JP2010040966A - 積層チップ部品およびその製造方法 - Google Patents

積層チップ部品およびその製造方法 Download PDF

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【課題】 導体パターンを上下層に連ねるための接続部位を、低い高さでなだらかに形成でき、導体パターンの接続が確実に行えて信頼性を高く得ることができる積層チップ部品およびその製造方法を提供すること
【解決手段】 チップ体は絶縁ペースト(マスク層5,7)と導体ペースト(導体パターン6,8)とを交互に塗り重ねていく印刷積層法により積層する。導体パターン6,8を上下層に連ねるための接続部位は、下層側導体パターン6の終端(凸部端12)と上層側導体パターン8の始端(クランク端11)とを隣り合わせて互いの側縁が接触する配置にする。クランク端11側は凸部端12側へ所定に重畳させ、所定のオーバーラップ領域13を設ける。導体パターンの接続部位は終端と始端との互いの側縁が接触し、これにより電気的な接続を得るので積層の高さ方向には厚くならない。
【選択図】 図4

Description

本発明は、積層チップ部品およびその製造方法に関するもので、より具体的には、セラミック材料の絶縁膜と導電材料の導体パターンを適宜な順に積層して構成されるチップ体における導体パターンの接続部位の改良に関する。
周知のように、チップ部品と呼ばれる電子部品は、面実装に使用するためリード端子を設けることなく小片形状に小型化している。このチップ部品の一つにインダクタンス素子である積層インダクタがある。
積層インダクタは、例えば特許文献1などに見られるように、絶縁膜と導体パターンを適宜な順に積層することで当該内部に導体パターンが螺旋状に繋がったコイルを内蔵する略矩形状のチップ体を形成し、さらにそのチップ体の対向する2面に、内蔵コイルの両端とそれぞれ接続する外部電極を設けた構成になっている。
絶縁膜には例えばセラミック材料を用い、チップ体(積層体)を形成する方法には、絶縁シートに導体パターンを形成して積み重ねていくシート積層法や、絶縁ペーストと導体ペーストとを交互に塗り重ねていく印刷積層法などがある。何れにしても、積層体の内部には螺旋状に繋がったコイルパターンおよびそれの引き出しパターンを形成することになる。
特開2001−167966号公報
チップ部品の開発では言うまでもなく小型化に強い要求がある。そして、積層インダクタは、チップ体の積層高さをできるだけ低く抑えるとともに、内蔵コイルのターン数は多く得たいという要求がある。その点、従来の積層インダクタでは、チップ体の積層高さに比較して内蔵コイルのターン数を多くとれないという問題がある。
これは、導体パターンの積層を見ると、上下層に連ねるための接続部位に問題があり、接続部位が高く盛り上がるため、チップ体の積層高さに対して導体パターンの積層数を多く得ることができず、内蔵コイルのターン数が得られない問題になっていた。
また、導体パターンの接続部位の肉厚が、他の導体パターンの部位に比べて約2倍に厚くなるとともに、上下に隣接する接続部位同士が接近する(間に介在する絶縁膜部分の肉厚が薄くなる)ことから、磁束漏れの原因にもなり電気的特性であるQ値の悪化に繋がる。
この発明は上述した課題を解決するもので、その目的は、導体パターンを上下層に連ねるための接続部位を、低い高さでなだらかに形成でき、導体パターンの接続を確実に行えて信頼性を高く得ることができる積層チップ部品およびその製造方法を提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明に係る積層チップ部品は、(1)セラミック材料の絶縁膜と導体材料の導体パターンを適宜な順に積層することによりチップ体を形成し、当該チップ体の内部に導体パターンによる電極体を内蔵する積層チップ部品であって、導体パターンを上下層に連ねるための接続部位は、下層側導体パターンの終端と上層側導体パターンの始端とを隣り合わせて互いの側縁が接触する配置にする構成とする。
また、(2)導体パターンの接続部位となる端縁に、切り欠きなど、接触に係る沿面長さを増す手段を備える構成とし、(3)導体パターンの接続部位となる端縁は互いの側縁の接触に係る領域について一方を他方へ重畳させ、所定のオーバーラップ領域を設けるようにしてもよい。
また、(4)導体パターンの接続部位となる端縁は互いの側縁の接触に係る領域について所定の隙間を設け、当該隙間は導体パターンの形成におけるにじみ量の公差以下に設定する構成にするようにしてもよい。
また、本発明に係る積層チップ部品の製造方法は、(5)セラミック材料の絶縁膜と導体材料の導体パターンを適宜な順に積層することによりチップ体を形成し、当該チップ体の内部に導体パターンによる電極体を内蔵する積層チップ部品の製造方法であって、チップ体は絶縁ペーストと導体ペーストとを交互に塗り重ねていく印刷積層法により積層し、当該印刷積層において導体パターンを上下層に連ねるための接続部位は、下層側導体パターンの終端と上層側導体パターンの始端とを隣り合わせて互いの側縁が接触する配置にする。
本発明では、導体パターンの接続部位は終端と始端との互いの側縁が接触し、これにより電気的な接続を得るので積層の高さ方向には厚くなるのが抑制される。また、導体パターンの端縁に切り欠きなど接触に係る沿面長さを増す手段を備えるので、接触に係る沿面長さを大きく得ることができる。
また、導体パターンの端縁は互いの側縁の接触に係る領域について一方を他方へ重畳させ、所定のオーバーラップ領域を設けるので、接触部位が増して接続がより確実に行える。オーバーラップ領域は導体パターンの帯状の側縁に位置し、このため厚み高さはさほど高くはならず、積層高さが増すことへの影響は無視できる。
また、導体パターンの接続部位となる端縁は互いの側縁の接触に係る領域について所定の隙間を設けてもよく、当該隙間は導体パターンの形成におけるにじみ量の公差以下であれば「にじみ」によりパターン幅が広がるので隙間が埋まり電気的な接続が行える。
本発明に係る積層チップ部品では、導体パターンを上下層に連ねるための接続部位を、低い高さでなだらかに形成でき、導体パターンの接続が確実に行えて信頼性を高く得ることができる。このため、チップ体の積層高さに対して導体パターンの積層数が多く得ることができる。例えば、積層インダクタでは内蔵コイルのターン数を多く得ることができ、高インダクタンス値を得ることができる。又、導体パターン間を狭めることで磁束漏れを極力抑える事が出来るため、電気的特性であるQ値を向上させる事が出来、高品質な積層チップ部品が得られる。
図1は本発明の好適な一実施の形態を示している。本形態において積層チップ部品は、内部にコイルパターンを有した積層インダクタになっている。これは、略矩形状の小片に形成したチップ体10にコイル20を内蔵するとともに、そのチップ体10の対向2面に外部電極3,3を設けた構成を採る。外部電極3,3は、内蔵コイル20の軸線に沿う対向する2面に形成し、いわゆる縦巻き型の構造を採る。
チップ体10は、セラミック材料による絶縁膜1と導体材料による導体パターン2を適宜な順に積層する。これにより当該内部に導体パターン2が螺旋状に繋がったコイル20を形成し、該当層において内蔵コイル20から延びる引き出し導体4,9が表面に露出した状態となり、積層を完了した後に所定温度で焼結させる。
外部電極3,3は、たとえばディッピングにより形成する。つまり銀等の導体ペーストの中にチップ体10の該当部分を浸けることで形成し、チップ体10の表面に露出した引き出し導体4,9と電気的に接続する構成になっている。外部電極3,3としては電極面に隣接する4面にも導電膜が所定に覆い被さる状態に成膜し、隣接する4面に回り込む周縁部30を有する形態となる。このため、隣接する4面の何れの面が下になっても面実装することができ、取り付け姿勢には基本的には制限がないが、縦巻き型では横倒しにするとコイル軸も倒れて横に向くので、磁場の向きに関して基板上で制限がある実装には注意を要する。
コイル20の形成は、各層において略1/2ターン毎の導体パターンの端部を順次に接続していき、螺旋状に繋ぐ。これには、該当各層では下層側の導体パターンの始端側領域にマスク層を形成し、そのマスク層上に導体パターンを引き回して次層のパターン形成を行う。このとき導体パターンの始端は下層側の導体パターンの終端と接続する所定の位置関係に形成し、マスク層(絶縁層)は分割して形成していく構成となる。導体パターンの形成において最初と最後の層ではコイルパターンの端部から引き出し導体4,9を延長させて形成し、引き出し導体4,9は端縁をチップ体10の表面に露出させ、チップ両端の外部電極3,3と繋がり電気的な接続を行う。
次に、製造方法の一実施形態を説明する。チップ体10の形成は、印刷積層法により行う。つまり、セラミック材料による絶縁ペーストと、導体材料による導体ペーストとを交互にスクリーン印刷していくもので、それらペーストは1回刷り出す(塗る)と厚みが例えば3〜5μmになり、これを塗っては乾燥させて積み重ねていくことで、チップ隊10を製造する。このチップ部品の製造行程では、ワークとしては生産性の面から複数個分の大きさのワーク積層体を製作し、そのワーク積層体を十分に乾燥させた後に各単体に切断して焼成する。
セラミック材料は、例えばガラスを添加して低温焼結化した誘電体セラミックスを使用する。これは例えば、ホウケイ酸ガラスをアルミナに体積で70:30の比率に混合した誘電体材料を使用し、これにビヒクルとしてエチルセルロースとテレピネールと分散剤,可塑剤を混合したものを配合して混練し、印刷用の絶縁ぺーストとすることができる。セラミック材料としては他にも例えばフェライト等の磁性セラミックスを使用してもよい。導体ペーストには銀ペーストを使用し、上述したビヒクルに混合する。また、導体ペーストは銀パラジウムでもよい。
具体的には図2に示す工程手順を採り、同図に示す例は隣り合う2つのチップをパターン形成で連ねて1ユニットに製造する例である。まず、絶縁ペーストを刷り出し塗っては乾燥させて積み重ねていくスクリーン印刷を行い、これにより最外層となる絶縁層1を所定の厚さに形成する{図2(1)}。そして、引き出し導体パターンを有するスクリーン版を用いて導体ペーストを塗り、一方の端縁から延びてコイルパターンの延長部となる引き出し導体4を形成する{図2(2)}。引き出し導体4は、チップ中央部位へ延びる略I字形状に形成し、終端には図3に拡大して示すように、切り欠き41を設けた形状に形成している。
次に、引き出し導体4を覆う島部パターンを有するスクリーン版を用いて絶縁ペーストを塗り、引き出し導体4の終端部に臨む側にマスク層5を形成する{図2(3)}。続いて、略1/2ターンのコイルパターンを有するスクリーン版を用いて導体ペーストを塗り、マスク層5の上に次層の導体パターン6を形成する{図2(4)}。導体パターン6は下層の導体パターンの端縁から連なり、マスク層5の上に乗り越える状態に延びて2つ角を折れ曲がる略J字形状に形成し、始端側は図3に拡大して示すように、クランク状に位置をずらしてあり(クランク端11)、終端側は凸部を張り出させて設けていて(凸部端12)、後述するようにクランク端11,凸部端12は位置関係を所定に対応させてている。これにより、導体パターンの側縁部位で接続が行える。
そして、導体パターン6を覆う島部パターンを有するスクリーン版を用いて絶縁ペーストを塗り、下層の導体パターンを覆ってマスク層5と連なるマスク層7を形成し、該当面を平坦に覆う{図2(5)}。
次に、略1/2ターンのコイルパターンを有するスクリーン版を用いて導体ペーストを塗り、マスク層7の上に次層の導体パターン8を形成する{図2(6)}。導体パターン8は導体パターン6と同様の構成であり図4に拡大して示すように、始端側はクランク端11、終端側は凸部端12であり、マスク層7の上に乗り越える状態に延びて2つ角を折れ曲がる略J字形状に形成し、下層の導体パターンの端縁から連なり回り戻って1ターンが完了する。
続いて、導体パターン8を覆う島部パターンを有するスクリーン版を用いて絶縁ペーストを塗り、導体パターン8の先端部に臨む側にマスク層5を形成する{図2(7)}。そして、導体パターン6の印刷工程(4),マスク層7の印刷工程(5),導体パターン8の印刷工程(6),マスク層5の印刷工程(7)を複数回繰り返して行い、所定の巻きターンに延長したコイル20を得る。
所定の巻きターンを積層した次に、引き出し導体パターンを有するスクリーン版を用いて導体ペーストを塗り、他方の端縁へ延びてコイルパターンの延長部となる引き出し導体9を形成する{図2(8)}。引き出し導体9はチップ中央部位から延びる略I字形状に形成し、始端側は図3に拡大して示すように、クランク端11に形成している。このクランク端11が下層の導体パターン8の終端(凸部端12)と接続し、これによりコイルパターンの引き出しが完了する。
続いて、絶縁ペーストを刷り出し塗っては乾燥させて積み重ねていくスクリーン印刷を行い、これにより最外層となる絶縁層1を所定の厚さに形成する{図2(9)}。そして、磁場の方向性を表示するマークパターンを印刷し、マークパターンの間に絶縁ペーストを印刷して積層を完了する。
この後、乾燥させたワーク積層体を各単体(チップ)に切断し、脱脂した後に焼成してバリを削る。そして焼成後のチップ体10の端面にディッピングを施して、隣接する4面にも導電膜が所定に覆い被さる状態に成膜させて焼き付けし、NiメッキおよびSuメッキを順次に施して外部電極3,3の形成を完了し、積層インダクタを得る。
引き出し導体4の終端と導体パターン6の始端とは形状および位置が所定の関係にあり、図3に拡大して示す接続状態を得る。この接続部位は、引き出し導体4の切り欠き41と導体パターン6のクランク端11とを隣り合わせて互いの側縁が接触する配置を採り、下層側切り欠き41に対して上層側クランク端11の側縁がフィットするので、接触に係る沿面長さを大きく得ることができる。
導体パターン6,8も終端,始端は形状および位置が所定の関係にあり、図4に拡大して示す接続状態を得る。この接続部位は、終端の凸部端12と始端のクランク端11とを隣り合わせて互いの側縁が接触する配置を採るが、クランク端11側は凸部端12側へ所定に重畳させ、所定のオーバーラップ領域13を設けている。このため、接触部位が増すので接続がより確実に行えることになり、信頼性が高くなる。
導体パターン6,8は帯状パターンであり厚さが均一であることが理想的ではあるが、実際は帯幅方向で見て断面は側縁に比べて中央部が盛り上がったものとなる。ここでのオーバーラップ領域13は、凸部端12に対して側縁部分に位置する。したがって、厚み高さはさほど高くはならず、オーバーラップにより接触部位が増して接続がより確実に行えることの効果が大きいと言える。
導体パターン6,8の終端,始端は、位置ズレを考慮したパターン設定にしてあり、印刷工程における所定の位置ズレを許容し得るようになっている。以下、パターン幅を33μmとし、オーバーラップを10μmとした設定例により説明する。
導体パターン6,8について互いに位置ズレしない設計位置では、図5(a),(b)に示す接続状態になる。この場合、導体パターン6の凸部端12と導体パターン8のクランク端11とが隣り合わせに互いの側縁が接触するとともに、クランク端11側が凸部端12側へ所定に重畳し、幅10μmのオーバーラップ領域13が生じる。
導体パターン6,8についてy方向の位置ズレがあると、図6(a),(b)および図7(a),(b)に示す接続状態になる。図6(a),(b)はy方向+15μmの位置ズレを示し、図7(a),(b)はy方向−15μmの位置ズレを示している。y方向の位置ズレでは、+(プラス)側はオーバーラップが増す方向であり接続の信頼性を損なうことはなく、何ら影響がない。y方向−(マイナス)側はオーバーラップ領域が低減して隙間ができる接続状態になる。しかしこの場合も接続の信頼性を損なうことはない。それは、導体パターンの形成においてはいわゆる「にじみ」が生じ、パターン幅がいくぶん広がることから隙間が埋まることになり、クランク端11側と凸部端12側とはやはり接触し、電気的な接続が行える。
導体パターン6,8についてx方向の位置ズレがあると、図8(a),(b)および図9(a),(b)に示す接続状態になる。図8(a),(b)はx方向+15μmの位置ズレを示し、図9(a),(b)はx方向−15μmの位置ズレを示している。x方向の位置ズレでは、+(プラス)側はオーバーラップが増す方向であり接続の信頼性を損なうことはなく、何ら影響がない。x方向−(マイナス)側はオーバーラップ領域が低減するものの十分にオーバーラップを確保でき、互いの接触は確保できることから接続の信頼性を損なうことはない。
導体パターン6,8についてxy方向の位置ズレがあると、図10(a),(b)および図11(a),(b)に示す接続状態になる。図10(a),(b)はxy方向+15μmの位置ズレを示し、図11(a),(b)はxy方向−15μmの位置ズレを示している。xy方向の位置ズレでは、上述したx方向およびy方向の複合になる。+(プラス)側はオーバーラップが増す方向であり接続の信頼性を損なうことはなく、何ら影響がない。xy方向−(マイナス)側はオーバーラップ領域がなくなり隙間ができる接続状態になる。しかしこの場合も接続の信頼性を損なうことはない。それは上述したように、導体パターンの形成においてはいわゆる「にじみ」が生じ、パターン幅がいくぶん広がることから隙間が埋まることになり、クランク端11側と凸部端12側とはやはり接触し、電気的な接続が行える。上述した設定例において隙間は5μm程度は許容できることを確認している。
(接続部位の構成例)
本発明にあっては、導体パターンの接続部位は、基本的には図12(a)に示すように、下層側導体パターンの終端14と上層側導体パターンの始端15とを隣り合わせて互いの側縁が接触する配置にする構成とする。これは適宜に変更することができ、図12(b)に示すように、導体パターンの接続部位となる端縁に、切り欠き41など、接触に係る沿面長さを増す手段を備える構成にするようにしてもよい。そして、図12(c),(d)に示すように、導体パターンの接続部位となる端縁は互いの側縁の接触に係る領域について一方を他方へ重畳させ、所定のオーバーラップ領域13を設けるようにしてもよい。
また、導体パターンの接続部位となる端縁は互いの側縁の接触に係る領域について所定の隙間を設け、当該隙間は導体パターンの形成におけるにじみ量の公差以下に設定することもでき、上述したように、パターン幅が広がる「にじみ」により隙間が埋まるので電気的な接続は良好に行える。
このように、導体パターンの接続部位は終端と始端との互いの側縁が接触し、これにより電気的な接続を得るので積層の高さ方向には厚くならない。
また、導体パターンの端縁に切り欠き41など接触に係る沿面長さを増す手段を備えるので、接触に係る沿面長さを大きく得ることができる。
また、導体パターンの端縁は互いの側縁の接触に係る領域について一方を他方へ重畳させ、所定のオーバーラップ領域13を設けるので、接触部位が増して接続がより確実に行える。オーバーラップ領域13は導体パターンの帯状の側縁に位置し、このため厚み高さはさほど高くはならず、積層高さが増すことへの影響は無視できる。
また、導体パターンの接続部位となる端縁は互いの側縁の接触に係る領域について所定の隙間を設けてもよく、当該隙間は導体パターンの形成におけるにじみ量の公差以下であれば「にじみ」によりパターン幅が広がるので隙間が埋まり電気的な接続が行える。
したがって本発明にあっては、導体パターンを上下層に連ねるための接続部位を、低い高さでなだらかに形成でき、導体パターンの接続が確実に行えて信頼性を高く得ることができる。このため、チップ体10の積層高さに対して導体パターン2の積層数が多く得ることができる。つまり、内蔵コイル20のターン数を多く得ることができ、高インダクタンス値を得ることができる。又、導体パターン間を狭めることで磁束漏れを極力抑える事が出来るため、電気的特性であるQ値を向上させる事が出来、高品質な積層チップ部品が得られる。
上述した実施の形態では、外部電極3,3はディッピングにより形成する例を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、特許文献1のものと同様に、積層工程において両端部位に導体膜を形成し、所定層の導体膜は引き出し導体パターンと一体に接続させ、それら導体膜により外部電極を形成するようにしてもよい。
また、導体パターンの接続部位は環状パターンの内側側縁に設定しているが、言うまでもなく環状パターンの外側側縁に設定することができ、積層の平坦性を良好にするため、内側と外側とを一層毎に変更することも好ましい。
本発明に係る積層チップ部品の斜視図である。 積層チップ部品の製造工程を順に示す平面図である。 印刷工程(4)における導体パターンの接続部位を拡大して示す平面図である。 印刷工程(6)における導体パターンの接続部位を拡大して示す平面図である。 導体パターンの位置ズレを説明する平面図であり、(a)は位置ズレがない導体パターンを示し、(b)はその接続部位を拡大して示している。 導体パターンの位置ズレを説明する平面図であり、(a)はy方向+15μm位置ズレした導体パターンを示し、(b)はその接続部位を拡大して示している。 導体パターンの位置ズレを説明する平面図であり、(a)はy方向−15μm位置ズレした導体パターンを示し、(b)はその接続部位を拡大して示している。 導体パターンの位置ズレを説明する平面図であり、(a)はx方向+15μm位置ズレした導体パターンを示し、(b)はその接続部位を拡大して示している。 導体パターンの位置ズレを説明する平面図であり、(a)はx方向−15μm位置ズレした導体パターンを示し、(b)はその接続部位を拡大して示している。 導体パターンの位置ズレを説明する平面図であり、(a)はxy方向+15μm位置ズレした導体パターンを示し、(b)はその接続部位を拡大して示している。 導体パターンの位置ズレを説明する平面図であり、(a)はxy方向−15μm位置ズレした導体パターンを示し、(b)はその接続部位を拡大して示している。 導体パターンの接続部位の構成例であり、(a)から(d)まで複数の構成例を示している。
符号の説明
1 絶縁膜
2 導体パターン
3 外部電極
4,9 引き出し導体
5,7 マスク層
6,8 導体パターン
10 チップ体
11 クランク端
12 凸部端
13 オーバーラップ領域
14 終端
15 始端
20 コイル
30 周縁部
41 切り欠き

Claims (5)

  1. セラミック材料の絶縁膜と導体材料の導体パターンを適宜な順に積層することによりチップ体を形成し、当該チップ体の内部に前記導体パターンによる電極体を内蔵する積層チップ部品であって、
    前記導体パターンを上下層に連ねるための接続部位は、下層側導体パターンの終端と上層側導体パターンの始端とを隣り合わせて互いの側縁が接触する配置にすることを特徴とする積層チップ部品。
  2. 前記導体パターンの接続部位となる端縁に、接触に係る沿面長さを増す手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の積層チップ部品。
  3. 前記導体パターンの接続部位となる端縁は互いの側縁の接触に係る領域について一方を他方へ重畳させ、オーバーラップ領域を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の積層チップ部品。
  4. 前記導体パターンの接続部位となる端縁は、互いの側縁の接触に係る領域について隙間を設け、当該隙間は前記導体パターンの形成におけるにじみ量の公差以下に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の積層チップ部品。
  5. セラミック材料の絶縁膜と導体材料の導体パターンを適宜な順に積層することによりチップ体を形成し、当該チップ体の内部に前記導体パターンによる電極体を内蔵する積層チップ部品の製造方法であって、
    前記チップ体は絶縁ペーストと導体ペーストとを交互に塗り重ねていく印刷積層法により積層し、
    当該印刷積層において前記導体パターンを上下層に連ねるための接続部位は、下層側導体パターンの終端と上層側導体パターンの始端とを隣り合わせて互いの側縁が接触する配置にすることを特徴とする積層チップ部品の製造方法。
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