JP2010029102A - α1,3−フコシルトランスフェラーゼ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 α1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制する方法であって、鱗翅目においてα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制するDNAを細胞内に導入する工程と、当該細胞内で前記DNAを発現させる工程とを有する方法。
【選択図】 なし
Description
〔2〕〔1〕のDNAにおいて、前記DNAは、カイコのα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするものである。
〔3〕〔1〕のDNAであって、以下(a)〜(d)のいずれかに記載のDNA;
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(b)配列番号:2に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA、
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA、
(d)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA。
〔4〕ナス目のα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
〔5〕〔4〕のDNAにおいて、前記DNAは、トマトのα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするものである。
〔6〕〔4〕のDNAであって、以下(e)〜(h)のいずれかに記載のDNA;
(e)配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(f)配列番号:4に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA、
(g)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA、
(h)配列番号:4に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA。
〔7〕鱗翅目においてα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制する、以下(i)〜(iii)のいずれかに記載のDNA;
(i)〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のDNAの転写産物と相補的なRNAをコードするDNA、
(ii)〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA、
(iii)〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のDNAの転写産物を特異的に切断するRNAi活性を有するRNAをコードするDNA。
〔8〕ナス目においてα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制する、以下(iv)〜(vi)のいずれかに記載のDNA;
(iv)〔4〕〜〔6〕のいずれか記載のDNAの転写産物と相補的なRNAをコードするDNA、
(v)〔4〕〜〔6〕のいずれか記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA、
(vi)〔4〕〜〔6〕のいずれか記載のDNAの転写産物を特異的に切断するRNAi活性を有するRNAをコードするDNA。
〔9〕〔7〕または〔8〕のいずれか記載のDNAを含む組換えベクター。
〔10〕〔9〕の組換えベクターにより形質転換された形質転換細胞。
〔11〕〔10〕の形質転換細胞から得られる形質転換体。
〔12〕〔11〕の形質転換体の子孫またはクローンである、形質転換体。
〔13〕〔11〕または〔12〕のいずれか記載の形質転換体の繁殖材料。
〔14〕〔11〕または〔12〕のいずれか記載の形質転換体の製造方法であって、〔7〕のDNAを鱗翅目由来の卵に導入する工程と、当該DNAが導入された卵から生じた動物体の中から、形質転換動物を選択する工程とを有する方法。
〔15〕〔11〕または〔12〕のいずれか記載の形質転換体の製造方法であって、〔8〕のDNAをナス目由来の細胞に導入する工程と、当該細胞を有する植物体から、形質転換植物を選択する工程とを有する方法。
〔16〕α1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制する方法であって、〔7〕または〔8〕のいずれか記載のDNAを細胞内に導入する工程と、当該細胞内で前記DNAを発現させる工程とを有する方法。
〔17〕〔7〕または〔8〕のいずれか記載のDNAを含む形質転換細胞または形質転換体に、目的のタンパク質をコードするDNAを含むベクターを導入し発現させて得られる組換えタンパク質。
〔18〕〔17〕のタンパク質を製造する方法であって、〔7〕または〔8〕のいずれか記載のDNAを含む形質転換細胞または形質転換体を培養する工程と、当該形質転換細胞または形質転換体若しくはそれらの培養上清から組換えタンパク質を回収する工程とを有する方法。
〔19〕〔7〕記載のDNAを含む形質転換細胞または形質転換体に、目的のタンパク質をコードするDNAを組み込んだバキュロウイルスを感染させて得られる組換えタンパク質。
〔20〕〔19〕のタンパク質を製造する方法であって、〔7〕記載のDNAを含む形質転換細胞または形質転換体に、目的のタンパク質をコードするDNAを組み込んだバキュロウイルスを感染させる工程と、当該形質転換細胞または形質転換体において発現した組換えタンパク質を回収する工程とを有する方法。
〔21〕〔7〕または〔8〕のいずれか記載のDNAを含む形質転換体と、目的のタンパク質をコードするDNAを含む形質転換体とを交配させて得られる動植物体から得られる組換えタンパク質。
〔22〕〔17〕、〔19〕、または〔21〕のいずれか記載のタンパク質と、薬学的に許容可能な担体とからなる薬学的組成物。
まず鱗翅目に係る本発明の実施形態を説明する。
本明細書において「α1,3−フコシルトランスフェラーゼ」とは、糖タンパク質のタンパク質部分の合成後、糖鎖付加の際に生じる還元末端アセチルグルコサミン残基にフコース残基を付加する酵素である。この酵素は、GDP−フコースを糖供与体として、糖タンパク質のアスパラギン結合型糖鎖の最もペプチド鎖に近いN−アセチルグルコサミンにα1,3−結合でフコースを連結させる機能を有する。
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(b)配列番号:2に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA、
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA、
(d)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA、
が含まれる。
本発明はまた、鱗翅目のα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制するDNAを提供する。このようなDNAには、具体的には、
(i)鱗翅目α1,3−フコシルトランスフェラーゼをコードするDNAの転写産物と相補的なRNAをコードするDNA、
(ii)鱗翅目α1,3−フコシルトランスフェラーゼをコードするDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA、
(iii)鱗翅目α1,3−フコシルトランスフェラーゼをコードするDNAの転写産物を特異的に切断するRNAi活性を有するRNAをコードするDNA、
が含まれる。
本発明はまた、(2)で説明した抑制用DNAを含む組換えベクターを提供する。
本発明はまた、(2)で説明した抑制用DNA若しくは(3)で説明した組換えベクターが導入された形質転換細胞、前記形質転換細胞から作り出された形質転換体、前記形質転換体の子孫若しくはクローンである形質転換体、これら形質転換体の繁殖材料、並びにこれら形質転換体を製造する方法を提供する。この方法は、具体的には、
(A1)抑制用DNAを鱗翅目由来の卵に導入する工程、
(A2)当該DNAが導入された卵から生じた動物体の中から、トランスジェニック動物を選択する工程
とからなる。
本発明はまた、(2)で説明した抑制用DNAを用いてα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制する方法を提供する。具体的には、この方法は、
(B1)抑制用DNAを細胞内に導入する工程、
(B2)当該細胞内で抑制用DNAを発現させる工程、
とからなる。
本発明はまた、ヒト型糖鎖を付加した組換えタンパク質を提供する。このタンパク質は、(4)で説明した形質転換細胞に、目的のタンパク質をコードするDNAを含むベクターを導入し発現させて得られるものである。また、このタンパク質は、(4)で説明した形質転換細胞に、目的のタンパク質をコードするDNAを組み込んだバキュロウイルスを感染させて得られるものであっても良い。更に、このタンパク質は、(4)で説明した形質転換体と、目的のタンパク質をコードするDNAを含む形質転換体とを交配させて得られる動物体若しくは植物体から得られる組換えタンパク質であっても良い。
(C1)抑制用DNAを含むベクターを含む形質転換細胞若しくは形質転換体に、目的のタンパク質をコードするDNAを組み込んだバキュロウイルスを感染させる工程、
(C2)当該細胞または形質転換体において発現した組換えタンパク質を回収する工程
とからなる。更に、この方法は、
(D1)(2)で説明した抑制用DNAを含むベクターを含む形質転換細胞を培養する工程、
(D2)当該細胞またはその培養上清から組換えタンパク質を回収する工程
とからなっても良い。
本発明はまた、(6)で説明した組換えタンパク質と薬学的に許容可能な担体とからなる薬学的組成物を提供する。この担体は、動物体内における送達に適したものであり、例えば界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、弛緩剤、懸濁剤、等張化剤、流動性促進剤等を含むが、これらに限定されるものではなく、その他常用の担体を適宜使用することができる。具体的には、乳糖、デンプン、マンニトール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、白糖、コーンスターチ等である。
独立行政法人 農業生物資源研究所のKAIKOBLASTデータベースを用い、相同性検索を行った。検索にはショウジョウバエ由来α−1,3−フコシルトランスフェラーゼAの活性モチーフを含むアミノ酸配列(Asp354−Met390)をソースとした。
(1)RNAi用のプラスミドpBac[UAS−A3i−SV40,3xP3egfp]の構築
P50系統のカイコのゲノムDNAをテンプレートとし、プライマーにA3 short2−RE(5'−GGGGTCTAGAGCTAGCCGGTCCGGGCCAACAGGTGAGCTCATCGATTCTGGACTATGCACTTCGTCTCTCGGCCGGTGGGCCGTTATCGACCGTTATCTG−3')とA3 short2r−ER(5'−GGGGTCTAGAGTCGACGGCCTACATGGCCACTAGTCTTCTCTCTGAAACAGAACAAAGTCATTCGTCAGATAACGGTCGATAACGGCCCACCGGCCGAGA−3')とを用いたPCRにより、カイコのアクチン3遺伝子の第1と第2エキソンの一部を含む第1イントロン領域を増幅した。得られたDNA断片をXba1で処理し、プラスミドpBlue(UAS)(Sakudoh et al.,Proc Natl Acad Sci USA 104,8941−8946,2007)のBln1サイトに挿入した(図4A)。得られたプラスミドを精製し、Xho1とBamH1とで処理することによってUASとA3イントロン、S40のポリAシグナルを含む領域を切り出し、プラスミドpBacMCS(Uchino et al.,J.Insect Biotechnol,Sericol.75,89−97,2006)の同じ制限酵素の認識配列部位に挿入した(図4A)。このプラスミドのEcoR1サイトにプラスミドpBac[3xP3−EGFP](Horn et al.,2000)をテンプレートとし、3xP3−EGFP.13U19−EcoRI(5'−ggggaattcGCTTCGGTTTATATGAGAC−3')と3xP3−EGFP.1352L21−EcoRI(5'−ggggaattcTGAGTTTGGACAAACCACAAC−3')とをプライマーとするPCRによって増幅した3xP3−EGFP断片をEcoR1で処理したものを挿入することによって、pBac[UAS−A3i−SV40,3xP3egfp]を作出した(図4B)。得られた各プラスミドの塩基配列はABI自動シークエンサーによって決定した。
実施例1.1でクローニングしたフコース転移酵素遺伝子を鋳型とし、以下のプライマーの組み合わせによるPCRで得られたDNA断片を、RNAi用のプラスミドpBac[UAS−A3i−SV40,3xP3egfp]に逆方向に挿入したベクターを作出した。
Fut1f(NheI):5'−gaGCTAGCTTAATGTTCATTCATTATTTTGTTATATATATTA−3'
Fut1r(CpoI):5'−aaaCGGaCGGATGTTTTATGTAATGACAGTTATGTTTT−3'
Fut2f(SpeI):5'−ggACTAGTATGTTTTATGTAATGACAGTTATGTTTT−3'
Fut2r(SfiI):5'−aaGGCCtacatGGCCTTAATGTTCATTCATTATTTTGTTATATATATTA−3'
Fut3f(NheI):5'−gaGCTAGCTTATTTAAACAAGCCCCATAAGAATCAATC−3'
Fut3r(CpoI):5'−aaaCGGaCCGTGGGGCTTGTTTAAATAATAAACATTTACC−3'
Fut4f(SpeI):5'−ggACTAGTTGGGGCTTGTTTAAATAATAAACATTTACC−3'
Fut4r(SfiI):5'−aaGGCCtacatGGCCTAAACAAGCCCCATAAGAATCAATC−3'
すなわち、pBac[UAS−A3i−SV40,3xP3egfp]のNheI−CpoI間およびSpeI−SfiI間に以下の表1のようにPCR増幅DNA断片を挿入し、転写産物がヘアピン構造をとるようなコンストラクトを3種類作出した(図5)。
実施例1.2で得たプラスミドを精製し、ヘルパープラスミドpHA3PIG(Tamura et al.,Nature Biotechnology 18,81−84,2000)と一緒に注射用の緩衝液(5mM KCl/0.5mMリン酸緩衝液pH7.0)に溶かし、各プラスミドDNAが200μg/mlになるように注射液を調製した。この液を産卵後8時間以内のw1−pnd系統のカイコの卵に注射した。その結果、3種類のコンストラクトのうち2種類についてはトランスジェニックカイコが得られた(表2)。このうち、フコース転移酵素の全長が逆方向に挿入されたものについて系統化を行った。その結果、3系統が作出された。これらの系統にカイコの細胞質アクチン遺伝子の上流をプロモーターとするGAL4系統(Tan et al.,Proc.Nati.Acad.Sci.USA 102,11751−711756,2005)を交配し、F1の卵を採種し5℃で保存した。卵を25℃に移した後、GFP及びDsRedの検出用のフィルターを装備した蛍光実体顕微鏡で胚を観察することによって、フコース転移酵素のヘアピンRNAとGAL4の遺伝子を持つ個体を選抜した。得られた個体を5令まで飼育し、RNAi用の幼虫としてNPVの感染に用いた。
(1)糖タンパク質の発現
糖タンパク質であるインフルエンザヘマグルチニン(HA)を発現する組換えバキュロウイルスを、既存の方法(J.Virol.Methods.98(1):1−8,2001)で作製した。5齢2日目の、α1,3−フコシルトランスフェラーゼ抑制トランスジェニックカイコ及び非トランスジェニックコントロールカイコに、PBSで100倍に希釈したHA発現バキュロウイルス(4.77×106PFU/ml)を50μlずつ注射した。各々にエサとして蚕用人工飼料を与え23℃で飼育をおこない、感染後5日後に、虫体を回収した。
感染回収カイコ(20頭)に、300mlの磨砕バッファー(40mlの500mM Tris pH8.0にEDTA・2Naを0.75g、ベンズアミジンを1.6g、過硫酸ナトリウムを0.5g加え、1000mlにメスアップしたもの)を加え、ホモジェネート及び超音波処理をおこなった。磨砕バッファーをさらに加え、液量を360mlとし、これに40mlの20% Triton X100を加え、室温で30分攪拌した。次に0.1%になるようにプロタミン硫酸を加え攪拌し、4℃で15分静置した。3,000rpmで15分遠心し、上清を濾紙でろ過し、HA抽出試料とした。
1.5.1 精製糖タンパク質からの糖鎖の切り出し
(1)脱塩したHAタンパク質を凍結乾燥し、完全に乾燥させた。
(8)各フラクションをよく攪拌した後、100μlをとり、100μlの5%フェノールとよく混ぜた後、400μlの濃硫酸と混合し、糖鎖が存在するフラクションを回収し、適量の1−ブタノールを加え、エバポレータで濃縮した後、更に凍結乾燥で濃縮した。
(1)凍結乾燥した試料にPA化試薬(2.76g/ml 2−アミノピリジン酢酸溶液)をサンプルが十分浸るように加え、90℃で1時間加熱した。
(1)精製した糖鎖をODSカラムによるHPLCで分画を行ない、さらに各フラクションについてアミドカラムによるHPLCで分画を行った。
Solvent A :0.02%TFA(trifluoroacetic acid)
Solvent B :20%acetonitrile/0.02%TFA
Gradient :0%→4%acetonitrile(5min→40min)
[0%→20%solvent B]
Flow rate :1.2ml/min
Analysis time:50min
Detection :fluorescence(Ex:310nm,Em:380nm)
Column temp.:30℃
Solvent A :80%acetonitrile
Solvent B :20%acetonitrile
Gradient :74%→50%acetonitrile(5min→25min)
[10%→50%solvent B]
Flow rate :0.7ml/min
Analysis time:40min
Detection :fluorescence(Ex:310nm,Em:380nm)
Column temp :30℃
1.5.4 MALDI−TOF−MSによる質量分析
(1)HPLCで分画したそれぞれのフラクションに含まれる糖鎖の質量分析をMALDI−TOF−MSを用いて行い、得られた分子量から糖鎖構造を推定した。なお、糖鎖の分子量は全てNa付加型と判断した。また、それぞれのフラクションごとに前述したODSカラムによるHPLCを行い、現れたピークを質量分析で推定された構造のスタンダード糖鎖のものと比較した。
(1)糖鎖構造をより正確に解析するために、非還元末端にN−アセチルグルコサミンを持つものはN−アセチルグルコサミニダーゼで、マンノースをもつものはα−D−マンノシダーゼで処理した後、アミドカラム又はODSカラムによるHPLCにより解析し、推定される酵素反応後の構造のスタンダード糖鎖と比較し、一致したものを糖鎖と同定した。
PA化した糖鎖をODSカラムにより10フラクションに分画し(図6)、各フラクションについてアミドカラムにより分画した(図7)。分取した各フラクションをMALDI−TOF−MSによる質量分析を行い、それぞれのフラクションに含まれる糖鎖構造を推定した(表3)。
PA化した糖鎖をODSカラムにより9フラクションに分画し(図8)、各フラクションについてアミドカラムにより分画した(図9)。分取した各フラクションを前項と同様の方法で解析し、糖鎖構造の同定(表5)と、糖鎖の種類ごとの存在率を算出した(表6)。
(1)dsRNAの作製
フコシルトランスフェラーゼ遺伝子の配列を大まかに6つに区切り、各々を増幅させるためのプライマーを設計した(図10)。これに加え、5'側にT7 RNAポリメラーゼプロモータ(TAATACGACTCACTATAGG)を付加させた物も同時に設計した。フコシルトランスフェラーゼをクローニングしたベクターをテンプレートにし、KOD plus(東洋紡)を用いて、PCRをおこなった。組成、反応条件は以下のように設定した。
組成
×10 Buffer 5μl
2mM dNTPs 5μl
25mM MgSO4 2μl
プライマーMix 3μl(各15pmol)
テンプレート 1μl(10ngベクター)
KOD+ 1μl
DW 33μl
計 50μl
反応条件
1、94℃ 2min
2、94℃ 15sec
3、45℃ 30sec
4、68℃ 30sec
30サイクル反応
20μlのdsRNAに、80μlのTC−100を加え希釈した。これに、TC−100で50倍希釈し、攪拌後5分静置したLipofectamine2000を各々100μl加え、混和後20分静置した。その後、800μlのTC−100を加えてdsRNA溶液とした。5.1×105cellのBmNを4日培養し、培地を捨て、TC−100で1回リンス後、dsRNA溶液を加え、27℃で培養を開始した。ネガティブコントロールとして、dsRNAを使用しない実験区も作製した。5時間後、培地をTC−100(FBS+)に交換し、トランスフェクションから44時間後に細胞を回収した。
回収した細胞からIsogen−LS(ニッポンジーン)を用いて、Total RNAを抽出した。方法は使用説明書に従った。抽出したRNAを42μlのDWで溶解し、これに3μlのCloned DNaseI(TaKaRa)及び5μlの添付10×Bufferを加え、37℃で30分反応させた。その後、フェノール・クロロホルム処理、イソプロ沈をおこない、乾燥後のRNAを50μlのDWで溶解した。これを1μl取り、iScript cDNA Synthesis Kit(BIO−RAD)のReaction Mixを8μl、酵素2μl加え、さらにDWにより総液量を40μlとした。25℃5分→42℃30分→85℃5分の反応をおこないcDNAを作製した。リアルタイムPCRには、iQ SYBR Green Supermix(BIO−RAD)を用いた。内部標準として、アクチンA3遺伝子を用い、これを増幅させるプライマー(TCACTGAGGCTCCCCTGAAC、TACAGCGAGAGCACGGCTTG)及びフコシルトランスフェラーゼ遺伝子を増幅させるプライマー(GCTTGTTGAAGAATTCCGTTCG、GGGCAGTTGTAATGCTTTTTGG)を実験に用いた。逆転写済みのサンプルをDWで10倍に希釈していき、100%〜0.01%(×1〜×10000)の希釈系列を作製した。1実験区当たり、40μlのSupermixと4μlの10pmol/μl プライマー、2μlのサンプルを加え、DWで総液量80μlとした。攪拌後、20μlずつ反応プレートに分注した。反応プレートをChromo4リアルタイムPCR解析システム(BIO−RAD)にセットし、以下の条件で反応及び蛍光測定をおこなった。
1、95℃ 3min
2、95℃ 15sec
3、60℃ 45sec
4、Read
50サイクル反応
次にナス目に係る本発明の実施形態を説明する。
本明細書において「α1,3−フコシルトランスフェラーゼ」とは、糖タンパク質のタンパク質部分の合成後、糖鎖付加の際に生じる還元末端アセチルグルコサミン残基にフコース残基を付加する酵素である。この酵素は、GDP−フコースを糖供与体として、糖タンパク質のアスパラギン結合型糖鎖の最もペプチド鎖に近いN−アセチルグルコサミンにα1,3−結合でフコースを連結させる機能を有する。
(e)配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(f)配列番号:4に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA、
(g)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA、
(h)配列番号:4に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA、
が含まれる。
本発明はまた、ナス目のα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制するDNAを提供する。このようなDNAには、具体的には、
(iv)ナス目α1,3−フコシルトランスフェラーゼをコードするDNAの転写産物と相補的なRNAをコードするDNA、
(v)ナス目α1,3−フコシルトランスフェラーゼをコードするDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA、
(vi)ナス目α1,3−フコシルトランスフェラーゼをコードするDNAの転写産物を特異的に切断するRNAi活性を有するRNAをコードするDNA、
が含まれる。
本発明はまた、(2)で説明した抑制用DNAを含む組換えベクターを提供する。
本発明はまた、(2)で説明した抑制用DNA若しくは(3)で説明した組換えベクターが導入された形質転換細胞、前記形質転換細胞から作り出された形質転換体、前記形質転換体の子孫若しくはクローンである形質転換体、これら形質転換体の繁殖材料、並びにこれら形質転換体を製造する方法を提供する。この方法は、具体的には、
(E1)抑制用DNAをナス目由来の細胞に導入する工程、
(E2)当該細胞を有する植物体から、形質転換植物を選択する工程
とからなる。
本発明はまた、(2)で説明した抑制用DNAを用いてα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制する方法を提供する。具体的には、この方法は、
(F1)抑制用DNAを細胞内に導入する工程、
(F2)当該細胞内で抑制用DNAを発現させる工程
とからなる。
本発明はまた、ヒト型糖鎖を付加した組換えタンパク質を提供する。このタンパク質は、(4)で説明した形質転換細胞に、目的のタンパク質をコードするDNAを含むベクターを導入し発現させて得られるものである。また、このタンパク質は、(4)で説明した形質転換体と、目的のタンパク質をコードするDNAを含む形質転換体とを交配させて得られる動物体若しくは植物体から得られる組換えタンパク質であっても良い。
(G1)(2)で説明した抑制用DNAを含むベクターを含む形質転換細胞を培養する工程、
(G2)当該細胞またはその培養上清から組換えタンパク質を回収する工程
とからなる。
本発明はまた、(6)で説明した組換えタンパク質と薬学的に許容可能な担体とからなる薬学的組成物を提供する。この担体は、動物体内における送達に適したものであり、例えば界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、弛緩剤、懸濁剤、等張化剤、流動性促進剤等を含むが、これらに限定されるものではなく、その他常用の担体を適宜使用することができる。具体的には、乳糖、デンプン、マンニトール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、白糖、コーンスターチ等である。
2.1.1 cDNA作製およびRACE(rapid amplification of cDNA ends)
トマト品種「タイムリー」(タキイ種苗)の自殖固定系統の本葉0.5gを液体窒素で凍らせ、乳鉢と乳棒により粉砕し、EASYPrep RNA(タカラバイオ)を用いてプロトコールに従い、全RNAの抽出を行った。このうち全RNA100ngをSMART RACE cDNA Amplification Kit(Clontech)へ供試し、添付のプロトコールに従い、cDNAを作製した。また、作製後のcDNAを鋳型として3'−RACE PCRおよび5'−RACE PCRを行った。
これら全ての反応にはTaKaRa PCR Thermal Cycler GP(タカラバイオ)を使用した。
Universal Promers A Mix :
Long5'−CTAATACGACTCACTATAGGGCAAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT−3'
Short5'−CTAATACGACTCACTATAGGGC−3'
yama1:5'−CCATGGGGCTGTGAGGAGTGGTT−3'
yama2:5'−AACCACTCCTCACAGCCCCATGG−3'
yama1およびyama2は、Lycopersicon pennelliiから単離された部分配列AW618836を参考に作製した。
RACE PCR産物のクローニングには、TOPO TA Cloning Kit(Invitrogen life technologies)を供試し、プロトコールに従いpCR2.1−TOPOベクターとPCR反応液を混合し、ライゲーション反応を行った。次に、同キットに付属の大腸菌TOP10(遺伝子型:F−mcrA Δ(mrr−hsdRMS−mcrBC)φ80lacZΔM15 ΔlacX74 recA1 araD139 Δ(ara−leu)7697 galU galK rpsL(StrR)endA1 nupG)を溶解し、クローニング反応液2μlを加え、5分間氷上で静置した後、42℃の温湯に40秒間浸漬し、大腸菌TOP10の形質転換処理を行った。キットに添付のSOC培地を500μl加え、37℃で1時間静置した後、直径9cm滅菌シャーレに分注したLB固形培地(50mg/lカナマイシン添加)の表面に塗布し、乾燥後37℃で16〜24時間培養した。培地上に形成されたシングルコロニーを爪楊枝で3ml LB液体培地(50mg/lカナマイシン添加)に移植し、37℃で16時間培養した。
LB液体培地で増殖させた大腸菌培養液を1.5ml遠心チューブに移し、卓上遠心機MTX−150(TOMY)を使い、15,000rpmで2回に分けて集菌した。その後Wizard Plus SV Miniprep(Promega)を供試して、プロトコールに従いプラスミドDNAの抽出を行った。
クローニングしたPCR産物の遺伝子配列については、BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems)を供試し、各プラスミドDNA1μgを鋳型にしてM13FWまたはM13RVをプライマーとして用い、プロトコールに従いサイクルシークエンス反応を行った。また、反応液をエタノール沈殿した後、10μlホルムアミドを加え、チューブを煮沸処理して、ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer(Applied Biosystems)またはABI PRISM 3130 Genetic Analyzer(Applied Biosystems)で遺伝子配列の決定を行った。
M13FW:5'−TGTAAAACGACGGCCAGT−3'
M13RV:5'−CAGGAAACAGCTATGACC−3'
トマトα1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子の全長をクローニングするため、5'−RACE PCRと3'−RACE PCRで得られた遺伝子配列から類推された読み枠(Open Reading Frame)の末端側にyama3、yama4、yama5、yama6の4種類のプライマーを作製し、1st PCRにはyama3とyama4を、2nd PCRにはyama5とyama6をそれぞれ供試した。
yama3:5'−GATACGCCAAAACCCCTCTCCAGTATCCT−3'
yama4:5'−GAACCACACAAAAACTACTATAGTCATAGC−3'
yama5:5'−CCAAGAAATTCAAGAATCCGCTTGTCTC−3'
yama6:5'−GCTAGAAACTTATATTCATGAGTATGGAAG−3'
Nested PCR産物のクローニングには、Zero Blunt TOPO PCR Cloning Kit(Invitrogen life technologies)を供試し、プロトコールに従いpCR−BluntII−TOPOベクターとPCR反応液を混合し、ライゲーション反応を行った。次に、同キットに付属の大腸菌TOP10(遺伝子型:F−mcrA Δ(mrr−hsdRMS−mcrBC)φ80lacZΔM15 ΔlacX74 recA1 araD139 Δ(ara−leu)7697 galU galK rpsL(StrR)endA1 nupG)を溶解し、クローニング反応液2μlを加え、5分間氷上で静置した後、42℃の温湯に40秒間浸漬し、大腸菌TOP10の形質転換処理を行った。キットに添付のSOC培地を500μl加え、37℃で1時間静置した後、直径9cm滅菌シャーレに分注したLB固形培地(50mg/lカナマイシン添加)の表面に塗布し、乾燥後37℃で16〜24時間培養した。培地上に形成された単一コロニーを爪楊枝で3ml LB液体培地(50mg/l カナマイシン添加)に移植し、37℃で16時間培養した。
2.1.3および2.1.4の項で前述のとおりプラスミドの抽出ならびにシークエンスを行い、α1,3−フコシルトランスフェラーゼ全長遺伝子のシークエンスを行った。トマトα1,3−フコシルトランスフェラーゼ全長遺伝子の配列を図12に示す。またその際、前述M13FWとM13RVの2種類のプライマーに加え、プライマーウォーキングにより作製したyama7、yama8、yama9およびyama10の4種類のプライマーを供試した。
yama7:5'−CAATCTTGTTAATTCTTGG−3'
yama8:5'−GATATCATGGCTCCAGTAC−3'
yama9:5'−CATCTGATGCCTTCAAAGC−3'
yama10:5'−CATTTTCGTATAGTTGAAG−3'
2.2.1 RNAi誘導ベクターの作製
トマトの内性α1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するために、トマトα1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子の逆方向反復塩基配列を有するRNAi誘導ベクターの作製を行った。
逆方向反復塩基配列の鋳型にはトマトα1,3−フコシルトランスフェラーゼ全長遺伝子を供試し、ATG500はyama11、yama12の両プライマーで、ATG600の断片はyama13、yama14の両プライマーでPCRにより増幅した。ポリメラーゼにはKOD−Plus−(TOYOBO)を0.2μl、20μMに調整したプライマーをそれぞれ1μlずつ、さらにポリメラーゼに添付されたバッファー、dNTPsを所定の濃度に調整し、最終的な反応液量を20μlとしてTaKaRa PCR Thermal Cycler GP(タカラバイオ)で反応を行った。PCRの反応条件はプリヒート96℃3分の後,96℃10秒−60℃30秒−68℃1分を30サイクルとした。
yama11:5'−GTCTAGACCAAGAAATTCAAGAATCCGCT−3'
yama12:5'−GGAATTCGAAATTGGTTCCAAACTTACAT−3'
yama13:5'−GGAATTCTGTTGTTCTCAGCATAGTATTG−3'
yama14:5'−GGAGCTCCCAAGAAATTCAAGAATCCGCT−3'
ATG600断片をEcoRIとXbaIで消化するとともに、pUC19(Accesion No.M77789)をEcoRIとXbaIで消化した後、両断片をDNA Ligation Kit(タカラバイオ)でプロトコールに従いライゲーションし、1.2の項と同様に大腸菌TOP10の形質転換を行った。また、LB固形培地(50mg/lアンピシリン添加)上に形成されたシングルコロニーを爪楊枝で3ml LB液体培地(50mg/lアンピシリン添加)に移植し、37℃で16時間培養した。
トマトの内性α1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子の逆方向反復塩基配列(約1100bp)と、pBI121(Accesion No.AF485783)のGUS遺伝子を置換することにより、トランスジェニック用RNAi誘導ベクター、pBI121−FucTRNAiの作製を行った(図13)。
植物へ目的の遺伝子断片を導入するため、Agrobacterium tumefaciens LBA4404株(Clontech)にpBI121−FucTRNAiを導入し、形質転換を行った。
2.3.1 トマトの無菌播種
トマト品種「タイムリー」(タキイ種苗)の自殖固定系統を供試し、不織布で作った袋(3cm×3cm)にトマト種子25粒を小分けし、ホッチキスでとめ、tween20を1滴添加した1%アンチホルミン50mlとともに滅菌済みプラントボックス(Wako)内で15分間滅菌処理を行った。その後、滅菌水100mlで3回洗浄し、袋から取り出した種子をプラントボックス(Wako)内に分注した30ml 1/2MS培地上に並べ、25℃16時間日長の培養室で9〜10日間静置した。
1/2MS培地:
2.2g/l MURASHIGE AND SKOOG BASAL MADIUM (SIGMA Cat.No.M5519)、
15g/l Sucrose、
0.8%Agar
pH5.8
無菌播種後9〜10日目の幼苗の子葉を約5mm角に切り分け、深さ2cm、直径9cmの滅菌シャーレに30ml程度分注したST−1培地上に裏返しで切片を置床した。蓋をパラフィルム(ハイテック)で固定し、25℃16時間日長の培養室で24時間静置した。
ST−1培地:
4.4g/l MURASHIGE AND SKOOG BASAL MADIUM (SIGMA Cat.No.M5519)、
30g/l Sucrose、
1mg/l trans−Zeatin
0.8%Agar
pH5.8
pBI121−FucTRNAiを導入したLBA4404の培養液をOD600=0.1に水またはLB培地で調整し、前培養したトマト切片を浸積した。その後、約2mlフィーダーセルを前培養で用いたST−1培地上に塗布し、その上から滅菌濾紙を置き、裏返しで切片を置床した。アルミホイルで包み、25℃暗黒下で3日間共存培養を行った。
フィーダーセル:タバコ懸濁細胞BY−2をTS−1培地で懸濁培養(約100rpm)し、1週間毎に新しいTS−1培地40mlに懸濁細胞0.5mlを加えて継代したもの。
TS−1培地:
4.4g/l MURASHIGE AND SKOOG BASAL MADIUM (SIGMA Cat.No.M5519)、
30g/l Sucrose、0.01mg/lチアミンHCl、1mg/lミオイノシトール、1.7mg/l KH2PO4、
0.2mg/l 2,4−D、pH5.8
200mg/lカルベニシリン、50mg/lカナマイシン添加ST−1培地上に共存培養後の切片を移植し、蓋をサージカルテープで固定し、25℃16時間日長の培養室で2週間静置した。
新しい200mg/lカルベニシリン、50mg/lカナマイシン添加ST−1培地上へ選抜培養した切片を移植し、25℃16時間日長の培養室で静置した。その後、培養中にカルスが形成され、シュートが伸長してきた切片をプラントボックスに50ml程度分注した100mg/lリラシリン、50mg/lカナマイシン添加MS培地上に移植した。
MS培地:
4.4g/l MURASHIGE AND SKOOG BASAL MADIUM (SIGMA Cat.No.M5519)、
30g/l Sucrose、0.8% Agar、pH5.8
カナマイシン添加培地中に発根したシュートが10cm程度まで伸長した場合、Edwardsら(1991)Nucleic Acids Research 19(6): 1349に従い全DNAを抽出し、PCRの鋳型とした。yama15とyama16を選抜マーカー検出用のプライマーとして供試し、ポリメラーゼにはTaKaRa EX Taq(タカラバイオ)を0.2μl、20μMに調整したプライマーをそれぞれ1μlずつ、さらにポリメラーゼに添付されたバッファー、dNTPsを所定の濃度に調整し、最終的な反応液量を20μlとしてTaKaRa PCR Thermal Cycler GP(タカラバイオ)で反応を行った。反応条件はプリヒート96℃3分の後,96℃10秒−60℃30秒−72℃1分を35サイクルとした。その後、1%アガロースゲル電気泳動の結果、約800bpのバンドが確認された株については、順化を行った。
yama15:5'−GGGATCCATGATTGAACAAGATG−3'
yama16:5'−GGGATCCTCAGAAGAACTCGTC−3'
PCRにより遺伝子の導入が確認されたシュートについては、組換え植物用温室内でバーミキュライトとニッピ園芸培土を入れた10.5 cmビニールポットに鉢上げし、半透明のケース内で湿度を徐々に下げて順化を行った。また、順化後、旺盛に成長する株については18cmビニールポットに移植した。
組換え植物用温室内で栽培した形質転換体22株からサンプリングを行い、2.1.1の項と同様に全RNAを抽出し、Cloned AMV First−Strand cDNA Synthesis kit(Invitrogen life technologies)を供試してcDNAを作製した。
yama17:5'−TGTTGTTCTCAGCATAGTATTG−3'
野生型トマト及び、形質転換体トマトのうちNo.1,9,14の葉、約40gを液体窒素で凍結させた後、乳鉢上で破砕し、その試料を融解後、4℃,12,000rpm,15分遠心した。上清に十分量の氷冷したアセトンを加え、氷中で静置後4℃,12,000rpm,20分遠心することで糖タンパク質(約500mg)を沈殿させた。得られたペレットを凍結乾燥後、十分量の無水ヒドラジン(Nacalai tesque)を加え混合し、100℃で10時間インキュベートすることで糖鎖の切り出しを行った。
1)Shimizu Y,Nakata M,Kuroda Y,Tsutsumi F,Kojima N,and Mizuochi T(2001)Rapid and simple preparation of N−linked oligosaccharides by cellulose−column chromatography Carbohydrate Research 332,381−388
2.6.1 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)解析
分析器はHITACHI FL Detector L−7480を持つHITACHI HPLCシステムを用いて分析を行った。逆相HPLC(RP−HPLC)解析の際、カラムはCosmosil 5C18−P(6×250mm;Nacalai tespue)カラムを用いた。逆相HPLCに用いたsolventおよび各時間におけるグラジエントを以下に示す。
solventA:0.02% Trifluoroacetic Acid
solventB:20% Acetenitorile/0.2% Trifluoroacetic Acid
Gradient:0→20→0% solventB(5→40→41min)
Flow rate:1.2ml/min
Detection:fluorescence(Ex;310nm,Em;380nm)
Column temp.:30℃
solventA:80% Acetenitorile
solventB:20% Acetenitorile
Gradient:10→50→10% solventB(5→25→26min)
Flow rate:0.7ml/min
Detection:fluorescence(Ex;310nm,Em;380nm)
Column temp.:30℃
MALDI−TOF MS分析はautoflex(BRUKER DALTONICS)を用いて行った。レーザー強度は1800〜2000mbarで使用した。また、データは3.0×e−7以下の真空下で得た。10mgの2,5−dihydroxybenzoic acid(Sigma)をdH2O:Acetonitrile=1:1の割合で混合した溶液に溶かしマトリックス試薬とし、dH2Oに溶解したPA化糖鎖と等量のマトリックス試薬を混合し、この内2μlをターゲットに置き室温で乾燥し結晶化させた後、Reflector mode分析を行った。
N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ(Diplococcus pneumoniae,Roche Diagnostics K.K.)消化は、50μlの酵素溶液(10pmolのPA化糖鎖、3mUのN−アセチル−β−グルコサミニダーゼを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0))を37℃で3日間インキュベートすることで行った。またα−マンノシダーゼ(jack bean,Sigma)消化は、50μlの酵素溶液(10pmolのPA化糖鎖、10μUのα−マンノシダーゼ、10mMの酢酸亜鉛を含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0))を37℃で3日間インキュベートすることで行った。各酵素反応は5分間煮沸することで停止させ、4℃,12,000rpm,5分間遠心後、上清をSF−HPLCに供した。さらに消化が確認されたPA化糖鎖はRP−HPLCに供し、酵素反応産物の溶出位置を既知PA化糖鎖(Takara)と比較し、各構造を決定した。
形質転換体No.1の葉の可溶性タンパク質の糖鎖構造を行った。形質転換体No.1の葉より分離し、PA化した糖鎖をODSカラムにより10フラクションに分画し(図15)、各フラクションについてアミドカラムにより分画した(図16)。分取した各フラクションをMALDI−TOF−MSによる質量分析を行い、それぞれのフラクションに含まれる糖鎖構造を推定した。なお、表中に記していないフラクション(1−a,1−b,1−c,2−d,3−1,3−2,3−3,3−a,3−b,4−c,5−a,5−b,5−d,5−e,5−f,5−g,6−d,7−a,7−b,7−d)にはMALDI−TOF−MSによるピークが存在しない、又は、考えられる糖鎖の分子量と一致していないために糖鎖が存在しないと判断した。質量分析結果から予想された糖鎖構造をもとに、ODSカラムを用いたHPLCによりスタンダード糖鎖とピークの位置を比較した。更に、非還元末端が、N−アセチルグルコサミンのものは、N−アセチルグルコサミニダーゼ(Diplococcus pneumomoae由来)により、マンノースのものはα−マンノシダーゼ(jack bean由来)で消化を行い、ODSカラム、アミドカラムによりピークの溶出位置をスタンダード糖鎖と比較し、ピークが一致したものを糖鎖として構造を同定した。2−b,2−c,8−aはM3X、5−cはGn2M3FX、6−aはM2FX、6−bはGnM3FX、7−c,8−bはGnM3X(A)、9−aはGn2M3X、10−bはGnM3X(B)を含むと判断した。また、Man3FucXylGclNAc2型糖鎖(M3FX)、Man3XylGclNAc2型糖鎖(M3X)、高マンノース型と考えられる糖鎖については、ODSカラム、アミドカラムの溶出位置について、対応する標準糖鎖と比較した[4−a(M3FX),4−d(M9),6−c(M6B),8−a(M3X)]。分子量から推定した糖鎖構造を持つ糖鎖のピークと一致しなかったフラクションには、N−結合型糖鎖が含まれていないものと判断した(2−e,4−b,7−e,8−b,10−a)。フラクションごとのアミドカラムを用いたHPLCによるピーク面積を基にして、糖鎖の構造ごとの存在率を算出した(図17)。
形質転換体No.9の葉の可溶性タンパク質の糖鎖構造を行った。形質転換体No.9の葉より分離し、PA化した糖鎖をODSカラムにより10フラクションに分画し(図15)、各フラクションについてアミドカラムにより分画した(図18)。分取した各フラクションをMALDI−TOF−MSによる質量分析を行い、それぞれのフラクションに含まれる糖鎖構造を推定した。なお、表中に記していないフラクション(1−a,1−b,1−c,1−d,1−e,2−d,2−f,3−1,3−2,3−c,3−d,4−b,4−c,4−d,4−e,5−a,5−b,5−e,5−f,5−g,6−b,6−f,7−a,7−d,8−c,9−b,9−c,10−a,10−c,10−d)にはMALDI−TOF−MSによるピークが存在しない、又は、考えられる糖鎖の分子量と一致していないために糖鎖が存在しないと判断した。質量分析結果から予想された糖鎖構造をもとに、ODSカラムを用いたHPLCによりスタンダード糖鎖とピークの位置を比較した。更に、上記同様に、N−アセチルグルコサミニダーゼ(Diplococcus pneumomoae由来)及びα−マンノシダーゼ(jack bean由来)で消化を行い、ODSカラム、アミドカラムによりピークの溶出位置をスタンダード糖鎖と比較し、ピークが一致したものを糖鎖として構造を同定した。5−cはGn2M3FX、6−aはM2FX、6−dはGnM3FX、9−aはGn2M3X、10−bはGnM3Xを含むと判断した。また、Man3FucXylGclNAc2型糖鎖(M3FX)、Man3XylGclNAc2型糖鎖(M3X)、高マンノース型と考えられる糖鎖については、ODSカラム、アミドカラムの溶出位置について、対応する標準糖鎖と比較した[2−a(M3X),2−b(M3X),4−a(M3FX),6−e(M6B),8−d(M5A)]。分子量から推定した糖鎖構造を持つ糖鎖のピークと一致しなかったフラクションには、N−結合型糖鎖が含まれていないものと判断した(2−e,2−f,3−a,3−b,5−d,6−c,7−b,7−c,7−e)。フラクションごとのアミドカラムを用いたHPLCによるピーク面積を基にして、糖鎖の構造ごとの存在率を算出した。(図17)
形質転換体No.1の葉の可溶性タンパク質の糖鎖構造を行った。形質転換体No.1の葉より分離し、PA化した糖鎖をODSカラムにより7フラクションに分画し(図15)、各フラクションについてアミドカラムにより分画した(図19)。分取した各フラクションをMALDI−TOF−MSによる質量分析を行い、それぞれのフラクションに含まれる糖鎖構造を推定した。なお、表中に記していないフラクション(1−a,1−d,2−c,3−b,4−1,4−d,4−e,5−a,5−b,5−e,5−f,5−g,6−e,6−f,7−a,7−e,7−f)にはMALDI−TOF−MSによるピークが存在しない、又は、考えられる糖鎖の分子量と一致していないために糖鎖が存在しないと判断した。質量分析結果から予想された糖鎖構造をもとに、ODSカラムを用いたHPLCによりスタンダード糖鎖とピークの位置を比較した。更に、上記同様に、N−アセチルグルコサミニダーゼ(Diplococcus pneumomoae由来)及びα−マンノシダーゼ(jack bean 由来)で消化を行い、ODSカラム、アミドカラムによりピークの溶出位置をスタンダード糖鎖と比較し、ピークが一致したものを糖鎖として構造を同定した。3−aはGnM3FX、5−cはGn2M3FX、6−bはM2FX、6−cはGnM3FX、7−bはM3Xを含むと判断した。また、Man3FucXylGclNAc2型糖鎖(M3FX)、高マンノース型と考えられる糖鎖については、ODSカラム、アミドカラムの溶出位置について、対応する標準糖鎖と比較した[3−c(M8A),4−a(M3FX),4−c(M7A),5−d(M7B),6−d(M6B),7−d(M5A)]。分子量から推定した糖鎖構造を持つ糖鎖のピークと一致しなかったフラクションには、N−結合型糖鎖が含まれていないものと判断した(1−b,1−c,2−a,2−b,2−d,4−b,6−a,7−c)。フラクションごとのアミドカラムを用いたHPLCによるピーク面積を基にして、糖鎖の構造ごとの存在率を算出した。(図17)
野生型トマトの葉の可溶性タンパク質の糖鎖構造を行った。野生型トマトの葉より分離し、PA化した糖鎖をODSカラムにより9フラクションに分画し(図15)、各フラクションについてアミドカラムにより分画した(図20)。分取した各フラクションをMALDI−TOF−MSによる質量分析を行い、それぞれのフラクションに含まれる糖鎖構造を推定した。なお、表中に記していないフラクション(1−a,1−b,1−c,2−a,3−a,3−c,4−c,4−d,5−b,5−d,5−e,5−f,5−g,6−c,6−d,6−e,7,8−a,8−c,8−d,9)にはMALDI−TOF−MSによるピークが存在しない、又は、考えられる糖鎖の分子量と一致していないために糖鎖が存在しないと判断した。質量分析結果から予想された糖鎖構造をもとに、ODSカラムを用いたHPLCによりスタンダード糖鎖とピークの位置を比較した。更に、上記同様に、N−アセチルグルコサミニダーゼ(Diplococcus pneumomoae由来)及びα−マンノシダーゼ(jack bean由来)で消化を行い、ODSカラム、アミドカラムによりピークの溶出位置をスタンダード糖鎖と比較し、ピークが一致したものを糖鎖として構造を同定した。5−cはGn2M3FX、6−aはM2FX、6−bはGnM3FXを含むと判断した。また、Man3FucXylGclNAc2型糖鎖(M3FX)、Man3XylGclNAc2型糖鎖(M3X)、高マンノース型と考えられる糖鎖については、ODSカラム、アミドカラムの溶出位置について、対応する標準糖鎖と比較した[4−a(M3FX),5−a(M3FX),8−b(M3X)]。分子量から推定した糖鎖構造を持つ糖鎖のピークと一致しなかったフラクションには、N−結合型糖鎖が含まれていないものと判断した(2−b,2−c,3−b,4−b)。フラクションごとのアミドカラムを用いたHPLCによるピーク面積を基にして、糖鎖の構造ごとの存在率を算出した(図17)。
.14では78.2%の糖鎖にフコースが付加していたのに対し、転写抑制を示した形質転換体No1.では23.4%、No.9では31.4%と、顕著にフコース付加の抑制を示すことが分かった(図21)。
Claims (22)
- 鱗翅目のα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
- 請求項1記載のDNAにおいて、
前記DNAは、カイコのα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするものである。 - 請求項1記載のDNAであって、
以下(a)〜(d)のいずれかに記載のDNA;
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(b)配列番号:2に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA、
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA、
(d)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA。 - ナス目のα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
- 請求項4記載のDNAにおいて、
前記DNAは、トマトのα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするものである。 - 請求項4記載のDNAであって、
以下(e)〜(h)のいずれかに記載のDNA;
(e)配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(f)配列番号:4に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA、
(g)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA、
(h)配列番号:4に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA。 - 鱗翅目においてα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制する、以下(i)〜(iii)のいずれかに記載のDNA;
(i)請求項1〜3のいずれか記載のDNAの転写産物と相補的なRNAをコードするDNA、
(ii)請求項1〜3のいずれか記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA、
(iii)請求項1〜3のいずれか記載のDNAの転写産物を特異的に切断するRNAi活性を有するRNAをコードするDNA。 - ナス目においてα1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制する、以下(iv)〜(vi)のいずれかに記載のDNA;
(iv)請求項4〜6のいずれか記載のDNAの転写産物と相補的なRNAをコードするDNA、
(v)請求項4〜6のいずれか記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA、
(vi)請求項4〜6のいずれか記載のDNAの転写産物を特異的に切断するRNAi活性を有するRNAをコードするDNA。 - 請求項7または8のいずれか記載のDNAを含む組換えベクター。
- 請求項9記載の組換えベクターにより形質転換された形質転換細胞。
- 請求項10記載の形質転換細胞から得られる形質転換体。
- 請求項11記載の形質転換体の子孫またはクローンである、形質転換体。
- 請求項11または12のいずれか記載の形質転換体の繁殖材料。
- 請求項11または12のいずれか記載の形質転換体の製造方法であって、
請求項7記載のDNAを鱗翅目由来の卵に導入する工程と、
当該DNAが導入された卵から生じた動物体の中から、形質転換動物を選択する工程と
を有する方法。 - 請求項11または12のいずれか記載の形質転換体の製造方法であって、
請求項8記載のDNAをナス目由来の細胞に導入する工程と、
当該細胞を有する植物体から、形質転換植物を選択する工程と
を有する方法。 - α1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を抑制する方法であって、
請求項7または8のいずれか記載のDNAを細胞内に導入する工程と、
当該細胞内で前記DNAを発現させる工程と
を有する方法。 - 請求項7または8のいずれか記載のDNAを含む形質転換細胞または形質転換体に、目的のタンパク質をコードするDNAを含むベクターを導入し発現させて得られる組換えタンパク質。
- 請求項17記載のタンパク質を製造する方法であって、
請求項7または8のいずれか記載のDNAを含む形質転換細胞または形質転換体を培養する工程と、
当該形質転換細胞または形質転換体若しくはそれらの培養上清から組換えタンパク質を回収する工程と
を有する方法。 - 請求項7記載のDNAを含む形質転換細胞または形質転換体に、目的のタンパク質をコードするDNAを組み込んだバキュロウイルスを感染させて得られる組換えタンパク質。
- 請求項19記載のタンパク質を製造する方法であって、
請求項7記載のDNAを含む形質転換細胞または形質転換体に、目的のタンパク質をコードするDNAを組み込んだバキュロウイルスを感染させる工程と、
当該形質転換細胞または形質転換体において発現した組換えタンパク質を回収する工程と
を有する方法。 - 請求項7または8のいずれか記載のDNAを含む形質転換体と、目的のタンパク質をコードするDNAを含む形質転換体とを交配させて得られる動物体若しくは植物体から得られる組換えタンパク質。
- 請求項17、19、または21のいずれか記載のタンパク質と、薬学的に許容可能な担体とからなる薬学的組成物。
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