JP2010032683A - 着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物及びカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】色純度及び遮光性を向上させても、パターン形状の悪化や高精細化が可能な着色アルカリ現像型感光性組成物、ならびにそれを用いたカラーフィルタを提供することにある。
【解決手段】(イ)バインダー樹脂、(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物、(ハ)光重合開始剤、(ニ)色材、(ホ)溶剤からなる着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物において、(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物のエチレン性不飽和結合の当量が、80〜110の範囲であることを特徴とする着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物である。ここで、エチレン性不飽和結合当量(二重結合当量)は、エチレン性不飽和結合当量=(エチレン性不飽和結合を有する化合物の1分子の分子量)/(エチレン性不飽和結合を有する化合物1分子中に含まれるエチレン性二重結合の数)で定義される。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル、及びカラービデオカメラ等に使用されるカラーフィルタ、及び、このカラーフィルタに使用可能な感光性樹脂組成物に関する。
感光性樹脂組成物は、紫外線あるいは電子線等を照射することにより重合硬化させることができるので、例えば光硬化性インキ、感光性樹脂印刷版、プリント配線板、各種フォトレジスト、及びカラーフィルタ等の用途に使用されている。
近年、液晶表示装置において、さらなる軽量化、薄型化が求められており、カラーフィルタにおいては、十分な開口率で、十分な色純度及びコントラストを維持しつつ、微細なパターンを有する着色層及びブラックマトリクスを精度良くパターン加工し得る感光性樹脂組成物が望まれている。また、液晶表示装置のバックライトの輝度が向上し、液晶表示装置の額縁部からバックライトの光が漏れるという課題がある。ブラックマトリクスとしては、そのような光漏れを防ぐべく、遮光性向上が求められている。
カラーフィルタの微細パターンを形成する方法として、感光性樹脂組成物を用いることが知られている。感光性組樹脂成物を用いた微細パターン形成方法としては、感光性樹脂組成物をガラス基板などの支持体に塗布し、露光、現像し、パターン形成を行う方法が普及している。この場合、現像工程でパターンを形成させるため、現像液としては主にアルカリ性のものが多く、感光性組成物はアルカリ現像液などに可溶である必要がある。
このような着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物として、特許文献1には、モノマーおよび/または感光性樹脂と顔料と特定の顔料分散剤とを含有する、耐熱性および耐光性に優れ色純度の高いカラーフィルタ用感光性着色組成物が開示されている。また、特許文献2には、緑色画素部にハロゲン化金属フタロシアニンと黄色顔料を含有した、色純度と色濃度が高く透明性に優れたカラーフィルタ用顔料分散組成物が開示されている。
また、遮光性向上の観点で、特許文献3には、互いにアグリゲート径の異なる2種以上のカーボンブラックを含有した、高い光学濃度(Optical Density=OD値)を与え、現像特性の優れたカーボンブラック含有樹脂組成物に用いるカラーフィルタ用カーボンブラック分散液が提案されている。更にまた、特許文献4には、薄膜でもOD値が高く、ニュートラルな透過光および反射光を有する樹脂ブラックマトリクスを与える、2種類以上の遮光材と1種類以上の樹脂を必須成分として含有する黒色被膜組成物が開示されている。しかしながら、これまで、高色純度化、高遮光性の検討では顔料種等の検討はされているが、組成物の観点での検討は少ない。
近年、液晶ディスプレイは輝度が向上しているため、カラーフィルタとしても色純度及び遮光性の向上が求められている。カラーフィルタの色純度及び遮光性向上は着色剤濃度を上げることで達成できるが、上記した、従来公知の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物では、着色剤の濃度を上げると、画素のパターン形状がオーバーハングと呼ばれる逆テーパー形状となり、形状が著しく悪化し、次工程での塗工ムラが発生し、その結果、品質や歩留まりの低下を招いていた。また着色剤濃度を上げずに膜厚を厚くすることによっても色純度及び遮光性を向上することは可能だが、赤、緑、青のパターン形成後、研磨や保護膜等、平坦化工程が必要となり、コストアップの原因となっていた。
特開平2001−51112号公報 特開平2003−161828号公報 特開2004−251946号公報 特開2005−75965号公報
色純度及び遮光性を向上させた着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物において、露光・現像工程を経てパターン形成させる場合に、パターン形状の悪化や高精細化が困難であるということがある。本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、色純度及び遮光性を向上させても、パターン形状の悪化や高精細化が可能な着色アルカリ現像型感光性組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物に含まれるエチレン性不飽和結合を有する化合物のエチレン性不飽和結合の当量に着目し、鋭意研究開発を行った。その結果、エチレン性不飽和結合を有する化合物のエチレン性不飽和結合の当量が一定の範囲内であれば、パターン形状や高精細なパターン形成できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の請求項1に係る発明は、(イ)バインダー樹脂、(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物、(ハ)光重合開始剤、(ニ)色材、(ホ)溶剤からなる着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物において、(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物のエチレン性不飽和結合の当量が、80〜110の範囲であることを特徴とする着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物である。ここで、エチレン性不飽和結合当量(二重結合当量)は、エチレン性不飽和結合当量=(エチレン性不飽和結合を有する化合物の1分子の分子量)/(エチレン性不飽和結合を有する化合物1分子中に含まれるエチレン性二重結合の数)で定義される。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物1分子中のエチレン性不飽和二重結合の数が、2〜4であることを特徴とする請求項1に記載する着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記(イ)バインダー樹脂が、エポキシ樹脂と不飽和基含有カルボン酸との反応でできるエポキシアクリレートに、多塩基酸カルボン酸又はその無水物を反応させて得られた化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載する着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記(ニ)色材が、カーボンブラック顔料であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載する着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物である。
次に、本発明の請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載する着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物を用い、透明基板上にパターン形成して作製したブラックマトリクスの膜厚1μm相当の光学濃度(OD値)が、2.0〜4.5の範囲であることを特徴とするカラーフィルタである。
本発明の着色アルカリ現像型感光性組成物は、エチレン性不飽和結合を有する化合物のエチレン性不飽和結合の当量が、80〜110の範囲であり、また、エチレン性不飽和結合を有する化合物1分子中のエチレン性不飽和二重結合の数が、2〜4であることで、該組成物を透明基板上に塗布、乾燥、露光、現像工程により形成するカラーフィルタ用ブラックマトリクスを、高い密着性で、かつ、良好な断面形状にて提供できる。また、本発明の着色アルカリ現像型感光性組成物は、エポキシ樹脂と不飽和基含有カルボン酸との反応でできるエポキシアクリレートに、多塩基酸カルボン酸又はその無水物を反応させて得られた化合物からなる特定のバインダー樹脂を用いることで、パターン形成し作製することで高い遮光性と、高い密着性・良好な断面形状を兼ね備えたブラックマトリクスを構成要素とするカラーフィルタを提供することが可能となる。
本発明の着色アルカリ現像型感光性組成物、及びこれを用いたカラーフィルタを、一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。まず、着色アルカリ現像型感光性組成物を構成する材料から説明する。
本発明に適用される、(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物の例として、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類があげられる。また、不飽和二重結合を有する化合物の少なくとも一部が、エチレン性不飽和結合の当量が80〜110の範囲である多官能アクリレート及び/又は多官能メタクリレートの(メタ)アクリル酸エステル類があげられる。エチレン性不飽和結合の当量が80〜110以外の範囲の多官能アクリレート及び/又は多官能メタクリレートを使用する場合は、エチレン性不飽和結合の当量が80〜110の範囲内の多官能アクリレート及び/又は多官能メタクリレートを併用する。更に、エチレン性不飽和結合の当量が80〜110の範囲内の多官能アクリレート及び/又は多官能メタクリレートを使用する場合は、単独、及び二種類以上を混合して使用しても良い。
ここで、(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物のエチレン性不飽和結合の当量が80未満である場合は、着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物中のエチレン性不飽和結合量が多くなり、露光工程にて露光され塗膜が硬化される場合に、膜表面の硬化が進む為、形状としては、逆テーパーになり易い。また、当量が110を超える場合は、着色アルカリ現像方感光性樹脂組成物中のエチレン性不飽和結合の量が少なく、膜硬化性が低下し、耐薬品性などを悪くする。
(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物1分子中のエチレン性不飽和二重結合の数は、2〜4であることが好ましい。二重結合の数が2個未満では、化合物の分子量が小さくなり、現像密着性が低下する。一方、二重結合が4個を超えると、硬化性が向上することにより、残膜率が高くなり、見かけのOD値が低下する。さらに、現像性が低下することにより、パターンのエッジ部分の形状が悪化する。
本発明において適用される(イ)バインダー樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸
グリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の通常の光重合可能な樹脂や、フルオレン骨格を有するエポキシ等カルド樹脂)フルオレン樹脂)も使用できる。
(ハ)光重合開始剤としては、例えば、オキシム系化合物、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフエノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、例えば2−クロロベンゾフェノン、p,p−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ペンゾイン、ペンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のペンゾインエーテル類、例えばベンジルジメチルケタール、テオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2-イソプロピルチオキサンソン等の硫黄化合物、例えば2−エチルアントラキノンオクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、例えば2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン類、例えばアゾピスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、例えば2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトペンゾオキサゾール、2−メルカプトペンゾチアゾール等のチオール化合物等が挙げられ、これらを単独で、または、2種以上混合して使用することができる。
また、単独では光重合開始剤として機能しないが、上記化合物と組合せて使用することで光重合開始剤の能力を増大させる化合物を、必要に応じて添加することができる。そのような化合物として、例えばベンゾフェノンと組合せて使用すると効果のあるトリエタノールアミン等の3級アミンを挙げることができる。
(ニ)色材としては、カーボンブラック顔料が最適である。カーボンブラック顔料としては具体的には、三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラック339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLR。キャンカーブ社製のカーボンブラックサーマックスN990、N991、N907、N908、N990、N991、N908。旭カーボン社製のカーボンブラック旭#80、旭#70、旭#70L、旭F−200、旭#66、旭#66HN、旭#60H、旭#60U、旭#60、旭#55、旭#50H、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル、デグサ社製のカーボンブラックColorBlack Fw200、ColorBlack Fw2、ColorBlack Fw2V、ColorBlack Fw1、ColorBlack Fw18、ColorBlack S170、ColorBlack S160、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、PrintexU、PrintexV、Printex140U、Printex140V等が挙げられる。
また、(ニ)色材として、有機顔料を用いることができる。その具体例をカラーインデックス<C.I.>ナンバーで示す。これらの有機顔料については、混合して使用してもよい。
・Pigment Blue:<C.I>1、1:2、1:x、9:x、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、24、24:x、56、60、61、62
・Pigment Green:<C.I>1、1:x、2、2:x、4、7、10、36
・Pigment Orange:<C.I>2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、59、60、61、62、64・Pigment Red:<C.I>1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52 :1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:3、81:x、83、88、90、112、119、122、123、144、146、149、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、224、226、254
・Pigment Violet:<C.I>1、1:x、3、3:3、3:x、5:1、19、23、27、32、42
・Pigment Yellow:<C.I>1、3、12、13、14、16、17、24、55、60、65、73、74、81、83、93、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、116、117、119、120、126、127、128、129、138、139、150、151、152、153、154、156、175
これらの顔料はそのままの状態では顔料同士が凝集しているため、分散処理が必要である。顔料に分散剤及び溶剤を加えてミルベースをつくり、それをボールミル、サンドミル、ビーズミル、3本ロール、ペイントシェーカー、超音波、バブルホモジナイザーなどの方法により分散することができる。これらの処理方法は2つ以上組み合わせることも可能である。分散剤には樹脂あるいは公知の分散剤が使用可能である。
本発明の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物において、カーボンブラック顔料の含有量としては、着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物の全固形分中の25質量%〜55質量%の範囲で使用することが良い。含有量が25質量%未満では、ブラックマトリクスとしての光学濃度(OD値)が小さくなり、パネル化した際に光漏れなどが発生し、パネルコントラストを低減させる。また、55質量%を超えると、着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物中の(イ)バインダー樹脂、(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物、(ハ)光重合開始剤などの量が少なくなるため、感光性樹脂組成物としての機能が低下してしまう。
本発明の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物には、基板上への均一な塗布を可能とするために、(ホ)溶剤が配合される。また、溶剤は、顔料を均一に分散させる機能も有する。溶剤としては、メタノール、エタノール、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、ジグライム、シクロヘキサノン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸イソアミル、酢酸nアミル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、液体ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エステル、及びエチルエトキシプロピオネートなどが挙げられ、これらを単独で、あるいは2種以上混合して使用することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種の添加剤等を配合することができる。
以下に、フォトリソグラフィー法を用いて、本発明の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物を適用したカラーフィルタの製造方法の一例を説明する。
図1は、本発明のカラーフィルタの一例を断面で説明する概略図である。基本的に、例えばガラス等の透明基板1上に、画素領域と画素領域の境界に位置する画素間部位にはブラックマトリクス2が設けられ、画素領域のそれぞれには、通常光の三原色に相当する赤色(R)3,緑色(G)4,青色(B)5の三色の着色画素を配列している。
透明基板としてはアルミノホウケイ酸ガラス等ガラス基板が好ましく使用されるが、その他の基板としては、シリコン基板、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、芳香族ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板等の、可視光線の透過性があり、表面が平坦な基板などを用いてもよい。
まず、色材にカーボンブラックを用いた着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物を調製し、例えば、スピンコート法等で透明基板上に塗布した後、減圧乾燥して溶剤などの揮発成分を除去し、必要に応じて加熱、たとえば100℃で3分間加熱して(プリベーク)、ブラックマトリクス層を形成する。次いで、冷却後、このブラックマトリクス層に所定のパターンのフォトマスクを介して、光源として例えば超高圧水銀ランプを用いて活性エネルギー線を照射し露光する。
その後、未露光部を、アルカリ現像液、例えば、2.5%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、よく水洗し、更に水洗乾燥する。現像後、例えば230℃で60分間加熱処理を行い、本硬化(ポストベーク)する。
ここで、形成されたブラックマトリクスの光学濃度(OD値)は2.0〜4.5の範囲で使用することが好ましい。2.0以下では、パネル化した際にバックライトの光が漏れる。また4.5以上では十分な遮光性は得られるが、顔料濃度が高くなり微細パターンを形成する際のマージンが狭くなる問題がある。
また、カラーフィルタの平坦性を良好化させる手段として、形成されたブラックマトリクスと着色層との重畳された部分の段差を低減させることが必要である。ブラックマトリクスの形状としては、パターン形状の傾斜部の形状がテーパー状になることが最適である。具体的には、テーパー角度が65°以下になることが好ましい。
次いで、色材に各着色画素に対応した有機顔料を用いた着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物を調製する。まず、予めブラックマトリクスパターンが形成された透明基板上に、
赤色感光性樹脂を、スピンコート法等で塗布した後、減圧乾燥して溶剤などの揮発成分を除去し、必要に応じて加熱、たとえば100℃で3分間加熱して(プリベーク)、赤色感光性樹脂層を形成する。次いで、冷却後、この赤色感光性樹脂層に所定のパターンのフォトマスクを介して、光源として例えば超高圧水銀ランプを用いて活性エネルギー線を照射し露光する。
その後、未露光部を、アルカリ現像液、例えば、2.5%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、よく水洗し、更に水洗乾燥する。現像後、例えば230℃で60分間加熱処理を行い、本硬化(ポストベーク)する。これを所望の色数の画素部が形成されるまで繰り返して着色層のパターン加工を行うことにより、例えば緑色感光性樹脂組成物を用いてパターン加工された緑色着色層を、青色感光性樹脂組成物を用いてパターン加工された青色着色層を得る。このようにして、本発明のカラーフィルタを得ることができる。
ここで、ブラックマトリクスと着色層との重畳幅が2.0〜6.0μmの範囲内であることが望ましい。2.0μm未満の重畳幅であると、露光機のアライメント精度からブラックマトリクスと着色層の重畳するところがない、即ちブラックマトリクスと着色層の間に白抜けが発生する可能性がある。また、6.0μmを超えると、ブラックマトリクスと着色層の重畳で生じる段差が高くなり、カラーフィルタとしての平坦性を維持することができなくなる。
本発明の着色アルカリ現像型感光性組成物の塗布方法としては、例えばスプレーコート法、スピンコート法、ロールコート法、及びカーテンコート法等の公知の方法を使用することができる。
露光に用いられる活性光の光源としては、紫外線電子線等波長300〜450nmの光を用いることができ、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等から照射される光を用いることができる。
アルカリ現像液のアルカリ成分としては、例えば水酸化ナトリウム、及び炭酸ナトリウム等を使用することができる。また、この現像液には必要に応じて、消泡剤や界面活性剤を添加することができる。
以下に、本発明の具体的実施例、および本発明の比較例につて説明する。
フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分濃度:56.1質量%、新日鐵化学(株)社製 V259 ME)22.9gに対し、エチレン性不飽和結合を有する化合物として、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート9.43g、光重合開始剤として、ベンゾフェノン0.38g、溶剤として、シクロヘキサノン28.8g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート36g、添加剤にアデカポリエーテルG−400(商品名、(株)ADEKA社製)を1.0g加え、感光性樹脂組成物を得た。さらに、遮光剤としてカーボンブラック分散液(御国色素社製 EX−2806)22.9gを加えてよく撹拌し、顔料濃度41質量%である黒色の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物100gを得た。
得られた上記着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物について、以下の手順で評価を行った。0.6mm厚のガラス基板上に、上記アルカリ現像性感光性樹脂組成物をスピンコート(500r.p.m、50秒間)し減圧乾燥させた。100℃で3分間プリベークを行った後冷却し、所定のマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて露光後、2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液に25℃で30秒間浸漬して現像し、良く水洗した。水洗乾燥後、230℃で1時間ベークしてブラックマトリクス(線幅30μm、厚み1.1μm)を形成した。
得られたブラックマトリクスパターンについて、以下のOD値、感度、現像密着性、断面形状の評価を行った。その結果を表1に示す。なお、実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた着色アルカリ現像型感光性組成物については、全て同じ手順で評価を行った。また、その結果を表1に示す。
Figure 2010032683
<OD値>
本発明のブラックマトリクスの遮光性の指標となる光学濃度(OD値)については、マクベスD―200IIを用いて測定を行った。得られたOD値を、加熱処理後の塗膜の厚み(上記実施例1では1.1μm)で割り、1μmあたりのOD値を算出した。表1に示した光学濃度は、この1μm膜厚相当の光学濃度(OD値)である。
<感度>
露光時に、露光量が100mJ/cm2で十分だったものをa、100mJ/cm2では不十分で、200mJ/cm2で露光したものをbとした。
<現像密着性>
加熱処理後の塗膜を2.5重量%炭酸ナトリウム溶液に25℃で浸漬して現像し、浸漬後の外観を光学顕微鏡により評価した。現像は過剰に行い、塗膜が現像され始める時間から、40秒長い時間で評価した。外観変化もなくレジストの剥離も全くなかったものを○、レジストの浮きが見られる、あるいは、レジストの剥離が認められたものを×とした。
<断面形状>
形成したブラックマトリクスパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡(SEM)(日立製S−4500)を用いて観察した。ブラックマトリクスのテーパー角度を計測し、65°以下となるものを順テーパー形状で○、65°以上となるものを×として評価した。
フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分濃度:56.1質量%、新日鐵化学(株)社製 V259 ME)26.5gに対し、エチレン性不飽和結合を有する化合物として、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート1.15g、光重合開始剤として、ベンゾフェノン0.38g、溶剤として、シクロヘキサノン28.8g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート36g、添加剤にアデカポリエーテルG−400(商品名、(株)ADEKA社製)を1.0g加え、感光性樹脂組成物を得た。さらに、遮光剤としてカーボンブラック分散液(御国色素社製 TPBK−234C)26.45gを加えてよく撹拌し、顔料濃度52質量%である黒色の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物100gを得た。
フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分濃度:56.1質量%、新日鐵化学(株)社製 V259 ME)23.2gに対し、エチレン性不飽和結合を有する化合物として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート1.30g、光重合開始剤として、ベンゾフェノン0.25g、溶剤として、シクロヘキサノン28.8g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート36g、添加剤にアデカポリエーテルG−400(商品名、(株)ADEKA社製)を1.0g加え、感光性樹脂組成物を得た。さらに、遮光剤としてカーボンブラック分散液(御国色素社製 TPBK−234C)23.2gを加えてよく撹拌し、顔料濃度42質量%である黒色の着色アルカリ現像型感光性組成物100gを得た。
フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分濃度:56.1質量%、新日鐵化学(株)社製 V259 ME)23.2gに対し、エチレン性不飽和結合を有する化合物として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート1.49g、光重合開始剤として、ベンゾフェノン0.13g、溶剤として、シクロヘキサノン28.8g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート36g、添加剤にアデカポリエーテルG−400(商品名、(株)ADEKA社製)を1.0g加え、感光性樹脂組成物を得た。さらに、遮光剤としてカーボンブラック分散液(御国色素社製 TPBK−234C)16.48gを加えてよく撹拌し、顔料濃度26質量%である黒色の着色アルカリ現像型感光性組成物100gを得た。
<比較例1>
メタクリル酸とベンジルメタクリレートの共重合体(樹脂固形分濃度:20質量%)30.2gに対し、エチレン性不飽和結合を有する化合物として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.25g、光重合開始剤として、ベンゾフェノン0.25g、溶剤として、シクロヘキサノン22.2g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート30.1g、添加剤にアデカポリエーテルG−400(商品名、(株)ADEKA社製)を1.0g加え、感光性樹脂組成物を得た。さらに、遮光剤としてカーボンブラック分散液(御国色素社製 EX−2806)15.0gを加えてよく撹拌し、顔料濃度30質量%である黒色の着色アルカリ現像型感光性組成物100gを得た。
<比較例2>
フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分濃度:56.1質量%、新日鐵化学(株)社製 V259 ME)8.6gに対し、エチレン性不飽和結合を有する化合物として、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート1.8g、光重合開始剤として、ベンゾフェノン0.78g、溶剤として、シクロヘキサノン28.8g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート36g、添加剤にアデカポリエーテルG−400(商品名、(株)ADEKA社製)を1.0g加え、感光性樹脂組成物を得た。さらに、遮光剤としてカーボンブラック分散液(御国色素社製 EX−2806)23.0gを加えてよく撹拌し、顔料濃度40質量%である着色アルカリ現像型感光性組成物100gを得た。
<比較例3>
フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分濃度:56.1質量%、新日鐵化学(株)社製 V259 ME)8.15gに対し、エチレン性不飽和結合を有する化合物として、ノニルフェニルカルビトールアクリレート0.45g、光重合開始剤として、ベンゾフェノン1.20g、溶剤として、シクロヘキサノン22.0g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート31.0g、添加剤にアデカポリエーテルG−400(商品名、(株)ADEKA社製)1.0g加え、感光性樹脂組成物を得た。さらに、遮光剤としてカーボンブラック分散液(御国色素社製 TPBK−234C)36.2gを加えてよく撹拌し、顔料濃度55質量%である着色アルカリ現像型感光性組成物100gを得た。
<比較結果>
実施例1〜4の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物から形成されたブラックマトリクスは、表1に示した結果から、高感度で現像密着性に優れ、テーパー角度65°以下となる順テーパー形状となるものであった。また、得られた塗膜は、基板との密着性、耐アルカリ性に優れるものであった。それに対して、比較例1では、エチレン性不飽和結合を有する化合物中の二重結合数が4より大きいために、断面形状観察の結果、テーパー角度が85°となった。比較例2では、エチレン性不飽和結合を有する化合物中の二重結合当量が110以上であるため、感度が低く、現像密着性の低下が見られた。また、断面形状観察の結果、テーパー角度は74°となった。比較例3では、顔料濃度が高すぎるため、感度、現像密着性、形状が悪化した。
[カラーフィルタの作製]
次に、上述した実施例および比較例の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物から形成されたブラックマトリクスパターンを有するガラス基板に、下記の赤色着色樹脂組成物、緑色着色樹脂組成物及び青色着色樹脂組成物を用いて、カラーフィルタを作製した。実施例1の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物から形成されたブラックマトリクを用いた場合のカラーフィルタを実施例5〜6、比較例2の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物から形成されたブラックマトリクスを用いた場合を比較例4〜5とした。
下記の要領でカラーフィルタ作製に用いる着色樹脂組成物を調整した。
<赤色顔料分散体作製>
赤色顔料として、C.I. Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)18gとC.I. Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)2g、分散剤(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」)2g、変性エポキシ樹脂溶液(A−1)108gの混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料の分散体を作製した。
<赤色着色樹脂組成物作製>
その後、上記赤色顔料分散体130g、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学(株)製「NKエステルATMPT」)13g、光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)3g、増感剤(保土ヶ谷化学工業(株)製「EAB―F」)1g、溶剤としてシクロヘキサノン253gの混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色樹脂組成物を得た。
<緑色顔料分散体作製>
緑色顔料として、C.I. Pigment Green 36(東洋インキ製造(株)製「リオノールグリーン 6YK」)16g、黄色顔料C.I. Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」)8g、分散剤(ビックケミー社製「Disperbyk−163」)2g、変性エポキシ樹脂溶液(A−1)100部の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して緑色顔料の分散体を作製した。
<緑色着色樹脂組成物作製>
その後、上記緑色顔料分散体128g、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中
村化学(株)製「NKエステルATMPT」)14部 、光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)4g、増感剤(保土ヶ谷化学工業(株)製「EAB―F」)2g、シクロヘキサノン257gの混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して緑色着色樹脂組成物を得た。
<青色顔料分散体作製>
青色顔料として、C.I. Pigment Blue 15(東洋インキ製造(株)製「リオノールブルーES」)50g、紫色顔料としてC.I. Pigment Violet 23(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)2g、分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」)6g、変性エポキシ樹脂溶液(A−1)200gの混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して青色顔料の分散体を作製した。
<青色着色樹脂組成物作製>
上記青色顔料分散体268g、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学(株)製「NKエステルATMPT」)19g、光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)4g、増感剤(保土ヶ谷化学工業(株)製「EAB−F」)2g、溶剤として、シクロヘキサノン214の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して青色着色樹脂組成物を得た。
得られた赤色着色樹脂組成物、緑色着色樹脂組成物及び青色着色樹脂組成物を用いて下記の要領でカラーフィルタを作製した。
予め、実施例1及び比較例1の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物から形成されたブラックマトリクを用いてストライプ状のブラックマトリクスを形成したガラス基板を準備した。そのガラス基板に、まず、赤色着色樹脂組成物をスピンコートにより塗布膜厚2μmとなるように塗布した。乾燥の後、露光機にてストライプ状のパターン露光をし、アルカリ現像液として2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液にて90秒間現像後よく水洗した。続いて210℃のオーブンで30分間ポストベークを行い、ストライプ状の着色層である赤色画素を透明基板上に形成した。次に、緑色着色樹脂組成物も同様にスピンコートにて膜厚が2μmとなるように塗布し、乾燥後、露光機にてストライプ状の着色層を前述の赤色画素とはずらした場所に露光し現像後ポストベークすることで、前述赤色画素と隣接した緑色画素を形成した。さらに、赤色、緑色と全く同様にして、青色着色樹脂組成物についても膜厚2μmで赤色画素、緑色画素と隣接した青色画素を形成した。これで、透明基板上に赤、緑、青の3色のストライプ状の画素を持つカラーフィルタが得られた。
ここで、ブラックマトリクスの材料が実施例1の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物で、ブラックマトリクスと各着色層との重畳幅が3.0μmのものを実施例5、重畳幅が2.7μmのものを実施例6とした。同様に、ブラックマトリクスの材料が比較例1の着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物で、ブラックマトリクスと各着色層との重畳幅が1.8μmのものを比較例4、重畳幅が6.5μmのものを比較例5とした。
実施例5〜6、および比較例4〜5のカラーフィルタについて、ブラックマトリクスと着色層との重畳幅、及び着色層との重畳された部分の段差、白抜けの評価結果を表2に示した。ツノ段差は、1μm以下となった場合を○、1μm以上となった場合を×とした。また、バックライトを当てたとき、ブラックマトリクスと着色層の間に光漏れ及び白抜けが確認できなかった場合を○、確認された場合を×とした。
Figure 2010032683
表2の結果に示すとおり、本発明のカラーフィルタの実施例5および実施例6では、ブ
ラックマトリクスの形状が安定しているため、ツノ段差が低く、また、ブラックマトリクスと着色層の間に光漏れ及び白抜けがなく良好であった。それに対して、比較例4では、ツノ段差は良好であったが、ブラックマトリクスのOD値が低く、かつ、ブラックマトリクスの断面形状が悪いため、ブラックマトリクスと着色層との重畳幅が1.8μmと小さくなると光漏れが発生した。また、比較例5では、重畳幅を6.5μmと大きくしたため光漏れや白抜けは無いが、ツノ段差が大きくなった。
本発明のカラーフィルタの一例を断面で説明する概略図。
符号の説明
1・・・透明基板 2・・・ブラックマトリクス
3・・・赤色着色層(赤色画素) 4・・・緑色着色層(緑色画素)
5・・・青色着色層(青色画素)

Claims (5)

  1. (イ)バインダー樹脂、(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物、(ハ)光重合開始剤、(ニ)色材、(ホ)溶剤からなる着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物において、(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物のエチレン性不飽和結合の当量が、80〜110の範囲であることを特徴とする着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物。
    ここで、エチレン性不飽和結合当量(二重結合当量)は、エチレン性不飽和結合当量=(エチレン性不飽和結合を有する化合物の1分子の分子量)/(エチレン性不飽和結合を有する化合物1分子中に含まれるエチレン性二重結合の数)で定義される。
  2. 前記(ロ)エチレン性不飽和結合を有する化合物1分子中のエチレン性不飽和二重結合の数が、2〜4であることを特徴とする請求項1に記載する着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  3. 前記(イ)バインダー樹脂が、エポキシ樹脂と不飽和基含有カルボン酸との反応でできるエポキシアクリレートに、多塩基酸カルボン酸又はその無水物を反応させて得られた化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載する着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  4. 前記(ニ)色材が、カーボンブラック顔料であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載する着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載する着色アルカリ現像型感光性樹脂組成物を用い、透明基板上にパターン形成して作製したブラックマトリクスの膜厚1μm相当の光学濃度(OD値)が、2.0〜4.5の範囲であることを特徴とするカラーフィルタ。
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