニル共重合体等の加熱溶融温度が比較的に低い(通常150℃〜200℃)熱可塑性合成樹脂を原料として製造される。本実施形態においては、エチレン酢酸ビニル共重合体系のホットメルトシートを採用している。
かかるホットメルトシートを背表紙33のサイズに裁断処理し、短冊状になったホットメルトシートを背表紙33の裏面とシート束20の折り線側縁面23とで挟持した状態で所定の加熱手段を用いて加熱処理することにより、ホットメルトシートが溶融して糊の役割を発揮し、シート束20の折り線側縁面23が背表紙33に接着されることになる。
その後、ホットメルトシートを十分に加熱して溶融状態にした後、自然放冷または強制冷却による冷却処理が施され、溶融していたホットメルトシートが再固化することで接着剤層40が形成される。このような接着剤層40が形成されることによって製本冊子10が完成する。
そして、本実施形態においては、折りシート21の折り線部211の位置に切れ目22が並設され、この切れ目22は、折り線部211と交差する方向にのびる交差切れ目221と、折り線部211の延びる方向へ延びた折り線向き切れ目222とからなっているため、加熱溶融した熱可塑性合成樹脂(接着剤)が毛細管現象によって折り線向き切れ目222へ侵入するのはもちろんとして、折り線部211と交差する交差切れ目221へも侵入する。これによって接着剤は、シート束20の基端側の折り線側縁面23のみならず、各折りシート21に向かって面状で広がっていくため、従来のように折り線向き切れ目222のみでは線状にしか接着剤が塗布されない場合に比較し、強固な接着状態を実現することができる。
以下、図4〜図9を基に、製本冊子10の製造方法について説明する。図4は、製本冊子10を製造するための一実施形態に係る工程図である。図4に示すように、製本冊子10は、切れ目形成工程P1と、シート束形成工程P2と、接着剤付与工程P3と、シート束装着工程P4と、接着工程P5とを順次あるいは並行して経ることにより製造される。
図5は、切れ目形成工程P1における原シート210に切れ目22を形成させつつある状態を示す斜視図であり、図6は、シート束形成工程P2においてシート束20が形成されつつある状態を示す斜視図である。また、図7は、接着剤付与工程P3において表紙30にホットメルトシート(ホットメルト接着剤)41が付与された状態を示す斜視図であり、図8は、シート束装着工程P4においてプレ製本冊子10′が形成された状態を示す斜視図である。さらに、図9は、接着工程P5においてプレ製本冊子10′に接着処理が施されつつある状態を示す斜視図である。
前記切れ目形成工程P1は、2つ折りに折られる前の原シート210において、当該原シート210の折り線部211が形成される位置に折り線部211の延びる方向に向けて所定ピッチで切れ目22を形成した後、折り線部211の位置で2つ折りにして折りシート21を得る工程である。
この切れ目形成工程P1においては、図5に示すように、積層された複数枚の原シート210の長手方向の中央部に、当該原シート210を短手方向へ横断するように折り線部211を設定し、この折り線部211に沿って十字刃先を備えた所定の工具90を用いて交差切れ目221および折り線向き切れ目222からなる十字状の切れ目22が穿設される。
かかる工具90を用いた切れ目22の穿設操作は、縫製用のソウイングマシンを利用して行ってもよいし、プレス処理用のプレスマシンを利用して行ってもよい。原シート210は、切れ目22が形成された後、当該切れ目22に沿って2つ折りに折られ、シート束形成工程P2へ供給される。
前記シート束形成工程P2は、図6に示すように、切れ目22の形成された折りシート21を順次送り出し、折り位置を合わせて所定枚数を積層することによりシート束20を形成させる工程である。
前記接着剤付与工程P3は、図7に示すように、おもて表紙31、うら表紙32および背表紙33からなる表紙30の背表紙33の裏面側にホットメルトシート41を積層して付与する工程である。この接着剤付与工程P3では、まず、所定の装置を用いて背表紙33とおもて表紙31との境界位置および背表紙33とうら表紙32との境界位置に折り筋がつけられるとともに、おもて表紙31およびうら表紙32にそれぞれ折り溝311,321が設けられる。また、ホットメルトシート41は、大きな母シートからシート束20の厚みに応じて予め所定の幅寸法に裁断されたものが採用される。
前記シート束装着工程P4は、シート束形成工程P2で得られたシート束20を、接着剤付与工程P3でホットメルトシート41が背表紙33に付与された表紙30へ装着する工程である。
そして、このシート束装着工程P4においては、シート束20の折り線側縁面23を、背表紙33の裏面側に積層されたホットメルトシート41に当接させた状態でおもて表紙31とうら表紙32とで挟持することが行われる。これによって図8に示すように接着処理前のプレ製本冊子10′が形成される。
前記接着工程P5は、シート束装着工程P4で得られたプレ製本冊子10′のホットメルトシート41を加熱溶融させてシート束20を背表紙33に接着する工程である。この接着工程P5においては、図9に示すようなヒーター板50が採用される。ヒーター板50には、図略の通電発熱体が内装されているとともに、ヒーター板50の上方位置には、プレ製本冊子10′を挟む一対の衝立板51配設されている。
そして、プレ製本冊子10′は、その背表紙33がヒーター板50の上面に当接するように、予め両者間の内寸法が設定された一対の衝立板51間に挿入される。これによりホットメルトシート41が背表紙33を介してヒーター板50から伝熱されて加熱溶融する。これにより得られた液状の接着剤は、シート束20の折り線側縁面23と、背表紙33の裏面とを互いに接着する。
予め設定された所定時間が経過した後、プレ製本冊子10′は一対の衝立板51間から取り出され、冷却処理(本実施例の場合は自然放冷)されて製本冊子10となる。この冷却処理で再固化したホットメルトシート41は、各折りシート21の折り線部211に設けられた切れ目22に浸透し、特に折り線部211の延びる方向と交差した交差切れ目221にも浸透しているため、ホットメルトシート41は、折り線部211の周りにまで広がって面状になっている。従って、シート束20の折り線側縁面23は、互いに隣接した折りシート21同士がより強固に結合されるとともに、従来にも増してより強硬に背表紙33に接着された状態になる。
以上の各工程における製本のための各種の処理は、全て手作業で行ってもよいし、各処理を機械化して全ての処理を自動化してもよいし、手作業および機械化処理とを併用してもよい。
以上詳述したように、本実施形態に係る製本冊子10は、原シート210を2つ折りにして得られる折りシート21の複数枚を、折り位置を合わせて積層することにより折り線部211が形成されてなるシート束20と、おもて表紙31、うら表紙32および背表紙33からなり、折り線部211を背表紙33に対向させた状態でおもて表紙31およびうら表紙32間にシート束20を挟持する表紙30と、背表紙33とシート束20との間に介設される両者を接着した接着剤層40とを備えて構成されている。
そして、各折りシート21の折り線部211には、複数の切れ目22が並設され、当該切れ目22として、折り線方向と交差する方向に向いた交差切れ目221が設けられているため、接着剤層40を形成する接着剤(本実施形態では溶融したホットメルトシート41)は、固化する前に毛細管現象により各交差切れ目221に浸透していく。これにより、接着剤を各折りシート21の基端縁部に広い範囲に亘って広がった状態にすることができる。
従って、従来のように折りシート21の折り線部211に複数の折り線向き切れ目222のみが並設された場合には、折りシート21の折り線部211に単に線状に接着剤が付与されるだけであり、接着剤の大きな広がりを確保することができないため、十分な接着力を引き出すことができないという不都合があったが、本実施形態に係る製本冊子10にあっては、折りシート21の折り線部211に交差切れ目221を設けることで十分な接着力を確保することができ、シート束20がバラバラになるような不都合の発生を有効に防止することができる。
また、本実施形態においては、切れ目22として交差切れ目221に加えて、折り線方向に延びる複数の折り線向き切れ目222も採用されているため、これらを通して折りシート21に付与される接着剤の量はより多くなり、シート束20をより強固に背表紙33に接着することができる。
また、本実施形態においては、各折りシート21に設けられる切れ目22は、隣り合う折りシート21間で同一位置に設けられているため、複数枚の折りシート21を重ねた状態で、これら複数枚の折りシート21に同時に切れ目22を形成させることができ、切れ目形成作業の作業性を向上させることができる。
そして、このような製本冊子10は、2つ折りにする折りシート21の折り線部211に沿って折り線方向と交差する方向に向いた複数の交差切れ目221を入れる切れ目形成工程P1と、切れ目22の入れられた折りシート21の複数枚を、折り位置を合わせて積層することによりシート束20とするシート束形成工程P2と、おもて表紙31、うら用紙および背表紙33からなる表紙30の背表紙33の裏面側にホットメルトシート41を付与する接着剤付与工程P3と、シート束20を、その折り線側縁面23をホットメルトシート41に当接させた状態でおもて表紙31とうら表紙32とで挟持することにより表紙30に装着するシート束装着工程P4と、ホットメルトシート41の加熱溶融処理によりシート束20の折り線側縁面23を背表紙33に接着する接着工程P5とを順次経ることにより製造される。
そして、特に切れ目形成工程P1において、折りシート21には、従来の折り線向き切れ目222に加えて交差切れ目221が形成されているため、シート束20の背表紙33への接着がより強固に行われることは、先に製本冊子10に関する説明で述べたとおりである。
また、接着剤付与工程P3において接着剤として常温で固形のホットメルトシート41が表紙30の背表紙33に付与され、シート束装着工程P4において採用されているため、接着剤の取り扱いが容易であり、製本作業の作業性を大幅に向上させることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、シート束20の折り線側縁面23と表紙30の背表紙33との間に接着剤層40を形成させる材料としてホットメルトシート41が採用されているが、ホットメルトシート41に限らず、常温で固化するまで流動性を備えた通常の接着剤を用いてもよい。
(2)上記の実施形態においては、切れ目22が各折りシート21の同一の位置に設けられているが、切れ目22が同一の位置に設けられることに限定されるものではなく、各折りシート21で異なった位置に設けるようにしてもよい。こうすることで、隣り合う折りシート21の内の一方側の折りシート21の切れ目22に浸透した接着剤は、他方側の折りシート21の表面に向かい、毛細管現象で面状に広がるため、接着剤のシート束20の折り線部に供給される接着剤の量が多くなり、結果としてシート束20を接着剤層40を介してより強固に背表紙33に接着することができる。
(3)上記の実施形態においては、折りシート21の折り線部211に設けられる切れ目22として、交差切れ目221および折り線向き切れ目222からなる、十字状のものが採用されているが、十字状のものに限定されるものではなく、少なくとも交差切れ目221が設けられていればよい。
図10は、折りシート21の折り線部211に形成される切れ目22の各種のパターンを示す平面視の図であり、図10(A)は、上記の実施形態で採用された十字状の例、図10(B)は、十字状の切れ目22と折り線向き切れ目222とが交互に並設された例、図10(C)は、交差切れ目221と折り線向き切れ目222とが交互に並設された例、図10(D)は、十字状の切れ目22ではあるが、それが交点回りに45°回転されることにより×印になされた例、図10(E)は、交差切れ目221のみが折り線部211の延びる方向に対して傾斜して設けられた例をそれぞれ示している。
これら図10A)〜図10(E)に示す切れ目22は、いずれも本発明に係る「切れ目として、折り線方向と交差する方向に向いた交差切れ目が含まれている」という要件を満たしたものである。いずれの切れ目22が採用されるかについては、実際の具体的な各種の状況(原シート210の材質、折りシート21のサイズ、折りシート21の積層枚数等)に応じて決定される。
(4)図11は、折りシート21を積層してシート束20を形成させる場合の積層方法を示す、シート束20の端面視の説明図であり、図11(A)は、上記の実施形態で採用された積層方法であり、折りシート21の1枚ずつが積層される積層方法、図11(B)は、原シート210の複数枚が重ねられた状態で折り線部211から折り曲げられたものの複数組が積層される積層方法、図11(C)は、複数枚の原シート210が積層された状態でそのまま折り線部211から2つ折りに折られる積層方法をそれぞれ示している。
そして、本発明においては、いずれの積層方法が採用されてもよい。但し、具体的にいずれの積層方法を採用するかについては、積層枚数等のシート束20を形成させるための具体的な状況(原シート210の材質、折りシート21のサイズ、折りシート21の積層枚数等)に応じて適宜決定される。
因みに、複数枚の原シート210が積層された状態でそのまま折り線部211から2つ折りに折られる場合(図11(C)参照)については、切れ目22が隣り合う折りシート21間で同一の位置に設けられている方が、接着剤が各切れ目22を介して全ての折りシート21に浸透し易くなるため好ましい。
本発明に係る製本冊子の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、製本冊子が閉じられた状態を示している。 図1に示す製本冊子が開かれつつある状態を示している。 図1のIII−III線断面図である。 製本冊子を製造するための一実施形態に係る工程図である。 切れ目形成工程における原シートに切れ目を形成させつつある状態を概念的に示す斜視図である。 シート束形成工程においてシート束が形成されつつある状態を示す斜視図である。 接着剤付与工程において表紙にホットメルトシートが付与された状態を示す斜視図である。 シート束装着工程においてプレ製本冊子が形成された状態を示す斜視図である。 接着工程においてプレ製本冊子に接着処理が施されつつある状態を示す斜視図である。 折りシートの折り線部に形成される切れ目の各種のパターンを示す平面視の図であり、(A)は、上記の実施形態で採用された十字状の例、(B)は、十字状の切れ目と折り線向き切れ目とが交互に並設された例、(C)は、交差切れ目と折り線向き切れ目とが交互に並設された例、(D)は、十字状の切れ目ではあるが、それが交点回りに45°回転されることにより×印になされた例、(E)は、交差切れ目のみが折り線部の延びる方向に対して傾斜して設けられた例をそれぞれ示している。 折りシートを積層してシート束を形成させる場合の積層方法を示す、シート束の端面視の説明図であり、(A)は、上記の実施形態で採用された積層方法であり、折りシートの1枚ずつが積層される積層方法、(B)は、原シートの複数枚が重ねられた状態で折り線部から折り曲げられたものの複数組が積層される積層方法、(C)は、複数枚の原シートが積層された状態でそのまま折り線部から2つ折りに折られる積層方法をそれぞれ示している。
符号の説明
10 製本冊子
10′ プレ製本冊子
20 シート束
21 折りシート
210 原シート
211 折り線部
22 切れ目
221 交差切れ目
222 折り線向き切れ目
23 折り線側縁面
30 表紙
31 おもて表紙
32 うら表紙
311,321 折り溝
33 背表紙
40 接着剤層
41 ホットメルトシート
50 ヒーター板
51 衝立板
90 工具
P1 切れ目形成工程
P2 シート束形成工程
P3 接着剤付与工程
P4 シート束装着工程
P5 接着工程

Claims (5)

  1. 2つ折りにしたシートの複数枚を、折り位置を合わせて積層することにより折り線部が形成されてなるシート束と、
    おもて表紙、うら表紙および背表紙からなり、前記折り線部を前記背表紙に対向させた状態でおもて表紙およびうら表紙間に前記シート束を挟持する表紙と、
    前記背表紙と前記シート束との間に介設される両者を接着した接着剤層と、が備えられ、
    前記各シートの折り線部には、複数の切れ目が並設され、
    前記切れ目として、折り線方向と交差する方向に向いた交差切れ目が含まれていることを特徴とする製本冊子。
  2. 前記切れ目として、折り線方向に延びる折り線向き切れ目が付加されていることを特徴とする請求項1記載の製本冊子。
  3. 前記切れ目は、隣り合うシート間で同一位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の製本冊子。
  4. 前記切れ目は、隣り合うシート間で異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の製本冊子。
  5. 2つ折りにするシートの折り線部に沿って折り線方向と交差する方向に向いた複数の交差切れ目を入れる交差切れ目形成工程と、
    前記切れ目の入れられたシートの複数枚を、折り位置を合わせて積層することによりシート束を形成するシート束形成工程と、
    おもて表紙、うら用紙および背表紙からなる表紙の背表紙の裏面側にホットメルト接着剤を付与する接着剤付与工程と、
    前記シート束を、その基端縁面を前記ホットメルト接着剤に当接させた状態でおもて表紙とうら表紙とで挟持することにより表紙に装着するシート束装着工程と、
    前記ホットメルト接着剤の加熱溶融処理によりシート束の基端縁面を背表紙に接着する接着工程とを順次経ることにより製本冊子を製造することを特徴とする製本冊子の製造方法。
JP2008255013A 2008-09-30 2008-09-30 製本冊子および製本冊子の製造方法 Pending JP2010083017A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008255013A JP2010083017A (ja) 2008-09-30 2008-09-30 製本冊子および製本冊子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008255013A JP2010083017A (ja) 2008-09-30 2008-09-30 製本冊子および製本冊子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010083017A true JP2010083017A (ja) 2010-04-15

Family

ID=42247453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008255013A Pending JP2010083017A (ja) 2008-09-30 2008-09-30 製本冊子および製本冊子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010083017A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013116276A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Oka Kk 便座シート及びその製法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013116276A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Oka Kk 便座シート及びその製法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6092411B2 (ja) 紙葉の束の装丁方法、該方法によって製造された本又は地図、紙葉の束、該紙葉の束を形成する方法及び装置
AU2017201500A1 (en) A Binding Method
JP2022037008A (ja) 紙葉束の装丁方法及びそれにより得られた書籍又はフォルダ
JP2010083017A (ja) 製本冊子および製本冊子の製造方法
TW201609452A (zh) 用於結合紙片捆包的方法、藉此獲得的書本或卷宗、片材捆包
US20110298202A1 (en) Sheets formatted for use in binding machines
JP2001293780A (ja) ラミネート材
JPH10193831A (ja) 冊子及びその製造方法
US20100187802A1 (en) Loose leaf pages suitable for binding
KR101038914B1 (ko) 앨범대지 접착용 테이프
JP2005041094A (ja) 製本テープならびに製本ファイル
JPH10226455A (ja) 背糊の接着方法
JP2012183662A (ja) 見開き状クリアポケットファイル及びその製造方法
JP5804877B2 (ja) 中綴じ冊子による簡易上製本の製造方法
JP2769402B2 (ja) 写真集の製造方法
JP4708219B2 (ja) 重ね合わせ情報紙およびその製造方法
MX2009001749A (es) Sistema de encuadernacion.
JP6457809B2 (ja) 開封冊子
JP6649032B2 (ja) 重ね合わせ接着シート
JP6279538B2 (ja) 製本方法
JP4678764B2 (ja) 磁気シート用繋ぎテープ、及び磁気シートの繋ぎ方法
JP2014028453A (ja) 製本用ラベル
JPS6054895A (ja) 簡易製本用表紙
JP2005041095A (ja) 製本テープならびに製本ファイル
JPH0712250U (ja) 製本部材

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110302