JP2010040806A - シリコンウェーハの熱処理方法 - Google Patents

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Yoshinori Hayamizu
善範 速水
Takeshi Kobayashi
武史 小林
Fumio Tawara
史夫 田原
Hiroki Oi
裕喜 大井
Shuji Takahashi
修治 高橋
Yasutoshi Yanagisawa
泰寿 柳澤
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Abstract

【課題】特に、縦型熱処理炉に熱処理用ボートをローディングする際に発生するウェーハ表面のキズやパーティクルを、生産性を落とすこと無く抑制することができる熱処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】反応管と、該反応管内に配置され、被処理基板を保持するための熱処理用ボートと、反応管の外側に配置されたヒータとを有する縦型熱処理炉を用いて結晶面が(100)のシリコンウェーハを熱処理する方法であって、結晶面が(100)のシリコンウェーハ裏面の結晶方位<110>方向の外縁領域を熱処理用ボートのウェーハ支持部により4点支持して、反応管内温度を反応管の下方の炉口側が上方の炉奥側より低い温度分布になるようにした反応管内へ、ウェーハを保持した熱処理用ボートをローディングしてウェーハの熱処理をするシリコンウェーハの熱処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、縦型熱処理炉を用いてシリコンウェーハに熱処理する方法に関する。
半導体単結晶シリコン(以下、単にシリコンということがある)等の単結晶インゴットからウエーハを切出した後、半導体デバイスを製造するまでには、ウエーハの加工プロセスから素子の形成プロセスまで多数の工程が介在する。それらの工程の一つに熱処理工程がある。この熱処理工程は、ウエーハ表層での無欠陥層の形成、酸素析出物の形成によるゲッタリング層の形成、酸化膜の形成、不純物拡散等の目的で行われ、非常に重要なプロセスである。
このような熱処理工程で用いられる熱処理装置、例えば、酸化や不純物拡散に用いられる拡散炉(酸化・拡散装置)としては、現在、ウェーハの大口径化に伴い、ウェーハを水平に保持した状態で、複数のウェーハを同時に熱処理する縦型の熱処理炉が主に用いられている。
この縦型熱処理炉では、通常複数のウェーハを保持するための熱処理用ボートが用いられている。このような複数のウェーハに同時に熱処理を行う熱処理炉は、バッチ式の熱処理炉と言われている。
縦型熱処理炉を用いて複数のシリコンウェーハを熱処理する場合、室温で熱処理用ボートにウェーハを充填し、予め例えば600℃の温度に設定された反応管内に熱処理用ボートをローディングする。ローディングの際に低下した反応管内温度が設定温度にまで回復した後、熱処理の目的に応じて例えば1200℃まで昇温し、一定時間熱処理を行い、再度600℃まで反応管内温度を下げてから熱処理用ボートをアンロードする。
熱処理用ボートをローディングする際に、ウェーハの温度は室温から600℃まで急激に変化する。特に熱処理用ボートに複数のウェーハを充填している場合は、ウェーハ外周部の温度が高く、ウェーハ中心部の温度が低いため、ウェーハ面内の温度差による熱応力が発生する。この熱応力によりウェーハは過度的に弾性変形するが、その変形量が大きいと、ウェーハが熱処理用ボートの上部のウェーハ支持部に接触し、表面にキズが発生する場合がある。このキズは、後続の工程でウェーハが割れる原因になったり、デバイス特性に影響を及ぼす。また、キズとして明確には検出されない場合でも、ウェーハと熱処理用ボートの上部のウェーハ支持部との接触によりパーティクルが発生し、ウェーハ品質が低下する。
ウェーハの弾性変形による表面キズは、ウェーハ口径が200mmまでは大きな問題とはなっていないが、ウェーハが大口径になるにつれてキズ発生は顕著となる。
表面のキズ発生を抑制する方法としては、熱処理用ボートのローディング速度を下げる、ローディング時の炉内設定温度を下げる、支持部ピッチを広げる等の対策が行われている。しかし、これらの方法は炉の生産性を落としてしまう。
これに対して特許文献1では、複数のゾーンに分割されたヒータにより加熱された炉内にウェーハをローディングする際に、各ヒータゾーンの設定温度を異ならせて温度傾斜を設けることが記載されている。特許文献1の実施例では、5ゾーンの温度設定を炉口側から夫々、300,400,500,600,700℃に設定している。
しかし、ヒータ温度を400℃以下に下げることは、ヒータ寿命の観点から好ましくない。さらに、熱処理を繰り返すことにより反応管内部に反応生成物が付着することがあるが、反応管内温度を低温にすることにより反応生成物が反応管から剥がれ、パーティクルが大量発生することがある。このため、ウェーハのローディング時に炉口側ヒータゾーンの設定温度を下げる場合は、必要最小限に止めることができる設定温度の決定方法が望まれる。
特開2006−100303号公報
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、特に、縦型熱処理炉に熱処理用ボートをローディングする際に発生するウェーハ表面のキズやパーティクルを、生産性および品質を落とすこと無く抑制することができる熱処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも、反応管と、該反応管内に配置され、被処理基板を保持するための熱処理用ボートと、前記反応管の外側に配置されたヒータとを有する縦型熱処理炉を用いて結晶面が(100)のシリコンウェーハを熱処理する方法であって、前記結晶面が(100)のシリコンウェーハ裏面の結晶方位<110>方向の外縁領域を前記熱処理用ボートのウェーハ支持部により4点支持して、反応管内温度を前記反応管の下方の炉口側が上方の炉奥側より低い温度分布になるようにした前記反応管内へ、前記ウェーハを保持した熱処理用ボートをローディングしてウェーハの熱処理をすることを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法を提供する(請求項1)。
このように、結晶面が(100)のシリコンウェーハ裏面の結晶方位<110>方向の外縁領域を4点支持した状態で熱処理用ボートをローディングすることで、ウェーハの反りが生じやすい位置の上部に熱処理用ボートのウェーハ支持部がないため、急激な温度変化によってウェーハ面内で生じる温度差によるウェーハの反りが生じたとしても上部のウェーハ支持部との接触によるキズの発生を防止できる。さらに、ローディングの際にウェーハの温度変化が最も急激に生じる炉口側を炉奥側より低い温度分布にすることで、設定温度を過度に低くすることなくウェーハの温度変化を比較的小さくすることができる。また、炉口側はローディングの際に反応管内温度が大きく低下しやすいため、予め炉口側の温度を低く設定しておくことで、設定温度に維持しようとして、ヒータパワーが大きくなりウェーハが輻射熱を過度に受けることを抑制できる。
これらのように、ローディングの際に生じるウェーハの反りによるキズの発生を、温度と装置の両面から抑制することができるため、ウェーハのキズやパーティクルが低減された熱処理を、ローディング速度や反応管内温度を極端に低くすることなく生産性良く行うことができる。
このとき、前記ヒータが上下方向に複数のヒータゾーンに分割されたものであって、前記各ヒータゾーンのヒータパワーをそれぞれ制御することにより、前記反応管内温度を前記反応管の下方の炉口側が上方の炉奥側より低い温度分布になるようにすることが好ましい(請求項2)。
このように、ヒータが上下方向に複数のヒータゾーンに分割されたものであれば、各ヒータゾーンのヒータパワーをそれぞれ変えながら制御することで、簡便な方法で精度良く反応管内温度を本発明の温度分布にすることができる。
このとき、予め、前記各ヒータゾーンのヒータ温度が同一の条件で前記反応管内へ前記熱処理用ボートをローディングして、前記反応管内温度の変化の定常状態における温度分布を調べ、実際のウェーハ熱処理時のローディングする際の前記反応管内温度を前記調べた温度分布になるように前記各ヒータゾーンのヒータパワーをそれぞれ制御することにより、前記反応管内温度を前記反応管の下方の炉口側が上方の炉奥側より低い温度分布になるようにすることが好ましい(請求項3)。
このように、予め、上記のようにヒータ温度を同一にしてローディングすることで、装置条件、熱処理条件、ローディング速度等により異なるローディング時の反応管内温度変化を正確に調べることができる。これにより、実際のウェーハ熱処理時のローディング開始時点から、反応管内の温度分布を最適な温度分布になるように設定することができるため、必要以上に反応管内温度を低くすることなく良好な熱処理を行うことができる。
このとき、前記結晶面が(100)のシリコンウェーハの結晶方位<110>の方向に、ノッチを形成したものを熱処理することが好ましい(請求項4)。
このように、熱処理するシリコンウェーハの結晶方位<110>の方向にノッチが形成されていれば、熱処理用ボートに保持する際に、結晶方位<110>方向の外縁領域を支持するように容易に調整できる。
本発明の熱処理方法であれば、ウェーハを保持した熱処理用ボートを反応管内へローディングする際に、ウェーハの反りを抑制し、ウェーハのキズやパーティクルの発生を防止することができる。また、ローディング時の反応管内温度を最適に制御して、生産性良く良好な熱処理を行うことができる。
従来のシリコンウェーハの熱処理においては、高い生産性を保ちつつ、熱処理中、特にローディング時にウェーハが反ることによって発生するウェーハ表面キズを低減し、パーティクルの少ない高品質なウェーハを製造する方法はなく、これらに変わる熱処理方法の開発が望まれていた。
そこで本発明者らは、上記課題の解決について鋭意検討を重ねたところ、結晶面が(100)のウェーハにおいて結晶方位<110>方向を支持した場合に、結晶方位<100>方向を支持した場合に比べて、ボート上部のウェーハ支持部との接触によるキズを低減できることを見い出した。
結晶方位<110>方向を支持した場合に、キズの発生が低減される理由は必ずしも明らかではないが、弾性定数の異方性によるものと考えられる。シリコン単結晶のヤング率Eは異方性を示し、(100)面内の結晶方位<100>方向及び<110>方向の室温での値は、それぞれ130.8、169.7GPaである。これは、結晶方位<100>方向には弾性変形しやすいが、結晶方位<110>方向には弾性変形しにくいことを意味している。
ウェーハの反りを考えた場合、(100)面に垂直なせん断応力に対するひずみが検討対象となる。等方材料の場合の横弾性係数Gは、ポアソン比υにより、G=E/2(1+υ)と求めることができる。
シリコン単結晶のような異方性材料の場合は、この式を用いるわけにはいかないものの、ヤング率の寄与が大きいと考えられる。すなわち、横弾性係数も結晶方位<110>方向に比べ<100>方向の方が小さく、同じせん断応力に対しては、結晶方位<100>方向の方が、(100)面の垂直方向への弾性変形量が大きい。このため、結晶方位<100>方向の直上に熱処理用ボートのウェーハ支持部が存在すると、接触による表面キズが発生しやすいと考えられる。
また、本発明者らは、さらなる検討を重ねたところ、上記のようにウェーハを支持し、ローディング時の反応管内温度の炉口側を低い温度にすることで、ウェーハの反りを抑制しながら、仮にウェーハに反りが生じたとしてもキズやパーティクルがほとんど発生しない熱処理を行うことができることを見出して、本発明を完成させた。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明に係る熱処理用ボートのウェーハ支持部によりウェーハを支持した状態を示す概略図である。図2は、熱処理用ボートのウェーハ支持部によりウェーハを結晶方位<110>方向の外縁領域以外の部分を支持した状態を示す概略図である。図3は、熱処理用ボートのウェーハ支持部の形状を示す概略図である。図4は、縦型熱処理炉において、一般的な熱処理用ボートにウェーハを支持した状態を示す概略図である。図5は、従来の熱処理方法で熱処理した場合の典型的なキズ発生パターンを示す概略図である。図6は、一般的な縦型熱処理炉を示す概略図である。図7、8は、カスケード熱電対の検出温度の時間変化を示すグラフである。
本発明の熱処理方法で用いる縦型熱処理炉としては、特に限定されず、図4、6に示すような一般的な縦型熱処理炉10を用いることができる。
この縦型熱処理炉10は、同心状に配置されたヒータ12と、その内側に配置されたSiC均熱管14及び石英反応管16と、ウェーハを複数枚載置するためのウェーハ支持部40を有する熱処理用ボート26と、その熱処理用ボート26を着脱自在に装着する保温筒28と、その下部にあって熱処理時に石英反応管16の下端の炉口部22を塞ぐ蓋体30と、熱処理用ボート26、保温筒28及び蓋体30を石英反応管16の内部に向かって上下させる不図示の昇降手段とからなっている。なお、熱処理用ボート26のウェーハ支持部40の形状としては、例えば、図4に示すようなウェーハ支持部形状であって、図3に示すようなウェーハ支持状態となる形状とすることができる。
さらに、石英反応管16の下端部に設けられたフランジ部24と、ヒータ12の温度を検出するヒータ熱電対32と、均熱管14と石英反応管16との間の温度を検出するカスケード熱電対34と、ヒータ熱電対32およびカスケード熱電対34が検出する温度と設定温度に基づいてヒータ12への電力を制御する温度コントローラ36を有する。また、熱処理時に反応管16上方の炉奥部42側からガスを反応管16内へ供給するための導入管18と、石英反応管16内を循環したガスを炉口部22側から排気する排気管20を有する。
ヒータ12は炉内温度を精度よく制御するために、上下方向に複数のヒータゾーンに分割されており、図6では5ゾーン構成となっている。ここでは上から順番に、U,CU,C,CL,Lゾーンと呼ぶ。それぞれのヒータゾーンにヒータ熱電対32とカスケード熱電対34が配置されており、温度コントローラ36は、カスケード熱電対34の検出温度が設定温度と一致するようにヒータ12をPID制御する。
従来の熱処理においては、図6のような縦型熱処理炉10を用いて熱処理を行う際に、図4に示すような熱処理用ボート26にウェーハ38を充填し、各ゾーンのカスケード熱電対34の温度を例えば600℃に設定して反応管16内にローディングしていた。この場合、ウェーハ支持部ピッチやローディング速度によっては、ウェーハ38の弾性変形によりウェーハがボート上部のウェーハ支持部に接触し、ウェーハ38の表面に、図5に示すようなキズが発生する。
この原因の一つとしては、室温となっている熱処理用ボート26とウェーハ38を炉内にローディングし、熱処理用ボート26上部がLゾーンに達するとLゾーンの温度が下がる。この際、Lゾーンのカスケード熱電対34の温度を600℃に保つために、急激にヒータパワーがかかり、ウェーハ38の周辺部がLゾーンから受ける熱輻射量は大きくなり、ウェーハ38の弾性変形量も大きくなる。
その後、熱処理用ボート26上部がCLゾーンに達すると、CLゾーンの温度も下がる。しかし、Lゾーンで受けた輻射熱により熱処理用ボート26上部の温度はある程度高くなっているため、温度低下はLゾーン程は大きくなく、ヒータパワーは急激には変化しない。ボートローディングが進行し、熱処理用ボート26が反応管の上部に近づくにつれてウェーハ温度も600℃に近くなるため、上部のヒータゾーンではヒータパワーの変化はほとんど見られなくなる。このため、ローディングの際にウェーハ38表面に、図5に示すようなキズが発生するのは、ウェーハ38がLゾーンに達した時点と考えられる。
このような従来の熱処理方法でローディングした場合の、各ゾーンにおけるカスケード熱電対の温度変化を図7に示す。図7に示すように、カスケード熱電対の温度を一定に保つようにヒータが制御されるため、温度変化はほとんど無い。
これに対して、本発明の熱処理方法では、上記のような縦型熱処理炉10を用いて結晶面が(100)のシリコンウェーハ38を熱処理する際に、まず、図1に示すように、シリコンウェーハ38裏面の結晶方位<110>方向の外縁領域を熱処理用ボート26のウェーハ支持部40により4点支持させて支持する。
そして、反応管内温度を反応管16の下方の炉口22側が上方の炉奥42側より低い温度分布になるようにした反応管16内へ、ウェーハ38を保持した熱処理用ボート26をローディングする。
このように、結晶面が(100)のシリコンウェーハ裏面の結晶方位<110>方向の外縁領域を4点支持した状態で熱処理用ボートをローディングすることで、ウェーハの反りが生じやすい位置に熱処理用ボートのウェーハ支持部がないため、急激な温度変化によってウェーハ面内で生じる温度差によるウェーハの反りが生じたとしてもキズの発生を防止できる。さらに、ローディングの際にウェーハの温度変化が最も急激に生じる炉口側を炉奥側より低い温度分布にすることで、設定温度を全体的に低くすることなく、炉口部でのウェーハの温度変化を小さくすることができる。また、炉口側は熱処理用ボートのローディングにより温度が大きく低下しやすいため、予め炉口側の設定温度を低くしておくことで、設定温度に維持しようとヒータパワーが大きくなり、ウェーハが輻射熱を過度に受けることを抑制できる。
本発明において、ウェーハ支持部40により支持する、シリコンウェーハ38裏面の結晶方位<110>方向の外縁領域とは、少なくとも、結晶方位<100>方向の領域でなければ良いが、<110>方向に対して±22.5°の範囲内で、ウェーハ直径に対して60%より外側の領域を支持することが好ましい。
本発明の熱処理方法により熱処理するシリコンウェーハ38としては、例えば、CZ(チョクラルスキー)法で引上げられたP型、約10Ω・cm、酸素濃度15ppma(JEIDA)、窒素濃度8×1013atoms/cmのシリコン単結晶棒を結晶面(100)で切り出し、直径300mmの鏡面ウェーハに加工したものとすることができる。
そして、熱処理するシリコンウェーハ38の結晶方位<110>の方向に、ノッチを形成することが好ましい。
このように、熱処理するシリコンウェーハの結晶方位<110>の方向にノッチが形成されていれば、熱処理用ボートに保持する際に、結晶方位<110>方向の外縁領域を容易に支持することができる。
このとき、図6に示すように、ヒータ12が上下方向に複数のヒータゾーンに分割されたものであって、各ヒータゾーンのヒータパワーをそれぞれ制御することにより、反応管内温度を反応管16の下方の炉口22側が上方の炉奥42側より低い温度分布になるようにすることが好ましい。
このように分割されたヒータの各ヒータゾーンのヒータパワーを制御することにより、反応管内温度を容易に精度良く本発明の温度分布にすることができる。
また、本発明の温度分布にする方法としては、上記の方法以外にも、例えば従来のようにカスケード熱電対34の検出温度を例えば600℃に一定に保つのではなく、ヒータ熱電対32の温度が600℃に一定になるようにヒータパワーを制御するのが好ましい。
この場合は、ボートローディング中の各ゾーンのヒータ温度は600℃で一定であるが、反応管内の炉口側は炉奥側よりも自然に温度が低くなるため、カスケード熱電対が示す石英反応管近傍の温度(反応管内も同様の温度)は、L<CL<C≦CU≦Uとなる。また、急激にヒータパワーが変化することもなくなり、Lゾーンにウェーハが達した時の熱応力は、カスケード熱電対で温度制御する場合に比べて小さくなり、表面キズの発生頻度は減少する。このときの、カスケード電熱対の温度変化を表すグラフを図8に示す。
図8に示すように、ローディング開始時の温度はL<CL<C≦CU=Uとなっており、ローディング開始後10分経過した後に、Lゾーンが550℃、CLゾーンは570℃付近で定常状態となっている。このとき、ローディング開始後35分経過した前後で表示温度は大きく変動しているが、これはLゾーンに保温筒が到達したためである。
また、上記のように調べた定常状態におけるそれぞれのヒータゾーンの温度分布は、熱処理時のローディングの際の反応管内の温度分布としては、最適な温度分布と考えられる。このため、次の熱処理において、今度はカスケード熱電対の検出温度が、調べた定常状態の温度分布になるようにヒータパワーを制御することにより、ローディング開始時点から反応管内温度が上記の定常状態に近い温度分布になるようにするのが好ましい。
つまり、予め、各ヒータゾーンのヒータ温度が同一の条件で反応管16内へ熱処理用ボート26をローディングして、反応管内温度の変化の定常状態における温度分布を調べ、実際のウェーハ熱処理時のローディングする際の反応管内温度を、調べた温度分布になるように各ヒータゾーンのヒータパワーをそれぞれ制御することにより、反応管内温度を反応管16の下方の炉口22側が上方の炉奥42側より低い温度分布になるようにすることが好ましい。
このように、予め、ヒータ温度を同一にしてローディングすることで、装置条件、熱処理条件、ローディング速度等により異なるローディング時の反応管内温度変化を正確に調べることができる。このため、実際のウェーハ熱処理時のローディングの際の反応管内の温度分布を最適な温度に設定することができるため、必要以上に温度を低く設定することがない。
以上のように、反応管16内へ熱処理用ボート26をローディングし、その後に、各ヒータゾーンで例えば600℃で同一温度になるように昇温して、その後所望の熱処理温度にまで昇温して熱処理を行う。
このように本発明の熱処理方法であれば、特にローディングの際にウェーハに生じるキズやパーティクルを抑制し、ローディング速度や熱処理炉内温度を極端に低くすることなく、生産性良く良好な熱処理を行うことができる。
以下、本発明を実施例、比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例)
CZ法で引上げられたP型、約10Ω・cm、酸素濃度15ppma(JEIDA)、窒素濃度8×1013atoms/cmのシリコン単結晶棒を結晶面(100)で切り出し、直径300mmの鏡面ウェーハに加工した。このウェーハを、図6に示すような縦型熱処理炉の熱処理用ボートに120枚、フル充填した。
この熱処理用ボートは7.5mmピッチ間隔でウェーハを支持するウェーハ支持部が形成されており、図3に示すウェーハ支持部形状となっている。すなわち、ウェーハ直径の2/3の位置の4点に荷重が均等にかかるようになっている。ウェーハ支持部ピッチが7.5mm、ウェーハ支持部の肉厚が2.5mm、ウェーハ厚さが0.775mmであるため、ボートのウェーハ支持部に支持されたウェーハ表面と直上のウェーハ支持部とのクリアランスは、約4.2mmとなっている。
このウェーハにはノッチ加工が施されており、ノッチ位置は結晶方位<110>方向となっている。面方位(100)のウェーハでは、結晶方位<110>方向にノッチ加工することが多いが、結晶方位<100>方向にノッチを形成する場合もある。本発明の実施例および比較例では、ノッチ方位は全て結晶方位<110>方向である。熱処理用ボートへのウェーハ支持は、図1に示すように、ウェーハの結晶方位<110>方向をボートのウェーハ支持部で支持するようにした。
結晶方位<110>方向以外にノッチを形成した場合は、熱処理用ボートのウェーハ支持部がウェーハの<110>方向の外縁領域を支持するようにウェーハをセットする。
ローディングする際の炉のヒータゾーン設定は、Lゾーン550℃、CLゾーン570℃、C〜Uゾーン600℃として、カスケード熱電対が、この設定温度に保たれるように温度制御した。なお、このときの設定温度は、上述したような温度設定方法で、予め、試しのローディングを行い、得られた図8に示すグラフから設定した。
この炉内に、ウェーハがフル充填された熱処理用ボートを、5cm/分の速度でローディングした。ローディングは約35分で完了し、その後に各ヒータゾーンのカスケード熱電対の温度が600℃になるように2.5℃/分で昇温した。約20分で各ゾーンの温度は600℃となり、その後10分間保持し、1000℃までは5℃/分、1100℃までは2℃/分、1200℃までは1℃/分で昇温した。1200℃で1時間保持したのち、1100℃までは1℃/分、1000℃までは2℃/分、600℃までは5℃/分で降温した。その後、5cm/分で熱処理用ボートをアンロードした。なお、上記の全ての工程は、炉内に100%Arを流しながら行った。
熱処理済みのウェーハのうち、熱処理用ボート最上部と最下部の各10枚を除いた100枚について、KLA−Tencor社製のSurfscan SP−1を用いて、ウェーハ上の0.1μm以上のパーティクル測定を行った。
その結果、表面キズの発生率は0%であった。また、パーティクル個数の平均値は0.48pcs/wfであった。このように、本発明により熱処理されたシリコンウェーハは表面のキズがなく、パーティクル数も極めて少なかった。
(比較例1)(支持方法を変更)
実施例に対して、図2に示すようにウェーハの結晶方位<100>方向をボートのウェーハ支持部で支持するようにウェーハをセットした。その他は実施例と全く同じ条件とし、熱処理を行った。
パーティクル測定の結果、キズの発生率は5%であった。キズの典型的な発生パターンを図5に示すが、ウェーハの結晶方位<100>方向を軸として上側に反り、熱処理用ボート上部のウェーハ支持部に接触している。また、パーティクルレベルは0.71pcs/wfであり、実施例に比べて悪化している。
(比較例2)(炉内温度分布を変更)
実施例に対して、熱処理用ボートを炉内にローディングする際の温度設定条件を次のように変更した。各ゾーンのカスケード熱電対の温度を全て600℃に設定して、ウェーハをフル充填した熱処理用ボートを5cm/分で炉内にローディングし、ローディング終了後に600℃で30分間保持した。その他は実施例と全く同じ条件とし、熱処理を行った。
表面キズの発生率は2%であり、パーティクルレベルはウェーハ平均で0.88pcs/wfであり、実施例に比べて悪化している。
(比較例3)(支持方法、炉内温度分布を変更)
実施例に対して、比較例1のようにウェーハの結晶方位<100>方向をボートのウェーハ支持部で支持するようにウェーハをセットした。また、比較例2のようにローディングの際の各ゾーンのカスケード熱電対の温度を全て600℃に設定した。その他は実施例と全く同じ条件とし、熱処理を行った。
この場合の表面キズの発生率は19%と極めて悪く、パーティクルレベルも2.78pcs/wfと悪かった。
(比較例4)(支持方法、炉内温度分布、ウェーハ支持部ピッチを変更)
実施例に対して、ウェーハ支持部ピッチ9.5mmの熱処理用ボートを用いた。この熱処理用ボートは、フル充填でウェーハを95枚仕込むことができる。他の条件は比較例3と同様とした。
この場合は、表面キズの発生は見られなかった。パーティクルレベルは、0.81pcs/wfであり、実施例と比べて悪かった。また、一度に熱処理できるウェーハの枚数が減少したため、生産性は大幅に低下した。
以上のように実施例では、ウェーハ支持部ピッチが狭いにも拘らず、ウェーハ表面にキズが発生せず、パーティクルレベルも最も良好であり、高品質で生産性良く熱処理できた。尚、実施例及び比較例1〜4のパーティクル測定を行ったウェーハについて、10ウェーハ支持部おきにXRTを用いてスリップを評価したが、スリップ発生は見られなかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の熱処理方法において熱処理用ボートでウェーハを<110>方向で支持した状態の一例を示す概略図である。 比較例1、3、4において熱処理用ボートでウェーハを<110>方向以外で支持した状態の概略図である。 本発明の熱処理方法に用いることができる熱処理用ボートのウェーハ支持部の形状を示す概略図である。 一般的な熱処理用ボートを示す概略図である。 従来のローディングの際に生じる典型的なウェーハ表面キズを示す概略図である。 一般的な縦型熱処理炉の一例を示す概略図である。 カスケード熱電対の温度が一定になるようにヒータを制御した場合のカスケード熱電対の温度変化を示すグラフである。 ヒータ熱電対の温度が一定になるようにヒータを制御した場合のカスケード熱電対の温度変化を示すグラフである。
符号の説明
10…縦型熱処理炉、 12…ヒータ、 14…均熱管、 16…反応管、
18…導入管、 20…排気管、 22…炉口部、 24…フランジ部、
26…熱処理用ボート、 28…保温筒、 30…蓋体、
32…ヒータ熱電対、 34…カスケード熱電対、 36…温度コントローラ、
38…ウェーハ 40…ウェーハ支持部、 42…炉奥部。

Claims (4)

  1. 少なくとも、反応管と、該反応管内に配置され、被処理基板を保持するための熱処理用ボートと、前記反応管の外側に配置されたヒータとを有する縦型熱処理炉を用いて結晶面が(100)のシリコンウェーハを熱処理する方法であって、
    前記結晶面が(100)のシリコンウェーハ裏面の結晶方位<110>方向の外縁領域を前記熱処理用ボートのウェーハ支持部により4点支持して、反応管内温度を前記反応管の下方の炉口側が上方の炉奥側より低い温度分布になるようにした前記反応管内へ、前記ウェーハを保持した熱処理用ボートをローディングしてウェーハの熱処理をすることを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 前記ヒータが上下方向に複数のヒータゾーンに分割されたものであって、前記各ヒータゾーンのヒータパワーをそれぞれ制御することにより、前記反応管内温度を前記反応管の下方の炉口側が上方の炉奥側より低い温度分布になるようにすることを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  3. 予め、前記各ヒータゾーンのヒータ温度が同一の条件で前記反応管内へ前記熱処理用ボートをローディングして、前記反応管内温度の変化の定常状態における温度分布を調べ、実際のウェーハ熱処理時のローディングする際の前記反応管内温度を前記調べた温度分布になるように前記各ヒータゾーンのヒータパワーをそれぞれ制御することにより、前記反応管内温度を前記反応管の下方の炉口側が上方の炉奥側より低い温度分布になるようにすることを特徴とする請求項2に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  4. 前記結晶面が(100)のシリコンウェーハの結晶方位<110>の方向に、ノッチを形成したものを熱処理することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019161173A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 株式会社Sumco ウェーハの熱処理方法およびウェーハの製造方法
CN112670162A (zh) * 2020-12-23 2021-04-16 华虹半导体(无锡)有限公司 硅片背封的制作方法

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