JP2010058548A - 車両用暗視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】暗視映像が必要な場合には自動で表示機能を起動可能な車両用暗視装置を提供することを課題とする。
【解決手段】車両用暗視装置1であって、自車両の周辺を撮像する撮像手段11と、撮像手段11で撮像した暗視映像を表示するための表示手段20と、自車両の運転環境を検出する運転環境検出手段15,31と、運転者の運転操作を検出する運転操作検出手段13,32とを備え、運転環境検出手段15,31で検出した運転環境の変化と運転操作検出手段13,32で検出した運転操作に基づいて撮像手段11で撮像した暗視映像を表示手段20で表示する暗視映像表示機能を起動することを特徴とし、特に、運転操作が暗視映像の必要性の低い道路から必要性の高い道路へ入るための運転操作の場合に暗視映像表示機能を起動する。
【選択図】図1
【解決手段】車両用暗視装置1であって、自車両の周辺を撮像する撮像手段11と、撮像手段11で撮像した暗視映像を表示するための表示手段20と、自車両の運転環境を検出する運転環境検出手段15,31と、運転者の運転操作を検出する運転操作検出手段13,32とを備え、運転環境検出手段15,31で検出した運転環境の変化と運転操作検出手段13,32で検出した運転操作に基づいて撮像手段11で撮像した暗視映像を表示手段20で表示する暗視映像表示機能を起動することを特徴とし、特に、運転操作が暗視映像の必要性の低い道路から必要性の高い道路へ入るための運転操作の場合に暗視映像表示機能を起動する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用暗視装置に関する。
夜間などの肉眼で見え難い状況における運転者の周辺状況確認を支援するために、車両搭載用の暗視機能を備えたナイトビューシステムが開発されている。ナイトビューシステムでは、近赤外線カメラで自車両の前方を撮像し、その近赤外線映像をモニタなどに表示する。ナイトビューシステムでは、運転者の表示意志を明確にするために、通常、運転者のスイッチ操作によって起動し、近赤外線映像を表示する。特許文献1の記載の装置では、装置作動中に、走行環境(周囲の照度、走行場所など)に基づいて赤外線投光器による赤外線の投光/停止あるいは赤外線の光量を増加/減少を自動で行う。
特開2005−50139号公報
特開2007−89094号公報
夜間でも、照明設備で明るい道路(幹線道路など)ではナイトビューシステムによる暗視映像を必要としないので、ナイトビューシステムが運転者によって起動されていない場合が多い。一方、照明設備が少ないあるいは全く無いような暗い道路(生活道路など)では、暗視映像が必要となる。しかし、ナイトビューシステムが起動されていない場合にこのような暗視映像の必要となる道路に入る場面で、その道路に入るための右左折操作などで運転者の運転負荷が高い状況のときがある。このような運転負荷が高い状況のときに他の操作を行うのは煩雑であるので、ナイトビューシステムを起動するためのスイッチ操作を即時にできない。そのため、暗視映像が必要な状況になったにもかかわらず、即時に暗視映像で周辺状況を確認できない。また、上記した装置では、赤外線投光器の投光/停止は運転者による操作無しで行うことはできるが、システム自体の起動/停止は運転者による操作が必要である。
そこで、本発明は、暗視映像が必要な場合には自動で表示機能を起動可能な車両用暗視装置を提供することを課題とする。
本発明に係る車両用暗視装置は、自車両の周辺を撮像する撮像手段と、撮像手段で撮像した暗視映像を表示するための表示手段と、自車両の運転環境を検出する運転環境検出手段と、運転者の運転操作を検出する運転操作検出手段とを備え、運転環境検出手段で検出した運転環境の変化と運転操作検出手段で検出した運転操作に基づいて撮像手段で撮像した暗視映像を表示手段で表示する暗視映像表示機能を起動することを特徴とする。
この車両用暗視装置では、運転環境検出手段により自車両の運転環境(例えば、夜間に暗い道路、明るい道路)を検出するとともに、運転操作検出手段により運転者による運転操作を検出する。そして、車両用暗視装置では、運転環境が暗視映像が必要な環境に変化した場合には所定の運転操作に応じて暗視映像表示機能を起動し、撮像手段によって撮像した自車両の周辺の暗視映像を表示手段で表示する。このように、車両用暗視装置では、暗視映像が必要な運転環境に変化したときには、暗視映像表示機能を起動するための運転負荷なく、通常の運転操作に応じて自動で暗視映像表示機能を起動できる。
本発明の上記車両用暗視装置では、運転操作検出手段で検出した運転操作が運転環境検出手段で検出した暗視映像の必要性の低い道路から必要性の高い道路へ入るための運転操作の場合に暗視映像表示機能を起動すると好適である。
この車両用暗視装置では、運転環境が暗視映像が必要性の低い道路から必要性の高い道路に変化した場合にはその必要性の高い道路へ入るための運転操作(例えば、操舵操作)に応じて暗視映像表示機能を起動する。暗視映像の必要性の低い道路としては、例えば、夜間でも明るい道路(幹線道路、繁華街など)である。暗視映像の必要性の高い道路としては、例えば、夜間には暗い道路(生活道路、山間道路、農道など)である。
本発明の上記車両用暗視装置では、暗視映像の必要性の低い道路から必要性の高い道路へ入るための運転操作は、暗視映像の必要性の低い道路から必要性の高い道路に曲がるための操舵操作であると好適である。
この車両用暗視装置では、暗視映像の必要性の低い道路から高い道路へ運転環境が変化したときに、運転者による暗視映像表示機能を起動するための運転負荷なく、右折や左折するための通常の操舵操作に応じて自動で暗視映像表示機能を起動できる。この際、運転者は右折又は左折するために運転負荷が高いが、運転者が暗視映像を確認したいタイミングで、暗視映像を確認できる。
本発明は、暗視映像が必要な運転環境に変化した場合には通常の運転操作に応じて自動で暗視映像表示機能を起動できる。
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用暗視装置の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、本発明に係る車両用暗視装置を、車両に搭載されるナイトビューシステムに適用する。本実施の形態に係るナイトビューシステムは、運転者の周辺状況確認を支援するために、近赤外線カメラによる近赤外線映像(暗視映像)をモニタに表示する。本実施の形態に係るナイトビューシステムには、運転者による近赤外線映像の表示に対する意志を示すシステムスイッチが設けられる。このシステムスイッチには、システムを停止する非表示モード(OFF)、近赤外線映像を常時表示する常時表示モード、システム側で近赤外線映像の表示を判断する自動表示モードがある。なお、ナイトビューシステムは、カメラで撮像した近赤外線映像をそのまま表示するだけでなく、歩行者などの障害物を検知し、その障害物情報も近赤外線映像上に表示するものでもよい。また、ナイトビューシステムでは自車両の前方の近赤外線映像を表示するが、後方、側方などの他の方向の近赤外映像を表示するものでもよい。
図1を参照して、本実施の形態に係るナイトビューシステム1について説明する。図1は、本実施の形態に係るナイトビューシステムの構成図である。
ナイトビューシステム1は、運転者によってシステムスイッチで自動表示モードが選択されている場合、運転環境が近赤外線映像が必要な環境に変化するか否かを判断し、必要な運転環境に変化すると判断した場合には運転者が行う所定の運転操作に応じて近赤外線映像の表示機能を起動する。そのために、ナイトビューシステム1は、近赤外線投光器10、近赤外線カメラ11、運転操作検知部12、操舵角センサ13、コンライト装置14、ナビゲーションシステム15、車車間通信装置16、モニタ装置20及びECU[Electronic Control Unit]30を備えており、ECU30に運転場面判断部31、運転負荷判断部32、起動判断部33、表示制御部34が構成される。
なお、本実施の形態では、近赤外線カメラ11が特許請求の範囲に記載する撮像手段に相当し、モニタ装置20が特許請求の範囲に記載する表示手段に相当し、ナビゲーションシステム15及び運転場面判断部31が特許請求の範囲に記載する運転環境検出手段に相当し、操舵角センサ13及び運転負荷判断部32が特許請求の範囲に記載する運転操作検出手段に相当する。
近赤外線投光器10は、車両の前端に配置され、車両前方に向けて取り付けられる。近赤外線投光器10は、車両の前方に近赤外線を照射する。近赤外線投光器10は、システムスイッチで常時表示モードの場合又は自動表示モードのときにECU30で表示機能をONした場合に近赤外線を照射し、それ以外の場合に停止する。
近赤外線カメラ11は、車両の前側(例えば、ルームミラーの裏側)に配置され、車両前方に向けて取り付けられる。近赤外線カメラ11は、近赤外線(近赤外線投光器10からの近赤外線の反射光など)を取り込み、その近赤外線の強弱に応じた濃淡によって近赤外線映像を生成する。この近赤外線映像は、一定時間(例えば、1/30秒)毎のフレームの近赤外線画像からなる。近赤外線カメラ11では、一定時間毎に、各フレームの近赤外線画像情報を画像信号としてECU30に送信する。近赤外線カメラ11は、システムスイッチで常時表示モードの場合又は自動表示モードのときにECU30で表示機能をONした場合に撮像し、それ以外の場合に停止する。
運転操作検知部12は、運転者がどのような操作を行ったかを検知して判断する。判断対象の操作は、運転者が行うことができる各種操作であり、例えば、操舵操作、アクセル操作、ブレーキ操作、シフト操作、ウィンカ操作、ワイパ操作、照明類操作、ウィンドウ操作、ナビ操作、オーディオ操作がある。運転操作検知部12は、これら各種操作を検知するための各種センサや各種操作が入力される各種スイッチで操作を検知し、これらの各種センサや各種スイッチからの信号に基づいて運転者がどのような操作を行ったかを判断する。そして、運転操作検知部12では、その判断結果を運転操作信号としてECU30に送信する。
操舵角センサ13は、運転者がステアリングホイールから入力した操舵角を検出するセンサである。操舵角センサ13では、一定時間毎に、操舵角を検出し、その操舵角を示す操舵角信号をECU30に送信する。
コンライト装置14は、自車両周辺の照度に応じてヘッドライトなどを自動で点灯/消灯する装置である。特に、コンライト装置14では、一定時間毎に、照度センサで検出した自車両周辺の照度をコンライト信号としてECU30に送信する。なお、コンライト装置が装備されていない場合、照度センサを設け、照度センサから照度を取得する。
ナビゲーションシステム15は、自車両の現在位置や走行方向の検出及び目的地までの経路案内などを行うシステムである。特に、ナビゲーションシステム15では、現在位置を検出する毎に、その現在位置情報及びその現在位置周辺の道路情報をナビ信号としてECU30に送信する。道路情報としては、例えば、道路幅、交差点情報がある。
車車間通信装置16は、自車両周辺の他車両と通信するための無線通信機である。車車間通信装置16では、所定距離以内に存在する車両に対して各種情報を送信するとともに、所定距離以内に存在する車両から各種情報を受信する。特に、車車間通信装置16では、他車両から歩行者の存在確率の情報を受信した場合、その情報を車車間情報信号としてECU30に送信する。この歩行者の存在確率は、走行エリア別と時間帯別の情報であり、PCS[Pre-Crash Safety System]、歩行者検知型ナイトビューシステムなどの歩行者を検知するシステムが搭載されて車両で蓄積された情報である。なお、自車両でも歩行者検知を行っており、歩行者の存在確率を求めている場合には他車両に対して歩行者の存在確率の情報を送信する。
モニタ装置20は、近赤外線映像を表示する表示手段であり、例えば、ナビゲーションシステム15で用いられる液晶モニタ、コンビネーションメータ内に設けられる液晶モニタである。モニタ装置20では、システムスイッチで常時表示モードの場合又は自動表示モードのときにECU30で表示機能をONした場合にECU30から一定時間毎に表示信号を受信し、表示信号に示される各フレームの近赤外線画像(近赤外線映像)を表示し、それ以外の場合に近赤外線映像を表示しない(他の映像を表示する)。
ECU30は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[ReadOnly Memory]、RAM[Random Access Memory]などからなり、ROMに保持されるソフトウエアをCPUで実行することによって運転場面判断部31、運転負荷判断部32、起動判断部33、表示制御部34が構成される。ECU30では、運転操作検知部12、操舵角センサ13、コンライト装置14、ナビゲーションシステム15、車車間通信装置16からの各信号を受信し、各信号を用いて各部31,32,33の各処理を行う。そして、ECU30では、近赤外線映像を表示する場合、近赤外線カメラ11からの画像信号を受信し、表示信号をモニタ装置20に送信する。
ECU30は、システムスイッチがOFFの場合には停止し、常時表示モードの場合には表示制御部34のみが起動し、自動表示モードの場合には運転場面判断部31、運転負荷判断部32、起動判断部33が起動し、自動で表示機能をONしたときは表示制御部34が起動する。
運転場面判断部31は、システムスイッチが自動表示モードの場合に、近赤外線映像の必要性の低い道路から高い道路に入るか否かを判断する。
具体的には、運転場面判断部31では、ナビゲーションシステム15からの現在位置と現在位置周辺の道路情報に基づいて、道路幅W1(m)以上の道路を走行中か否かを判定する。道路幅W1(m)は、道路幅が比較的広く照明設備が整っている道路であり、夜間でも明るい道路(すなわち、近赤外線映像の必要性が低い道路)を判定するための閾値であり、予め設定される。
道路幅W1(m)以上の道路を走行中の場合、運転場面判断部31では、ナビゲーションシステム15からの現在位置と現在位置周辺の道路情報に基づいて、前方に交差点が存在するか否かを判定する。前方に交差点が存在する場合、運転場面判断部31では、ナビゲーションシステム15からの現在位置と現在位置周辺の道路情報に基づいて、その交差点に道路幅W2(m)以下の道路が繋がっているか否かを判定する。道路幅W2(m)は、道路幅が狭く照明設備が整っていない道路であり、夜間には暗くなる道路(近赤外線映像の必要性が高い道路)を判定するための閾値であり、予め設定される。
前方の交差点に道路幅W2(m)以下の道路が繋がっている場合、運転場面判断部31では、運転操作検知部12からのウィンカ情報に基づいて、その道路幅W2(m)以下の道路へ進入するために右折又は左折のためのウィンカ点滅操作が行われたか否かを判定する。右折又は左折のためのウィンカ点滅操作が行われた場合、運転場面判断部31では、近赤外線映像の必要性の低い道路から高い道路に変化すると判断する。
なお、幹線道路などの道路幅W1(m)以上の道路は、道路照明や車両照明によって比較的明るく、運転者が肉眼で歩行者などを十分に確認できるので、近赤外線映像の必要性が低い。さらに、このような道路では、車道と歩道とが区画されているので、車両が歩行者と混在して走行するようなことがない。一方、住宅街の生活道路などの道路幅W2(m)以下の道路は、道路照明が十分でないあるいは全くない場合があり、運転者が肉眼で歩行者などを確認し難い状況もあるので、近赤外線映像の必要性が高い。また、このような道路では、車道と歩道とが区画されていない場合が多く、車両が歩行者と混在して走行するようなことがある。
また、明るい環境から暗い環境に変化した場合、人の目には、最初の見え難い状況から徐々に見えるようになってくる暗順応がある。そのため、暗い道路に入った瞬間から目が暗さに慣れてくるまでが、近赤外線映像の必要性が最も高い。したがって、暗い道路に入ったときには近赤外線映像が表示している必要がある。
運転負荷判断部32は、システムスイッチが自動表示モードの場合に、運転場面判断部31で近赤外線映像の必要性の低い道路から高い道路に変化すると判断したときに運転者の運転負荷が高いか否かを判断する。ここでは、道路幅W1(m)以上の道路から道路幅W2(m)以下の道路に曲がるための操舵操作を運転負荷が高い操作と判断する。
具体的には、運転負荷判断部32では、操舵角センサ13からの操舵角に基づいて、操舵角がα(°)以上になったか否かを判定する。操舵角α(°)は、右折又は左折するために最低限必要な操舵角を判定するための閾値であり、実験などによって予め設定される。操舵角がα(°)以上になった場合、運転負荷判断部32では、運転負荷が高い(ひいては、運転負荷が高いので、道路幅W2(m)以下の道路に入るときに近赤外線映像を表示するための操作ができない)と判断する。
ちなみに、交差点で近赤外線映像の必要性の低い道路から高い道路に右折又は左折して入る場合、運転者は、周辺確認などの多くの判断を要するとともに、操舵操作が必要となる。このような運転負荷が高い状況では、運転者は、右折又は左折が終了するまで他のスイッチ操作を行う余裕がない。したがって、スイッチ操作無しで、近赤外線映像の必要性が高い道路に入ったときには近赤外線映像を自動で表示する必要がある。
起動判断部33は、システムスイッチが自動表示モードの場合に、運転場面判断部31で近赤外線映像の必要性の低い道路から高い道路に変化すると判断し、運転負荷判断部32で運転負荷が高いと判断したときに近赤外線映像を表示する条件を満たしているか否かを判断する。
具体的には、起動判断部33では、コンライト装置14からの照度に基づいて、照度がS(lx)以下か否かを判定する。照度S(lx)は、肉眼で見え難いような暗い状況か否かを判定するための閾値であり、実験などによって予め設定される。
照度がS(lx)以下の場合、起動判断部33では、データベースを参照し、右折又は左折して入る道路幅W2(m)以下の道路における現在の時間帯での歩行者の存在確率を抽出する。ここで、データベースにこの走行エリアの現在の時間帯での歩行者の存在確率が格納されていない場合、道路幅W2(m)以下の道路を現在走行中の他車両から、車車間通信装置16を介して歩行者の存在確率の情報を取得する。そして、起動判断部33では、その抽出した歩行者の存在確率がR(%)以下か否かを判定する。歩行者の存在確率R(%)は、歩行者が少ない道路を判定するための閾値であり、実験などによって予め設定される。歩行者がたまにしかいないほうが、運転者にとっては近赤外線映像の必要性が高い。
照度がS(lx)以下かつ歩行者の存在確率がR(%)以下の場合、起動判断部33では、近赤外線映像を表示する条件を満たしたと判断し、表示機能をONする。そのために、起動判断部33では、近赤外線投光器10と近赤外線カメラ11を起動させるとともに、表示制御部34を起動させる。
なお、車車間通信装置16を介して歩行者の存在確率の情報を取得する毎に、ECU30では、データベースにその歩行者の存在確率の情報を走行エリアと時間帯に対応付けして格納する。
表示制御部34は、システムスイッチが常時表示モードの場合又は自動表示モードで起動判断部33で表示機能がONされた場合に、近赤外線カメラ11で撮像した近赤外線映像をモニタ装置20に表示させる。
具体的には、表示制御部34では、一定時間毎に、近赤外線カメラ11からの各フレームの近赤外線画像を取り入れる。そして、表示制御部34では、その近赤外線画像をモニタ装置20に表示するための形式に変換し、その変換した近赤外線画像情報を表示信号としてモニタ装置20に送信する。なお、障害物(歩行者など)の検知機能がある場合、その検知した障害物の情報を近赤外線画像に付加した画像を生成する。
図1を参照して、ナイトビューシステム1における動作について説明する。ここでは、運転者によってシステムスイッチで自動表示モードが選択されている場合の動作について説明する。特に、ECU30における処理については図2のフローチャートに沿って説明する。図2は、図1のECUにおける自動表示モードでの処理の流れを示すフローチャートである。
運転操作検知部12では、一定時間毎に、運転者による各種操作を検知して判断し、その判断結果を示す運転操作信号をECU30に送信している。操舵角センサ13では、一定時間毎に、操舵角を検出し、その操舵角を示す操舵角信号をECU30に送信している。
コンライト装置14では、一定時間毎に、自車両周辺の照度を示すコンライト信号をECU30に送信している。ナビゲーションシステム15では、一定時間毎に、現在位置及びその現在位置周辺の道路情報を示すナビ信号をECU30に送信している。
車車間通信装置16では、他車両からの信号を受信すると、その信号に歩行者の存在確率情報が含まれている場合にはその歩行者の存在確率情報を示す車車間情報信号をECU30に送信している。車車間情報信号を受信すると、ECU30では、その歩行者の存在確率を走行エリアと時間帯に対応付けてデータベースに格納する。
ECU30では、ナビゲーションシステム15からの現在位置とその現在位置周辺の道路情報を取得する(S1)。そして、ECU30では、現在走行中の道路の道路幅がW1(m)以上か否かを判定する(S2)。S2にて道路幅がW1(m)未満と判定した場合、ECU30では、処理を終了する。
S2にて道路幅がW1(m)以上と判定した場合、ECU30では、運転操作検知部12からの運転操作情報を取得するとともに(S3)、ナビゲーションシステム15からの現在位置とその現在位置周辺の道路情報を取得する(S4)。そして、ECU30では、前方の交差点で道路幅がW2(m)以下の道路に入るためのウィンカ点滅操作が行われた否かを判定する(S5)。S5にて道路幅がW2(m)以下の道路に入るためのウィンカ点滅操作が行われていないと判定した場合、ECU30では、処理を終了する。
S5にて道路幅がW2(m)以下の道路に入るためのウィンカ点滅操作が行われたと判定した場合、ECU30では、操舵角センサ13からの操舵角を取得する(S6)。そして、ECU30では、道路幅がW2(m)以下の道路へ曲がるための操舵操作として操舵角がα(°)以上になったか否かを判定する(S7)。S7にて操舵角がα(°)以上にならなかったと判定した場合、ECU30では、処理を終了する。
S7にて操舵角がα(°)以上になったと判定した場合、ECU30では、コンライト装置14からの照度を取得する(S8)。そして、ECU30では、照度がS(lx)以下か否かを判定する(S9)。S9にて照度がS(lx)より高いと判定した場合、ECU30では、処理を終了する。
S9にて照度がS(lx)以下と判定した場合、ECU30では、データベースから道路幅W2(m)以下の道路(すなわち、現在位置周辺)における現在の時間帯での歩行者の存在確率を抽出する(S10)。そして、ECU30では、その抽出した歩行者の存在確率がR(%)以下か否かを判定する(S11)。S11にて歩行者の存在確率がR(%)より大きいと判定した場合、ECU30では、処理を終了する。
S11にて歩行者の存在確率がR(%)以下と判定した場合、ECU30では、ナイトビューシステム1における表示機能をONし、近赤外線投光器10と近赤外線カメラ11を起動する(S12)。近赤外線投光器10では、自車両の前方に近赤外線を照射する。近赤外線カメラ11では、近赤外線によって自車両の前方を撮像し、一定時間毎に各フレームの近赤外線画像情報を示す画像信号をECU30に送信する。一定時間毎に画像信号を受信すると、ECU30では、その撮像された各フレームの近赤外線画像を表示用に変換し、表示信号をモニタ装置20に送信する(S13)。一定時間毎に表示信号を受信すると、モニタ装置20では、表示信号の近赤外線画像(近赤外線映像)を表示する。
これによって、辺りが暗くなっている場合に自車両が歩行者が少ない生活道路などに右折又は左折して進入したときに、運転者がスイッチ操作することなく、モニタ装置20には自動で近赤外線映像が表示される。したがって、暗い道路に進入したときには、運転者は、近赤外線映像によって周辺状況を確認することができる。
このナイトビューシステム1によれば、近赤外線映像(暗視映像)の必要性の低い道路から高い道路へ運転環境が変化したときに、運転者による表示機能を起動するための運転負荷なく、右折又は左折するための通常の操舵操作に応じて自動で表示機能を起動できる。この際、運転者は右折又は左折するために運転負荷が高いが、運転者が近赤外線映像を確認したいタイミングで(近赤外線映像の必要性の高い道路へ入るとき)、近赤外線映像を確認できる。ちなみに、運転者が手動で表示機能を起動する場合、操舵操作が終了してからになるので、タイミングが遅れ、近赤外線映像を確認したいときに確認できない。
このように自動で表示機能を起動できることにより、近赤外線映像を最適なタイミングで表示でき、近赤外線映像を見れる時間も長くなり、歩行者などの周辺状況を十分に認知できる。また、運転者は、運転操作や周辺確認に集中できる。そのため、安全性が向上し、事故の低減効果が得られる。
また、ナイトビューシステム1によれば、自動表示モードにおいて近赤外線映像が必要な場面でしか近赤外線映像を表示させないので、消費電力を低減できる。さらに、ナイトビューシステム1によれば、歩行者が少ない道路しか近赤外線映像を表示させないので、消費電力を低減できる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では自動起動機能を備えるナイトビューシステムに適用したが、ナイトビュー装置とは別体で自動起動装置が構成され、自動起動装置が自動起動の条件が成立した場合にナイトビュー装置を起動する構成としてもよい。
また、本実施の形態では近赤外線によって暗視映像を撮像したが、他の方法で暗視映像を撮像してもよい。
また、本実施の形態では近赤外線映像の必要性の低い道路から高い道路に曲がるための操舵操作を行ったことを条件として表示機能を自動的に起動する構成としたが、他の様々な運転環境の変化と運転操作を条件として表示機能を自動的に起動してもよく、例えば、地下駐車場などの暗い駐車場に入る際にウィンドウを開く操作を行うことを条件、大型の車両が広い道路から細い道路(車幅より少し広い程度)に入るための運転操作を行うことを条件、細い道路を走行中に前方から大型の車両が来た場合にその大型の車両を回避するための運転操作を行うことを条件、悪天候(雨、嵐、濃霧など)の際に行う各種運転操作を行うことを条件がある。
また、本実施の形態では運転環境をナビゲーションシステムからの情報で検出する構成としたが、路車間通信などの他の手法によって得た情報で検出してもよい。
また、本実施の形態では道路幅で近赤外線映像の必要性の高い道路かあるいは低い道路かを判定する構成としたが、道路種別などの他の情報を用いて判定する構成としてもよい。
また、本実施の形態では操舵角センサで検出した操舵角で運転負荷を判断する構成としたが、運転操作検知部での他の操作も用いて運転負荷を判断してもよい。
また、本実施の形態では歩行者の存在確率が低いことも条件として表示機能を自動的に起動する構成としたが、歩行者の存在確率を条件としてなくもよい。
1…ナイトビューシステム、10…近赤外線投光器、11…近赤外線カメラ、12…運転操作検知部、13…操舵角センサ、14…コンライト装置、15…ナビゲーションシステム、16…車車間通信装置、20…モニタ装置、30…ECU、31…運転場面判断部、32…運転負荷判断部、33…起動判断部、34…表示制御部
Claims (3)
- 自車両の周辺を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した暗視映像を表示するための表示手段と、
自車両の運転環境を検出する運転環境検出手段と、
運転者の運転操作を検出する運転操作検出手段と
を備え、
前記運転環境検出手段で検出した運転環境の変化と前記運転操作検出手段で検出した運転操作に基づいて前記撮像手段で撮像した暗視映像を前記表示手段で表示する暗視映像表示機能を起動することを特徴とする車両用暗視装置。 - 前記運転操作検出手段で検出した運転操作が前記運転環境検出手段で検出した暗視映像の必要性の低い道路から必要性の高い道路へ入るための運転操作の場合に暗視映像表示機能を起動することを特徴とする請求項1に記載する車両用暗視装置。
- 暗視映像の必要性の低い道路から必要性の高い道路へ入るための運転操作は、暗視映像の必要性の低い道路から必要性の高い道路に曲がるための操舵操作であることを特徴とする請求項2に記載する車両用暗視装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102632841A (zh) * | 2012-03-27 | 2012-08-15 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 一种汽车夜视***及其控制方法 |
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2008
- 2008-09-01 JP JP2008223653A patent/JP2010058548A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102632841A (zh) * | 2012-03-27 | 2012-08-15 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 一种汽车夜视***及其控制方法 |
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