JP2010069517A - 加工装置および加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワーク、特にサファイア基板等のワークにおける、ワーク表面の高さバラツキを確実に精度高く検出することで、均一な加工を施すことができるようにする。
【解決手段】加工対象となるワークWを透過せず、かつ、ワークW表面の高さバラツキの大きさ(例えば、2μm)の2倍以上なる波長、例えば波長10μm以上の光を発する光源2を用い、基準用光と検出用光との干渉を利用する干渉計1と高さ測定手段7とからなるワーク表面高さバラツキ検出機構30を備える。
【選択図】 図11
【解決手段】加工対象となるワークWを透過せず、かつ、ワークW表面の高さバラツキの大きさ(例えば、2μm)の2倍以上なる波長、例えば波長10μm以上の光を発する光源2を用い、基準用光と検出用光との干渉を利用する干渉計1と高さ測定手段7とからなるワーク表面高さバラツキ検出機構30を備える。
【選択図】 図11
Description
本発明は、ワーク表面の高さ位置を検出し、検出された高さ位置に基づいてワークに対して切断加工、穴あけ加工等の加工を行う加工装置および加工方法に関するものである。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状の半導体ワークの表面に格子状に配列されたストリート(切断ライン)によって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC,LSI等の回路を形成する。そして、半導体ワークをストリートに沿って切断することにより回路毎に分割して個々の半導体チップを製造している。半導体ワークのストリートに沿った切断は、通常、ダイサーと称される切削装置によって行われており、レーザビームを照射して切断する加工方法も試みられている(例えば、特許文献1参照)。
また、サファイア基板の表面に格子状に形成されたストリートによって複数の領域が区画され、この区画された領域に窒化ガリウム系化合物半導体等の光デバイスが積層された光デバイスワークも、ストリートに沿って切断することにより個々の発光ダイオード、レーザダイオード等の光デバイスに分割され、電子機器に広く利用されている。
しかしながら、半導体ウエーハ、サファイア基板等の板状のワークにはウネリがあり、その厚さにバラツキがあると、半導体ウエーハ、サファイア基板等の表面に対して均一な加工を施すことができない。したがって、予めレーザビームを照射する領域の凹凸を検出し、その凹凸にレーザビーム照射手段を追従させて加工する必要がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ワーク、特にサファイア基板等のワークにおける、ワーク表面の高さバラツキを確実に精度高く検出することで、均一な加工を施すことができる加工装置および加工方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる加工装置は、ワーク表面の高さ位置を検出し、検出された高さ位置に基づいてワークに対して加工を行う加工装置であって、加工対象となる前記ワークを透過せず、かつ、前記ワーク表面の高さバラツキの大きさの2倍以上の波長の光を発する光源と、該光源から発せられた前記光を基準用光と検出用光とに分光し該検出用光を前記ワークへ導く光学系と、前記基準用光と前記ワーク表面で反射した前記検出用光とで干渉した光を受光して前記ワーク表面における反射干渉光強度を検出する受光素子と、前記基準用光と前記検出用光との前記光源から前記受光素子までの光路長差を調整する光路長調整手段と、前記ワークにおける所定箇所のワーク表面高さを測定する高さ測定手段と、を備えるワーク表面バラツキ検出機構と、前記ワークを加工する加工機構と、前記ワーク表面バラツキ検出機構により検出された前記ワーク表面高さバラツキに基づいて前記加工機構を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる加工方法は、ワーク表面の高さ位置を検出し、検出された高さ位置に基づいてワークに対して加工を行う加工方法であって、加工対象となる前記ワークを透過せず、かつ、前記ワーク表面の高さバラツキの大きさの2倍以上の波長の光を、基準用光と検出用光とに分光して該検出用光を前記ワークへ導くとともに、前記基準用光と前記ワーク表面で反射した前記検出用光とで干渉した光を受光して前記ワーク表面における反射干渉光強度を検出する反射干渉光強度検出工程と、該反射干渉光強度検出工程で検出される反射干渉光強度が、極小値より大きく極大値より小さくなるように前記基準用光と前記検出用光との前記光源から前記受光素子までの光路長差を調整する光路長調整工程と、前記ワークにおける所定箇所のワーク表面高さを基準高さとして測定する基準高さ測定工程と、前記反射干渉光強度検出工程で検出された反射干渉光強度と前記基準高さ測定工程で測定された基準高さとにより算出された前記ワーク表面高さバラツキに基づいて加工機構を制御しながら前記ワークの加工を行う加工工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる加工方法は、上記発明において、前記加工工程は、前記ワークに対してレーザビームを照射する前記加工機構を用いて行うことを特徴とする。
また、本発明にかかる加工方法は、上記発明において、前記反射干渉光強度検出工程で用いる前記光は、前記ワーク表面の高さバラツキの大きさの3倍以上の波長の光であることを特徴とする。
また、本発明にかかる加工方法は、上記発明において、加工対象となる前記ワークは、サファイア基板であり、前記反射干渉光強度検出工程で用いる前記光は、10μm以上の波長の光であることを特徴とする。
本発明によれば、加工対象となるワークを透過せず、かつ、ワーク表面の高さバラツキの大きさの2倍以上なる波長の光を用い基準用光と検出用光との干渉を利用する干渉計と高さ測定手段とからなるワーク表面高さバラツキ検出機構を備えるので、ワーク、特にサファイア基板等のワークにおける、ワーク表面の高さバラツキを確実に精度高く検出することができ、よって、この検出結果に基づき加工機構を制御することで、表面に凹凸を有するワークに対して均一な加工を施すことができるという効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態である加工装置および加工方法について図面を参照して説明する。本実施の形態は、一例として、加工対象となるワークがサファイア基板からなり、そのワーク表面の高さバラツキが1〜2μm程度である場合への適用例とする。
(本発明の原理の概要)
まず、測定対象物の表面の凹凸を光を用いて検出する非接触型センサとした代表的なものに、共焦点型とマイケルソン干渉計のような干渉型とがある。ここで、サファイア基板を対象とする場合、共焦点型センサにあっては、共焦点光学系を組んだ際のサファイア基板裏面からの反射光ノイズをいかにして信号光から分離するかが問題となっている。
まず、測定対象物の表面の凹凸を光を用いて検出する非接触型センサとした代表的なものに、共焦点型とマイケルソン干渉計のような干渉型とがある。ここで、サファイア基板を対象とする場合、共焦点型センサにあっては、共焦点光学系を組んだ際のサファイア基板裏面からの反射光ノイズをいかにして信号光から分離するかが問題となっている。
一方、干渉型センサ(干渉計)にあっては、可視光源を用いた一般的なものでは、1μm以下の高さバラツキを検出対象とするものであり、サファイア基板に要求される測定レンジ(1〜2μm程度)と比較して小さく、サファイア基板の場合の表面凹凸状態を精度よく適正に検出することができない。また、サファイア基板は波長635nmのような可視光に対して透過性を有するため、サファイア基板裏面での反射を生じてしまう。
そこで、本発明にあっては、まず、サファイア基板の表面凹凸状態を検出するために、基準用光と検出用光との干渉を利用する干渉計を用いるものとし、その際の光の波長や測定レンジを最適化する。
まず、干渉計に用いる光の波長について考察する。図1は、サファイア基板の光透過率の波長依存性を示す特性図である。サファイア基板にあっては、波長0.15〜6μm程度の光は光透過率が大きい特性を示す。したがって、基本的に、干渉計の光源として、サファイア基板を透過しない波長0.15μm以下または波長6μm以上の光を発するものを用いることで、透過率の減少により裏面反射光の影響を回避することが可能となる。
ついで、目標とする測定レンジについて考察する。図2は、基準用光と検出用光との干渉を利用する干渉計における反射干渉光強度の干渉信号を示す模式図である。正弦波として示される干渉信号において、反射干渉光強度の極大点および極小点は、基準用光と検出用光との光路長差が使用波長の整数倍の位置に存在する。このような干渉信号を用いて凹凸状態の高さを測定するには、基本的に、使用光の波長が凹凸状態の最大高さの2倍以上であることが必要である。逆にいえば、測定レンジは、使用光の波長の1/2以下となる。1波長内において、極大点から極小点に向かって光強度が減少する領域と、極小点から極大点に向かって光強度が増加する領域とが対称的に存在し、使用光の波長が凹凸状態の最大高さの2倍よりも小さいと、異なる光路長さに対して2通りの光強度が生じてしまうためである。使用光の波長を、凹凸状態の最大高さの2倍以上とすれば、極大点から極小点に向かって光強度が減少する領域と、極小点から極大点に向かって光強度が増加する領域との一方のみを使用することができる。
ここで、図2に示す干渉信号をさらに考察すると、極小点と極大点との間には、反射干渉光強度が、基準用光と検出用光との光路長差に対して線形的に増加する領域が1/3波長分ほど存在している。この領域を、測定用比例領域として使用することで、反射干渉光強度から基準用光と検出用光との光路長差に相当する凹凸高さを高精度に検出可能となる。そこで、波長10μm以上の光を発する光源、例えばCO2レーザ光源を用いることで、測定レンジがサファイア基板において目標とする1〜2μmをカバーし得る干渉計となる。図3は、例えば波長10μm以上の光を発するCO2レーザ光源を用いた場合のサファイア基板の表面の高さ位置と干渉計により検出される反射干渉光強度との関係を示す特性図である。なお、反射率は一定とする。これにより、サファイア基板において目標とする1〜2μmなる測定レンジを直線的にカバーし得ることが分かる。
すなわち、光源が発する光は、サファイア基板の表面高さバラツキの大きさ(1〜2μm)の3倍以上の波長の光を用いることが好ましいが、波長を長くするほど、測定レンジのダイナミックレンジが低下して分解能が低下するとともに、実際のレーザ光源の波長は限られているので、3倍より少し大きめ程度に留めることが望ましい。
なお、測定用比例領域として使用する1/3波長分ほどの領域としては、極大点と極小点との間で、反射干渉光強度が、基準用光と検出用光との光路長差に対して線形的に減少する領域としてもよい(図2中の左側)。
この場合、干渉強度が測定レンジ内に収まる状態は線形的減少領域と線形的増加領域との2通り存在し、基準用光と検出用光との光路長差に相当する凹凸高さ情報と干渉強度が逆転する。したがって、誤った測定レンジを用いた場合には、例えば+2μmを−2μmと誤読してしまう。そこで、サファイア基板を測定レンジよりΔμm上昇させた際に干渉強度が全面的に上昇し、Δμm降下させた際に干渉強度が全面的に低下するのを予め確認しておけばよい。実用上は、Z軸を一方向に移動させることで測定レンジ内に収めるようにするため、Z軸の移動方向と干渉強度の増減方向とが一致しているのを確認するようにすればよい。
そこで、本発明によれば、サファイア基板に対して1〜2μmなる測定レンジを有するマイケルソン干渉計タイプの干渉計として、図4に示すような干渉計を提案することができる。図4は、干渉計1の構成を示す模式図である。この干渉計1は、光源2と、分光用の光学系3と、参照ミラー4と、2次元の受光素子5を備える。
光源2としては、波長10.8μm、ビーム径50mmにコリメートされた出力40mWのCO2レーザ光源が用いられる。光源2から出射された光は、ビームスプリッタ(例えば、ハーフミラー等が使用できる)からなる光学系3により、基準用光と検出用光とに分光される。検出用光は、光学系3を透過して測定対象となるワークであるサファイア基板6の表面に導かれ、サファイア基板6の全面に照射される。そして、サファイア基板6の表面で正反射されて再び光学系3へ到達し、受光素子5側に反射される。一方、光学系3により反射された基準用光は、参照ミラー4で正反射された後、再び光学系3へ到達し、これを透過して受光素子5へ入射する。受光素子5は、例えば2次元CCDからなる。基準用光とサファイア基板6の表面で反射された検出用光とは、受光素子5の表面に干渉縞を形成し、これを受光素子5が反射干渉光強度の信号として読み取り、高さ情報に変換する。
ここで、受光素子5で検出されるサファイア基板6の全面についての反射干渉光強度の分布が、極小値より大きく極大値より小さくなって、図2に示した測定レンジ内に収まるように基準用光と検出用光との光源2から受光素子5までの光路長差を調整する。
このように測定レンジ内に収まる状態に光路長差が調整された後、受光素子5からは、例えば図5に示すような光強度−検出比率との関係を示す検出結果が得られる。図5は、サファイア基板6における、ある一つの垂直面における検出結果を示している。このような検出結果に対して、図3に示したような高さ−光強度の関係を記録した高さ換算テーブルを用いることで、サファイア基板6の表面における相対的な凹凸高さ状態の検出が可能となる。
ここで、干渉計1によるサファイア基板6の表面の凹凸高さ状態の検出は、相対的なものであるので、別個の高さ測定手段を用いて、サファイア基板6における所定箇所1点の実際の表面高さを測定する。図6は、非接触型の高さ測定手段7を用いてサファイア基板6の1点の表面高さを測定している様子を示す模式図である。このようにして、サファイア基板6上の1点であるA点の表面高さが、例えば、124.195mmであると測定されると、図5に示したような検出結果に適用することで、サファイア基板6の全面についての実際の表面高さが全て判明することとなる。図7は、適用結果例を示すもので、例えば、B点は、124.193mm、C点は、124.194mm、D点は、124.196mmの如く、各点の表面高さが判明する。
(実施の形態)
つづいて、上述したような本発明の原理の概要に基づく、本発明の実施の形態について説明する。図8は、前面側から見た本発明の実施の形態の加工装置全体の構成を示す外観斜視図であり、図9は、背面側から見た加工装置全体の構成を示す外観斜視図であり、図10は、加工機構の構成を示す斜視図である。
つづいて、上述したような本発明の原理の概要に基づく、本発明の実施の形態について説明する。図8は、前面側から見た本発明の実施の形態の加工装置全体の構成を示す外観斜視図であり、図9は、背面側から見た加工装置全体の構成を示す外観斜視図であり、図10は、加工機構の構成を示す斜視図である。
本実施の形態の加工装置10は、サファイア基板等からなるワークWに対してレーザビームを照射することで切断加工を施すためのものであり、装置全体において、加工機構20の手前側にワーク表面バラツキ検出機構30を備える。
ここで、図8中に拡大して示すように、ワークWは、環状フレームFに貼付された保護テープT上に一枚だけ貼付した大サイズタイプのものであってもよく、あるいは、環状フレームFに貼付された保護テープT上に複数枚貼付した小サイズタイプのものであってもよい(サファイア基板6の場合、この小サイズタイプが多い)。
また、加工機構20は、レーザ加工タイプのものであり、概略的には図10に示すように、チャックテーブル21と、レーザビーム照射ユニット22と、第1の送り機構23と、第2の送り機構24と、撮像手段25とを備える。チャックテーブル21は、加工対象となるワークWを図示しない吸引手段によって吸引保持するとともに、図示しないモータによって水平面内で回転可能とされ、レーザビーム照射ユニット22に対するワークWの姿勢変更が可能とされている。
レーザビーム照射ユニット22は、先端に装着された集光器22aがチャックテーブル21に対して上空から対向するように配置されたもので、集光器22aからチャックテーブル21上のワークWに対してレーザビームを照射する。また、撮像手段25は、集光器22aとの位置関係が固定された状態でレーザビーム照射ユニット22の一部に配設されてチャックテーブル21に対向し、チャックテーブル21上に保持されたワークWを撮像することで、ストリートのアライメント処理等に供される。
第1の送り機構23は、チャックテーブル21をレーザビーム照射ユニット22に対してX軸方向(前後方向)に移動させるものであり、ボールねじ23a、モータ23b等を用いた周知の機構からなる。また、第2の送り機構24は、チャックテーブル21をレーザビーム照射ユニット22に対してY軸方向(左右方向)に移動させるものであり、ボールねじ24a、モータ24b等を用いた周知の機構からなる。このような第1,第2の送り機構23,24を備えることで、レーザビーム照射ユニット22は、チャックテーブル21上のワークWの表面を全面的に走査可能とされている。
また、ワーク表面バラツキ検出機構30は、チャックテーブル21の手前側に配置されたチャックテーブル11の上空に昇降自在に設けられている。図11は、加工装置10に搭載された本実施の形態のワーク表面バラツキ検出機構30周りの構成を示す概略図であり、図12は、高さ測定時のワーク表面バラツキ検出機構30周りの状態を示す概略図である。このワーク表面バラツキ検出機構30は、前述したような原理構成からなる干渉計1と、光路長調整手段31と、高さ測定手段7とを備える。
すなわち、干渉計1は、光源2と、分光用の光学系3と、参照ミラー4と、受光素子5を備える。また、光路長調整手段31は、受光素子5で検出されるワークW全面からの反射干渉光強度の分布が、極小値(0)より大きく極大値(最大干渉強度)より小さくなるように設定された所定の測定レンジ内に収まるように基準用光と検出用光との光源2から受光素子5までの光路長差を調整するためのものである。このため、光路長調整手段31は、例えばワークWに対する干渉計1全体の位置を上下動させるZ軸送り機構からなる。
また、高さ測定手段7は、干渉計1の一部に設けられており、ワークWにおける所定箇所1点のワーク表面高さを基準高さとして測定する。原理説明では、光学方式の非接触型で説明したが、図11では、触針型のものを図示している。ワークWの所定箇所1点のワーク表面高さの測定時には、図12に示すように、チャックテーブル11を所定量移動させることにより、高さ測定手段7をXY座標値が既知なる所望の1点、例えばA点に位置付ける。高さ測定手段7が触れるこのA点は、非デバイス領域となるように設定される。そして、高さ測定手段7を下降させてA点に触針させることにより、A点における実際のワーク表面高さを測定する。
また、本実施の加工装置10は、制御手段40を備える。この制御手段40は、受光素子5と高さ測定手段7からの出力に基づき、ワークWの全面についての表面高さバラツキを算出し、算出された表面高さバラツキに基づき加工機構20を制御しながらワークWに対してレーザ加工処理を施すためのものである。
そこで、本実施の形態の加工装置10にあっては、図13に示す処理手順に従い、加工処理が実行される。図13は、本実施の形態の加工方法を示す概略フローチャートである。まず、図示しないカセットからワークWを取り出し(ステップS1)、取り出したワークWをチャックテーブル11上に保持させる(ステップS2)。ついで、基準用光と検出用光とを用いた干渉計1による反射干渉光強度の検出により、ワークW全面の高さ相関情報を取得する(ステップS3:反射干渉光強度検出工程)。すなわち、CO2レーザを用いた光源2から波長10.8μmの光を発し、光学系3により基準用光と検出用光とに分光して検出用光をワークWへ導きワークW全面に照射するとともに、基準用光とワークW表面で反射した検出用光とで干渉した光を受光素子5で受光してワークW表面における全面的な反射干渉光強度の分布を検出する。
ここで、受光素子5で検出した反射干渉光強度の分布が、図2に示したような、所望の測定レンジの範囲内に入る適正状態にあるか否かを判定する(ステップS4)。適正でなければ(ステップS4:No)、光路長調整を行う(ステップS5:光路長調整工程)。すなわち、光路長調整手段31によって干渉計1をZ軸方向に上下動させてワークWとの間隔を微調整することにより、基準用光と検出用光との光源2から受光素子5までの光路長差が適正となるように(検出された全ての反射干渉光強度が測定レンジ内に入るように)調整する。
適正であれば(ステップS4:Yes)、ワークWの所定箇所における1点の表面高さを高さ測定手段7で測定する(ステップS6:基準高さ測定工程)。そして、ワークW全体の表面高さバラツキを制御手段40により算出する(ステップS7)。すなわち、高さ測定手段7で測定された1点の実際の高さ情報を、ワークWの表面から検出された全面的な干渉光の強度分布と対比させることにより、加工用のレーザビームの焦点に対するワークW全面の表面高さバラツキが取得される。
この後、ワークWを加工機構20側に移動させ、算出されたワークW全体の表面高さバラツキ情報に基づき、ワークWに照射されるレーザビームの焦点位置が上下するように加工機構20を制御しながらワークWを加工する(ステップS8:加工工程)。すなわち、予めレーザビームを照射するストリートの凹凸情報が検出されており、その凹凸情報に従いレーザビームの焦点位置を追従させて加工することで、ワークW表面に対して凹凸状態に応じた均一な切断加工を施すことができる。この処理を、ワークWの全てのストリートについて行う。
加工が終了したら(ステップS9:Yes)、加工機構20からワークWを取り出し、図示しない洗浄機によって洗浄し(ステップS10)、回収用のカセットにワークWを搬送して収納させることにより処理が終了する(ステップS11)。
このように本実施の形態によれば、ワークW、特にサファイア基板6等のワークにおける、ワーク表面の高さバラツキを確実に精度高く検出することができ、よって、この検出結果に基づき加工機構20を制御することで、表面に凹凸を有するサファイア基板6に対して均一な加工を施すことができる。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、ワークWとしてサファイア基板6の場合への適用例として説明したが、サファイア基板6に限らず、各種ワークに適用可能である。例えば、シリコンウエーハ等の半導体ウエーハ、チップ実装用としてウエーハの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、あるいは半導体製品のパッケージ、セラミック、ガラス系あるいはシリコン系の基板等であって、数μmオーダの加工精度が要求されるものであってもよい。
また、本実施の形態では、ワークWのストリートに沿ってレーザビームを照射することで、ワークWを切断加工する例として説明したが、このような加工に限らず、例えば特開2003−163323号公報に示される如く、ワークの所望位置に細孔(ビアホール)を形成する穴あけ加工等であってもよい。また、加工機構20としても、レーザビーム照射ユニット22を用いるレーザ加工に限らず、例えば、円盤状のブレードを用いてワークの所望の加工位置にチョッパカットを施すような場合にも同様に適用可能である。
1 干渉計
2 光源
3 光学系
5 受光素子
6 サファイア基板
7 高さ測定手段
20 加工機構
30 ワーク表面高さバラツキ検出機構
40 制御手段
W ワーク
2 光源
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5 受光素子
6 サファイア基板
7 高さ測定手段
20 加工機構
30 ワーク表面高さバラツキ検出機構
40 制御手段
W ワーク
Claims (5)
- ワーク表面の高さ位置を検出し、検出された高さ位置に基づいてワークに対して加工を行う加工装置であって、
加工対象となる前記ワークを透過せず、かつ、前記ワーク表面の高さバラツキの大きさの2倍以上の波長の光を発する光源と、該光源から発せられた前記光を基準用光と検出用光とに分光し該検出用光を前記ワークへ導く光学系と、前記基準用光と前記ワーク表面で反射した前記検出用光とで干渉した光を受光して前記ワーク表面における反射干渉光強度を検出する受光素子と、前記基準用光と前記検出用光との前記光源から前記受光素子までの光路長差を調整する光路長調整手段と、前記ワークにおける所定箇所のワーク表面高さを測定する高さ測定手段と、を備えるワーク表面バラツキ検出機構と、
前記ワークを加工する加工機構と、
前記ワーク表面バラツキ検出機構により検出された前記ワーク表面高さバラツキに基づいて前記加工機構を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする加工装置。 - ワーク表面の高さ位置を検出し、検出された高さ位置に基づいてワークに対して加工を行う加工方法であって、
加工対象となる前記ワークを透過せず、かつ、前記ワーク表面の高さバラツキの大きさの2倍以上の波長の光を、基準用光と検出用光とに分光して該検出用光を前記ワークへ導くとともに、前記基準用光と前記ワーク表面で反射した前記検出用光とで干渉した光を受光して前記ワーク表面における反射干渉光強度を検出する反射干渉光強度検出工程と、
該反射干渉光強度検出工程で検出される反射干渉光強度が、極小値より大きく極大値より小さくなるように前記基準用光と前記検出用光との前記光源から前記受光素子までの光路長差を調整する光路長調整工程と、
前記ワークにおける所定箇所のワーク表面高さを基準高さとして測定する基準高さ測定工程と、
前記反射干渉光強度検出工程で検出された反射干渉光強度と前記基準高さ測定工程で測定された基準高さとにより算出された前記ワーク表面高さバラツキに基づいて加工機構を制御しながら前記ワークの加工を行う加工工程と、
を含むことを特徴とする加工方法。 - 前記加工工程は、前記ワークに対してレーザビームを照射する前記加工機構を用いて行うことを特徴とする請求項2に記載の加工方法。
- 前記反射干渉光強度検出工程で用いる前記光は、前記ワーク表面の高さバラツキの大きさの3倍以上の波長の光であることを特徴とする請求項2または3に記載の加工方法。
- 加工対象となる前記ワークは、サファイア基板であり、
前記反射干渉光強度検出工程で用いる前記光は、10μm以上の波長の光であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の加工方法。
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