JP2010035988A - 玉縁縫いミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】コーナーメスに生じる左右の誤差を補正する。
【解決手段】被縫製物を搬送する布送り機構20と、被縫製物に二本の直線縫い目TL,TRを形成する針上下動機構40と、直線切れ目Sを形成する動メス機構50と、直線切れ目の両端部に斜め切れ目VFL,VFR,VRL,VRRを形成するコーナーメス機構100とを備え、このコーナーメス機構は、直線切れ目の一端部側と他端部側のコーナーメス保持体105と、一方のコーナーメス保持体を布送り方向Fに沿って移動させる縦送り機構90と、各コーナーメス保持体の保有する複数のコーナーメスを布送りと直交する方向に移動させることで選択する横送り機構120とを備え、誤差入力手段85から入力されたコーナーメス保持体の所定の移動点における誤差から、斜め切れ目形成位置における直交方向誤差を求めて横送り機構120を用いて補正を行う補正制御手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】図16

Description

本発明は、斜め切れ目の形成を行う玉縁縫いミシンに関する。
玉縁縫いミシンは、例えば、スーツのポケットの開口部等に多く施される玉縁縫いを行うためのミシンであって、身生地の上に玉布を重ねた状態で平行な二本の縫い目とそれらに平行であって二本の縫い目の間に形成される直線切れ目とを形成し、さらに、直線切れ目の両端部において、直線切れ目の端部から各縫い目の端部に向かって斜め切れ目の形成を行う(例えば、特許文献1参照)。
上記斜め切れ目の形成では、直線切れ目を挟んで布送りの直交方向両側に形成される一対の斜め切れ目の中心が直線切れ目と一致することが要求される。
このため、従来の玉縁縫いミシンでは、コーナーメスの組み付け位置の調整を行うことで、布送り方向に直交する方向に斜め切れ目の位置誤差を生じないように対策を施していた。
特開2006−218189号公報
しかしながら、コーナーメスを布送り方向に沿って移動可能な玉縁縫いミシンにあっては、コーナーメスの布送り方向における原点位置でコーナーメスの組み付け調整を行っても、例えば、コーナーメスを布送り方向に沿って移動させるガイド等が布送り方向と平行になっていない等の組立精度や部品の加工精度に基づく誤差がある場合には、コーナーメスを切断位置まで移動すると誤差を生じてしまう場合があった。その場合、一対の斜め切れ目の中心が直線切れ目端部と一致せず、縫製品質を低下させてしまうという不都合があった。
また、このような誤差は、コーナーメスの布送り方向における切断位置ごとに誤差量が変動するため、コーナーメスの組み付けによって誤差の解消を図ろうとすると、切断位置が変更されるたびに、コーナーメスの布送り方向における切断位置ごとの誤差の測定とコーナーメスの組み付け作業とを行う必要があり、煩雑に耐えないという問題があった。
本発明は、斜め切れ目の布送り方向に直交する方向の誤差を解消することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、身生地及び玉布を保持して搬送する布送り機構と、身生地及び玉布に布送り方向に沿って平行な二本の直線縫い目を形成する二本の縫い針を上下動する針上下動機構と、前記二本の直線縫い目の間に布送り方向に沿って直線切れ目を形成する動メス機構と、前記二本の直線縫い目の端部と前記直線切れ目の端部との間に斜め切れ目を形成するコーナーメス機構とを備えた玉縁縫いミシンにおいて、前記コーナーメス機構は、前記直線切れ目の一端部と他端部とにそれぞれ個別に斜め切れ目を形成するための二つのコーナーメス保持体と、一方のコーナーメス保持体を前記直線切れ目の長さに応じて布送り方向に沿って移動させる縦送り機構と、前記各コーナーメス保持体ごとに設けられ、複数種類の斜め切れ目を形成する複数のコーナーメスを前記直線切れ目に直交する方向に移動させることで使用するコーナーメスの選択を行う横送り機構とを備え、前記移動を行うコーナーメス保持体について、その原点位置から所定距離だけ離れた移動点における前記直線切れ目に対して直交する方向に生じるコーナーメス位置の誤差を入力する誤差入力手段と、前記原点から移動点までの所定距離を記憶する記憶手段と、前記移動を行うコーナーメス保持体に保持されたコーナーメスによる切断動作のために、前記入力された誤差と前記原点位置から移動点までの距離との関係から、前記コーナーメス保持体の切断実行位置で生じる誤差量を求め、前記横送り機構により位置補正を行って斜め切れ目を形成する補正制御手段とを備えることを特徴とする。
なお、「複数種類の斜め切れ目」とは直線切れ目に対する傾斜角度が異なる場合や切断長が異なる場合或いは両方が異なる場合などを示すものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記原点位置から移動点までの距離を設定入力する設定手段を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記記憶手段は、原点から移動点までの距離として、前記原点から前記コーナーメス保持体の最大移動位置までの距離を記憶することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記誤差入力手段は、二カ所の移動点における誤差を入力可能とし、前記補正制御手段は、前記布送り方向に沿って移動を行うコーナーメス保持体に保持されたコーナーメスによる切断動作のために、前記原点位置から各移動点における距離と各移動点における誤差との関係から、前記コーナーメス保持体の切断実行位置で生じる誤差量を求め、前記横送り機構により位置補正を行って斜め切れ目を形成することを特徴とする。
請求項1記載の発明では、斜め切れ目の形成の際には、一方のコーナーメス保持体を布送り方向に沿って移動させ、直線切れ目の両端部に各コーナーメス保持体のコーナーメスが斜め切れ目を形成可能に配置するように縦送り機構が制御される。
また、各コーナーメス保持体において、所定のコーナーメスの選択のために各コーナーメスを布送りと直交する方向に移動位置決めするように横送り機構が制御される。
一方、オペレータにより、コーナーメス保持体が原点位置から所定距離だけ離れた移動点に位置する場合の布送り方向に直交する方向(直線切れ目に対する接離方向)のコーナーメス位置の誤差が手作業で測定され、誤差入力手段により測定誤差が入力されると、切断制御手段は、コーナーメス保持体の移動距離に対して生じるコーナーメスの直交方向の誤差の比率を算出する。さらに、コーナーメス保持体の布送り方向への移動位置決めによりコーナーメスに生じる直交方向の誤差を前記比率から算出する。
さらに、補正制御手段は、横送り機構の制御により、上記算出された誤差分の位置補正を行う。
そして、補正後の位置においてコーナーメスによる斜め切れ目の形成が実行される。
以上のように、組立精度や部品精度などによりコーナーメス保持体の移動方向が布送り方向と非平行になり、コーナーメス保持体の移動によりその直交方向について誤差を生じる場合であっても、移動点において誤差量を一回測定すれば、コーナーメス保持体がいずれの位置に移動しても直交方向に生じる誤差量を求めることができ、これに基づいて補正することが可能となる。
従って、煩雑な作業を行うことなく、コーナーメスにより斜め切れ目の形成位置の適正化による縫い品質の向上を図ることが可能となる。
また、布送り方向に直交する方向の誤差をコーナーメスの選択を行うための横送り機構により補正するため、新たに補正を行うための機構構造を不要とし、実施コストを大幅に低減することが可能である。
請求項2記載の発明は、原点位置から移動点までの距離を設定入力する設定手段を備えるので、誤差の測定を任意の位置で行うことが可能となる。
請求項3記載の発明は、記憶手段が、原点から移動点までの距離として、原点からコーナーメス保持体の最大移動位置までの距離を記憶するので、コーナーメス保持体の移動距離とその直交方向に生じる誤差比率を求める場合に、最大の移動距離とこれにより生じる最大の誤差との計算により誤差比率を求めることができるので、より精度の高い値を求めることができ、コーナーメスの位置補正もより精度良く行うことが可能となる。
請求項4記載の発明は、二つの移動点での誤差に基づいてコーナーメス保持体の移動距離と直交方向のコーナーメスの位置誤差との比率を求めることが可能となる。このため、例えば、コーナーメス保持体の原点位置において既に直交方向に誤差を生じている場合でも、その影響を排除して誤差比率を算出でき、より精度の高い値を求めることができ、コーナーメスの位置補正もより精度良く行うことが可能となる。
なお、請求項2の発明を引用する場合には、二つの移動点までのそれぞれの距離を設定手段により設定する。また、請求項3の発明を引用する場合には、二つの移動点の内の一方の移動点をコーナーメス保持体の最大移動距離における到達位置として誤差の算出を行うものとする。
(玉縁縫いミシンが行う玉縁縫いに関する説明)
以下、本発明の実施の形態である玉縁縫いミシン10について図1乃至図16に基づいて説明する。図1は玉縁縫いミシン10の全体の概略構成を示す斜視図である。なお、本実施の形態においては、各図中に示したXYZ軸を基準にしてそれぞれの方向を定めるものとし、Z軸方向は後述するセンターメスの上下動方向と一致し、縫製作業を行う平面はZ軸方向と垂直となり、当該作業平面に平行であって布送りが行われる方向をX軸方向とし、作業平面に平行であってX軸方向に直交する方向をY軸方向とする。
図2及び図3は斜め形状のポケット開口部を形成する玉縁縫いにおけるセンターメスによる直線状の切れ目Sとコーナーメスによる斜め切れ目VFL,VFR,VRL,VRRと二本針による直線縫い目TL,TRの配置の関係を示す説明図であり、ポケット開口部を形成する玉縁縫いは図2と図3に示す二種類の方式で行うことができる。図示のように、縫製時における布送り方向Fの進行方向を布送り方向前側、その逆方向を布送り方向後側とし、Y軸方向に沿った一方の方向であって布送り方向を向いて左手となる方向を左側、Y軸方向に沿った他方の方向であって布送り方向を向いて右手となる方向を右側として以下の説明を行うこととする。
玉縁縫いミシン10は、二本針41,41により形成される二本の平行な直線縫い目TL,TRにより身生地Mに対して玉布Bを縫着すると共にこれらの布地の送り方向Fに沿ったポケット穴となる直線状の切れ目Sと当該切れ目Sの両端部に一対の斜め切れ目からなる略V字状のコーナー切れ目とを形成するミシンである。
長方形形状のポケット開口部を形成する玉縁縫いでは、両方の直線縫い目の前後の端部がいずれも布送り方向について揃った状態で形成される。
一方、斜め形状のポケット開口部を形成する玉縁縫いでは、いずれか一方の直線縫い目(図3では右側の縫い目TR)の前後の端部のそれぞれが他方の直線縫い目の前後の端部よりも前側に位置するように形成される。ここで、直線縫い目TRの後側端部から直線縫い目TLの後側端部までの布送り方向のズレ量を後側の偏差CRといい、直線縫い目TRの前側端部から直線縫い目TLの前側端部までの布送り方向のズレ量を前側の偏差CFというものとする。
そして、図2に示す玉縁縫いでは、直線切れ目Sの前側端部FEから右側の直線縫い目TRの前側端部にかけて斜め切れ目VFRが形成され、直線切れ目Sの前側端部FEから左側の直線縫い目TLの前側端部にかけて斜め切れ目VFLが形成される。さらに、直線切れ目Sの後側端部REから右側の直線縫い目TRの後側端部にかけて斜め切れ目VRRが形成され、直線切れ目Sの後側端部REから左側の直線縫い目TLの後側端部にかけて斜め切れ目VRLが形成される。
また、図3に示す玉縁縫いでは、直線切れ目Sの前側端部から右側の直線縫い目TRの前側端部にかけて斜め切れ目VFRが形成され、直線切れ目Sの前側端部から左側の直線縫い目TLの前側端部にかけて斜め切れ目VFLが形成される。さらに、直線切れ目Sの後側端部から右側の直線縫い目TRの後側端部にかけて斜め切れ目VRRが形成され、直線切れ目Sの後側端部から左側の直線縫い目TLの後側端部にかけて斜め切れ目VRLが形成される。なお、コーナー切れ目を構成する斜め切れ目VFR、VFLは、VFRの方が布送り方向における長さが偏差CFだけ長くなるように設定されており、コーナー切れ目を構成する斜め切れ目VRR、VRLは、VRLの方が布送り方向における長さが偏差CRだけ長くなるように設定されている。
玉縁縫いミシン10は、斜め形状のポケット開口部を形成する玉縁縫いを行う際に、上記図2に示す方式と図3に示す方式の二種類を選択的に実行することを可能としている。
なお、この玉縁縫いミシン10は、前端部と後端部のいずれにも偏差を設けない縫い、つまり二本の直線縫い目が前後にズレのない長方形状の開口を形成する玉縁縫いを実行することも可能であることはいうまでもない。
(玉縁縫いミシンの全体構成)
そして、当該玉縁縫いミシン10は、縫製の作業台となるミシンテーブル11と、ミシンテーブル11に配置されたミシンフレーム12と、身生地M及び玉布Bからなる布地の送りを行う布送り機構としての大押さえ送り機構20と、身生地Mの上側で玉布Bを上方から押さえるバインダー30と、バインダー30の布送り方向Fにおける前端部近傍で切れ目Sの両側に針落ちを行う縫い目形成機構としての針上下動機構40と、各縫い針41の布送り方向Fの前側で動メスとしてのセンターメス51を昇降させて重ねて載置される身生地M及び玉布Bからなる被縫製物に切れ目Sを形成する動メス機構としてのセンターメス機構50と、直線状の切れ目S(以後、直線切れ目Sとも称する)の両端に略V字状の切れ目Vを形成するコーナーメス機構100と、上記各部の制御を行う動作制御手段80とを備えている。
以下各部を詳説する。
(ミシンテーブル及びミシンフレーム)
ミシンテーブル11はその上面がX−Y平面に平行であって、水平な状態で使用される。このミシンテーブル11の上面は布の送り方向F即ちX軸方向に沿って長い長方形状に形成されている。かかるミシンテーブル11上に大押さえ送り機構20とバインダー30とが配置され、ミシンテーブル11の下側にコーナーメス機構100が配置されている。
また、ミシンテーブル11における二つの縫い針41,41の下方の位置には針板13が設けられている。この針板13には二本針41,41の各々に対応する針穴が設けられており、各針穴の下側には図示しない水平釜がそれぞれ設けられている。つまり、各縫い針41,41のそれぞれに挿通された縫い糸は、それぞれ針板13の下側で対応する各水平釜に捕捉され、水平釜から繰り出される下糸に絡められて縫製が行われるようになっている。
さらに、針板13の二つの針穴のほぼ中間であって布送り方向Fの前側にはセンターメス51が挿入されるスリットが形成され、当該スリットの内側にはセンターメス51との協働により布地を切断する図示しない固定メスが配置されている。
ミシンフレーム12は、ミシンテーブル11の長手方向中間位置のすぐ脇に配置されたベッド部12aとベッド部から立設された縦胴部12bと縦胴部12bの上端部からY軸方向に沿って延設されたアーム部12cとからなり、アーム部12c内に針上下動機構40とセンターメス機構50の主要構成が格納されている。また、アーム部12cの先端側下端部から二本針41,41とセンターメス51とが垂下支持されている。
(針上下動機構)
図4は針上下動機構40の斜視図である。針上下動機構40は、二本針を構成する二つの縫い針41,41と、各縫い針41を個別に下端部に保持する二本の針棒42と、各針棒42を上下動可能に支持する支持枠49と、二本の針棒42を同時に保持する針棒抱き44と、縫い針上下動の駆動源となるミシンモータとしてのミシン主軸モータ45と、ミシン主軸モータ45(図10)により回転駆動を行うミシン主軸46と、ミシン主軸46の一端部に固定連結され回転運動を行う回転錘47と、回転錘47の回転中心から偏心した位置に一端部が連結されると共に他端部が針棒抱き44に連結されたクランクロッド48とを有している。
また、ミシン主軸46も、アーム部12cの内部でY軸方向に沿って回転可能に支持されており、ミシン主軸モータ45により全回転の回転駆動力が付与される。ミシン主軸46が回転されると、回転錘47も同様に回転を行い、クランクロッド48の一端部はミシン主軸46を中心として円運動を行い、他端部では、一端部側の円運動のZ軸方向の移動成分のみが針棒抱き44に伝達されて各針棒42が往復上下動を行うようになっている。
さらに、針棒抱き44には、各針棒42,42の保持と解放を切り替え可能なラッチ機構(図示略)が内蔵されており、支持枠49の上端部には各針棒42の保持と解放を切り替え可能な図示しない保持機構が内蔵されている。また、ラッチ機構と保持機構とは外部から所定の操作を加えることで針棒42の保持と解除とを切り替えることが可能であり、各機構に切り替え操作を加える針切り替えソレノイド43(図10参照)が支持枠49に併設されている。
かかる針切り替えソレノイド43により、両針棒42,42がラッチ機構に保持された状態と、一方の針棒42がラッチ機構に保持されて他方の針棒42が保持機構に保持された状態と、一方の針棒42が保持機構に保持されて他方の針棒42がラッチ機構に保持された状態とを切り替え可能となっており、何れの状態においても針棒抱き44に保持された針棒は上下動し、ラッチ機構に保持された針棒は上死点近傍で停止するようになっている。
斜め形状の玉縁縫いを行う際には、上記三つの保持状態を所定のタイミングで切り替えることにより、左右の直線縫い目TL,TRについて、前後の端部において布送り方向に偏差を生じるように形成することを可能としている。
また、各針棒42,42は、それぞれ縫い針41,41をY軸方向に沿って位置調節可能に保持している。これにより、前述した直線縫い目TL,TRのY軸方向における間隔を調節可能としている。なお、かかる調節は、通常、直線縫い目TL,TRのそれぞれが直線切れ目Sに対して等距離となるように行われる。
(センターメス機構)
図5は針上下動機構40及びセンターメス機構50の切断可能状態の斜視図である。
センターメス機構50は、上下動により直線状の切れ目Sを形成するセンターメス51と、針板13の下に固定されると共にセンターメス51に摺接して布地B、Mの切断を促す図示しない固定メスと、センターメス51を下端部に備えると共にアーム部12c内でZ軸方向に沿って滑動可能に支持されたメス棒52と、センターメス51の上下動を行うステッピングモータであるメスモータ57と、メスモータ57の出力軸57bに対して偏心して装着された偏心カム58を介してメス棒52に上下動駆動力を伝達する複数のリンク体59と、センターメス51の切断可能状態(下位置)と切断規制状態(上位置)との切り替え動作の駆動源となるアクチュエータとしてのエアシリンダ65と、エアシリンダ65の突出時のプランジャを所定位置で停止させるストッパ68とを備えている。
上記センターメス機構50は、エアシリンダ65が後退位置(図5の状態)のときに、メスモータ57の回転駆動力をセンターメス51への上下の往復動作に変換して伝達する切断可能状態とし、エアシリンダ65が前進位置(図示略)のときに、メスモータ57の回転駆動力をセンターメス51へ伝達しない切断規制状態に切り替えることができる。
エアシリンダ65が後退した状態で上記メスモータ57が回転駆動を行うと、Y軸方向に向けられた出力軸57bに装備された偏心カム58により複数のリンク体59を介してメス棒52及びセンターメス51を上下動させて切断動作が行われる。
一方、エアシリンダ65が前進した状態にある時には、複数のリンク体59はメスモータ57の動力がメス棒52まで伝えられない配置とされ、且つセンターメス51が針板13よりも上方に待避した状態が維持される。
従って、エアシリンダ65の駆動により、センターメス51の切断可能状態と切断規制状態とが切り替えられるようになっている。
(バインダー)
バインダー30は、長尺状平板である底板部31と、底板部31の長手方向に沿ってその上面に垂直に立設された立板部32と、立板部32の布送り方向前側端部に、センターメス51を回避して玉布Bを案内する案内部材33と、玉布Bの幅方向の両端部が立板部32の両面に沿ってそれぞれ送られるように案内する縦ガイド(図示略)とを備えている。
上記バインダー30は、エアシリンダを備える図示しない支持機構に支持されており、非使用時には図1に示すように二本針41,41の針下の位置から離れて待避されている。そして、使用時には、エアシリンダの駆動により針板位置にセットされるようになっている。
底板部31は、長方形状に形成され、使用時において、その長手方向がX軸方向に平行になるように且つ、その底面がミシンテーブル11の上面に正対して載置されるように支持されている。また、底板部31の布送り方向先端部には、二つの縫い針41,41がそれぞれ針落ちを行うための略U字状の切り欠き(図示略)が形成されている。
立板部32は、案内部材33の近傍の部分を除いてその全体が平板状であり、底板部31の上面において、当該底板部31の幅方向(Y軸方向)の中間位置に、底板部31と長手方向を揃えた状態で、垂直に立設されている。即ち、バインダー30は、底板部31と立板部32とがその長手方向から見て逆さのT字状となるように一体形成されている。
そして、玉布Bは、針板13上において身生地Mの上側に重ねてセットされると、上方からバインダー30が載置され、玉布Bの幅方向(図2における左右方向)の両端部を折り返して底板部31の幅方向両端部から上方に立ち上げ、さらに、玉布Bの幅方向両端部をそれぞれ立板部32の両側の側面にそれぞれ沿わせるようにして、後述する大押さえ21,21により保持される。即ち、立板部32の一方の側面から底板部31を介して他方の側面32まで玉布Bを沿わせた状態とされる。このように、バインダー30に玉布Bを巻き付けるようにセットした状態で、玉布B及び身生地Mを送りつつ、立板部32の両側で二本針41,41により縫製を行うと共にセンターメス51の上下動により直線状の切れ目Sを形成する。
また、バインダー30の布送り方向Fのすぐ前側には、センターメス51により切り裂かれてしまわないように、案内部材33が設けられている。かかる案内部材33は、同方向Fに向かって二又に分岐して平面視形状が略V字状となるように形成されている。そして、かかる形状により、布送りの際に玉布Bの幅方向両端部はそれぞれ立板部32から離間する方向に誘導されて、センターメス51を回避する方向に案内される。
(大押さえ送り機構)
大押さえ送り機構20は、バインダー30にセットされた玉布Bの幅方向両側で身生地Mを上方から押さえる大押さえ21,21と、これらの大押さえ21,21を支持する支持体22と、支持体22を介して大押さえ21,21を上下に移動させる図示しないエアシリンダと、各大押さえ21,21に内蔵されて互いに内側に進出することで玉布Bの幅方向両端部をそれぞれバインダー30の底板部31の上側に折り込む図示しない折り込み板と、大押さえ21,21により押さえた玉布B及び身生地Mを支持体22を介して布送り方向Fに移動させる送り駆動手段としての押さえモータ23(図10)とを備えている。
各大押さえ21,21は、それぞれ長方形状の平板であり、それぞれが長手方向をX軸方向に沿わせた状態で支持体22に支持されている。また、各大押さえ21,21はその平板面がX−Y平面に平行となるように支持されている。そして、エアシリンダの駆動により上下の二位置に切替可能であり、上位置の時にはミシンテーブル11の上面から離間し、下位置でミシンテーブル11の上面高さとなる。また、二つの大押さえ21,21は、その間に、少なくともバインダー30の立板部32を通すことができるようにY軸方向について離間した状態で支持されている。
支持体22は、ミシンテーブル11上においてX軸方向に沿って移動可能に支持されており、支持する二つの大押さえ21,21が二本針41,41の上下動経路の外側を通過するように配置されている。また、支持体22は、図示しないボールネジ機構を介して押さえモータ23により駆動されるようになっている。
(コーナーメス機構)
図6はコーナーメス機構100の斜視図、図7は各コーナーメス101〜104の装備状態を示す拡大斜視図、図8は上下動を行うコーナーメス101〜104の選択動作を示す説明図である。なお、図6では、後述する各コーナーメス機構100A,100Bが四つのコーナーメス101〜104の内の二つを取り外した状態を図示している。
コーナーメス機構100は、直線切れ目Sの両端にそれぞれ個別に対応して設けられ、それぞれ略V字状の切れ目Vを形成する二つのコーナーメス機構100A,100Bから構成されている。
そして、コーナーメス機構100A,100Bは、いずれも、ミシンテーブル11の下方であって大押さえ送り機構20による大押さえ21,21の通過経路上であってセンターメス51よりも布送り方向前側に配置されており、大押さえ送り機構20により搬送されてきた玉布B及び身生地Mを下方から一対のコーナーメスにより突き通すことで直線状の切れ目Sの両端となる位置に略V字状の切れ目を形成する。
各コーナーメス機構100A,100Bは布送り方向Fに沿って並んで配設され、コーナーメス機構100Aがコーナーメス機構100Bよりも後方に配置されている。つまり、一方のコーナーメス機構100Aは直線切れ目Sの後方端部側に一対の斜め切れ目を形成し、他方のコーナーメス機構100Bは直線切れ目Sの前方端部側に一対の斜め切れ目を形成するためのものである。そして、コーナーメス機構100Bのみがユニット移動モータ90(図10参照)により布送り方向Fに沿って移動位置決め可能にテーブル11に対して装備されている。以下、二つのコーナーメス機構を区別して説明する場合には、コーナーメス機構100Aを「固定側」といい、コーナーメス機構100Bを「移動側」と称する場合があるものとする。
なお、コーナーメス機構100Aとコーナーメス機構100Bとは、互いにY−Z平面を基準に鏡面対称となるほぼ同一の構造を採っているため、その詳細はコーナーメス機構100Bについてのみ行い、鏡面対称構造であるコーナーメス機構100Aの各構成については同符号を付して説明を省略することとする。
コーナーメス機構100Bは、左右で二種類の四つのコーナーメス101,102,103,104と、テーブル11の下面側に配設された丸棒状の一対のガイド軸14に支持されたコーナーメス保持体としてのユニット本体105と、ユニット本体105の後方側面に形成された凹部105a内においてY軸方向に沿って移動可能に支持されると共に各コーナーメス101〜104を保持するブロック状の構造体であるインデックス106と、インデックス106をY軸方向に沿って移動位置決めするコーナーメスの選択機能を有する横送り機構としてのインデックス移動機構120と、インデックス移動機構120との協働によりコーナーメスを選択して上下動させる上下動機構130とを備えている。
ユニット本体105は枠状であって、Y軸方向の一端部で一対のガイド軸14を挿通した状態で支持されている。また、ユニット本体105の後側となる一側面に凹部105aが形成され、当該凹部105aの内側にインデックス106が配置されている。なお、コーナーメス機構100Aのユニット本体105は固定支持されているが、コーナーメス機構100Bのユニット本体105は、図示しないベルト送り機構又はボールネジ機構を介してユニット移動モータ90の駆動によりX軸方向に任意の位置に位置決め可能となっている。かかるユニット移動モータ90及びベルト送り機構又はボールネジ機構等の直動機構により縦送り機構が構成されている。なお、ユニット移動モータ90としては、リニアモータを採用しても良い。
インデックス106にはそのY軸方向の一側面上からY軸方向に沿って延出された上下二つの支持桿106aが固定装備され、これらがユニット本体105側に設けられた挿入穴に挿入されることで、インデックス106がユニット本体105に対してY軸方向に沿って移動可能に支持された状態を実現している。
インデックス106の上面には、四つのコーナーメスの取付台107,108,109,110が設けられ、各取付台107〜110は、個別にコーナーメス101〜104を保持している。これら各取付台107〜110は、図示しない締結ネジを弛めることで各コーナーメス101〜104のZ軸回りの角度調節と(図9(A)参照)、歯先の向けられた傾斜角度とを手作業により調節すること(図9(B)参照)が可能となっている。各コーナーメス101〜104はZ軸回りの角度調節により直線切れ目Sに対する斜め切れ目の形成傾斜角度が決定され、歯先の向けられた傾斜角度の調節により斜め切れ目の切断長が決定される。
ここで、上方から見た各コーナーメス101〜104の調整例について図8(B)に基づいて説明する。右側の二つのコーナーメス101,102は、直線切れ目Sに対して右側に形成される斜め切れ目を形成するためのものであり、いすれも前方に向かって右寄りとなる方向に傾斜しているが、コーナーメス102の方が斜め切れ目の切断長が長くなるように傾けられている。また、各コーナーメス101,102により形成される斜め切れ目のY軸方向における幅h1とh2とは等しくなるようにZ軸回りの傾斜角度が調整されている。
左側の二つのコーナーメス103,104は、直線切れ目Sに対して左側に形成される斜め切れ目を形成するためのものであり、いすれも前方に向かって左寄りとなる方向に傾斜しているが、コーナーメス104の方が斜め切れ目の切断長が長くなるように傾けられている。また、各コーナーメス101,102の場合と同じように、各コーナーメス103,104により形成される斜め切れ目のY軸方向における幅h1とh2とは等しくなるようにZ軸回りの傾斜角度が調整されている。つまり、コーナーメス101,103は「短メス」、コーナーメス102,104は「長メス」に相当する。
さらに、各取付台107〜110は、その下側にZ軸方向に沿った摺動軸(図示略)を有しており、当該軸の摺動によりインデックス106に対して上下動可能に支持されている。そして、当該各摺動軸の下端部には前方に突出した係合突起である昇降ブラケット107a〜110aが形成されている。これら各昇降ブラケット107a〜110aは、インデックス106の前面よりも前方まで突出しており、後述する上下動機構130がこれらの昇降ブラケット107a〜110aを介して各コーナーメス101〜104を上下動させるようになっている。
インデックス移動機構120は、ユニット本体105の上部に固定装備された位置決めモータとしてのインデックスモータ121と、インデックスモータ121により回転駆動されるネジ軸122と、このネジ軸122にボールネジを介して接続された移動体123とを備えている。
ネジ軸122はY軸方向に沿った状態でユニット本体105の上面に回転可能に支持されており、その一端部がカップリングを介してインデックスモータ121の出力軸に連結されている。
移動体123は、インデックス106のY軸方向一端部から延出されたアーム部106bに保持されている。これにより、ネジ軸122がインデックスモータ121により回転駆動されると、移動体123がボールネジ機構の作用によってネジ軸122の長手方向(Y軸方向)に移動力を受けてインデックス106のY軸方向移動が行われる。
かかるインデックス移動機構120によるインデックス106のY軸方向移動は、後述する上下動機構130が上下動させる一対のコーナーメスを各コーナーメス101〜104の中から選択する際に使用されると共に、選択されたコーナーメスによる斜め切れ目の形成位置をY軸方向について位置調節する際にも使用される。
上下動機構130は、直線切れ目Sの右側に斜め切れ目を形成するためにコーナーメスを上昇させる第1のエアシリンダ131と、直線切れ目Sの左側に斜め切れ目を形成するためにコーナーメスを上昇させる第2のエアシリンダ132と、各エアシリンダ131,132の出力軸に設けられて前述した昇降ブラケット107a〜110aに選択的に係合可能な係合部材としてのシリンダブラケット133,134とを備えている。
各エアシリンダ131,132はその動作方向がZ軸方向に並行になるようにユニット本体105に装備されている。
各シリンダブラケット133,134は、円柱の軸方向中間部のみを小径化して形成される鼓状の部材であって、その中心線をZ軸方向に向けた状態で各エアシリンダ131,132の出力軸に装備されている。そして、インデックス106がY軸方向に沿って移動する際に、各昇降ブラケット107a〜110aの先端部が各シリンダブラケット133,134の小径化された部位の間を通過するように、各エアシリンダ131,132及び各シリンダブラケット133,134がユニット本体105に配置されている。
つまり、インデックス106がY軸方向に沿って移動を行うと、各昇降ブラケット107a〜110aはその並び順で各シリンダブラケット133,134の小径部の間を通過することとなるので、動作対象となるコーナーメスの昇降ブラケットがシリンダブラケット133又は134の小径部の間で停止するようにインデックス移動機構120のインデックスモータ121を制御することで、所定の昇降ブラケットとシリンダブラケットとが係合し、第1又は第2のエアシリンダ131,132の駆動により所定のコーナーメスを昇降動作させることが可能となる。
また、ユニット本体105の下面には、インデックス106が(1)コーナーメス101の昇降ブラケット107aがシリンダブラケット133に係合する位置にあるとともにコーナーメス103の昇降ブラケット109aがシリンダブラケット134に係合する位置にある場合、(2)102の昇降ブラケット108aがシリンダブラケット133に係合する位置にある場合、(3)コーナーメス104の昇降ブラケット110aがシリンダブラケット134に係合する位置にある場合の三つの位置にあることを検出する光学式のインデックスセンサ111(図10参照)を備えており、かかるセンサ検出によりインデックス106の位置決め制御を行っている。なお、これら(1)〜(3)の状態を各コーナーメス101〜104が作動位置にある状態というものとする。
なお、各シリンダブラケット133,134と各昇降ブラケット107a〜110aとの重合する範囲は、図8(C)に示すように、Y軸方向について幾分幅を有しているので、各シリンダブラケット133,134に対して各昇降ブラケット107a〜110aをY軸方向に幾分移動させても係合状態を維持することができる。そして、当該係合状態を維持することが可能な範囲で各コーナーメス101〜104をY軸方向に移動し、切断位置の位置調節を行うことを可能としている。
(玉縁縫いミシンの制御系)
図10は、玉縁縫いミシン10の動作制御手段80を含む制御系を示すブロック図である。
動作制御手段80には、所定の文字又は画像情報を表示すると共に各種の設定を行うための入力を行うための表示入力手段85と、縫製の開始を入力するスタートスイッチ87とが図示しない入出力回路を介して接続されている。また、動作制御手段80には、ミシン主軸モータ45の回転数を検出するエンコーダ88が入力回路88aを介して接続されており、所定の原点からの回転角度及び回転速度を検出することが可能となっている。
また、動作制御手段80には、その制御の対象となるミシン主軸モータ45,押さえモータ23,メスモータ57,ユニット移動モータ90,センターメスの作動状態と駆動状態とを切り替えるエアシリンダ65の電磁弁70がそれぞれドライバ45a,23a,57a,90a,70aを介して接続されている。
また、バインダー30の上下動を行うエアシリンダ及び大押さえ21,21の昇降を行うエアシリンダをそれぞれ駆動する電磁弁(図示略)がドライバを介して動作制御手段80に接続されている。また同様に、インデックスモータ121とコーナーメスの昇降を行う第1と第2のエアシリンダ131,132の電磁弁135,136と前述したインデックスセンサ111ととがドライバ121a,135a,136a,入力回路111aを介して接続されている。
また、動作制御手段80には、縫い糸の切断を行うメスを駆動するための図示しないメス駆動シリンダ駆動用の電磁弁89と前述した針切り替えソレノイド43とがドライバ89a,43aを介して接続されている。
動作制御手段80は、各種の処理及び制御を行うCPU81と、玉縁縫いの斜め切れ目の形成時にコーナーメスのY軸方向における位置補正を行う補正制御プログラム82aと玉縁縫いにおけるミシンの動作制御を実行する縫製制御プログラム82bとが書き込まれているROM82と、CPU81の処理において各種データを格納するワークエリアとしてのRAM83と、縫製データ及び各種の設定データを記録するEEPROM71とを備えている。
(コーナーメス機構に動作制御における設定パラメータ)
ここで、コーナーメス機構100の動作制御における設定パラメータについて説明する。
斜め切れ目を形成するためのコーナーメス機構100の動作制御のためには、図2及び図3に示すように、予め、左右の直線縫い目TRの全長Lと、前側の斜め切れ目VFL,VFRの布送り方向における長さCFL,CFRと、斜め切れ目VFL,VFRにおける補正送り量HFL,HFRと、後側の斜め切れ目VRL,VRRの布送り方向における長さCRL,CRRと、斜め切れ目VRL,VRRにおける補正送り量HRL,HRRと、一針ごとの大押さえ21,21による布地B,Mの送り量設定と、各コーナーメス機構100A,100Bにおけるコーナーメス101〜104の布送り方向長さDS,DL(図8(B)参照)と、一針ごとの大押さえ21,21の設定送り量と、コーナーメス機構100BのX軸方向(布送り方向)前側への最大移動位置KmにおけるY軸方向に生じる誤差Koの設定が行われる。これらの設定値は表示入力手段85により設定入力され、EEPROM71に記憶される。
ここで、コーナーメス機構100Bの移動点としての最大移動位置Kmと誤差Koについて図11に基づいて説明する。コーナーメス機構100Bのユニット本体105は、コーナーメス機構100Aのユニット本体105に最も近接した位置(最後方位置)を原点として前方に向かって縦送り機構の設計上の限界位置となる最大移動位置Kmまで移動することが可能である。そして、コーナーメス機構100Bは、その部品の加工精度や組立精度によって、例えば、ガイド軸14がX軸方向に平行とならない、或いは、ユニット本体105に設けられたガイド軸14に対してスライド可能とするメタル軸受けが曲がって取り付けられている等の要因により、X軸方向(布送り方向)に非平行な方向に移動を行い、その結果、原点位置から離れるほど比例してY軸方向に生じる誤差が大きくなる場合がある。従って、予め、誤差が最大となる最大移動位置Kmまでコーナーメス機構100Bのユニット本体105を移動させて、オペレータが手作業によりY軸方向の誤差Koを測定して、その値を表示入力手段85により設定入力する。これにより、表示入力手段85は誤差入力手段として機能する。また、設定入力が行われた誤差KoはEEPROM71に記憶され、これにより、EEPROM71は記憶手段として機能する。
(補正制御プログラムによる処理)
次に、補正制御プログラム82aによりCPU81が実行する斜め切れ目の形成における補正制御について説明する。
まず、玉縁縫い全体の動作制御の一工程として、CPU81は、各コーナーメス機構100A,100Bによる各斜め切れ目の形成の動作制御を実行する。かかる動作制御により、図12に示すように、まず、押さえモータ23を駆動させて、センターメス51による直線切れ目Sの切断完了位置から距離Psだけ被縫製物(玉布B及び身生地M)を搬送し、直線切れ目Sの後側端部位置REのコーナーメス機構100Aのコーナーメスの切断位置への位置決めが行われる。かかる送り距離Psはいずれも固定装備されたセンターメス51とコーナーメス機構100Aの設計上の配置寸法から予め知ることができ、EEPROM71に予め用意されている。
そして、コーナーメス機構100Bは、コーナーメス機構100Aに対して直線切れ目Sの長さと等しい距離Pcだけ原点位置から前方に移動するようにユニット移動モータ90が制御される。距離Pcは前述した各パラメータから算出される。
即ち、Pc=L−CFR−HFR−CRR−VRR により求めることができ、これに基づく移動量だけユニット移動モータ90の駆動が行われる。
また、CPU81は、EEPROM71内の設定パラメータを参照し、斜め切れ目VFL,VFR,VRL,VRRの布送り方向における長さCFL,CFR,CRL,CRRから切断に使用されるコーナーメスを特定すると共に、各コーナーメス機構100A,100Bのインデックスモータ121を駆動して、使用するコーナーメスの昇降ブラケット107a〜110aと各シリンダブラケット133,134とが所定の係合位置となるようにインデックス106を移動させる。
補正制御プログラム82aに基づいて行われる補正制御は、上記斜め切れ目の形成のための動作制御の過程内で実行される。即ち、CPU81は、コーナーメス機構100BのX軸方向(布送り方向)前側への最大移動位置KmとY軸方向に生じる誤差KoとをEEPROM71から読み出すと共に、X軸方向の移動量に対するY軸方向の誤差比率をKo/Kmにより算出し、前述したコーナーメス機構100BのX軸方向の移動量Pcに乗算する。これにより、コーナーメス機構100Bの位置決めにより生じるY軸方向の誤差量がPc・Ko/Kmと算出される。そして、コーナーメス機構100Bの昇降ブラケット107a〜110aとが各シリンダブラケット133,134とが互いのY軸方向中心位置を一致させるように係合した状態から上記算出誤差量分だけ位置補正を行うようにインデックスモータ121の駆動制御を実行する。なお、コーナーメス102や104を使用する場合には、各シリンダブラケット133,134に対して別々に昇降ブラケットを位置合わせして別々にエアシリンダ133,134の駆動が行われるが、そのような場合には、各シリンダブラケット133,134に対して昇降ブラケットを位置合わせする個々の動作ごとに位置補正が実行される。
CPU81は、上記補正制御プログラム82aに基づく処理を実行することにより補正制御手段として機能することとなる。
(玉縁縫いの動作制御)
玉縁縫いの動作制御について図13〜図16のフローチャートにより説明する。図13〜図16のフローチャートによる処理は、CPU81が主に縫製制御プログラム82bを実行することで行われる処理であり、図16の一部の処理はCPU81が補正制御プログラム82aを実行することで行われる処理である。
図13は玉縁縫いの動作制御の全体的な流れを示すフローチャート、図14は玉縁縫いの動作制御におけるセット動作の制御を示すフローチャート、図15は玉縁縫いの動作制御における縫製動作(縫い目及び直線切れ目形成動作)の制御を示すフローチャート、図16は玉縁縫いの縫い終わり動作(コーナー切れ目形成)の制御を示すフローチャート、図17はコーナーメスのY軸方向の位置補正制御を示すフローチャートである。
まず、縫製動作の全体的な流れを図13により説明する。
縫いが開始されると、まず、身生地Mと玉布Bのセット動作処理が行われ(ステップS20)、次いで、直線縫い目TL、TR及び直線切れ目Sの形成動作制御が行われ(ステップS50)、最後に縫い終わり動作処理としてコーナー切れ目の形成動作制御が行われ(ステップS70)、一連の玉縁縫いが完了する。このステップS20〜70の処理は繰り返し実行され、そのたびに一枚ずつ身生地及び玉布Bの玉縁縫いが行われる。
次に、縫製動作におけるセット動作の処理を図14により説明する。
まず、押さえモータ23を駆動させて原点位置から大押さえ21を所定の縫い開始位置まで移動させる(ステップS21)。
ついで、テーブル11の上面におけるマーキングライト(図示略)が照射され、その照射位置が例えば縫い開始位置を示しており(縫い終了位置或いは縫い開始と縫い終了の丁度中間の位置である場合もある)、身生地Mの縫い開始予定位置を照射位置に合わせるようにして身生地Mのセットが行われ、大押さえ21上に玉布Bがセットされると、大押さえ21が下降し、身生地Mが大押さえ21により保持される(ステップS22)。さらに、大押さえ21と21との間にバインダー30が降ろされる(ステップS23)。そして、この時点で、コーナーメス機構100Bは所定の原点位置に移動し待機する(ステップS24)。
さらに、各大押さえ21内には玉布Bの両側部をバインダー30の上面側に折り返すための折り返し板が装備されており、これがエアシリンダの駆動により内側に移動し、玉布Bがバインダー30に巻き付けられるように保持される(ステップS25)。
また、玉布Tの上面にフラップ布の縫いつけを行う場合には、フラップ布をセットし、その後、フラップ布を押さえるように布押さえ機構を動作させる(ステップS26)。
これにより、セット動作が完了する。なお、フラップ布の縫着は必須ではなく、実行しなくとも良い。
次に、縫製動作の制御を図15により説明する。
押さえモータ23の駆動により、大押さえ21が原点位置から縫い開始位置に移動を開始し、布地M、Bにおける直線縫い目TR又はTLの前端部となる位置が縫い針41の下方に搬送される(ステップS51)。かかる搬送距離は、前述したマーキングライトの照射位置から縫い針41までの距離と一致する。つまり、マーキングライトの照射位置に被縫製物の縫い開始予定位置が位置合わせされているという前提で縫い開始位置までの搬送が行われる。
そして、ミシン主軸モータ45が駆動を開始して、縫い目の形成が開始される(ステップS52)。例えば、図3の例では、最初は、右針で直線縫い目TRの形成が先行し、布地M,Bが端部位置偏差CFだけ搬送されると、両針に切り替えられて、直線縫い目TLの形成も開始される。また、設定された端部位置偏差CFの値が0であれば、図2に例のように、二本針41が同時に縫いを開始し、端部位置偏差CFが負の値であれば図3とは逆に左針から縫いが開始される。
縫いが開始されると、ミシン主軸モータ45の駆動開始から針数のカウントが実行され、縫い完了までの針数に達しているか判定される(ステップS53)。針数が完了数に達していれば縫いは終了される。
また、達していないときには、一針ごとの大押さえ21,21の設定送り量に従って押さえモータ45を駆動する(ステップS54)。なお、針数の完了数は、予め設定された直線縫い目TRの全長Lを一針ごとの大押さえ21,21の設定送り量で除算して算出される。
次に、押さえモータ45の積算回転量から、縫い目端部の端部位置基準で定められたセンターメスの下降位置(直線切れ目Sの前端部FE)に達したか判定し(ステップS55)、達した場合にはセンターメス51の下降並びに上下動が開始されて直線切れ目Sの形成が開始される(ステップS56)。なお、縫い開始からセンターメスの下降開始位置までの距離は、前側の斜め切れ目VFRの布送り方向における長さCFR及び斜め切れ目VFRにおける補正送り量HFRと縫い針41とセンターメス51との位置関係とから求めることができ、縫い開始から当該距離だけ搬送が行われたか否かによりセンターメス51の下降位置の到達が判定されるようになっている。
また、ステップS55の判定において、まだセンターメスの下降位置に到達していないと判定された場合にはステップS57に処理が進められるが、当然にセンターメス51の上昇位置にも到達していないので処理はステップS53まで戻される。
一方、ステップS55の判定において、センターメス51の下降位置を過ぎて、直線切れ目Sの形成がすでに開始されている場合には、ステップS57に処理が進められる。
次いで、押さえモータ45の積算回転量から、縫い目端部の端部位置基準で定められたセンターメス51の上昇位置(直線切れ目Sの後端部)に達したか判定し(ステップS57)、達した場合にはセンターメス51の上昇並びに上下動が停止されて直線切れ目Sの形成が終了する(ステップS58)。なお、上記センターメスの上昇位置は、直線切れ目の長さからセンターメス51の刃のX軸方向長さだけ減じた距離だけセンターメスの下降位置から搬送された位置となる。
その後、ステップS53に処理が戻され、各直線縫い目TL、TRの後端部位置に達したか判定が行われる。そして、達した場合には、直線縫い目TL、TR及び直線切れ目Sの形成動作は終了される。
次に、縫製動作における縫い終わり動作の制御を図17により説明する。
直線縫い目TL、TR及び直線切れ目Sの形成動作の終了に伴い、コーナーメス機構100による斜め切れ目の形成位置まで被縫製物の搬送が行われる(ステップS71)。
次に、コーナーメス機構100Bのコーナーメス機構100Aに対する開き量(図12の距離Pc)の算出が行われる(ステップS72)。
次いで、算出開き量に基づいてコーナーメス機構100Bをユニット移動モータ90の駆動により目標位置に移動させる(ステップS73)。
さらに、CPU81は、算出開き量とX軸方向への移動量に対して生じるY軸方向の誤差の比率とから、コーナーメス機構100Bの目標位置におけるY軸方向に生じる誤差量(Pc・Ko/Km)を算出する(ステップS74)。
そして、設定パラメータを参照して使用するコーナーメスを特定し、各コーナーメス機構100A及び100Bの両方について、インデックス106が使用するコーナーメスの昇降ブラケットとシリンダブラケット133又は134とが一致する位置となるようにインデックスモータ121の動作制御を実行する(ステップS75)。
このとき、コーナーメス機構100Bについてのみ、前述の補正量分だけ補正してインデックス106を位置決めさせる(ステップS76)。
そして、各コーナーメス機構100A及び100Bについて、第一及び第二のエアシリンダ131,132を駆動させてコーナーメスを突き上げ、斜め切れ目の形成を行う(ステップS77)。このとき、コーナーメスの選択によっては、エアシリンダ131と132とを同時に行うことができない場合があるので、その場合には、一つめのエアシリンダ131を駆動後、もう一方のコーナーメスの昇降ブラケットをシリンダブラケット134に位置決めして、エアシリンダ132を駆動する。また、その際にも、コーナーメス機構100Bについては、インデックス106の位置合わせの際にY軸方向の位置補正を実行する。
そして、全ての斜め切れ目の形成が完了したら、コーナーメス機構100Bを原点位置に戻すようにユニット移動90を駆動させて縫い終わり動作を完了させる(ステップS78)。
(実施形態の効果)
玉縁縫いミシン10では、補正制御プログラム82aに基づく処理をCPU81が実行することにより、組立精度や部品精度などによりコーナーメス機構100Bのユニット本体105の移動方向が布送り方向と非平行になり、ユニット本体105の移動によりY軸方向について誤差を生じる場合であっても、ユニット本体105の最大移動位置Kmにおいて誤差量Koを一回測定すれば、ユニット本体105がいずれの位置に移動してもY軸方向に生じる誤差量を求めることができ、これに基づいて補正することが可能となる。
従って、煩雑な作業を行うことなく、コーナーメス101〜104により斜め切れ目の形成位置の適正化による縫い品質の向上を図ることが可能となる。
また、Y軸方向の誤差をコーナーメスの選択を行うためのインデックスモータ121により補正するため、新たに補正を行うための機構構造を不要とし、実施コストを大幅に低減することが可能である。
また、玉縁縫いミシン10では、EEPROM71がコーナーメス機構100Bのユニット本体105の最大移動位置までの距離を記憶しており、補正制御プログラム82aに基づく処理をCPU81が実行することにより、当該最大移動位置における誤差比率を算出するので、コーナーメス機構100Bのユニット本体105の移動距離とその直交方向に生じる誤差比率を求める場合に、最大の移動距離とこれにより生じる最大の誤差との計算により誤差比率を求めることができるので、より精度の高い値を求めることができ、コーナーメスの位置補正もより精度良く行うことが可能となる。
(その他)
上記玉縁縫いミシン10では、コーナーメス機構100Bのユニット本体105の最大移動位置Kmにおける誤差量Koを入力させることで誤差比率の算出を行っているが、最大移動位置に限らず、その移動範囲における既知の位置であっても良い。但し、その場合には、既知の位置を予め決めて記憶手段としてのEEPROM71に登録しておく必要がある。
また、誤差の測定を行うユニット本体105の移動点を設定手段としての表示入力手段85から任意に設定可能としても良い。その場合、当該移動点の設定数値により当該移動点において測定されたY軸方向誤差を除算して誤差比率の算出が行われる。
さらに、上記玉縁縫いミシン10では、Y軸方向の誤差を測定する移動点をユニット本体105の最大移動位置の一点のみとしているが、二つの移動点を設定し、各移動点でのY軸方向誤差に基づいてユニット本体105の移動距離とY軸方向のコーナーメスの位置誤差との比率を求めても良い。その場合、例えば、コーナーメス機構100Bのユニット本体105が原点位置から既にY軸方向に誤差を生じている場合でも、その影響を排除して誤差比率を算出でき、より精度の高い値を求めることができ、コーナーメスの位置補正もより精度良く行うことが可能となる。
なお、二つの移動点を設定する場合、一方の移動点を最大移動位置としても良いことは言うまでもない。
また、布送り方向後側のコーナーメス機構100Aは固定式となっているが、これに限定されるものではなく、縦送り機構を設けて、コーナーメス機構100Bと同様に前後移動可能としても良い。その場合、コーナーメス機構100Aについても、コーナーメス機構100Bと同様にして誤差補正を行うことが望ましい。
玉縁縫いミシンの全体の概略構成を示す斜視図である。 長方形状のポケット開口部を形成する玉縁縫いにおけるセンターメスによる直線状の切れ目とコーナーメスによる切れ目と二本針による縫い目の配置の関係を示す説明図である。 斜め形状のポケット開口部を形成する玉縁縫いにおけるセンターメスによる直線状の切れ目とコーナーメスによる切れ目と二本針による縫い目の配置の関係を示す説明図である。 針上下動機構の斜視図である。 針上下動機構及びセンターメス機構の切断可能状態を示す斜視図である。 各コーナーメス機構の斜視図である。 各コーナーメスの装備状態を示す拡大斜視図である。 図8(A)は上下動を行うコーナーメスの選択動作を示す説明図、図8(B)は各コーナーメスの調整例を示す説明図、図8(C)はシリンダブラケットに対する昇降ブラケットの係合状態を示す説明図である。 図9(A)は各コーナーメスのZ軸回りの角度調節状態を示し、図9(B)は切断長の調節状態を示す説明図である。 玉縁縫いミシンの動作制御手段を含む制御系を示すブロック図である。 コーナーメス機構のユニット本体に生じる誤差と移動量との関係を示す説明図である。 縫い終わり動作(コーナー切れ目形成)における被縫製物及びユニット本体の移動距離を示す説明図である。 玉縁縫いの動作制御の全体的な流れを示すフローチャートである。 玉縁縫いの動作制御におけるセット動作の制御を示すフローチャートである。 玉縁縫いの動作制御における縫製動作(縫い目及び直線切れ目形成動作)の制御を示すフローチャートである。 玉縁縫いの縫い終わり動作(コーナー切れ目形成)の制御を示すフローチャートである。
符号の説明
10 玉縁縫いミシン
14 ガイド軸
20 大押さえ送り機構(布送り機構)
21 大押さえ
23 押さえモータ
40 針上下動機構
41 縫い針
42 針棒
45 ミシン主軸モータ
50 センターメス機構(動メス機構)
51 センターメス
57 メスモータ
71 EEPROM(記憶手段)
80 動作制御手段
81 CPU
82a 補正制御プログラム
82b 縫製制御プログラム
82 ROM
83 RAM
85 表示入力手段(誤差入力手段)
90 ユニット移動モータ(縦送り機構)
100,100A,100B コーナーメス機構
101〜104 コーナーメス
105 ユニット本体(コーナーメス保持体)
120 インデックス移動機構(横送り機構)
121 インデックスモータ
B 玉布
F 布送り方向
Km 最大移動位置(移動点)
Ko Y軸方向の誤差(布送り方向に直交する方向の誤差)
M 身生地
S 直線切れ目
TL,TR 直線縫い目
V 略V字状の切れ
VFL,VFR,VRL,VRR 斜め切れ目

Claims (4)

  1. 身生地及び玉布を保持して搬送する布送り機構と、
    身生地及び玉布に布送り方向に沿って平行な二本の直線縫い目を形成する二本の縫い針を上下動する針上下動機構と、
    前記二本の直線縫い目の間に布送り方向に沿って直線切れ目を形成する動メス機構と、
    前記二本の直線縫い目の端部と前記直線切れ目の端部との間に斜め切れ目を形成するコーナーメス機構とを備えた玉縁縫いミシンにおいて、
    前記コーナーメス機構は、
    前記直線切れ目の一端部と他端部とにそれぞれ個別に斜め切れ目を形成するための二つのコーナーメス保持体と、
    一方のコーナーメス保持体を前記直線切れ目の長さに応じて布送り方向に沿って移動させる縦送り機構と、
    前記各コーナーメス保持体ごとに設けられ、複数種類の斜め切れ目を形成する複数のコーナーメスを前記直線切れ目に直交する方向に移動させることで使用するコーナーメスの選択を行う横送り機構とを備え、
    前記移動を行うコーナーメス保持体について、その原点位置から所定距離だけ離れた移動点における前記直線切れ目に対して直交する方向に生じるコーナーメス位置の誤差を入力する誤差入力手段と、
    前記原点から移動点までの所定距離を記憶する記憶手段と、
    前記移動を行うコーナーメス保持体に保持されたコーナーメスによる切断動作のために、前記入力された誤差と前記原点位置から移動点までの距離との関係から、前記コーナーメス保持体の切断実行位置で生じる誤差量を求め、前記横送り機構により位置補正を行って斜め切れ目を形成する補正制御手段とを備えることを特徴とする玉縁縫いミシン。
  2. 前記原点位置から移動点までの距離を設定入力する設定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の玉縁縫いミシン。
  3. 前記記憶手段は、原点から移動点までの距離として、前記原点から前記コーナーメス保持体の最大移動位置までの距離を記憶することを特徴とする請求項1記載の玉縁縫いミシン。
  4. 前記誤差入力手段は、二カ所の移動点における誤差を入力可能とし、
    前記補正制御手段は、前記布送り方向に沿って移動を行うコーナーメス保持体に保持されたコーナーメスによる切断動作のために、前記原点位置から各移動点における距離と各移動点における誤差との関係から、前記コーナーメス保持体の切断実行位置で生じる誤差量を求め、前記横送り機構により位置補正を行って斜め切れ目を形成することを特徴とする請求項1,2又は3記載の玉縁縫いミシン。
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