JP2010077884A - 気体圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間で気体をシリンダに高充填し、性能を向上させる。
【解決手段】気体圧縮機の吸入弁構造11において、吸入口5を、吸入室3の内周13とシリンダ7の内周15の各投影17,19によって区画される閉じたスペース27の形状に沿って設けた。
【選択図】図2
【解決手段】気体圧縮機の吸入弁構造11において、吸入口5を、吸入室3の内周13とシリンダ7の内周15の各投影17,19によって区画される閉じたスペース27の形状に沿って設けた。
【選択図】図2
Description
本発明は、気体圧縮機の吸入弁構造に関する。
特許文献1に「往復式冷媒圧縮機」が記載されている。
この往復式冷媒圧縮機は、バルブプレートに設けられた吸入口とこれを開閉する吸入弁を有し、吸入圧により吸入弁を撓めて吸入口を開放し、冷媒を圧縮機構のシリンダに吸入するように構成されている。
特開2002−81381号公報
圧縮機の性能を向上させるには、多量の冷媒をシリンダへ短時間で充填する(短時間で気体を高充填する)必要があり、そのためには吸入口の開口面積を広くし、また、リード弁の開閉応答性を向上させる必要がある。
図6のように、吸入口を配置可能なスペースは吸入室201とシリンダ203の各内周の投影が重なるスペース205の中であり、従来はこのスペース205内に、例えば、台形の吸入口207や円形の吸入口209や3角形の吸入口211などを設けていたが、これらの吸入口207,209,211は、スペース205の境界線と内接するまでが広くできる限度であり、利用できない無駄なスペース213がスペース205に生じているから、多量の気体を短時間で充填し性能を向上できる程には開口面積を広くすることができない。
また、吸入口を広くすれば気体の吸入圧によってリード弁に掛かる力も大きくなり、リード弁の開閉応答性も向上するから、気体を短時間で高充填することが可能になり、性能を向上させることができる。
また、気体の流れは吸入口付近で乱流になり易く、乱流は気体の移動に対する抵抗になるから、充填効率が低下する。
そこで、この発明は、短時間でシリンダに気体を高充填し、性能を向上させることができる吸入弁構造を備えた気体圧縮機の提供を目的としている。
請求項1の気体圧縮機は、吸入室から吸入口を介しシリンダに吸入される気体の吸入圧によってリード弁を撓め、前記吸入口を開放する吸入弁構造を備えた気体圧縮機であって、前記吸入口を、前記吸入室の内周と前記シリンダの内周の各投影によって区画される閉じたスペースの形状に沿って設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された気体圧縮機であって、前記吸入口を、前記吸入室の内周と前記シリンダの内周の各投影と、前記投影の各中心を結ぶ線とで区画される閉じたスペースの形状に沿って設けたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載された気体圧縮機であって、前記吸入口の、前記リード弁の最大リフト部側と対向する箇所に、前記シリンダに吸入される気体を整流する斜面部を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載された気体圧縮機であって、前記斜面部は、整流された気体が前記シリンダの内周面に沿って流入する向きに設けられていることを特徴とする。
請求項1の気体圧縮機は、吸入室の内周とシリンダの内周の投影が交差して区画される閉じたスペースの形状に沿って吸入口を形成したから、このスペースに生じる無駄なスペース213によって開口面積を広くすることができない従来例と異なり、スペースを無駄なく利用して(構造上可能な範囲で吸入口の開口面積を広くして)吸入口の開口面積を広くすることが可能になり、多量の気体を短時間でシリンダに充填し、性能を向上させることができる。
また、吸入口の開口面積を広くしたから、気体の吸入圧によってリード弁に掛かる力が大きくなり、リード弁の開閉応答性と気体の充填効率がさらに向上する。
請求項2の気体圧縮機は、請求項1で定義されている閉じたスペースを、さらに投影の各中心を結ぶ線で区画したものであり、例えば、中心を結ぶ線に沿って、請求項3と請求項4のような斜面部を設ければ、冷媒の流れに対する斜面部の幅が最も広くなり、高い整流機能が期待できる。
請求項3の気体圧縮機は、吸入された気体を斜面部の整流機能によって整流し層流にすることにより、気体の乱流が防止されるから、短時間で多量の気体をシリンダに充填することができる。
請求項4の気体圧縮機は、斜面部で整流され層流になった気体がシリンダの内周壁に沿って流入し、内部でスワール(渦巻き)が発生し吸入気体の慣性力が増大するから、充填効率がさらに向上する。
また、吸入室とシリンダの各投影が交差するスペースに吸入口を設ける本発明では、斜面部を吸入口の周方向に設けるだけで、整流された気体をシリンダの内周壁に沿って無理なく流入させることができる。
<一実施形態>
図1〜図5を参照しながら斜板式圧縮機1(気体圧縮機)の説明をする。図1は斜板式圧縮機1の縦断面図、図2は吸入室3とシリンダ7と吸入弁構造11の横断面図、図3は図2のA矢視図、図4は吸入室3とシリンダ7と吸入弁構造11を示すスケルトン図、図5は吸入室3とシリンダ7と吸入弁構造11の縦断面図である。
図1〜図5を参照しながら斜板式圧縮機1(気体圧縮機)の説明をする。図1は斜板式圧縮機1の縦断面図、図2は吸入室3とシリンダ7と吸入弁構造11の横断面図、図3は図2のA矢視図、図4は吸入室3とシリンダ7と吸入弁構造11を示すスケルトン図、図5は吸入室3とシリンダ7と吸入弁構造11の縦断面図である。
本実施形態の斜板式圧縮機1は、吸入室3から吸入口5を介しシリンダ7に吸入される冷媒(気体)の吸入圧によりリード弁9を撓めて吸入口5を開放する吸入弁構造11において、吸入室3とシリンダ7の各内周13,15をそれぞれ投影した円17,19(投影)と、各投影円17,19の各中心21,23を結ぶ線25とで区画される閉じたスペース27の形状に倣って吸入口5を形成した。
また、本実施形態の斜板式圧縮機1は、吸入口5の、リード弁9の最大リフト部65と対向する箇所に、テーパー面29(斜面部)を設け、吸入される冷媒をテーパー面29で整流してシリンダ7に流入させる。また、テーパー面29は、整流された冷媒がシリンダ7の内周13(の壁面)に沿って流入する向きに設けられている。
次に、斜板式圧縮機1の構造を説明する。
斜板式圧縮機1は、車両用空調装置の冷却システムに用いられており、図1のように、通しボルトで一体に固定されたフロントハウジング31とシリンダブロック33とバルブプレート35とリアハウジング37を有し、フロントハウジング31とシリンダブロック33との間にはクランク室39が形成されている。駆動軸41にはラグ43が固定され、ラグ43はリンク機構45を介してジャーナル47に揺動可能に連結され、ジャーナル47はスリーブ49を介して駆動軸41上を軸方向移動可能であり、ジャーナル47には斜板51が固定され、斜板51はピストンシュー53,53を介して複数個のピストン55に揺動可能に連結されている。シリンダ7はシリンダブロック33に周方向等間隔で6個形成されており、各ピストン55は各シリンダ7と係合して6個の圧縮機構57を構成している。
斜板51とスリーブ49はラグ43との間に配置されたスプリング59と、圧縮機構57の吐出圧Pdと吸入圧Psとの差圧(Pd−Ps)などによって軸方向に支持されており、スリーブ49がシリンダブロック33側に移動すると斜板51の揺動角度(各ピストン55のストローク)が小さくなり、スリーブ49がラグ43側に移動すると揺動角度が大きくなる。
リアハウジング37には吸入室3と吐出室61が形成され、吸入室3はエバポレータ側に接続され、吐出室61はコンデンサ側に接続されており、流量制御弁63はコントローラの制御により吐出室61からクランク室39に冷媒を移動させ、差圧(Pd−Ps)を制御して斜板51の揺動角度を調整する。
入力プーリを介して駆動軸41に入力するエンジンの駆動力は、ラグ43とリンク機構45とを介してジャーナル47と斜板51を回転させ、斜板51は回転しながら、その揺動角度に応じたストロークで各ピストン55を往復移動させて各圧縮機構57を駆動し、各圧縮機構57はこのストロークに応じた量の冷媒を吸入室3から吸入し、圧縮して吐出室61に吐出する。
吸入口5とテーパー面29は、図2と図4のように、上記の円17,19と線25とで区画された閉じたスペース27の形状に倣って2等辺3角形に近似した形状に作られており、吸入口5は、各シリンダ7と対向する位置に、バルブプレート35に周方向等間隔で6個設けられ、図3のように、各吸入口5はそれぞれの吸入室3とシリンダ7と連通させている。また、テーパー面29は各吸入口5の周方向に設けられ、リード弁9の最大リフト部65側(自由端)と対向する箇所で、シリンダ7の内周面13に沿って冷媒が流入する向きに設けられている。リード弁9は薄板状の可撓性弁体であり、円盤状のシートに周方向等間隔で6箇形成されており、図3のように、シリンダブロック33には最大リフト部65の最大リフト量を決める段差部67が設けられている。バルブプレート35はテーパー面29側をシリンダ7に向けて組み付けられ、リード弁9の円盤状シートはシリンダブロック33とバルブプレート35とに挟まれて固定されている。
各圧縮機構57が駆動されると、吸入室3と吸入口5を介して吸入された冷媒はテーパー面29によって整流され、層流になってシリンダ7に流入し、図2と図5のように、流入した冷媒はシリンダ7の内周15に沿ってスワール69(渦巻き)を作りながらシリンダ7に短時間で効率よく吸入される。
次に、斜板式圧縮機1の効果を説明する。
上記のように、円17,19と線25とで区画された閉じたスペース27の形状に沿って設けた吸入口5は、スペース27を無駄なく利用したことによって広い開口面積を得ており、多量の冷媒を短時間でシリンダ7に充填し、性能を向上させている。
また、吸入口5の開口面積を広くしたことに伴ってリード弁9に掛かる吸入圧が大きくなり、リード弁9の開閉応答性と充填効率がさらに向上している。
また、冷媒をテーパー面29で整流し層流にして、乱流を防止するから、シリンダ7の充填効率が向上する。
また、層流にされた冷媒がシリンダ7の内周壁15に沿って流入し、内部でスワール69になって慣性力を増すから、充填効率がさらに向上する。
また、上記の線25と直交するようにして形成されたテーパー面29は、冷媒の流れに対する幅が最も広くなっており、高い整流機能が期待できる。
また、テーパー面29を吸入口5の周方向に設けただけで、整流された冷媒を上記のようにシリンダ7の内周壁15に沿って無理なく流入させることができる。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
なお、本発明は上述した実施形態にだけ限定されるものではなく、本発明の技術的な範囲内で様々な変更が可能である。
なお、本発明は上述した実施形態にだけ限定されるものではなく、本発明の技術的な範囲内で様々な変更が可能である。
例えば、吸入口の形状は、上記実施形態のように円17,19によって区画される閉じたスペース27の形状に沿っていれば、2等辺3角形以外に、楕円形でもよい。
1 斜板式圧縮機(気体圧縮機)
3 吸入室
5 吸入口
7 シリンダ
9 リード弁
11 吸入弁構造
13,15 吸入室3とシリンダ7の各内周
17,19 内周13,15の投影円(投影)
21,23 投影円17,19の中心
25 中心21,23を結ぶ線
27 投影円17,19によって区画される閉じたスペース
29 テーパー面(斜面部)
65 リード弁9の最大リフト部
3 吸入室
5 吸入口
7 シリンダ
9 リード弁
11 吸入弁構造
13,15 吸入室3とシリンダ7の各内周
17,19 内周13,15の投影円(投影)
21,23 投影円17,19の中心
25 中心21,23を結ぶ線
27 投影円17,19によって区画される閉じたスペース
29 テーパー面(斜面部)
65 リード弁9の最大リフト部
Claims (4)
- 吸入室(3)から吸入口(5)を介しシリンダ(7)に吸入される気体の吸入圧によってリード弁(9)を撓め、前記吸入口(5)を開放する吸入弁構造(11)を備えた気体圧縮機(1)であって、
前記吸入口(5)を、前記吸入室(3)の内周(13)と前記シリンダ(7)の内周(15)の各投影(17,19)によって区画される閉じたスペース(27)の形状に沿って設けたことを特徴とする気体圧縮機(1)。 - 請求項1に記載された発明であって、
前記吸入口(5)を、前記吸入室(3)の内周(13)と前記シリンダ(7)の内周(15)の各投影(17,19)と、前記投影(17,19)の各中心(21,23)を結ぶ線(25)とで区画される閉じたスペース(27)の形状に沿って設けたことを特徴とする気体圧縮機(1)。 - 請求項1または請求項2に記載された発明であって、
前記吸入口(5)の、前記リード弁(9)の最大リフト部(65)側と対向する箇所に、前記シリンダ(7)に吸入される気体を整流する斜面部(29)を設けたことを特徴とする気体圧縮機(1)。 - 請求項3に記載された発明であって、
前記斜面部(29)は、整流された気体が前記シリンダ(7)の内周(15)面に沿って流入する向きに設けられていることを特徴とする気体圧縮機(1)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008246583A JP2010077884A (ja) | 2008-09-25 | 2008-09-25 | 気体圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008246583A JP2010077884A (ja) | 2008-09-25 | 2008-09-25 | 気体圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010077884A true JP2010077884A (ja) | 2010-04-08 |
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Family Applications (1)
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JP2008246583A Pending JP2010077884A (ja) | 2008-09-25 | 2008-09-25 | 気体圧縮機 |
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JP (1) | JP2010077884A (ja) |
-
2008
- 2008-09-25 JP JP2008246583A patent/JP2010077884A/ja active Pending
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