JP2010033924A - リチウムイオン二次電池用正極、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract


【課題】 高温保持を行った後でも、十分な急速充電特性を維持することが可能なリチウムイオン二次電池用正極、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】 LiMn24のMnをLi、B、Mg、Al、Co、Niにより一部置換した組成の第1のリチウム化合物と、LiFePO4のFeをMn、Mg、Ni、Coにより一部置換した組成の第2のリチウム化合物と、LiNiO2のNiをLi、Mg、Mn、Al、Coにより一部置換した組成の第3のリチウム化合物とを、それぞれ所定の含有比率で混合して正極活物質を構成する。この正極活物質を正極集電体13に塗布して正極活物質層11を形成し、これによりリチウムイオン二次電池用正極を作製する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、携帯電話やノートブック型パーソナルコンピュータなどのポータブル電子機器が普及するに従い、これら電子機器の小型化および軽量化が図られている。ポータブル電子機器の駆動電源としては充電可能であって、小型でなおかつ駆動時間が長いことが必要である。このような要求を満たす電源として、エネルギー密度が高い二次電池が一般に用いられている。
このようなエネルギー密度が高い二次電池としては、一般にリチウムイオン二次電池が知られている。ここで述べるリチウムイオン二次電池は、正極と負極がセパレータを介して対峙した構成であり、また正極と負極はそれぞれ正極集電体と正極活物質、負極集電体と負極活物質から構成されたものである。これらの各素子には非水性の電解質溶液が含浸されている。このリチウムイオン二次電池に充電もしくは放電を行うと、電解質溶液に溶解したリチウムイオンがセパレータを通過して正極と負極の間を移動し、正極活物質と負極活物質においてそれぞれリチウムイオンの吸蔵、放出が行われ、これによって電池として動作する。ここでリチウムイオン二次電池の負極活物質としては、炭素材料のようにリチウムイオンを吸蔵、放出する材料や、リチウム(Li)と合金を形成するアルミニウム(Al)、および金属リチウムなどの金属材料が用いられている。
一方、リチウムイオン二次電池の正極に用いられる正極活物質に関しては、特許文献1〜3に開示された材料がそれぞれ開発されている。このうち特許文献1には、LiFePO4もしくはLi(Fe,Mn)PO4の組成を有する第1のリチウム化合物と、LiMO2(Mは、CoもしくはNiの少なくとも1種、もしくはMn)の組成を有する第2のリチウム化合物とからなる正極活物質について記載されている。また特許文献2には、LiMn24の組成のリチウム化合物からなる正極活物質について記載されている。さらに特許文献3には、LiCoO2およびLiMnO2の組成をそれぞれ有する第1および第2のリチウム化合物と、Li(Fe,M)PO4(Mは、Mg、Co、Ni、Mn、Znの少なくとも1種)の組成を有する第3のリチウム化合物とからなる正極活物質について記載されている。これらの組成の正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、特許文献1に書かれている通り、低コスト化、蓄積できるエネルギー密度の向上、高温時の動作安定性、過放電に対する耐久性などの、優れた特性を備えている。
特開2001−307730号公報 特開2004−055328号公報 特開2003−346799号公報
リチウムイオン二次電池をポータブル電子機器などの駆動電源として用いる場合には、ユーザ側の要請として、充電時間を短縮する、即ち急速充電を可能とすることが求められている。従来の一般的なリチウムイオン二次電池は、1時間〜3時間で満充電となるような充電条件で使用されているが、この充電時間を例えば10分ないし15分程度にまで短縮することができれば、リチウムイオン二次電池の利便性を大幅に高めることができる。しかし従来のリチウムイオン二次電池にこのような急速充電を実施すると、僅かな使用期間でリチウムイオン二次電池の特性の大幅な劣化を招くことが知られている。この電池の特性の劣化は、具体的には短い経年での充電可能な電池の放電容量(もしくはエネルギー密度)の大幅な非可逆的な低下として表れる。つまり、リチウムイオン二次電池の充電時間の短縮とその電池の容量の低下には、トレードオフの関係があることが知られている。なお電池の放電容量の低下の割合は、一般に容量維持率の低下として表される。
一般にリチウムイオン二次電池の急速充電特性を向上させ、短時間での充電を可能にするためには、正極活物質としてLiMn24やLiNiO2の組成のリチウム化合物の使用が好適であることが知られている。しかしながら、LiMn24を正極活物質として用いた場合は、充放電の前後でそのMn(マンガン)イオンの平均価数が3価と4価の間で変化し、そのためJahn−Teller歪みと称される結晶歪みが結晶中に生じてしまう。この結晶歪みは、充電やその後の放電の際に、電池の正極活物質の部分の体積を増減させることになるので、急速充電を繰り返した場合はリチウムイオン二次電池の正極に構造破壊が生じる可能性がある。
また、電池内の電解質溶液中に僅かに水分が存在する場合は、この水と電解質溶液の成分である支持塩とが反応し、Hイオン(水素イオン:H+)が生成する。支持塩としてLiPF6を用いた場合には、以下の化学式の反応が生じることが知られている。
LiPF6+H2O→POF3+Li++3F-+2H+
こうして電解質溶液中にH+が生成すると、以下の化学式の反応によって正極活物質のLiMn24のMnが、イオン化して電解質溶液中に溶解する。
2LiMn24+4H+→3λ−MnO2+Mn2++2Li++2H2
ここでλ−MnO2はλ型の二酸化マンガンである。この反応では、H+がLiMn24と反応し、それによってMnイオン(Mn2+)が電解質溶液中に溶出するとともに、λ−MnO2とH2Oが生成する。つまり、電解質溶液中に微量に存在するH2Oが触媒として作用し、支持塩の存在下でLiMn24からMnイオンを溶出させることとなる。この溶出したMnイオンは、リチウムイオン二次電池に内部インピーダンスの非可逆な増加をもたらす原因であることが判明している。なお支持塩としてLiPF6以外の組成の化合物を用いた場合であっても、その支持塩がリチウムフッ化物の構成を有している場合には同様の反応が生じる。
なおこれらの現象は、正極活物質としてLiMn24ではなくLiNiO2の組成のリチウム化合物を用いた場合にも同様に生じるものである。従って、繰り返し充放電によるJahn−Teller歪みの発生による電池の正極の構造破壊や、急速充電によるイオン化したNi(ニッケル)元素の電解質溶液への溶出は、LiNiO2を用いた場合にも、LiMn24のときと同じように、リチウムイオン二次電池に内部インピーダンスの非可逆な増加をもたらすこととなる。
正極活物質に含まれるMnがイオン化することによる電池の内部インピーダンスの増加は、溶出したMnイオンが負極活物質の表面やセパレータ上に析出することによって、Liイオンのセパレータを通過する移動や負極活物質表面でのイオン化、金属化が阻害されることによるものと考えられる。その他に、Mnイオンの溶出や析出をきっかけとした正極活物質、負極活物質の遊離による不活性化や、さらには電解質溶液に僅かに含まれる水分とMnイオンにより生成する酸の影響による電解質溶液の劣化なども原因であると考えられている。
これらの理由によって電池の内部インピーダンスが増加すると、リチウムイオン二次電池の急速充電の場合には、その充電条件での充電可能な電池の放電容量の低下、即ち容量維持率が低下することとなる。なぜなら電池の内部インピーダンスが増加している場合に電池を急速充電するには、印加電圧を上げて充電の際の電流密度を増加させる必要がある。しかしこれを行うと電池の内部温度が急激に上昇することとなって、電池内の電解液の劣化などを招くからである。このためリチウムイオン二次電池の充電の際の印加電圧には上限が設けられており、内部インピーダンスが高いと急速充電では印加電圧がすぐにこの上限に達し、定電圧充電に移行することになる。従って、設定した急速充電の時間内に電池を満充電とすることができず、急速充電可能な電池の容量は低下することとなる。
以上の急速充電による電池の内部インピーダンスの増加は、正極活物質としてLiFePO4の組成のリチウム化合物を用いた場合はほとんど起こらないことが知られている。LiFePO4を用いた正極活物質ではLiイオンの吸蔵、放出によっても結晶中に大きな結晶歪みが生じず、またFeがイオン化して電解質溶液に溶出することもない。しかしながら、LiFePO4は前記のLiMn24やLiNiO2のリチウム化合物に比較して、その電気伝導率は著しく低い。一般にLiMn24の電気伝導率は10-3/Ω/m程度であり、LiNiO2も同程度であるが、LiFePO4の電気伝導率は10-7/Ω/m程度に過ぎず、この違いは電池の急速充電の際には内部インピーダンスの増加となって表れる。従って、リチウムイオン二次電池の正極活物質として単純にLiFePO4を採用しても、急速充電における充電可能な電池の容量を増加させることはできない。
本発明は、リチウムイオン二次電池における前記課題を解決するもので、長時間の使用によっても急速充電時の内部インピーダンスが大きく増加せず、よって急速充電での電池の容量低下の程度が小さく、従って使用時の容量維持率の低下が小さい、リチウムイオン二次電池の新たな正極活物質の構成と、それを用いたリチウムイオン二次電池を提案するものである。
本発明によるリチウムイオン二次電池の正極は、各々組成の異なる第1のリチウム化合物と、第2のリチウム化合物と、第3のリチウム化合物とを、ともに含む正極活物質を、リチウムイオン二次電池用正極として用いることを特徴とするものである。ここで前記第1、第2、第3のリチウム化合物は、それぞれ化学式がLiMn24、LiFePO4、LiNiO2で表されるリチウム化合物の、Mn、Fe、Niの一部をそれぞれ他の元素にて置換したものであり、それぞれの組成物は微細な結晶として正極中に含まれている。この3種の組成のリチウム化合物を特定範囲の割合で混合することにより、正極活物質として特段の効果を得たものである。
本発明では、まず正極活物質の構成要素として用いる第1、第2、第3のリチウム化合物において、それぞれ特定の元素を一部置換することによってその結晶構造の安定化を図っている。これによりLiイオンの吸蔵、放出の際に生じる前記のJahn−Teller歪みなどの結晶歪みを緩和し、その歪みによる化合物粒子の形状などの変位を小さくして、リチウムイオン二次電池の急速充電の際の内部インピーダンスの低減を実現させている。具体的には、第1のリチウム化合物であるLiMn24については、Li、B、Mg、Al、Co、Niから選択される1種以上の元素を加えてMnを置換している。
なおこの効果を十分に発現させるためには置換元素の添加量が大きい方がよいが、Mnの置換元素の添加量がMn2原子に対して0.3の割合を越える場合は、第1のリチウム化合物によるLiイオンの吸蔵、放出の能力が制限されることとなり、これは急速充電時の内部インピーダンスの増加となって表れる。従って、前記元素の添加量は、Mn2原子に対して0より大きく、0.3以下とすることが好ましい。このMnの一部を置換した第1のリチウム化合物はリチウムイオンを吸蔵、放出する能力が高く、本発明におけるリチウムイオン二次電池が充放電の機能を発揮する際の主体として作用する。
なお、前記第1のリチウム化合物への添加元素の中にはLi元素が含まれているが、ここで添加するLiはMnを置換するもので、結晶構造内でMnと同一のサイトに入ると考えられる。従って、Mn置換前のLiMn24の構造におけるLiサイト内の元素(Li)とは、その置換サイトの位置、および添加による作用が異なる。
一方、本発明では、第2のリチウム化合物であるLiFePO4においても、前記第1のリチウム化合物の場合と同様に、Mn、Mg、Ni、Coから選択される1種以上の元素を加えてFeを置換している。この第2のリチウム化合物では、元素の置換を行わないLiFePO4の組成においてもLiイオンの吸蔵、放出の際の結晶歪みは元々小さく、また熱的安定性においても十分に優れている。第2のリチウム化合物においてFeサイトの元素の置換を行う理由は、電池の充放電時のLiイオンの吸蔵、放出の能力を向上させるためである。
第2のリチウム化合物は第1、第3のリチウム化合物に比較して電気伝導度が低く、このことが急速充電時の内部インピーダンスが高いという結果として表れている。ここでFeサイトの元素を他の元素で一部置換することにより、この内部インピーダンスが減少するという効果が得られると考えられる。なお、Fe(鉄)の置換元素の添加量がFe1原子に対して0.2の割合を越えると、今度は熱的安定性の低下が生じてしまう。このことから、前記Mn、Mg、Ni、Coから選択される1種以上の元素の添加量は、Fe1原子に対して0より大きく、0.2以下とすることが好ましい。
さらに、第3のリチウム化合物であるLiNiO2についても、Li、Mg、Mn、Al、Coから選択される1種以上の元素を加えてNiを置換して、その結晶構造の安定化を図っている。この置換によりLiイオンの吸蔵、放出の際に生じる結晶歪みを緩和して、前記第1のリチウム化合物の場合と同じく電池の急速充電の際の内部インピーダンスの低減を実現させている。なおこの効果を十分に発現させるためには置換元素の添加量が大きい方がよいが、Niの置換元素の添加量がNi1原子に対して0.3の割合を越える場合は、Liイオンの吸蔵、放出の能力が制限されることとなる。従って、前記元素の添加量は、Ni1原子に対して0より大きく、0.3以下とすることが好ましい。なお、ここで添加元素として記述したLi元素はNiを置換するものであり、結晶構造内でNiと同一のサイトに入り、Liサイトには入らないと考えられる。このことは前記第1のリチウム化合物の場合と同様である。
本発明では、前記方法により一部元素を他の元素で置換した第1、第2、第3のリチウム化合物を、さらにそれぞれ特定割合で混合することによって、電池の長時間の使用後の、急速充電の際の内部インピーダンスの増加の抑制を実現した。これら3種のリチウム化合物を混合して正極活物質とすることによる効果は、以下の通りと考えられる。まず本発明において、第1のリチウム化合物(Mn元素を一部置換したLiMn24)に対して第3のリチウム化合物(Ni元素を一部置換したLiNiO2)を混合することにより、電解質溶液中に含まれる僅かな水分と第3のリチウム化合物とが反応し、以下の化学式に従ってH2O中のH+を捕捉し、OH-を遊離させる効果が生じると考えられる。
LiNiO2+H2O→β−NiOOH+Li++OH-
ここでβ−NiOOHはβ型のオキシ水酸化ニッケルである。第1のリチウム化合物のみの場合には、前記のように電池内の電解質溶液中に僅かに存在するH2Oと支持塩とが反応してHイオンが生成し、LiMn24からMnイオンの溶出が生じる。しかし、第1のリチウム化合物と第3のリチウム化合物とを混合することにより、この電解質溶液中の僅かな水分をLiNiO2が捕捉するために、LiMn24からのMnイオンの溶出を抑制する効果が生じる。以上の効果は、いずれも急速充電時の内部インピーダンスの低減として表れることとなる。
しかしながら、前記第1のリチウム化合物に第3のリチウム化合物を混合しただけでは電池の正極における熱的安定性の問題が残ることとなる。リチウムイオン二次電池の内部が高温となると、一般にリチウム化合物を構成する粒子どうし、あるいは導電性付与剤や結着材との界面の構造が変化し、これが非可逆の内部インピーダンスの増加を招く場合がある。ここで、本発明では、第2のリチウム化合物である、Fe元素の一部を置換したLiFePO4を一定割合で加えることにより、この熱的安定性の問題の解決を図っている。この添加による改善の理由は詳細には明らかではないが、第2のリチウム化合物が正極活物質として添加されることにより、正極活物質層を構成する結晶の微粒子を含む各粒子どうしの界面の構造の変化が緩和される効果が生じるのではないかと思われる。
なお、第2のリチウム化合物は前記のように第1、第3のリチウム化合物に比べて電気伝導度が著しく低いという問題があるが、この点は混合される第1および第3のリチウム化合物(主として第1のリチウム化合物)の電気伝導度が高いことにより、十分に補うことができる。このように、第1、第2、第3のリチウム化合物を混合することにより、従来のリチウムイオン二次電池の正極に存在していた急速充電時の内部インピーダンスの増大の問題が解決され、充電時に内部インピーダンスが十分に低い電池を得ることが可能となる。
ここで、電池の内部インピーダンスの低減に効果的な第1、第2、第3のリチウム化合物の割合は、それぞれの混合割合をa:b:c(a、b、cはそれぞれ重量比、a+b+c=100)としたとき、0<a≦90、0<b≦50、0<c≦50の範囲とすることが好ましい。この混合割合は、前記第1、第2、第3のリチウム化合物にそれぞれ添加する元素の種類やその好ましい添加量の範囲と同様に、組成やその範囲の異なる多数の試料の評価を積み重ねることによって、実験的に得られたものである。
なお、リチウム化合物による正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製した場合には、リチウムイオン二次電池の充電および放電によって結晶構造中のLiサイトからのLi原子の放出、吸蔵が繰り返され、正極活物質中のリチウム化合物におけるLiの含有量が当初の値よりも低下していくことが知られている。本発明での第1、第2、第3のリチウム化合物におけるLiの含有量は、リチウムイオン二次電池においてもまだ充電および放電を行っていない、初期の状態での組成範囲として規定するものである。
即ち、本発明は、化学式がLiMn24の結晶構造を持つ酸化物であり、該酸化物に含有されるLi、Mnおよび添加元素Maのモル比率が、
Li:Mn:Ma=1:2−x:x(0<x<2、MaはLi、B、Mg、Al、Co、Niから選択される1種以上)
である組成の第1のリチウム化合物と、化学式がLiFePO4の結晶構造を持つ酸化物であり、該酸化物に含有されるLi、Feおよび添加元素Mbのモル比率が、
Li:Fe:Mb=1:1−y:y(0<y<1、MbはMn、Mg、Ni、Coから選択される1種以上)
である組成の第2のリチウム化合物と、化学式がLiNiO2の結晶構造を持つ酸化物であり、該酸化物に含有されるLi、Niおよび添加元素Mcのモル比率が、
Li:Ni:Mc=1:1−z:z(0<z<1、McはLi、Mg、Mn、Al、Coから選択される1種以上)
である組成の第3のリチウム化合物とからなる正極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極である。
また、本発明は、前記xが、0<x≦0.3であり、前記yが、0<y≦0.2であり、前記zが、0<z≦0.3であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極である。
さらに、本発明は、前記正極活物質に含まれる、前記第1のリチウム化合物、前記第2のリチウム化合物、前記第3のリチウム化合物の含有量の割合をそれぞれa:b:c(a、b、cはそれぞれ重量比、a+b+c=100)としたとき、0<a≦90、0<b≦50、0<c≦50であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極である。
さらに、本発明は、前記いずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、互いに組成の異なる第1、第2、第3のリチウム化合物を混合して正極活物質としたものを有している。この第1、第2、第3のリチウム化合物は、それぞれLiMn24、LiFePO4、LiNiO2で表され、Mn、Fe、Niを一部特定の元素で置換した組成の化合物である。これら3種の化合物を特定の割合で混合して正極活物質とすることにより、それを用いたリチウムイオン二次電池では、長時間の使用後でも急速充電時の内部インピーダンスの増加を抑制することが可能である。よって本発明によるリチウムイオン二次電池用正極を用いることにより、急速充電が可能なリチウムイオン二次電池を提供することが可能である。
また本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、熱的安定性が高いという特徴を有している。このためリチウムイオン二次電池に用いた場合に、その電池が満充電の状態で高温の条件に保持された場合でも、依然として内部インピーダンスを低い値に保持することができる。従って電池内部が高温となるような条件に置かれても、やはり急速充電が可能な特性を維持し続けることができる。
以下に、本発明の正極を用いたリチウムイオン二次電池の実施の形態について、図1をもとに説明する。
図1は、本発明の正極活物質を備えた正極を有するリチウムイオン二次電池の例として、単板ラミネート型の電池セルの形状を断面図として示したものである。図1において、正極領域は正極活物質層11および正極集電体13からなり、また負極領域も同様に負極活物質層12および負極集電体14からなる。ここで正極活物質層11および負極活物質層12はセパレータ15を介して対向している。正極集電体13および負極集電体14は一般に金属箔からなり、正極活物質および負極活物質を塗布して固化させることにより、それぞれの片面に正極活物質層11および負極活物質層12が形成されている。正極集電体13および負極集電体14の端部はそれぞれ正極タブ18、負極タブ19として電池セルの外部に引き出されており、この電池セルはその上下から外装ラミネート16,17によって密封されている。密封された電池セルの内部には、電解質溶液が充填されている。この電解質溶液としては、支持塩としてリチウム塩が溶解した非水性有機電解質溶液が用いられる。
なお、本発明の正極を用いたリチウムイオン二次電池では基本的に電池形状には制限がなく、セパレータを挟んで正極領域、負極領域が対向した構成であれば、電極形状を巻回型、積層型の形状とすることも可能である。また電池セルの構造としては、前記単板ラミネート型のみならず、コイン型、ラミネートパック型、角型セル、円筒型セルなどの形状とすることができる。
一般に、リチウムイオン二次電池は、リチウム化合物を正極活物質とする正極と、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な負極活物質を備えた負極とを有し、正極と負極との間には、両者が電気的接続を起こすことがないように、非導電性のセパレータや電解質の領域が設けられている。ここで、正極と負極はともにリチウムイオン伝導性のある電解質溶液に浸漬された状態に保持されており、これらの構成要素が容器の中に密封されている。電池を構成する正極と負極の間に外部より電圧が印加されると、正極の活物質である正極活物質からリチウムイオンが放出され、電解質溶液を介して負極活物質にリチウムイオンが吸蔵されることで充電状態となる。また、電池外部の負荷を介して正極と負極とが電気的に接続された場合には、今度は充電時とは逆に負極活物質からリチウムイオンが放出され、正極活物質にリチウムイオンが吸蔵されることとなって、放電が行われる。
本発明の正極を用いたリチウムイオン二次電池の構成について以下に説明する。本発明の電池における正極は、LiMn24の結晶構造を有し、Mnを元素Ma(MaはLi、B、Mg、Al、Ni、Coから選択される1種以上)によって一部置換した組成の第1のリチウム化合物と、LiFePO4の結晶構造を有し、Feを元素Mb(MbはMn、Mg、Ni、Coから選択される1種以上)によって一部置換した組成の第2のリチウム化合物と、LiNiO2の結晶構造を有し、Niを元素Mc(McはLi、Mg、Mn、Al、Coから選択される1種以上)によって一部置換した組成の第3のリチウム化合物とからなる混合物を、正極活物質として含むことを特徴としている。
このうち第1のリチウム化合物の製造においては、以下の出発原料を用いることが好ましい。まず、Liサイトへの添加元素、およびMnサイトに共添加される元素としてのLiを前記第1のリチウム化合物に添加するための出発原料としては、Li2CO3、LiOH、Li2O、LiNO3、Li2SO4などを用いることができる。とくに、Li2CO3、LiOHなどのリチウム塩は遷移金属原料との反応性が高く、また反応生成物に含まれるCO3基、OH基がその焼成時にCO2、H2Oの形で揮発するために、正極活物質内に残留して悪影響を及ぼす可能性が低いことから好ましい。
またMn元素を添加するための出発原料としては、電解二酸化マンガン(EMD)や、Mn23、Mn34などのMn酸化物、およびMnCO3、MnSO4などを用いることが可能である。またMnサイトにMg元素を添加するための出発原料としては、Mg(OH)2などが使用可能である。同じくAl元素を添加するための出発原料としては、Al(OH)3などが使用可能である。B元素のための出発原料としては、B23などが使用可能である。Co元素のための出発原料としては、Co23、Co34などの酸化物、Co(OH)3、CoCO3、CoSO4などが使用可能である。Ni元素のための出発原料としては、NiO、Ni(OH)2、NiSO4、Ni(NO32などが使用可能である。
これらの出発原料を所定の金属組成比となるように秤量して、乳鉢もしくはボールミルなどを用いて粉砕混合する。得られた混合粉末を500℃ないし1200℃の温度で、空気もしくは酸素雰囲気中で焼成することによって、酸化物である第1のリチウム化合物の粉末を得る。このときの焼成温度は、各元素を拡散させるためには高温とすることが望ましいが、焼成温度が高過ぎると組成内に酸素欠損を生じる場合がある他、粉末粒子どうしの凝集が生じて粉末状態が維持できなくなるなどの場合がある。このような現象が生じると、作製したリチウム化合物を電池の正極活物質として使用した場合に、電池の各種特性に様々な悪影響が生じる場合がある。このことから焼成温度には前記の上限が存在することとなり、さらに500℃ないし900℃の範囲で焼成を行うことがより好ましい。また、生成した第1のリチウム化合物の酸素欠損を防止するためには、酸素雰囲気で焼成する場合がより好ましい。
なお、得られた粉末状の第1のリチウム化合物の比表面積は0.01m2/g以上、10m2/g以下であることが好ましく、より好ましくは0.1m2/g以上、3m2/g以下である。比表面積が大きいほど正極活物質層を構成するための結着剤がより多く必要であり、従って電極の容量密度の点で不利となる。一方、比表面積が小さ過ぎるときには電解質溶液と正極活物質との間のイオン伝導度が低下する場合がある。レーザー回折・散乱法により測定したメジアン径を平均粒径とした場合に、粉末状の第1のリチウム化合物の平均粒径は0.1μm以上、70μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1μm以上、30μm以下である。この平均粒径が大きいと正極集電体表面への正極活物質層の成膜時に、正極活物質層に不均一な凹凸が生じる場合がある。一方、平均粒径が小さいときは、成膜された正極活物質層の正極集電体への結着性が低くなる場合がある。
また、第2のリチウム化合物の製造においては、以下の出発原料を用いることが好ましい。まずFeサイトの置換元素を含まない、LiFePO4で示される鉄リン酸リチウムの合成原料としては、各種のリチウム化合物と、2価の鉄化合物とリン酸化合物とが適宜組み合わせて用いられる。このうち含有されるLiのための出発原料としては、LiF、LiCl、LiBr、LiI、LiCO3、LiOH、Li3PO4などが使用可能である。またFeのための出発原料としては、FeF2、FeCl2、FeBr2、FeI2、FeSO4、Fe3(PO42、Fe(C24)・2H2O、(CH3COO)2Feなどが使用可能である。Pのための出発原料としては、H3PO4、HPO3、H427、H5310、(NH43PO4、NH4PO3、Li3PO4、Fe3(PO42などが使用可能である。
一方、第2のリチウム化合物のFeサイトの置換元素については、以下の出発原料を用いることが好ましい。まず、Mnのための出発原料としては、MnCO3、MnSO4、MnCl2、Mn(NO32などが使用可能である。Mgのための出発原料としては、MgSO4などが使用可能である。Niのための出発原料としては、NiSO4などが使用可能である。Coのための出発原料としては、CoSO4などが使用可能である。
これらの出発原料を所定の金属組成比となるように秤量して、乳鉢もしくはボールミルなどにより粉砕混合する。得られた混合粉末を、500℃から1200℃の温度で、窒素またはAr雰囲気中で焼成することによって第2のリチウム化合物の粉末を得る。
これにより得られた粉末状の第2のリチウム化合物の比表面積は0.01m2/g以上、100m2/g以下であることが好ましく、より好ましくは0.1m2/g以上、50m2/g以下である。比表面積が大きいほど正極活物質層を構成するための結着剤がより多く必要であり、従って電極の容量密度の点で不利となる。一方、比表面積が小さ過ぎるときには電解質溶液と正極活物質との間のイオン伝導度が低下する場合がある。粉末状の第2のリチウム化合物の平均粒径は0.1μm以上、70μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1μm以上、30μm以下である。この平均粒径が大きいと正極集電体表面への正極活物質層の成膜時に、正極活物質層に不均一な凹凸が生じる場合がある。一方、平均粒径が小さいときは、成膜された正極活物質層の正極集電体への結着性が低くなる場合がある。
さらに、第3のリチウム化合物の製造においては、以下の出発原料を用いることが好ましい。まず、Liサイトへの添加元素、およびNiサイトに共添加される元素としてのLiを前記第3のリチウム化合物に添加するための出発原料としては、Li2CO3、LiOH、Li2O、LiNO3、Li2SO4などを用いることができる。またNi元素を添加するための出発原料としては、NiO、Ni(OH)2、NiSO4、Ni(NO32などが使用可能である。またNiサイトにCo元素を添加するための出発原料としては、Co(OH)3、Co23、Co34、CoSO4などが使用可能である。同じくAl元素のための出発原料としては、Al(OH)3などが使用可能である。Mn元素のための出発原料としては、電解二酸化マンガン(EMD)や、Mn23、Mn34などのMn酸化物、およびMnCO3、MnSO4などが使用可能である。Mg元素のための出発原料としては、Mg(OH)2などが使用可能である。
これらの出発原料を目的の金属組成比となるように秤量して、乳鉢もしくはボールミルなどにより粉砕混合する。得られた混合粉末を、500℃から1200℃の温度で、空気または酸素雰囲気中で焼成することによって、第3のリチウム化合物の粉末を得る。このときの焼成温度は、各元素を拡散させるためには高温とすることが望ましいが、焼成温度が高過ぎると粉末粒子どうしの凝集が生じて粉末状態が維持できなくなるなどの場合がある。このことから焼成温度には前記の上限が存在することとなり、さらに500℃ないし1000℃の範囲で焼成を行うことがより好ましい。
なお、得られた粉末状の第3のリチウム化合物の比表面積は0.01m2/g以上、10m2/g以下であることが好ましく、より好ましくは0.1m2/g以上、3m2/g以下である。比表面積が大きいほど正極活物質層を構成するための結着剤がより多く必要であり、従って電極の容量密度の点で不利となる。一方、比表面積が小さ過ぎるときには電解質溶液と正極活物質との間のイオン伝導度が低下する場合がある。粉末状の第3のリチウム化合物の平均粒径は0.1μm以上、70μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1μm以上、30μm以下である。この平均粒径が大きいと、正極集電体表面への正極活物質層の成膜時に正極活物質層に不均一な凹凸が生じる場合がある。一方、平均粒径が小さいときは、成膜された正極活物質層の正極集電体への結着性が低くなる場合がある。
作製した粉末状の第1、第2、第3のリチウム化合物がそれぞれ所定の結晶構造を有しているかどうかの評価は、粉末X線回折によって行うことができる。粉末状の各リチウム化合物をそれぞれ粉末X線回折装置にセットし、特性X線を照射して得られる回折光の回折角と強度を測定して、得られた結果をICDD Cards(International Centre for Diffraction Data Cards:粉末X線回折図形データベースカード)に照会することにより、その結晶構造を同定する。本発明の場合は、得られた粉末状の第1、第2、第3のリチウム化合物の回折パターンを、LiMn24、LiFePO4、LiNiO2の各結晶構造における回折パターンとそれぞれ比較し、回折強度を測定することにより、生成した化合物の結晶構造とその結晶化率を特定することが可能である。
以上の方法により得られた粉末状の第1、第2、第3のリチウム化合物を混合し、金属箔からなる集電体の表面に塗布して正極活物質層を形成し、正極とする。その方法は以下の通りである。まず、粉末状の第1、第2、第3のリチウム化合物をそれぞれ所定の割合にて混合し、正極活物質とする。次いでこの正極活物質に、導電性付与材、結着剤、非水有機溶媒を混合し、十分に攪拌してスラリー状とした後に集電体の表面に塗布し、膜状に形成して乾燥固化させる。ここで導電性付与材としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、または繊維状炭素などの炭素材料が好適に用いられ、その他にアルミニウムなどの金属粉末、導電性酸化物の粉末などを使用することができる。また結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やアクリル系ポリマー、イミド系ポリマーなどが用いられる。有機溶媒は非水系であり、各溶質の分散性や乾燥固化の容易性を考慮して適切に選択される。また集電体としてはアルミニウムやアルミニウム合金、チタンなどを主体とする金属箔の使用が好適である。
ここで導電性付与材の好ましい添加量は、有機溶媒を除いた正極活物質、導電性付与材および結着剤の合計量に対して0.5〜30重量%であり、また結着剤の好ましい添加量は、同様に前記合計量に対して1〜10重量%である。ここで混合する導電性付与材や結着剤の含有比率が小さ過ぎるときは、形成された正極活物質層における電気伝導度が小さくなり、それにより電池の充放電のレート特性(一定量の電荷を充放電するための速さ)が小さくなったり、電極剥離の問題が生じたりする場合がある。また逆に導電性付与材や結着剤の含有比率が大き過ぎるときは、正極活物質の含有比率が小さくなるために、作製するリチウムイオン二次電池のエネルギー密度が低下し、電池の単位重量あたりの充電容量が小さくなる場合がある。正極活物質の好ましい含有比率は前記合計量に対して70重量%以上、98.5重量%以下であり、さらに好ましくは85重量%以上、97重量%以下である。
集電体の表面に塗布により形成される正極活物質層の密度には上限および下限がある。一般に正極活物質層の密度が高過ぎる場合には、この正極活物質層に形成される空隙が少ないために、リチウムイオン二次電池の正極の周囲を満たす電解質溶液が正極電極の空隙に入りにくくなる。このためLiイオンの移動量が小さくなり、電池の充放電のレート特性が小さくなることがある。一方、正極活物質層の密度が小さ過ぎる場合には、前記の正極活物質層における正極活物質の含有比率が小さい場合と同様に、作製するリチウムイオン二次電池のエネルギー密度が低下する場合がある。このため、正極活物質層の密度は、1g/cm3以上、4.5g/cm3以下であることが好ましい。さらに好ましくは、2g/cm3以上、4g/cm3以下である。
リチウムイオン二次電池の負極を構成する負極活物質としては、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボンなどの炭素材料や、SiOx(xはOの含有量)などのシリコン酸化物、シリコン、シリコンとシリコン以外の元素を含むシリコン複合化合物、スズもしくはスズ酸化物、スズとスズ以外の元素を含むスズ複合酸化物、アルミニウム合金、リチウム金属、チタン酸化物やLi4Ti512などの物質を、それぞれ単独もしくは混合して用いることができる。また負極は正極と同様の方法にて作製されるが、集電体としては、Liイオンと反応しにくい銅、ニッケル、ステンレス、銀などを主体とする金属箔の使用が好適である。
本発明におけるリチウムイオン二次電池に使用可能な電解質溶液としては、非プロトン性有機溶媒の中から、1種または2種以上を混合して使用することが好適である。その有機溶媒とは以下のものである。
即ち、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトンなどのγ−ラクトン類、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)などの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンスルトン、アニソール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、フッ素化カルボン酸エステルなどである。
また、前記非プロトン性有機溶媒に対してポリマーなどを添加して、電解質溶液をゲル状に固化したものを用いてもよい。さらに、環状のアンモニウムカチオンや同アニオンなどに代表される、常温溶融塩やイオン液体を用いてもよい。これらの電解質溶液の中では、その導電性や高電圧下での安定性などの観点から、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類とを混合して使用する方法がとくに適している。
これらの電解質溶液には、支持塩としてリチウム塩を溶解させて使用する。溶解させるリチウム塩としては、LiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiC(CF3SO23、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiCH3SO3、LiC25SO3、LiC37SO3、低級脂肪族カルボン酸リチウムおよびその他のカルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、LiFなどが挙げられる。溶解させた支持塩の電解質濃度は、0.5mol/l以上、1.5mol/l以下とすることが好ましい。支持塩の電解質濃度が高過ぎるときには、電解質溶液の密度と粘度が増加して、Liイオンの移動が妨げられると考えられる。逆に電解質濃度が低過ぎるときには、電解質溶液の電気伝導率が低下する場合がある。
なお、本発明のリチウムイオン二次電池に用いられるセパレータは、プロピレンフィルムなどの高分子フィルムの使用が適している。本発明に係るリチウムイオン二次電池は、前記方法により、正極集電体、負極集電体の表面にそれぞれ正極活物質層、負極活物質層を形成して正極および負極として、両者の間にセパレータを介して積層して電極体とする。この電極体を、乾燥空気もしくは不活性ガス雰囲気中において、合成樹脂と金属箔とを積層してなるフィルム構造体などの内部に電解質溶液とともに密封することにより、単板ラミネート型セルを有するリチウムイオン二次電池を作製することができる。もしくは前記電極体をさらに捲き回して捲回体として、同じく乾燥空気もしくは不活性ガス雰囲気中において、電池缶に収納して電解質溶液を充填し、封口することによって、円筒型もしくは角型のセルを有するリチウムイオン二次電池を作製することができる。
ここで作製したリチウムイオン二次電池の正極の電位は、Liの電位に対して5.5V以下であることが必要である。一般にリチウムイオン二次電池では、その正極電位が高いときには電解質溶液の分解が進行するという性質があり、とくに60℃以上の高温にて充放電を繰り返す場合や保存する場合に電池の信頼性を保つためには、正極電位が5.2V以下であることが好ましく、さらに好ましくは4.5V以下である。一方、負極の電位は、Liの電位に対して0V以上であることが必要である。
正極活物質として混合する第1、第2、第3のリチウム化合物のそれぞれの組成、および前記第1、第2、第3のリチウム化合物の間の混合比率を変更して、様々な組成および混合比率のリチウムイオン二次電池を作製し、その各々を実施例および比較例とした。一連のリチウムイオン二次電池は、全て同一形状の単板ラミネート型セルを有するものである。これらのリチウムイオン二次電池に対して高温保持を行い、放電容量の低下に関する評価を行った。以下で実施例および比較例のリチウムイオン二次電池の作製方法および評価方法を説明する。なお、作製した実施例および比較例の各々のリチウムイオン二次電池では、使用した第1、第2、第3のリチウム化合物の各組成、およびその混合比率以外の条件は全て同一である。
(第1のリチウム化合物の作製)
出発原料としてLiOHおよびMnO2(EMD)を用いるとともに、Mnサイトに添加する元素の出発原料として、必要に応じて前記LiOHおよびNi(OH)2、Mg(OH)2、Al(OH)3、Co34、B23、Fe23の各々を用い、それぞれを目的とする第1のリチウム化合物の組成比となるように秤量した。次いでこれらの原料を混合して乳鉢にて1時間以上粉砕混合した後に、900℃の空気中で12時間焼成した。この1回目の焼成の後に前記混合物を再度粉砕混合し、酸素雰囲気中にてさらに700℃、12時間の条件で2回目の焼成を行った。その後、50μmメッシュの篩にかけて混合物から粗粒を除去し、第1のリチウム化合物の組成を有する正極活物質材料の粉末を得た。ここで得られた粉末材料は、作製した全組成の第1のリチウム化合物において比表面積がいずれも0.1m2/gないし5m2/gであり、平均粒径がいずれも0.5μmないし40μmの範囲であった。また粉末X線回折により、得られた粉末材料がLiMn24の結晶構造を有し、90%以上の結晶化率(粉末材料中で、LiMn24の結晶構造を有するものの重量比)を有していることを確認した。
(第2のリチウム化合物の作製)
出発原料としてLi2CO3、(CH3COO)2Fe、NH42PO4を用いるとともに、Feサイトに添加する元素の出発原料として、必要に応じて前記MnCO3、MgCO3、NiSO4、CoSO4の各々を用い、それぞれを目的とする第2のリチウム化合物の組成比となるように秤量した。次いでこれらの原料を混合して乳鉢にて1時間以上粉砕混合した後に、300℃の窒素雰囲気中でまず12時間の仮焼成を行い、さらに同じく窒素雰囲気中にて600℃、24時間の条件で焼成を行った。その後、50μmメッシュの篩にかけて混合物から粗粒を除去し、第2のリチウム化合物の組成を有する正極活物質材料の粉末を得た。ここで得られた粉末材料は、作製した全組成の第2のリチウム化合物において比表面積がいずれも0.1m2/gないし5m2/gであり、また平均粒径がいずれも0.5μmないし40μmの範囲であった。また粉末X線回折により、得られた粉末材料がLiFePO4の結晶構造を有し、その結晶化率が90%以上であることを確認した。
(第3のリチウム化合物の作製)
出発原料としてLiOHおよびNi(OH)2を用いるとともに、Niサイトに添加する元素の出発原料として、必要に応じて前記LiOHおよびCo(OH)3、Al(OH)3、MnO2、Mg(OH)2の各々を用い、それぞれを目的とする第3のリチウム化合物の組成比となるように秤量した。次いでこれらの原料を混合して乳鉢にて1時間以上粉砕混合した後に、900℃の空気中で12時間焼成した。この1回目の焼成の後に生成物を再度粉砕混合し、酸素雰囲気中にて700℃、12時間の条件でさらに2回目の焼成を行った。その後、50μmメッシュの篩にかけて混合物から粗粒を除去し、第3のリチウム化合物の組成を有する正極活物質材料の粉末を得た。ここで得られた粉末材料は、作製した全組成の第3のリチウム化合物において比表面積がいずれも0.1m2/gないし5m2/gであり、また平均粒径がいずれも0.5μmないし40μmの範囲であった。また粉末X線回折により、得られた粉末材料がLiNiO2の結晶構造を有し、その結晶化率が90%以上であることを確認した。
(正極電極の作製)
前記工程でそれぞれ得られた正極活物質材料である第1、第2、第3のリチウム化合物の粉末材料と、導電性付与材とを、結着剤を有機溶媒に溶解させた溶液に分散させて混練し、スラリー状とした。ここで導電性付与材としては炭素材料であるカーボンブラックを、また結着剤としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、有機溶媒としてはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をそれぞれ使用した。ここで正極活物質、導電付与材、結着剤の重量比をそれぞれ90:6:4とした。こうして作製したスラリーを、厚さ20μmのアルミニウム(Al)箔からなる正極集電体上に塗布して正極活物質層を形成し、積層体とした。その際に、作製する正極電極の単位面積あたりの初回充電容量(組立を行った無充電の電池に最初に満充電を行う場合に電池に蓄積される電荷量)が2.0mAh/cm2となるように、塗布する正極活物質層の厚さを調整した。その後、作製した積層体を真空中で12時間乾燥させて固化し、正極電極材料とした。この正極電極材料を縦20mm、横20mmの正方形に切り出した。その後、3t/cm2の圧力で加圧成形して、1個の電池に用いられる1枚の正極電極を作製した。
(負極電極の作製)
負極活物質として黒鉛の粉末材料と、導電性付与材とを、結着剤を有機溶媒に溶解させた溶液に分散させて混練し、スラリー状とした。ここで導電性付与材としては炭素材料であるカーボンブラックを、結着剤としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、有機溶媒としてはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をそれぞれ使用した。次に、作製したスラリーを厚さ10μmの銅(Cu)箔からなる負極集電体上に塗布して負極活物質層を形成し、積層体とした。その際に、作製する負極電極の単位面積あたりの初回充電容量が2.4mAh/cm2となるように、塗布する負極活物質層の厚さを調整した。その後、前記正極電極材料の場合と同様に、作製した積層体を真空中で12時間乾燥させて固化し、負極電極材料とした。この負極電極材料を縦22mm、横22mmの正方形に切り出した。その後、1t/cm2の圧力で加圧成形して、1個の電池に用いられる1枚の負極電極を作製した。
(電解質溶液の作製)
またリチウムイオン二次電池に用いる電解質溶液は、有機溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比で30:70の割合にて混合したものを用い、これに支持塩としてLiPF6を溶解させて使用した。この支持塩LiPF6の濃度は1mol/lとした。
(リチウムイオン二次電池の組立)
前記の方法により作製した正極電極と負極電極とを、正極、負極の活物質層どうしが互いに対向するように配置し、両者の間にセパレータを挟んでラミネートセルからなる電池セル内に設置した。ここでセパレータとしては絶縁体であるポリプロピレンのフィルムを使用し、その形状は正極電極、負極電極のいずれよりも面積が広くなるようにした。このため、正極電極および負極電極はセパレータによって互いに絶縁されている。次に正極集電体の端部に電池外部への引き出しリードであるAlタブを、負極集電体の端部に同じく引き出しリードのニッケル(Ni)タブをそれぞれ接合し、各々のタブの先端が電池のラミネートセルの外部に引き出されるようにした。次いで電池のラミネートセル内に電解質溶液を充填し、ラミネートセルを密閉して、単板ラミネート型の電池セルを有するリチウムイオン二次電池の組立を行った。なおこれらの一連の組立工程では、同一組成の正極活物質を有するリチウムイオン二次電池を各10個作製している。
(リチウムイオン二次電池の評価)
前記工程により作製したリチウムイオン二次電池に対して、以下の評価方法を実施した。まず作製したリチウムイオン二次電池に対して、最初に上限電圧を4.2V、電流値を8mAとして定電流定電圧方式で充電を行い、満充電とした(初回充電)。次いで下限電圧を3.0Vとして定電流での放電を行った(初回放電)。なお、このときの放電容量(初回放電により電池から取り出された電荷量)を初回放電容量と定義する。
この初回の充放電の後に、初回充電と同一の充電条件にて再び充電を行って満充電の状態として、その状態のままで電池を60℃に保持し、90日間保存した。保存終了後に、20℃の温度雰囲気中で8mAの定電流で前記と同じ下限電圧の3.0Vまで一度放電した後に、上限電圧を4.2Vとして、初回充電の10倍の電流密度である、80mAの電流値にて定電流定電圧方式で15分間の急速充電を行った。その後に8mAの定電流で再び3.0Vの下限電圧まで放電を行い、そのときの放電容量を測定した。これを保持後放電容量と定義する。この、各電池における初回放電容量に対する保持後放電容量の値の比率を測定し、正極活物質における第1、第2、第3のリチウム化合物の組成および混合比率を変更した場合に、この放電容量の比率の値がどう変化するかをそれぞれ評価した。
ここで、前記の通り、各電池の初回充電容量はそれぞれ2.0mAh/cm2の一定値となるように設定されており、またLiイオンの捕捉、放出を行う正極電極の面積は各電池とも縦20mm、横20mmである。従って、各電池の初回充電容量はいずれも8mAhで同一ある。このため各電池とも8mAの定電流にて充電を行えば、1時間でほぼ満充電が可能である。以下では、この8mAの定電流での充電を1Cと記すこととする。ただし充電の際には上限電圧が設定されているので、各電池の実際の充電は、充電電圧が上限電圧に達した時点で定電圧充電に移行する、定電流定電圧充電である。従って、例えば最初は80mAの定電流で充電を行い、上限電圧に達した時点で定電圧充電に移行し、合計15分間の充電を行う場合は、10C15分の定電流定電圧充電である。リチウムイオン二次電池の評価における60℃、90日間の保存後の放電の後の、80mAの電流値での15分間の急速充電は、この10C15分の定電流定電圧充電である。
以上の作製条件によって、正極活物質における第1、第2、第3のリチウム化合物の組成および混合比率を変更したリチウムイオン二次電池を作製し、各実施例および比較例とした。次いで各電池に対して初回充電および初回放電と再度の充電、60℃、90日間の高温保持の後に放電および急速充電とさらなる放電を行い、初回放電容量に対する保持後放電容量の値を測定してその比率(以下、容量維持率)を評価した。その評価結果を表1ないし表19にそれぞれ示す。各表には、それぞれのリチウムイオン二次電池を構成する正極活物質内の各々のリチウム化合物の組成もしくは混合比率(百分率、単位%)と、各組成での容量維持率の値(単位%)、および評価結果(○および×)を示している。なお組成や混合比率ごとに評価したリチウムイオン二次電池は各10個であり、各組成の電池における容量維持率の値はこの10個の電池における測定値の平均値である。
(評価基準)
以下に示す表1ないし表19では、各実施例および比較例における容量維持率の値がそれぞれ50%以上の場合を良好(○判定)、50%未満の場合を不良(×判定)とした。この判定基準は、JIS(日本工業規格)C8711「ポータブル機器用リチウム二次電池」として規格化されている基準に準拠したものである。同規格には、リチウムイオン二次電池の満たすべき長期保存後の容量回復に関する規格として、電池を一度充放電し、次に50%の充電状態となるまで充電し、その状態で周囲温度40±2℃の条件で90日間保存して、一度放充電を行ってから周囲温度20±5℃において定電流(0.2C)で放電する試験方法が記載されている。この最後の放電容量が、最初の充放電時の放電容量に対して50%以上(長期保存後の容量回復が50%以上)であることが、長期保存に関する同規格の要求事項である。
本発明のリチウムイオン二次電池に関する前記の評価方法と、このJIS C8711に記載の評価方法とを比較すると、電池の保存期間(90日間)や電池の保持後の放電容量の測定時の周囲温度(20℃)などの条件は同じである。しかし、保存時の温度(本発明での評価:60℃、JIS C8711:40℃)や保存時の充電容量(本発明:満充電、JIS C8711:50%充電)などの点で、JIS C8711に比較して、本発明による評価の基準の方が、より過酷なものであると言える。
なぜなら、一般にリチウムイオン二次電池においては、より高温での保持、および充電率が高い状態での保存の場合の方が、劣化がより速く進行することが確認されているためである。またJIS C8711では、90日間の高温保持後の充電方法についてはとくに規定がないが、これを一般的な充電方法によるものと解釈すると、1Cでの充電と考えて差し支えない。これに対して本発明による評価では、高温保持後の充電方法として10C15分の急速充電を実施している。この場合、90日間の高温保持によって、もし電池の内部インピーダンスが大きく増加した場合は、15分以内に充電される電池の容量が低下することとなり、これは容量維持率の大きな低下として表れることとなる。従って、本発明における高温保持の前後での容量維持率の評価方法は、50%以上の場合を良好と判定する評価基準についてはJIS C8711と同等であるものの、実際の試験内容の過酷さにより、JIS C8711の基準を実質的にかなり上回るものとなっている。
このように、本発明における電池の評価方法を、日本工業規格に定められた一般的な方法と比較してより過酷な基準とした理由は、近年はとくにポータブル電子機器に搭載されるリチウムイオン二次電池では、長期使用時の充電容量の維持に関して、ユーザーサイドから以前に増して厳しい水準を満足する製品を要求されていることによる。本発明で採用した評価基準を満たすリチウムイオン二次電池は、従来の電池と比較して、長期保存時の容量維持率に関してより優れた特性を有している。本発明は、このような容量維持率に関する高い要求水準を満足させるために、その正極活物質の構成について具体的に特定し、それにより従来技術による電池に比べて優れた特性を得たものである。
(実施例1〜99、比較例1〜95)
本発明におけるリチウムイオン二次電池を構成する正極活物質を構成する第1、第2、第3のリチウム化合物の組成をそれぞれ特定の値に固定して、各々のリチウム化合物の混合比率を変えて電池を作製し、それぞれ実施例1〜99および比較例1〜95とした。それらの容量維持率の評価結果を表1ないし表4に示す。ここで第1、第2、第3のリチウム化合物の組成はそれぞれ、LiMn1.95Al0.054、LiFe0.9Mn0.1PO4、LiNi0.95Al0.052である。また、各電池の負極活物質はいずれも黒鉛であり、評価した各実施例および比較例のリチウムイオン二次電池の個数は各10個である。なお、各表では第1〜第3のリチウム化合物の混合比をそれぞれ百分率(重量比、単位%)で示しており、3者の合計は100%である。また容量維持率(単位%)の値は、前記10個の電池の測定値の平均値である。また判定として、前記判定基準に従って、良好(○)であるか、不良(×)であるかをそれぞれ記号により記した。
Figure 2010033924
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また、前記表1〜4に記載した実施例1〜99および比較例1〜95の各々の組成を、三元図として図2に記載した。図2では容量維持率が50%以上の場合(実施例1〜99)を「○」、同50%未満の場合(比較例1〜95)の場合を「×」にて示している。図2から分かるように、容量維持率が50%以上(判定が「○」)となる条件は、正極活物質の製造時の第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比をa:b:c(a+b+C=100%、a、b、cは重量比)とした場合に、各リチウム化合物の混合比が、0<a≦90、0<b≦50、0<c≦50の範囲を満たす場合である。
(実施例100〜198、比較例96〜190)
第1、第2、第3のリチウム化合物の添加元素が前記実施例1〜99および比較例1〜95の場合とは異なる場合について、各々のリチウム化合物の組成を特定の値に固定して、それらの混合比率のみを変えて電池を作製し、それぞれ実施例100〜198および比較例96〜190とした。それらの容量維持率の評価結果を表5ないし表8に示す。ここで第1、第2、第3のリチウム化合物の組成はそれぞれ、LiMn1.95Mg0.054、LiFe0.9Ni0.1PO4、LiNi0.95Co0.052である。各電池の負極活物質はいずれも黒鉛である。各実施例および比較例のリチウムイオン二次電池の評価個数は各10個であり、表9の容量維持率の値はその平均値である。なお表5〜表8の各項目の表記は、前記表1〜表4と同一である。
Figure 2010033924
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また、前記表5〜表8に記載した実施例100〜198および比較例96〜190の各々の組成を、三元図として図3に記載した。図3でも図2の場合と同じく容量維持率が50%以上の場合(実施例100〜198)を「○」、同50%未満の場合(比較例96〜190)の場合を「×」にて示している。図3において容量維持率が50%以上(判定が「○」)となる条件は、正極活物質の製造時の第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比をa:b:c(a+b+C=100%、a、b、cは重量比)とした場合に、図2の場合と同様に、各リチウム化合物の混合比が、やはり0<a≦90、0<b≦50、0<c≦50の範囲を満たす場合である。
表1および表8と図2、図3の評価結果から、本発明の第1、第2、第3のリチウム化合物を特定の割合で混合して正極活物質とすることにより、60℃の高温保持を行った後でもリチウムイオン二次電池の容量維持率を50%以上とすることが可能であるということが分かる。この容量維持率の値は、本発明のリチウムイオン二次電池が高温保持を行った後でも内部インピーダンスの値が依然として低く、従来の電池と比較して急速充電特性が大きく改善されていることを示している。またこの場合に正極活物質を構成する第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率は、それぞれ第1のリチウム化合物が90重量%以下、第2のリチウム化合物が50重量%以下、第3のリチウム化合物が50重量%以下であり、いずれも0%の場合を含まない。
(実施例199〜210、比較例191〜195)
第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率を固定するとともに、第2、第3のリチウム化合物の組成も固定した。さらに第1のリチウム化合物のMnの置換元素もCo(コバルト)もしくはMg(マグネシウム)のいずれかに固定して、Mnに対する置換比率のみを変えてリチウムイオン二次電池を作製し、その容量維持率がどのように変化するのかを評価した。なお比較例として、Mnを全く置換しない場合を比較例191とした。評価結果を実施例199〜210および比較例191〜195として表9に示す。表9において第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率はそれぞれ70重量%、10重量%、20重量%であり、各組成はそれぞれ、LiMn2-x(Co,Mg)x4(xはCoまたはMgによる置換量)、LiFe0.9Ni0.1PO4、LiNi0.9Mn0.12である。各電池の負極活物質はいずれも黒鉛である。各実施例および比較例のリチウムイオン二次電池の評価個数は各10個であり、表9に示した容量維持率の値はその平均値である。なお表9の各項目の表記は、前記表1〜表4などと同一である。
Figure 2010033924
表9によると、第1のリチウム化合物のMnの置換量が0.3以下の場合にリチウムイオン二次電池の容量維持率が50%以上となり、従来の電池と比較して良好な急速充電特性が得られることが分かる。ただし、Mnの置換量が0(ゼロ)の場合にはそのような効果は生じない。また、Mnの置換量が前記範囲の場合は、置換元素がCo、Mgのいずれであっても良好な容量維持率が得られることが分かる。
(実施例211〜214、比較例196)
前記表9の場合と同様に第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率と第2、第3のリチウム化合物の組成を固定して、第1のリチウム化合物のMnの置換元素のみを変えてリチウムイオン二次電池を作製し、その容量維持率の変化を評価した。Mnの置換元素はNi、B(ホウ素)、Al、Liの4種類とし、比較例としてBa(バリウム)による置換を行った場合の電池を作製した。また各々の置換元素によるMnの置換量も0.1に固定した。これらの評価結果を実施例211〜214および比較例196として表10に示す。表10での第1のリチウム化合物の組成は、LiMn1.9Ma0.14(MaはNi,B,Al,Li,Baのいずれか)である。各実施例や比較例のリチウムイオン二次電池の評価個数など、その他の条件は全て前記表9に示した各実施例や比較例の場合と同一である。
Figure 2010033924
表10の結果によれば、第1のリチウム化合物のMnをNi、B、Al、Liのいずれかの元素により0.1だけ置換した場合には、前記のCoもしくはMgによる場合と同様に、リチウムイオン二次電池の容量維持率は50%以上となる。よって従来の電池と比較して良好な急速充電特性が得られることが分かる。ただし、本発明の請求範囲外の元素であるBaによって置換した場合には所定の効果を得ることができなかった。この結果は、イオン化したBa(Ba2+)のイオン半径が置換されるMn3+のイオン半径の2倍以上と大きいことに関係しており、Mnの置換元素には一定の制約があることを示すものである。
(実施例215〜287、比較例197〜270)
前記表9、表10の場合と同様に、第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率と第2、第3のリチウム化合物の組成を固定した。そして第1のリチウム化合物のMnを複数種類の元素で置換するとともに、その置換比率を変えてリチウムイオン二次電池を作製し、容量維持率の変化を評価した。Mnの置換元素はCo、Mg、Alであり、これらの中から選択した2種類もしくは3種類の元素によりMnを置換した。これらの評価結果を実施例215〜287および比較例197〜270として表11ないし表13に示す。表11〜13において、第1のリチウム化合物の組成はLiMn2-x(Co,Mg,Al)x4(xはCo,Mg,Alによる置換量の合計)である。各実施例や比較例のリチウムイオン二次電池の評価個数など、その他の条件は全て前記表9、表10に示した各実施例や比較例の場合と同一である。
Figure 2010033924
Figure 2010033924
Figure 2010033924
表11〜13では、CoとAl、CoとMg、およびCo、Al、Mg全ての元素の、各々の組み合わせによって第1のリチウム化合物のMnを置換した場合について、それぞれ評価を行っている。表11〜13によると、これらのうちのどのような組み合わせであっても、その置換量が0.3以下の場合にリチウムイオン二次電池の容量維持率が50%以上となり、従来の電池と比較して良好な急速充電特性が得られることが分かる。ただし、前記表9の比較例191に示されるように、Mnの置換量が0(ゼロ)の場合にはこのような効果は生じない。
(実施例288〜295、比較例271〜275)
第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率を固定するとともに、今度は第1および第3のリチウム化合物の組成を固定した。そして第2のリチウム化合物のFeの置換元素のみを変えてリチウムイオン二次電池を作製し、その容量維持率の変化を評価した。なお比較例として、Feを全く置換しない場合を比較例271とした。評価結果を実施例288〜295および比較例271〜275として表14に示す。表14において、第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率はそれぞれ70重量%、10重量%、20重量%であり、各組成はそれぞれ、LiMn1.95Al0.054、LiFe1-xMbxPO4(MbはMn,Mg,Ni,Coのいずれか、xはその置換量)、LiNi0.9Mn0.12である。各電池の負極活物質はいずれも黒鉛である。各実施例および比較例のリチウムイオン二次電池の評価個数は各10個であり、表14に示した容量維持率の値はその平均値である。なお表14の各項目の表記は、前記表1〜表4などと同一である。
Figure 2010033924
表14によると、第2のリチウム化合物のFeの置換量が0.2以下の場合にリチウムイオン二次電池の容量維持率が50%以上となり、従来の電池と比較して良好な急速充電特性が得られることが分かる。ただし、Feの置換量が0(ゼロ)の場合にはそのような効果は生じない。また、Feの置換量が前記範囲の場合は、置換元素がMn、Mgのいずれであっても良好な容量維持率が得られることが分かる。さらに実施例294、295によると、Feの置換元素としてNiおよびCoを選択した場合にも、同様に良好な容量維持率が得られることが分かる。
(実施例296〜303、比較例276〜280)
第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率を固定するとともに、第1、第2のリチウム化合物の組成も固定した。さらに第3のリチウム化合物のNiの置換元素もMnもしくはAlのいずれかに固定して、Niに対する置換比率のみを変えてリチウムイオン二次電池を作製し、その容量維持率がどのように変化するのかを評価した。なお比較例として、Niを全く置換しない場合を比較例276とした。評価結果を実施例296〜303および比較例276〜280として表15に示す。表15において、第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率はそれぞれ70重量%、10重量%、20重量%であり、各組成はそれぞれ、LiMn1.95Li0.054、LiFe0.9Mn0.1PO4、LiNi1-x(Mn,Al)x2(xはMnまたはAlによる置換量)である。各電池の負極活物質はいずれも黒鉛である。各実施例および比較例のリチウムイオン二次電池の評価個数は各10個であり、表15に示した容量維持率の値はその平均値である。なお表15の各項目の表記は、前記表1〜表4などと同一である。
Figure 2010033924
表15によると、第3のリチウム化合物のNiの置換量が0.3以下の場合にリチウムイオン二次電池の容量維持率が50%以上となり、従来の電池と比較して良好な急速充電特性が得られることが分かる。ただし、Niの置換量が0(ゼロ)の場合にはそのような効果は生じない。また、Niの置換量が前記範囲の場合は、置換元素がMn、Alのいずれであっても良好な容量維持率が得られることが分かる。
(実施例304〜306)
前記表15の場合と同様に第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率と第2、第3のリチウム化合物の組成を固定して、第3のリチウム化合物のNiの置換元素のみを変えてリチウムイオン二次電池を作製し、その容量維持率の変化を評価した。Niの置換元素はMg、Co、Liの3種類である。また各々の置換元素によるNiの置換量も0.1に固定した。これらの評価結果を実施例304〜306として表16に示す。表16での第3のリチウム化合物の組成は、LiNi0.9Mc0.12(McはMg,Co,Liのいずれか)である。各実施例や比較例のリチウムイオン二次電池の評価個数など、その他の条件は全て前記表15に示した各実施例や比較例の場合と同一である。
Figure 2010033924
表16の結果によれば、第3のリチウム化合物のNiをMg、Co、Liのいずれかの元素により0.1だけ置換した場合には、前記のMnもしくはAlによる場合と同様に、リチウムイオン二次電池の容量維持率は50%以上となる。よって従来の電池と比較して良好な急速充電特性が得られることが分かる。
(実施例307〜379、比較例281〜354)
前記表15、表16の場合と同様に、第1、第2、第3のリチウム化合物の混合比率と第1、第2のリチウム化合物の組成を固定した。そして第3のリチウム化合物のNiを複数種類の元素で置換するとともに、その置換比率を変えてリチウムイオン二次電池を作製し、容量維持率の変化を評価した。Niの置換元素はAl、Co、Mnであり、これらの中から選択した2種類もしくは3種類の元素によりNiを置換した。これらの評価結果を実施例307〜379および比較例281〜354として表17ないし表19に示す。表17〜19において、第3のリチウム化合物の組成はLiNi1-x(Al,Co,Mn)x2(xはAl,Co,Mnによる置換量の合計)である。各実施例や比較例のリチウムイオン二次電池の評価個数など、その他の条件は全て前記表15、表16に示した各実施例や比較例の場合と同一である。
Figure 2010033924
Figure 2010033924
Figure 2010033924
表17〜19では、AlとCo、AlとMn、およびCo、Al、Mn全ての元素の、各々の組み合わせによって第3のリチウム化合物のNiを置換した場合について、それぞれ評価を行っている。表17〜19によると、これらのうちのどのような組み合わせであっても、その置換量が0.3以下の場合にリチウムイオン二次電池の容量維持率が50%以上となり、従来の電池と比較して良好な急速充電特性が得られることが分かる。ただし、前記表15の比較例276に示されるように、Niの置換量が0(ゼロ)の場合にはこのような効果は生じない。
前記表1ないし表19に記載した一連の評価によって、以下のことが確認された。それぞれ結晶構造の安定化を図るために、LiMn24の組成のMnの一部を他の元素で置換した第1のリチウム化合物、LiFePO4の組成のFeの一部を他の元素で置換した第2のリチウム化合物、およびLiNiO2の組成のNiの一部を他の元素で置換した第3のリチウム化合物の三者を、特定の比率で混合して正極活物質となし、これらを用いてリチウムイオン二次電池をそれぞれ作製した。このようにして作製したリチウムイオン二次電池は、60℃、90日間の高温保持を行った後であっても、十分に大きな容量維持率を維持することが可能であった。
以上により、本発明に係るリチウムイオン二次電池は、ユーザによる長時間の使用の後でも十分な急速充電特性を維持できるものと考えられる。従って、本発明によれば、ユーザが実際に使用するための、高い信頼性を備えたリチウムイオン二次電池を提供することができる。また、上記説明は、本発明の実施の形態に係る場合の効果について説明するためのものであって、これによって特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは請求の範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
本発明のリチウムイオン二次電池の例の断面図。 表1〜4の実施例および比較例の各組成を三元図として表したもの。 表5〜8の実施例および比較例の各組成を三元図として表したもの。
符号の説明
11 正極活物質層
12 負極活物質層
13 正極集電体
14 負極集電体
15 セパレータ
16,17 外装ラミネート
18 正極タブ
19 負極タブ

Claims (4)

  1. 化学式がLiMn24の結晶構造を持つ酸化物であり、該酸化物に含有されるLi、Mnおよび添加元素Maのモル比率が、
    Li:Mn:Ma=1:2−x:x(0<x<2、MaはLi、B、Mg、Al、Co、Niから選択される1種以上)
    である組成の第1のリチウム化合物と、
    化学式がLiFePO4の結晶構造を持つ酸化物であり、該酸化物に含有されるLi、Feおよび添加元素Mbのモル比率が、
    Li:Fe:Mb=1:1−y:y(0<y<1、MbはMn、Mg、Ni、Coから選択される1種以上)
    である組成の第2のリチウム化合物と、
    化学式がLiNiO2の結晶構造を持つ酸化物であり、該酸化物に含有されるLi、Niおよび添加元素Mcのモル比率が、
    Li:Ni:Mc=1:1−z:z(0<z<1、McはLi、Mg、Mn、Al、Coから選択される1種以上)
    である組成の第3のリチウム化合物とからなる正極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極。
  2. 前記xが、0<x≦0.3であり、
    前記yが、0<y≦0.2であり、
    前記zが、0<z≦0.3であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  3. 前記正極活物質に含まれる、前記第1のリチウム化合物、前記第2のリチウム化合物、前記第3のリチウム化合物の含有量の割合をそれぞれa:b:c(a、b、cはそれぞれ重量比、a+b+c=100)としたとき、0<a≦90、0<b≦50、0<c≦50であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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