JP2010067323A - ディスク・ドライブ及びクリアランス変化を測定する方法 - Google Patents

ディスク・ドライブ及びクリアランス変化を測定する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クリアランス測定用データ列の熱減磁による不正確なクリアランス測定を防止する。
【解決手段】本発明の一実施形態において、HDC/MPU23は、磁気ディスクに予め書き込まれているクリアランス測定用データ列からクリアランスを算出する。さらに、磁気ディスクに劣化検査用データ列を新たに書き込み、その劣化検査用データ列からクリアランスを算出する。二つのデータ列のクリアランスを比較して、クリアランス測定用データ列の劣化について判定を行う。クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、クリアランスを算出するための演算を補正する、あるいは、新たなクリアランス測定用データ列を書き込む。
【選択図】図5

Description

本発明はディスク・ドライブ及びクリアランス変化を測定する方法に関し、特に、ディスク上のデータ列を読み出すことによりクリアランス変化を測定する技術に関する。
ディスク・ドライブとして、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはフレキシブル磁気ディスクなどの様々な態様のディスクを使用する装置が知られているが、その中で、ハードディスク・ドライブ(HDD)は、コンピュータの記憶装置として広く普及し、現在のコンピュータ・システムにおいて欠かすことができない記憶装置の一つとなっている。さらに、コンピュータにとどまらず、動画像記録再生装置、カーナビゲーション・システムあるいは携帯電話など、HDDの用途はその優れた特性により益々拡大している。
HDDで使用される磁気ディスクは、同心円状に形成された複数のデータ・トラックとサーボ・トラックとを有している。各サーボ・トラックはアドレス情報を有する複数のサーボ・データから構成される。また、各データ・トラックには、ユーザ・データを含む複数のデータ・セクタが記録されている。円周方向に離間するサーボ・データの間に、データ・セクタが記録されている。揺動するアクチュエータに支持されたヘッド・スライダのヘッド素子部が、サーボ・データのアドレス情報に従って所望のデータ・セクタにアクセスすることによって、データ・セクタへのデータ書き込み及びデータ・セクタからのデータ読み出しを行うことができる。
磁気ディスクの記録密度を向上には、磁気ディスク上を浮上するヘッド素子部と磁気ディスクとの間のクリアランス(浮上高)及びその変化を小さくすることが重要である。このため、クリアランスを調整するいくつかの機構が提案されている。そのうちの一つは、ヘッド・スライダにヒータを備え、そのヒータでヘッド素子部を加熱することよってクリアランスを調整する(例えば、特許文献1を参照)。本明細書において、これをTFC(Thermal Flyheight Control)と呼ぶ。TFCは、ヒータに電流を供給して発熱させ、熱膨張によってヘッド素子部を突出させる。これによって、磁気ディスクとヘッド素子部との間のクリアランスを小さくする。この他、ピエゾ素子やクーロン力を使用してヘッド素子部と磁気ディスクとの間のクリアランスを調整する手法が知られている。
クリアランスは、温度変化に応じて変化するほか、気圧(高度)の変化に応じて変化する。より正確なクリアランス調整のためには、気圧変化に応じてクリアランスを調整することが好ましい。気圧の低下によりヘッド素子部と磁気ディスクとの間のクリアランスも減少する。従って、HDDは、気圧低下(高度上昇)に従い、もし気圧変化がなかったならばクリアランスが増加するようにクリアランス調整機構を制御し、クリアランスを概略一定に保つ。
HDDの動作は温度に大きく依存するため、一般的なHDDは、温度を検出する手段として回路としての温度センサを有している。HDDは、クリアランス調整に温度センサの検出温度を使用することができる。同様に、気圧を検出する手段の一つとして、気圧センサ(高度センサ)が知られている。しかし、気圧センサを使用することはHDDの部材点数の増加となり、また、HDDのコストも大きく増加する。上述のように気圧変化に従いクリアランスが変化するため、HDDは、クリアランス変化により気圧変化を測定することができる。HDDは、温度センサによる検出温度と、クリアランス変化から算出した気圧情報とによってクリアランス調整を行う。
気圧変化に加えて、湿度の極端な変化や、HDDの動作時間の増加に伴うアクチュエータやヘッド・スライダなどの内部構造の変化によっても、クリアランスは変化する可能性がある。クリアランスをより正確に制御するためには、温度・気圧以外の要因によるクリアランス変化も特定し、それに応じたクリアランス調整を行うことが重要である。そのためには、HDDは、定期的にクリアランス(の変化)を測定、確認することが好ましい。
このように、HDDにおいては、クリアランス(の変化)を測定することが要求されるいくつかの態様が存在する。クリアランスを測定するためのいくつかの手法が知られている。その中で有効な手法の一つは、ヘッド素子部のリード信号の振幅からクリアランス(クリアランス変化)を特定する。
一般に、クリアランスが小さくなるとリード信号の信号強度が大きくなり、クリアランスが大きくなるとリード信号の信号強度が小さくなる。この信号強度変化を参照することで、クリアランス(クリアランス変化)を測定することができる。リード信号の信号強度によるクリアランス測定方法の一つは、可変ゲイン・アンプのゲインを参照する。リード信号の信号強度が大きくとなると可変ゲイン・アンプのゲインが小さくなる。このため、HDDは、可変ゲイン・アンプのゲインを参照することで、信号強度及びクリアランスを特定することができる。
あるいは、可変ゲインによるクリアランス測定よりも正確なクリアランス測定方法として、リード信号の周波数成分の分解能(レゾリューション)からクリアランスを特定する方法が知られている。レゾリューションは、リード信号における特定の低周波信号と高周波信号の比で表すことができ、リード信号の信号強度によるクリアランス測定方法の一つである。クリアランスが小さくなると、リード信号の高周波成分の振幅が低周波成分の振幅と比較して大きくなり、レゾリューションが高くなる。反対に、クリアランスが大きくなると、リード信号の高周波成分の振幅が低周波成分の振幅と比較して小さくなり、レゾリューションが低くなる。
特開2007−265517号公報
リード信号によりクリアランスを測定するためには、リード素子が磁気ディスク上のデータ列を読み出すことが必要である。このクリアランス測定用データ列は、その測定方法に適したデータ列であり、HDDの製造において予め磁気ディスク上に書き込んでおく、あるいは、クリアランス測定の度にライト素子により書き込むことができる。
しかし、発明者らは、クリアランス測定バラツキが、HDDの製造時に書き込んだデータ列と、クリアランス測定毎にHDDが書き込むデータ列との間で、大きく異なることを見出した。図6は、一度書き込んだ測定用データ列を繰り返し読み出してレゾリューションを測定した測定結果(四角)と、測定毎に測定用データ列の書き込みと読み出しとを繰り返した測定結果(菱形)とを示している。横軸は測定回(測定の順番)、縦軸はレゾリューションに相当する。
図6に示すように、クリアランス測定用データ列の書き込みと読み出しを繰り返すと、同じ測定用データ列を繰り返し読み出す場合よりも、測定バラツキが大きくなる。図6は特定のデータ列のレゾリューションの測定結果を示している。従って、より正確なクリアランス測定を行うためには、一度書き込んだ測定用データ列を繰り返し使用することが好ましい。
しかし、同一の測定用データ列を使用し続けることにおいては、測定バラツキとは異なる問題が存在する。それは、熱減磁の問題である。磁気ディスク上の磁化方向は、熱エネルギーによる変化する。そのため、HDDの動作時間が長くなると、測定用データ列における各データの磁化方向が変化し、読み出した信号振幅も変化してしまう。
上述のように、レゾリューションは低周波信号振幅と高周波信号振幅の比で表すことができる。低周波信号振幅と高周波信号振幅が熱減磁により同様に減少すれば、レゾリューションの値は不変である。しかし、熱減磁の影響は、データ列の周波数によって異なる。具体的には、一般に、記録磁化が面内方向にある場合は高周波の振幅がより大きく減少し、記録磁化が面に垂直な場合は低周波の振幅がより大きく減少する。
不正確なクリアランス測定は誤ったクリアランス調整の原因となり、クリアランスが小さすぎるとヘッド・ディスク接触を引き起こしヘッド・スライダや磁気ディスクに損傷を与える、あるいは、必要なクリアランス・マージンが確保されずにリード/ライトを行うことでヘッド・ディスク接触によるハード・エラー(回復できないエラー)を引き起こしうる。逆にクリアランスが大きすぎると、ライト・エラーを引き起こしうる。
従って、リード信号を使用したクリアランス測定におけるバラツキを低減すると共に、磁気ディスク上のクリアランス測定用データ列の熱減磁による測定誤りを防止する技術が望まれる。
本発明の一態様は、ヘッドとディスクとの間のクリアランス変化を測定する方法である。この方法は、ディスクに予め書き込まれているクリアランス測定用データ列を読み出してクリアランスに対応する第1の測定値を取得する。前記ディスクに劣化検査用データ列を新たに書き込み、その劣化検査用データ列を読み出して、クリアランスに対応する第2の測定値を取得する。前記第1の測定値と前記第2の測定値との差異から、前記クリアランス測定用データ列の劣化について判定する。前記クリアランス測定用データ列が劣化してないと判定すると、通常処理によって前記クリアランス測定用データ列によりクリアランス変化を測定する。前記クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、前記通常処理と異なる処理によりクリアランス変化を測定する。クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると通常処理と異なる処理によりクリアランス変化を測定することで、より正確なクリアランス測定を実現することができる。
好ましい例において、前記クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、前記クリアランス測定用データ列からクリアランス変化を算出するための演算を補正し、前記クリアランス変化の測定においてその補正した演算を使用する。これにより、効率的な処理により正確なクリアランス測定を実現することができる。
好ましくは、前記第1の測定値と前記第2の測定値との間の差の一部を補償するように前記演算の補正を行う。これにより、過度な補正による測定誤差の発生を避けることができる。
好ましい例において、前記クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、新たなクリアランス測定用データ列を前記ディスクに書き込む。新たなデータ列により、より正確なクリアランス測定を行うことができる。さらに、規定の書き込み条件を満足する場合に、前記新たなクリアランス測定用データ列を前記ディスクに書き込むことが好ましい。これにより、新たなクリアランス測定用データ列を、より適切な状態で書き込むことができる。
好ましい例において、前記クリアランス測定用データ列における異なる周波数成分の比率を測定し、その比率によりクリアランス変化を測定する。これにより、クリアランス測定用データ列から、より正確にクリアランスを測定することができる。
前記第1の測定値と前記第2の測定値とは、前記クリアランス測定用データ列の書き込みにおけるクリアランスと前記劣化検査用データ列の書き込みにおけるクリアランスとに無依存の値であることが好ましい。これにより、より正確に劣化判定を行うことができる。このような値の好ましい例は、物理的な距離でクリアランスを表す値である。
前記劣化についての判定を、複数の前記第1の測定値及び複数の前記第2の測定値を使用して行うことが好ましい。これにより、判定の正確性を上げることができる。
さらに、前記ヘッドと前記ディスクとを接触させるクリアランス測定により、前記クリアランス測定用データ列の劣化を検証することが好ましい。これにより、判定の正確性を上げることができる。
本発明の他の態様は、ディスクに劣化検査用データ列を新たに書き込むライト素子と、ディスクに予め書き込まれているクリアランス測定用データ列と前記劣化検査用データ列とを読み出すリード素子と、前記ライト素子と前記リード素子とを有するヘッドを支持し前記ディスク上で移動する移動機構と、前記移動機構と前記ヘッドとを制御するコントローラとを有するディスク・ドライブである。前記コントローラは、前記クリアランス測定用データ列の読み出し信号によるクリアランスに対応する第1の測定値を取得、前記劣化検査用データ列の読み出し信号によるクリアランスに対応する第2の測定値を取得し、前記第1の測定値と前記第2の測定値との比較により、前記クリアランス測定用データ列の劣化について判定し、前記クリアランス測定用データ列が劣化してないと判定すると、通常処理によって前記クリアランス測定用データ列によりクリアランス変化を測定し、前記クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、前記通常処理と異なる処理によりクリアランス変化を測定する。クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると通常処理と異なる処理によりクリアランス変化を測定することで、より正確なクリアランス測定を実現することができる。
本発明によれば、ディスク上のデータ列を読み出すことより、より正確にクリアランス変化を測定することができる。
以下に、本発明を適用した実施の形態を説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。以下においては、ディスク・ドライブの例であるハードディスク・ドライブ(HDD)を例として、本発明の実施形態を説明する。
本形態のHDDは、クリアランス調整機構の一例であるヒータ素子により、ヘッド素子部と磁気ディスクとの間のクリアランスを調整する。本明細書において、ヘッド・スライダ上のヒータ素子からの熱によりヘッド素子部の突出を制御することによるクリアランス制御をTFC(Thermal Fly height Control)と呼ぶ。スライダ上のヒータからの熱量の変化によってヘッド素子部の熱膨張が変化し、クリアランスを調整することができる。
HDDは、磁気ディスク上のクリアランス測定用データ列をリード素子により読み出し、その振幅を使用してクリアランス(の変化)を測定する。本形態のHDDは、二つのデータ列を使用する。一つは、クリアランス(の変化)を測定するクリアランス測定用データ列である。もう一つは、クリアランス測定用データ列の劣化を検査するためのデータ列である。HDDは、劣化が所定のレベルに達するまでは、同一のクリアランス測定用データ列を使用してクリアランス測定を行う。一方、HDDは、劣化検査用データ列は、検査毎に新たに書き込む。
同一のクリアランス測定用データ列を使用することでクリアランス測定バラツキを低減すると共に、劣化検査用データ列を検査毎に書き込むことでクリアランス測定用データ列の劣化をより正確に検出することができる。本形態のクリアランス測定について詳細に説明する前に、HDDの全体構成について、図1のブロック図を参照して説明する。
図1は、HDD1の全体構成を模式的に示すブロック図である。HDD1は、エンクロージャ10内に、データを記憶するディスクである磁気ディスク11を有している。スピンドル・モータ(SPM)は、磁気ディスク11を所定の角速度で回転する。磁気ディスク11の各記録面に対応して、磁気ディスク11にアクセスするヘッド・スライダ12が設けられている。アクセスは、リード及びライトの上位概念である。各ヘッド・スライダ12は、磁気ディスク上を浮上するスライダと、スライダに固定され磁気信号と電気信号との間の変換を行うヘッド素子部とを備えている。
本形態のヘッド・スライダ12は、熱によってヘッド素子部を膨張・突出させ、磁気ディスク11との間のクリアランス(浮上高)を調整するTFCのためのヒータを備えている。ヘッド・スライダ12の構造については、後に図2を参照して詳述する。各ヘッド・スライダ12はアクチュエータ16の先端部に固定されている。アクチュエータ16はボイス・コイル・モータ(VCM)15に連結され、回動軸を中心に回動することによって、ヘッド・スライダ12を回転する磁気ディスク11上においてその半径方向に移動する。アクチュエータ16とVCM15とは、ヘッド・スライダ12の移動機構である。
エンクロージャ10の外側の回路基板20上には、回路素子が実装されている。モータ・ドライバ・ユニット22は、HDC/MPU23からの制御データに従って、SPM14及びVCM15を駆動する。RAM24は、リード・データ及びライト・データを一時的に格納するバッファとして機能する。エンクロージャ10内のアーム電子回路(AE)13は、複数のヘッド・スライダ12の中から磁気ディスク11へのアクセスを行うヘッド・スライダ12を選択し、その再生信号を増幅してリード・ライト・チャネル(RWチャネル)21に送る。また、RWチャネル21からの記録信号を選択したヘッド・スライダ12に送る。AE13は、さらに、選択したヘッド・スライダ12のヒータへ電力を供給し、その電力量を調節する調節回路として機能する。
RWチャネル21は、リード処理において、AE13から供給されたリード信号を一定の振幅となるように増幅し、取得したリード信号からデータを抽出し、デコード処理を行う。読み出されるデータは、ユーザ・データとサーボ・データとを含む。デコード処理されたリード・ユーザ・データ及びサーボ・データは、HDC/MPU23に供給される。また、RWチャネル21は、ライト処理において、HDC/MPU23から供給されたライト・データをコード変調し、更にコード変調されたライト・データをライト信号に変換してAE13に供給する。
コントローラの一例であるHDC/MPU23は、リード/ライト処理制御、コマンド実行順序の管理、サーボ信号を使用したヘッド・スライダ12のポジショニング制御(サーボ制御)、ホスト51との間のインターフェース制御、ディフェクト管理、エラーが発生した場合のエラー対応処理など、データ処理に関する必要な処理及びHDD1の全体制御を実行する。特に、本形態のHDC/MPU23は、温度センサ17の検出温度に従って温度に応じたTFCを行い、さらに、気圧に応じたTFCを行う。また、正確なTFCのため、磁気ディスク上のデータを読み出すことでクリアランス測定を行う。本形態はこのクリアランス測定に特徴を有し、その点の詳細は後述する。
図2は、ヘッド・スライダ12の空気流出端面(トレーリング側端面)121近傍の構成を示す断面図である。スライダ123はヘッド素子部122を支持する。ヘッド素子部122は、リード素子32とライト素子31とを有している。ライト素子31は、ライト・コイル311を流れる電流で磁極312間に磁界を生成し、磁気データを磁気ディスク11に書き込む。リード素子32は磁気異方性を有する磁気抵抗素子32aを備え、磁気ディスク11からの磁界によって変化する抵抗値によって磁気データを読み出す。
ヘッド素子部122は、スライダ123を構成するアルチック基板に薄膜形成プロセスにより形成される。磁気抵抗素子32aは磁気シールド33a、33bによって挟まれており、ライト・コイル311は絶縁膜313で囲まれている。ライト素子31とリード素子32の周囲に保護膜34が形成されている。ヒータ124は、ライト素子31及びリード素子32の近傍にある。ヒータ124は、例えば、蛇行した薄膜抵抗体である。
AE13がヒータ124に電流を流すと(電力を与えると)、ヒータ124の熱によってヘッド素子部122が突出変形する。例えば、非加熱時において、ヘッド・スライダ12の空気軸受面(ABS)35はS1で示される形状であり、ヘッド素子部122と磁気ディスクとの間の距離であるクリアランスはC1で示されている。ヒータ124加熱時における突出形状S2を破線で示す。ヘッド素子部122が磁気ディスク11に近づき、このときのクリアランスC2はクリアランスC1よりも小さい。ヘッド素子部122の突出量やクリアランスは、ヒータ124に供給するヒータ・パワー値に従って変化する。なお、図2は概念図であり、寸法関係は正確ではない。
本形態において、HDC/MPU23は、温度変化及び気圧変化(高度変化に伴う気圧変化)に応じたTFCを行う。クリアランスを変化させる環境条件は、温度及び気圧の他に湿度等を含み、以下において、温度補正を行ったクリアランス変化は、気圧変化によるもののみであるとして説明する。HDD1には温度とヒータ・パワーとの間の関係を示すデータ(関数)及び気圧とヒータ・パワーとの間の関係を示すデータ(関数)が設定されており、HDC/MPU23は、温度及び気圧に応じたヒータ・パワーをそれらのデータにより算出する。
具体的には、ヒータ124に加えられるヒータ・パワーPは、温度に依存するヒータ・パワーP(t)と、気圧に依存するヒータ・パワーP(p)の和(P(t)+P(p))で表される。なお、定数項はP(t)あるいはP(p)のいずれかの項(数式)内に組み込まれ、また、各項における数式の係数は、温度や気圧などの環境条件、ヘッド・スライダ12あるいはその半径位置に応じて変化しうる。具体的には、ヒータ・パワーPは、以下の数式で表される。
P=(TDP×eff[DEFAULT]−Target
−dt×t_comp−dp×p_comp)/eff (数式1)
effはヒータ・パワー効率である。eff[DEFAULT]はデフォルト状態におけるヒータ・パワー効率である。TDPはデフォルト状態においてヘッド・スライダ12と磁気ディスク11とが接触するヒータ・パワー、Targetはターゲット・クリアランス、dtはデフォルト条件からの温度変化量、t_compは温度に対するクリアランス変化率、dpはデフォルト条件からの気圧変化、p_compは気圧に対するクリアランス変化率である。
t_compとp_compの符号は逆である。TDP、t_compと及びp_compは、典型的には、半径位置により変化する。デフォルト条件は、典型的には、30℃(室温)、1気圧(高度0m)の環境条件である。デフォルト状態を基準として各値の変化を特定することは、それぞれの値を特定することと同義である。
HDD1は温度センサ17を有しており、HDC/MPU23は、その検出温度と設定された関数から温度に対応したヒータ・パワー値P(t)を決定する。本形態のHDDは温度センサ25を有しているが、部品点数を低減するため気圧センサを有していない。このため、HDC/MPU23は、クリアランス(の変化)を測定することによって気圧(の変化)を特定する(気圧測定)。
クリアランスは、気圧に応じて変化する。そのため、気圧測定において、HDC/MPU23はクリアランスを測定し、そのクリアランス変化から気圧変化dpを特定する。クリアランスは温度によっても変化するため、HDC/MPU23は、測定したクリアランス変化(デフォルト値との差)から温度変化によるクリアランス変化を補正する(除去する)ことで、気圧変化によるクリアランス変化を算出することができる。上述のように、規定のデフォルト温度及び気圧を有するデフォルト条件と、そのデフォルト条件におけるデフォルト・クリアランスを規定することで、各値の変化と現在値とが対応付けられる。
温度補正したクリアランス変化は、気圧変化を表している。HDC/MPU23は、クリアランス変化により示される気圧変化(デフォルト状態からの気圧変化)に応じて、ヒータ・パワーPを制御する。具体的には、上記(数式1)で表したように、HDD1にはクリアランス変化で表される気圧変化dpとヒータ・パワーPとの間の関係を表すデータ(関数)が設定されており、HDC/MPU23は、その関数と測定した気圧変化とに従って、気圧に応じたヒータ・パワーを決定する。
本形態のHDD1は、クリアランス、あるいはデフォルト・クリアランスからのクリアランス変化を、ヘッド・スライダ12のリード信号により測定する。より具体的には、リード信号のレゾリューション(周波数成分の分解能)により、クリアランスを測定する。例えば、レゾリューションは、リード信号における特定の低周波信号と高周波信号の比で表すことができる。
気圧変化あるいは気圧変化によるクリアランス変化を特定(測定)するための読み出し信号振幅のいくつかの演算値があるが、その中において、レゾリューションを使用したクリアランス変化の測定が、最も正確な方法の一つであるからである。クリアランスが小さくなると、リード信号の高周波成分の振幅が大きくなり、レゾリューションが高くなる。
レゾリューションに適当な線形変換を施すことにより、クリアランスをレゾリューションの一次関数で表すことができる。典型的には、レゾリューションとクリアランスとを結びつける一次関数は、個々のヘッド・スライダ12毎に異なる。各ヘッド・スライダ12のレゾリューションとクリアランスとの間の関係は、HDD1の製造におけるテスト工程において特定し、その関係に応じた制御パラメータをHDD1に登録する。
HDC/MPU23は、リード信号を解析し、高周波信号ゲイン(振幅)と低周波信号ゲイン(振幅)の比を算出することで、レゾリューションを特定することができる。しかし、その処理をHDC/MPU23が行うためには、通常動作に必要な機能の他に付加的な機能を必要とする。また、MPUがその処理を行うには多くの処理時間を必要とする。従って、HDD1に実装されている機能を利用してレゾリューションの測定を行うことが好ましい。RWチャネル21は、リード信号から正確にデータを抽出するために、リード信号の再生波形を調整する機能を有している。RWチャネル21は、デジタルフィルタを使用してこの波形整形を行う。
RWチャネル21に実装されるデジタルフィルタにおいて、再生信号の周波数成分を補正するデジタルフィルタ(アダプティブコサイン・フィルタ)が知られている。RWチャネル21は、リード信号の測定結果からこのフィルタのタップ値を補正する。この補正値はクリアランス(レゾリューション)と一次の関係にあり、レゾリューションを表す値である。
なお、このデジタルフィルタは、特開平5−81807や米国特許5168413に開示されているように既存の技術であり、詳細な説明を省略する。HDC/MPU23は、この補正値を参照することで、クリアランス変化を特定することができる。以下において、この補正値をKgradと呼ぶ。製造におけるテスト工程において、各ヘッド・スライダ12に対してKgradとクリアランスとの関係を特定する。
以下の説明において、HDC/MPU23は、チャネル・パラメータの一つでありレゾリューションに相当する値であるKgradを参照してクリアランス(クリアランス変化)を特定するが、HDC/MPU23は、レゾリューションに相当する他のチャネル・パラメータを使用してもよい。例えば、RWチャネル21が、特定パターンの再生信号を基準パターンに復元するためのデジタルフィルタを有している場合、HDC/MPU23は、そのデジタルフィルタのタップの補正係数におけるレゾリューション成分の補正値を、クリアランスの特定に使用することができる。
(数式1)に示した関数(右辺)の各係数及び定数は、HDD1の製造におけるテスト工程において決定される。つまり、HDD1の製造におけるテスト工程は、ヒータ・パワーとクリアランスとの関係、温度とクリアランスとの関係、さらに、温度補正したKgradつまり気圧とクリアランスとの関係を特定し、それらを表すデータをHDD1に設定登録する。
Kgradは、温度変化によるクリアランス変化に加え、RWチャネル21の特性の温度変化によって変化する。Kgradの温度補正は、これらの変化を合わせて補正する。HDC/MPU23は、これらの設定データを使用することで、温度センサ17の検出温度及びKgradの測定値(気圧の測定値)から、適切なヒータ・パワー値を決定することができる。
HDC/MPU23は、Kgradを任意のタイミングでRWチャネル21から取得することができる。しかし、温度と異なり気圧は動作中に大きく変化するものではなく、典型的には、起動後の気圧は一定である。従って、本形態のHDC/MPU23は、起動後の温度変化に応じてヒータ・パワーを制御するが、気圧(Kgrad)の測定は起動時の初期設定処理(パワーオン・リセット(POR)処理)においてのみ行い、動作中の気圧は起動時の気圧と同じであると仮定してTFCを行う。なお、HDC/MPU23は、POR後の動作中にKgrad(クリアランス)を使用した気圧測定を行い、その変化に応じてヒータ・パワーを制御してもよい。
Kgrad、クリアランス、そして気圧のそれぞれの間の関係は、一次関数で表すことができる。図3は、Kgradと、クリアランス、ヒータ・パワーそして気圧(高度)との関係を模式的に示している。図3においては、気圧に代えて高度を例示した。温度は一定であるとしている。図3に示すように、上記の各値は、互いに線形の関係にある。従って、HDC/MPU23は、上記いずれかの値から他の値を特定することができ、一つの値が他の値を表すことができる。
クリアランス変化(クリアランス)は、例えば、ヒータ・パワー、ナノ・メートル(物理的なクリアランス)あるいはKgradで表すことができ、それぞれがクリアランスに対応する測定値である。図3に示した変数の間の関係を表す関数は、HDD1の製造におけるテスト工程で特定され、HDD1に実装される。HDC/MPU23は、Kgradの測定を行うことで、現在の物理的なクリアランス[nm]及び高度[km](気圧)を算出することができる。以下においては、気圧変化の測定について説明するが、これは高度を測定することと同じことである。
HDC/MPU23は、磁気ディスク11上のKgrad測定用データ列をリード素子32により読み出すことで、Kgradを測定する。このKgrad測定用データ列は、クリアランス測定用データ列である。HDC/MPU23は、さらに、Kgradの測定値から、設定されている関数による演算処理を行い、デフォルト値(例えば1atm)と現在気圧との差dpを算出する。
Kgrad測定用データ列は、HDD1の製造工程において、磁気ディスク11に予め書き込まれる。HDC/MPU23は、ライト素子31により、Kgrad測定用データ列を書き込む。製造工程においては、温度、気圧、HDD1の設置状況などの環境要素が好適にコントロールされているため、好ましい状態においてKgrad測定用データ列を書き込むことができ、特性のよいKgrad測定用データ列を書き込むことができる。
Kgradの測定に使用するデータ・トラックは、Kgrad測定のための特性の優れたデータ・トラックが好ましい。そのため、ユーザ・データの記録に使用されず、ホスト51からのアクセスがない領域にあることが好ましい。これにより、オーバーライトを繰り返すことによるデータ・トラックの特性の低下を避けることができる。
本形態のHDC/MPU23は、このKgrad測定用データ列の劣化検査を行う。Kgrad測定用データ列の劣化の主な原因は熱減磁である。HDC/MPU23は、ライト素子31により、劣化検査用データ列を磁気ディスク11に書き込む。この劣化検査用データ列は、Kgrad測定に使用することができるデータ列であり、好ましくは、上記Kgrad測定用データ列と同じデータ列(同じ数字の並び)である。HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列の他、劣化検査用データ列によりKgradを測定する。HDC/MPU23は、この二つのデータ列の測定結果を比較することにより、Kgrad測定用データ列の劣化を検査する。
二つの測定結果が大きく異なる場合、Kgrad測定用データ列の劣化の度合いがクライテリアを超えていると考えることができる。具体的には、HDC/MPU23は、二つのデータ列の測定値の差が閾値を超えている場合には、Kgrad測定用データ列が(許容範囲を超えて)劣化していると判定する。Kgrad測定用データ列が劣化している場合、そのKgrad測定用データ列の測定値をそのまま使用しては、正確にクリアランス変化(気圧変化)を測定することはできない。
そのため、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列によるKgradからのクリアランス変化(気圧変化)算出の演算を補正する。あるいは、HDC/MPU23は、新たなKgrad測定用データ列を書き込み、その後は新しいKgrad測定用データ列により気圧測定(クリアランス測定)を行う。
図4は、熱減磁により劣化する前のKgrad測定用データ列によるKgrad、熱減磁後のKgrad、そして、新たに書き込んだKgrad測定用データ列によるKgradの実測値を示している。図4において、X軸のA、B、Cは異なるHDDを示し、0及び1は、HDD内のヘッド番号を示している。Y軸はKgradを示す。各ヘッドに対して三つの値が棒グラフで示されており、左が熱減磁前のKgrad、中が熱減磁後のKgrad、右が新たなデータ列のKgradを示している。図4から理解されるように、熱減磁によりKgrad測定用データ列のKgradは減少する。また、新たなKgrad測定用データ列のKgradは、熱減磁前の古いKgrad測定用データ列のKgradと略同様の値を示している。
好ましい例において、HDC/MPU23は、POR処理において気圧測定を行う。そのため、正確な気圧測定のためは、各測定の前にKgrad測定用データ列の検査を行うことが好ましい。そこで、Kgrad測定用データ列の検査を伴う気圧測定の全体の処理の流れを、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、HDC/MPU23は、PORにおいて、選択したヘッド・スライダ12によって劣化検査用データ列を磁気ディスク11に書き込む(S11)。選択するヘッド・スライダ12は、対応する記録面上にKgrad測定用データ列が書き込まれているヘッド・スライダである。続いて、HDC/MPU23は、上記ヘッド・スライダ12によって劣化検査用データ列を読み出して、劣化検査用データ列の測定を行う(S12)。HDC/MPU23は、その測定結果をRAM24に格納する。
次に、HDC/MPU23は、上記選択したヘッド・スライダ12により、Kgrad測定用データ列を読み出し、そのKgrad測定用データ列の測定を行う(S13)。HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列の測定結果と劣化検査用データ列の測定結果とを比較し、それらの差異がクライテリアを超えているか判定する(S14)。
測定結果の差がクライテリア内(閾値により規定される範囲内)にある場合、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列が正常であると判定し、その測定結果に従って通常処理よる気圧測定及びTFCを行う(S15)。測定結果の差がクライテリアを超えている場合、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列が劣化して異常であると判定し、上記通常処理とは異なる処理方法によりクリアランス変化及び気圧変化を測定し、その気圧によるTFCを行う(S16)。
具体的には、クリアランスや気圧変化算出の演算を補正する、あるいは、新たなKgrad測定用データ列を書き込み、そのデータ列を使用する。なお、設計によっては、気圧測定毎ではなく、特定回数の気圧測定毎、あるいは、他のタイミングにKgrad測定用データ列の劣化について判定を行ってもよい。
Kgrad測定用データ列の劣化を正確に検出するためには、二つのデータ列の間で比較する適切な測定結果(測定値)を選択することが重要である。HDC/MPU23は、RWチャネル21から、Kgrad測定値を直接に取得することができる。このKgrad測定値が、データ列(の内容)やデータ列の書き込み条件に依存せず、データ列の読み出しにおけるクリアランスのみに依存する場合、HDC/MPU23は、Kgrad測定値を劣化判定に使用する測定値としてそのまま使用することができる。
このような場合、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列と劣化検査用データ列のそれぞれのKgrad測定値を比較することで、Kgrad測定用データ列の劣化を正確に判定する。あるいは、Kgrad測定値がデータ列に依存する場合、Kgrad測定用データ列と劣化検査用データ列とを同じデータ列とすればよい。以下においては、これらのデータ列に、同じデータ列を使用するものとする。
PORにおいて、Kgrad測定用データ列を読み出す条件と劣化検査用データ列を読み出す条件とは、実質的に同じである。つまり、HDD1は、同一温度、同一気圧において、同一のヘッド・スライダ12により二つのデータ列を読み出す。従って、Kgrad測定値が、それらデータ列の書き込み条件に実質的に依存しない場合は、HDC/MPU23は、二つのデータ列のKgrad測定値を比較することで正確な劣化判定をすることができる。
Kgrad測定値がデータ列の書き込み条件に依存する場合、HDC/MPU23は、それを補償することができる測定値を使用することが必要である。劣化検査用データ列の書き込み条件はHDD1の使用条件によって変化するために一定ではない。従って、Kgrad測定用データ列と劣化検査用データ列のそれぞれの書き込み条件は、通常、異なっている。具体的には、それらの書き込み条件の間で、温度及び気圧が異なる。クリアランスは温度及び気圧に従って変化し、書き込み時のクリアランスによってデータ列のKgrad測定値が、劣化検査に影響するほどの変化を見せる場合がある。
HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列の劣化を正確に判定するために、Kgrad測定に必要な補正を施した値を、劣化判定のために比較する測定値として使用する。気圧変化によるKgrad測定値の変化が小さい場合にはその影響を無視してもよいが、より正確な判定を行うためには、温度及び気圧変化によるKgrad測定値の変化の双方を補償するようにKgrad測定値を補正することができる値を使用することが好ましい。
好ましい方法として、HDC/MPU23は、Kgrad測定値から現在の物理的な距離で表されるクリアランスを算出し、その値を使用する。物理的距離で表されるクリアランスは、データ列の書き込み時における温度及び気圧変化を補償するKgrad測定値を補正した値である。図3を参照して説明したように、Kgrad測定値とクリアランスとの関係は一次関数で近似することができる。
例えば、Kgrad測定用データ列に対して、クリアランスCとKgrad測定値Kとの間の関係は、
C=a1×K+b1 (数式2)
で表すことができる。
一方、劣化検査用データ列に対して、クリアランスCとKgrad測定値Kとの間の関係は、
C=a2×K+b2 (数式3)
で表すことができる。
a1とa2とは一般に異なる値であり、b1とb2も一般に異なる値である。これらの値は、HDD1の製造において決定され、HDD1に予め設定されている。HDC/MPU23は、磁気ディスク11やROMなどの不揮発性メモリからこれらの値を取得し、Kgrad測定用データ列と劣化検査用データ列のそれぞれのKgrad測定値から、それぞれのクリアランスを算出する。クリアランスは、物理距離[nm]で表される。
HDC/MPU23は、HDD1の製造において、同一のKgrad測定用データ列の異なるクリアランスにおけるKgrad測定値から、数式2のa1とb1とを決定する。具体的には、Kgrad測定用データ列を書き込んだ後、HDC/MPU23は、複数の異なるクリアランスにおいてそのKgrad測定用データ列のKgradを測定する。HDC/MPU23は、ヒータ・パワーを制御してクリアランスを変化させ、複数の異なるクリアランスにおいてKgradを測定する。さらに、HDC/MPU23は、各クリアランスに対応するタッチダウン・パワー(TDP)を測定する。
ヒータ・パワー[mW]とクリアランス[nm]との間の関係[nm/mW]は、同一設計のヘッド・スライダに対しては同一の関係式を適用することができる。そのため、HDC/MPU23は、Kgradを測定した各クリアランスにおけるTDPから、nmでのクリアランスを算出することができる。HDC/MPU23は、複数のKgrad測定値とnmでのクリアランスとの関係から、それらの関係を示す数式2の係数a1、b1を算出する。
数式3の係数a2、b2を決定するための測定は、数式2のa1とb1のそれとは異なる。HDC/MPU23は、異なるクリアランスにおいて、劣化検査用データ列の書き込みとKgrad測定とを行い、nmでのクリアランスとKgrad測定値との関係(a2、b2)を決定する。HDC/MPU23は、ヒータ・パワーを制御することで異なるクリアランスでのKgrad測定を行う。
具体的には、HDC/MPU23は、一定温度において、異なるヒータ・パワー値(クリアランス)における劣化検査用データ列の書き込みとそのKgrad測定とを行う。数式2の決定と同様に、HDC/MPU23は、Kgradの測定を行った各ヒータ・パワー値に対応するnmでのクリアランスを算出する。HDC/MPU23は、複数のKgrad測定値とnmでのクリアランスとの関係から、それらの関係を示す数式3の係数a2、b2を算出する。
HDC/MPU23は、このように製造工程で決定された関係式2及び3を使用して、Kgrad測定用データ列と劣化検査用データ列のKgrad測定値から、劣化検査用データ列の書き込み条件(クリアランス)に無依存の測定値である、物理距離のクリアランス[nm]を算出する。二つのデータ列のクリアランスの間にクライテリアを超える差異が存在する場合、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列が劣化していると判定する。
クライテリアは、測定値の閾値により規定することができる。その閾値は、例えば、定数あるいは測定値の比率とすることができる。例えば、二つのデータ列によるクリアランス[nm]の差が閾値の1nmよりも大きい場合に、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列が劣化していると判定する。あるいは、二つのデータ列によるクリアランス[nm]の差の、劣化検査用データ列のクリアランス[nm]に対する比率が、閾値を超える場合に、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列が劣化していると判定する。
ここで、劣化検査用データ列のKgrad測定値は、Kgrad測定用データ列に比べて、大きなバラツキを有している。そのため、劣化検査用データ列の一回の測定の値が、Kgrad測定用データ列の一回の測定の値と大きな相違を示したとしても、それをもってKgrad測定用データ列の劣化と判定することは、誤った判定である可能性がある。そのため、好ましくは、HDC/MPU23は、複数の測定値を使用して、Kgrad測定用データ列の劣化についての判定を行う。
具体的には、HDC/MPU23は、複数回のPORにおける劣化検査用データ列とKgrad測定用データ列の測定値(クリアランス測定値)を保存する。HDC/MPU23は、基準数の測定値を取得すると、それら測定値からKgrad測定用データ列の劣化について判定を行う。例えば、取得した全ての測定値の差がクライテリアを超えている場合に、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列が劣化していると判定する。あるいは、複数測定値の平均値の差がクライテリアを超えている場合に、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列が劣化していると判定する。
あるいは、HDD1が複数のヘッド・スライダ12を有している場合は、一回のPORにおいて、複数のヘッド・スライダ12を使用して劣化検査用データ列とKgrad測定用データ列の測定を行うことができる。これにより、HDC/MPU23は、一回のPORにおいて複数の測定値(クリアランス値)を得ることができる。ヘッド・スライダ12の数が、Kgrad測定用データ列の劣化について正確な判定を行うことができるに足りるものである場合、HDC/MPU23は、各PORにおいて、そこでの複数の測定値からKgrad測定用データ列の劣化について判定を行う。
Kgrad測定用データ列の劣化判定の方法は、気圧変化の測定に合わせてあることが好ましい。例えば、HDC/MPU23が一つの選択したヘッド・スライダ12によるKgrad測定値により気圧変化を測定する場合、複数回のPORにわたる複数測定値によって劣化判定を行うことが好ましい。一方、HDC/MPU23が複数あるいは全てのヘッド・スライダ12によるKgrad測定値(例えば平均値)により気圧変化を測定する場合、HDC/MPU23は、それら複数ヘッド・スライダによる劣化検査用データ列の測定により劣化判定を行うことが好ましい。
Kgrad測定用データ列の劣化について正確な判定を行うためには、Kgrad測定用データ列と劣化検査用データ列とが、できるだけ近い位置に書き込まれることが好ましい。一方、データ列の正確な測定を行うためには、他のデータの書き込みによる影響を避けることが重要である。従って、劣化検査用データ列は、同一ゾーン内においてKgrad測定用データ列から数トラック離れたトラックに書き込むことが好ましい。ゾーンは、記録周波数が同一のエリアである。
Kgrad測定用データ列の劣化がクライテリアを超えていないと判定すると、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列から通常の処理により気圧変化を算出する。つまり、HDC/MPU23は、そのKgrad測定用データ列のKgrad測定値をそのまま使用して、気圧(高度)の変化を算出する。HDC/MPU23は、Kgrad測定値の温度補正を行うことで温度によるKgrad測定値の変化を除去する。
さらに、HDC/MPU23は、デフォルト値(デフォルト状態での気圧)と温度補正したKgrad測定値との差(dK)を設定されている関数に代入して気圧変化(デフォルト値と現在気圧との差)dpを特定する。一般に、気圧変化を算出するための関数は、以下のように一次関数で表すことができる。
dp=a3×dK (数式4)
一方、Kgrad測定用データ列の劣化がクライテリアを超えていると判定すると、HDC/MPU23は、通常とは異なる処理を行って気圧を測定する。具体的には、上述のように、Kgrad測定用データ列を書き直して更新する、あるいは、異なる演算方法によりKgrad測定値から気圧を算出する。書き直しを行う場合、HDC/MPU23は、劣化したKgrad測定用データ列と同じトラックに、Kgrad測定用データ列を新たに書き込む。好ましくは、HDC/MPU23は、ライト素子31により古いKgrad測定用データ列をACイレーズした後、新たなKgrad測定用データ列を書き込む。新しいKgrad測定用データ列は古いKgrad測定用データ列と同じデータである。
正確な気圧測定(Kgradの測定)を行うためには、新たなKgrad測定用データ列は、好適な条件において書き込むことが重要である。HDC/MPU23は、予め設定されている条件が満足する場合に、新たなKgrad測定用データ列を書き込むことが好ましい。
例えば、極低温においては、ライト素子31の記録磁界によって記録層を適切な磁化状態に変化させることができない場合がある。そのため、温度センサ17の検出温度が設定された範囲内にあることを、新たなKgrad測定用データ列の書き込みの条件とすることが好ましい。
あるいは、正確にKgrad測定用データ列を書き込むために、ヘッド・スライダ12のサーボ・スタビリティが所定レベルにあることを条件とすることが好ましい。そのため、例えば、HDC/MPU23は、ヘッド・スライダ12の位置誤差信号(ターゲット位置からの位置誤差をサーボ信号の値により示す)の積算値(Σ)が閾値以下であることを、Kgrad測定用データ列を新たに書き込むための条件として使用する。
一般に、Kgrad測定用データ列が劣化した場合、Kgrad測定値は小さくなるが、その測定値のバラツキは大きくなることはない。そのため、HDC/MPU23は、測定値に適切な補正を施すことで、古いKgrad測定用データ列をそのまま使用することができる。数式2、3に示したように、Kgrad測定値とクリアランスとは、一次関数で関係付けることができる。Kgrad測定用データ列の劣化により、同一クリアランスにおいて、Kgrad測定値が小さくなる。これにより、数式2、3において、定数項b1、b2が減少する。
この変化は、上記数式4の右辺に定数項b3を追加する補正を行うことで補償することができる。Kgrad測定用データ列が劣化しても、気圧変化とクリアランス変化との間の関係は変化しないからである。劣化後のKgrad測定用データ列によるKgrad測定値による気圧変化の算出は、以下の補正された数式に従って行うことができる。
dp=a3×dK+b3 (数式5)
これは、劣化したKgrad測定用データ列によるKgrad測定値に定数項を追加する補正を行うことと同義である。HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列と劣化検査用データ列のクリアランス測定値を取得している。従って、これらのクリアランス測定値の差を、Kgrad測定用データ列の補正値を算出するために使用することができる。
例えば、二つのデータ列のクリアランス値の差を、そのまま、Kgrad測定用データ列によるクリアランス値の補正値として使用することができる。クリアランス、Kgrad測定値、そして気圧は、それぞれが関数で関連付けられる。従って、クリアランスの補正値(クリアランス算出における演算の補正値)が決まれば、Kgrad測定値の補正値及び気圧算出における補正値が決まる。
しかし、上述のように二つのデータ列のクリアランス値の差をそのまま補正値として使用すると、補正が大きすぎることが考えられる。そのため、好ましくは、この差の一部である何割かを、補正値として反映することが好ましい。また、HDC/MPU23は、複数の測定によるクリアランス値を保存していることから、これらの複数の値を使用して補正値を算出することが好ましい。
好ましい例において、HDC/MPU23は、保存しているクリアランス値から複数の値を選択し、それらの平均値を算出する。これらは、Kgrad測定用データ列によるクリアランスの平均値と、劣化検査用データ列によるクリアランスの平均値である。これら平均値の差分と予め設定されている所定の定数(比率)との積を算出し、その値をKgradデータ列によるクリアランスの補正値として使用する。
ここで、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列の劣化について判定するために、タッチダウンによる検証を判定条件として使用することができる。これにより、上記判定をより正確に行うことができる。具体的には、HDC/MPU23は、二つのデータ列の測定結果がKgrad測定用データ列の許容範囲を超える劣化を示している場合、タッチダウン・パワー(TDP)を測定する。これによりHDC/MPU23は現在のクリアランスを知ることができる。
タッチダウンによるクリアランス測定値と、Kgrad測定用データ列によるクリアランス測定値との差が閾値より大きければ、HDC/MPU23は、Kgrad測定用データ列は異常であると判定する。また、このときのクリアランスの差を、補正値の算出に使用することが好ましい。タッチダウンよるクリアランス測定は、劣化検査用データ列によるクリアランス測定よりも正確であるからである。
以上、本発明を好ましい実施形態を例として説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。本発明は、ピエゾ素子などのTFC以外のクリアランス調整機構を有するHDDに適用することができる。あるいは、本発明を、クリアランス調整機構を有していないHDDもしくはHDD以外のディスク・ドライブに適用してもよい。
本実施形態において、HDDの全体構成を模式的に示すブロック図である。 本実施形態において、TFCのためのヒータを備えたヘッド・スライダの構成を模式的示す断面図である。 本実施形態において、Kgrad、クリアランス、ヒータ・パワーそして気圧(高度)の関係を模式的に示す図である。 本実施形態において、Kgrad測定用データ列の劣化を表すグラフである。 本実施形態において、TFCのための気圧測定の処理の流れを示すフローチャートである。 同一のデータ列を使用して測定したKgradと、測定毎に新たに書き込んだデータ列を使用して測定したKgradの、それぞれのバラツキを示すグラフである。
符号の説明
1 ハードディスク・ドライブ、10 エンクロージャ、11 磁気ディスク
12 ヘッド・スライダ、14 スピンドル・モータ、15 ボイス・コイル・モータ
16 アクチュエータ、20 回路基板、21 リード・ライト・チャネル
22 モータ・ドライバ・ユニット、23 ハードディスク・コントローラ/MPU
24 RAM、31 ライト素子、32 リード素子、32a 磁気抵抗素子
33a、b シールド、34 保護膜、51 ホスト、121 トレーリング側端面
122 ヘッド素子部、123 スライダ、124 ヒータ、311 ライト・コイル
312 磁極、313 絶縁膜

Claims (20)

  1. ヘッドとディスクとの間のクリアランス変化を測定する方法であって、
    ディスクに予め書き込まれているクリアランス測定用データ列を読み出してクリアランスに対応する第1の測定値を取得し、
    前記ディスクに劣化検査用データ列を新たに書き込み、その劣化検査用データ列を読み出して、クリアランスに対応する第2の測定値を取得し、
    前記第1の測定値と前記第2の測定値との差異から、前記クリアランス測定用データ列の劣化について判定し、
    前記クリアランス測定用データ列が劣化してないと判定すると、通常処理によって前記クリアランス測定用データ列によりクリアランス変化を測定し、
    前記クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、前記通常処理と異なる処理によりクリアランス変化を測定する、
    方法。
  2. 前記クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、前記クリアランス測定用データ列からクリアランス変化を算出するための演算を補正し、前記クリアランス変化の測定においてその補正した演算を使用する、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の測定値と前記第2の測定値との間の差の一部を補償するように前記演算の補正を行う、
    請求項2に記載の方法。
  4. 前記クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、新たなクリアランス測定用データ列を前記ディスクに書き込む、
    請求項1に記載の方法。
  5. 規定の書き込み条件を満足する場合に、前記新たなクリアランス測定用データ列を前記ディスクに書き込む、
    請求項4に記載の方法。
  6. 前記クリアランス測定用データ列における異なる周波数成分の比率を測定し、その比率によりクリアランス変化を測定する、
    請求項1に記載の方法。
  7. 前記第1の測定値と前記第2の測定値とは、前記クリアランス測定用データ列の書き込みにおけるクリアランスと前記劣化検査用データ列の書き込みにおけるクリアランスとに無依存の値である、
    請求項1に記載の方法。
  8. 前記第1の測定値と前記第2の測定値とは、物理的な距離でクリアランスを表している、
    請求項7に記載の方法。
  9. 前記劣化についての判定を、複数の前記第1の測定値及び複数の前記第2の測定値を使用して行う、
    請求項1に記載の方法。
  10. さらに、前記ヘッドと前記ディスクとを接触させるクリアランス測定により、前記クリアランス測定用データ列の劣化を検証する、
    請求項1に記載の方法。
  11. ディスクに劣化検査用データ列を新たに書き込むライト素子と、
    ディスクに予め書き込まれているクリアランス測定用データ列と前記劣化検査用データ列とを読み出すリード素子と、
    前記ライト素子と前記リード素子とを有するヘッドを支持し前記ディスク上で移動する移動機構と、
    前記移動機構と前記ヘッドとを制御するコントローラとを有し、
    前記コントローラは、
    前記クリアランス測定用データ列の読み出し信号によるクリアランスに対応する第1の測定値を取得し、
    前記劣化検査用データ列の読み出し信号によるクリアランスに対応する第2の測定値を取得し、
    前記第1の測定値と前記第2の測定値との比較により、前記クリアランス測定用データ列の劣化について判定し、
    前記クリアランス測定用データ列が劣化してないと判定すると、通常処理によって前記クリアランス測定用データ列によりクリアランス変化を測定し、
    前記クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、前記通常処理と異なる処理によりクリアランス変化を測定する、
    ディスク・ドライブ。
  12. 前記コントローラは、前記クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、前記クリアランス測定用データ列からクリアランス変化を算出するための演算を補正し、前記クリアランス変化の測定においてその補正した演算を使用する、
    請求項11に記載のディスク・ドライブ。
  13. 前記コントローラは、前記第1の測定値と前記第2の測定値との間の差の一部を補償するように前記演算の補正を行う、
    請求項12に記載のディスク・ドライブ。
  14. 前記コントローラは、前記クリアランス測定用データ列が劣化していると判定すると、前記ライト素子により新たなクリアランス測定用データ列を前記ディスクに書き込む、
    請求項11に記載のディスク・ドライブ。
  15. 前記コントローラは、規定の書き込み条件を満足する場合に、前記ライト素子により前記新たなクリアランス測定用データ列を前記ディスクに書き込む、
    請求項14に記載のディスク・ドライブ。
  16. 前記コントローラは、前記クリアランス測定用データ列における異なる周波数成分の比率を測定し、その比率によりクリアランス変化を測定する、
    請求項11に記載のディスク・ドライブ。
  17. 前記第1の測定値と前記第2の測定値とは、前記クリアランス測定用データ列の書き込みにおけるクリアランスと前記劣化検査用データ列の書き込みにおけるクリアランスとに無依存の値である、
    請求項11に記載のディスク・ドライブ。
  18. 前記第1の測定値と前記第2の測定値とは、物理的な距離でクリアランスを表している、
    請求項17に記載のディスク・ドライブ。
  19. 前記コントローラは、前記劣化についての判定を、複数の前記第1の測定値及び複数の前記第2の測定値を使用して行う、
    請求項11に記載のディスク・ドライブ。
  20. 前記コントローラは、さらに、前記ヘッドと前記ディスクとを接触させるクリアランス測定により、前記クリアランス測定用データ列の劣化を検証する、
    請求項11に記載のディスク・ドライブ。
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