JP2010061071A - トナー、並びにこれを用いた現像剤、及び画像形成方法 - Google Patents
トナー、並びにこれを用いた現像剤、及び画像形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010061071A JP2010061071A JP2008229450A JP2008229450A JP2010061071A JP 2010061071 A JP2010061071 A JP 2010061071A JP 2008229450 A JP2008229450 A JP 2008229450A JP 2008229450 A JP2008229450 A JP 2008229450A JP 2010061071 A JP2010061071 A JP 2010061071A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- resin
- mass
- image
- polyester resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Abstract
【解決手段】有機溶媒中に、結着樹脂、変性ポリエステル樹脂からなるプレポリマー、該プレポリマーと反応可能な部位を有する化合物、着色剤、及び離型剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液を水系媒体中で反応させて、得られた分散液から有機溶媒を除去することにより得られたトナーであって、前記結着樹脂の1/2法による軟化点Taと、前記トナーの1/2法による軟化点Tbとの差(Tb−Ta)が35℃以上であり、かつTaとTbの比(Tb/Ta)が1.35〜2.00であるトナーとする。
【選択図】なし
Description
<1> 有機溶媒中に、結着樹脂、変性ポリエステル樹脂からなるプレポリマー、該プレポリマーと反応可能な部位を有する化合物、着色剤、及び離型剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液を水系媒体中で反応させて、得られた分散液から有機溶媒を除去することにより得られたトナーであって、
前記結着樹脂の1/2法による軟化点Taと、前記トナーの1/2法による軟化点Tbとの差(Tb−Ta)が35℃以上であり、かつTaとTbの比(Tb/Ta)が1.35〜2.00であることを特徴とするトナーである。
<2> 結着樹脂がポリエステル樹脂を含む前記<1>に記載のトナーである。
<3> ポリエステル樹脂のガラス転移温度が35℃〜65℃である前記<2>に記載のトナーである。
<4> ポリエステル樹脂のTHF可溶分の質量平均分子量が1,000〜30,000である前記<2>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> ポリエステル樹脂の結着樹脂における含有量が50質量%〜98質量%である前記<2>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> ポリエステル樹脂の酸価が1.0mgKOH/g〜50.0mgKOH/gである前記<2>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> プレポリマーと反応可能な部位を有する化合物の質量平均分子量が3,000〜20,000である前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> トナーの体積平均粒径が3μm〜7μmである前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> トナーの体積平均粒経(Dv)/数平均粒経(Dn)が1.20以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとからなることを特徴とする現像剤である。
<11> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記トナーが、前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
<12> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記トナーが、前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<13> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記トナーが、前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明のトナーは、有機溶媒中に、結着樹脂、変性ポリエステル樹脂からなるプレポリマー、該プレポリマーと反応可能な部位を有する化合物、着色剤、及び離型剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液(以下、トナー材料液と称することもある)を水系媒体中で反応させて、得られた分散液から有機溶媒を除去することにより得られる。
−測定条件−
・荷重:30kg/cm
・昇温速度:3.0℃/min
・ダイ口径:0.50mm
・ダイ長さ:1.0mm
これにより得られるフローテスターのフローカーブは、図1及び図2に示すようなデータとなり、このデータから所定の温度を読み取ることができる。
図1中、Tsは軟化温度、Tfbは流出開始温度であり、図2中の1/2法における溶融温度とあるのが、軟化点に該当する。
前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂以外の樹脂を更に含有してもよい。前記ポリエステル樹脂以外の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等の単独重合体又は共重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル樹脂のTHF可溶分の質量平均分子量は、1,000〜30,000であることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂の分子量分布及び質量平均分子量は、例えばテトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲルパーミエーションロマトグラフィー(GPC)により測定される。
前記離型剤は、カルボン酸又は無水マレイン酸で変性されている炭化水素系ワックスであるため、母体粒子中の離型剤の分散性を向上させることができる。溶融粘性が低く、ポリエステル樹脂との分離性に優れることから、炭化水素系ワックスを用い、トナー組成液において、離型剤の分散性を向上させることから、カルボン酸又は無水カルボン酸、好ましくは、無水マレイン酸で変性されているものを用いる。一般に、炭化水素系ワックスは、ポリエステル樹脂及び溶解度パラメーターが8〜9.8cal1/2・m−3/2の有機溶媒との相互作用(主に水素結合)が小さいため、トナー材料液で結晶成長が生じ、ワックスの分散径が粗大化しやすい傾向がある。そこで、炭化水素系ワックスをカルボン酸又は無水カルボン酸により変性させて炭化水素系ワックスにポリエステル樹脂及び溶解度パラメーターが8〜9.8cal1/2・m−3/2の有機溶媒との相互作用性が大きい官能基を導入することにより、トナー材料液における炭化水素系ワックスの結晶成長を抑制することができる。その結果、カルボン酸又は無水カルボン酸で変性されている炭化水素系ワックスは、トナー材料液中で微分散されている状態を保持することができる。
・測定装置:電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
・使用電極 :DG113−SC(メトラー・トレド社製)
・解析ソフト:LabX Light Version1.00.000
・装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
・測定温度:23℃
測定条件は、以下の通りである。
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
At maximum volume[mL] 10.0
At potential No
At slope No
After number EQPs Yes
n=1
comb. Termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
−酸価の測定方法−
前記酸価は、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して、以下の条件で測定することができる。
試料調製:試料0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更に、エタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定は前記記載の装置にて計算することができるが、具体的には次のように計算する。
予め標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量(ただし、Nは、N/10KOHのファクター)
前記溶融粘度は、例えばブルックフィールド型回転粘度計を用いて測定される。
ここで、前記融点とは、示差走査熱量分析(Differential scanning calorimetry;DSC)により得られる示差熱曲線において、吸熱量が極大になる吸熱ピークの温度である。
前記離型剤の含有量は、融点と同様に、DSCの吸熱ピーク測定により求められる。具体的には、まず、所定の質量の離型剤のDSC測定を予め行って、離型剤の単位質量当たりの融解熱量Qw[J/mg]を求める。次に、所定の質量の母体粒子のDSC測定を同様に行って、離型剤の吸熱ピークの面積から、単位質量の母体粒子中に含まれる離型剤の融解熱量Qt[J/mg]を求める。これにより、トナー中の離型剤の含有量W(x)は下記数式1から求められる。
<数式1>
W(x)=Qt/Qw×100[質量%]
前記最大分散径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、まず、トナー母体粒子をエポキシ樹脂に包埋して約100nmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色する。次に、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、倍率10000倍で観察を行い、撮影した写真を画像評価する。これにより、離型剤の分散状態を観察し、分散径を測定することができる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、リンの単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子のトナー中の含有量は、0.01質量%〜5.0質量%であることが好ましく、0.01質量%〜2.0質量%が更に好ましい。
なお、前記シリカ、酸化チタンは、流動性向上剤で表面処理し、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして用いることが好ましい。
前記ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmであることが好ましい。
言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。Dvが3μm未満の母体粒子を有するトナーを二成分現像剤に用いると、現像装置における長期の攪拌において、キャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがある。
また、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着が発生しやすくなることがある。
前記Dvが7μmを超える場合及びDv/Dnが1.20を超える場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合に、トナーの粒径の変動が大きくなることが多い。
本発明のトナーの製造方法は、トナー材料を有機溶媒中に溶解乃至分散させる工程と、得られたトナー材料液を水系媒体中で乳化乃至分散させる工程を少なくとも有し、以下の工程(1)〜(6)からなることが好ましい。
トナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させることにより、トナー材料液を調製する。有機溶媒は、特に限定されないが、除去が容易であることから、沸点が150℃未満であることが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル樹脂の溶解性に優れることから、有機溶媒は、溶解度パラメーターが8〜9.8cal1/2・m−3/2であることが好ましく、8.5〜9.5cal1/2・m−3/2が更に好ましい。更には、離型剤の変性基との相互作用性が大きく、離型剤の結晶成長を効果的に抑制することができるため、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく、除去が容易であることから、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
水系媒体は、例えば、樹脂微粒子を水性溶媒に分散させることにより調製することができる。水系溶媒中の樹脂微粒子の添加量は、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜10質量%であることが好ましい。
(a)ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法のいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(d)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(e)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(f)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液に貧溶剤を添加する、又は予め溶剤に加熱溶解させた樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、溶剤を除去して樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(g)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を、適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、減圧等によって溶剤を除去して、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(h)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
ビニルアルコールとカルボキシル基を有する化合物のエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
アミド結合を有するモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸等が挙げられる。
前記酸塩化物モノマーとしては、例えば、アクリル酸塩化物、メタクリル酸塩化物等が挙げられる。
窒素原子又は窒素原子を含有する複素環を有するモノマーとしては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。
乳化スラリーは、トナー材料液を水系媒体中に乳化乃至分散させることにより調製されるが、攪拌しながら乳化乃至分散させることが好ましい。乳化乃至分散させる装置としては、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(以上、特殊機化工業株式会社製)、コロイドミル(神鋼パンテック株式会社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(以上、三井三池化工機株式会社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工株式会社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業株式会社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業株式会社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。中でも、粒径の均一化の観点から、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが好ましい。
乳化スラリーから、有機溶媒を除去する際には、反応系全体を徐々に昇温させて、乳化分散体中の有機溶媒を蒸発除去する方法、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、有機溶媒を除去すると共に、水性溶媒を蒸発除去する方法等が挙げられる。
乳化スラリーから有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に、所望により分級等を行うことができる。例えば、水系媒体中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子成分を取り除くことにより分級してもよいし、乾燥後の母体粒子を分級してもよい。
トナー母体粒子を、必要に応じて、シリカ、酸化チタン等の無機微粒子等と共に混合し、更に機械的衝撃力を印加することにより、トナー母体粒子の表面からの無機微粒子等の脱離を抑制することができる。機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根を用いて、粒子に衝撃力を印加する方法、高速気流中に粒子を投入して加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させて衝撃力を印加する方法等が挙げられる。機械的衝撃力を印加する装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを低下させた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーと、キャリアとからなる二成分現像剤である。
前記二成分現像剤として用いる場合には、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対して、トナーを1質量部〜10質量部が好ましい。
前記被覆キャリアにおける被覆用樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニル樹脂、ポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。
また必要に応じて、導電粉等を被覆用樹脂中に含有させてもよい。前記導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。前記導電粉は、平均粒径が1μm以下のものが好ましい。前記平均粒径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
本発明で用いられるトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
本発明で用いられるプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
次に、図3に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明で用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図6中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
−ポリエステル樹脂Aの合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルスズオキシド2質量部を投入し、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下、5時間反応させて、ポリエステル樹脂Aを合成した。得られたポリエステル樹脂Aは、質量平均分子量が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が20mgKOH/gであった。
合成例1において、ポリエステル樹脂材料の投入量、圧力、及び反応時間を調整することにより、ポリエステル樹脂B〜Gをそれぞれ合成した。得られたポリエステル樹脂の諸物性を表1に示す。
−マスターバッチの作製−
水1,000質量部、DBP吸油量が42ml/100g、pHが9.5のカーボンブラック(Printex35、デグサ社製)540質量部、及び1200質量部のポリエステル樹脂Aを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。次に、二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルスズオキシド2質量部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mHgの減圧下、5時間反応させて、中間体ポリエステル樹脂を合成した。
得られた中間体ポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が2,100、質量平均分子量が9,600、ガラス転移温度が55℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が49mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステル樹脂411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃で5時間反応させて、ポリエステルプレポリマーを調製した。なお、得られたポリエステルプレポリマーは、固形分濃度(150℃で45分間放置)が50質量%であり、ポリエステルプレポリマーの遊離イソシアネートの含有量が1.60質量%であった。
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部、及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、ケチミン化合物を合成した。
得られたケチミン化合物は、アミン価が423mgKOH/gであった。
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器中に、パラフィンワックスHNP−11(日本精蝋株式会社製)100質量部を入れ、ヒーターで150℃に加熱し、ワックスを融解させた。次に、無水マレイン酸と、有機過酸化物(ジ−t−ブチルパーオキシド)をトルエンに溶解させた溶液を滴下し、攪拌しながら5時間反応させた。反応終了後、窒素雰囲気下でトルエンを除去し、変性パラフィンワックスAを合成した。
得られた変性パラフィンワックスAは、融点が69℃、酸価が10mgKOH/g、120℃における溶融粘度が10mPa・秒であった。
イオン交換水306質量部、リン酸三カルシウムの10質量%懸濁液265質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌し、均一に溶解させて、水系媒体を調製した。
得られた分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。更に、得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を作製した。
実施例1において、ポリエステル樹脂Aの代わりに、ポリエステル樹脂Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー母体粒子を作製した。
実施例1において、ポリエステル樹脂Aの代わりに、ポリエステル樹脂Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー母体粒子を作製した。
実施例1において、ポリエステル樹脂Aの代わりに、ポリエステル樹脂Dを用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー母体粒子を作製した。
実施例1において、ポリエステル樹脂Aの代わりに、ポリエステル樹脂Eを用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー母体粒子を作製した。
実施例1において、ポリエステル樹脂Aの代わりに、ポリエステル樹脂Fを用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー母体粒子を作製した。
実施例1において、ポリエステル樹脂Aの代わりに、ポリエステル樹脂Gを用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー母体粒子を作製した。
各トナー母体粒子100質量部と、外添剤としての疎水性シリカH2000(クラリアントジャパン社製)1.0質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開き35μmメッシュで篩い、トナーを作製した。
各トナーの体積平均粒径(Dv)、及び比(Dv/Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いで、イオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記「マルチサイザーIII」により、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
結着樹脂及びトナーについて、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて測定したフローカーブ(図1及び図2参照)から求めた。ここで、図1及び図2中、Tsは軟化温度を、Tfbは流出開始温度を、1/2法における溶融温度は1/2法軟化点(F1/2)を、それぞれ表す。なお、測定条件は、荷重10kg/cm2、昇温速度3.0℃/min、ダイ口径0.50mm、ダイ長さ10.0mmで行った。
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1000質量部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
ボールミルを用いて、各トナー5質量部とキャリア95質量部を混合し、現像剤を作製した。
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機(MF−200、株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(株式会社リコー製)をセットし、定着ローラの温度を5℃刻みで変化させて、複写テストを行った。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ローラの温度の最小値を定着下限温度とした。
定着下限温度は、消費電力が抑えられることから、低いことが好ましく、135℃以下であれば、実使用上問題の無いレベルであるため○、135℃より大きいものを×として判定した。
50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度を測定し、下記基準により耐熱保存性を評価した。なお、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が5mm未満であるもの(×)は、使用上、問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
◎:針入度が25mm以上
○:針入度が15mm以上25mm未満
△:針入度が5mm以上15mm未満
×:針入度が5mm未満
本発明の画像形成方法は、本発明の前記トナーを用いており、極めて高画質な画像を形成することができるので、例えばレーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機、直接又は間接の電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (11)
- 有機溶媒中に、結着樹脂、変性ポリエステル樹脂からなるプレポリマー、該プレポリマーと反応可能な部位を有する化合物、着色剤、及び離型剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液を水系媒体中で反応させて、得られた分散液から有機溶媒を除去することにより得られたトナーであって、
前記結着樹脂の1/2法による軟化点Taと、前記トナーの1/2法による軟化点Tbとの差(Tb−Ta)が35℃以上であり、かつTaとTbの比(Tb/Ta)が1.35〜2.00であることを特徴とするトナー。 - 結着樹脂がポリエステル樹脂を含む請求項1に記載のトナー。
- ポリエステル樹脂のガラス転移温度が35℃〜65℃である請求項2に記載のトナー。
- ポリエステル樹脂のTHF可溶分の質量平均分子量が1,000〜30,000である請求項2から3のいずれかに記載のトナー。
- ポリエステル樹脂の結着樹脂における含有量が50質量%〜98質量%である請求項2から4のいずれかに記載のトナー。
- ポリエステル樹脂の酸価が1.0mgKOH/g〜50.0mgKOH/gである請求項2から5のいずれかに記載のトナー。
- プレポリマーと反応可能な部位を有する化合物の質量平均分子量が3,000〜20,000である請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
- トナーの体積平均粒径が3μm〜7μmである請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
- トナーの体積平均粒経(Dv)/数平均粒経(Dn)が1.20以下である請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1から9のいずれかに記載のトナーと、キャリアとからなることを特徴とする現像剤。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記トナーが、請求項1から9のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008229450A JP2010061071A (ja) | 2008-09-08 | 2008-09-08 | トナー、並びにこれを用いた現像剤、及び画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008229450A JP2010061071A (ja) | 2008-09-08 | 2008-09-08 | トナー、並びにこれを用いた現像剤、及び画像形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010061071A true JP2010061071A (ja) | 2010-03-18 |
Family
ID=42187894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008229450A Pending JP2010061071A (ja) | 2008-09-08 | 2008-09-08 | トナー、並びにこれを用いた現像剤、及び画像形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010061071A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8546056B2 (en) | 2011-03-15 | 2013-10-01 | Ricoh Company, Ltd. | Toner and method of manufacturing toner |
US8614043B2 (en) | 2011-11-21 | 2013-12-24 | Ricoh Company, Ltd. | Toner |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007279709A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-10-25 | Ricoh Co Ltd | トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 |
JP2008003538A (ja) * | 2005-08-30 | 2008-01-10 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2008076452A (ja) * | 2006-09-19 | 2008-04-03 | Ricoh Co Ltd | トナー定着方法及びトナー定着装置並びに画像形成装置 |
-
2008
- 2008-09-08 JP JP2008229450A patent/JP2010061071A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008003538A (ja) * | 2005-08-30 | 2008-01-10 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2007279709A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-10-25 | Ricoh Co Ltd | トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 |
JP2008076452A (ja) * | 2006-09-19 | 2008-04-03 | Ricoh Co Ltd | トナー定着方法及びトナー定着装置並びに画像形成装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8546056B2 (en) | 2011-03-15 | 2013-10-01 | Ricoh Company, Ltd. | Toner and method of manufacturing toner |
US8614043B2 (en) | 2011-11-21 | 2013-12-24 | Ricoh Company, Ltd. | Toner |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5128858B2 (ja) | トナー及びその製造方法 | |
JP5054600B2 (ja) | トナー及びその製造方法、並びに現像剤、現像剤入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置 | |
JP5042889B2 (ja) | トナー及び現像剤、並びにこれを用いた画像形成方法 | |
US8603719B2 (en) | Method for producing electrophotographic toner, electrophotographic toner, full-color image forming method and full-color image forming apparatus | |
JP6132455B2 (ja) | トナー | |
JP4676890B2 (ja) | トナーの製造方法及びトナー | |
JP4989374B2 (ja) | トナー及びその製造方法、並びに現像剤、現像剤入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置 | |
JP2006085094A (ja) | トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法 | |
JP2010122667A (ja) | トナー、トナーの製造方法、現像剤、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP2008090256A (ja) | 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ | |
JP5552927B2 (ja) | トナー、現像剤、現像剤入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法、画像形成装置 | |
JP5511315B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、その製造方法、現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 | |
JP2010191229A (ja) | トナー、現像剤、画像形成装置およびプロセスカートリッジ | |
JP4180457B2 (ja) | トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP2010061071A (ja) | トナー、並びにこれを用いた現像剤、及び画像形成方法 | |
JP5434133B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP2008262166A (ja) | トナー、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP4365151B2 (ja) | トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP5541343B2 (ja) | トナー | |
JP2012141543A (ja) | トナー及び現像剤並びにこれを用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP4749964B2 (ja) | トナーの原料油滴の粘度評価方法 | |
JP4445418B2 (ja) | 画像形成用トナーの製造方法 | |
JP5014027B2 (ja) | トナー及びその製造方法 | |
JP4401914B2 (ja) | トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法 | |
JP5412835B2 (ja) | トナーの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110803 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121225 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130225 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130611 |