JP2010081807A - 粉末打錠チューインガム用口中成形剤及び粉末打錠チューインガムの口中崩壊感防止方法 - Google Patents

粉末打錠チューインガム用口中成形剤及び粉末打錠チューインガムの口中崩壊感防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
口中で咀嚼初期に生じる、粉末打錠チューインガム特有の噛み始めの崩壊感を防止することができる粉末打錠チューインガム用口中成形剤、及び粉末打錠チューインガムの口中崩壊感防止方法を提供する。

【解決手段】
温度40℃、湿度80%の雰囲気で、10分間放置したときの吸水率が5.5%以上である増粘安定剤を含有することを特徴とする粉末打錠チューインガム用口中成形剤によって達成する。

【選択図】なし

Description

本発明は、口中で咀嚼初期に生じる、粉末打錠チューインガム特有の噛み始めの崩壊感を防止することができる粉末打錠チューインガム用口中成形剤及び粉末打錠チューインガムの口中崩壊感防止方法に関する。
近年チューインガム市場においては、従来からある、加熱溶融混合後に成形加工して製造する板状、ブロック状又は粒状等のチューインガムの他に、粉末ガム等を打錠成型した粉末打錠チューインガムが発売されている。
この粉末打錠チューインガムは従来のチューインガムと比較し、製造工程において混合から打錠成型まで一貫して常温加工が可能なことから、従来配合できなかった熱に弱い成分を配合でき、また粉末打錠チューインガムを0.30以下の低い水分活性(Aw)に調整できることから、水分の影響を受けやすい成分を配合できると言った特徴を有している。
しかしその反面、圧力で押し固めて成型された当該粉末打錠チューインガムは、咀嚼すると脆くぼそぼそとするため、特に噛み始めに強い崩壊感を感じる点で問題があった。
チューインガムの食感を改良する技術として、例えば特許文献1では、チューインガム用有機基材粉末、炭酸カルシウム等の無機粉体、及びアルギン酸ナトリウム等の有機高分子結合剤からなるチューインガム用改質顆粒組成物が提案されている。しかし、当該組成物を配合したチューインガムは、「無機粉体」と「有機高分子結合剤」の強い架橋反応による不溶性ゲルによって、チューインガムを口中に入れてから噛み終えるまでの長時間(30〜60分間)で平均的に評価した場合には、チューインガムの硬さ、弾力性、膨潤、なめらかさ、柔軟性を適度な水準で確保することはできるものの、粉末打錠チューインガムに応用した場合、咀嚼開始直後、すなわち噛み始めの崩壊感は解消できなかった。
また、無機粉体の添加量によっては、その他のチューインガム原料の配合組成が制限されるため、噛み始めに崩壊感を生じ、かつ香りと風味の発現が悪かった。
そして製造ラインにおいては、当該組成物を配合すると、粉砕、整粒、造粒、乾燥等の各工程で特殊な装置を必要とし、更に各製造工程においても製造装置へのガムベース付着、各原料の均一分散性、連続生産性等の問題があった。
次に特許文献2では、アルギン酸塩等の吸水性成分を含有する粉末チューインガムが記載されている。これはチューインガムの水分を吸水性成分中に取り込むことで、製造中や保存中にボソボソしたりひび割れた状態となるのを防ぎ、併せてチューインガムの食感が劣化するのを防ぐものである。
しかし上記方法においても、口中に入れてから噛み終えるまでの平均的な食感は改善されるものの、噛み始めの崩壊感には未だ改良の余地があった。また、付与された香り及び風味の発現についても上記特許文献1と同様に改良の余地があった。
特許文献3〜4では、アルギン酸ナトリウムとカルシウム化合物とを一体的に結合した可食性咀嚼物や、グルテンからなるベース基材にキサンタンガム等の常温可溶性の水溶性
多糖類が含まれる可食性咀嚼物が開示されている。前者はアルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンと唾液によるゲル化作用を利用して、咀嚼中の噛み心地を保持するものであり、後者は水溶性多糖類を添加することで、グルテンによるマトリックス形成を適度に緩和して、口中でのチューインガム様の咀嚼感を保持するものである。しかし、両者とも口中に入れてから嚥下或いは噛み終えるまでの連続した食感に関するもので、粉末打錠チューインガム特有の噛み始めの崩壊感を考慮したものではなく、またチューインガムとしての本来の食感に劣るものであった。
特許文献5では、噛み始めの食感を改良した技術として、ガムベース、甘味料、香料等を含むチューインガム顆粒による圧縮ガム製品が開示されている。この圧縮ガム製品は、ガムベース含有量を28重量%乃至70重量%(チューインガム顆粒中のガムベースの含有量は71重量%乃至99重量%)とし、噛み始め段階(噛み始めてから最初の60秒)に様々な成分が共通のマス中で一体化され、ばらばらになり難くするものである。しかしこのガムベース含有量による食感調整では、噛み始めてから最初の30秒間の崩壊感防止については考慮されておらず効果が得にくかった。更にまた、付与された香りや風味の発現も劣っていた。
特開2001−86938号公報 特開2005−333966号公報 特開2002−218922号公報 特開2002−218912号公報 特表2006−525000号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、口中で咀嚼初期に生じる、粉末打錠チューインガム特有の噛み始めの崩壊感を防止する粉末打錠チューインガム用口中成形剤、及び粉末打錠チューインガムの口中崩壊感防止方法を提供することにある。
本願発明者らは上記課題を解決するため、まず粉末打錠チューインガム特有の「咀嚼初期に生じる崩壊感の原因」について検証した。粉末打錠チューインガムの場合、咀嚼開始直後は、破断されたガム咀嚼物が大きな塊であったり、脆く粉々でぼそぼそした食感であることが殆どであるが、更に咀嚼し続けることで粘弾性を持った一体のガム塊となる。これは、咀嚼直後の破断されたガム咀嚼物が唾液を吸収し、かつ口中温度(体温)で温められることで柔らかくなるからである。
この一体化したガム塊になるまでの食感は、咀嚼開始から約30秒程度に過ぎないが、喫食者にとってたいへん不快な食感(崩壊感)であり、チューインガムの品質、評価を決定づける重要なポイントであることから、この崩壊感を防止し得る技術について鋭意検討を行った。
その結果、驚くべきことに、特定の増粘安定剤を粉末や顆粒のまま粉体混合し、打錠成型して粉末打錠チューインガムとすることにより、粉末打錠チューインガム特有の噛み始めの崩壊感を防止できることを見出した。
すなわち本願の第一の発明は、温度40℃、湿度80%の雰囲気で、10分間放置したときの吸水率が5.5%以上である増粘安定剤を含有することを特徴とする粉末打錠チュ
ーインガム用口中成形剤である。
第二の発明は、増粘安定剤は下記(A)であることを特徴とする粉末打錠チューインガム用口中成形剤である。
(A)アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、λ―カラギナン、ι―カラギナン、ローカストビーンガム、グァーガム、キサンタンガム、ネイティブジェランガム、脱アシルジェランガム、カードラン及びカルボキシメチルセルロースナトリウムのうち1種又は2種以上
第三の発明は、上記増粘安定剤の含有量が、粉末打錠チューインガム全体重量中0.1〜1.5重量%であることを特徴とする粉末打錠チューインガム用口中成形剤である。
第四の発明は、上記の粉末打錠チューインガム用口中成形剤を添加することを特徴とする粉末打錠チューインガムの口中崩壊感防止方法である。
本発明によれば、口中で咀嚼初期に生じる、粉末打錠チューインガム特有の噛み始めの崩壊感を防止することができる。すなわち、咀嚼初期から大きな塊であったり、脆く粉々でぼそぼそした食感を感じることなく、或は速やかに、粘弾性を有する一体化したガム塊にすることができる。
また、本発明の口中成形剤に含有する増粘安定剤の種類や含有量を特定することで、上記崩壊感の防止に加え、粉末打錠チューインガムの香り及び風味の発現速度を自在に調整することが可能となり、咀嚼中の香り及び風味を持続できる。
また本発明は、製造工程において本発明の口中成形剤を添加するだけでよいため、特殊な製造装置を準備する必要がなく、容易且つ安価に本発明の粉末打錠チューインガムを製造できる。
以下、本願発明について更に詳細に説明する。
本発明の「口中成形」とは、「口中で咀嚼初期に生じる、粉末打錠チューインガム特有の噛み始めの崩壊感を防止する」ことを言う。また、「崩壊感の防止」とは「咀嚼により一旦破断されたガム咀嚼物の破断状態や脆く粉々でぼそぼそした食感を口中で感じることなくガム塊になる、或いは、噛み始めから30秒以内に一体化したガム塊となる」ことを言う。
本発明の粉末打錠チューインガム用口中成形剤(以下「口中成形剤」という)に含有される増粘安定剤とは、水に溶解または分散して粘稠性を生じる高分子物質であって、例えば海草抽出物、種子粘質物、微生物粘質物及び植物由来物質等が挙げられ、食品表示では、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料、増粘多糖類等の呼称で記載される。
具体的には、温度40℃、湿度80%の雰囲気下で、10分間放置したときの吸水率が5.5%以上である増粘安定剤である。吸水率が5.5%未満であると噛み始めの崩壊感を速やかに防止することができない。なお、吸水率の測定方法は以下の通りである。
<吸水率の測定>
1.室温25℃、湿度45%の雰囲気中に増粘安定剤約1gを24時間放置後、重量を正
確に計量する。(X)
2.上記1.の増粘安定剤を、室温40℃、湿度80%の雰囲気中に10分間放置後、重量を計量する。(Y)
3.下記式1の計算式より、吸水率を算出する。
Figure 2010081807
好ましくは、上記増粘安定剤がアルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、λ―カラギナン、ι―カラギナンである。種子粘質物は、ローカストビーンガム、グァーガムで、微生物粘質物は、キサンタンガム、ネイティブジェランガム、脱アシルジェランガム、カードランである。植物由来物質は、カルボキシメチルセルロースナトリウムである。本発明において上記の増粘安定剤のうち1種又は2種以上であることが、噛み始めの崩壊感を速やかに防止する点で更に好適である。
更に好ましくは、アルギン酸ナトリウム、ι―カラギナン、キサンタンガム及びネイティブジェランガムのうち1種又は2種以上であれば、噛み始めの崩壊感を更に短時間で防止することが可能となる。すなわち口中において増粘安定剤が唾液を吸収し粘弾性を生じることで、粉末打錠チューインガムが破断されにくくなり、崩壊感を防止する点で更に好適である。
本発明の口中成形剤は、上記増粘安定剤を有効成分として含有する。有効成分とは、目的とする機能が発揮される程度に増粘安定剤を含むことを意味する。具体的には、増粘安定剤を固形分換算で80重量%以上、更に好ましくは100重量%であることが、噛み始めの崩壊感防止効果を十分に得ることができる点で望ましい。
上記口中成形剤には、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択した副原料を含有してもよい。副原料としては、例えば、非糖質甘味料、調味料、賦形剤、安定剤、酸化防止剤、色素及び香料等が挙げられる。
上記口中成形剤の剤形は、粉末、顆粒等の乾燥粉粒状物が挙げられるが、適宜選択して設定すればよい。
上記口中成形剤は、例えば、次のようにして調製することができる。増粘安定剤及び必要に応じて副原料等を公知の方法で混合し、適宜の剤形に調製することにより本発明の粉末打錠チューインガム用口中成形剤を得ることができる。
また、上記口中成形剤の粉末打錠チューインガム全体重量中における含有量は、増粘安定剤の固形分換算で、0.1〜1.5重量%であることが好適である。噛み始めの崩壊感を防止できる点、咀嚼初期の噛み心地を良好にする点、香り及び風味の発現速度の調整の点で好ましいからである。増粘安定剤の含有量が0.1重量%未満では、口中成形剤としての効果が得られにくい傾向にあり、一方1.5重量%を超えると、噛み始めの崩壊感は防止できるが、咀嚼中期以降(口中に入れてから噛み終えるまでを全体とするときの中期
以降)の粘性が強くなり歯に付着する傾向がある。
次に、本発明の口中成形剤を含有する粉末打錠チューインガムは、例えば次のようにして製造される。まず、ガムベースと、必要に応じて糖質等の副原料を適宜添加したものを、加熱混合して均質化し、冷却した後、粉砕機(例えばハンマーミル、オシレーター等)で粉砕することにより粉末ガムを得る。この後、更なる粒度の均一化のため、ふるいにかけて粒度を分別してもよい。
次いで、このようにして得られた粉末ガムと増粘安定剤単独、又は必要に応じて非糖質甘味料等の副原料を含有する増粘安定剤による本発明の口中成形剤とを、粉体混合して打錠機に供給し、打錠成型することにより粉末打錠チューインガムを得る。
上記ガムベースは、従来から用いられているものであり、例えば、樹脂、弾性体、ワックス類、乳化剤等が適宜選択して使用される。
樹脂は、チクル、ジェルトン、ソルバ等の天然樹脂、酢酸ビニル樹脂やエステルガム等の合成樹脂が挙げられ、適宜単独もしくは複数組み合わせてもよい。
弾性体は、ゴム様物質とも言われ、例えば、ポリイソブチレン(イソブチレン重合体)、ポリブテン、ブチルゴム、ポリイソプレン、天然ゴム等が挙げられ、これらは単独でも複数組み合わせてもよい。
ワックス類としては、例えばライスワックス、キャンデリラワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ等が挙げられ、これらは単独でも複数組み合わせてもよい。
乳化剤としては、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、これらは単独でも複数組み合わせてもよい。
ガムベースには、上述の原料の他、無機質(炭酸カルシウム、タルク等)等が含有されていてもよい。
上記粉末ガム副原料の糖質は、例えばグルコースなどの単糖類、ショ糖、麦芽糖、乳糖、トレハロース等の二糖類、マルトトリオース、パノース等の三糖類、マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖及びこれらの還元物、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノース等の糖アルコール等が挙げられ、単独でも複数組み合わせてもよい。このうち、ショ糖、乳糖、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノースは、粉末ガムの流動性を得る点で好ましい。
また、粉末ガムのその他の副原料としては、スクラロース、アセスルファムK等の非糖質甘味料、調味料、安定剤、酸化防止剤、色素及び香料等を適宜選択して用いればよい。
得られた粉末ガムは、粒径が3メッシュ以下の粒子、更に好ましくは8メッシュ以下の更に細かい粒子、より好ましくは10メッシュ以下のより細かい粒子であることが、粉末ガムと口中成形剤を均一に混合でき、口中で粉末打錠チューインガム咀嚼物が速やかにガム塊となる点で好適である。
次に、粉末打錠チューインガム副原料の糖質は、粉末ガムの副原料の糖質と同様で、単独でも複数組み合わせてもよい。このうち、ショ糖、乳糖、ソルビトール、エリスリトー
ル、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノースは、打錠成型時の、打錠機への付着防止や粉末ガム粒子同士の結着性を得る点で好ましく、特に還元パラチノースが好適である。
また、粉末打錠チューインガムのその他の副原料としては、スクラロース、アセスルファムK等の非糖質甘味料、調味料、安定剤、酸化防止剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、微粒二酸化ケイ素、タルク等の流動化剤、機能性成分、色素、香料等を適宜選択して用いればよい。特にステアリン酸カルシウムは、水に対する溶解性が低いため、増粘安定剤と反応することなく滑沢剤として有用なので好適である。
本発明の粉末打錠チューインガムの形態は、特に限定されることはなく、円盤形、レンズ形、竿形といった錠剤に使用される形状や、星形等の適宜の形状に打錠成型されていればよい。
<吸水率の測定>
まず、各増粘安定剤の温度40℃、湿度80%の雰囲気下で10分間放置したときの吸水率を、前述の通り測定した。その結果を表1に示す。なお、測定は3回行い、平均値を用いた。
Figure 2010081807
次に本発明を、実施例を挙げて具体的に説明する。
<実施例1〜10、比較例1>
≪粉末ガムの調製≫
表2に示す組成で加熱混合して均質化し、20℃に冷却した後、ハンマーミルで粉砕することにより、粒度8メッシュ以下の粒子の粉末ガムを調製した。
Figure 2010081807
≪粉末打錠チューインガムの調製≫
上記のようにして得られた粉末ガム、増粘安定剤及び副原料を、表3に示す組成で粉体混合した後、圧力0.4ton/個で打錠して1個当たり0.6g、直径10mmの粉末打錠チューインガムを得た。なお、打錠は、単発式打錠機で連続的に製造した。
Figure 2010081807
<比較例2>
≪粉末打錠チューインガムの調製≫
増粘安定剤を混合しない他は、実施例1と同様にして調製した。
<比較例3>
≪粉末打錠チューインガムの調製≫
まず最初に、上述の粉末ガム100重量部、アルギン酸ナトリウム60重量部、第2リン酸カルシウム25重量部、炭酸カルシウム40重量部、グルコノデルタラクトン20重量部に、水45重量部を混合し、この混合物を加熱混合して均質化し、20℃以下に冷却した後、ハンマーミルで粉砕することにより、粒度8メッシュ以下の粒子の粉末ガム含有顆粒組成物を調製した。この顆粒組成物1重量部、上述の粉末ガム100重量部及びその他の副原料(還元パラチノース、滑沢剤、流動化剤及び香料)の合計を10重量部を混合し、最終的に表3に示す組成となるように混合した後、圧力0.4ton/個で打錠して1個当たり0.6g、直径10mmの粉末打錠チューインガムを得た。なお、打錠は、単発式打錠機で連続的に製造した。
<比較例4>
≪粉末打錠チューインガムの調製≫
上述の粉末ガム100重量部、アルギン酸ナトリウム60重量部、第2リン酸カルシウム25重量部、炭酸カルシウム40重量部、グルコノデルタラクトン20重量部に、水45重量部を加えて、常温で混合した。この混合物を押し出し造粒法により、粒径約0.15mm(約100メッシュ)の顆粒組成物に造粒しようとしたが、押し出し造粒機内に混合物が付着し、目詰まりを起こし、目的の顆粒組成物を得られず、粉末打錠チューインガムの調製を断念した。
上記のようにして得られた実施例1〜10及び比較例1〜3の噛み始めの崩壊感、香り及び風味ついて、専門パネラー20名による官能評価した。その結果を表3に示す。
以上の結果より、全実施例において、噛み始めの崩壊感は防止され、香り及び風味の持続性も良好であった。噛み始めの崩壊感に注目すると、特に実施例1、2、4、5、9及び10が大変良好で、咀嚼開始直後からまとまり崩壊感を感じることがなかった。実施例10のように異なる増粘安定剤の併用でも噛み始めの崩壊感は防止された。また、実施例9は噛み始めの崩壊感はなかったが、咀嚼中期以降のチューインガムの粘性が強くなったため多少歯に付着した。
更に増粘安定剤の種類による崩壊感への影響は、温度40℃、湿度80%の雰囲気下で10分間放置したときの吸水率が8.5%より高いアルギン酸ナトリウムおよびキサンタンガムは、咀嚼開始直後からまとまり、吸水率が5.5〜8.5%であるι−カラギナン及びネイティブジェランガムでは、前者よりやや遅れるが、咀嚼開始から30秒以内にはまとまり、両者とも崩壊感はなかった。この違いは咀嚼時の増粘安定剤の唾液の吸収率や吸収速度によるものと考えられる。
また更に、実施例1、2及び10は、香り及び風味が共に約5分以上持続し、高評価であった。
これに対し比較例1〜3は、咀嚼開始から30秒以内にまとまらず、脆く粉々でぼそぼそとした崩壊感があり不良であった。特に比較例3は、アルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンの強い架橋反応が、グルコノデルタラクトンによりゆっくりと生じるため、まとまりが悪かったと推察される。このことから、噛み始めの崩壊感は、増粘安定剤の種類や有無によって左右されることがわかる。
また比較例4は、口中成形剤を一旦、粉末ガムと混合した顆粒組成物とし、粉末のまま
で用いなかったので、粉末チューインガム用途として使用できなかった。

Claims (4)

  1. 温度40℃、湿度80%の雰囲気で、10分間放置したときの吸水率が5.5%以上である増粘安定剤を含有することを特徴とする粉末打錠チューインガム用口中成形剤。
  2. 増粘安定剤が下記(A)であることを特徴とする請求項1記載の粉末打錠チューインガム用口中成形剤。
    (A)アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、λ―カラギナン、ι―カラギナン、ローカストビーンガム、グァーガム、キサンタンガム、ネイティブジェランガム、脱アシルジェランガム、カードラン及びカルボキシメチルセルロースナトリウムのうち1種又は2種以上
  3. 増粘安定剤の含有量が、粉末打錠チューインガム全体重量中0.1〜1.5重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の粉末打錠チューインガム用口中成形剤。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の粉末打錠チューインガム用口中成形剤を添加することを特徴とする粉末打錠チューインガムの口中崩壊感防止方法。
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