JP2010043544A - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

可変圧縮比内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2010043544A
JP2010043544A JP2008206122A JP2008206122A JP2010043544A JP 2010043544 A JP2010043544 A JP 2010043544A JP 2008206122 A JP2008206122 A JP 2008206122A JP 2008206122 A JP2008206122 A JP 2008206122A JP 2010043544 A JP2010043544 A JP 2010043544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression ratio
valve timing
internal combustion
combustion engine
variable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008206122A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukihiro Nakasaka
幸博 中坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008206122A priority Critical patent/JP2010043544A/ja
Publication of JP2010043544A publication Critical patent/JP2010043544A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D15/00Varying compression ratio
    • F02D15/02Varying compression ratio by alteration or displacement of piston stroke
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D13/00Controlling the engine output power by varying inlet or exhaust valve operating characteristics, e.g. timing
    • F02D13/02Controlling the engine output power by varying inlet or exhaust valve operating characteristics, e.g. timing during engine operation
    • F02D13/0269Controlling the valves to perform a Miller-Atkinson cycle
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の機械圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、内燃機関のバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構とを備えている可変圧縮比内燃機関について適用される。特に機械圧縮比を変更した際に、可変圧縮比機構の作動の影響でバルブタイミングが変化する可変圧縮比内燃機関に対し、より簡単にまたは精度よく、バルブタイミングを制御可能とする技術を提供する。
【解決手段】バルブタイミング制御の基準位置についての学習(S106)を、特定の機械圧縮比において行う(S103)。そして、得られた学習値は内燃機関の機械圧縮比によっては変化しない値とし、この学習値と、運転状態に応じたバルブタイミングの値として予め設定された規定値とから、バルブタイミングの制御量を決定する(S107)。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の上死点におけるピストンの相対位置を変更して燃焼室の容積を変更することで、前記内燃機関の機械圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、内燃機関のバルブタイミングを機構的に変更する可変バルブタイミング機構を備えている可変圧縮比内燃機関に適用されるものである。そして、可変圧縮比内燃機関の中でも、特に可変バルブタイミング機構と可変圧縮比機構可変とが機構的に連動しており、可変圧縮比機構によって設定される機械圧縮比が変化するとバルブタイミング機構により設定されるバルブタイミングも変化するものに関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的とした、内燃機関の機械圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回動させてシリンダブロックとクランクケースとを、気筒の軸線方向に相対移動させることで燃焼室の容積を変更し、以て内燃機関の機械圧縮比を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、コンロッドを2分割し、クランクシャフトに連結された方のコンロッドに所定の揺動中心を中心に揺動可能な揺動部材を連結し、前記揺動中心がカム軸を回転させることによって移動することで燃焼室の容積及びピストンのストロークを変更し、以って内燃機関の機械圧縮比を変更する技術も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
内燃機関の機械圧縮比を変更すべく、内燃機関の機械要素の一部の配置、大きさ等を変更する場合、該内燃機関の吸排気弁を駆動するカムシャフトの回転と燃焼サイクルにおけるピストンの位置との相対関係がずれる場合がある。そうすると、吸排気弁がカムシャフトの回転によって直接駆動される場合や、カムシャフトの回転位相に基づいて吸排気弁の開閉時期であるバルブタイミングが制御される場合には、ピストンが圧縮行程上死点などの所定位置にある時期に対して吸排気弁のバルブタイミングが本来あるべきタイミングからずれる虞がある。
これに対し次のような制御を行なうことが提案されている。この提案においては、特定の機械圧縮比において、ピストンの上死点で可変バルブタイミング機構を最遅角位置に調整し、その際のバルブタイミングを基準とする。そして、運転状態に応じた、前記基準からのバルブタイミングの相対的な作動量を規定値としてマップに記憶しておき、基準から規定値分だけバルブタイミングを作動させて目標値に制御する。また、上記の規定値について、バルブタイミングが目標値に正確に制御可能なように学習制御を行う。更に、機械圧縮比の変化に起因するバルブタイミングの変化を考慮して前記学習制御における学習値を修正し、当該修正後の学習値と前記規定値とに基づいて、バルブタイミングを目標値に制御する(引用文献3参照。)。
すなわち上記の従来技術では、内燃機関のバルブタイミング制御において、内燃機関の機械圧縮比の値に応じて学習値を修正し、修正後の学習値を用いてバルブタイミングを制御することで、機械圧縮比の変化に起因するバルブタイミングの変化の影響を抑制していた。しかしながら、上記の従来技術においては、内燃機関の機械圧縮比を変化させる度に学習値を修正する必要があり制御が複雑化する不都合があった。また、圧縮比センサの故障などにより内燃機関の機械圧縮比が正確に検出できなくなった場合には、内燃機関の圧縮比の制御精度が低下するだけでなく、バルブタイミングの制御精度も低下してしまう不
都合があった。
特開2003−206771号公報 特開2001−317383号公報 特開2006−105095号公報 特開2007−332798号公報
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、内燃機関の機械圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、内燃機関のバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構を備えている可変圧縮比内燃機関について適用される。そして、その目的は、特に機械圧縮比を変更した際に、可変圧縮比機構の作動の影響で可変バルブタイミング機構によるバルブタイミングが変化する可変圧縮比内燃機関に対し、より簡単にまたは精度よく、バルブタイミングを目標値に制御可能とする技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明においては、可変圧縮比機構の作動の影響で可変バルブタイミング機構によるバルブタイミングが変化する可変圧縮比内燃機関のバルブタイミング制御に関し以下の点を最大の特徴とする。すなわち、バルブタイミング制御の基準となる基準バルブタイミングを、内燃機関の機械圧縮比によっては変化しない所定の値として学習する。この基準バルブタイミングからの相対的なバルブタイミング変化量によって、バルブタイミングを目標値に制御する。
より詳しくは、内燃機関の上死点におけるピストンの相対位置を機構的に変更することで燃焼室の容積を変更し、内燃機関の機械圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
前記内燃機関の吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングを機構的に変更および設定する可変バルブタイミング機構と、
前記可変バルブタイミング機構の作動の基準となる基準バルブタイミングを学習して記憶するバルブタイミング学習手段と、
前記基準バルブタイミングから、運転状態に応じた規定値だけ前記可変バルブタイミング機構によってバルブタイミングを変更することで、バルブタイミングを目標値に制御するバルブタイミング制御手段と、を備え、
前記バルブタイミング機構により設定されるバルブタイミングが、前記可変圧縮比機構によって設定される機械圧縮比と機構的に連動して変化する可変圧縮比内燃機関であって、
前記基準バルブタイミングは、前記内燃機関の機械圧縮比によっては不変の値とすることを特徴とする。
ここで、従前のバルブタイミング制御においては、ピストンの上死点時に可変バルブタイミング機構を機械的な作動限界である最遅角位置まで作動させ、その際のバルブタイミングを学習してバルブタイミング制御の基準としていた。従って、バルブタイミング機構により設定されるバルブタイミングが、可変圧縮比機構によって設定される機械圧縮比と機構的に連動して変化する可変圧縮比機構においては、機械圧縮比が変化するとバルブタイミング制御の基準自体が変化してしまう不都合があった。
また、この不都合の対策として、機械圧縮比とバルブタイミングの変化との関係に基づいて、可変圧縮比内燃機関の機械圧縮比の変更の度に学習値を修正し、修正された学習値を用いてバルブタイミングを制御する技術が提案されていた。
しかしながら上記の対策が折り込まれた技術では、機械圧縮比が変更される度に学習値
の修正のための演算が必要となり制御が複雑になる不都合があった。また、内燃機関の機械圧縮比を検出するセンサが故障した場合には、その影響が機械圧縮比制御のみならずバルブタイミング制御にも及ぶ可能性が高く、バルブタイミング制御を高精度に実行することが困難な場合があった。
それに対し、本発明においては、バルブタイミング制御の基準として、内燃機関の機械圧縮比によっては変化しない値を採用するので、バルブタイミング制御と機械圧縮比の制御とを分離できる。その結果、機械圧縮比を変更する度に学習値を修正する演算が必要なくなり、制御を単純にすることができる。また、機械圧縮比を検出するセンサの異常の影響がバルブタイミング制御に及ぶ可能性が低下するので、バルブタイミング制御を高精度に実行することが可能となる。
また、本発明においては、前記バルブタイミング学習手段は、特定の機械圧縮比において前記可変バルブタイミング機構の機構的な基準に基づいて決定されるバルブタイミングを、基準バルブタイミングとして学習するようにしてもよい。
ここで、可変バルブタイミング機構の機構的な基準に基づいて決定されるバルブタイミングとは、例えば、可変バルブタイミング機構の作動が部材同士の当接によって機構的に制限される最遅角位置(突き当て位置)であってもよい。あるいは、可変バルブタイミング機構の作動が部材同士の当接によって機構的に制限される最進角位置(突き当て位置)であってもよい。
そして、バルブタイミング学習手段は、基準バルブタイミングを学習して記憶する際には、内燃機関の圧縮比を予め定められた特定の機械圧縮比に制御し、可変バルブタイミング機構を突き当て位置まで作動させ、そのタイミングを記憶することで、より簡単且つ正確に基準バルブタイミングを学習して取得することができる。
また、本発明においては、前記バルブタイミング学習手段は、任意の機械圧縮比において前記可変バルブタイミング機構の機構的な基準に基づいて決定されるバルブタイミングを、前記内燃機関における機械圧縮比とバルブタイミングとの既知の関係に基づいて、特定の機械圧縮比におけるバルブタイミングの値に補正し、基準バルブタイミングとして学習するようにしてもよい。
すなわち、本発明では、バルブタイミング学習手段が基準バルブタイミングを学習して記憶する際の機械圧縮比を特に定めず任意の機械圧縮比で行うこととする。そして、取得された基準バルブタイミングを、内燃機関の機械圧縮比とバルブタイミングとの関係を利用して、特定の機械圧縮比におけるバルブタイミングの値に補正し、基準バルブタイミングとして学習し記憶する。
これによれば、基準バルブタイミングの学習および記憶を任意の機会に行うことができ、さらに、基準バルブタイミングの値を特定の機械圧縮比における値に補正して記憶することが可能となる。これによれば、基準バルブタイミングの学習の時期についての自由度を高めることができるとともに、基準バルブタイミングの基礎となる機械圧縮比における学習値をより簡単に取得することができる。
また、本発明においては、前記特定の機械圧縮比は、前記可変圧縮比機構によって設定可能な最高圧縮比であってもよい。
この最高圧縮比においては、上死点におけるピストンの位置は最も高くなるので、ピストンと吸気弁または排気弁との干渉が最も生じ易い状況になる。この最高圧縮比において
基準バルブタイミングを決定すれば、ピストンと吸気弁または排気弁との干渉が最も生じ易い状況において直接にバルブタイミングの制御の基準の学習および記憶を行うことができ、バルブタイミングと機械圧縮比の関係を決定することが可能となる。その結果、吸気弁または排気弁とピストンとの干渉をより確実に回避することが可能となる。
また、本発明において、前記特定の機械圧縮比は、前記可変圧縮比機構によって設定可能な最低圧縮比であってもよい。
この最低圧縮比においては、上死点におけるピストンの位置は最も低くなるので、ピストンと吸気弁または排気弁との干渉が最も生じ難い状況になる。そうすると、ピストンと吸排気弁との干渉が最も起こり難い状態で、より安全に基準バルブタイミングの学習及び記憶を行うことができ、学習の実行中におけるピストンと吸気弁または排気弁との干渉による内燃機関の故障を抑制することができる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明によれば、機械圧縮比を変更した際に、可変圧縮比機構の作動の影響でバルブタイミングが変化する可変圧縮比内燃機関においても、より簡単にまたは精度よく、バルブタイミングを制御することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
図1は、機械圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関(以下、単に「内燃機関」という)1の概略構成を表す図である。本実施例において、シリンダ2内の燃焼室には、シリンダヘッド10に設けられた吸気ポート18を介して吸気管19が接続されている。シリンダ2への吸気の流入は吸気弁5によって制御される。吸気弁5の開閉は、吸気側カム7の回転駆動によって制御される。また、シリンダヘッド10に設けられた排気ポート20を介して、排気管21が接続されている。シリンダ2外への排気の排出は排気弁6によって制御される。排気弁6の開閉は排気側カム8の回転駆動によって制御される。更に、吸気ポート18には燃料噴射弁17が、シリンダ2の頂部には、点火プラグ16が設けられている。そして、内燃機関1のクランクシャフト13にコンロッド14を介して連結されたピストン15が、シリンダ2内で往復運動を行う。
ここで、内燃機関1においては、可変圧縮比機構9によって、シリンダブロック3をクランクケース4に対してシリンダ2の軸線方向に相対移動させることで、内燃機関1の機械圧縮比が変更される。即ち、可変圧縮比機構9が、シリンダブロック3と共にシリンダヘッド10を、シリンダ2の軸線方向にクランクケース4に対して相対移動させることによって、シリンダブロック3、シリンダヘッド10およびピストン15によって構成される燃焼室の容積が変更され、その結果、内燃機関1の機械圧縮比が可変制御される。例えば、シリンダブロック3がクランクケース4から遠ざかる方向に相対移動されると、燃焼室容積が増えて機械圧縮比が低下する。
可変圧縮比機構9は、軸部9aと、軸部9aの中心軸に対して偏心された状態で軸部9aに固定された正円形のカムプロフィールを有するカム部9bと、カム部9bと同一外形を有し軸部9aに対して回転可能且つカム部9bと同じように偏心状態で取り付けられた
可動軸受部9cと、軸部9aと同心状に設けられたウォームホイール9dと、ウォームホイール9dと噛み合うウォーム9eと、ウォーム9eを回転駆動させるモータ9fによって構成される。そして、カム部9bはシリンダブロック3に設けられた収納孔内に設置され、可動軸受部9cはクランクケース4に設けられた収納孔内に設置される。ここで、モータ9fからの駆動力は、ウォーム9eとウォームホイール9dとを介して軸部9aに伝えられる。そして、偏心状態にあるカム部9b、可動軸受部9cが駆動されることで、シリンダブロック3がクランクケース4に対してシリンダ2の軸線方向に相対移動させられる。
また、内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(以下、「ECU」という)90が併設されている。このECU90は、CPUの他、後述する各種のプログラム及びマップを記憶するROM、RAM等を備えており、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。
ここで、アクセル開度センサ92がECU90と電気的に接続されており、ECU90はアクセル開度に応じた信号を受け取り、この信号に応じて内燃機関1に要求される機関負荷等を算出する。また、クランクポジションセンサ91がECU90と電気的に接続されており、ECU90は内燃機関1の出力軸の回転角に応じた信号を受け取り、内燃機関1の機関回転速度や、該機関回転速度とギア比等から内燃機関1が搭載されている車両の車両速度等を算出する。
更に、可変圧縮比機構9を構成するモータ9fがECU90と電気的に接続されている。そして、ECU90からの指令によりモータ9fが駆動されて、可変圧縮比機構9による内燃機関1の機械圧縮比の変更が行われる。この内燃機関1の機械圧縮比の変更は、内燃機関1の運転状態に基づいて行われる。例えば、内燃機関1の運転状態を機関負荷と機関回転速度で表す場合、低機関負荷から高機関負荷になるに従い又は低機関回転速度から高機関回転速度になるに従い、シリンダブロック3をクランクケース4から遠ざける方向にモータ9fを駆動して、内燃機関1の機械圧縮比を高圧縮比から低圧縮比へと移行させる。
次に、内燃機関1における吸気弁5および排気弁6の開閉動作および該開閉動作を行う開閉機構について、図2および図3に基づいて説明する。図2、3は、主に内燃機関1のバルブタイミング制御システムの機構を示す図であり、図2(a)はシリンダブロック3がクランクケース4に近づき、内燃機関1の機械圧縮比が比較的高い機械圧縮比(以下、単に「高圧縮比」という)となっている状態を示し、図2(b)はシリンダブロック3がクランクケース4から遠ざかり、内燃機関1の機械圧縮比が比較的低い機械圧縮比(以下、単に「低圧縮比」という)となっている状態を示す。図2に示すように、シリンダブロック3がシリンダ2の軸線方向にΔh相対移動することで、内燃機関1の機械圧縮比が変更される。また、図3は、吸気弁5、排気弁6を中心としたシリンダヘッド10の頂部近傍を模式的に表した図である。
内燃機関1においては、吸気弁5の開閉動作は吸気側カム7によって行われる。この吸気側カム7は吸気側カムシャフト22に取り付けられ、更に吸気側カムシャフト22の端部には吸気側プーリ24が設けられている。更に、吸気側カムシャフト22と吸気側プーリ24との相対的な回転位相を変更可能とする可変回転位相機構(以下、「吸気側VVT」という)23が設けられている。この吸気側VVT23は、ECU90からの指令に従って吸気側カムシャフト22と吸気側プーリ24との相対的な回転位相を制御する。更に、吸気側カムシャフト22の回転角を検出する吸気側カム角センサ93が設けられ、吸気側カム角センサ93とECU90とが電気的に接続されている。
また、排気弁6の開閉動作は排気側カム8によって行われる。この排気側カム8は排気側カムシャフト25に取り付けられ、更に排気側カムシャフト25の端部には排気側プーリ27が設けられている。更に、排気側カムシャフト25と排気側プーリ27との相対的な回転位相を変更可能とする可変回転位相機構(以下、「排気側VVT」という)26が設けられている。この排気側VVT26は、ECU90からの指令に従って排気側カムシャフト25と排気側プーリ27との相対的な回転位相を制御する。更に、排気側カムシャフト25の回転角を検出する排気側カム角センサ94が設けられ、排気側カム角センサ94とECU90とが電気的に接続されている。なお、吸気側VVT23及び排気側VVT26は本実施例において可変バルブタイミング機構に相当する。
そして、吸気側カムシャフト22と排気側カムシャフト25の回転駆動は、クランクシャフト13の駆動力によって行われる。具体的には、クランクシャフト13に設けられたクランク側プーリ32、吸気側プーリ24、排気側プーリ27にはタイミングベルト33が掛けられており、更にタイミングベルト33は、クランクケース4側に設けられた第一クランクケース側プーリ30、第二クランクケース側プーリ31およびシリンダブロック3側に設けられた第一シリンダブロック側プーリ28、第二シリンダブロック側プーリ29にも掛かっている。
なお、タイミングベルト33が掛かる順序は、クランク側プーリ32を初めとして、第一クランクケース側プーリ30、第一シリンダブロック側プーリ28、吸気側プーリ24、排気側プーリ27、第二シリンダブロック側プーリ29、第二クランクケース側プーリ31の順である。
そして、第一クランクケース側プーリ30、および第二クランクケース側プーリ31はタイミングベルト33の外周面と接しており、それ以外のクランク側プーリ32、第一シリンダブロック側プーリ28、吸気側プーリ24、排気側プーリ27、第二シリンダブロック側プーリ29、はタイミングベルト33の内周面と接している。
このようにして、クランクシャフト13の駆動力によって吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト25が回転駆動されて、以て吸気側カム7および排気側カム8によって、吸気弁5および排気弁6の開閉動作が行われる。
ここで、可変圧縮比機構9によって内燃機関1の機械圧縮比が変更されるとき、例えば図2(a)に示す高圧縮比の状態から図2(b)に示す低圧縮比の状態へと変更されるとき、上述したようにシリンダブロック3がクランクケース4から遠ざかる方向に相対移動する。従って、機械圧縮比の変更に合わせて、シリンダブロック3に設けられた第一シリンダブロック側プーリ28、第二シリンダブロック側プーリ29も移動する。その結果、第一クランクケース側プーリ30と第一シリンダブロック側プーリ28との間に掛かるタイミングベルト33の長さL1、および第二クランクケース側プーリ31と第二シリンダブロック側プーリ29との間に掛かるタイミングベルト33の長さL2は、機械圧縮比の変更に伴って変化する。このような構成により、シリンダブロック3が移動しても、タイミングベルト33の全長は変化しない。
なお、内燃機関1においては、クランクポジションセンサ91と吸気側カム角センサ93、排気側カム角センサ94とからの信号に基づいて、クランク角と吸排気弁5、6のカム角との関係が適正な関係となるべく、吸気側VVT23および排気側VVT26によって、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト25の回転位相がフィードバック制御される。
そして、本実施例においては、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト25
を最遅角位置から何度回転させるかにより吸気側VVT23および排気側VVT26を制御する。すなわち、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト25が最も遅角されたときの位置(以下、最遅角位置という。)を基準位置とし、この基準位置から内燃機関1の運転状態に応じて吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト25の角度が進角される。この基準位置からの進角量は、内燃機関1の運転状態(例えば、機関回転数、機関負荷)と進角量との関係を予めマップ化したものをECU90に記憶させておき、該マップに内燃機関1の運転状態を代入して得ることができる。
しかし、内燃機関1では、図2(a)に示す高圧縮比の状態から図2(b)に示す低圧縮比の状態へと変更されると、タイミングベルト長L1は短くなり、タイミングベルト長L2は長くなる。その結果、クランクシャフト13が特定の回転角にあるとき、例えばピストン15の位置が圧縮行程上死点等にあるときの、吸気側プーリ24および排気側プーリ27の位相は、図2(a)に示す高圧縮比状態と図2(b)に示す低圧縮比状態とでは異なる。すなわち、図2(a)に示す高圧縮比状態を基準とすると、図2(b)に示す低圧縮比状態では、吸気側プーリ24および排気側プーリ27の回転位相がΔTvだけずれる。
そして、回転位相がΔTvずれた状態で前記学習値を取得すると、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト25の最遅角位置がずれることに起因して回転位相がΔTvずれた値となる。そして、吸気側VVT23および排気側VVT26の目標値、すなわち吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト25の進角量にもずれを生じてしまう。
そのため、ピストン位置が圧縮行程上死点にある時期に対する吸気弁5および排気弁6のバルブタイミングが、図2(a)に示す高圧縮比状態と図2(b)に示す低圧縮比状態とでは異なってしまい、圧縮比の変更に伴って、バルブタイミングが適正なタイミングからずれる虞がある。即ち、圧縮比の変更の結果、シリンダ2内で行われる燃焼に適したバルブタイミングが得られない虞がある。
これに対し、従前のバルブタイミングの制御では、機械圧縮比の変更が行なわれるときの吸気側プーリ24および排気側プーリ27の回転位相のずれを機械圧縮比と関連付けて予め求めておき、吸気側VVT23および排気側VVT26を制御するときには、前記学習値を予め求めておいたずれ量によって補正することとしていた。
すなわち、吸気側VVT23および排気側VVT26の作動量の目標値は、内燃機関の運転状態との関係において定められる規定値と、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト25の位相を最も遅角させた際のバルブタイミングの学習値とから決定され、当該学習値は、内燃機関1の機械圧縮比の変化による吸気側プーリ24および排気側プーリ27の回転位相のずれにより補正される。
この場合の規定値は、例えば内燃機関1の機械圧縮比が最高圧縮比である場合の、内燃機関1の運転状態から決定される最遅角位置からの吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト25の進角量であり、内燃機関1の運転状態との関係から予め実験等により求められマップ化されてECU90に記憶されている。また、学習値は、最高圧縮比のときのバルブタイミングの最遅角位置を基準とし、この基準の学習値にバルブタイミングずれ量ΔTvを加えて補正される。
そして、吸気側プーリ24と排気側プーリ27はタイミングベルト33を介してクランクシャフト13と連動しているため、吸気側VVT23と排気側VVT26とによる回転位相の変更によって、クランクシャフト13の回転角に対する吸気側カムシャフト22お
よび排気側カムシャフト25の回転角の相対関係が変更されて、ピストン15のピストン位置に対する吸気弁5、排気弁6のバルブタイミングが適正なタイミングとなる。
図4には、上記した従前のバルブタイミングの制御における規定値と、補正後の学習値、バルブタイミング制御量の関係を示す。ここでゼロ点は、クランク軸の角度との関係で定義される絶対的な基準である。バルブタイミング制御量は、各圧縮比において、バルブタイミングを規定値で規定される目標バルブタイミングとするために、最遅角位置から実際に進角させる量を意味する。図に示すように、補正学習値は、機械圧縮比によって変化するΔTvを、最高圧縮比における学習制御による学習値に加えて補正した学習値である。
このように、従前のバルブタイミングの制御においては、例えば最高圧縮比の場合の吸気弁5および排気弁6の最遅角位置に係る学習値を、機械圧縮比の変化に起因するバルブタイミングの変化を考慮して補正し、これにより、吸気側VVT23および排気側VVT26を実際に進角させる量であるバルブタイミング制御量を決定していた。従って、内燃機関1における機械圧縮比を変更する毎に、吸気側VVT23と排気側VVT26とのバルブタイミング制御に係る学習値をΔTvによって補正し、バルブタイミング制御量を導出する煩雑な演算と制御とを行っていた。
また、上記した従前のバルブタイミングの制御においては、機械圧縮比の制御用のセンサが異常となった場合には、機械圧縮比だけでなくバルブタイミングの制御も異常となるおそれがあり、制御の安定性の観点から望ましいものではなかった。
そこで、本実施例においては、機械圧縮比で変化しない特定のバルブタイミングを基準として、その学習値(ΔTvによる補正なし)と規定値とから、バルブタイミング制御量を取得することとした。例えば、図5に示すように、最高圧縮比での吸気弁6および排気弁6の最遅角位置を基準としてもよい。そして、マップに格納され運転状態に応じた規定値をバルブタイミング制御量として、前記の基準についての学習値から吸気弁5および排気弁6を進角させることにより、バルブタイミングを目標値に制御する。
これによれば、図4で説明した場合ようにバルブタイミング制御量を決定する学習値が機械圧縮比によって変化しない。従って、内燃機関1における機械圧縮比が変化する度に、学習値を補正してバルブタイミング制御量を演算する必要がなくなるので、処理を簡単にすることができる。また、学習値及びバルブタイミング制御量が機械圧縮比の影響を受けないので、圧縮比測定のためのセンサの異常が生じたとしても、そのことでバルブタイミングまでもが影響を受けるという事態を回避できる。
図6には、本実施例におけるバルブタイミング学習・制御ルーチンを示す。本ルーチンは、ECU90のROMに記憶されたプログラムであり、内燃機関1の稼動中には所定期間毎に実行されるルーチンである。
本ルーチンが実行されると、まずS101において車速、アクセル開度、シフト状態、内燃機関の状態(回転数、吸気量、圧縮比等)が検出される。S101の処理が終了するとS102に進む。
S102においては、バルブタイミング学習条件が成立しているか否かが判定される。本実施例においてバルブタイミング学習条件は、内燃機関がアイドル状態か否かによって判定される。ここで否定判定された場合はS107に進む。一方、肯定判定された場合にはS103に進む。
S103においては、内燃機関1の機械圧縮比を可変圧縮比機構9で変更可能な最高圧縮比に制御する。S103の処理が終了するとS104に進む。
S104においては、吸気側VVT23および排気側VVT26を機構的な遅角可能限界である最遅角位置まで遅角させ、その際のバルブタイミングを取得する。なお、排気VVTは進角側で学習してもよい。S104の処理が終了するとS105に進む。
S105においては、この時点における内燃機関1の機械圧縮比を検出する。具体的には、図示しない筒内圧センサの出力から検出しても構わない。あるいは、クランクケース4に対するシリンダブロック3の位置をセンサ(不図示)で測定して検出しても構わない。ここで、S103で目標とした機械圧縮比とS105で実際に検出した機械圧縮比との差が許容値以上の場合には、可変圧縮比機構9またはセンサが異常であると判定される。この場合には、運転者への報知、機械圧縮比の変更の禁止などの措置を実行してもよいが、ここでは説明を省略する。S105の処理が終了するとS106に進む。
S106においては、S104で取得された値によって、バルブタイミングの最遅角位置の学習値(ゼロ点からの絶対位置(タイミング位相差))を更新する。更新された学習値はECU90内のメモリに格納しておく。S106の処理が終了するとS107に進む。
S107においては、吸気側VVT23および排気側VVT26のバルブタイミングの最遅角位置の学習値と、規定値マップから読み出された規定値とから、バルブタイミング制御量を算出する。具体的には最新の学習値と、規定値の基準となっている最遅角位置との間に差がある場合には、その差によって規定値を補正した進角量をバルブタイミング制御量とする。そして、求められたバルブタイミング制御量に基づいて、吸気側VVT23および排気側VVT25を作動させて各バルブタイミングを目標バルブタイミングに制御する。S107の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。なお、上記のバルブタイミング学習・制御ルーチンにおいて特にS107の処理を実行するECU90は、本実施例においてバルブタイミング制御手段に相当する。
以上、説明したように、本実施例においては、バルブタイミング制御量には、内燃機関1の機械圧縮比の変化に起因するバルブタイミングの変化は影響しない。従って、機械圧縮比の変更の度に学習値を補正して、補正後の学習値と規定値によってバルブタイミング制御量を一々演算するという煩雑な処理が不要となり、制御が簡単になる。本実施例による制御では学習値の更新時に所定の圧縮比まで機械圧縮比を制御し、更新された学習値に対してバルブタイミング制御量を演算すればよいこととなる。従って、バルブタイミング制御のために機械圧縮比の値を使用する頻度を少なくすることができ、機械圧縮比の検出センサの異常など、圧縮比に関わる異常がバルブタイミング制御に影響を及ぼす確率を低減することが可能となる。
なお、本実施例のバルブタイミング学習・制御ルーチンにおける特にS104及びS106の処理を実行するECU90は、本実施例においてバルブタイミング学習手段に相当する。また、吸気側VVT23および排気側VVT26のバルブタイミングの最遅角位置の学習値は、本実施例において基準バルブタイミングに相当する。
次に、本発明の実施例2について説明する。本発明の実施例1では、学習値の更新を可変圧縮比機構9で変更可能な最高圧縮比で行う例について説明した。これに対し本実施例においては、任意の機械圧縮比において吸気側VVT23および排気側VVT26の最遅角位置を取得し、特定の機械圧縮比における値に変換した上で学習値の更新を行う例につ
いて説明する。
図7は、本実施例におけるバルブタイミング学習・制御ルーチン2である。本ルーチンと実施例1で説明したバルブタイミング学習・制御ルーチンとの相違点は、S103の処理が削除された点と、S104の処理の代わりにS201の処理が実行され、S106の処理の代わりにS202の処理が実行される点である。以下、本ルーチンとバルブタイミング学習・制御ルーチンとの相違点についてのみ説明する。
まず、本ルーチンにおいてはS103の処理が削除されたことより、学習値の更新のために特定の機械圧縮比に変更されないことが前提となる。すなわち、本ルーチンが実行された時点における機械圧縮比においてバルブタイミング学習が行われる。
すなわち、S201においては、まず吸気側VVT23および排気側VVT26を機構的な遅角可能限界である最遅角位置まで遅角させ、その際のバルブタイミングを取得する。S201の処理が終了するとS105に進む。S105においては、バルブタイミング学習時における実際の機械圧縮比が検出される。ここで、機械圧縮比(運転状態から定められる目標値)とS105で実際に検出した機械圧縮比との差が許容値以上の場合には、可変圧縮比機構9またはセンサが異常であると判定される点はバルブタイミング学習・制御ルーチンと同等である。S105の処理が終了するとS202に進む。
S202においては、S201で得られたバルブタイミングの値を機械圧縮比が特定の機械圧縮比、ここでは例として図8に示すように、可変圧縮比機構9で設定可能な最高圧縮比とされた場合のバルブタイミングに変換する。より具体的には、バルブタイミングと機械圧縮比の関係のグラフに基づいて予め作成された補正係数をS201で得られたバルブタイミングに乗じることで変換しても構わない。これにより、機械圧縮比を特定圧縮比(可変圧縮比機構9の最高圧縮比)とした場合のバルブタイミングが得られる。
次に、上記で得られた、機械圧縮比を特定圧縮比(可変圧縮比機構9の最高圧縮比)とした場合のバルブタイミングの値によって、バルブタイミングの最遅角位置の学習値(ゼロ点からの絶対位置(タイミング位相差))を更新する。更新された学習値はECU90内のメモリに格納しておく。S202の処理が終了するとS107に進む。以降の制御は、バルブタイミング学習・制御ルーチンと同等である。
以上、説明したように、本実施例においてはバルブタイミングの学習時に、逐一機械圧縮比を特定の機械圧縮比に変更せず、その時点における圧縮比のままで吸気側VVT23および排気側VVT26の最遅角位置のバルブタイミングを取得し、その後、取得したバルブタイミングの値を機械圧縮比が特定の機械圧縮比となった場合の値に変換した上で学習値を更新することとした。これによれば、より簡単にバルブタイミングの学習を行うことができる。
なお、本実施例に係るバルブタイミング制御においては機械圧縮比を可変圧縮比機構9で変更可能な最高圧縮比とした場合の吸気側VVT23および排気側VVT26の最遅角位置を基準位置としている。この基準位置は、任意の機械圧縮比において吸気側VVT23および排気側VVT26が取りうる位置の中でも最も遅角側にある。また、機械圧縮比が変更したことによるVVT最遅角位置の変化はバルブタイミング制御において意識されないこととなる。そうすると、目標バルブタイミングと機械圧縮比の組合せによっては、吸気側VVT23または排気側VVT26が機構的に定められる移動限界である最遅角位置より更に遅角側に移動しようとすることにより、吸気側VVT23または排気側VVT26において機構的な衝突が生じる場合があった。
従って、上記の実施例においては、各機械圧縮比における吸気側VVT23および排気側VVT26の最遅角位置をマップ化して記憶しておき、各機械圧縮比におけるバルブタイミング制御において、吸気側VVT23および排気側VVT26のバルブタイミングが各々のVVTの最遅角位置より遅角側にならないように制御し、あるいは、各々のVVTの最遅角位置付近に制御する場合には、変更(移動)速度を遅くするなどの対応を行なってもよい。このことは、基準位置が吸気側VVT23および排気側VVT26の最進角位置である場合にも同様である。すなわちこの場合には、各機械圧縮比におけるバルブタイミング制御において、吸気側VVT23および排気側VVT26のバルブタイミングが各々のVVTの最進角位置より進角側にならないように制御し、あるいは、各々のVVTの最進角位置付近に制御する場合には、変更(移動)速度を遅くするなどの対応を行なってもよい。
また、上記のバルブタイミング学習・制御ルーチン及び、バルブタイミング学習・制御ルーチン2においては、バルブタイミングの制御の基準となるバルブタイミングの学習値を内燃機関を最高圧縮比とした状態を基準として求めた。
最高圧縮比においては、上死点におけるピストンの位置は最も高くなるので、ピストンと吸気弁または排気弁との干渉が最も生じ易い状況になる。従って、上記の実施例においては、ピストン15と吸気弁5または排気弁6との干渉が最も生じ易い状況において直接にバルブタイミングの制御の基準の学習を行うことができ、バルブタイミングと機械圧縮比の関係を決定することができる。その結果、バルブタイミングのずれによる吸気弁5または排気弁6とピストン15との干渉を回避することができる。
しかしながら、基準となる機械圧縮比は最高圧縮比である必要はなく、他の特定の機械圧縮比としてもよい。もちろん、最低圧縮比としてもよい。最低圧縮比においては、上死点におけるピストンの位置は最も低くなるので、ピストン15と吸気弁5または排気弁6との干渉が最も生じ難い状況になる。そうすると、ピストン15と吸気弁5または排気弁6との干渉が最も起こり難い状態で、より安全に基準バルブタイミングの学習を行うことができ、学習の実行中におけるピストン15と吸気弁5または排気弁6との干渉による内燃機関1の故障を抑制することができる。
また、上記の実施例において本発明が適用されたのは、シリンダブロック3とクランクケース4とを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、カム軸を回動させてシリンダブロック3とクランクケース4とを、シリンダ2の軸線方向に相対移動させるタイプの可変圧縮比内燃機関である。しかしながら、本発明は、他のタイプの可変圧縮比内燃機関に適用されてよいことはもちろんである。
例えば、コンロッドを2分割し、クランクシャフトに連結された方のコンロッドに所定の揺動中心を中心に揺動可能な揺動部材を連結し、前記揺動中心がカム軸を回転させることによって移動することで燃焼室の容積及びピストンのストロークを変更し、以って内燃機関の機械圧縮比を変更するタイプの可変圧縮比内燃機関に本発明を適用しても構わない。
本発明の実施例に係る内燃機関の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施例に係る可変圧縮比機構及び、機械圧縮比を変更した際に生じるバルブタイミングの変化について説明するための図である。 本発明の実施例に係る可変圧縮比内燃機関のバルブタイミング制御機構を示す概略図である。 従来技術における機械圧縮比と補正学習値、バルブタイミング制御量、規定値との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1における機械圧縮比と学習値、バルブタイミング制御量、規定値との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1におけるバルブタイミング学習・制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施例2におけるバルブタイミング学習・制御ルーチン2を示すフローチャートである。 本発明の実施例2におけるバルブタイミング学習・制御ルーチン2の、学習値の変換について説明するための図である。
符号の説明
1・・・ 内燃機関
2・・・ シリンダ
3・・・ シリンダブロック
4・・・ クランクケース
5・・・ 吸気弁
6・・・ 排気弁
7・・・ 吸気側カム
8・・・ 排気側カム
9・・・ 可変圧縮比機構
9a・・・ 軸部
9b・・・ カム部
9c・・・ 可動軸受部
9d・・・ ウォームホイール
9e・・・ ウォーム
9f・・・ モータ
10・・・ シリンダヘッド
13・・・ クランクシャフト
14・・・ コンロッド
15・・・ ピストン
16・・・ 点火プラグ
17・・・ 燃料噴射弁
18・・・ 吸気ポート
19・・・ 吸気管
20・・・ 排気ポート
21・・・ 排気管
22・・・ 吸気側カムシャフト
24・・・ 吸気側プーリ
25・・・ 排気側カムシャフト
27・・・ 排気側プーリ
28・・・ 第一シリンダブロック側プーリ
29・・・ 第二シリンダブロック側プーリ
30・・・ 第一クランクケース側プーリ
31・・・ 第二クランクケース側プーリ
32・・・ クランク側プーリ
33・・・ タイミングベルト
90・・・ ECU
91・・・ クランクポジションセンサ
92・・・ アクセル開度センサ
93・・・ 吸気側カム角センサ
94・・・ 排気側カム角センサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の上死点におけるピストンの相対位置を機構的に変更することで燃焼室の容積を変更し、内燃機関の機械圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
    前記内燃機関の吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングを機構的に変更および設定する可変バルブタイミング機構と、
    前記可変バルブタイミング機構の作動の基準となる基準バルブタイミングを学習して記憶するバルブタイミング学習手段と、
    前記基準バルブタイミングから、運転状態に応じた規定値だけ前記可変バルブタイミング機構によってバルブタイミングを変更することで、バルブタイミングを目標値に制御するバルブタイミング制御手段と、を備え、
    前記バルブタイミング機構により設定されるバルブタイミングが、前記可変圧縮比機構によって設定される機械圧縮比と機構的に連動して変化する可変圧縮比内燃機関であって、
    前記基準バルブタイミングは、前記内燃機関の機械圧縮比によっては不変の値とすることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記バルブタイミング学習手段は、特定の機械圧縮比において前記可変バルブタイミング機構の機構的な基準に基づいて決定されるバルブタイミングを、基準バルブタイミングとして学習することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記バルブタイミング学習手段は、任意の機械圧縮比において前記可変バルブタイミング機構の機構的な基準に基づいて決定されるバルブタイミングを、前記内燃機関における機械圧縮比とバルブタイミングとの既知の関係に基づいて、特定の機械圧縮比におけるバルブタイミングの値に補正し、基準バルブタイミングとして学習することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記特定の機械圧縮比は、前記可変圧縮比機構によって設定可能な最高圧縮比であることを特徴とする請求項2または3に記載の可変圧縮比内燃機関。
  5. 前記特定の機械圧縮比は、前記可変圧縮比機構によって設定可能な最低圧縮比であることを特徴とする請求項2または3に記載の可変圧縮比内燃機関。
JP2008206122A 2008-08-08 2008-08-08 可変圧縮比内燃機関 Withdrawn JP2010043544A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008206122A JP2010043544A (ja) 2008-08-08 2008-08-08 可変圧縮比内燃機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008206122A JP2010043544A (ja) 2008-08-08 2008-08-08 可変圧縮比内燃機関

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010043544A true JP2010043544A (ja) 2010-02-25

Family

ID=42015108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008206122A Withdrawn JP2010043544A (ja) 2008-08-08 2008-08-08 可変圧縮比内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010043544A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012132345A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
WO2014030671A1 (ja) * 2012-08-21 2014-02-27 日立オートモティブシステムズ株式会社 エンジンの制御装置
CN106979086A (zh) * 2015-10-12 2017-07-25 罗伯特·博世有限公司 诊断往复活塞内燃机中的压缩比的可变调节的方法和装置
WO2019043860A1 (ja) * 2017-08-31 2019-03-07 日産自動車株式会社 内燃機関の制御方法および制御装置
US11199140B2 (en) 2018-03-16 2021-12-14 Ihi Corporation Engine

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012132345A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
WO2014030671A1 (ja) * 2012-08-21 2014-02-27 日立オートモティブシステムズ株式会社 エンジンの制御装置
JP2014040775A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Hitachi Automotive Systems Ltd エンジンの制御装置
CN106979086A (zh) * 2015-10-12 2017-07-25 罗伯特·博世有限公司 诊断往复活塞内燃机中的压缩比的可变调节的方法和装置
CN106979086B (zh) * 2015-10-12 2021-07-13 罗伯特·博世有限公司 诊断往复活塞内燃机中的压缩比的可变调节的方法和装置
WO2019043860A1 (ja) * 2017-08-31 2019-03-07 日産自動車株式会社 内燃機関の制御方法および制御装置
CN111065805A (zh) * 2017-08-31 2020-04-24 日产自动车株式会社 内燃机的控制方法及控制装置
EP3677761A4 (en) * 2017-08-31 2020-09-09 Nissan Motor Co., Ltd. CONTROL METHOD AND CONTROL DEVICE FOR A COMBUSTION ENGINE
US10907552B2 (en) 2017-08-31 2021-02-02 Nissan Motor Co., Ltd. Control method and control device for internal combustion engine
CN111065805B (zh) * 2017-08-31 2022-06-24 日产自动车株式会社 内燃机的控制方法及控制装置
US11199140B2 (en) 2018-03-16 2021-12-14 Ihi Corporation Engine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9416745B2 (en) Internal-combustion-engine control device and control method
US8374769B2 (en) Control apparatus and control method for variable valve operating mechanism
JP4525797B2 (ja) バルブ特性変更機構の異常判定装置
KR20100007909A (ko) 내연기관의 제어 장치 및 제어 방법
JP2010043544A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP2009293497A (ja) 可変圧縮比内燃機関及び、可変圧縮比機構の異常判定方法
US10458288B2 (en) Method and apparatus for controlling a variable valve system
US8265857B2 (en) Apparatus for and method of controlling engine
US8126637B2 (en) Control system for internal combustion engine
JP2010203269A (ja) 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP5532953B2 (ja) 可変動弁システムの制御装置
JP2011256802A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5720855B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6683560B2 (ja) 内燃機関の制御装置及びその制御方法
JP4379273B2 (ja) 可変圧縮比機構を備えた内燃機関
JP4280731B2 (ja) 可変バルブタイミング機構を備えた内燃機関の制御装置
JP5930126B2 (ja) 内燃機関の制御装置および制御方法
JP2006105095A (ja) 可変圧縮比機構を備えた内燃機関
JP4576303B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2009041543A (ja) 可変動弁機構付き内燃機関の制御システム
JP6867259B2 (ja) 可変バルブタイミング機構の制御装置
JP2010013955A (ja) 可変作用角機構の異常判定装置
JP2013019292A (ja) 可変バルブタイミング制御装置
JP2006307810A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2011163271A (ja) 可変動弁機構の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20111101