JP2010057754A - 電解生成アルカリ性水を洗浄水とする食器洗浄機 - Google Patents
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Abstract
【課題】有隔膜電解式の電解水生成装置にて生成される電解生成アルカリ性水を洗浄水とする食器洗浄機においては、洗浄水にスケールが発生し、洗浄水が洗浄中に循環する洗浄水回路を構成する洗浄水の供給管路、洗浄ノズル、洗浄水タンク内等に漸次付着して、洗浄水回路を汚損する。本発明はかかる問題に対処する。
【解決手段】電解水生成装置は、生成される電解生成アルカリ性水と電解生成酸性水と選択的に切換えて洗浄水タンク内に供給する機能を備え、洗浄工程およびすすぎ工程を終えて洗浄運転を終了した際には、洗浄水タンク内の洗浄水を排水し、その後、電解水生成装置の電解運転を開始して洗浄水タンク内に電解生成酸性水を供給し、洗浄水タンク内に収容された電解生成酸性水を、洗浄水の供給管路、洗浄ノズルおよび洗浄水タンクが構成する洗浄水回路を通して循環して、洗浄水回路を電解生成酸性水で清浄化洗浄する。
【選択図】 図1
【解決手段】電解水生成装置は、生成される電解生成アルカリ性水と電解生成酸性水と選択的に切換えて洗浄水タンク内に供給する機能を備え、洗浄工程およびすすぎ工程を終えて洗浄運転を終了した際には、洗浄水タンク内の洗浄水を排水し、その後、電解水生成装置の電解運転を開始して洗浄水タンク内に電解生成酸性水を供給し、洗浄水タンク内に収容された電解生成酸性水を、洗浄水の供給管路、洗浄ノズルおよび洗浄水タンクが構成する洗浄水回路を通して循環して、洗浄水回路を電解生成酸性水で清浄化洗浄する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、有隔膜電解式の電解水生成装置にて生成される電解生成アルカリ性水を洗浄水とする食器洗浄機に関する。
食器洗浄機の一形式として、有隔膜電解式の電解水生成装置にて生成される電解生成アルカリ性水を洗浄水とする食器洗浄機がある。当該形式の食器洗浄機は、有隔膜電解式の電解水生成装置の陰極側電解室にて生成される電解生成アルカリ性水が高い洗浄作用を有することに着目して、当該電解生成アルカリ性水を汎用の洗剤に代えて使用することを意図しているもので、当該形式の食器洗浄機については、すでに多数提案されている(特許文献1〜5を参照)。
これらの特許文献1〜4にて提案されている食器洗浄機は、有隔膜電解式の電解水生成装置を構成する有隔膜電解槽の陰極側電解室にて生成される電解生成アルカリ性水を洗浄水とするもので、電解生成アルカリ性水を供給する供給手段を備え、食器類を、電解生成アルカリ性水を洗浄水としてアルカリ洗浄し、その後、必要により真水等ですすぎ洗浄するものである。
また、特許文献5にて提案されている食器洗浄機においては、有隔膜電解槽で生成される電解生成アルカリ性水を供給するアルカリ水供給手段と電解生成酸性水を供給する酸性水供給手段を備え、食器類を、電解生成アルカリ性水を洗浄水としてアルカリ洗浄し、その後、電解生成酸性水を洗浄水として酸洗浄する態様の洗浄方法を採用し、また、かかる洗浄態様とは逆に、電解生成酸性水を洗浄水として酸洗浄し、その後、電解生成アルカリ性水を洗浄水としてアルカリ洗浄する態様の洗浄方法を採用している。これらの洗浄態様の酸洗浄では、食器類の表面と汚染物質とに酸を作用させて洗浄水の洗浄力を引き出して、洗浄効果を高めることを意図している。
特開平10−57297号公報
特開2003−38409号公報
特開2003−284665号公報
特開2004−188776号公報
特開2006−212309号公報
ところで、電解生成アルカリ性水を洗浄水とする洗浄態様では、元々電解生成アルカリ性水に含有し、および/または、洗浄中に溶解されるカルシウムイオン等の多価金属イオンが、空気中から溶解する炭酸ガス等と反応して、洗浄水回路を循環する洗浄水中にスケールを発生させることが多い。洗浄水である電解生成アルカリ性水中にスケールが発生すると、当該スケールは、洗浄水が洗浄中に循環する洗浄水回路を構成する洗浄水の供給管路、洗浄ノズル、洗浄水タンク内等に漸次付着して、洗浄水回路を汚損して洗浄水の循環効率を低下させるとともに、洗浄水を温水にすべく機能するヒータ等の加熱手段が洗浄水タンク内に設置されている場合には、当該ヒータにスケールが付着して加熱効率を低減させることにもなる。
従って、本発明の目的はこのような問題に対処することにあり、特に、食器類の洗浄運転を終了した際に、洗浄水回路に付着するスケールを除去して、次回の洗浄運転に先だって、食器洗浄機を清浄化することにある。
本発明は、電解生成アルカリ性水を洗浄水とする食器洗浄機に関する。本発明が適用対象とする食器洗浄機は、有隔膜電解式の電解水生成装置にて生成される電解生成アルカリ性水を洗浄水とする食器洗浄機であって、洗浄水タンク内に供給されて洗浄水タンク内に収容される水にて希釈された電解生成アルカリ性水を洗浄水とする洗浄工程と、すすぎ水タンク内に収容されている水をすすぎ水とするすすぎ工程を有する形式の食器洗浄機である。
しかして、本発明に係る食器洗浄機においては、前記電解水生成装置は、生成される電解生成アルカリ性水と電解生成酸性水を選択的に切換えて前記洗浄水タンク内に供給する機能を備え、前記洗浄工程および前記すすぎ工程を終えて洗浄運転を終了した際には、前記洗浄水タンク内の洗浄水を排水し、その後、前記電解水生成装置の電解運転を開始して前記洗浄水タンク内に電解生成酸性水を供給し、前記洗浄水タンク内に収容された電解生成酸性水を、洗浄水の供給管路、前記洗浄ノズルおよび前記洗浄水タンクが構成する洗浄水回路を通して循環して、前記洗浄水回路を電解生成酸性水で洗浄するようにしたことを特徴とするものである。
本発明に係る食器洗浄機においては、前記洗浄水回路を電解生成酸性水にて洗浄した後は、すすぎ水にて洗浄するようにすることができる。また、本発明に係る食器洗浄機においては、前記洗浄水回路を洗浄する洗浄水として、脱塩素された電解生成酸性水を採用することができ、また、塩素を含有しない被電解水を有隔膜電解して生成される電解生成酸性水を採用することができる。
本発明に係る食器洗浄機においては、電解生成アルカリ性水を洗浄水とする洗浄中に発生するスケールを、洗浄運転終了後に、電解水生成装置の有隔膜電解槽にて生成される電解生成酸性水を有効に利用して除去することができ、これにより、次回の洗浄運転に先立って、食器洗浄機の洗浄水回路を清浄化することができる。また、当該清浄化の手段は自動的に行うことができ、これにより、洗浄水回路の煩わしい清掃作業を省くことができる。
当該清浄化手段を採った食器洗浄機においては、次回の洗浄運転までに長時間待機する場合にこのまま放置しておくと、洗浄水回路やその周囲の部品に付着する酸に起因して、洗浄水回路やその周囲の部品を構成する金属部位が錆びるおそれがある。これを回避するためには、洗浄水回路を電解生成酸性水にて洗浄した後にすすぎ水にて洗浄すればよい。
また、当該清浄化手段で採用する電解生成酸性水が塩素成分を含有する場合には、洗浄水回路の洗浄中、電解生成酸性水から塩素ガスが発生して、周囲の部品の金属部位が錆びるおそれがある。これを回避するためには、電解生成酸性水として、脱塩素された電解生成酸性水、また、塩素を含有しない被電解水を有隔膜電解して生成される電解生成酸性水を採用すればよい。
本発明に係る食器洗浄機は、有隔膜電解式の電解水生成装置にて生成される電解生成アルカリ性水を洗浄水とする食器洗浄機である。図1には、本発明に係る食器洗浄機の第1の実施形態を概略的に示している。当該実施形態に係る食器洗浄機A1は、これとは独立して厨房に設置されている有隔膜電解式の電解水生成装置B1を利用するもので、食器洗浄機A1自体は、専用の電解水生成装置を装備する食器洗浄機に比較して廉価で、また、電解水生成装置B1で生成される各電解生成水の広い分野での使用を妨げることがない、使い勝手のよいものである。
当該食器洗浄機A1は、洗浄水タンクに収容されている水(洗浄水やすすぎ水等)にて希釈された電解生成アルカリ性水を洗浄水とする洗浄工程と、すすぎ水タンクであるブースタ内に収容されている水をすすぎ水とするすすぎ工程からなる洗浄態様を採るものである。
図1に示す食器洗浄機A1は、独立して設置されている有隔膜電解式の電解水生成装置B1とは、電解生成水の供給管路を介して連結されているもので、電解水生成装置B1との連結関係、および、電解水生成装置B1との運転制御関係を除き、その構成自体は公知のものである。また、電解水生成装置B1も、その構成自体は公知のものである。
食器洗浄機A1は、ケース本体内に形成されている洗浄室内の底部に洗浄水タンク11を備え、洗浄水タンク11の所定高さ上方に洗浄ノズル12、その上方にすすぎノズル13が配設されていて、洗浄水タンク11と洗浄ノズル12間に、食器類を収容する収容棚14が設置されている。また、当該食器洗浄機A1は、ケース本体の外に設置されているすすぎ水タンクであるブースタ15を備えている。
食器洗浄機A1を構成する洗浄水タンク11は、タンク本体11a内の洗浄水をオーバフローして所定の水位を保持するオーバフローパイプ11bを備えるとともに、タンク本体11a内の側部には水位センサー11cを備え、タンク本体11a内の底部には、タンク本体11a内の洗浄水を温水に保持する加熱手段である電気ヒータ11dが配設されている。また、タンク本体11aの底部には排水管路11eが接続されていて、排水管路11eの途中に排水弁11fが介装されている。排水管路11eは、排水弁11fを開放することにより、タンク本体11a内の洗浄水の殆ど全てを排水すべく機能する。
洗浄水タンク11内に収容されている洗浄水は、洗浄工程で使用されるもので、電解水生成装置B1から供給される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を、洗浄水タンク11内に収容されている水(洗浄水やすすぎ水等)で希釈して調製される。洗浄水タンク11内には、オーバフローパイプ11bと水位センサー11cの作用によって、設定された所定容量の洗浄水が収容されて、設定された所定の水位に維持される。
ブースタ15は、湯沸かし式のすすぎ水タンクであって、タンクの内部の底部にはヒータを備えている。ブースタ15内には、水道水が後述する給水管路23および給水弁24を通して供給され、ブースタ15内に供給された水は、その水位が一定以上となった場合には加熱されて、設定された所定温度の温水となる。
当該食器洗浄機A1における洗浄工程の運転では、洗浄ポンプ16を駆動することによって行われる。洗浄水タンク11のタンク本体11a内の洗浄水は、洗浄ポンプ16の駆動によって、供給管路21を通して洗浄ノズル12に供給されて、洗浄ノズル12から噴射される。噴射された洗浄水は、収容棚14内に収容されている食器類を洗浄し、その後、洗浄水タンク11のタンク本体11a内に落下する。洗浄ポンプ16は、洗浄水を所定時間、供給管路21および洗浄ノズル12を通して循環させて、この間、収容棚14の食器類の洗浄を促進する。本発明に係る食器洗浄機の実施形態では、洗浄工程の運転の終了に引き続いて、すすぎ工程の運転が行われる。当該洗浄運転は、図示しない制御装置によって制御される。
当該食器洗浄機A1におけるすすぎ工程の運転では、ブースタ15内に収容されているすすぎ水(温水)は、すすぎ水ポンプ17を駆動することによって、供給管路22を通してすすぎノズル13に供給されて、すすぎノズル13から噴射される。すすぎノズル13から噴射されたすすぎ水は、収容棚14に収容されている洗浄済みの食器類をすすぎ洗浄し、その後、洗浄水タンク11のタンク本体11a内に落下して収容される。
タンク本体11a内では、すすぎ水の落下に伴い、収容されるすすぎ水の量に応じて、タンク本体11a内の既存の洗浄済みの水がオーバフローパイプ11bを通して順次排水されて、すすぎ工程の1工程の運転終了後には、タンク本体11a内は、ほぼすすぎ水に置換される。なお、すすぎ水としては水道水を使用していて、水道水のブースタ15内への給水は、給水管路23の途中に設けた給水弁24を開放することにより行う。給水弁24の開閉制御は、図示しない制御装置によって制御される。
当該食器洗浄機A1における洗浄水の調製は、電解水生成装置B1を電解運転することにより行われるが、当該電解水生成装置B1の電解運転は、後述するように、食器洗浄機A1の洗浄運転の状況に応じて行うようになっている。当該電解水生成装置B1はそれ自体公知であり、当該食器洗浄機A1とは独立して設定されている既存の電解水生成装置を採用している。
なお、当該電解水生成装置B1では、被電解水として希薄食塩水が採用されており、被電解水を調製するために、当該電解水生成装置B1には、電解助剤である食塩水を供給するための電解助剤供給装置36aが接続されている。当該電解助剤供給装置36aは、後述する第1の電解助剤供給装置36aである。
当該電解水生成装置B1においては、有隔膜電解槽を構成する陰極側電解室にて生成される電解生成アルカリ性水を導出する専用の導出管路31aと、陽極側電解室にて生成される電解生成酸性水を導出する専用の導出管路31bを備えるとともに、電解生成水を洗浄水タンク11に供給する供給管路32aと、電解生成水を流し台Cや、図示しない排水処理槽へ排水する排水管路32bを備えていて、各導出管路31a,31bと供給管路32aおよび排出管路32bとは、これの管路に介装されている切換弁33を介して接続されている。
切換弁33は、食器洗浄機A1の洗浄運転の状況に応じて切換動作されて、洗浄運転の状況に応じて、各導出管路31a,31bと供給管路32a、排出管路32bとの接続関係を選択的に変更する。切換弁33の切換動作は、図示しない制御装置によって制御され、電解生成アルカリ性水専用の導出管路31aが供給管路32aに接続され、かつ、電解生成酸性水専用の導出管路31bが排水管路32bに接続された状態では、電解生成アルカリ性水が供給管路32aを通して洗浄タンク11内に供給され、かつ、電解生成酸性水が排水管路32bを通して流し台C等へ排水される。
当該食器洗浄機A1による食器類の洗浄運転では、洗浄工程の運転に先立って、洗浄タンク11内にブースタ15から供給されるすすぎ水と、洗浄タンク11内に電解水生成装置B1から供給さる電解生成アルカリ性水とによって、洗浄機能を付与された洗浄水を調製する。その後、洗浄工程およびすすぎ工程の運転を行って洗浄運転を終了するか、必要により、この一連の洗浄態様を繰り返し行って洗浄運転を終了する。なお、後者の洗浄運転では、一連の洗浄態様毎に洗浄水中の電解生成アルカリ性水の濃度が低下することから、すすぎ工程の運転で供給された量のすすぎ水に対応する電解生成アルカリ性水を補給して、洗浄水を調製する。
本発明に係る食器洗浄機A1においては、一連の洗浄態様を終えて食器類の洗浄運転を終了させた際には、洗浄水回路を清浄化するための清浄化洗浄運転を行う。当該清浄化洗浄運転は、洗浄水回路を形成する洗浄水の供給管路21、洗浄ノズル12、洗浄水タンク11等の内部を清浄化するもので、清浄化洗浄水として、電解水生成装置B1の有隔膜電解槽にて生成される電解生成酸性水を使用する。当該清浄化洗浄運転により、食器類の洗浄運転中に発生して洗浄水回路に付着しているスケールを電解生成酸性水により溶解して除去し、洗浄水回路を清浄化する。
当該食器洗浄機A1による洗浄水回路の清浄化洗浄運転では、これに先立って、洗浄水タンク11内に滞留する洗浄水を排水する。洗浄水の排水は、排水弁11fを開成して排水管路11eを通して行い、排水終了後には排水弁11fを閉成する。その後、電解水生成装置B1における切換弁33を切換動作して、電解生成酸性水専用の導出管路31bを供給管路32aに接続するとともに、電解生成アルカリ性水専用の導出管路31aを排水管路32bに接続する。この状態で、電解水生成装置B1の電解運転を所定時間行う。これにより、電解水生成装置B1からは、所定量の電解生成酸性水が、供給管路32aを通して洗浄タンク11内に供給される。
清浄化洗浄運転は、洗浄水タンク11内に電解生成酸性水が所定量収容された状態で開始され、洗浄ポンプ16を所定時間駆動して、洗浄水タンク11内の電解生成酸性水を、洗浄水回路を通して循環させる。洗浄ポンプ16の駆動停止後には、排水弁11fを開成し、排水管路11eを通して洗浄水タンク11内の電解生成酸性水を排水する。これにより、洗浄水回路のスケールは電解生成酸性水によって除去される。
洗浄水タンク11内の電解生成酸性水を排水した後、排水弁11fを閉成して、すすぎポンプ17を所定時間駆動し、ブースタ15内から所定量のすすぎ水を洗浄水タンク11内に供給する。この時点で、洗浄ポンプ16を所定時間駆動して、洗浄水タンク11内のすすぎ水を、洗浄水回路を通して循環し、洗浄ポンプ16の駆動停止後には、排水弁11fを開成し、排水管路11eを通して洗浄水タンク11内のすすぎ水を排水する。これにより、洗浄水回路に付着している電解生成酸性水は洗い流される。
本発明に係る食器洗浄機A1における食器類の洗浄運転、洗浄水回路の清浄化洗浄運転、および、これに伴う電解水生成装置B1の電解運転は、図示しない制御装置によって制御される。当該制御装置は、食器類の洗浄運転の運転制御プログラム、すすぎ水調製運転の運転制御プログラム、電解水生成装置B1の電解運転の運転制御プログラム、および、洗浄水回路の清浄化洗浄運転の運転制御プログラムを備えている。
当該制御装置は、食器類の洗浄運転の運転制御プログラムを図2に示すフローチャートに基づいて実行し、すすぎ水調製運転の運転制御プログラムを図3に示すフローチャートに基づいて実行し、電解運転の運転制御プログラムを図4に示すフローチャートに基づいて実行し、清浄化洗浄運転の運転制御プログラムを図5に示すフローチャートに基づいて実行する。
本発明に係る食器洗浄機A1が装備する制御装置は、洗浄運転の指令に基づき、運転制御プログラムを図2に示すフローチャートに基づいて実行する。制御装置は、ステップ101では、ブースタからの満水信号が出力されているか否かを判定し、出力されていない場合は所定時間待機し(ステップ102)、満水信号の出力を確認した後、ステップ103にて、洗浄水タンク11内の水位が十分であるか否かを判定し、洗浄水タンク11内の水位が十分でない場合には、すすぎポンプ17を駆動して(ステップ104)、制御プログラムをステップ101に戻す。
制御装置は、ステップ103にて、洗浄タンク11内の洗浄水の水位が十分であると判定した場合には、ステップ105にて、洗浄運転を指令するスイッチがONか否かを判定し、スイッチがONでない場合には、制御プログラムをステップ101に戻し、スイッチがONであると判定した場合には、洗浄ポンプ16を駆動して洗浄工程の運転を開始し(ステップ106)、洗浄工程の運転が所定時間経過した時点で運転を停止するとともに、すすぎポンプ17を駆動してすすぎ工程の運転を開始する(ステップ107)。制御装置は、すすぎ工程の運転が所定時間経過した時点で運転を停止し、停止後、運転制御プログラムをステップ101に戻す。
この間、制御装置は、ブースタ15内にてすすぎ水を調製するためのすすぎ水調製運転の運転制御プログラムを、図3に示すフローチャートに基づいて実行する。制御装置は、ステップ111にてブースタ15内の水位が十分か否かを判定し、十分でない場合には給水弁24を開いて給水して待機し(ステップ112)、運転制御プログラムをステップ111に戻し、水位が十分であると判定した場合には、満水信号が出力される(ステップ113)。
その後、制御装置はステップ114にて、ブースタ15内の水温が設定された温度に達しているか否かを判定し、設定値未満である場合には、ブースタ15内の水を加熱して(ステップ115)、運転制御プログラムをステップ101に戻す。制御装置は、ステップ114にて、ブースタ15内の水温が設定された温度に達していると判定した場合には、運転制御プログラムをステップ111に戻す。
一方、電解水生成装置B1の電解運転では、制御装置は運転制御プログラムを、図4に示すフローチャートに基づいて実行する。制御装置は、ステップ201にて、すすぎポンプ17の運転信号を確認するとともに切換弁33が常態に復帰していることを確認し、ステップ202にて、電解水生成装置B1の電解運転を開始して、電解運転を所定時間継続する。制御装置は、電解運転が所定時間経過した時には、ステップ203にて電解運転を停止する。
この間、電解水生成装置B1からは、所定量の電解生成アルカリ性水が供給管路32aを通して洗浄水タンク11内に供給され、洗浄水タンク11内で、電解生成アルカリ性水がすすぎ水によって所定濃度に希釈されて、所望の洗浄水が調製される。また、電解水生成装置B1からは、所定量の電解生成酸性水が排水管路32bを通して排水処理槽に排水され、所望する場合には、流し台Cに導出されて殺菌洗浄に供される。
制御装置は、食器洗浄機A1による食器類の洗浄運転を終了したことを示す終了スイッチSのON状態を確認した場合には、洗浄水回路を清浄化する清浄化洗浄運転の運転プログラムを、図5に示すフローチャートに基づいて実行する。制御装置は、洗浄運転の終了を確認すると、ステップ301にて、排水弁11fを所定時間開放する開成−閉成動作をさせる。これにより、洗浄水タンク11内の洗浄水はほぼ排水される。
制御装置は、洗浄水タンク11内の洗浄水の排水が終了した場合には、ステップ302にて、電解水生成装置B1における切換弁33を切換動作させるとともに、電解運転を開始する始動スイッチをONして電解運転を開始し、電解運転を所定時間継続させる。この間、電解水生成装置B1からは、所定量の電解生成酸性水が供給管路32aを通して洗浄水タンク11内に供給される。
制御装置は、電解運転が所定時間経過した時点では、洗浄水タンク11が有するヒータ11dを駆動して電解生成酸性水を所定温度に昇温し、電解生成酸性水が所定温度に昇温した時点で、洗浄ポンプ16を所定時間駆動する(ステップ303)。これにより、洗浄水タンク11内の電解生成酸性水は、洗浄水の供給管路21、洗浄ノズル12および洗浄水タンク11が構成する洗浄水回路を通して循環して、当該洗浄水回路を電解生成酸性水で酸洗浄する。当該酸洗浄により、電解生成アルカリ性水を洗浄水とする洗浄中に発生するスケールは、循環する電解生成酸性水により溶解して除去される。
制御装置は、洗浄ポンプ16が駆動を停止した時点では、排水弁11fを所定時間開放する開成−閉成動作させる(ステップ304)。この間、洗浄水タンク11内の電解生成酸性水はほぼ排水される。制御装置は、その後、すすぎポンプ17を所定時間駆動して洗浄水タンク11内に所定量のすすぎ水を供給し、すすぎポンプ17の駆動停止後、洗浄ポンプ16を所定時間駆動させる(ステップ305)。この間、洗浄水タンク11内のすすぎ水は、供給管路21、洗浄ノズル12および洗浄水タンク11を通して循環する。このため、当該洗浄水回路に付着する電解生成酸性水は洗い流されて、当該洗浄水回路は清浄化される。
制御装置は、その後、排水弁11fを所定時間開放する開成−閉成動作を行って、清浄化洗浄運転を終了させる(ステップ306)。これにより、洗浄水タンク11内のすすぎ水はほぼ排水されて、食器洗浄機A1を清浄化された状態で、次回の食器類の洗浄運転まで待機させる。
食器洗浄機による食器類の洗浄では、一般に、希薄食塩水を被電解水とする有隔膜電解にて生成され電解生成アルカリ性水が使用される。このため、洗浄水回路を清浄化するための洗浄水(清浄化洗浄水)としては、当該有隔膜電解にて生成される電解生成酸性水を使用することが便利である。
しかしながら、当該電解生成酸性水は、被電解水である食塩水に起因して、かなりの濃度の塩素成分(有効塩素成分)を含有している。当該有効塩素成成分は、揮発性に富む各種の形態で溶存しているため、空気中には塩素ガスとして揮発して飛散する。このため、当該電解生成酸性水を清浄化洗浄水とする清浄化洗浄では、洗浄中に電解生成酸性水から塩素ガスが揮発して発散し、食器洗浄機を構成する各構成部品の金属部位を錆びさせるおそれがある。図6に示す本発明に係る第2の実施形態(食器洗浄機A2および電解水生成装置B2)は、かかる問題を対処するためのものである。
図6に示す第2の実施形態(食器洗浄機A2と電解水生成装置B2)では、洗浄水回路を清浄化するための洗浄水として、脱塩素された電解生成酸性水を使用するように構成されたものである。当該実施形態には、食器洗浄機A2の洗浄水タンク11内に、脱塩素された電解生成酸性水を供給することができる電解水生成装置B2を採用している。
本発明に係る第2の実施形態(食器洗浄機A2および電解水生成装置B2)は、第1の実施形態(食器洗浄機A1および電解水生成装置B1)とは、電解生成アルカリ性水を供給する第1の供給管路部32a1、電解生成酸性水を供給する第2の供給管路部32a2を備えている点、第1の供給管路部32a1および第2の供給管路部32a2が切換弁34を介して供給管路32aに接続されている点、第2の供給管路部32a2の途中に脱塩素槽35を備えている点を除けば、実質的に同じ構成である。
また、搭載されている制御装置が有する洗浄運転の運転制御プログラム、すすぎ水調製運転の運転制御プログラム、電解運転の運転制御プログラム、および、清浄化洗浄運転の運転制御プログラムについても、切換弁34の切換動作を制御する点を除けば実質的に同じである。
しかして、食器洗浄機A2に連結する電解水生成装置B2においては、供給管路32aの先端側に互いに分岐する一対の供給管路部32a1,32a2を備えていて、両供給管路部32a1,32a2は切換弁34を介して供給管路32aに接続されている。また、第2の供給管路部32a2の途中には、脱塩素槽35が介装されている。脱塩素槽35は、希薄食塩水を被電解水とする有隔膜電解にて生成された電解生成酸性水中の有効塩素成分を除去するためのもので、脱塩素槽35内には、塩素除去剤が収容されている。塩素除去剤としては、クエン酸、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム等から選択されるまたは1または複数を採用することができる。
当該食器洗浄機A2における食器類の洗浄運転では、切換弁34を介して、供給管路32aは第1の供給管路部32a1に接続されていて、洗浄水を調製する電解生成アルカリ性水は、第1の供給管路部32a1を通して洗浄水タンク11内に供給される。これにより、当該食器洗浄機A2では、食器洗浄機A1におけると同様の方法で、洗浄水を調製することができる。
一方、当該食器洗浄機A2における洗浄水回路の清浄化洗浄運転では、切換弁34を、洗浄運転側から清浄化洗浄運転側に切換動作させる。これにより、供給管路32aは第2の供給管路部32a2に接続されて、清浄化洗浄水である電解生成酸性水が第2の供給管路部32a2を通して脱塩素槽35に供給され、脱塩素槽35を通して洗浄水タンク11内に供給される。このため、清浄化洗浄水として、脱塩素された電解生成酸性水を使用することができ、清浄化洗浄運転中に塩素ガスが飛散することはない。従って、当該電解生成酸性水による清浄化洗浄運転によれば、塩素ガスによる金属部品の錆の発生を防止することができる。
図7には、本発明に係る食器洗浄機の第3の実施形態(食器洗浄機A3および電解水生成装置B3)を示している。当該食器洗浄機A3では、洗浄水回路を清浄化するための洗浄水として、元々塩素成分を含有しない電解生成酸性水が使用できるようにしたものである。当該食器洗浄機A3には、元々塩素成分を含有しない電解生成酸性水を洗浄水タンク11内に供給することができる電解水生成装置B3が採用されている。このため、当該電解生成酸性水による清浄化洗浄運転によれば、塩素ガスによる金属部品の錆の発生を防止することができる。
第3の実施形態(食器洗浄機A3および電解水生成装置B3)は、第1の実施形態(食器洗浄機A1および電解水生成装置B1)とは、食器洗浄機A1では、被電解水を調製するための電解助剤として食塩水を採用しているのに対して、食器洗浄機A3では、被電解水を調製するための電解助剤として、食塩水と塩素成分を含有しない電解助剤を選択的に使い分けしている。
第1の実施形態では、食塩水を供給する電解助剤供給装置36a(第1の電解助剤供給装置)を備えているだけであるのに対して、第3の実施形態では、第1の電解助剤供給装置36aと、塩素成分を含有しない電解助剤供給する電解助剤供給装置36b(第2の電解助剤供給装置)の両方を備えている。第2の電解助剤供給装置36bの供給管路37bは、電解助剤の供給管路37aに切換弁37cを介して接続されている。第2の電解助剤供給装置36bから供給される電解助剤としては、クエン酸、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等から選択されるまたは1または複数を採用することができる。
従って、第3の実施形態では、第1の電解助剤供給装置36aと第2の電解助剤供給装置36bを備える点を除き、第1の実施形態とは実質的に同じ構成である。また、搭載されている制御装置が有する洗浄運転の運転制御プログラム、すすぎ水調製運転の運転制御プログラム、電解運転の運転制御プログラム、および、清浄化洗浄運転の運転制御プログラムについても、切換弁37cの切換動作を制御する点を除けば実質的に同じである。
しかして、当該食器洗浄機A3における食器類の洗浄運転では、切換弁37cを介して、第1の電解助剤供給装置36aを電解水生成装置B3に接続することによって、電解水生成装置B3では、希釈食塩水を被電解水とする有隔膜電解が行われ、生成された電解生成アルカリ性水が洗浄水タンク11内に供給されて、洗浄水タンク11内では、第1の実施形態の食器洗浄機A1と同様に洗浄水が調製される。この場合、生成される電解生成酸性水は、図示しない中和槽を通して中和して排水されるか、流し台Cにて殺菌洗浄に利用される。
一方、当該食器洗浄機A3における洗浄水回路の清浄化洗浄運転では、切換弁37cを、第1の電解助剤供給装置36a側から第2の電解助剤供給装置36b側に切換動作させる。これにより、第2の電解助剤供給装置36bが電解水生成装置B3に接続され、塩素成分を含有しない電解助剤の希薄水溶液を被電解水とする有隔膜電解が行われ、生成された電解生成酸性水が洗浄水タンク11内に供給される。
このため、当該食器洗浄機A3では、元々塩素成分を含有しない電解生成酸性水を清浄化洗浄水として使用することができ、清浄化洗浄運転中に塩素ガスが飛散するようなことはない。従って、当該電解生成酸性水による清浄化洗浄運転によれば、塩素ガスによる金属部品の錆の発生を防止することができる。
A1,A2,A3…食器洗浄機、B1,B2,B3…電解水生成装置、C…流し台、11…洗浄水タンク、11a…タンク本体、11b…オーバフローパイプ、11c…水位センサー、11d…ヒータ、11e…排水管路、11f…排水弁、12…洗浄ノズル、13…すすぎノズル、14…収容棚、15…ブースタ、16…洗浄ポンプ、17…すすぎポンプ、21,22…供給管路、23…給水管路、24…給水弁、25…流路切換弁、26…導入管路、31a…導出管路(電解アルカリ性水専用)、31b…導出管路(電解酸性水専用)、32a…供給管路、32b…排水管路、33,34…切換弁、35…脱塩素槽、36a,36b…電解助剤供給装置、37a,37b…電解助剤供給管路、37c…切換弁。
Claims (4)
- 有隔膜電解式の電解水生成装置にて生成される電解生成アルカリ性水を洗浄水とする食器洗浄機であって、洗浄水タンク内に供給されて洗浄水タンク内に収容される水にて希釈された電解生成アルカリ性水を洗浄水とする洗浄工程と、すすぎ水タンク内に収容されている水をすすぎ水とするすすぎ工程を有する食器洗浄機であり、前記電解水生成装置は、生成される電解生成アルカリ性水と電解生成酸性水と選択的に切換えて前記洗浄水タンク内に供給する機能を備え、前記洗浄工程および前記すすぎ工程を終えて洗浄運転を終了した際には、前記洗浄水タンク内の洗浄水を排水し、その後、前記電解水生成装置の電解運転を開始して前記洗浄水タンク内に電解生成酸性水を供給し、前記洗浄水タンク内に収容された電解生成酸性水を、洗浄水の供給管路、前記洗浄ノズルおよび前記洗浄水タンクが構成する洗浄水回路を通して循環して、前記洗浄水回路を電解生成酸性水で洗浄するようにしたことを特徴とする食器洗浄機。
- 請求項1に記載の食器洗浄機において、前記洗浄水回路を電解生成酸性水にて洗浄した後は、前記洗浄水回路を前記すすぎ水タンク内に収容されているすすぎ水にて洗浄することを特徴とする食器洗浄機。
- 請求項1または2に記載の食器洗浄機において、前記洗浄水回路を洗浄する洗浄水として、脱塩素された電解生成酸性水を採用することを特徴とする食器洗浄機。
- 請求項1または2に記載の食器洗浄機において、前記洗浄水回路を洗浄する洗浄水として、塩素を含有しない被電解水を有隔膜電解して生成される電解生成酸性水を採用することを特徴とする食器洗浄機。
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