JP2010037396A - プリプレグ、及び該プリプレグを用いた積層体 - Google Patents

プリプレグ、及び該プリプレグを用いた積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 Q値が高く、且つ非ハロゲン系での難燃性に優れる積層体を製造することができるプリプレグ、および該プリプレグを用いた積層体を提供すること。
【解決手段】 前記樹脂成分は、芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位とを合計で少なくとも50重量%含み、前記芳香族ビニル単量体単位と前記共役ジエン単量体単位との重量比(芳香族ビニル単量体単位/共役ジエン単量体単位)が20/80〜90/10の範囲であり、樹脂成分、架橋剤、及び非ハロゲン系難燃剤を含む硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグ、及び該プリプレグを用いた積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子回路配線基板を含む多層配線基板等に好適なプリプレグ及び該プリプレグを用いた積層体に関する。
回路基板は、一般に誘電体層と導体層とから構成される。近年、高度情報化時代を迎え、情報伝送は高速化・高周波に動き出し、マイクロ波通信やミリ波通信が現実になってきている。これらの高周波化時代の回路基板は、高周波におけるノイズや伝送ロスを極限まで低減する必要があり、Q値(1/tanδ:誘電損失の逆数)の高い誘電体材料の選定が重要な課題となってきている。また、民生用途における回路基板としては、非ハロゲン系での難燃化が必須となってきている。
誘電体材料のQ値については、従来の低周波(K〜MHz領域)の回路基板ではQ値が通常10〜30程度のエポキシ樹脂が用いられていた。しかしながら、GHz領域の高周波回路基板においては、Q値が小さいと回路基板の性能や信頼性が十分でなく、従来のエポキシ樹脂で達成されていたQ値の数倍〜10倍以上、具体的にはQ値が200以上、好ましくは220以上、より好ましくは250以上の材料が求められている。
Q値の高い誘電材料としては、ポリブタジエンやポリイソプレン等の共役ジエン系ポリマーが注目されている。たとえば、特許文献1には、室温液状の分子量5,000未満である1,2−ポリブタジエン、固体ポリマーであるスチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー等の熱可塑性ブロックコポリマー、ジクミルペルオキシドやt−ブチルペルオキシヘキシン−3などの有機過酸化物(硬化剤)、ジビニルベンゼン、多官能アクリレート等の架橋助剤、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、デカブロモジフェノキシルオキシドなどの臭素含有難燃剤、シリカやチタニア等の充填材及びシランカップリング剤などを混合してスラリーとして繊維強化材に含浸させた後に溶媒除去してプリプレグを作製し、次いで2枚の銅箔間に複数枚のプリプレグを積層し、硬化してなる積層体が開示されている。また、本法に開示される積層体のQ値は、169〜285(誘電損失が0.0035〜0.0059)の範囲であることが記載されている。
特許文献2には、ポリブタジエン若しくはポリイソプレン樹脂がその全体の25〜50体積%の割合で含まれる熱硬化性組成物と、その全体当たりの10〜40体積%の割合で含まれる織布と、その全体当たりの5〜60体積%の割合で含まれる粒状フィラーと、フリーラジカル硬化イニシエーターと、難燃剤とを含み構成される配線基板材料が開示され、難燃剤としては臭素含有難燃剤が記載されている。また、本法に開示される積層体のQ値は、169〜285(誘電損失が0.0035〜0.0059)の範囲であることが記載されている。
しかしながら、これらの難燃化技術は臭素化物によるもので、民生用途では非ハロゲン系での難燃化が望まれていた。
これに対し、特許文献3には、ポリブタジエンまたはポリイソプレン樹脂、架橋剤、粒子状フッ素ポリマー及び全量の20〜50重量%の水酸化マグネシウムを含む難燃性の熱硬化樹脂組成物からなる絶縁層と導体層とからなる電子回路部材が開示されている。本法では、ポリブタジエンまたはポリイソプレン樹脂以外の樹脂成分として、必要に応じて、エポキシ基やヒドロキシル基等の官能基が結合した液状ポリブタジエンやポリイソプレン、スチレン含有量が30体積%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体などのブタジエンあるいはイソプレン含有の共重合体、ポリスチレン他のテレキリックポリマーなどの低分子量樹脂等を配合してもよいことが記載されている。
特開平8−208856号公報 特開平10−117052号公報 米国特許公報7,022,404号
しかしながら、本発明者が検討したところ、特許文献3で開示される絶縁層のQ値は163〜212(誘電損失が0.0047〜0.0061)の範囲であって伝送損失が大きく、さらに、非ハロゲン系難燃剤による難燃性の程度も充分でないという問題が認められた。
従って、本発明の目的は、Q値が高く、且つ非ハロゲン系での難燃性に優れる積層体を製造することができるプリプレグ、及び該プリプレグを用いた積層体を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討の結果、樹脂成分、架橋剤、及び非ハロゲン系難燃剤を含む硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグにおいて、前記樹脂成分に含まれる、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との合計含有量、およびそれらの単量体単位の重量比を特定することで、Q値の高い状態で非ハロゲン系での難燃化が可能になることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして本発明によれば、樹脂成分として、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とを合計で少なくとも50重量%含み、芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との重量比(芳香族ビニル単量体単位/共役ジエン単量体単位)が20/80〜90/10の範囲である、樹脂成分、架橋剤、及び非ハロゲン系難燃剤を含む硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグが提供される。
本発明によれば、また、前記プリプレグと、前記プリプレグまたは他の材料とを積層し、硬化してなる積層体が提供される。
本発明によれば、Q値が高く、且つ非ハロゲン系での難燃性に優れる積層体、及び該積層体の製造に好適に用いられるプリプレグが提供できる。また、本発明の積層体は、Q値が高く、且つ非ハロゲン系での難燃性に優れるので、通信機器用途等のマイクロ波またはミリ波等の高周波回路基板に好適に使用することができる。
本発明のプリプレグは、樹脂成分、架橋剤、及び非ハロゲン系難燃剤を含む硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸してなる。以下、本発明で使用する各成分について詳細に説明する。
(樹脂成分)
本発明に使用される樹脂成分は、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とを特定量含み、それらの単量体単位の重量比が特定範囲にあるものである。
共役ジエン単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、ペンタジエンなどが挙げられ、好ましくはブタジエンやイソプレンで、より好ましくはブタジエンである。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、N,N−ジエチルアミノエチルスチレンなどを挙げられ、好ましくはスチレンやα−メチルスチレンである。
本発明の樹脂成分は、上記のような、芳香族ビニル単量体及び共役ジエン単量体からなる重合単位(芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位)を合計で、少なくとも50重量%含む。樹脂成分中の芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との合計含有量がかかる範囲にないと、耐熱性、Q値及び非ハロゲン系での難燃性に劣る。芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との合計含有量としては、好ましくは70重量%、より好ましくは90重量%含む。本発明の樹脂成分は共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位以外の重合単位を含んでもよく、かかる重合単位としては共役ジエン単量体や芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体からなる重合単位や、工業的に使用される樹脂の構成重合単位等、格別な限定はなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。
また、樹脂成分中の芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位の重量比(芳香族ビニル単量体単位/共役ジエン単量体単位)は20/80〜90/10である。芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位の重量比がかかる範囲にないと、Q値と非ハロゲン系での難燃性とのバランスが劣る。芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位の重量比としては、好ましくは30/70〜80/20、より好ましくは40/60〜70/30の範囲である。
本発明で用いる、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とを含む樹脂成分としては、それらの単量体単位を含む樹脂であれば特に限定されるものではないが、具体例としては、共役ジエン重合体や、芳香族ビニル単量体単位を少なくとも1種含んでなる芳香族ビニル系重合体などが挙げられる。Q値と非ハロゲン系での難燃性をバランスさせる観点から、本発明の樹脂成分としては、共役ジエン重合体と芳香族ビニル系重合体との組み合わせを含んでなるものが好適である。当該組み合わせを含む樹脂成分中、当該組み合わせ以外の樹脂成分の含有量は、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%である。
前記共役ジエン重合体は、共役ジエン単量体のみを重合してなる重合体である。具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリシアノブタジエン、ポリペンタジエンなどが挙げられ、好ましくはポリブタジエン、ポリイソプレンであり、より好ましくはポリブタジエンである。これらの共役ジエン単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
共役ジエン重合体のミクロ構造は、使用目的に応じて適宜選択されるが、1,2−ビニル結合量が、通常10モル%以上、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、最も好ましくは90モル%以上であるときに耐熱性が高度に改善され好適である。
共役ジエン重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)で測定される重量平均分子量で、通常500〜500,000、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは1,000〜5,000の範囲である。
前記芳香族ビニル系重合体としては、格別な限定はないが、好適には、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体や芳香族ビニル重合体が用いられる。Q値と非ハロゲン系での難燃性を高度にバランスさせる観点から、芳香族ビニル系重合体としては、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体及び芳香族ビニル重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
前記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体のみを重合してなるものである。芳香族ビニル系重合体の重合様式は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
前記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、N,N−ジエチルアミノエチルスチレンなどを挙げることができ、これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレンが特に好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。一方、共役ジエン単量体としては、前記共役ジエン重合体と同様のものを、それぞれ用いればよい。
共役ジエン−芳香族ビニル共重合体としては、使用目的に応じて適宜選択され、例えば、共役ジエン−芳香族ビニルランダム共重合体や共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体を用いることができる。プリプレグの積層性と積層体の機械的強度及び非ハロゲン系での難燃性を高度にバランスさせる観点から、共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体が好適である。
共役ジエン−芳香族ビニルランダム共重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体、α−スチレン−ブタジエンランダム共重合体などが挙げられる。
共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体などの2ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、α−スチレン−ブタジエン−α−スチレントリブロック共重合体などの3ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエンテトラブロック共重合体などの4ブロック以上の共重合体などが挙げられる。プリプレグの積層性と積層体の機械的強度及び非ハロゲン系での難燃性を高度にバランスさせる観点から、3ブロック共重合体が好ましく、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体が特に好ましい。
共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の共役ジエン重合体部分のミクロ構造は、使用目的に応じて適宜選択されるが、1,2−ビニル結合量が、通常10モル%以上、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であるときに耐熱性、積層性及び非ハロゲン系での難燃性が高度にバランスされ好適である。
共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比(共役ジエン単量体単位/芳香族ビニル単量体単位)は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常5/95〜90/10、好ましくは10/90〜70/30、より好ましくは15/85〜60/40の範囲である。共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との割合がこの範囲であれば、耐熱性、積層性、Q値及び非ハロゲン系での難燃性が高度にバランスされ好適である。
本発明に使用される芳香族ビニル重合体は芳香族ビニル単量体のみを重合してなる重合体である。芳香族ビニル重合体を形成する芳香族ビニル単量体としては、前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体と同様のものを用いればよい。
芳香族ビニル重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択できるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)で測定される重量平均分子量で、通常1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
共役ジエン重合体と芳香族ビニル系重合体との重量比は、特に限定されないが、Q値と非ハロゲン系での難燃性を高度にバランスさせる観点から、樹脂成分中の芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位の重量比が前記範囲となるように適宜選択するのが好ましい。
本発明で用いられる共役ジエン重合体や芳香族ビニル系重合体等の樹脂成分は公知の方法により製造することができる。また、本発明の樹脂成分を構成する各樹脂成分の重合様式に格別な限定はない。各重合体は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本発明の樹脂成分が共役ジエン重合体と芳香族ビニル系重合体とを含むものである場合、それらの重合体以外の樹脂成分の含有量は、通常、20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
(架橋剤)
本発明に使用される架橋剤は、上記樹脂成分を架橋させ得るものであれば格別な限定はないが、通常ラジカル発生剤が用いられる。ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、ジアゾ化合物および非極性ラジカル発生剤などが挙げられ、有機過酸化物や非極性ラジカル発生剤が積層体のQ値を高度に高める上で好適である。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート類;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキサシド類;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのペルオキシケタール類;などが挙げられる。中でも、ジアルキルペルオキシド類およびペルオキシケタール類が好ましい。
ジアゾ化合物としては、例えば、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。
非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、1,1,2−トリフェニルエタン、1,1,1−トリフェニル−2−フェニルエタンなどが挙げられる。
ラジカル発生剤の1分半減期温度は、ラジカル発生剤の種類及び使用条件により適宜選択されるが、通常、50〜350℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは150〜230℃の範囲である。
これらの架橋剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の使用量は、樹脂成分100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
(非ハロゲン系難燃剤)
本発明に使用される非ハロゲン系難燃剤は、一般に使用されるものであれば格別な限定はないが、金属水酸化物系難燃剤、金属酸化物系難燃剤、燐系難燃剤、窒素系難燃剤、及び燐と窒素との双方を含有する難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の非ハロゲン系難燃剤が好適に用いられる。また、これらの中でも、金属水酸化物系難燃剤、燐系難燃剤、窒素系難燃剤、または燐と窒素との双方を含有する難燃剤が好ましく、特に金属水酸化物系難燃剤や燐系難燃剤が好ましい。
金属水酸化物系難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等を挙げることができる。金属酸化物系難燃剤としては、例えば、酸化マグネシウムや酸化アルミニウム等を挙げることができる。
燐系難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジクレジル)ホスフェートなどの燐酸エステル化合物が好適に用いられ、中でも、トリクレジルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジクレジル)ホスフェートなどの3級燐酸エステルが好適である。
窒素系難燃剤としては、たとえば、メラミン誘導体類、グアニジン類、イソシアヌル酸などが挙げられるが、好ましくはメラミン誘導体類である。メラミン誘導体類としては、たとえば、メラミン、メラミン樹脂、メラム、メレム、メラミンシアヌレート、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、トリグアナミン、硫酸メラミン、硫酸グアニルメラミン、硫酸メラム、硫酸メレムなどが挙げられるが、好ましくは硫酸メラミンである。グアニジン類としては、たとえば、硝酸グアニジン、炭酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン、硝酸アミノグアニジン、重炭酸アミノグアニジンなどが挙げられるが、好ましくは硝酸グアニジンである。
燐と窒素との双方を含有する難燃剤としては、たとえば、ポリ燐酸アンモニウム、燐酸メラミン、ポリ燐酸メラミン、ポリ燐酸メラム、燐酸グアニジン、フォスファゼン類などが挙げられるが、好ましくはポリ燐酸アンモニウム、ポリ燐酸メラミン、ポリ燐酸メラムである。
これらの非ハロゲン系難燃剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、樹脂成分100重量部に対して、通常10〜500重量部、好ましくは30〜300重量部、より好ましくは50〜250重量部である。
(硬化性樹脂組成物)
本発明に使用される硬化性樹脂組成物は、上記樹脂成分、架橋剤及び非ハロゲン系難燃剤を必須成分として、必要に応じて、架橋助剤、老化防止剤、充填剤及びその他の添加剤を配合することができる。
(架橋助剤)
本発明においては、硬化性樹脂組成物に架橋助剤を配合することにより、硬化性樹脂組成物の強化繊維への含浸性を高度に向上でき好適である。
架橋助剤は、工業的に一般的なものを格別な限定なく用いることができ、特に限定はないが、プリプレグの積層性、積層体の機械的強度及び耐熱性を高度にバランスさせる観点から、多官能架橋助剤が好適に用いられる。多官能架橋助剤としては、例えば、一分子中に炭素−炭素二重結合を2つ以上有するものを用いることができる。その具体例としては、p−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、o−ジイソプロペニルベンゼンなどの2官能架橋助剤、トリイソプロペニルベンゼン、トリメタアリルイソシアネートなどの3官能架橋助剤等が挙げられる。
これらの架橋助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋助剤の使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、樹脂成分100重量部に対し、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部の範囲である。
(老化防止剤)
本発明においては、硬化性樹脂組成物に老化防止剤を配合することにより、高いQ値を維持したまま耐熱性をより高度に高めることができ好適である。
老化防止剤としては、例えば、フェノール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、リン系老化防止剤及びイオウ系老化防止剤などが挙げられ、好ましくはフェノール系老化防止剤やアミン系老化防止剤であり、より好ましくはアミン系老化防止剤である。
アミン系老化防止剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、通常第1級アミン系老化防止剤や第2級アミン系老化防止剤が用いられ、好ましくは、第2級アミン系老化防止剤である。
第1級アミン系老化防止剤としては、例えば、アルドール−α−ナフチルアミン、アセトアルデヒドアニリン、p,p’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
第2級アミン系老化防止剤としては、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリンなどの第2級アミン・ケトン系老化防止剤;N−フェニル−1−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4'−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N'−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミンなどのジフェニルアミン系老化防止剤;などが挙げられる。これらの中でも、高揮発点を有するジフェニルアミン系老化防止剤が好ましく、特に、N−フェニル−1−ナフチルアミン、4,4'−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどの芳香環を3つ以上有するジフェニルアミン系老化防止剤が好適である。
これらの老化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。老化防止剤の使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、樹脂成分100重量部に対して、通常0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
(充填剤)
本発明においては、硬化性樹脂組成物に充填剤を配合することで、より耐熱性を向上させることができ好適である。配合される充填剤は、工業的に一般に使用されるものであれば格別な限定はなく、通常、無機系充填剤が用いられる。
無機系充填剤としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウム、鉛、タングステン等の金属粒子;カーボンブラック、グラファイト、活性炭、炭素バルーン等の炭素粒子;シリカ、シリカバルーン、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化すず、酸化アンチモン、酸化ベリリウム、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の無機酸化物粒子;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機炭酸塩粒子;硫酸カルシウム等の無機硫酸塩粒子;タルク、クレー、マイカ、カオリン、フライアッシュ、モンモリロナイト、ケイ酸カルシウム、ガラス、ガラスバルーン等の無機ケイ酸塩粒子;チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛等のチタン酸塩粒子、窒化アルミニウム、炭化ケイ素粒子やウィスカー等が挙げられる。これらの中でも、積層体のQ値と耐熱性を高度にバランスさせるためには、金属粒子、無機酸化物粒子、無機水酸化物粒子、無機ケイ酸塩粒子及びチタン酸塩粒子などが好ましく、無機酸化物粒子やチタン酸塩粒子などがより好ましい。
これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、樹脂成分100重量部に対して、通常10〜1,000重量部、好ましくは50〜750重量部、より好ましくは100〜500重量部の範囲である。
その他の添加剤としては、着色剤、染料、顔料などが挙げられる。これらのその他の添加剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。
本発明に使用される硬化性樹脂組成物は、上記成分を混合して得ることができる。混合は、常法に従って行なうことができる。
(強化繊維)
本発明に使用される強化繊維としては、格別な制限はないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、液晶ポリエステル繊維などの有機繊維;ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、タングステン繊維、モリブデン繊維、ブデン繊維、チタン繊維、スチール繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、シリカ繊維などの無機繊維;などを挙げることができる。これらの中でも、有機繊維やガラス繊維が好ましく、特にアラミド繊維、液晶ポリエステル繊維、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維としては、Eガラス、NEガラス、Sガラス、Dガラス、Hガラス等の繊維を好適に用いることができる。
これらの強化繊維は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。強化繊維の使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、プリプレグあるいは積層体中の、通常10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%の範囲であり、強化繊維の使用量がこの範囲にあるときに積層体のQ値と耐熱性が高度にバランスされ好適である。
(プリプレグ)
本発明のプリプレグは、前記硬化性樹脂組成物を上記強化繊維に含浸して製造することができる。
含浸方法としては、常法に従えばよく、例えば、樹脂成分、架橋剤、非ハロゲン系難燃剤、及び必要に応じて、架橋助剤、老化防止剤、充填剤、その他の添加剤を溶媒に溶解または分散して低粘度化し強化繊維に含浸させた後に脱溶媒させるウェット法、リリースペーパー上に硬化性樹脂組成物をコーティングし、その上に強化繊維を引き揃え、加熱溶解した樹脂をロールあるいはドクターブレード等で加圧含浸させ、その後、放冷するホットメルト法(ドライ法)などが挙げられるが、通常はウェット法で行なわれる。
なお、低粘度化した硬化性樹脂組成物の調製に用いられる溶媒としては、例えば、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。また、ホットメルト法で用いられる硬化性樹脂組成物は実質的に溶媒を含まない。
ウェット法で含浸させた後の乾燥温度は、通常50〜250℃、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜170℃の範囲であるが、本発明では、この温度範囲とすることに加えて、硬化性樹脂組成物に含有させた架橋剤の1分半減期温度を考慮した温度とすることがさらに好ましい。すなわち、乾燥温度は、好ましくは架橋剤の1分半減期温度以下、より好ましくは1分半減期温度の10℃以下の温度、さらに好ましくは1分半減期温度の20℃以下の温度である。ここで1分半減期温度は、架橋剤の半量が1分間で分解する温度である。例えば、ジ−t−ブチルペルオキシドでは186℃、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシンでは194℃である。乾燥時間は適宜選択すればよいが、通常0.1〜120分間、好ましくは0.5〜60分間、より好ましくは1〜30分間の範囲である。
本発明のプリプレグの厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常0.001〜10mm、好ましくは0.01〜1mm、より好ましくは0.05〜0.5mmの範囲である。この範囲であるときに、プリプレグの操作性、及び硬化して得られる積層体の機械強度や靭性の特性が充分に発揮され好適である。
本発明のプリプレグの揮発成分量は、200℃にて1時間の条件で加熱した場合における揮発量で、通常30重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、もっとも好ましくは1重量%以下である。プリプレグの揮発成分量が過度に多いと、プリプレグのベタ付きが発生し操作性及び保存安定性が悪くなり、また、硬化後の積層体にボイドが発生し、外観や機械強度を低下させたり、ブリードや、耐熱性、耐薬品性等の低下の問題が生ずる傾向があるため好ましくない。
本発明のプリプレグの硬化後のQ値は、3GHzで測定される誘電損失の逆数(1/tanδ)で、通常200以上、好ましくは220以上、より好ましくは250以上である。Q値が過度に小さいと、高周波回路の損失、信頼性に欠け好ましくない。好ましいQ値を発現し得るプリプレグは、例えば、前記樹脂成分、架橋剤、及び非ハロゲン系難燃剤などの、硬化性樹脂組成物の構成成分及びその配合量につき好適な態様とすることで容易に得られる。なお、プリプレグの硬化条件は、積層体につき後述しているものと同様である。
(積層体)
本発明の積層体は、本発明のプリプレグを、本発明のプリプレグまたは他の材料(本発明のプリプレグ以外の材料)と積層して、必要に応じて賦形した後に、硬化することで製造することができる。
積層してもよい他材料としては、使用目的に応じて適宜選択されるが、例えば、熱可塑性樹脂材料、金属材料などが挙げられ、特に金属材料が好適に用いられる。金属材料としては、回路基板で一般に用いられるものを格別な制限なく用いることができ、通常金属箔、好ましくは銅箔が用いられる。金属材料の厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常1〜50μm、好ましくは3〜30μm、より好ましくは5〜20μm、最も好ましくは5〜15μmの範囲である。
本発明の積層体を製造する際における、積層及び硬化方法は、常法に従えばよく、例えば、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールドコンパウンド(SMC)やバルクモールドコンパウンド(BMC)などのプレス成形機を用いて加熱プレスを行なうことができる。加熱温度は、架橋剤による架橋が起こる温度であり、通常架橋剤の1分半減期温度以上、好ましくは架橋剤の1分半減期温度より5℃以上高い温度、より好ましくは架橋剤の1分半減期温度より10℃以上高い温度であり、通常100〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲である。加熱時間は、通常0.1〜180分、好ましくは1〜120分、より好ましくは2〜20分の範囲である。プレス圧力は、通常0.1〜20MPa、好ましくは0.1〜10MPa、より好ましくは1〜5MPaである。また、熱プレスは、真空または減圧雰囲気下で行ってもよい。
かくして得られる本発明の積層体は、高周波領域での伝送ロスが少なく且つ非ハロゲン系でも難燃性に優れ、また難燃化した際の耐熱性にも優れるため、広範囲に適用できる高周波基板材料として好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
実施例および比較例における各特性は、下記の方法に従い測定、評価した。
(1) Q値:インピダンスアナライザーを用いて積層体の3GHzにおける誘電損失(tanδ)を容量法で測定し、その逆数(1/tanδ)を以下の基準にて評価した。
良好:250以上
可 :220以上250未満
不可:220未満
(2) 難燃性:125mm×15mm×1mmにカットした積層体に5秒間接炎し、離炎後の有炎を観察し以下の基準にて評価した。
良好:離炎後の有炎はない
可 :離炎後の有炎がサンプル下部3cm未満でかつ20秒以内に消炎する
不可:離炎後の有炎がサンプル下部3cm以上かつ20秒以上燃える
実施例1
樹脂成分としてポリブタジエン樹脂B3000(日本曹達社製、重量平均分子量3000、1,2−ビニル結合量95モル%)50部およびスチレン−ブタジエンジブロック共重合体A(スチレン単位含有量40%、ポリブタジエン部分の1,2−ビニル結合量95モル%、分子量70,000)50部を含み、非ハロゲン系難燃剤として水酸化マグネシウム140部、シリカ(アドマファイン製、体積平均粒子径:0.5μm)35部、架橋剤としてジ−t−ブチルペルオキシド1.2部、及び老化防止剤として6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン1部を、キシレン中で混合し、硬化性組成物を得た。前記樹脂成分中の芳香族ビニル単量体単位(スチレン単位)と共役ジエン単量体単位(ブタジエン単位)との合計含有量は100重量%であり、前記樹脂成分における芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との重量比(スチレン単位/ブタジエン単位)は(20/80)であった。
なお、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体A中のスチレン単位とブタジエン単位の含有量は、H−NMR測定により算出した。前記ポリブタジエン及びポリブタジエン部分の1,2−ビニル結合量は、H−NMR測定により、不飽和結合ピーク総量と、1,2−付加重合に由来する不飽和結合ピークとの面積比から求めた。
次いで、得られた硬化性樹脂組成物をガラスクロス(Eガラス)に含浸させ、加熱により溶媒(キシレン)を除去してシート状のプリプレグを作製した。プリプレグの強化繊維含有量は41%であった。
次に、作製したプリプレグシート5枚を重ね、200℃で10分間、3MPaにて加熱プレスを行い積層体を得た。得られた積層体のQ値と難燃性を評価し、その結果を表1にまとめた。
実施例2
スチレン−ブタジエンジブロック共重合体Aを、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体B(スチレン単位含有量70%、ポリブタジエン部分の1,2−ビニル結合量95モル%、重量平均分子量70,000)に変えた以外は実施例1と同様にしてプリプレグ及び積層体を得、それらの各特性を評価してその結果を表1にまとめた。
なお、樹脂成分中の芳香族ビニル単量体単位(スチレン単位)と共役ジエン単量体単位(ブタジエン単位)との合計含有量は100重量%であり、樹脂成分における芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との重量比(スチレン単位/ブタジエン単位)は(35/65)であった。
実施例3
ポリブタジエンを20部、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体Bを80部とする以外は実施例2と同様にしてプリプレグ及び積層体を得、それらの各特性を評価してその結果を表1にまとめた。
なお、樹脂成分中の芳香族ビニル単量体単位(スチレン単位)と共役ジエン単量体単位(ブタジエン単位)との合計含有量は100重量%であり、樹脂成分における芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との重量比(スチレン単位/ブタジエン単位)は(56/44)であった。
比較例1
スチレン−ブタジエンジブロック共重合体Aを用いない以外は実施例1と同様にしてプリプレグ及び積層体を得、それらの各特性を評価してその結果を表1にまとめた。
比較例2
スチレン−ブタジエンジブロック共重合体Aの代わりに、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体C(スチレン単位含有量30%、ポリブタジエン部分の1,2−ビニル結合量95モル%、重量平均分子量70,000)を用いた以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ及び積層体を得、それらの各特性を評価してその結果を表1にまとめた。
なお、樹脂成分中の芳香族ビニル単量体単位(スチレン単位)と共役ジエン単量体単位(ブタジエン単位)との合計含有量は100重量%であり、樹脂成分における芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との重量比(スチレン単位/ブタジエン単位)は(15/85)であった。
Figure 2010037396
表1の結果より、本発明の積層体はQ値と非ハロゲン系での難燃性に優れることがわかる(実施例1〜3)。一方、芳香族ビニル単量体単位が入らない樹脂系(比較例1)、または芳香族ビニル単量体単位量が少ない樹脂系(比較例2)だと、Q値、非ハロゲン系での難燃性ともに十分でないことがわかる。

Claims (7)

  1. 樹脂成分、架橋剤、及び非ハロゲン系難燃剤を含む硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグであって、
    前記樹脂成分は、芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位とを合計で少なくとも50重量%含み、
    前記芳香族ビニル単量体単位と前記共役ジエン単量体単位との重量比(芳香族ビニル単量体単位/共役ジエン単量体単位)が20/80〜90/10の範囲であるプリプレグ。
  2. 前記樹脂成分が、
    共役ジエン重合体と;
    共役ジエン−芳香族ビニル共重合体及び芳香族ビニル重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル系重合体と;
    を含むものである請求項1記載のプリプレグ。
  3. 前記非ハロゲン系難燃剤の配合量が、前記樹脂成分100重量部に対して10〜500重量部の範囲である請求項1または2記載のプリプレグ。
  4. 前記硬化性樹脂組成物が、充填剤をさらに含むものである請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. 前記硬化性樹脂組成物が、老化防止剤をさらに含むものである請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグ。
  6. 硬化後のQ値が、220以上である請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のプリプレグと、前記プリプレグまたは他の材料とを積層し、硬化してなる積層体。
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