JP2010046684A - 成形条件決定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストを低減できるプレス機の成形条件決定方法を提供すること。
【解決手段】成形条件最適化手段60は、初期条件で成形シミュレーション解析を実行して評価する第1解析手順と、第1解析手順の評価が否定的である場合には、ダイクッション圧を変更して成形シミュレーション解析を実行して評価する第2解析手順と、第2解析手順の評価がしわの発生を原因として否定的である場合には、ダイクッション圧を変更して成形シミュレーション解析を実行して評価する第3解析手順と、第2解析手順の評価が絞り成形領域の亀裂の発生を原因として否定的である場合には、ダイクッション圧を変更して成形シミュレーション解析を実行して評価する第4解析手順と、第2解析手順の評価が張り出し成形領域の亀裂の発生を原因として否定的である場合には、スライド速度を変更して成形シミュレーション解析を実行して評価する第5解析手順と、を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、成形条件決定方法に関する。例えば、自動車のボディを製造するプレス成形の成形条件決定方法に関する。
従来より、プレス機により、鋼板を絞り成形して自動車のボディを形成することが行われている。
このようなプレス工程では、例えば、サーボモータを用いたサーボプレス機が用いられる。このサーボプレス機によれば、成形中に上型のスライド速度およびダイクッション圧を自在に変化させることができるため、プレス成形の自由度が高く、サイクルタイムを短縮できる。
ところで、以上のプレス工程では、実際にプレス機を用いて成形品の試作を繰り返すことで、最適な成形条件を決定する。
例えば、予め試作を行って、各スライド速度について成形品の品質が一定基準を満たすことのできるダイクッション圧の最低値および最高値を求めて、データベース化しておく。そして、プレス成形時には、スライド速度に応じて、このデータベースからダイクッション圧の最低値および最高値を読み出し、ダイクッション圧を、この最低値と最高値との中間値とする(特許文献1参照)。
この方法によれば、スライド速度に応じて、容易にダイクッション圧を設定できる。
特開2001−96314号公報
しかしながら、特許文献1に示された手法では、スライド速度に応じてダイクッション圧を一義的に決定するものであり、サーボプレス機の最適な成形条件であるとは限らない。
したがって、実際には、サーボプレス機では、スライド速度とダイクッション圧との最適値を決定するために膨大な回数の試作を行う必要があり、その結果、工数が増加し、コストが上昇する、という問題がある。
本発明は、コストを低減できるプレス機の成形条件決定方法を提供することを目的とする。
本発明のプレス機の成形条件決定方法は、プレス機の成形条件を決定する成形条件決定方法であって、初期条件で成形シミュレーション解析を実行し、当該成形シミュレーション解析の結果を評価し、当該評価が肯定的である場合には、今回の成形シミュレーション解析の成形条件を最適値とする第1解析手順(例えば、後述のステップS11〜S13)と、前記第1解析手順の評価が否定的である場合には、ダイクッション圧を変更して成形シミュレーション解析を実行し、当該成形シミュレーション解析の結果を評価し、当該評価が肯定的である場合には、今回の成形シミュレーション解析の成形条件を最適値とする第2解析手順(例えば、後述のステップS14〜S17)と、前記第2解析手順の評価がしわの発生を原因として否定的である場合には、ダイクッション圧を変更して成形シミュレーション解析を実行し、当該成形シミュレーション解析の結果を評価し、当該評価が肯定的である場合には、今回の成形シミュレーション解析の成形条件を最適値とする第3解析手順(例えば、後述のステップS21〜S23)と、前記第2解析手順の評価が絞り成形領域の亀裂の発生を原因として否定的である場合には、ダイクッション圧を変更して成形シミュレーション解析を実行し、当該成形シミュレーション解析の結果を評価し、当該評価が肯定的である場合には、今回の成形シミュレーション解析の成形条件を最適値とする第4解析手順(例えば、後述のステップS18、S19、S22、S23)と、前記第2解析手順の評価が張り出し成形領域の亀裂の発生を原因として否定的である場合には、スライド速度を変更して成形シミュレーション解析を実行し、当該成形シミュレーション解析の結果を評価し、当該評価が肯定的である場合には、今回の成形シミュレーション解析の成形条件を最適値とする第5解析手順(例えば、後述のステップS18、S20、S22、S23)と、を備え、前記第3、第4、第5解析手順の評価がしわの発生を原因として否定的である場合には、第3解析手順に戻り、絞り成形領域の亀裂の発生を原因として否定的である場合には、第3解析手順に戻り、張り出し成形領域の亀裂の発生を原因として否定的である場合には、第5解析手順に戻ることを特徴とする。
この場合、前記第1解析手順の初期条件には、スライド速度が最大でありかつダイクッション圧が一定であることが含まれることが好ましい。
この場合、前記第2解析手順でダイクッション圧を変更する場合、成形開始時のダイクッション圧を第1所定値とし、成形完了時のダイクッション圧を第2所定値として、前記第1所定値から前記第2所定値まで線形に変化するように、ダイクッション圧を設定することが好ましい。
この場合、前記第3解析手順でダイクッション圧を変更する場合、成形開始から成形完了までのダイクッション圧の平均値が増加するように、ダイクッション圧を設定することが好ましい。
この場合、前記第4解析手順でダイクッション圧を変更する場合、成形開始から成形完了までのダイクッション圧の平均値が低減するように、ダイクッション圧を設定することが好ましい。
この場合、前記第5解析手順でスライド速度を変更する場合、張り出し成形領域のスライド速度を遅くすることが好ましい。
この発明によれば、成形シミュレーション解析を実行し、この解析結果を評価する。そして、評価が否定的である場合、この否定的となった原因に応じて、ダイクッション圧またはスライド速度を変更する。この処理を繰り返すことで、ダイクッション圧およびスライド速度の両方の最適値を、少ない成形シミュレーション解析の回数で求めることができる。
その結果、実際のプレス機や材料を用いた試作の回数を大幅に削減でき、コストを低減できる。さらには、製品の形状を設計する段階で成形条件を予測することで、複雑な形状の製品を成形できる。
特に、サーボプレス機やNCダイクッションでは、成形中にスライド速度やダイクッション圧を自在に変化させることができるため、成形条件を無数に設定可能であり、最適な成形条件を求めることは困難であるが、本発明によれば、試作の回数を大幅に削減できる。
本発明によれば、成形シミュレーション解析を実行し、この解析結果を評価する。そして、評価が否定的である場合、この否定的となった原因に応じて、ダイクッション圧またはスライド速度を変更する。この処理を繰り返すことで、ダイクッション圧およびスライド速度の両方の最適値を、少ない成形シミュレーション解析の回数で求めることができる。その結果、実際のプレス機や材料を用いた試作の回数を大幅に削減でき、コストを低減できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る成形条件決定方法が適用された成形条件決定システム1の概略構成を示す図である。成形条件決定システム1は、プレス機30に接続され、種々のプログラムを実行する演算処理装置10と、ハードディスク等の情報を記憶する記憶装置20とを備える。
プレス機30は、サーボで駆動するサーボプレス機であり、成形条件決定システム1は、このプレス機30にスライド速度とダイクッション圧を含むプレス成形条件を出力する。
成形条件決定システム1は、動作制御を行うOS(Operating System)上に展開されるプログラムとしての、成形条件最適化手段11、成形シミュレーション手段12、およびプレス制御データ生成手段13を備える。
成形シミュレーション手段12は、成形プロセスのシミュレーション解析を行うものであり、解析条件が入力されると、この解析条件下で成形シミュレーションを行い、その解析結果を出力する。
記憶装置20は、データベースであり、スライド速度の範囲、スライド加速度の範囲、ダイクッション圧の範囲などのプレス機30の動作条件が記憶されている。これらの動作条件は、サイクルタイムや搬送速度などに基づいて、予め設定されている。
成形条件最適化手段11は、記憶装置20に記憶された動作条件を参照して成形条件を設定し、これら成形条件を解析条件として成形シミュレーション手段12に出力する。その後、成形シミュレーション手段12から解析結果を受け取り、この解析結果に基づいて、最適な成形条件を決定する。
プレス制御データ生成手段13は、成形条件最適化手段11で決定された成形条件に基づいて、プレス機30を動作させるためのデータを生成する。
図2は、プレス機30の概略構成を示す図である。
プレス機30は、いわゆるサーボプレス機であり、ワークとしての鋼板32の下側に配置された下型41を有する下型機構40と、下型41に対して、上型51を接近、離隔させる上型機構50と、これら下型機構40および上型機構50を制御する制御装置31と、を有する。
上型機構50は、サーボモータ52と、該サーボモータ52によって回転駆動される減速ギア53と、該減速ギア53によって大きいトルクで回転駆動される回転板54と、該回転板54の側面に上端部が揺動可能に軸支されたコネクティングロッド55とを有する。
サーボモータ52は、例えばAC型であって、高い応答性を有するとともにトルクむらが小さい。サーボモータ52の軸回転位置は図示しないエンコーダによって検出され、この検出された軸回転位置に基づいて、サーボモータ52はフィードバック制御される。
上型機構50は、さらに、コネクティングロッド55の下端に軸支されたスライダ56を備え、上型51は、スライダ56の下面に設けられる。
上型51は、下型41とともに鋼板32を挟んでプレス加工するものであって、下面に鋼板32の上面に当接するための型面51aが設けられている。この51は、凹んだ曲面となっており、上型51の周辺には、環状のホルダ57が設けられている。ホルダ57の先端面は水平であり、型面51aよりもやや突出している。したがって、ホルダ57は、鋼板32に対して型面51aよりも先行して当接することになる。
下型機構40は、下型41に加えて、ベースとなる固定台42と、鋼板32の周辺部を支持する環状のブランクホルダ43と、該ブランクホルダ43を昇降させるダイクッション機構44とを有する。
下型41は、固定台42の上部に設けられており、上型51とともに鋼板32を挟んでプレス加工する。この下型41の上面には、鋼板32の下面に当接するための型面41aが設けられている。
ブランクホルダ43は、ホルダ57と対向する位置に設けられ、鋼板32をプレスする際にしわの発生および位置ずれ等を防止するために、該ホルダ57ともに鋼板32の端部を挟持する。
ダイクッション機構44は、下方から固定台42および下型41を貫通してブランクホルダ43の下部を支持する複数のピン45と、これらのピン45を昇降させる図示しない油圧式の昇降機構とを有する。
昇降機構は、ピン45に連結された図示しない油圧シリンダと、この油圧シリンダを駆動する図示しないサーボ機器と、を含んで構成される。このサーボ機器は、制御装置31に接続されており、制御装置31からの信号に基づいて所定の圧力制御を行うことで、ブランクホルダ43とホルダ57とで、鋼板32の周辺部を適切な圧力(ダイクッション圧)で押圧して、しわ押さえを行う。
制御装置31は、サーボモータ52を回転駆動させて上型51を下型41に対して進退させるとともに、ダイクッション機構44を駆動して、ブランクホルダ43を昇降させる。
以上のプレス機30を用いて鋼板32をドロー成形する手順について図3を参照しながら説明する。
先ず、ステップS1において、初期設定を行う。つまり、ブランクホルダ43を所定位置まで上昇させておき、該ブランクホルダ43によって未加工の鋼板32を支持する。また、上型51は上死点まで上昇させておく。次に、ステップS2において、制御装置31の作用下に、サーボモータ52を回転駆動してスライダ56を下降させる。以下、このスライダ56の速度をスライド速度と呼ぶ。
スライダ56をある程度下降をさせると、ホルダ57が鋼板32の上面に接触し、該鋼板32はホルダ57とブランクホルダ43により挟持される。この時点から、制御装置31の作用下にホルダ57を下降させる(ステップS3)。具体的には、制御装置31の作用下にブランクホルダ43が鋼板32の下面を押圧気味となるように適度な力を発生させて鋼板32を確実に保持させながら下降するように圧力制御を行う。つまり、ブランクホルダ43は、ホルダ57によって鋼板32を介して押圧され、該鋼板32に適度な圧力を与えながら押し下げられることになる。これにより、鋼板32はホルダ57とブランクホルダ43によって周辺部を保持(挟持)されながら下降し、次第に上型51と下型41によって製品形状にプレスされる。
ステップS4において、制御装置31は、スライダ56の位置を下死点(つまり、上型51が1ストロークする間の最下点)に到達させる。ステップS5において、制御装置31の作用下に、サーボモータ52を回転駆動して、スライダ56をパネル搬送位置まで上昇させる。
ステップS6において、スライダ56の位置がパネル搬送位置まで達したか否かを確認し、達しているときにはステップS7へ移り、未達のときにはスライダ56の上昇を継続する。ステップS7において、制御装置31の作用下にブランクホルダ43を上昇させる。これによりブランクホルダ43は、スライダ56よりもやや遅れて上昇することになる。
ステップS8において、制御装置31の作用下に、ブランクホルダ43をパネル搬送位置まで上昇させる。ステップS9において、ブランクホルダ43の上昇を一時停止させ、ドロー成形加工が終了した鋼板32を図示しない搬送手段によって次工程のステーションへ搬送する。
ステップS10において、制御装置31は、ブランクホルダ43を再上昇させて、ブランクホルダ43を加工待機位置まで到達させる。ステップS11において、未加工の鋼板を所定の位置に配置する。なお、この間もスライダ56は上昇を継続している。ステップS12において、制御装置31は、スライダ56を上死点まで到達させる。
次に、プレス機30のスライダの変位について図4を参照して説明する。
上述のドロー成形では、スライダ56つまり上型51を、図4に示すように変位させて、絞り加工を行う。具体的には、上型51を上死点(X1)から所定のスライド速度で下降させ、鋼板に接触する位置(X2)の直前で速度を低下させて、この遅いスライド速度で鋼板に接触し、その後、速度を上昇させつつ、プレス成形する。上型51が下死点(X0)に到達すると、この上型51を、元のスライド速度(所定速度)で上昇させる。
図1に戻って、成形条件最適化手段11は、成形条件設定手段60と、解析結果評価手段61と、を備える。
成形条件設定手段60は、記憶装置20に記憶された動作条件を参照して、スライド速度およびダイクッション圧を含む成形条件を設定する。また、解析結果評価手段61の解析結果に応じて、スライド速度およびダイクッション圧の制御パラメータを増加させる。
解析結果評価手段61は、成形シミュレーション手段12で行われた成形シミュレーション解析の結果に基づいて、プレス成形品の品質が一定基準に達するか否かを判定する。
具体的には、成形品を評価する指標として、板厚減少率の最大値および最小主歪みを用いる。
すなわち、板厚減少率が大きくなると亀裂(割れ)が生じやすくなるため、板厚減少率の最大値が所定値以下であるか否かを判定する。この判定がNOの場合には、亀裂が発生し、プレス成形品の品質が一定基準に達していないと判定する。
さらに、亀裂が発生すると判定した場合には、プレス成形品の絞り成形領域で亀裂が発生するか、プレス成形品の張り出し領域で亀裂が発生するかを判定する。成形部分が絞り領域となるか張出し領域となるかは、最小主歪みの正負で決定されるため、最小主歪みの負である場合には、絞り成形領域で亀裂が発生し、最小主歪みの正である場合には、絞り領域で亀裂が発生すると判定する。
また、最小主歪みが小さくなるとしわや面歪みが生じやすいため、最小主歪みが所定値以上であるか否かを判定する。この判定がNOの場合には、しわが発生し、プレス成形品の品質が一定基準に達していないと判定する。
以上の成形条件最適化手段11は、成形条件設定手段60、成形シミュレーション手段12、解析結果評価手段61を順に動作させる。この一連の動作を1回の解析サイクルとして、この成形条件最適化手段11は、解析結果評価手段63でプレス成形品の品質が一定基準に達すると判定されるか、ループ回数が所定回数に到達するまで、解析サイクルを繰り返す。
次に、成形条件最適化手段11の動作を図5および図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS11では、成形条件設定手段60により、初期条件としてスライド速度を最大とし、かつ、成形中のダイクッション圧を一定とし、成形シミュレーション手段12により成形シミュレーション解析を実行する。
例えば、図7に示すように、成形開始時刻tおよび成形完了時刻tのダイクッション圧を一定値Pに設定する。
このように、ステップS11では、ダイクッション圧に関して1つの制御パラメータを設定するが、実際の成形シミュレーション解析では、この制御パラメータ1つにつき少なくとも3つの値を設定して解析を行う。
ステップS12では、解析結果評価手段61により、板厚減少率の最大値が所定値以下であるか否かを判定する。この判定がYESの場合には、ステップS13に移り、NOの場合には、ステップS14に移る。
ステップS13では、解析結果評価手段61により、最小主歪みが所定値以上であるか否かを判定する。この判定がYESの場合には、今回の成形条件を最適条件として出力して終了し、NOの場合には、ステップS14に移る。
ステップS14では、ループ回数を示すカウンタkを1に設定する。
ステップS15では、成形条件設定手段60により、成形開始時のダイクッション圧および成形完了時のダイクッション圧を設定して、成形シミュレーション手段12により成形シミュレーション解析を実行する。
例えば、図8に示すように、成形開始時刻tのダイクッション圧をP、成形完了時刻tのダイクッション圧をPよりも低いPに設定して、ダイクッション圧をPからPまで線形に変化させる。
このように、ステップS15では、成形開始時および成形完了時のダイクッション圧の2つの制御パラメータを設定するが、実際の成形シミュレーション解析では、各制御パラメータ1つにつき、少なくとも3つの値を設定して解析を行う。
ステップS16では、解析結果評価手段61により、板厚減少率の最大値が所定値以下であるか否かを判定する。この判定がYESの場合には、ステップS17に移り、NOの場合には、ステップS18に移る。
ステップS17では、解析結果評価手段61により、最小主歪みが所定値以上であるか否かを判定する。この判定がYESの場合には、今回の成形条件を最適条件として出力して終了し、NOの場合には、ステップS21に移る。
ステップS18では、板厚減少率の最大値が所定値以下であると判定したので、成形条件生成手段60により、板厚減少率が最大となる部分が絞り成形領域であるか否かを判定する。この判定がYESの場合には、ステップS19に移り、NOの場合には、ステップS20に移る。
ステップS19では、絞り成形領域つまり材料の流入により成形される部分で、亀裂が発生すると考えられるため、成形条件設定手段60により、ダイクッション圧の平均値が低下するようにダイクッション圧の制御点を追加して、成形シミュレーション手段12により成形シミュレーション解析を実行する。
例えば、図9に示すように、ダイクッション圧の平均値が低下するように、成形開始時刻tと成形完了時刻tとの中間時刻t、ダイクッション圧Pである制御点Cを追加する。そして、時刻tから時刻tまでは、ダイクッション圧をPからPまで線形に変化させ、時刻tから時刻tまでは、ダイクッション圧をPからPまで線形に変化させる。
このように、ステップS19では、圧力および時刻を、ダイクッション圧の制御点Cを表す2つの制御パラメータとして追加するが、実際の成形シミュレーション解析では、各制御パラメータ1つにつき、少なくとも3つの値を設定して解析を行う。
ステップS20では、張り出し成形領域つまり材料の延びにより成形される部分で、亀裂が発生すると考えられるため、成形条件設定手段60により、張り出し成形領域のスライド速度が低下するように制御点を追加して、成形シミュレーション手段12により成形シミュレーション解析を実行する。
例えば、図10に示すように、張り出し成形領域のスライド速度が低下するように、制御点Sを追加する。これにより、成形完了時刻は、時刻tから時刻t´となる。
このように、ステップS20では、スライダの位置および時刻を、スライダの制御点Sを表す2つの制御パラメータとして追加するが、実際の成形シミュレーション解析では、各制御パラメータ1つにつき、少なくとも3つの値を設定して解析を行う。
ステップS21では、成形条件設定手段60により、ダイクッション圧の平均値が上昇するようにダイクッション圧の制御点を追加して、成形シミュレーション手段12により成形シミュレーション解析を実行する。
例えば、図11に示すように、ダイクッション圧の平均値が上昇するように、成形開始時刻tと成形完了時刻tとの中間時刻t、ダイクッション圧Pである制御点Cを追加する。時刻tから時刻tまでは、ダイクッション圧をPからPで線形に変化させ、時刻tから時刻tまでは、ダイクッション圧をPからPまで線形に変化させる。
このように、ステップS19では、圧力および時刻を、ダイクッション圧の制御点Cを表す2つの制御パラメータとして追加するが、実際の成形シミュレーション解析では、各制御パラメータ1つにつき、少なくとも3つの値を設定して解析を行う。
ステップS22では、解析結果評価手段61により、板厚減少率の最大値が所定値以下であるか否かを判定する。この判定がYESの場合には、ステップS23に移り、NOの場合には、ステップS24に移る。
ステップS23では、解析結果評価手段61により、最小主歪みが所定値以上であるか否かを判定する。この判定がYESの場合には、今回の成形条件を最適条件として出力して終了し、NOの場合には、ステップS25に移る。
ステップS24では、カウンタkの値が所定値であるか否かを判定する。この判定がYESの場合には、ループ回数が所定回数に到達したので、今回の成形条件を最適条件として出力して終了し、NOの場合には、ステップS18に戻る。
ステップS25では、カウンタkの値が所定値であるか否かを判定する。この判定がYESの場合には、ループ回数が所定回数に到達したので、今回の成形条件を最適条件として出力して終了し、NOの場合には、ステップS21に戻る。
以上のように、成形条件最適化手段11は、成形シミュレーション解析の結果が肯定的になるか、ループ回数が所定回数に到達するまで、ダイクッション圧またはスライド速度に関する制御パラメータを増加させてゆく。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)成形シミュレーション手段12により成形シミュレーション解析を実行し、解析結果評価手段61により、この解析結果を評価する。そして、評価が否定的である場合、この否定的となった原因に応じて、成形条件設定手段60により、ダイクッション圧またはスライド速度を変更する。この処理を繰り返すことで、ダイクッション圧およびスライド速度の両方の最適値を、少ない成形シミュレーション解析の回数で求めることができる。
その結果、実際のプレス機や材料を用いた試作の回数を大幅に削減でき、コストを低減できる。さらには、製品の形状を設計する段階で成形条件を予測することで、複雑な形状の製品を成形できる。
特に、サーボプレス機30やNCダイクッションでは、成形中にスライド速度やダイクッション圧を自在に変化させることができるため、成形条件を無数に設定可能であり、最適な成形条件を求めることは困難であるが、本発明によれば、試作の回数を大幅に削減できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、板厚減少率の最大値を用いて、亀裂が発生するか否かを判定したが、これに限らず、相当塑性歪みを用いて、亀裂が発生するか否かを判定してもよい。これは、相当塑性歪みが大きくなると、亀裂(割れ)が生じやすいためである。したがって、具体的には、相当塑性歪みの最大値が所定値以下であるか否かを判定し、この判定がYesの場合には、亀裂が発生しないと判定し、Noの場合には、亀裂が発生すると判定する。
本発明の一実施形態に係る成形条件決定方法が適用される成形条件決定システムの概略構成を示す図である。 前記実施形態に係る成形条件決定システムのプレス機の概略構成を示す図である。 前記実施形態に係るプレス機の加工手順を示すフローチャートである。 前記実施形態に係るプレス機のスライダ位置と成形時間との関係を示す図である。 前記実施形態に係る成形条件決定システムのプレス機の動作を示すフローチャート(その1)である。 前記実施形態に係る成形条件決定システムのプレス機の動作を示すフローチャート(その2)である。 前記実施形態に係るプレス機のダイクッション圧を一定に設定した状態を示す図である。 前記実施形態に係るプレス機の成形開始時刻および成形完了時刻のダイクッション圧を設定した状態を示す図である。 前記実施形態に係るプレス機のダイクッション圧の平均値が低下するように制御点を追加した状態を示す図である。 前記実施形態に係るプレス機のスライド速度が低下するように制御点を追加した状態を示す図である。 前記実施形態に係るプレス機のダイクッション圧の平均値が上昇するように制御点を追加した状態を示す図である。
符号の説明
S11〜S13 第1解析手順
S14〜S17 第2解析手順
S21〜S23 第3解析手順
S18、S19、S22、S23 第4解析手順
S18、S20、S22、S23 第5解析手順


Claims (6)

  1. プレス機の成形条件を決定する成形条件決定方法であって、
    初期条件で成形シミュレーション解析を実行し、当該成形シミュレーション解析の結果を評価し、当該評価が肯定的である場合には、今回の成形シミュレーション解析の成形条件を最適値とする第1解析手順と、
    前記第1解析手順の評価が否定的である場合には、ダイクッション圧を変更して成形シミュレーション解析を実行し、当該成形シミュレーション解析の結果を評価し、当該評価が肯定的である場合には、今回の成形シミュレーション解析の成形条件を最適値とする第2解析手順と、
    前記第2解析手順の評価がしわの発生を原因として否定的である場合には、ダイクッション圧を変更して成形シミュレーション解析を実行し、当該成形シミュレーション解析の結果を評価し、当該評価が肯定的である場合には、今回の成形シミュレーション解析の成形条件を最適値とする第3解析手順と、
    前記第2解析手順の評価が絞り成形領域の亀裂の発生を原因として否定的である場合には、ダイクッション圧を変更して成形シミュレーション解析を実行し、当該成形シミュレーション解析の結果を評価し、当該評価が肯定的である場合には、今回の成形シミュレーション解析の成形条件を最適値とする第4解析手順と、
    前記第2解析手順の評価が張り出し成形領域の亀裂の発生を原因として否定的である場合には、スライド速度を変更して成形シミュレーション解析を実行し、当該成形シミュレーション解析の結果を評価し、当該評価が肯定的である場合には、前記第2解析手順での成形シミュレーション解析の成形条件を最適値とする第5解析手順と、を備え、
    前記第3、第4、第5解析手順の評価がしわの発生を原因として否定的である場合には、第3解析手順に戻り、絞り成形領域の亀裂の発生を原因として否定的である場合には、第3解析手順に戻り、張り出し成形領域の亀裂の発生を原因として否定的である場合には、第5解析手順に戻ることを特徴とする成形条件決定方法。
  2. 請求項1に記載の成形条件決定方法において、
    前記第1解析手順の初期条件には、スライド速度が最大でありかつダイクッション圧が一定であることが含まれることを特徴とする成形条件決定方法。
  3. 請求項1または2に記載の成形条件決定方法において、
    前記第2解析手順でダイクッション圧を変更する場合、成形開始時のダイクッション圧を第1所定値とし、成形完了時のダイクッション圧を第2所定値として、前記第1所定値から前記第2所定値まで線形に変化するように、ダイクッション圧を設定することを特徴とする成形条件決定方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の成形条件決定方法において、
    前記第3解析手順でダイクッション圧を変更する場合、成形開始から成形完了までのダイクッション圧の平均値が増加するように、ダイクッション圧を設定することを特徴とする成形条件決定方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の成形条件決定方法において、
    前記第4解析手順でダイクッション圧を変更する場合、成形開始から成形完了までのダイクッション圧の平均値が低減するように、ダイクッション圧を設定することを特徴とする成形条件決定方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の成形条件決定方法において、
    前記第5解析手順でスライド速度を変更する場合、張り出し成形領域のスライド速度を遅くすることを特徴とする成形条件決定方法。
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