JP2010058504A - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」を同時に解決可能なマルチパス記録方法を提供する。
【解決手段】マルチパス記録を行う際に分割される複数のノズルブロックの第1ブロックとこれに隣接する第2ブロックの個々のノズルについて予め定められた記録比率が、以下の条件を満足するようにマルチパス記録を行う。(i)ブロック間の境界部の記録比率は、第1ブロックの非境界部の記録比率と第2ブロックの非境界部の記録比率の間の値を示す。(ii)各ブロックの非境界部の記録比率は、それぞれ、ノズル配列方向にほぼ一定にする。これにより、複数のノズルブロックの記録比率がブロック単位で調整され、隣接するノズルブロック間の境界において記録比率が極端に変化せず、且つ、個々のノズルブロック内での記録比率がほぼ一定になる。よって、「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」を同時に抑制することができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、記録ヘッドの記録を伴う移動(記録走査)と記録媒体の搬送動作を繰り返すことにより記録媒体に段階的に画像を形成する、シリアル型の記録装置に関する。
シリアル型のインクジェット記録装置では、各記録走査間の境界部分に現れるつなぎすじや、個々のノズルにおけるインク吐出特性のばらつきが原因で生じる濃度むらを低減するために、マルチパス記録方法が一般に採用されている。このようなマルチパス記録では、そのマルチパス数(単位領域を記録するのに要する記録走査数)を多くするほど、一様性に優れた画像を出力可能である一方、スループットの低下が招致されることも知られている。そのため、なるべく少ないマルチパス数で高画質な画像を出力するための記録方法が要求されている。
スループットを向上させるための1つの方法として、双方向マルチパス記録の採用が挙げられる。双方向マルチパス記録では、記録ヘッドを搭載したキャリッジの往路と復路の両方で記録動作を実行する。これによって、同じマルチパス数であっても片方向記録に比べて記録走査の回数を約半分に抑えることが出来、記録動作に関わる時間を大幅に低減することが出来る。但し、双方向マルチパス記録を行うと、画像の濃度、色相あるいは光沢度などが記録媒体の搬送量に対応したピッチで変動するような、新たなバンド間のむらが発生することも確認されている。以下、このような、双方向マルチパス記録を行った際に新たに現れるバンド間のむらを、本明細書では「バンド間むら」と称することとする。
図1(a)および(b)は、上記バンド間むらの発生原因と現象を具体的に説明するための模式図である。図1(a)は、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)およびブラックインク(K)をそれぞれ吐出する4列のノズル群を図のように備えた記録ヘッド1000を用い、4パスのマルチパス双方向記録を行う場合を示している。記録ヘッド1000は、X方向において、往路方向の記録走査と復路方向の記録走査を交互に行いつつ、各記録走査の間には記録媒体に対しY方向に単位領域の幅に応じた量ずつ移動して行く。
ここで、まず、単位領域幅を有する第1のバンドの左端部に注目する。このとき当該領域には、最初の記録走査でC→M→Y→Kの順でインクが付与された後、記録ヘッドの略一往復走査に相当する比較的長い時間の後に、K→Y→M→Cの順でインクが付与される。これに対し、第1のバンドに隣接する第2のバンドの左端部では、K→Y→M→Cの順にインクが付与された後、記録ヘッドの略反転動作のみに相当する比較的短い時間の後にC→M→Y→Kの順にインクが付与される。以後、第2のバンドに隣接する第3のバンド以降の奇数バンドでは第1のバンドと同じ条件で、第3のバンドに隣接する第4のバンド以降の偶数バンドでは第2のバンドと同じ条件で、それぞれインクの付与動作が行われる。すなわち、記録媒体に対するカラーインクの付与の順番や、インクの付与タイミングの間隔が異なる2種類のバンドが、Y方向に交互に配置されることになる。そして、このようなカラーインクの付与順序やインクを付与する間隔は、記録媒体に形成される画像の濃度や色相、あるいは光沢度に少なからず影響を与える。結果、付与順序やタイミングの条件が異なる単位領域が図1(b)に示すようにバンド単位で交互に配置する画像では、「バンド間むら」が認識されるようになる。
このような「バンド間むら」を含む様々な画像弊害をマルチパス記録で低減するためには、記録ヘッドに配列される個々のノズルの記録許容比率を調整することが有効である。例えば、特許文献1や特許文献2では、個々のノズルの記録許容比率に所定の偏りを持たせるように工夫されたマスクパターンを使用することにより、少ないマルチパス数でも「つなぎすじ」や濃度むらを目立たなくさせる仕組みが具体的に説明されている。
また、上記特許文献に限らず、マルチパス記録において、上述の記録許容比率をそれぞれの記録走査でコントロールする手段を有することは、画像の一様性を維持する上で有効である。記録媒体の種類やインクの種類など様々な条件に伴って「バンド間むら」等の現れ方は変化するが、上述の記録許容比率を上記様々な条件に応じて各記録走査で調整出来れば、画像の一様性を維持するように作用させることが出来るからである。
特開2000−108322号公報 特開2002−096455号公報
しかしながら、「バンド間むら」を抑制するように上述の記録許容比率を調整した場合には、「つなぎすじ」が現れたり、個々のバンド内に新たなむらが現れたりして、好適な画像を得ることが出来ない場合がある。例えば、記録媒体の単位領域に対する記録許容比率を夫々の記録走査で異ならせるためには、記録ヘッドに配列される複数のノズルを単位領域の幅に対応するブロックに分割し、個々のノズルブロックが異なる記録許容比率を有するように設定することが要される。しかしこの場合、隣接するノズルブロックの記録許容比率に大きな差が存在すると、これらノズルブロックの境界部のノズルによって記録された部分が、つなぎすじとなって目立ってしまう場合があった。
これに対し、特許文献2に開示されているように、各ノズルブロックの中で個々のノズルの記録許容比率を徐々に変化させ、隣接するノズルブロックの境界での記録許容比率の変化を極端にしなければ、上記つなぎすじを目立たなくすることは出来る。しかし、個々のノズルブロックの中で各ノズルの記録許容比率をほぼ一定にしない場合、新たに単位領域内で濃度むらや色むらあるいは光沢むらが招致される場合がある。以下、本明細書において、このように1つのノズルブロックに含まれる個々のノズルの記録許容比率をほぼ一定にしないことによって発生する単位領域内でのむらを「バンド内むら」と称することとする。
すなわち、従来の双方向マルチパス記録においては、「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」を同時に解決することは出来なかった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。よってその目的とするところは、「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」を同時に解決可能な記録方法および当該記録方法を実施可能なインクジェット記録装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の第1の形態は、記録に使用可能な複数のノズルが配列された記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドを前記複数のノズルが配列された方向とは異なる移動方向に移動させる移動手段と、前記記録ヘッドの移動と移動の間に、前記移動方向と交差する搬送方向へ、前記複数のノズルが分割されてなる複数のノズルブロックの1つの幅に対応した量だけ、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記複数のノズルブロックのノズル毎に予め定められた記録許容比率に従って前記記録ヘッドの移動中に前記記録ヘッドに記録を実行させる制御手段とを有し、前記記録許容比率は、前記記録ヘッドの1回の移動でノズルが通過する領域内の複数の画素のうち前記1回の移動で前記ノズルによって記録可能な画素の割合であり、(i)前記複数のノズルブロックは、第1のノズルブロックと該第1のノズルブロックに隣接する第2のノズルブロックとを含み、(ii)前記第1のノズルブロックと前記第2のノズルブロックの境界部以外の非境界部のそれぞれの記録許容比率は、互いに異なる、ほぼ一定の値に定められ、(iii)前記境界部の記録許容比率は、前記第1および第2のノズルブロックの前記非境界部それぞれの記録許容比率の間の範囲で段階的あるいは連続的に変化するように定められていることを特徴とする。
本発明によれば、隣接するノズルブロック間の境界において記録許容比率が極端に変化せず、且つ、個々のノズルブロック内での記録許容比率がほぼ一定である、という条件を満足する。これにより、「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」を同時に低減することができる。
(a)および(b)は、バンド間むらの発生原因と現象を具体的に説明するための模式図である。 本発明に適用可能な記録システムにおけるホスト装置100と記録装置104の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態で採用する記録装置104の概略構成を説明するための斜視図である。 本発明の実施形態で使用する記録ヘッドのノズル配置状態を説明するための模式図である。 本発明の実施形態で使用する記録システムにおいて、ホスト装置および記録装置が実行する画像処理の流れを説明するためのブロック図である。 マルチパス記録の構成を簡単に説明するための模式図である。 2パスのマルチパス記録におけるマスクパターンの具体的な例を説明するための模式図である。 どのノズルブロックにおいても記録比率が25%であるマスクパターン(フラットマスク)の例を示す図である。 「バンド間むら」が現れないように、複数のノズルブロックの記録比率をブロック単位で調整した結果得られるマスクパターン(階段マスク)の例を示す図である。 「バンド間むら」および「つなぎすじ」の双方を抑えるように、個々のノズルに対する記録比率を調整した結果得られるマスクパターン(グラデーションマスク)を示す図である。 「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」の全てを低減するために作成されたマスクパターンである。 図2〜図5で説明したインクジェット記録システムを用い、図8〜図11のマスクパターンで4パスのマルチパス記録をそれぞれ行った時の、画像品位を比較した結果を示す図である。 実施形態1のマスクパターンを用いてマット紙に4パスのマルチパス記録を行った際の、「バンド内むら」と「つなぎすじ」の状態を、境界部の幅を3段階に振った場合について検証した結果を示す図である。 実施形態2で使用するマスクパターンの記録比率の分布を示す図である。 実施形態3で使用するマスクパターンの記録比率の分布を示す図である。 実施形態4で使用するマスクパターンの記録比率の分布を示す図である。 実施形態5で使用するマスクパターンの記録比率の分布を示す図である。 実施形態6で使用するマスクパターンの記録比率の分布を示す図である。 実施形態7で使用するマスクパターンの記録比率の分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図2は、本発明に適用可能な記録システムを構成するホスト装置100と記録装置104の構成を示すブロック図である。
CPU108は、ハードディスク(HD)107やROM110に格納された各種プログラムに従い、オペレーティングシステム102を介して、アプリケーション101、プリンタドライバ103、モニタドライバ105の各ソフトウェアを動作させる。この際、RAM109は、各種処理を実行する際のワークエリアとして使用される。モニタドライバ105は、モニタ106に表示する画像データを作成するなどの処理を実行するためのソフトウェアである。プリンタドライバ103は、アプリケーションソフトウェア101からOS102へ受け渡される画像データを、記録装置104が受信可能な多値または2
値の画像データに変換し、その後記録装置104に送信するためのソフトウェアである。
記録装置104には、コントローラ200、記録ヘッド1000、ヘッド駆動回路202、キャリッジ4000、キャリッジモータ204、搬送ローラ205、搬送モータ206等が設けられている。ヘッド駆動回路202は記録ヘッド1000の駆動を行うための回路で、ヘッド駆動回路202によって記録ヘッド1000が駆動されてインクが吐出される。キャリッジモータ204は、記録ヘッド100を搭載するためのキャリッジ4000を往復移動させるためのモータである。搬送モータ206は、記録媒体を搬送するための搬送ローラ205を搬送するためのモータである。装置全体を制御するためのコントローラ200には、マイクロプロセッサ形態のCPU210、制御プログラムが収納されているROM211、CPUが画像データの処理等を行う際に使用するRAM212等が設けられている。ROM211には、後述する図11、図15等で示されるマスクパターンやマルチパス記録を制御するための制御プログラム等が格納されている。コントローラ200は、例えば、マルチパス記録を実行するために、ヘッド駆動回路202、キャリッジモータ204、搬送モータ206を制御する他、マルチパス記録の各走査に対応した画像データを生成する。詳しくは、コントローラ200は、制御プログラムに従ってROM211からマスクパターンを読み出し、読み出したマスクパターンを用いて、単位領域に対応する画像データをマルチパス記録の各走査に対応したノズルブロックで記録すべき画像データに分割する。更に、コントローラ200は、この分割画像データに従って記録ヘッド1000からインクが吐出されるようにヘッド駆動回路202を制御する。
図3は、本実施形態で採用する記録装置104の概略構成を説明するための斜視図である。移動手段となるキャリッジ4000は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)のインクをそれぞれ吐出する4つのノズル群を備えた記録ヘッド1000を搭載し、図のX方向(第2の方向)に移動可能になっている。コントローラ等からなる不図示の制御手段は、ホスト装置より受信した画像データに従って、キャリッジ4000によるX方向への移動中に、記録ヘッド1000にインク吐出動作を実行させる。このような記録ヘッド1000による1回分の記録走査が終了すると、マルチパス記録のパス数に応じた量だけ、記録媒体は、搬送ローラ等からなる不図示の搬送手段により、X方向とは交差するY方向に搬送される。この後、X方向(ヘッド移動方向)へのヘッド移動に伴う記録とY方向の搬送を繰り返すことにより、記録媒体に順次画像が形成されていく。
図4は、本実施形態で使用する記録ヘッド1000のノズル配置状態を説明するための模式図である。本実施形態の記録ヘッド1000は、第1から第4の4種類のインクそれぞれを吐出する4つのノズル群1001がX方向(ヘッドの移動方向)に並列して備えられている。本実施形態において、第1のインクはシアン(C)、第2のインクはマゼンタ(M)、第3のインクはイエロー(Y)および第4のインクはブラック(K)となっている。各色のノズル群1001は、それぞれ、第1の方向に配列された1280個のノズルを有している。詳しくは、各色のノズル群1001は、640個のノズルが600dpiのピッチで第1の方向(ここではY方向)に配列するノズル列を2つ有し、これら2つのノズル列は第1の方向に半ピッチずれて配置されている。すなわち、記録ヘッド1000がX方向に移動しながら個々のノズルからインク吐出動作を行うことにより、Y方向に1200dpi(ドット/インチ)の解像度を有する画像を記録することが出来る。このように本実施形態では、同色インクを吐出するための複数のノズルからなるノズル群をインク色に対応させて複数備えた記録ヘッドを用いているが、後述するように本発明はこの形態に限れられるものではない。
なお、本実施形態では簡単のため、同色インクを吐出する複数のノズルの配列方向(第1の方向)が記録媒体の搬送方向(Y方向)に一致する形態で説明した。しかし、本発明においてノズル配列方向(第1の方向)と搬送方向(Y方向)は必ずしも一致していなくてよい。ノズルの配列方向(第1の方向)がY方向に対して多少の傾きを持っていても、以下に説明する本発明の効果は変わりなく得ることが出来る。
図5は、以上説明した記録システムにおいて、ホスト装置100および記録装置104が実行する画像処理の流れを説明するためのブロック図である。
ホスト装置100において、ユーザはアプリケーション101を利用して記録装置104で記録する画像データを作成することができる。記録を行う際、アプリケーション101で作成された画像データはプリンタドライバ103に転送される。
プリンタドライバ103は、その処理として、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、2値化処理J0005、および印刷データ作成処理J0006をそれぞれ実行する。
前段処理J0002では、図2を参照するに、アプリケーション101がモニタドライバ105を介してモニタ106に表示する画像の色域を、記録装置104の色域に変換する色域変換を行う。具体的には、8ビットで表現された画像データR、G、Bを、ROM110に格納されている3次元LUTを参照することにより、記録装置104の色域内の8ビットデータR、G、Bに変換する。
次いで、後段処理J0003では、変換後のR、G、Bが記録装置104に搭載された記録ヘッド1000が吐出する4色のインク色C、M、Y、Kで表現されるように、信号値変換を行う。具体的には、前段処理J0002にて得られた8ビットデータR、G、Bを、ROM110に格納されている3次元LUTを参照することにより、C、M、Y、Kの8ビットデータに変換する。
続くγ補正J0004では、後段処理J0003で得られたCMYKのデータについてγ補正を行う。具体的には、色分解で得られた8ビットデータCMYKが記録装置の階調特性に線形的に対応づけられるような1次変換を行う。
2値化処理J0005では、γ補正がなされた8ビットデータC、M、Y、Kを、所定の量子化処理法を採用して、1ビットデータC、M、Y、Kに変換する。2値化後の画像データは、記録装置104の記録解像度に対応した個々の画素に対し、ドットを記録するかドットを記録しないかが、1ビット情報として定められている。
印刷データ作成処理J0006では、上記2値化処理J0005で生成された4色1ビットデータに、記録媒体情報、記録品位情報および給紙方法等のような記録動作に関わる制御情報を付して、印刷データを作成する。以上のようにして生成された印刷データは、ホスト装置100から記録装置104へ供給される。
記録装置104は、入力されてきた印刷データに含まれる2値の画像データに対し、予め用意されたマスクパターンを用いてマスク処理J0008を行う。ここで、マスクパターンとは、記録ヘッドの1回の移動でノズルが通過する領域を構成する複数の画素夫々に対して記録の許容あるいは非許容を定めたパターンである。そして、このマスクパターンによって、記録ヘッドの1回の移動で各ノズルによって記録可能な画素の割合(記録許容比率)が定められる。よって、マスクパターンに従って記録を行うということは、各ノズルについて予め定められた記録許容比率に従って記録を行うことを意味する。
マスク処理J0008では、予め記録装置104のメモリに格納されている所定のマスクパターンを用い、2値の画像データをマルチパス記録の各走査に対応した複数のノズルブロック夫々で記録すべき画像データに分割する。具体的には、記録ヘッドの一回の走査で個々のノズルが通過する領域内の各画素に対し記録の許容あるいは非許容が定められたマスクパターンと、ホスト装置100より入力された2値の画像データとで論理積演算を行う。その結果、記録ヘッドが1回の記録走査で実際に記録すべき2値の画像データが生成される。その後、生成された2値の画像データはヘッド駆動回路J0009に送られる。そして、記録ヘッド1000の個々のノズルは、上記2値の画像データに従って所定のタイミングで記録動作を実行する。
以上のような記録動作に至るまでの画像処理工程において、本実施形態では、マスク処理J0008で使用するマスクパターンに特徴を持たせ、個々のノズルの記録許容比率を調整する。これにより、ノズル毎に画像データとは無関係に予め定められた記録許容比率と、上記画像データに従って、マルチパス記録を行うことができる。ここで、「(単一の)ノズルの記録許容比率」とは、記録ヘッドの1回の移動(走査)において(単一の)ノズルが通過する領域を構成する複数の画素(画素群)のうち、記録ヘッドの1回の移動によって(単一の)ノズルによって記録可能な画素の割合である。
図6は、マルチパス記録の構成を簡単に説明するための模式図である。本実施形態の記録装置は、シリアル型のインクジェット記録装置であり、記録ヘッド1000をX方向に移動させながら2値の画像データに基づいてインクを吐出する記録走査と、Y方向に記録媒体を搬送する搬送動作とを交互に実行し、段階的に画像を形成する。ここでは2パスのマルチパス記録を行う場合を例に説明する。
2パスのマルチパス記録を行う場合、記録ヘッド1000の各色ノズル群は、それぞれ、ノズル並び方向に(本例ではY方向)に、640個のノズルを有する第1のノズルブロックと640個のノズルを有する第2のノズルブロックに分割される。各記録走査において、個々のノズルブロックは、2値の画像データの記録を、ノズルブロックそれぞれに対応づけられたマスクパターンに従って行う。以下、図6を用いて、シアンを例に説明する。なお、以下では、「ノズルブロック」のことを単に「ブロック」と称する場合もある。
シアンの第1ノズルブロックにはマスクパターンC1、シアンの第2ノズルブロックにはマスクパターンC2がそれぞれ対応付けられている。第1走査において、記録媒体の単位領域Aには、マスクパターンC1に従った記録がシアンの第1ノズルブロックによって行われる。単位領域Aの幅に相当する量の記録媒体の搬送が行われた後、続く第2走査では、マスクパターンC2に従った記録がシアンの第2ノズルブロックによって行われる。この2つの記録走査によって単位領域Aには、マスクパターンC1とC2の和がシアンインクによって記録される。このとき、マスクパターンC1とC2は互いに補完関係を有しており、シアンの2値データの全ては、第1ノズルブロックか第2ノズルブロックのいずれかによって2回の記録走査で記録される。このように、2値の画像データを2つのノズルブロックに分割するために、個々の画素に対応する画像データの記録の許容あるいは非許容を定める手段として本実施形態ではマスクパターンを使用する。
図7は、上記2パスのマルチパス記録におけるマスクパターンの具体的な例を説明するための模式図である。ここでは簡単のため、第1ノズルブロックに4ノズル、第2ノズルブロックに4ノズルをそれぞれ含んだ、計8ノズルを有する記録ヘッドを例に説明する。本例において、第1ノズルブロックのマスクパターンはPA、第2ノズルブロックのマスクパターンはPBである。各マスクパターンは4画素×4画素の領域を有し、黒で示した画素は記録を許容する画素(記録許容画素)、白で示した画素は記録を許容しない画素(非記録許容画素)を示している。マスクパターンPAおよびPBは互いに補完の関係を有しており、第1ノズルブロックによる第1走査と第2ノズルブロックによる第2走査により、記録媒体の単位領域の全ての画素に対する記録が完了する。
ここでは、簡単のため、4画素×4画素の領域において、記録許容画素と非記録許容画素が互い違いに配置されるマスクパターンを例に説明した。しかし、実際にマルチパス記録に採用するマスクパターンのサイズは、更に大きく設定することも出来るし、記録許容画素と非記録許容画素の配置をより不規則で複雑にすることも出来る。
更に、以上では2パスのマルチパス記録を例に説明したが、マルチパス記録は3パス、4パスなど更に多くのマルチパス数に対応することも出来る。いずれにしても、マルチパス数Nに対しノズル群がN個のブロックに分割され、それぞれのブロックに互いに補完の関係にあるマスクパターンが宛がわれ、各記録走査の間にブロックの幅に対応した量の記録媒体の搬送が行われれば、マルチパス記録は成立する。
以上説明したインクジェット記録システムおよびマルチパス記録方法を採用し、以下では、本発明の具体的なマスクパターンの特徴を、いくつかの実施形態を挙げて説明する。
(実施形態1)
本実施形態では、4パスのマルチパス記録に採用可能なマスクパターンを説明する。図8〜図11は、本実施形態のマスクパターンを従来のマスクパターンと比較するために、複数のノズルの記録許容比率の分布を、従来および本実施形態のマスクパターンについて示した図である。これら図において、横軸はノズル並び方向(第1の方向)におけるノズルの配列位置を示し、縦軸は個々のノズルの記録許容比率を示している。なお、本実施形態において、「記録許容比率」とは、個々のノズルが1回の走査(移動)で通過する領域を構成する複数の画像(画素群)のうち、マスクパターンによって記録が許容される画素の割合に相当するものとして説明する。従って、マスクパターンを用いることによって、各ノズルは、画像データに依らずに予め定められた記録許容比率に従って、マルチパス記録を行うことが可能となる。
4パス記録の場合、ノズル群は第1の方向に4つのノズルブロックに分割され、4回の走査夫々の間に1つのブロックの幅に対応した量の記録媒体の搬送が行われ、これにより、1つのブロックの幅を有する単位領域に記録すべき画像が4回の走査で完成される。ここでは、4つのノズルブロックを、第1ブロック〜第4ブロックとして示している。本実施形態では、1つのノズル群が1280個のノズルで構成されているので、各ブロックは320個のノズルで構成されている。
320ノズル分の幅を有する単位領域には、最初に第1ブロックによる記録走査が行われた後、続く第2走査で第2ブロック、第3走査で第3ブロック、および第4走査で第4ブロックによる記録走査が行われ、4つのブロックの4回の記録走査で画像が完成する。図8は、どのブロックにおいても記録許容比率が25%であるマスクパターンの例を示す図である。すなわち、記録媒体の単位領域(同一画像領域)は、第1ブロックから第4ブロックによって、25%+25%+25%+25%=100%の記録がなされる。以下、本明細書において、このように記録許容比率が全ノズルで一定のマスクパターンを「フラットマスク」と称することとする。このような、フラットマスクを用いて双方向のマルチパス記録を行った場合、既に図1を用いて説明したように、カラーインクの付与順序や付与タイミングが異なる単位領域が交互に配置し、いわゆる「バンド間むら」が招致されてしまう。
一方、図9は、上記「バンド間むら」が現れないように、複数のノズルブロックの記録許容比率をブロック単位で調整した結果得られるマスクパターンの例を示す図である。本例のマスクパターンでは、第1ブロックと第4ブロックの記録許容比率が15%、第2ブロックと第3ブロックの記録許容比率が35%であり、記録媒体の単位領域は、第1〜第4のブロックによって、15%+35%+35%+15%=100%の記録がなされる。以下、本明細書において、各ブロック内では記録許容比率がほぼ一定でありながら、各ブロックの単位で記録許容比率は調整されて、その結果ブロック間での記録許容比率が互いに異なっているような階段状のマスクパターンを、「階段マスク」と称する。但し、階段マスクを用いて双方向のマルチパス記録を行った場合には、既に課題の項で説明したように、隣接するノズルブロックの記録許容比率の差の影響によって、これらノズルブロックの境界で記録された部分に「つなぎすじ」が現れてしまう場合がある。特に、隣接ブロックの記録許容比率の差が大きいと、「つなぎすじ」が現れやすい。
図10は、上記「バンド間むら」および「つなぎすじ」の双方を抑えるように、個々のノズルに対する記録許容比率を調整した結果の従来のマスクパターンを示す図である。当該マスクパターンでは、複数のノズルブロックで記録許容比率をそれぞれ調整しながらも、隣接するノズルブロックの境界および全ノズル領域において、記録許容比率が極端に変化しないように、個々のノズルの記録許容比率が調整されている。以下、本明細書において、図10のように全領域のノズルの記録許容比率が、個々のノズルブロック内においても、またノズルブロック間においても、緩やかに変動する形態のマスクパターンを、「グラデーションマスク」と称することとする。グラデーションマスクであれば、ノズルブロック間の記録許容比率を適量に調整しつつも、隣接するノズルブロックの境界での記録許容比率も緩やかに変化させることが出来るので、「バンド間むら」および「つなぎすじ」の両方を抑制することが出来る。但し、既に説明したように、グラデーションマスクのように個々のノズルブロックの中で記録許容比率を変化させた場合、単位領域内での濃度むらや色むらあるいは光沢むらと言った「バンド内むら」が新たに招致される場合がある。
これに対し、図11は、上記「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」の全てを抑制するために作成された、本実施形態で採用するマスクパターンを示す図である。本実施形態のマスクパターンは、「バンド間むら」を抑制するために要される第1の条件と、「つなぎすじ」を抑制するために要される第2の条件、および「バンド内むら」を抑制するために要される第3の条件を、全て満たすように作成されている。ここで、第1の条件とは、複数のノズルブロックの記録許容比率がブロック単位で調整されていることである。調整されている結果、少なくとも2つの隣接するブロック(例えば、第1ブロックと第2ブロック)夫々の記録許容比率は互いに異なっている。また、第2の条件とは、隣接するノズルブロック間の境界部において、記録許容比率が極端に変化しないことである。さらに、第3の条件とは、個々のノズルブロック内において非境界部(境界部以外の部分)の記録許容比率がほぼ一定であることである。ここで、“ほぼ一定”とは、第3の条件を満たすことによって達成される効果、すなわち「バンド内むら」が目視で確認できない程度の誤差を含める範囲の“一定”を意味する。
ここで、“一定”とせずに“ほぼ一定”としたのは、本実施形態のマスクパターンにおいて、個々のノズルの記録許容比率を必ずしも厳密に一定にすることは要されないからである。既に説明したように、マスクパターンとは、記録ヘッドの1回の移動でノズルが通過する領域を構成する複数の画素夫々に対して記録の許容あるいは非許容を定めたパターンである。そして、個々のノズルの記録許容比率は、上記複数の画素(定数)のうち記録が許容される画素の個数によって決まる。従って、同じ記録許容比率を設定したいノズル群に関しては、そのノズル群に含まれる各ノズルに対応する記録許容画素の個数を同じに設定すればよい。しかし、以下の理由から、上記ノズル群に含まれる各ノズルに対応する記録許容画素の個数を厳密に同数に設定することができない場合あるいは困難な場合がある。例えば、10個のノズルからなるノズル群の記録許容比率を15%に設定する場合を考える。この場合、マスクパターンの走査方向のサイズが100画素であれば、上記ノズル群に含まれる10個のノズル夫々に対応する記録許容画素の個数を15個に設定すれば、どのノズルの記録許容比率も15%となる。一方、マスクパターンの走査方向のサイズが128画素であれば、10個のノズル夫々に対応する記録許容画素の個数を19.2個に設定しなければならならい。しかし、小数点以下の個数は設定できないから、10個のノズル中、8個のノズルには19個の記録許容画素に対応させ、2個のノズルには20個の記録許容画素に対応させる必要がある。このように、同じ記録許容比率を設定したい場合であっても、マスクパターンのサイズによっては、各ノズルに対応する記録許容画素の個数が多少ばらついてしまう場合がある。従って、本実施形態の場合も、非境界部(境界部以外の部分)の個々のノズルの記録許容比率が、厳密に15%や35%の値に設定されているとは限られず、上記のような多少のばらつきを含んだ値が設定される場合も有り得る。すなわち、“ほぼ一定”とは、上記のような記録許容率のばらつきも含んだ上での“一定”であり、「バンド内むら」が目視で確認できる程度のばらつきが含まれていないことは勿論である。
本実施形態では、上記3つの条件を満たすために、互いに隣接する2つのノズルブロックの境界の近傍部分に、ノズル並び方向(すなわち第1の方向)に所定のノズル数で構成される境界部(境界ノズル部)を設けている。具体的には、第1ブロックと第2ブロックの境界部としてL12、第2ブロック2と第3ブロックの境界部としてL23、第3ブロックと第4ブロックの境界部としてL34を設け、各境界部にはそれぞれ64個のノズルを含ませている。これら境界部を構成するノズルのことを境界部ノズルあるいは境界ノズル群と称する。具体的には、境界部L12は、第1ブロックの32個のノズルと第2ブロックの32個のノズルからなる計64個のノズルで構成される。同様に、境界部L23は、第2ブロックの32個のノズルと第3ブロックの32個のノズルからなる計64個のノズルで構成され、境界部L34は、第3ブロックの32個のノズルと第4ブロックの32個のノズルからなる計64個のノズルで構成される。一方、個々のノズルブロックのうち、境界部に含まれないノズル部分を、非境界部として定義する。これら非境界部を構成するノズルのことを非境界部ノズルあるいは非境界ノズル群と称する。上述したように、1つのノズルブロックのノズル数は320個であり、また、1つのブロックの片側の境界ノズルの数は32個であるため、1つのブロックの非境界部ノズルの数は288個あるいは256個となっている。そして、境界部(L12、L34)では、境界部を挟む2つの非境界部の異なる記録許容比率の間の範囲で境界部の記録許容比率が緩やかに変化するように、境界ノズル群の記録許容比率を一定の傾きで連続的にあるいは段階的に変化させている。すなわち、図9に示される階段マスクのように、第1ブロックと第2ブロックの境界で記録許容比率が15%のノズルと35%のノズルを隣接させるのではなく、境界部L12に含まれる64ノズルの中で、記録許容比率を15%から35%に徐々に変化させている。つまり、第1ブロックと第2ブロックの境界ノズル群の記録許容比率は、第1ブロックの非境界ノズル群の記録許容比率(第1の値15%)と第2ブロックの非境界ノズル群の記録許容比率(第2の値35%)との間の範囲で段階的にあるいは連続的に変化している。このような境界部L12、L23およびL34を設けることにより、本実施形態のマスクパターンでは、上記第2の条件、すなわち隣接するノズルブロック間の境界において、記録許容比率が極端に変化しないことを満足することが可能となる。なお、本実施形態では、境界ノズルの数が非境界ノズル数よりも少ないことは必要であるが、境界部および非境界部夫々に相当するノズル数は上述した個数に限定されるものではない。
また、本実施形態のマスクパターンでは、図10に示されるグラデーションマスクのように、個々のノズルブロック内において記録許容比率が変動することもない。非境界部において、第1ブロックと第4ブロックの記録許容比率は15%でほぼ一定であり、第2ブロックと第3ブロックの記録許容比率は35%でほぼ一定となっている。つまり、本実施形態のマスクパターンでは、上記第3の条件、すなわち個々のノズルブロック内での非境界部の記録許容比率はほぼ一定であることを満足する。
更に、本実施形態のマスクパターンは、図8に示される従来のフラットマスクのように、ノズル領域全体の記録許容比率が一定ではなく、それぞれのノズルブロックが適量な記録許容比率に調整されている。詳しくは、少なくとも2つの隣接するブロック(例えば、第1ブロックと第2ブロック)夫々の非境界部における記録許容比率が異なっている。つまり、本実施形態のマスクパターンでは、上記第1の条件、すなわち複数のノズルブロックの記録許容比率がブロック単位で調整されており、少なくとも2つの隣接するブロック夫々の非境界部における記録許容比率が異なっていることを満足する。
結果、本実施形態では上記第1〜第3の条件の全てを満足する図11に示すようなマスクパターンを使用することにより、「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド間むら」のいずれもが抑制された画像を出力することが可能となる。
図12は、図2〜図5で説明したインクジェット記録システムを用い、図8〜図11のマスクパターンで4パスのマルチパス記録をそれぞれ行った時の、画像品位を比較した結果を示す図である。本検討において、記録媒体は光沢のないマット紙を使用している。図によれば、フラットマスク、グラデーションマスクおよび階段マスクのうち、いずれの従来型マスクを使用しても、「バンド間むら」、「バンド内むら」および「つなぎすじ」の全項目を同時に低減することはできない。これに対し、本発明のマスクパターンを使用すれば全項目を同時に抑制し、良好な画像を出力することが出来る。
また、本発明者らは、上記検討において、記録媒体を光沢紙に変更した場合でも同様の評価結果が得られることを確認した。但し、記録媒体の種類を変更した場合、同じ「バンド間むら」であってもその現れ方や目立ち方が記録媒体によって異なってくることがある。例えばマット紙では、主にバンド間で色相が異なっているのが目立つが、光沢紙の場合には色相に加えて光沢度の違いも目立つようになる。また、色相の違いも、マット紙と光沢紙ではその程度が異なることがある。このような場合、本実施形態では、上記3つの条件を満たしながらも、各ノズルブロックの非境界部における記録許容比率が互いに異なる複数のマスクパターンを使用する複数の記録モードを用意することが出来る。具体的には、マット紙に対しては、第1および第4のブロックの記録許容比率を15%、第2および第3のブロックの記録許容比率を35%としたが、光沢紙に対しては、例えば20%と30%のように、別の記録許容比率を有するマスクパターンを用意してもよい。このように、記録媒体の種類など様々な条件に応じて、それぞれ適切な値に各ノズルブロックの記録許容比率が定められたマスクパターンを使用する複数の記録モードを用意しておけば、記録条件が変化した場合であっても、適切な記録モードを選択することが出来る。
また、記録媒体の中には「つなぎすじ」が比較的目立ち易いものもあれば、比較的目立ち難いものもある。そして、「つなぎすじ」が比較的目立ち難い記録媒体では、境界部のノズル数を必要以上に大きくすると、むしろ「バンド内むら」が目立ってしまう場合もある。逆に、「バンド内むら」は比較的目立ちにくいが、「つなぎすじ」は目立ち易い記録媒体もある。従って、境界部を構成するノズル数は、「つなぎすじ」と「バンド内むら」の双方がなるべく目立たないように、場合に応じて調整することが好ましい。すなわち、本実施形態では、「つなぎすじ」や「バンド内むら」の状態に応じて境界部の幅(境界部ノズル数)を異ならせた複数のマスクパターンを用意することも出来る。
図13は、本実施形態のマスクパターンを用いてマット紙に4パスのマルチパス記録を行った際の、「バンド内むら」と「つなぎすじ」の状態を、境界部の幅を3段階に異ならせた場合について検証した結果を示す図である。図において、境界部の幅を16ノズルとしたとき、「バンド内むら」は目立たないが「つなぎすじ」は目立ってしまっている。一方、境界部の幅を256ノズルまで拡大としたときは、「つなぎすじ」は目立ち難くなっているが、「バンド内むら」は目立ってしまっている。これに対し、図11で説明したように、境界部の幅を64ノズルとしたときは、「バンド内むら」および「つなぎすじ」の両方ともが、目立たなくなっている。すなわち、マット紙に4パス双方向のマルチパス記録を行う際には、境界部の幅を64ノズル分(約1.35mm)とした図11に示すようなマスクパターンを使用することにより、良好な画像を出力することが出来ることがわかる。但し、このような「バンド内むら」と「つなぎすじ」の目立ち方のバランスは、記録解像度やインク吐出量、記録媒体の種類などによって変化する場合もある。このような場合であっても、記録媒体の種類など様々な条件に応じて、それぞれ適切な値に境界部の幅が定められたマスクパターンを使用する複数の記録モードを用意しておけば、記録条件が変化した場合であっても、適切な記録モードを選択することが出来る。
また、画像弊害の目立ちやすさは、記録物を観察する一般的な距離にも依存する。例えば、はがきサイズ程度の出力物と、ポスターのような大きさの記録物とでは、記録物を観察する際の一般的な至近距離が異なることが多い。よって、同じ解像度で同じ記録媒体で同じマルチパス数であっても、記録媒体のサイズによってこれらマスクパターンの、個々のノズルブロックの記録許容比率や、境界部の幅が異なるように複数のマスクパターンを用意しても良い。
以上説明したように本実施形態によれば、複数のブロックのノズル毎に予め定められた記録許容比率に従って記録を行うにあたり、複数のブロックのうち、少なくとも隣接する第1および第2のブロックにおいて下記(i)(ii)を満たすようにする。これにより、上記条件1〜3を満たすことができるため、「バンド間むら」、「バンド内むら」および「つなぎすじ」を同時に低減することができるようになる。
(i)第1および第2のノズルブロックの非境界ノズル群の記録許容比率は、それぞれ、ほぼ一定で且つ互いに異なる。
(ii)第1および第2のブロックの境界ノズル群の記録許容比率は、第1のノズルブロックの非境界ノズル群の記録許容比率と第2のノズルブロックの非境界ノズル群の記録許容比率との間で段階的にあるいは連続的に変化する。
(実施形態2)
図14は、実施形態2で使用するマスクパターンの記録許容比率の分布を示す図である。既に説明したように「バンド間むら」については、その現れ方や目立ち方が記録媒体やその他の記録条件によって異なる場合がある。同様に、当該「バンド間むら」を低減するように調整された個々のノズルブロックの記録許容比率や記録許容比率の分布の形状も、上記条件に応じて様々となる。本実施形態では、図14に示すように、実施形態1で説明した図11のマスクパターンとは記録許容比率の分布が反転した形状である場合を示している。このようなマスクパターンにおいても、上記条件1〜3は満たすので、記録媒体やその他の記録条件に応じて、高品位な画像を出力可能である。
(実施形態3)
図15は、実施形態3で使用するマスクパターンの記録許容比率の分布を示す図である。上記2つの実施形態では、記録許容比率の分布がノズル並び方向の中心すなわち第2ブロックと第3ブロックの境を軸として左右対称な形状となっていた。つまり、上記2つの実施形態では、ノズルの配列方向に沿った軸と直交する軸に対して記録許容比率の分布が対称形となっていた。これに対し本実施形態では、左右非対称の形状を有するマスクパターンを採用する。
本実施形態においても、第1ブロック〜第4ブロックの記録許容比率および境界部の幅(境界部のノズル数)は実施形態1と同様である。但し、本実施形態では、境界部L12およびL34における記録許容比率の分布を実施形態1とは異ならせている。
以下、実施形態3で使用する図15のマスクパターンについて、実施形態1で使用する図11のマスクパターンと比較して具体的に説明する。まず、実施形態1の図11のマスクパターンの境界部L12には、第1ブロックに含まれる32ノズルと第2ブロックに含まれる32ノズルの全64ノズルが含まれている。そして、連続するこの64ノズルを用いて、第1ブロックの記録許容比率と第2ブロックの記録許容比率を連続させるように、一定の傾きで記録許容比率を徐々に変化させている。これに対し、本実施形態の境界部L12では、第1ブロックに含まれる32ノズルの記録許容比率は第1ブロックの他のノズルと同じ15%としておきながら、第2ブロックに含まれる32ノズルの記録許容比率は15%から35%へ一定の傾きで変化させている。つまり、第1ブロックと第2ブロックの境界部12の記録許容比率を、第1ブロックの非境界部の記録許容比率(15%)以上とし且つ第2ブロックの非境界部の記録許容比率(35%)よりも低くしている。一方、境界部L34については、第3ブロックに含まれる32ノズルの記録許容比率は第3ブロックの他のノズルと等しく35%としておきながら、第4ブロックに含まれる32ノズルの記録許容比率は、35%から15%へ一定の傾きで徐々に変化させている。つまり、第3ブロックと第4ブロックの境界部L34の記録許容比率を、第3ブロックの非境界部の記録許容比率(35%)以下とし且つ第4ブロックの非境界部の記録許容比率(15%)よりも高くしている。
このような記録許容比率の分布の場合、実施形態1に比べて実質的な境界部の幅が狭くなり、その分当該境界部における記録許容比率の傾きが大きくなる。このようなマスクパターンにおいても、上記第1〜第3の条件は満たすので、記録媒体やその他の記録条件に応じて、高品位な画像を出力可能である。
(実施形態4)
図16は、実施形態4で使用するマスクパターンの記録許容比率の分布を示す図である。本実施形態も、左右非対称のマスクパターンとする。
図16のマスクパターンでは、非境界部に関して、第1ブロックの記録許容比率が15%、第2ブロックの記録許容比率が25%、第3ブロックの記録許容比率が35%および第4ブロックの記録許容比率が25%となっている。一方、境界部L12、L23、L34の記録許容比率は、隣接するブロックの非境界部の異なる記録許容比率の間の範囲内で変化している。すなわち、境界部L12のうち、第1ブロックに含まれる32ノズルでは、記録許容比率が15%と25%の間を一定の傾きで滑らかに変化させている。また、境界部L23に含まれる64ノズルでは、記録許容比率が25%と35%の間を一定の傾きで滑らかに変化させている。境界部L34に含まれる64ノズルでは、記録許容比率が35%と25%の間を一定の傾きで滑らかに変化させている。さらに、第4ブロックの端部に位置する32ノズルでは、記録許容比率が25%と15%の間を一定の傾きで滑らかに変化させている。
このような記録許容比率の分布を有するマスクパターンを用いて4パスのマルチパス記録を行った場合でも、記録媒体の単位領域には4つのノズルブロックの4回の記録走査によって100%の画像が記録され、且つ上記第1〜第3の条件を満たす。よって、記録媒体やその他の記録条件に応じて、高品位な画像を出力することが可能である。
(実施形態5)
図17は、実施形態5で使用するマスクパターンの記録許容比率の分布を示す図である。実施形態1〜4では、4パスのマルチパス記録のためのマスクパターンを説明したが、本実施形態では、3パスのマルチパス記録を実行する際に使用可能なマスクパターンを説明する。
3パスのマルチパス記録の場合、ノズル群はノズル並び方向(第1の方向)に3つのノズルブロックに分割され、記録媒体の単位領域は3つのノズルブロックによる3回の記録走査により100%の画像が記録される。ここで、1つのノズル群を構成するノズル数は1280個であるが、1280は3で割り切れないため、1280を3で割った値に近い424個のノズルを1つのノズルブロックとしている。従って、3パスで記録される単位領域の幅は、1つのノズルブロックの幅に相当する424ノズル分となる。このように、本実施形態では、ノズル群を構成する1280個のノズルうち、記録に使用可能なノズル数を1272個(=424×3)とし、1272個のノズルを所定数(424個)のノズルからなる3つのノズルブロックに分割している。
本実施形態では、第1ブロックおよび第3ブロックの非境界部の記録許容比率を30%とし、第2ブロックの非境界部の記録許容比率を40%としている。そして、境界部L12および境界部L23に含まれる複数のノズル記録許容比率は、非境界部の記録許容比率である30%と40%の間を一定の傾きで滑らかに変化している。
このような記録許容比率の分布を有するマスクパターンを用いて3パスのマルチパス記録を行った場合でも、上記第1〜第3の条件は満たされ、記録媒体やその他の記録条件に応じて、高品位な画像を出力することが可能である。
(実施形態6)
図18は、実施形態6で使用するマスクパターンの記録許容比率の分布を示す図である。本実施形態では、6パスのマルチパス記録を実行する際に使用可能なマスクパターンを説明する。
6パスのマルチパス記録の場合、各色ノズル群はノズル並び方向(第1の方向)に6つのノズルブロックに分割され、記録媒体の単位領域は6つのノズルブロックによる6回の記録走査により100%の画像が記録される。ここで、1つのノズル群を構成するノズル数は1280個であるが、1280は6で割り切れないため、1280を6で割った値に近い212個のノズルを1つのノズルブロックとしている。従って、6パスで記録される単位領域の幅は、1つのノズルブロックの幅に相当する212ノズル分となる。このように、本実施形態では、ノズル群を構成する1280個のノズルうち、記録に使用可能なノズル数を1272個(=212×6)とし、1272個のノズルを所定数(212個)のノズルからなる6つのノズルブロックに分割している。
本実施形態では、第1および第6のブロックの非境界部の記録許容比率を5%、第2および第5のブロックの非境界部の記録許容比率を20%、さらに第3および第4のブロックの非境界部の記録許容比率を25%としている。そして、境界部L12および境界部L56に含まれる複数のノズルの記録許容比率は、5%と20%の間を一定の傾きで滑らかに変化している。また、境界部L23および境界部L45に含まれる複数のノズルの記録許容比率は、20%と25%の間を一定の傾きで滑らかに変化している。
このような記録許容比率の分布を有するマスクパターンを用いて6パスのマルチパス記録を行った場合でも、上記第1〜第3の条件は満たされ、記録媒体やその他の記録条件に応じて、高品位な画像を出力することが可能である。
(実施形態7)
図19は、実施形態7で使用するマスクパターンの記録許容比率の分布を示す図である。図19も、実施形態1で示した図11と同様、4パスのマルチパス記録のためのマスクパターンを示し、第1ブロック〜第4ブロックの記録許容比率および境界部の幅も実施形態1と同様である。但し、本実施形態では、境界部L12およびL34における記録許容比率の分布の形状を実施形態1とは異ならせている。
実施形態1において、境界部L12および境界部L34に含まれる64ノズルでは、記録許容比率が15%と35%の間を、一定の傾きすなわち一次関数を用いて変化させている。しかしながら本発明のマスクパターンに要される第2の条件を満たすためには、この領域における記録許容比率の変化が必ずしも一次関数になっていなくても良い。隣接するノズルブロック間の境界における記録許容比率が極端に変化しなければよく、本実施形態では、第1ブロックの15%と第2ブロックの35%の間を、滑らかな曲線を描くように記録比率を変化させている。このような曲線は、例えば境界部の範囲に変極点を持つようなn次関数や三角関数などを用いて設定することが出来、一次関数で連続させるよりも、記録比率の連続性をより滑らかに設定することが出来る。
このような記録許容比率の分布を有するマスクパターンを用いて4パスのマルチパス記録を行った場合でも、上記第1〜第3の条件は満たされ、記録媒体やその他の記録条件に応じて、高品位な画像を出力することが可能である。
(その他の実施形態)
以上説明した実施形態では、個々のノズルが通過する領域内の各画素に対する記録の許容あるいは非許容が予め定められたマスクパターンを用いることで、ノズル毎に画像データとは無関係に予め定められた記録許容比率に従ったマルチパス記録を実現している。
しかし、この場合、画像データとマスクパターンの論理積によって画像データが複数のブロックの各ノズルに分配されるので、分配された後の画像データ(記録画素)の分布は、図11〜図19で示したような記録許容比率の分布と完全に一致するとは限らない。但し、一般に、マスクパターンを使用すれば、マスクパターンによって定まる「個々のノズルの記録許容比率」は、画像データとマスクパターンの論理積によって定まる「記録が決定した画素のうち、個々のノズルが実際に記録を行う画素の比率」とほぼ一致する。従って、個々のノズルの記録許容比率を定めることは、個々のノズルの実際の記録比率を定めることにほぼ等しい。
以上説明した実施形態では、上述した第1〜第3の条件を満足するような記録許容比率を実現する例について説明してきたが、上記第1〜第3の条件を満足するためには、以下の2つの条件(i)〜(ii)を満足することが必要となる。
(i)複数のノズルブロックは、ほぼ一定の記録許容比率が定められた第1ブロックと、第1ブロックに隣接し且つ第1ブロックの記録許容比率とは異なる記録許容比率が定められた第2ブロックとを有する。
(ii)第1ブロックと第2ブロックの境界部の記録比率は、第1ブロックの記録許容比率と第2ブロックの記録許容比率との間の範囲で段階的にあるいは連続的に変化する。更に、
(iii)複数のノズルブロック夫々において、隣接するノズルブロックとの境界部を除く非境界部の記録許容比率が、それぞれ、ほぼ一定であることが好ましい。
以上の実施形態では、4色のインクに対応したノズル群を有する記録ヘッドを、X方向に移動させながら記録を行うカラーインクジェット記録装置を例に説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。より多種類のインクを吐出するために、4つ以上のノズル群を備えた形態であっても良いし、例えばブラック1色のみのノズル群を備える形態であっても良い。ブラック1色の場合、カラーインクの付与順序に起因する「バンド間むら」は発生しないが、複数の記録走査における付与タイミングの差に起因する「バンド間むら」は発生し、本発明はその効果を充分に発揮することが出来る。
また、上記実施形態では、一連の画像処理工程を、ホスト装置100と記録装置104のそれぞれで図5のように分担して実行する内容で説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、γ処理J0004を行った多値のデータのまま、記録装置104に画像データを転送し、記録装置104において、2値化処理およびマスク処理が行われる内容であっても良い。また、マスク処理J0008までの全工程をホスト装置で行っても良いし、前段J0002以降の総ての工程を記録装置で行う構成であっても構わない。いずれにしても、2値化後の記録データを、上記所定の記録比率に従って複数のノズルに分配し、マルチパス記録が実現可能な記録装置あるいは記録システムであれば、本発明の範疇に含まれる。
100 ホスト装置
103 プリンタドライバ
104 記録装置
200 コントローラ
1000 記録ヘッド
1001 ノズル群
4000 キャリッジ

Claims (9)

  1. 記録に使用可能な複数のノズルが配列された記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    前記記録ヘッドを前記複数のノズルが配列された方向とは異なる移動方向に移動させる移動手段と、
    前記記録ヘッドの移動と移動の間に、前記移動方向と交差する搬送方向へ、前記複数のノズルが分割されてなる複数のノズルブロックの1つの幅に対応した量だけ、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記複数のノズルブロックのノズル毎に予め定められた記録許容比率に従って前記記録ヘッドの移動中に前記記録ヘッドに記録を実行させる制御手段とを有し、
    前記記録許容比率は、前記記録ヘッドの1回の移動でノズルが通過する領域内の複数の画素のうち前記1回の移動で前記ノズルによって記録可能な画素の割合であり、
    (i)前記複数のノズルブロックは、第1のノズルブロックと該第1のノズルブロックに隣接する第2のノズルブロックとを含み、
    (ii)前記第1のノズルブロックと前記第2のノズルブロックの境界部以外の非境界部のそれぞれの記録許容比率は、互いに異なる、ほぼ一定の値に定められ、
    (iii)前記境界部の記録許容比率は、前記第1および第2のノズルブロックの前記非境界部それぞれの記録許容比率の間の範囲で段階的あるいは連続的に変化するように定められていることを特徴とする記録装置。
  2. 記録に使用可能な複数のノズルが配列された記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    前記記録ヘッドを前記複数のノズルが配列された方向とは異なる移動方向に移動させる移動手段と、
    前記記録ヘッドの移動と移動の間に、前記移動方向と交差する搬送方向へ、前記複数のノズルが分割されてなる複数のノズルブロックの1つの幅に対応した量だけ、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記複数のノズルブロックのノズル毎に予め定められた記録許容比率に従って前記記録ヘッドの移動中に前記記録ヘッドに記録を実行させる制御手段とを有し、
    前記記録許容比率は、前記記録ヘッドの1回の移動でノズルが通過する領域内の複数の画素のうち前記1回の移動で前記ノズルによって記録可能な画素の割合であり、
    (i)前記複数のノズルブロックの夫々は、隣接するノズルブロックとの境界部に相当する境界ノズル群と前記境界部を除く非境界部に相当する非境界ノズル群とを有し、
    (ii)前記複数のノズルブロックは、非境界ノズル群の記録許容比率がほぼ第1の値に定められた第1のノズルブロックと、前記第1のノズルブロックに隣接し、非境界ノズル群の記録許容比率が、ほぼ第2の値に定められた第2のノズルブロックとを含み、
    (iii)前記第1および第2のノズルブロックの境界ノズル群の記録許容比率は、前記第1の値と前記第2の値との間の範囲で段階的あるいは連続的に変化することを特徴とする記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記記録ヘッドの1回の移動中にノズルが通過する領域内の前記複数の画素それぞれに対して記録の許容あるいは非許容を定めたパターンと前記複数の画素に対応する画像データとに基づいて前記記録ヘッドに記録を実行させるものであり、
    前記記録ヘッドの1回の移動で前記ノズルによって記録可能な画素は、前記パターンによって記録が許容される画素であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記第1のノズルブロックは、前記複数のノズルが配列される方向における前記記録ヘッドの一方の端部に位置するノズルブロックであることを特徴とする請求項2または3に記載の記録装置。
  5. 前記第1のノズルブロックの境界ノズル群の記録許容比率は、ほぼ前記第1の値であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の記録装置。
  6. 前記複数のノズルブロックのうち、前記複数のノズルが配列される方向の端部に位置するノズルブロックの非境界ノズル群の記録許容比率は、前記端部に位置しないノズルブロックの非境界ノズル群の記録許容比率よりも小さいことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の記録装置。
  7. 前記複数のノズルブロックの記録許容比率の分布は、前記複数のノズルが配列される方向に沿った軸と直交する軸に対して対称であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の記録装置。
  8. 記録に使用可能な複数のノズルが配列された記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    前記複数のノズルが配列された方向と交差する移動方向に前記記録ヘッドを移動させる移動手段と、
    前記記録ヘッドの移動と移動の間に、前記移動方向と交差する搬送方向に、前記複数のノズルを分割してなる複数のノズルブロックの1つの幅に対応する量だけ、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記記録ヘッドの1回の移動中に前記複数のノズルブロックの各ノズルによって記録可能な画素の割合を下記(i)、(ii)および(iii)を満たすように定めたマスクパターンと、
    前記マスクパターンと画像データに従って、前記記録ヘッドの移動中に前記記録ヘッドに記録を実行させる制御手段と
    を備えることを特徴とする記録装置。
    (i)前記複数のノズルブロックのうち、第1のノズルブロックと該第1のノズルブロックに隣接する第2のノズルブロックの境界部のノズルによって記録可能な画素の割合は、前記第1のノズルブロックの非境界部のノズルによって記録可能な画素の割合よりも高く且つ前記第2のノズルブロックの非境界部のノズルによって記録可能な画素の割合よりも低い。
    (ii)前記第1のノズルブロックの非境界部のノズルによって記録可能な画素の割合は、前記配列方向にほぼ一定である。
    (iii)前記第2ノズルブロックの非境界部のノズルによって記録可能な画素の割合は、前記配列方向にほぼ一定である。
  9. 記録に使用可能な複数のノズルが配列された記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録方法であって、
    前記記録ヘッドを前記複数のノズルが配列された方向とは異なる移動方向に移動させる工程と、
    前記記録ヘッドの移動と移動の間に、前記移動方向と交差する搬送方向へ、前記複数のノズルが分割されてなる複数のノズルブロックの1つの幅に対応した量だけ、前記記録媒体を搬送する工程と、
    前記複数のノズルブロックのノズル毎に予め定められた記録許容比率に従って前記記録ヘッドの移動中に前記記録ヘッドに記録を実行させる工程とを有し、
    前記記録許容比率は、前記記録ヘッドの1回の移動でノズルが通過する領域内の複数の画素のうち前記1回の移動で前記ノズルによって記録可能な画素の割合であり、
    (i)前記複数のノズルブロックの夫々は、隣接するノズルブロックとの境界部に相当する境界ノズル群と前記境界部を除く非境界部に相当する非境界ノズル群とを有し、
    (ii)前記複数のノズルブロックは、非境界ノズル群の記録許容比率がほぼ第1の値に定められた第1のノズルブロックと、前記第1のノズルブロックに隣接し、非境界ノズル群の記録許容比率が、ほぼ第2の値に定められた第2のノズルブロックとを含み、
    (iii)前記第1および第2のノズルブロックの境界ノズル群の記録許容比率は、前記第1の値と前記第2の値との間の範囲で段階的あるいは連続的に変化する
    ことを特徴とする記録方法。
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