JP2010082443A - 排液孔を有する再利用可能な整形外科器具 - Google Patents

Abstract

【課題】第１の外部表面、および第１の外部表面の反対側にある第２の外部表面を有する再利用可能な整形外科トライアルを含む、再利用可能な整形外科器具を提供する。
【解決手段】第２の外部表面は、空洞部を形成するように第２の外部表面から外方に延びる複数の側壁を含む。排液孔が、空洞部内部のある場所で、第２の外部表面に形成される。排液孔は、第２の外部表面から第１の外部表面まで再利用可能な整形外科トライアルを貫通して延びている。さらに、第２の外部表面は、複数の側壁から排液孔に向かって下方に傾斜している。
【選択図】図１

Description

開示の内容

〔技術分野〕
本開示は、概して、再利用可能な整形外科トライアル（reusable orthopaedic trials）を含む、再利用可能な整形外科器具に関する。

〔背景〕
様々な整形外科処置は、例えば整形外科トライアルを含む、いくつかの整形外科器具の使用を伴う。例えば、典型的な人工膝関節置換術（ＴＫＡ）中に、脛骨トライアルトレーおよび脛骨トライアルインサートなどの脛骨トライアルが用いられて、外科医が人工膝関節の脛骨部分を植え込むために脛骨表面を準備するのを助ける。外科医は、例えば、脛骨インプラントのサイズを決定するため、ならびに、脛骨構成要素自体を植え込む前に適切な整列および脛骨構成要素の厚さを確実にするために、脛骨インサートトライアルをしばしば用いる。

例えば鋸刃などの、あるタイプの整形外科器具は、金属で作られるが、例えばトライアルなど、他のものは、しばしば、成型ポリマー（molded polymers）から形成される。そのような多くの整形外科器具は、特定の整形外科処置では使用後に洗浄および滅菌され、その後、次の外科処置で再利用される。典型的な洗浄または滅菌プロセスでは、用具はオートクレーブで処理されることができる。そのようなプロセスでは、再利用可能な整形外科用具は、洗浄および滅菌のため、滅菌トレーの中に置かれる。

〔概要〕
本開示の一態様によると、再利用可能な整形外科器具は、第１の外部表面、および第１の外部表面の反対側にある第２の外部表面を有する、再利用可能な整形外科トライアルを含む。第２の外部表面は、排液表面を含み、排液表面は、空洞部を形成するように排液表面から外方に延びる複数の側壁を有する。排液孔が、空洞部内部のある場所で、排液表面に形成されており、排液孔は、第２の外部表面から第１の外部表面まで整形外科トライアルを貫通して延びている。さらに、排液表面は、複数の側壁から排液孔に向かって下方に傾斜している。

例証的な一実施形態では、再利用可能な整形外科トライアルは、大腿骨トライアル、脛骨トライアル、脛骨インサートトライアル、脛骨増強トライアル、大腿骨増強トライアル、脛骨ステムトライアル、大腿骨ステムトライアル、股関節カップトライアル（hip cup trial）、股関節ライナートライアル（hip liner trial）、股関節ステムトライアル、肩関節カップトライアル、肩関節ライナートライアル、肩関節ステムトライアル、および外傷トライアル（trauma trial）のうちの１つであってよい。

別の例証的な実施形態では、再利用可能な整形外科トライアルは、ポリマー材料から作られることができる。さらに例証的には、再利用可能な整形外科トライアルは、射出成形ポリマー材料から作られることができる。

さらに別の例証的な実施形態では、複数の側壁は、空洞部の全周縁部の周りに位置付けられることができる。

さらなる例証的な実施形態では、第２の外部表面は、第２の排液表面であって、第２の空洞部を形成するように第２の排液表面から外方に延びる第２の複数の側壁を含む、第２の排液表面を含むことができる。第２の排液孔が、第２の空洞部内部のある場所で、第２の排液表面に形成されてよく、第２の排液孔は、第２の外部表面から第１の外部表面まで再利用可能な整形外科トライアルを貫通して延びている。例証的には、第２の排液表面は、第２の空洞部を形成する第２の複数の側壁から第２の排液孔に向かって下方に傾斜することができる。

本開示の別の態様によれば、再利用可能な整形外科器具は、第１の外部表面、および第１の外部表面の反対側にある第２の外部表面を有する本体を含む。第２の外部表面は、排液表面であって、空洞部を形成するように排液表面から外方に延びる複数の側壁を含む、排液表面を含む。排液孔が、空洞部内部のある場所で、排液表面に形成され、排液孔は、第２の外部表面から第１の外部表面まで整形外科器具の本体を貫通して延びる。排液表面は、複数の側壁から排液孔に向かって下方に傾斜している。

例証的な一実施形態では、再利用可能な整形外科器具は、再利用可能な整形外科トライアルであってよい。例証的には、第１の外部表面の少なくとも一部が、再利用可能な整形外科トライアルの外部ベアリング表面を定めることができる。したがって、排液孔は、外部ベアリング表面を貫通して形成されてよい。

別の例証的な実施形態では、再利用可能な整形外科器具は、膝関節器具、股関節器具、肩関節器具、および外傷器具のうちの１つである。

さらに別の例証的な実施形態では、再利用可能な整形外科器具の本体は、射出成形ポリマー材料から作られる。

さらに別の例証的な実施形態では、再利用可能な整形外科器具は、整形外科処置で使用され、滅菌され、また、次の整形外科処置で再利用されるように、構成されることができる。

さらなる例証的な実施形態では、再利用可能な整形外科器具の本体の複数の側壁は、互いに連結されることができる。

別の例証的な実施形態では、排液孔は、複数の側壁のそれぞれから、概ね等距離であってよい。

さらに別の例証的な実施形態では、第２の外部表面は、第２の排液表面であって、第２の空洞部を形成するように第２の排液表面から外方に延びる第２の複数の側壁を含む、第２の排液表面を含むこともできる。さらに、第２の排液孔が、第２の空洞部内部のある場所で、第２の排液表面に形成されることができる。例証的には、第２の排液孔は、第２の外部表面から第１の外部表面まで整形外科器具の本体を貫通して延びることができる。第２の排液表面は、例証的には、第２の複数の側壁から第２の排液孔に向かって下方に傾斜していてよい。

さらに別の例証的な実施形態では、複数の側壁は、湾曲した側壁部分を含むことができる。さらに、複数の側壁は、排液表面の全周縁部の周りに位置付けられている、相互に接続された複数の湾曲した側壁部分を含むことができる。

本開示のさらに別の態様によると、整形外科処置で使用するための再利用可能な整形外科装置は、第１の外部表面、および第１の外部表面の反対側にある第２の外部表面を有する、再利用可能な整形外科器具を含む。第２の外部表面は、排液表面であって、空洞部を形成するように排液表面から外方に延びる複数の側壁を有する、排液表面を含む。排液孔が、空洞部内部のある場所で、排液表面に形成され、排液孔は、第２の外部表面から第１の外部表面まで再利用可能な整形外科器具を貫通して延びる。最終的に、排液表面は、複数の側壁から排液孔に向かって下方に傾斜する。

例証的な一実施形態では、再利用可能な整形外科器具は、大腿骨トライアル、脛骨トライアル、股関節トライアル、肩関節トライアル、外傷トライアル、膝関節器具、股関節器具、肩関節器具、および外傷器具のうちの１つである。

詳細な説明は、具体的には、添付図面に関連する。

〔図面の詳細な説明〕
本開示の概念は、様々な改変および代替形態が可能であるが、本開示の特定の例示的実施形態は、図面において例として示されており、また、本明細書中で詳細に説明される。しかしながら、本開示を、開示された特定の形態に限定する意図はなく、それどころか、添付の特許請求の範囲により定められるような本発明の趣旨および範囲内に入る全ての改変、等価物および代替手段を含むことを意図していることが、理解されるべきである。

多くの異なる整形外科器具が、様々な整形外科処置中に使用および再利用される。「再利用可能な整形外科器具」という用語により本明細書中で意味されるものは、整形外科処置を行う際に外科医が使用する外科用具であって、滅菌されて、次の整形外科処置で再利用される、外科用具である。このような再利用可能な整形外科器具は、多くのタイプの再利用可能な整形外科トライアルを含む。ゆえに、「再利用可能な整形外科トライアル」という用語により本明細書中で意味されるものは、整形外科処置を行う際に外科医が使用する外科トライアルであって、滅菌されて、次の外科処置で再利用される、外科トライアルである。したがって、本明細書で使用される「再利用可能な整形外科器具」および「再利用可能な整形外科トライアル」という用語は、患者の身体に外科的に植え込まれる整形外科インプラントとは異なることが認識されるべきである。

トライアルなどの、様々な再利用可能な整形外科器具が、本明細書中で示され説明される。例証的には、これらの整形外科器具はそれぞれ、射出成形ポリマー材料から形成されて、器具の中に１つ以上の空洞部を画定する。当然、他の適切な材料から作られた整形外科器具を含むことも、本開示の範囲内である。本明細書で説明される整形外科器具はそれぞれ、整形外科処置中に使用され、滅菌されて、次の整形外科処置中に再利用されるように、構成される。以下でより詳細に論じるように、本明細書で説明される整形外科器具はそれぞれ、整形外科器具から液体を排液するための排液孔を含む。

次に図１〜図３を参照すると、再利用可能な脛骨インサートトライアル１０は、プラットホーム１２を含み、プラットホーム１２は、例えば、植え込まれた脛骨トライアルトレー（不図示）の頂部表面上に置かれてその頂部表面と係合するための、上部ベアリング表面１４および底部表面１６を有する。ある状況では、トライアル１０は、例えば患者の脛骨の表面上に直接置かれることもできる。例証的には、トライアル１０は、回転しない構成で、トライアル１０を脛骨トレートライアルに固定するために、他の装置または特徴部を含むこともできる。

トライアル１０の上部ベアリング表面１４は、内側ベアリング表面１８、および外側ベアリング表面２０を含む。内側ベアリング表面１８および外側ベアリング表面２０は、例えば、図４〜図７に示される大腿骨トライアル２１０などの大腿骨構成要素の、対応する内側顆および外側顆を受容するか、または別様にそれら顆に接触するように構成されている。したがって、ベアリング表面１８、２０は、いくつかの実施形態では凹状の輪郭を有しうる。トライアル１０の突起部（spine）２２が、プラットホーム１２から上方に延びており、ベアリング表面１８、２０間に位置付けられている。

次に図２を見ると、トライアル１０は、上部ベアリング表面１４を定める外壁３２と、ベアリング表面１４の反対側にある、骨に面する内表面３４と、を含む。図１〜図３の例証的な例では、ベアリング表面１４、および内表面３４は、トライアル１０の外部表面を定めている。以下でより詳細に論じるように、トライアル１０は、トライアル１０に形成された複数の空洞部４０を含む。トライアル１０は、ポリマー製トライアル１０の全体的な厚さを減少させるため、ならびに、射出成形プロセス中に使用されるポリマーの量を減らすために、多くの場合、そのような空洞部を含むように成型される。例証的には、トライアル１０は、６つの空洞部４０を含む。しかしながら、内部に形成された任意の数の空洞部を有するトライアルを含むことは、本開示の範囲内である。さらに、あらゆる適切なサイズおよび形状の空洞部を有するトライアルを含むことは、本開示の範囲内である。言い換えれば、例証的なトライアル１０に形成された特定の空洞部４０のサイズおよび形状は、単に例示的なものである。

例証的には、インサートトライアル１０の内表面３４は、いくつかの排液表面８０、８２、８４、８６、８８、９０であって、これら排液表面から外方に延びる、相互に接続された複数の側壁４２を有する、排液表面を含む。これらの側壁４２は、互いに協働し、また内表面３４の排液表面８０、８２、８４、８６、８８、９０と協働して、インサートトライアル１０の複数の空洞部４０を画定する。詳細には、各空洞部４０は、排液表面８０、８２、８４、８６、８８、９０のうち少なくとも１つと、１つ以上の隣接する側壁４２の複数の側壁表面４４と、によって画定される。例えば、空洞部４５および４７はそれぞれ、内表面３４のそれぞれの排液表面８２、８８、ならびに第１、第２、第３、および第４の側壁表面４６、４８、５０、５２により画定される。例証的には、特定の空洞部４５は、４つの側壁表面４６、４８、５０、５２により画定されるが、内部に形成された空洞部を有するトライアル１０であって、空洞部は、この空洞部から外方に延びる任意の数の側壁表面によって画定される、トライアル１０を含むことは、本開示の範囲内である。例えば、空洞部は、長円形または円形を形成する単一の湾曲した側壁により画定されることができる。さらに、空洞部は、２つ以上の湾曲した側壁および／またはまっすぐな側壁により画定されることができる。例証的には、例えば、空洞部５６は、概ねまっすぐな第１の側壁表面５８、概ね湾曲した第２の側壁表面６０、および概ね湾曲した第３の側壁表面６２により画定される。したがって、脛骨インサートトライアル１０が、骨に面する内表面３４の少なくとも一部、ならびに任意の数の湾曲した側壁表面および／またはまっすぐな側壁表面により画定された空洞部を含むことは、本開示の範囲内である。さらに、トライアル１０の側壁４２は、互いと相互に接続されており、内表面３４の各排液表面の全周縁部の周りに位置付けられている。しかしながら、排液表面の周縁部の周りに部分的にのみ位置付けられた側壁により画定された空洞部を含むことは、本開示の範囲内である。

インサートトライアル１０は、図１および図２に示されるように、複数の排液孔７０をさらに含む。例証的には、各排液孔７０は、内表面３４のそれぞれの排液表面（例えば、排液表面８０、８２、８４、８６、８８、９０）に形成されており、トライアル１０の内表面３４からベアリング表面１４まで、トライアル１０の外壁３２を貫通して延びている。詳細には、各排液孔７０は、空洞部４０のうち１つの内部のある場所で、排液表面８０、８２、８４、８６、８８、９０のうちの１つに形成されている。各排液孔７０は、インサートトライアル１０の洗浄および滅菌プロセス中に、空洞部４０内部に集められたあらゆる液体を排液する。言い換えれば、流体は、それぞれの排液孔７０を通って各空洞部４０から排液されることができる。例証的には、各空洞部４０の排液表面は、その排液表面を貫通して形成された、単一の排液孔７０を含む。しかしながら、各空洞部４０内部に任意の数の排液孔７０を設けることは、本開示の範囲内である。

次に図３を見ると、排液表面８２、８８が示されている。例証的には、各空洞部４５、４７の排液表面８２、８８は、形状が概ねじょうご形である。詳細には、各空洞部４５、４７の外部側壁表面５２と排液孔７０との間にある排液表面８２の部分７２は、図３に示されるように、排液孔７０に向かって下方に傾斜している。同様に、側壁表面４８と排液孔７０との間にある排液表面８８の部分７４もまた、排液孔７０に向かって下方に傾斜している。実際、各排液表面は、排液孔７０に向かって下方に傾斜し、排液孔７０までの負の勾配（negative slope）を作り出している。この負の勾配により、洗浄および滅菌プロセス中にトライアル１０の滅菌性を維持するために液体が排液孔７０に向かって流れ出ることができる。言い換えれば、トライアル１０の各空洞部４０の排液表面８０、８２、８４、８６、８８、９０は、空洞部４０を画定している複数の側壁４２から排液孔７０に向かって下方に傾斜している。

各空洞部４５および４７の排液表面８２、８８のじょうご形の形状が、図３に示され前述されたが、トライアル１０の残りの空洞部４０それぞれの排液表面も、形状が概ねじょうご形であることが理解されるべきである。言い換えれば、トライアル１０の各空洞部４０は、空洞部４０を画定している側壁４２のうち１つの側壁の隣接する側壁表面と排液孔との間に、下方に傾斜した部分を有する、排液表面８２、８４、８６、８８、９０のうち１つを含む。

さらに例証的に、インサートトライアル１０の各排液孔７０は、空洞部４０の側壁４２の側壁表面それぞれから離間している。しかしながら、他の再利用可能な整形外科器具に関して以下で論じるように、排液孔７０のうち１つ以上を、空洞部の側壁４２の側壁表面のうち１つ以上に概ね隣接して位置付けることは、本開示の範囲内である。排液孔７０が、空洞部４０を画定している側壁４２それぞれから概ね等距離になるように、排液孔７０のうち１つ以上を、特定の空洞部４０内部で概ね中心に位置させることも、本開示の範囲内である。

図１〜図３に示されるように、脛骨インサートトライアル１０は、複数の空洞部４０と、例えば洗浄および滅菌プロセス中に各空洞部４０内部に集まりうるあらゆる液体を排液するための排液孔７０と、を画定するように形成される。このような構造および特徴部は、脛骨インサートトライアル１０に関して図示され説明されているが、典型的には、使用され、滅菌されて、次の整形外科処置で再利用される多くの整形外科器具に、同じかまたは類似の排液手段を設けることは、本開示の範囲内である。例えば、大腿骨増強トライアルおよび大腿骨ステムトライアルなどの大腿骨トライアル、脛骨トレートライアル、脛骨ステムトライアル、および脛骨増強トライアルなどの脛骨トライアル、股関節カップトライアル、股関節ライナートライアル、および股関節ステムトライアルなどの股関節トライアル、肩関節カップトライアル、肩関節ライナートライアル、および肩関節ステムトライアルなどの肩関節トライアル、ならびに外傷トライアルを含む、整形外科器具は、それぞれが、脛骨インサートトライアル１０に関して前述したものと同じかまたは類似の排液手段を含んでよい。さらには、膝関節器具、股関節器具、肩関節器具、および外傷器具を含む整形外科器具もまた、脛骨インサートトライアル１０に関して前述したものと同じかまたは類似の排液手段を含んでよい。当然、他のそのような整形外科器具も、そのような排液手段を含んでよい。したがって、図１〜図３の脛骨インサートトライアル１０に関して前述したものと同じかまたは類似の排液手段を含む例証的な整形外科器具が、残りの図４〜図１４に図示され、以下で説明される。

次に図４〜図７を見ると、再利用可能な大腿骨トライアル１１０は、離間した一対の内側顆１１２および外側顆１１４を含み、内側顆１１２および外側顆１１４は、それぞれの内側顆表面１１６および外側顆表面１１８を含む外部表面を有する外壁を定めている。使用の際、顆１１２、１１４は、図１〜図３に示されるトライアル１０などの脛骨インサートトライアルの、対応するベアリング表面上で関節接合するように構成されている。例証的には、大腿骨トライアル１１０は、ポリマー材料から射出成形されており、複数の空洞部１４０を含むように形成される。大腿骨トライアル１１０は、外部表面の反対側に、骨に面する内表面１３４を含む。図４〜図７の例証的な例では、外部顆表面１１、１１８、および骨に面する内表面１３４は、トライアル１１０の外部表面を定めている。例証的には、内表面１３４は、例えば図６および図７に示されるような排液表面１８０、１８２、１８４、１８６、１８８などの複数の排液表面であって、その排液表面から外方に延びる複数の側壁１４２を有する、複数の排液表面を含む。空洞部１４０は、様々な排液表面、および側壁１４２の側壁表面により画定される。

例証的には、大腿骨トライアル１１０は、各顆１１２、１１４の外部顆表面１１６、１１８から内表面１３４まで、トライアル１１０を貫通して延びる複数の排液孔１７０をさらに含む。詳細には、排液孔１７０が、複数の空洞部１４０それぞれの内部に位置する各排液表面１８０、１８２、１８４、１８６、１８８に形成される。排液孔１７０は、トライアル１１０の他の排液表面にも形成される。さらに、図６および図７に示されるように、各空洞部１４０を画定しているそれぞれの排液表面１８０、１８２、１８４、１８６、１８８は、液体が排液孔１７０を通って流れ出るのを促進するために、その空洞部１４０を画定している特定の側壁１４２の側壁表面から排液孔１７０まで下方に傾斜している。したがって、図６および図７に示される排液表面１８０、１８２、１８４、１８６、１８８、ならびに各空洞部１４０を画定しているトライアル１１０の他の排液表面は、空洞部から液体を排液するための、各空洞部１４０の排液手段を提供するように、各空洞部１４０内部のそれぞれの排液孔１７０と協働する。

次に図８および図９を見ると、再利用可能な脛骨増強トライアル２１０は、外部表面２１４、および外部表面２１４の反対側にある内表面２３４を有する、外壁２１２を含む。図８および図９の例証的な例では、外部表面２１４および内表面２３４は、トライアル１０の外部表面を定めている。再利用可能なトライアル２１０は、外部表面２１８および内部表面２２０を有する外部側壁２１６をさらに含む。典型的には、脛骨増強トライアル２１０などの増強トライアルは、再建手術（revision surgery）で用いられ、脛骨構成要素に取り付けられて、再建手術でしばしば見られる患者の骨損失の責任を負う（account for）。例証的には、外部側壁２１６は、外壁２１２の内部２３４に連結され、内部２３４から離れて延びる。さらに、外部側壁２１６は、外壁２１２の外周部の周りに位置付けられる。内表面２３４は、いくつかの排液表面、および排液表面から外方に延びる内部側壁２２２をさらに含む。詳細には、トライアル２１０の例証的な内表面２３４は、２つの排液表面２８０、２８２を含む。例証的には、側壁２２２は、外壁２１２の内部表面２２０の向かい合う部分に連結され、また、その向かい合う部分間に延びて、第１の空洞部２４０および第２の空洞部２４２を内部に画定する。内部側壁２２２は、第１の表面２２６および第２の表面２２８を含み、これら表面は、外分側壁２１６の内部側壁表面２２０と協働して、それぞれの第１の空洞部２４０および第２の空洞部２４２を画定する。例証的には、トライアル２１０は、外部側壁２１６および内部側壁２２２の底部表面２２４をさらに含む。

再利用可能なトライアル２１０は、外壁２１２を貫通する、離間した第１の排液孔２７０および第２の排液孔２７２をさらに含む。詳細には、各排液孔２７０、２７２は、外壁２１２の外部表面２１４と、外壁２１２の内表面２３４のそれぞれの排液表面２８０、２８２と、の間に延びている。さらに、第１の排液孔２７０は、第１の空洞部２４０内部のある場所で、第１の排液表面１８０に形成されているが、第２の排液孔２７２は、第２の空洞部２４２内部のある場所で、第２の排液表面１８２に形成されている。図９に示されるように、第１の排液表面２８０は、排液孔２７０に向かって下方に傾斜している。詳細には、排液孔２７０と、外部側壁２１２の内部表面２２０および内部側壁の壁２２２の表面２２６と、の間にある第１の排液表面２８０の部分は、排液孔２７０に向かって液体が流れ出るのを促進するために、排液孔２７０に向かって下方に傾斜している。同様に、排液孔２７２と、外部側壁２１２の内部表面２２０および第２の空洞部２４２の内部側壁２２２の表面２２８と、の間にある第２の排液表面２８２の部分は、側壁２１２、２２２から離れて、また排液孔２７２に向かって、同様に下方に傾斜している。したがって、第１の排液表面１８０および第２の排液表面１８２、ならびにそれぞれの排液孔２７０、２７２は、液体を空洞部から排液するための、各空洞部２４０、２４２の排液手段を提供するよう協働する。

次に図１０〜図１２を見ると、再利用可能なスペーサーブロック３１０が示されている。例証的には、スペーサーブロック３１０は、外部表面３１４および骨に面する内表面３３４（図１１に図示）を有する外壁または本体３１２を含む。スペーサーブロック３１０は、外部表面３１８および内部表面３２０を有する外部側壁３１６もさらに含む。図１１〜図１２の例証的な例では、外部表面３１４、骨に面する内表面３３４、および内部表面３２０は、トライアル３１０の外部表面を定める。スペーサーブロック３１０の内表面３３４は、複数の排液表面であって、その排液表面から外方に延びる複数の側壁３２２を有する、複数の排液表面を含む。例証的な排液表面は、図１１に示されるように、排液表面３８０、３８２、３８４、３８６、３８８、３９０、３９２、３９４、３９６、３９８を含む。側壁３２２は、互いと、また外部側壁３１２と協働して、スペーサーブロック３１０の複数の空洞部３４０を画定する。スペーサーブロック３１０は、外部側壁３１２を貫通する複数の排液孔３７０をさらに含む。各排液孔３７０は、複数の空洞部３４０のうち１つの空洞部内部のある場所で、外壁３１２を貫通して形成される。

排液表面３８０〜３９８を含む各排液表面は、排液孔３７０に向かって、また、それぞれの空洞部３４０を画定している側壁３１２、３２２から離れて、下方に傾斜している。詳細には、排液孔３７０と、側壁３２２の側壁表面３２４および／または外部側壁３１２の内部側壁表面３２０と、の間にある内表面３３４の各排液表面の部分は、排液孔３７０に向かって液体が流れ出るのを促進するために、排液孔３７０に向かって下方に傾斜している。したがって、各空洞部３４０内部に位置する排液表面、および各空洞部３４０内部のある場所で内表面３３４に形成されたそれぞれの排液孔３７０は、空洞部から液体を排液するための、各空洞部３４０の排液手段を提供するよう協働する。

次に図１３および図１４を見ると、再利用可能なインパクター４１０が示されている。例証的には、インパクター４１０は、コネクタ４１６により互いに連結された、右側部分４１２および左側部分４１４を含む。例証的には、右側部分４１２および左側部分４１４のそれぞれは、外部表面４２０および内表面４２２を有する外壁４１８を含む。図１３および図１４の例証的な例では、外部表面４２０および内表面４２２は、トライアル４１０の外部表面を定めている。内表面４２２は、複数の排液表面であって、その排液表面から外方に延びる複数の側壁４２４を有する、複数の排液表面を含む。左側部分４１４の例証的な排液表面は、図１４に示されるように、排液表面４８０、４８２、４８４、４８６を含む。各側壁４２４は、表面４２６を含み、表面４２６は、互いと、また外壁４１８と協働して、インパクター４１０の複数の空洞部４４０を画定する。再利用可能なインパクター４１０は、外壁４１２を貫通する複数の排液孔４７０をさらに含む。各排液孔４７０は、複数の空洞部４４０のうち１つの空洞部内部の表面４８０、４８２、４８４、４８６などの排液表面のうち１つに形成される。図１４に示されるように、例証的な排液表面４８０および４８６はそれぞれ、その排液表面に形成された単一の排液孔４７０を含むのに対して、排液表面４８２、４８４はそれぞれ、その排液表面に形成された２つの排液孔４７０を含む。

例証的には、各空洞部４４０の排液表面４８０、４８２、４８４、４８６はそれぞれ、各空洞部４４０内部に位置する１つ以上の排液孔４７０に向かって、側壁４２４から離れて下方に傾斜している。詳細には、空洞部４４０内部に位置する、表面４８０、４８２、４８４、４８６などの各排液表面は、排液孔４７０に向かって液体が流れ出るのを促進するために、各排液孔４７０に向かって、外壁４１８の内部表面４２２および側壁４２４の側壁表面４２６から離れて下方に傾斜している。したがって、各空洞部４４０の排液表面４８０、４８２、４８４、４８６、およびそれぞれの排液表面４８０、４８２、４８４、４８６を貫通して形成された排液孔４７０は、空洞部から液体を排液するための、各空洞部４４０の排液手段を提供するよう協働する。

本開示の概念は、特定の再利用可能な整形外科器具の例証的な実施形態に関連して説明されてきたが、多くの再利用可能な整形外科器具において同じかまたは類似の排液構成を提供することは、本開示の範囲内である。例えば、大腿骨増強トライアルおよび大腿骨ステムトライアルなどの大腿骨トライアル、脛骨トレートライアル、脛骨ステムトライアル、および脛骨増強トライアルなどの脛骨トライアル、股関節カップトライアル、股関節ライナートライアル、および股関節ステムトライアルなどの股関節トライアル、肩関節カップトライアル、肩関節ライナートライアル、および肩関節ステムトライアルなどの肩関節トライアル、ならびに外傷トライアルを含む整形外科器具はそれぞれ、図１〜図１４に関して前述したものと同じかまたは類似の排液構成を含んでよい。膝関節器具、股関節器具、肩関節器具、およびトライアル器具を含む他の再利用可能な整形外科器具も、図１〜図１４に関して前述したものと同じかまたは類似の排液構成を含んでよい。当然、他の再利用可能な整形外科器具も、このような排液構成を含んでよい。

前記のとおり、本明細書に開示された整形外科器具１０、１１０、２１０、３１０、４１０のそれぞれは、射出成形ポリマー材料から作られる。したがって、ポリマーを形成するために使用される射出成形金型（injection mold）は、様々な空洞部と、器具１０、１１０、２１０、３１０、４１０それぞれの空洞部内部に位置された、対応する下方に傾斜した排液表面と、を形成するように、じょうご形の構造体を含む。さらに、本明細書に開示された器具１０、１１０、２１０、３１０、４１０は、射出成形プロセスによりポリマー材料から作られるが、別の適切なプロセスにより他の適切な材料で作られた整形外科器具を含むことは、本開示の範囲内である。

本開示は、図面および前記の説明において詳細に例証され説明されてきたが、そのような例証および説明は、例示的なものとみなされるものであり、性質が限定的であるとみなされるものではない。例証的な実施形態のみが図示および説明されていること、ならびに、本開示の趣旨の範囲に入る全ての変更および改変が保護されるよう望まれること、が理解される。

本明細書で説明されたシステムの様々な特徴部から発生する、本開示の概念の複数の利点がある。本開示のシステムそれぞれの代替の実施形態は、説明した特徴部の全てを含まなくてよいが、そのような特徴部の利点のうち少なくともいくつかから依然として利益を得ることに注目されたい。当業者は、本開示の特徴部のうち１つ以上を組み込み、かつ添付の特許請求の範囲により定められるような本発明の趣旨および範囲に含まれるシステムの、彼ら独自の実行を容易に考案することができる。

図１は、内部に形成された排液孔を有する、射出成形された脛骨インサートトライアルの上面斜視図である。 図２は、図２の脛骨インサートトライアルの底面斜視図である。 図３は、図２の線３−３に沿った断面図である。 図４は、内部に形成された排液孔を有する、射出成形された大腿骨トライアルの底面図である。 図５は、図４の大腿骨トライアルの上面斜視図である。 図６は、図５の線６−６に沿った、図４および図５の大腿骨トライアルの断面図である。 図７は、図５の線７−７に沿った、図４〜図６の大腿骨トライアルの断面図である。 図８は、内部に形成された排液孔を有する、射出成形された脛骨増強トライアルの底面斜視図である。 図９は、図８の線９−９に沿った、図８の脛骨増強トライアルの断面図である。 図１０は、内部に形成された排液孔を有する、射出成形された膝関節器具の上面斜視図である。 図１１は、図１０の膝関節器具の断片的な底面図である。 図１２は、図１１の線１２−１２に沿った、図１０および図１１の膝関節器具の断面図である。 図１３は、内部に形成された排液孔を有する、射出成形されたインパクター先端部の斜視図である。 図１４は、図１３のインパクター先端部の上面図である。

Claims (20)

1. 再利用可能な整形外科器具において、
   第１の外部表面、および前記第１の外部表面の反対側にある第２の外部表面を有する、再利用可能な整形外科トライアルであって、
   （ｉ）前記第２の外部表面は、排液表面であって、空洞部を形成するように前記排液表面から外方に延びる複数の側壁を有する、排液表面を含み、
   （ｉｉ）排液孔が、前記空洞部内部のある場所で、前記排液表面に形成され、前記排液孔は、前記第２の外部表面から前記第１の外部表面まで前記整形外科トライアルを貫通して延びており、
   （ｉｉｉ）前記排液表面は、前記複数の側壁から前記排液孔に向かって下方に傾斜している、
   整形外科トライアル、
   を含む、再利用可能な整形外科器具。
2. 請求項１に記載の再利用可能な整形外科器具において、
   前記再利用可能な整形外科トライアルは、大腿骨トライアル、脛骨トライアル、脛骨インサートトライアル、脛骨増強トライアル、大腿骨増強トライアル、脛骨ステムトライアル、大腿骨ステムトライアル、股関節カップトライアル、股関節ライナートライアル、股関節ステムトライアル、肩関節カップトライアル、肩関節ライナートライアル、肩関節ステムトライアル、および外傷トライアルのうちの１つである、再利用可能な整形外科器具。
3. 請求項１に記載の再利用可能な整形外科器具において、
   前記再利用可能な整形外科トライアルは、ポリマー材料から作られる、再利用可能な整形外科器具。
4. 請求項３に記載の再利用可能な整形外科器具において、
   前記再利用可能な整形外科トライアルは、射出成形ポリマー材料から作られる、再利用可能な整形外科器具。
5. 請求項１に記載の再利用可能な整形外科器具において、
   前記第２の外部表面は、第２の排液表面であって、第２の空洞部を形成するように前記第２の排液表面から外方に延びる第２の複数の側壁を含む、第２の排液表面を含み、
   さらに、第２の排液孔が、前記第２の空洞部内部のある場所で、前記第２の排液表面に形成され、前記第２の排液孔は、前記第２の外部表面から前記第１の外部表面まで前記整形外科トライアルを貫通して延びている、再利用可能な整形外科器具。
6. 請求項５に記載の再利用可能な整形外科器具において、
   前記第２の排液表面は、前記第２の空洞部を形成する前記第２の複数の側壁から前記第２の排液孔に向かって下方に傾斜している、再利用可能な整形外科器具。
7. 請求項１に記載の再利用可能な整形外科器具において、
   前記複数の側壁は、前記空洞部の全周縁部の周りに位置付けられている、再利用可能な整形外科器具。
8. 再利用可能な整形外科器具において、
   第１の外部表面、および前記第１の外部表面の反対側にある第２の外部表面を有する、本体であって、
   （ｉ）前記第２の外部表面は、排液表面であって、空洞部を形成するように前記排液表面から外方に延びる複数の側壁を含む、排液表面を含み、
   （ｉｉ）排液孔が、前記空洞部内部のある場所で、前記排液表面に形成され、前記排液孔は、前記第２の外部表面から前記第１の外部表面まで前記整形外科器具の前記本体を貫通して延びており、
   （ｉｉｉ）前記排液表面は、前記複数の側壁から前記排液孔に向かって下方に傾斜している、
   本体、
   を含む、再利用可能な整形外科器具。
9. 請求項８に記載の再利用可能な整形外科器具において、
   前記整形外科器具は、再利用可能な整形外科トライアルである、再利用可能な整形外科器具。
10. 請求項９に記載の再利用可能な整形外科器具において、
    前記第１の外部表面の少なくとも一部が、前記再利用可能な整形外科トライアルの外部ベアリング表面を定め、前記排液孔は、前記外部ベアリング表面を貫通して形成されている、再利用可能な整形外科器具。
11. 請求項８に記載の再利用可能な整形外科器具において、
    前記整形外科器具は、膝関節器具、股関節器具、肩関節器具、および外傷器具のうちの１つである、再利用可能な整形外科器具。
12. 請求項８に記載の再利用可能な整形外科器具において、
    前記本体は、射出成形ポリマー材料から作られる、再利用可能な整形外科器具。
13. 請求項８に記載の再利用可能な整形外科器具において、
    前記整形外科器具は、整形外科処置で使用され、滅菌され、次の整形外科処置で再利用されるように構成されている、再利用可能な整形外科器具。
14. 請求項８に記載の再利用可能な整形外科器具において、
    前記複数の側壁は、互いに連結されている、再利用可能な整形外科器具。
15. 請求項８に記載の再利用可能な整形外科器具において、
    前記排液孔は、前記複数の側壁のそれぞれから概ね等距離である、再利用可能な整形外科器具。
16. 請求項８に記載の再利用可能な整形外科器具において、
    前記第２の外部表面は、第２の排液表面であって、第２の空洞部を形成するように前記第２の排液表面から外方に延びる第２の複数の側壁を含む、第２の排液表面をさらに含み、
    第２の排液孔が、前記第２の空洞部内部のある場所で、前記第２の排液表面に形成され、
    前記第２の排液孔は、前記第２の外部表面から前記第１の外部表面まで前記整形外科器具の前記本体を貫通して延びており、
    前記第２の排液表面は、前記第２の複数の側壁から前記第２の排液孔に向かって下方に傾斜している、再利用可能な整形外科器具。
17. 請求項８に記載の再利用可能な整形外科器具において、
    前記複数の側壁は、湾曲した側壁部分を含む、再利用可能な整形外科器具。
18. 請求項１７に記載の再利用可能な整形外科器具において、
    前記複数の側壁は、前記排液表面の全周縁部の周りに位置付けられている、相互に接続された複数の湾曲した側壁部分を含む、再利用可能な整形外科器具。
19. 整形外科処置で使用するための再利用可能な整形外科装置において、
    第１の外部表面、および前記第１の外部表面の反対側にある第２の外部表面を有する、再利用可能な整形外科器具であって、
    （ｉ）前記第２の外部表面は、排液表面であって、空洞部を形成するように前記排液表面から外方に延びる複数の側壁を有する、排液表面を含み、
    （ｉｉ）排液孔が、前記空洞部内部のある場所で、前記排液表面に形成され、前記排液孔は、前記第２の外部表面から前記第１の外部表面まで前記整形外科器具を貫通して延びており、
    （ｉｉｉ）前記排液表面は、前記複数の側壁から前記排液孔へ向かって下方に傾斜している、
    整形外科器具、
    を含む、再利用可能な整形外科装置。
20. 請求項１９に記載の再利用可能な整形外科装置において、
    前記再利用可能な整形外科器具は、大腿骨トライアル、脛骨トライアル、股関節トライアル、肩関節トライアル、外傷トライアル、膝関節器具、股関節器具、肩関節器具、および外傷器具のうちの１つである、再利用可能な整形外科装置。

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