JP2010034416A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハ処理に従い消耗するフォーカスリング厚さを監視する。
【解決手段】真空容器1と、被加工試料設置手段5と高周波電力導入手段4と高周波バイアス電力導入手段7を有し、真空容器1内に導入されたガスを高周波電力導入手段4から導入された高周波電力でプラズマ化したプラズマにより被加工試料6の表面処理を行うプラズマ処理装置であって、被加工試料設置手段5上に載置された被加工試料6の周囲に円環状部材11を備え、真空容器1側壁に対向してアスペクト比が3以上の一対の筒を設け、それぞれの筒はその先端をガラス材により真空に封じられ、それぞれの筒はガラス材の大気側に真空容器内に向けて配置された光源15または真空容器内に向けて配置された受光手段16を有しており、円環状部材11表面を通過してきた光を受光手段16にて受光する。
【選択図】図1
【解決手段】真空容器1と、被加工試料設置手段5と高周波電力導入手段4と高周波バイアス電力導入手段7を有し、真空容器1内に導入されたガスを高周波電力導入手段4から導入された高周波電力でプラズマ化したプラズマにより被加工試料6の表面処理を行うプラズマ処理装置であって、被加工試料設置手段5上に載置された被加工試料6の周囲に円環状部材11を備え、真空容器1側壁に対向してアスペクト比が3以上の一対の筒を設け、それぞれの筒はその先端をガラス材により真空に封じられ、それぞれの筒はガラス材の大気側に真空容器内に向けて配置された光源15または真空容器内に向けて配置された受光手段16を有しており、円環状部材11表面を通過してきた光を受光手段16にて受光する。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラズマ処理装置を用いたエッチング工程の中でも層間絶縁膜のエッチングに用いられるドライエッチング装置(プラズマ処理装置)およびエッチング方法(プラズマ処理方法)に関し、例えば被加工試料のパターンが高アスペクト比コンタクトホールである場合に、特にウエハエッジで発生するホールの傾き(チルティング)を抑制することができるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
DRAM(Dynamic Random Access Memory)に代表されるメモリデバイスでは、集積化が進展するに従い、如何にキャパシタ容量を維持できるかが重要となる。キャパシタ構造は大別すると、シリコン基板に深溝を形成するトレンチキャパシタと、トランジスタ上方にキャパシタを形成するスタックキャパシタがある。各々のキャパシタとも容量を高めるためには、キャパシタの高さを大きく確保するか、誘電体膜厚を薄くする必要があるが、キャパシタ高さを大きくすることはエッチング性能に依存し、一方誘電体膜厚を薄くすることはシリコン酸化膜では限界を迎えているため、高誘電材料の開発に依存している。エッチング負荷を小さくするために、低アスペクトパターンでもパターンの両側を電極として用いることでキャパシタ容量を稼ぐ試みがなされているが、微細化のためにパターン底部のみで機械的強度を確保することが困難となり、隣同士のキャパシタが接触してしまう問題が発生している。従って、やはりキャパシタとしてはパターン内側を主に用いる構造が主流と考えられ、高アスペクト比の加工は今後も継続すると考えられる。国際半導体技術ロードマップでは、2011年に高アスペクト比は50程度と大変高くなり、それをφ300mmウエハ以上の大口径ウエハにて、ウエハ端から3mmまでは均一に加工することが要求されることになる。恐らく今後は前述のウエハ端から3mmという値は次第に小さくなることが望まれ、究極の要求としてはウエハ端0mmまで良品を取ることが必要となるであろう。
次に、ドライエッチング方法を説明する。ドライエッチングとは、真空容器内に導入されたエッチングガスを外部から印加された高周波電力によりプラズマ化し、プラズマ中で生成された反応性ラジカルやイオンをウエハ上で高精度に反応させることで、レジストに代表されるマスク材料や、ビア、コンタクトホール、キャパシタ等の下にある配線層や下地基板に対し選択的に被加工膜をエッチングする技術である。
ビアやコンタクトホール、前述のキャパシタ形成では、プラズマガスとして、CF4、CHF3、C2F6、C3F6O、C4F8、C5F8、C4F6等のフロロカーボンガスにArに代表される希ガスおよび酸素ガス等の混合ガスを導入し、0.5Paから10Paの圧力領域でプラズマを形成し、ウエハに入射するイオンエネルギーを、ウエハに印加する高周波バイアスにて0.5kVから5.0kVまで加速する。その際、ウエハ端の形状異常が問題となる。ウエハ端領域の状態を図5に示した。ウエハ6の外周部には円環状部材であるシリコンフォーカスリング11が設置されているが、このフォーカスリングにも当然前記高周波バイアスは印加されている。図5(a)は、フォーカスリング表面とウエハ表面がほぼ一致している場合のプラズマシース面の状態を示している。ここでは、ウエハ6とフォーカスリング11には単位面積当たりに印加される高周波バイアス電力値は同じであるとした。その場合、破線で示したように、ウエハ上のイオンシース面とフォーカスリング上のイオンシース面の位置は同じとなり、イオンはウエハ6の端まで垂直に入射する。その結果、図6(a)に示したように、ホール形状はウエハ端まで垂直に加工されている。しかしながら、ウエハの処理枚数が増大するに従い、フォーカスリング11自体もフッ素ラジカルやイオン入射の作用によって削れていく。この場合、例えば図5(b)に示したように、ウエハ6の表面よりもフォーカスリング11の表面のほうが下に位置する場合が想定される。ここでもフォーカスリング11に印加されている高周波バイアスはウエハ6に印加されている高周波バイアスと単位面積当たりの値が同じであるとすると、図5(b)に示したように、ウエハ上に形成されるイオンシースとフォーカスリング上に形成されるイオンシースの厚さは同じとなるため、フォーカスリングが消耗した分だけ、フォーカスリング上のイオンシース位置は下側にずれる。その結果、ウエハ端付近のイオンシースが歪み、この部分にあるイオンがウエハ中心側に向かって斜入射する。その際のウエハ端付近のホール加工形状を図6(b)に示す。イオンがウエハに対し斜入射するウエハ端付近では徐々にホール形状が斜めに傾いていることが分かる。
これに対し、フォーカスリングにウエハとは別の高周波バイアス電力を印加してプラズマシース面を均一に保つことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、結果的にフォーカスリング上のイオンシースとウエハ上のイオンシース位置を一致させることが可能になる。
しかしながら、これらの発明では、そもそもウエハ処理に従い消耗するフォーカスリング厚さを監視し、ある規定値以上消耗した際に、それ以降のウエハの処理を停止し、メンテナンスを実施することができない。若しくは、消耗量に応じてフォーカスリングに印加するバイアス設定値を最適値にフィードバックすることができない。
特開2004−241792号公報
そこで、本発明は、簡便にフォーカスリングの消耗厚さをモニタし、その値から判断してメンテナンスを行う行なうこと、若しくは、フォーカスリングに印加する高周波バイアス電力値を最適値に設定することで、処理時間に依存せず、ウエハ端まで半導体デバイスの良品を作成することを可能とするプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のいずれかの手段を用いることにより、ウエハ(被処理体)外周に設置されている円環状部材の消耗厚さをモニタすることができる。これにより、前記円環状部材に印加する高周波バイアス電力を制御することで、処理時間に依存せずウエハ端まで半導体デバイスの良品を作成する。
第1の手段においては、真空チャンバ側壁に光源とその光源から出力される直接光を受光するための受光手段を設置する。これにより、光源と受光手段の間に設置されているフォーカスリングの高さの変動に応じた受光手段の検出光量の変動を捉えることで、フォーカスリングの高さ、すなわち消耗量(消耗厚さ)を検知でき、前記の課題を解決することができる。具体的には、光源からの光路がフォーカスリング表面と平行になるように設定されており、フォーカスリング表面を通過してきた光を、さらにその光路上に設置された受光手段にて受光する。さらに具体的には、光源および受光手段は2つずつ設置されており、それぞれの光路がウエハ表面とフォーカスリング表面に平行になるように設定されており、ウエハ表面およびフォーカスリング表面を通過してきた光を、夫々の光路上に設置された受光手段にて受光することにより、2つの受光量の差をモニタすることで、フォーカスリングの消耗量を検知できる。
第2の手段においては、真空チャンバ側壁に光源とその光源から出力される直接光をフォーカスリングで反射させその反射光を受光するための受光手段を設置する。これにより、光源と受光手段の間に設置されているフォーカスリングの高さの変動に応じた受光手段における検出光位置の変動を捉えることで、フォーカスリングの高さ、すなわち消耗量を検知でき、前記の課題を解決する。具体的には、上記光路を、ウエハ上を通過しないように配置することで、フォーカスリングの消耗が同心円状に異なる場合においても、所望の位置における消耗量を正確に検知できる。
第3の手段においては、フォーカスリングの消耗量を検知する工程と、ウエハおよびフォーカスリング表面に形成されるイオンシース厚さを算出する工程とを具備し、それらの結果からウエハとフォーカスリングの部分におけるイオンシースの段差を見積もる。このイオンシース段差を考慮して、フォーカスリングに印加する高周波バイアス電力を制御し、前記課題を解決する。
本発明のプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法は、ウエハ外周に設置されたフォーカスリングの消耗量を簡便にモニタすることを提供する。それにより、ウエハエッジ上部とその外周部に配置されたフォーカスリング上部に形成されるイオンシースの段差を低減するためにフォーカスリングに別途印加する高周波バイアス電力量を調整することで、例えばパターンが高アスペクト比コンタクトホールである場合に、特にウエハエッジで発生するホールの傾き(チルティング)を長期に渡って安定に抑制することができる。または、モニタしたフォーカスリング消耗量が所定の値を超えた場合、若しくは超えそうな場合に処置を停止する信号を発報することで、不良品を低減することができる。
[実施例1]以下、図を用いて、本発明の第1の実施例を説明する。第1の実施例では、光源としてレーザを用いフォーカスリングの消耗量をモニタする方法を説明する。第1の実施例で用いたプラズマ処理装置(エッチング装置)の装置構成を説明する概略図を図1および図2に示した。図1はプラズマ処理装置の縦断面図であり図2はプラズマ処理装置のウエハ面上の横断面図である。プラズマ処理装置は、真空容器1内に、シャワープレート2と、上部電極3と、下部電極5とが設けられる。さらに、真空容器1には、コンダクタンスバルブ9を介して真空排気系8と、光源15と、受光手段16が設けられる。下部電極5には、円環状部材11(以下、フォーカスリングという)と、導体リング12と、絶縁体リング13が設置され、さらにこれらの外周にサセプタ18が配設されている。下部電極5および導体リング12には、高周波バイアス電源7から分配器14を介して高周波バイアス電圧が印加される。上部電極3には、プラズマ生成用高周波電源4が接続され、真空容器1内にプラズマ生成用電力を供給する。受光手段16の出力が制御用PC(演算手段)17に入力され下部電極5とフォーカスリング11へ印加する電圧の配分を制御する。
前記光源15または前記受光手段16は、真空容器の壁面に対向して設けた一対の筒のいずれかに設けられ、それぞれの筒はアスペクト比が3以上とされ、その先端が光透過性の材料(ガラス材)によって真空に封じられ、その大気側に光源15または受光手段16が配置されている。前記光源15はレーザ光源を用いることができる。前記受光手段16はフォトダイオードなどの各種受光素子を複数数個並べた受光手段や、CCD素子を用いることができる。
本実施例では、真空容器1に図示しないガス導入管により原料ガスをシャワープレート2を介して導入し、上部電極3を介してプラズマ生成用電源4からの高周波電力を供給してプラズマを発生させる。下部電極5上に被加工試料6を設置する。この下部電極5には、4MHzの高周波バイアス電源7が接続されており、被加工試料6上に発生するVppによりイオンを引き込んでエッチングを行う。本実施例では原料ガスとして、C4F6とArとO2の混合ガスを真空容器内に導入して、真空排気系8と真空容器の間に設置されたコンダクタンスバルブ9にて15mTorrになるように調整し、シリコン酸化膜のエッチングを行う。
被加工試料設置手段である下部電極5の中央部は、被加工試料である半導体ウエハ6を保持するためのチャック部(半導体ウエハ保持機構)10が設けられる。チャック機構としてたとえば静電チャックが設けられている。この静電チャックはウエハを保持する面は、たとえば窒化アルミニウムなどからなるセラミックス薄膜とその下のアルミニウム基材から構成されており、その基材に上記高周波バイアス電源7からの高周波電力と、図示しないチョークコイルなどから構成された低周波通過フィルタを介した直流電圧電源からのDC電圧を印加するようになっている。なお、このチャック部10は、クランプ部材により機械的にクランプするメカニカルチャックでも良い。また、この静電チャックには図示しない伝熱ガス供給孔が設けられており、たとえばヘリウムガスを供給することによって、下部電極5から半導体ウエハ6への熱伝導効率を向上させることが可能である。また、チャック部10へ印加した高周波バイアス電力が外周部へ漏れてしまわないように、絶縁体からなるサセプタ18が設置されている。
さらに、上記下部電極5の周囲にはフォーカスリング11が配置されている。このフォーカスリングは、導体もしくは絶縁体でできており、ここではシリコンで成っている。その下層にはフォーカスリングに高周波バイアス電力を印加するための導体リング12が更にその下層にはチャック部10と電気的に絶縁するための絶縁体リング13が設置されている。上記高周波バイアス電源7からの電力をコンデンサからなる分配器14を介して分配し、下部電極5を介した被処理体6とフォーカスリング11にそれぞれ異なる電圧を印加できる構造となっている。この分配器14は、高周波バイアス電源7からの高周波バイアス電圧を、被処理体6とフォーカスリング11にそれぞれに印加する電圧に制御して分配する手段である。これにより、プラズマ中のラジカル分布を均一にする作用およびウエハ表面とフォーカスリング表面に発生するイオンシースの高さを均一に保つことが可能となる。この場合、電力の分割比(分配比)は、ウエハ表面形成されるシースの静電容量およびフォーカスリングの表面に形成されるシースの静電容量と、前述のコンデンサ容量の比率で決定されるので、フォーカスリングへ印加する高周波バイアス電力を変更するには、コンデンサを可変としておくのが良い。
図2に示すように、光源15と受光手段16は、ウエハ6の外側でフォーカスリング11の表面をレーザ光の一部が通過するとともに、残りのレーザ光がフォーカスリング11によって遮蔽される位置に設けられる。
図3(a)を用いてフォーカスリング11の消耗量と、受光手段16での検出光量の関係を説明する。受光手段16での検出光量は、フォーカスリング11の消耗量が小さいときに低くフォーカスリングの消耗量の増加に従って増大し、やがて飽和する。
図3(b)を用いて、高周波バイアス電圧Vppと上は面ウエハ表面またはフォーカスリング表面のシース厚さの関係を説明する。シース厚さは高周波バイアス電圧Vppが低いときに薄く、高いときに厚くなる。
次に、フォーカスリングの消耗量を検出する方法と、その結果を用いてフォーカスリングに印加する高周波バイアス電力量を制御する方法を説明する。チャンバ(真空容器)側壁に設置された図1の光源15から出射されたレーザ光は、フォーカスリング11の表面を通過し同じくチャンバ側壁に設置された受光手段16に入射する。フォーカスリングが消耗していないときは、図4(a)に示したようにレーザ光19の大部分がフォーカスリングで遮蔽されるため、受光手段16に入射する光量は小さい。その場合、図5(a)に示したように、ウエハ前面に形成されるイオンシースとフォーカスリング前面に形成されるイオンシースの厚さが同じとなり、図6(a)に示したように、ウエハエッジでの孔は垂直に加工される。
しかしながら、エッチング処理を繰り返しフォーカスリングが消耗するに従い、図4(b)のようにフォーカスリング11で遮蔽される部分が小さくなるため受光手段16で検出される光量は大きくなる。この場合、イオンシースは、図5(b)に示したようにフォーカスリング前面のイオンシース高さがウエハ前面に形成されるイオンシース高さに比べ低くなり、イオンシースに段差が生じる。ウエハに入射するイオンはイオンシースに対し法線方向に入射することになるため、図6(b)に示すようにウエハエッジ部の孔は斜めに形成される。この現象はチルティングと呼ばれている。
次に第1の実施例におけるプロセスの運用方法を、図7および図8を用いて説明する。まず、エッチングレシピにてガス条件などに加えて、ウエハへ印加する高周波バイアス電力、フォーカスリングに印加する高周波バイアス電力を設定する(S1)。その後、プラズマ密度、電子密度と、高周波バイアス電力を印加することによって発生するウエハ6およびフォーカスリング11上のVppを元にそれぞれの上に形成されるウエハ表面シース厚さTwとフォーカスリング表面シース厚さTfを計算する(S2)。その際、プラズマ密度や電子温度、Vppは計算で求めても良いし、実測で求めても構わない。一方、上記のようにレーザ光を用いてフォーカスリング消耗量を測定する(S11)。その結果を用いて、ウエハ表面とフォーカスリング表面の段差Sを求め(S12)、最終的にウエハ表面とフォーカスリング表面に形成されるイオンシースの段差Xを算出する(S3)。次に、このエッチングレシピでエッチングして良いかどうかの判定を行う(S4)。この判定は、実験結果および計算結果から所定の幅も持たせておくと良い。すなわち、デバイス構造から、どのくらいイオンシース高さに段差があっても問題ないかを予め求めておき、それを判定値Yとして規定する。例えば、フォーカスリング消耗量測定から見積もったフォーカスリング高さが、ウエハ表面高さと同一高さであり、且つエッチングレシピの設定値から算出したシース厚さがウエハ前面とフォーカスリング前面で同じである場合、シース高さに段差XはX<Yの関係を満たすので、エッチングを実施する(S5)。一方、例えばフォーカスリング消耗量が大きく、エッチングレシピで設定した値から求めたイオンシース厚さを考慮したときのイオンシース段差Xの値がX>Yとなった場合、再度エッチングレシピの設定が必要となる。その場合、フォーカスリング11に印加する高周波バイアス電力値を増大させX>Yの関係が成立するようにレシピを修正し(S1)、エッチングを実施する。
以上は、フォーカスリング消耗量に従ってフォーカスリングに印加する高周波バイアス電力を制御し、チルティングを抑制する方法を説明したが、判定値Yとイオンシース段差Xから判断し、エッチング処理を停止、メンテナンスを行うことも可能である。上記フローは図1の制御用PC(演算手段)17にて実施される。図1では簡単のため、制御用PC17と受光手段16および分配器14への信号経路のみ示しており、他の制御機器への信号経路は省略している。
次に、フォーカスリング消耗量を検出する別の方法を説明する。図9(a)に示したように光源15と受光手段16を2組設置して、一組のレーザ光の光路はウエハ6表面を、他の一組のレーザ光の光路はフォーカスリング11表面を通過するように配置する。その際の断面図を図4(c)に示した。ウエハ6表面に並行に設置したレーザ光20の受光手段21はフォーカスリング消耗量によらず同じ値を出力する。一方、フォーカスリング11表面に平行に設置したレーザ光19はフォーカスリング消耗に従いレーザ光19が遮蔽される領域が小さくなるので受光手段16で検出される光量は大きくなっていく(図4(d))。従って、レーザ光の光軸とウエハ表面、フォーカスリング表面の高さを一度設定すれば、受光手段16と受光手段21で検出される光量差を常にモニタすることができ、さらにレーザ光のガウシアン分布を考慮することで、フォーカスリング11表面とウエハ6表面の段差を直接測定できる。
また、図9(b)に示したように、受光手段16をひとつにしても構わない。その場合、ウエハ表面を通過したレーザ光の光源とフォーカスリング表面を通過したレーザ光の光源を交互に照射することで、上記のようにフォーカスリング11表面とウエハ6表面の段差を直接測定できる。
なお、第1の実施例で説明したフォーカスリング消耗量の検出処理は、エッチングを開始する直前に行なっても構わないし、エッチング処理が終わった後に行なっても構わない。また、レーザ光の波長をプラズマの発光波長と被らないように選択すれば、プラズマからのノイズの影響なく、エッチング中のリアルタイム測定も可能となる。また、下部電極5に上下機構が付設されている場合は、下部電極がウエハを搬送するレベルに下部電極が下降した後に測定することも可能である。
[実施例2]第1の実施例ではレーザ光をフォーカスリング表面やウエハ表面に対し平行になるよう光軸を設定したフォーカスリング消耗量を検出する手法を説明した。第2の実施例では、フォーカスリング11の表面に対して斜めにレーザ光を入射させ、フォーカスリング11表面での反射光をモニタすることでフォーカスリング消耗量を検出する手法を説明する。この実施例に使用するプラズマ処理装置の構成の概略を説明する縦断面図を図10に示す。このプラズマ処理装置のウエハ面上の横断面図は図2と略同様であるので図2を援用して説明する。レーザ光の光源15はフォーカスリング11の表面に入射するようにチャンバ側壁に設置され、同様に受光手段16もフォーカスリング11からの反射光を受光するようにチャンバ側壁に設置されている。光源15から出射されたレーザ光は所定の角度θを持ってフォーカスリング11に入射する。
消耗量の検出原理を図11を用いて説明する。フォーカスリング11が消耗していない場合は図11(a)に示す光路に従ってフォーカスリング11上でレーザ光が反射する。しかしながらフォーカスリングが消耗した場合、図11(b)に示すように、反射する位置が横方向にずれるため、フォーカスリング11の消耗量の厚さをtとした場合、光軸に対し垂直方向に下記(1)式で示されるSだけずれる。
このずれSの量を受光手段16にて検出することで、フォーカスリング11の消耗量の厚さtを求めることができる。その場合、受光手段16に例えばCCD素子を用いても良いし、フォトダイオードを複数個設置したものを用いても良い。
次に、光源15および受光手段16の設置構成の他の例について説明する。レーザ光がウエハ6上部を通過する設置構成を図12に示した。また、フォーカスリングの消耗の有無によるレーザ光路の変化を図13に示す。フォーカスリング11の消耗が図13(b)に示すように、表面で均一に進行せず同心円状に異なって進行する場合、図示したように本来検出したい消耗厚さよりも異なる消耗厚さを検出する恐れがある。したがってこの実施例でも図2に示したように光源15および受光手段16の設置場所をレーザ光19がウエハ6上を通過しない場所とした。この構成とすることにより、フォーカスリング11の消耗がフォーカスリング全面に渡って均一である場合は問題ないが、図13(b)に示したように分布がある場合、すなわちウエハ6に近い領域の消耗量が多く、外周部側で少ない場合、図2、図10に示したような設置構成が必要となる。また、図示しないが、フォーカスリング11上のレーザ光を照射する場所を変更することで、所望の場所におけるフォーカスリングの消耗量を検出でき、高精度なイオンシース制御が可能となる。
1…真空容器、2…シャワープレート、3…上部電極、4…プラズマ生成用電源、5…下部電極、6…被加工試料、7…高周波バイアス電源、8…真空排気系、9…コンダクタンスバルブ、10…チャック部、11…円環状部材(フォーカスリング)、12…導体リング、13…絶縁体リング、14…分配器、15…光源、16…受光手段、17…制御用PC、18…サセプタ、19…レーザ光、20…レーザ光、21…受光手段
Claims (12)
- 真空排気手段により真空排気されている真空容器と該真空容器に原料ガスを導入するためのガス導入手段と被加工試料設置手段と高周波電力導入手段と高周波バイアス電力導入手段を有し、前記ガス導入手段により前記真空容器内に導入されたガスを前記高周波電力導入手段から導入された高周波電力でプラズマ化し、該プラズマにより前記被加工試料の表面処理を行うプラズマ処理装置において、
前記被加工試料設置手段上に載置された被加工試料の周囲に円環状部材を備え、
さらに前記真空容器側壁に対向してアスペクト比が3以上の一対の筒を設け、
それぞれの筒はその先端をガラス材により真空に封じられ、
それぞれの筒は前記ガラス材の大気側に前記真空容器内に向けて配置された光源または該光源からの直接光を受光するための前記真空容器内に向けて配置された受光手段を有しており、
前記光源は前記光源からの光路が前記環状部材表面と平行になるように設定され、
前記受光手段は前記光源からの光を受光する位置に配置され、
前記円環状部材表面を通過してきた光を、その光路上に設置された前記受光手段にて受光する
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
前記受光手段によって受光した受光量と以前に取得した受光量とを比較して前記円環状部材表面の消耗厚さを演算する演算手段を有する
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
前記光源は前記円環状部材表面と平行になるように設定された光路が前記環状部材によって一部遮蔽されるように配置される
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
前記光源または前記受光手段を設ける一対の筒が2組設置され、
一方の対の光路が前記被加工試料表面に平行になるように配置され、
他方の対の光路が前記円環状部材表面に平行になるように配置され、
前記被加工試料表面を通過してきたまたは前記円環状部材表面を通過してきた光を、それらの光路上に設置された前記受光手段にて受光し、
前記被加工試料表面を通過してきた光と前記円環状部材表面を通過してきた光の受光量に基づいて前記円環状部材表面の消耗厚さを演算する演算手段を有する
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項4記載のプラズマ処理装置において、
前記一方の対の受光手段を設けた筒と前記他方の対の受光手段を設けた筒を2組で共用した
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項4または請求項5記載のプラズマ処理装置において、
前記円環状部材表面と平行になるように設定された光路が前記環状部材によって一部遮られるように設定されており、
前記被加工試料表面と平行になるように設定された光路が前記被加工試料によって一部遮蔽されるように配置されており、
前記演算手段がそれぞれの光路の受光量に基づいて被加工試料表面位置と前記円環状部材表面位置を比較して、前記円環状部材表面の消耗厚さを検出する手段である
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のプラズマ処理装置において、
前記円環状部材に印加する高周波バイアス電力を前記被加工試料に印加する高周波バイアス電力と独立して制御する電力制御手段を設け、
前記演算手段が前記円環状部材表面の消耗厚さを検出した結果を受けて、前記円環状部材に印加する高周波バイアス電力を制御する手段である
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項7記載のプラズマ処理装置において、
前記演算手段が、前記円環状部材に印加する高周波バイアス電力によって前記円環状部材表面に発生するシース厚さと別途求めておいた前記被加工試料表面に発生するシース厚さとの段差が所定の値よりも小さくなるように前記円環状部材に印加する前記高周波バイアス電力を増大させる手段である
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 真空排気手段により真空排気されている真空容器と該真空容器に原料ガスを導入するためのガス導入手段と被加工試料設置手段と高周波電力導入手段と高周波バイアス電力導入手段を有し、前記ガス導入手段により前記真空容器内に導入されたガスを前記高周波電力導入手段から導入された高周波電力でプラズマ化し、該プラズマにより前記被加工試料の表面処理を行うプラズマ処理装置において、
前記被加工試料設置手段上に載置された被加工試料の周囲に前記円環状部材を備え、
前記真空容器側壁に前記円環状部材表面に向けて照射する光源を設けた筒と前記円環状部材表面で反射した前記光源からの光を受光する受光手段を設けた筒を備え、
前記光源および前記受光手段を、前記光源から出射する直接光および前記円環状部材での前記反射光が前記被加工試料上部を通過しない位置に配置し、
前記光源からの直接光を前記円環状部材で反射させ、該反射光の位置ずれを前記受光手段にて検出することで前記円環状部材の消耗量を測定する演算手段を備えた
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項9記載のプラズマ処理装置において、
前記光源からの光の波長をシリコンで吸収されない波長とした
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載のプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法において、
フォーカスリングの消耗量を検知する工程と、
ウエハ表面およびフォーカスリング表面に形成されるイオンシース厚さを算出する工程と、
それらの結果からウエハとフォーカスリングの部分におけるイオンシースの段差を算出する工程と、
イオンシース段差を考慮してフォーカスリングに印加する高周波バイアス電力を制御する工程とを有する
ことを特徴とするプラズマ処理方法。 - 真空排気手段により真空排気されている真空容器と該真空容器に原料ガスを導入するためのガス導入手段と被加工試料設置手段と高周波電力導入手段と高周波バイアス電力導入手段と前記円環状部材に印加する高周波バイアス電力を前記被加工試料に印加する高周波バイアス電力と独立して制御する電力制御手段を有し、前記被加工試料設置手段上に載置された被加工試料の周囲に円環状部材を備え、前記真空容器側壁の対向する位置にアスペクト比が3以上の一対の筒を設け、それぞれの筒の先端をガラス材により真空を封じ、さらに該ガラス材の大気側に光源または該光源からの直接光を受光するための受光手段を設置し、前記光源からの光路が前記環状部材表面と平行になるように設定されており、前記円環状部材表面を通過してきた光を、さらにその光路上に設置された前記受光手段にて受光するようにし、前記ガス導入手段により前記真空容器内に導入されたガスを前記高周波電力導入手段から導入された高周波電力でプラズマ化し、該プラズマにより前記被加工試料の表面処理を行うプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法において、
前記円環状部材表面を通過してきた光の量により前記円環状部材の消耗厚さを検出する工程と、
この消耗厚さに基づいて前記円環状部材に印加する高周波バイアス電力を増加する工程を有する
ことを特徴とするプラズマ処理方法。
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