JP2010025446A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却熱交換器へ供給される冷媒を冷却する冷却手段が設けられた冷凍装置の運転効率を向上させる。
【解決手段】冷却熱交換器(64a,64b)が蒸発器として動作する冷却運転中に、冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が所定の基準値よりも高くなる場合に冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度が第1目標値になるように冷媒回路(4)を制御する第1動作と、冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が基準値以下になる場合に冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度が第1目標値よりも高い第2目標値になるように冷媒回路(4)を制御する第2動作とに切り換えられる制御手段(110)を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷却熱交換器へ供給される冷媒を冷却する冷却手段が設けられた冷凍装置に関するものである。
従来より、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備える冷凍装置が知られている。この種の冷凍装置は、食品等を貯蔵する冷蔵庫や冷凍庫等の冷却機を始め、室内を冷暖房する空調機などに広く利用されている。
特許文献1には、圧縮機構の各圧縮機に冷媒を注入するためのインジェクション管が設けられた冷凍装置が開示されている。インジェクション管は、各圧縮機に対して分岐して、分岐した配管が各圧縮機の中間圧の圧縮室に接続されている。インジェクション管は、各圧縮機に対して分岐する手前で、過冷却熱交換器に接続されている。過冷却熱交換器では、インジェクション管の中間圧の冷媒によって、庫内熱交換器へ向かう冷媒が冷却される。
特開2007−178052号公報
ところで、冷却熱交換器へ供給される冷媒を冷却する冷却手段(例えば、引用文献1のインジェクション管及び過冷却熱交換器)が設けられた冷凍装置では、運転状態に応じて、冷却手段によって冷却された冷媒の温度、つまり冷却熱交換器へ供給される冷媒の温度が変化する場合がある。しかし、従来の冷凍装置では、冷却手段によって冷却された冷媒の温度が変化する場合に、どのように冷媒回路を制御すれば、冷凍装置の運転効率が向上するかについては考えられていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却熱交換器へ供給される冷媒を冷却する冷却手段が設けられた冷凍装置の運転効率を向上させることにある。
第1の発明は、対象空間を冷却するための冷却熱交換器(64a,64b)と、該冷却熱交換器(64a,64b)で蒸発した冷媒を吸入する冷却用圧縮機(14a,86)とが設けられて、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(4)を備え、上記冷媒回路(4)において上記冷却熱交換器(64a,64b)が蒸発器として動作する冷却運転が行われる冷凍装置(1)を対象とする。そして、この冷凍装置(1)は、上記冷却運転中に上記冷却熱交換器(64a,64b)へ供給される冷媒を冷却するための冷却手段(100)と、上記冷却運転中に、上記冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が所定の基準値よりも高くなる場合に上記冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度が第1目標値になるように上記冷媒回路(4)を制御する第1動作と、該冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が上記基準値以下になる場合に該冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度が上記第1目標値よりも高い第2目標値になるように該冷媒回路(4)を制御する第2動作とを切り換えて行う制御手段(110)とを備えている。
第1の発明では、制御手段(110)が、冷却手段(100)によって冷却された冷媒(以下、「冷却後の冷媒」という。)の温度に応じて第1動作と第2動作とを切り換えて行う。第1動作は、冷却後の冷媒の温度が基準値よりも高くなる場合に行われる。第1動作では、冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度が第1目標値になるように冷媒回路(4)が制御される。一方、第2動作は、冷却後の冷媒の温度が基準値以下になる場合に行われる。第2動作では、冷却熱交換器(64a,64b)に流入する冷媒の温度が第1動作時に比べて低くなる。第2動作では、冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度が第1動作時よりも高い第2目標値になるように冷媒回路(4)が制御される。
ここで、冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高くなると、冷却熱交換器(64a,64b)を通過する冷媒の流量が減少するように冷媒回路(4)が制御される。このため、冷却用圧縮機(14a,86)では、冷媒の昇圧に必要なエネルギーが少なくなる。つまり、冷却用圧縮機(14a,86)の消費エネルギーが少なくなる。また、冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高くなると、冷却用圧縮機(14a,86)の吸入冷媒の圧力が高くなり、冷却用圧縮機(14a,86)の吸入冷媒と吐出冷媒の圧力差が小さくなるので、冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が変化することなくただ単に冷却熱交換器(64a,64b)を通過する冷媒の流量が減少する場合に比べて、冷却用圧縮機(14a,86)の消費エネルギーが少なくなる。
また、冷却熱交換器(64a,64b)では、流入する冷媒の温度が低くほど、入口と出口の冷媒のエンタルピ差を大きくできるので、単位流量当たりの冷媒の冷却能力が高くなる。このため、冷却熱交換器(64a,64b)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、冷却熱交換器(64a,64b)を通過する冷媒の流量を減少させたとしても、冷却熱交換器(64a,64b)における冷却能力はそれほど大きく変化しない。この第1の発明では、冷却熱交換器(64a,64b)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、冷却熱交換器(64a,64b)を通過する冷媒の流量をある程度は減少させることができることに着目して、冷却用圧縮機(14a,86)の消費エネルギーが少なくなるように、冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高い値に変更される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記冷媒回路(4)では、上記冷却熱交換器(64a)が設けられた第1通路と、上記冷却運転において該冷却熱交換器(64a)よりも冷媒の蒸発温度が低い値に設定される低温側熱交換器(64b)、及び該低温側熱交換器(64b)で蒸発した冷媒を圧縮する低段側圧縮機(86)が設けられた第2通路とが互いに並列に設けられ、上記冷却運転では、上記冷却手段(100)によって冷却された冷媒が上記冷却熱交換器(64a,64b)と上記低温側熱交換器(64b)に供給され、上記冷却用圧縮機(14a,86)が、上記冷却熱交換器(64a,64b)で蒸発した冷媒と共に上記低段側圧縮機(86)から吐出された冷媒を圧縮する一方、上記制御手段(110)は、上記第1動作中は上記低温側熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度が第3目標値になるように上記冷媒回路(4)を制御し、上記第2動作中は該低温側熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度が上記第3目標値よりも高い第4目標値になるように該冷媒回路(4)を制御する。
第2の発明では、冷媒回路(4)には、冷却熱交換器(64a)に並列に、冷却運転において冷却熱交換器(64a)よりも冷媒の蒸発温度が低い値に設定される低温側熱交換器(64b)が設けられている。冷却運転では、冷却熱交換器(64a)だけでなく低温側熱交換器(64b)にも、冷却後の冷媒が供給される。第2動作中は、低温側熱交換器(64b)に流入する冷媒の温度も第1動作時に比べて低くなる。第2動作中の制御手段(110)は、冷却熱交換器(64a)と同様に、低温側熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度も第1動作中よりも高くなるように冷媒回路(4)を制御する。
ここで、低温側熱交換器(64b)でも冷媒の蒸発温度の目標値が高くなると、低温側熱交換器(64b)を通過する冷媒の流量が減少するように冷媒回路(4)が制御される。このため、低段側圧縮機(86)の消費エネルギーが少なくなる。また、低温側熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高くなると、低段側圧縮機(86)の吸入冷媒の圧力が高くなり、低段側圧縮機(86)の吸入冷媒と吐出冷媒の圧力差が小さくなるので、低温側熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が変化することなくただ単に低温側熱交換器(64b)を通過する冷媒の流量が減少する場合に比べて、低段側圧縮機(86)の消費エネルギーが少なくなる。
また、低温側熱交換器(64b)では、流入する冷媒の温度が低くほど、単位流量当たりの冷媒の冷却能力が高くなる。このため、低温側熱交換器(64b)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、低温側熱交換器(64b)を通過する冷媒の流量を減少させたとしても、低温側熱交換器(64b)における冷却能力はそれほど大きく変化しない。この第2の発明では、低温側熱交換器(64b)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、低温側熱交換器(64b)を通過する冷媒の流量をある程度は減少させることができることに着目して、低段側圧縮機(86)の消費エネルギーが少なくなるように、低温側熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高い値に変更される。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記冷媒回路(4)には、上記冷却用圧縮機(86)から吐出された冷媒を圧縮する高段側圧縮機(14)が設けられている。
第3の発明では、冷却運転中の冷媒回路(4)において、冷却熱交換器(64b)で蒸発した冷媒を冷却用圧縮機(86)が吸入して圧縮し、冷却用圧縮機(86)から吐出された冷媒を高段側圧縮機(14)が吸入して圧縮する。つまり、冷却運転中の冷媒回路(4)では、二段圧縮の冷凍サイクルが行われる。
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1つの発明において、上記冷却手段(100)は、上記冷却用圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒を注入するためのインジェクション通路(30)と、該インジェクション通路(30)における中間圧の冷媒によって上記冷却熱交換器(64a,64b)へ供給される冷媒を冷却する中間熱交換器(16,17)とを備えている。
第4の発明では、冷却手段(100)が、インジェクション通路(30)と中間熱交換器(16,17)とを備えている。インジェクション通路(30)は、冷却用圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に接続され、その冷却用圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に注入される中間圧の冷媒が流通する。中間熱交換器(16,17)では、冷却熱交換器(64a,64b)へ供給される冷媒がインジェクション通路(30)における中間圧の冷媒と熱交換を行うことによって冷却される。
ここで、冷却手段(100)としては、例えば、冷却運転において二段膨張を行う冷媒回路(4)において冷凍サイクルの高圧から中間圧に冷媒を減圧する膨張弁(66)と、その膨張弁(66)で中間圧に減圧された冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する気液分離器(85)との組合せも考えられる(図12参照)。この組合せの場合は、膨張弁(66)を通過後の中間圧の冷媒の圧力が低くなるほど、冷却熱交換器(64a,64b)へ供給される冷媒の温度は低くなるが、冷却後の冷媒は、必ず飽和液になり過冷却状態にはならない。これに対して、この第4の発明では、冷却熱交換器(64a,64b)へ供給される冷媒の冷却に中間熱交換器(16,17)を用いるので、冷却後の冷媒を過冷却状態にすることが可能である。従って、この第4の発明の第2動作では、上記組合せの場合に比べて、冷却熱交換器(64a,64b)に流入する冷媒の単位流量当たりの冷却能力を高くすることが可能である。
なお、本願明細書において、「中間圧の圧縮室(73)」とは、インジェクション通路(30)に連通する圧縮室を意味する。中間圧の圧縮室(73)の内圧は、冷凍サイクルにおける高圧と低圧の間の中間圧になっている。
第5の発明は、上記第4の発明において、上記冷媒回路(4)には、上記冷却熱交換器(64a)よりも冷媒の蒸発温度が高い値に設定される高温側熱交換器(54)と、該高温側熱交換器(54)で蒸発した冷媒を吸入する高温側圧縮機(14b)とが設けられ、上記冷却熱交換器(64a)及び上記高温側熱交換器(54)が共に蒸発器として動作する第1冷却運転と、該冷却熱交換器(64a)のみが蒸発器として動作する第2冷却運転とが、それぞれ上記冷却運転の1つとして行われる一方、上記インジェクション通路(30)は、上記冷却用圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)だけでなく上記高温側圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)にも接続され、上記制御手段(110)は、上記第1冷却運転では、上記冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が上記基準値よりも高くなるように上記インジェクション通路(30)の中間圧の値を制御する第1中間圧調節動作と、上記第1動作とを行い、上記第2冷却運転では、該冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が該基準値以下になるように該インジェクション通路(30)の中間圧の値を制御する第2中間圧調節動作と、上記第2動作とを行う。
第5の発明では、冷却熱交換器(64a)及び高温側熱交換器(54)が共に蒸発器として動作する第1冷却運転と、冷却熱交換器(64a)のみが蒸発器として動作する第2冷却運転が行われる。ここで、第1冷却運転では、蒸発温度(蒸発圧力)が低い方の冷却熱交換器(64a)で蒸発した冷媒を吸入する冷却用圧縮機(14a)よりも、蒸発温度(蒸発圧力)が高い方の高温側熱交換器(54)で蒸発した冷媒を吸入する高温側圧縮機(14b)の方が、中間ポートに臨む中間圧の圧縮室(73)の内圧が高くなる。このため、冷却用圧縮機(14a)と高温側圧縮機(14b)の両方にインジェクション通路(30)を通じて中間圧の冷媒を注入するためには、インジェクション通路(30)の中間圧の値を、高温側圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)の内圧よりも高い値に調節する必要がある。従って、第1冷却運転では、第1中間圧調節動作によってインジェクション通路(30)の中間圧の値がある程度高い値に調節され、冷却後の冷媒の温度が基準値よりも高くなる。
一方、第2冷却運転では、高温側熱交換器(54)が蒸発器として動作しないので、インジェクション通路(30)の中間圧の値が、高温側圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)の内圧に制約されることがない。従って、第2冷却運転では、第2中間圧調節動作によってインジェクション通路(30)の中間圧の値がある程度低い値に調節され、冷却後の冷媒の温度が基準値以下になる。そして、第2冷却運転では、冷却後の冷媒の温度が基準値以下になるのに伴って、冷却熱交換器(64a)における冷媒の蒸発温度を第1動作時よりも高くする第2動作が行われる。この第5の発明では、高温側熱交換器(54)が蒸発器とならない第2冷却運転においては、第1冷却運転中のようにインジェクション通路(30)の中間圧の値が高温側圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)の内圧の制約を受けないので、インジェクション通路(30)の中間圧の値を低下させることによって、冷却用圧縮機(14a)の消費エネルギーが少なくなる第2動作が行われる。
第6の発明は、上記第1乃至第5の何れか1つの発明において、上記制御手段(110)が、上記冷却熱交換器(64a,64b)における冷却負荷が所定の基準負荷以上になる場合は、上記冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が上記基準値以下であっても、上記第2動作を行わずに、該冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度を第1目標値に設定する。
第6の発明では、冷却熱交換器(64a,64b)における冷却負荷が基準負荷以上になる場合は、冷却後の冷媒の温度が基準値以下になっても、制御手段(110)は、第2動作を行わずに、冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度を第1目標値に設定する。冷却後の冷媒の温度が基準値以下の状態で第1目標値に設定すると、第2動作を行う場合に比べて、冷却熱交換器(64a,64b)を通過する冷媒の流量が多くなる分だけ冷却熱交換器(64a,64b)における冷却能力が高くなる。一方、冷却熱交換器(64a,64b)における冷却負荷が基準負荷より低くなる場合は、冷却後の冷媒の温度が基準値以下になると、冷却用圧縮機(14a,86)の消費エネルギーが少なくなる第2動作が行われる。この第6の発明では、冷却後の冷媒の温度が基準値以下になる場合に、冷却熱交換器(64a,64b)における冷却負荷に応じて、冷却熱交換器(64a,64b)における冷却能力が高くなる方の動作と、冷却用圧縮機(14a,86)の消費エネルギーが少なくなる方の動作とが使い分けられる。
第7の発明は、上記第1乃至第6の何れか1つの発明において、上記制御手段(110)が、上記冷却用圧縮機(14a,86)に吸入される冷媒の圧力が上記目標値における該冷媒の飽和圧力になるように上記冷却用圧縮機(14a,86)の運転容量を制御する。
第7の発明では、第1動作においては、冷却用圧縮機(14a,86)の吸入冷媒の圧力が第1目標値における冷媒の飽和圧力になるように、冷却用圧縮機(14a,86)の運転容量が制御される。第2動作においては、冷却用圧縮機(14a,86)の吸入冷媒の圧力が第2目標値における冷媒の飽和圧力になるように、冷却用圧縮機(14a,86)の運転容量が制御される。この第7の発明では、冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度が所定の目標値になるように、冷却用圧縮機(14a,86)の吸入冷媒の圧力に基づいて冷却用圧縮機(14a,86)の運転容量が制御される。
本発明では、冷却熱交換器(64a,64b)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、冷却熱交換器(64a,64b)を通過する冷媒の流量をある程度は減少させることができることに着目して、冷却用圧縮機(14a,86)の消費エネルギーが少なくなるように、冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高い値に変更されるようにしている。従って、冷却熱交換器(64a,64b)に流入する冷媒の温度が変化しても冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が一定である場合に比べて、冷凍装置(1)の運転効率を向上させることができる。
また、上記第2の発明では、低温側熱交換器(64b)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、低温側熱交換器(64b)を通過する冷媒の流量をある程度は減少させることができることに着目して、低段側圧縮機(86)の消費エネルギーが少なくなるように、低温側熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高い値に変更される。従って、低温側熱交換器(64b)に流入する冷媒の温度が変化しても低温側熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が一定である場合に比べて、冷凍装置(1)の運転効率を向上させることができる。
また、上記第4の発明では、第2動作において、冷却後の冷媒の過冷却度を比較的大きくすることができるので、冷却熱交換器(64a,64b)に流入する冷媒の単位流量当たりの冷却能力を比較的大きく高めることが可能である。このため、第2動作中に冷却熱交換器(64a,64b)を通過する冷媒の流量を第1動作中に比べて大きく減らしても、冷却熱交換器(64a,64b)の冷却能力が大きく低下することがなく、第1目標値と第2目標値の差を比較的大きくすることが可能である。従って、第2動作中の冷却用圧縮機(14a)の消費エネルギーを比較的大きく削減することができるので、冷凍装置(1)の運転効率をさらに向上させることができる。
また、上記第5の発明では、第2冷却運転においては、第1冷却運転中のようにインジェクション通路(30)の中間圧の値が高温側圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)の内圧の制約を受けないので、インジェクション通路(30)の中間圧の値を低下させることによって、冷却用圧縮機(14a)の消費エネルギーが少なくなる第2動作が行われる。高温側圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)の内圧の制約があるために冷却後の冷媒の温度を基準値以下できない第1冷却運転では第2動作は行われることなく、冷却後の冷媒の温度を基準値以下にできる第2冷却運転で第2動作が適切に選択される。従って、例えば圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するインジェクション動作に関して問題が生じることなく、冷凍装置(1)の運転効率を向上させることができる。
また、上記第6の発明では、冷却後の冷媒の温度が基準値以下になる場合に、冷却熱交換器(64a,64b)における冷却負荷に応じて、冷却熱交換器(64a,64b)における冷却能力が高くなる方の動作と、冷却用圧縮機(14a,86)の消費エネルギーが少なくなる方の動作とが使い分けられるようにしている。このため、冷却熱交換器(64a,64b)における冷却負荷がある程度高くなっているにも拘わらず、冷却用圧縮機(14a,86)の消費エネルギーを少なくすることを優先して第2動作が行われることがなく、冷却熱交換器(64a,64b)が冷却する対象空間の温度を所望の温度から離れることを回避できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る冷凍装置(1)である。冷凍装置(1)は、例えばコンビニエンスストアに設けられる。冷凍装置(1)は、図1に示すように、室外に設置される室外ユニット(10)と、店内空間を空調する室内ユニット(50)と、庫内を冷却する2台の庫内ユニット(60a,60b)と、ブースタユニット(80)とを備えている。2台の庫内ユニット(60a,60b)は、冷蔵用の第1庫内ユニット(60a)と冷凍用の第2庫内ユニット(60b)とから構成されている。
室外ユニット(10)には室外回路(11)が、室内ユニット(50)には室内回路(52)が、第1庫内ユニット(60a)には第1庫内回路(61a)が、第2庫内ユニット(60b)には第2庫内回路(61b)が、ブースタユニット(80)にはブースタ回路(81)がそれぞれ設けられている。この冷凍装置(1)では、室外回路(11)、室内回路(52)、第1庫内回路(61a)、第2庫内回路(61b)、及びブースタ回路(81)を4本の連絡配管(2a,2b,3a,3b)で接続することによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(4)が構成されている。第1庫内回路(61a)と第2庫内回路(61b)は並列に接続されている。また、第2庫内回路(61b)とブースタ回路(81)は直列に接続されている。
4本の連絡配管(2a,2b,3a,3b)は、第1液側連絡配管(2a)、第2液側連絡配管(2b)、第1ガス側連絡配管(3a)、及び第2ガス側連絡配管(3b)から構成されている。第1液側連絡配管(2a)は、一端が室外回路(11)の第1液側閉鎖弁(111)に接続され、他端が室内回路(52)に接続されている。第2液側連絡配管(2b)は、一端が室外回路(11)の第2液側閉鎖弁(112)に接続され、他端が2手に分岐して第1庫内回路(61a)と第2庫内回路(61b)に接続されている。第1ガス側連絡配管(3a)は、一端が室外回路(11)の第1ガス側閉鎖弁(113)に接続され、他端が室内回路(52)に接続されている。第2ガス側連絡配管(3b)は、一端が室外回路(11)の第2ガス側閉鎖弁(114)に接続され、他端が2手に分岐して第1庫内回路(61a)と第2庫内回路(61b)に接続されている。また、第2庫内回路(61b)とブースタ回路(81)との間は、接続ガス管(5)によって接続されている。
なお、本実施形態では、第2液側連絡配管(2b)の分岐箇所から、第1庫内回路(61a)を経て第2ガス側連絡配管(3b)の分岐箇所までが第1通路を構成している。また、第2液側連絡配管(2b)の分岐箇所から、第2庫内回路(61b)を経て第2ガス側連絡配管(3b)の分岐箇所までが第2通路を構成している。第1通路と第2通路は互いに並列になっている。
《室外ユニット》
室外回路(11)には、圧縮機構(40)、室外熱交換器(15)、及びレシーバ(気液分離器)(85)が設けられている。圧縮機構(40)は、運転容量が可変の第1圧縮機(14a)と、運転容量が固定の第2圧縮機(14b)と、運転容量が固定の第3圧縮機(14c)とから構成されている。圧縮機構(40)では、これらの圧縮機(14a,14b,14c)の吐出側が互いに接続されている。また、これらの圧縮機(14a,14b,14c)は、吸入側が後述する第3四路切換弁(33)に接続されている。
第1圧縮機(14a)には、インバータを介して電力が供給される。第1圧縮機(14a)は、インバータの出力周波数を変化させることによって、その運転容量を段階的に調節することができるように構成されている。一方、第2圧縮機(14b)及び第3圧縮機(14c)は、電動機が常に一定の回転速度で運転されるものであって、その運転容量が変更不能となっている。なお、第2圧縮機(14b)や第3圧縮機(14c)が、運転容量が可変の圧縮機であってもよい。
第1圧縮機(14a)は、庫内ユニット(60a,60b)で蒸発した冷媒を吸入する庫内用圧縮機となる。第1圧縮機(14a)は、庫内専用の圧縮機である。第2圧縮機(14b)は、冷房運転時に室内ユニット(50)で蒸発した冷媒を吸入する室内用圧縮機となる。第2圧縮機(14b)は、室内専用の圧縮機である。また、第3圧縮機(14c)は、後述する第3四路切換弁(33)が第1状態のときに庫内用圧縮機になり、その第3四路切換弁(33)が第2状態のときに室内用圧縮機になる。つまり、第3圧縮機(14c)は、庫内用圧縮機と室内用圧縮機に兼用される。本実施形態では、庫内用圧縮機(14a,14c)が冷却用圧縮機を構成し、室内用圧縮機(14b,14c)が高温側圧縮機を構成する。
第1圧縮機(14a)、第2圧縮機(14b)、及び第3圧縮機(14c)は、同じタイプの圧縮機である。各圧縮機(14)は、例えば全密閉の高圧ドーム型のスクロール圧縮機として構成されている。各圧縮機(14)は、図2に示すように、スクロール式の流体機械(82)を備えている。
この流体機械(82)では、固定スクロールのラップ(75)と可動スクロールのラップ(76)の間に複数の圧縮室(73)が形成されている。流体機械(82)では、吸入管(57)に連通する吸入ポート(98)から吸い込んだ冷媒が圧縮されて、圧縮された冷媒が吐出管(56)に連通する吐出ポート(93)から吐出される。また、この流体機械(82)には、後述する分岐注入管(30a,30b,30c)に連通する中間ポート(99)が形成されている。中間ポート(99)は、圧縮行程の冷媒が存在する中間圧の圧縮室(73)に開口している。また、図示しないが、各圧縮機(14)のケーシングの底部には、冷凍機油が貯留されている。冷凍機油は、流体機械(82)等の摺動部に供給され、その一部が冷媒と共に吐出管(56)から吐出される。
なお、この冷凍装置(1)では、庫内ユニット(60a,60b)で蒸発した冷媒の温度の方が、室内ユニット(50)で蒸発した冷媒の温度よりも低くなる。このため、蒸発温度(蒸発圧力)が低い方の庫内ユニット(60a,60b)で蒸発した冷媒を吸入する庫内用圧縮機(14a,14c)よりも、蒸発温度(蒸発圧力)が高い方の室内ユニット(50)で蒸発した冷媒を吸入する庫内用圧縮機(14b,14c)の方が、中間ポート(99)に臨む中間圧の圧縮室(73)の内圧が高くなる。
第1圧縮機(14a)の第1吐出管(56a)、第2圧縮機(14b)の第2吐出管(56b)及び第3圧縮機(14c)の第3吐出管(56c)は、1本の吐出合流管(21)に接続されている。吐出合流管(21)は、第1四路切換弁(31)に接続されている。吐出合流管(21)からは吐出分岐管(22)が分岐している。吐出分岐管(22)は、第2四路切換弁(32)に接続されている。
各吐出管(56)には、圧縮機(14)側から順に、油分離器(37a,37b,37c)と高圧圧力スイッチ(39a,39b,39c)と逆止弁(CV1,CV2,CV3)とが配置されている。各高圧圧力スイッチ(39)は、異常高圧時に圧縮機(14)を緊急停止させるように構成されている。各逆止弁(CV1,CV2,CV3)は、圧縮機(14)へ向かう冷媒の流れを禁止するように構成されている。
各油分離器(37)は、密閉容器状に構成され、圧縮機(14)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離するように構成されている。なお、本実施形態では、各吐出管(56)に油分離器(37)を設けているが、各吐出管(56)に油分離器(37)を設けずに、吐出合流管(21)に油分離器(37)を設けてもよい。
第1吐出管(56a)の第1油分離器(37a)には第1油戻し分岐管(42)が接続され、第2吐出管(56b)の第2油分離器(37b)には第2油戻し分岐管(43)が接続され、第3吐出管(56c)の第3油分離器(37c)には第3油戻し分岐管(44)が接続されている。第1油戻し分岐管(42)、第2油戻し分岐管(43)及び第3油戻し分岐管(44)は、油分離器(37)とは逆側が、後述する主注入管(30d)に繋がる油戻し合流管(45)に接続されている。
各油戻し分岐管(42,43,44)には、油分離器(37)側から順番に、油分離器(37)側へ戻る冷凍機油の流れを禁止する逆止弁(CV12,CV13,CV14)と、高圧の冷凍機油を中間圧に減圧するキャピラリーチューブ(41a,41b,41c)とが設けられている。各油分離器(37)で分離された冷凍機油は、各油戻し分岐管(42,43,44)等を通じて圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)に戻る。
第1圧縮機(14a)の第1吸入管(57a)は、第2ガス側閉鎖弁(114)に接続されている。第2圧縮機(14b)の第2吸入管(57b)は、第2四路切換弁(32)に接続されている。第3圧縮機(14c)の第3吸入管(57c)は、第3四路切換弁(33)に接続されている。第1吸入管(57a)からは、第1吸入分岐管(58a)が分岐している。第2吸入管(57b)からは、第2吸入分岐管(58b)が分岐している。第1吸入分岐管(58a)及び第2吸入分岐管(58b)は共に第3四路切換弁(33)に接続されている。また、第1吸入分岐管(58a)及び第2吸入分岐管(58b)には、第3四路切換弁(33)側からの冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV7,CV8)がそれぞれ設けられている。
室外熱交換器(15)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室外熱交換器(15)は熱源側熱交換器を構成している。室外熱交換器(15)の近傍には、室外熱交換器(15)に室外空気を送る室外ファン(23)が設けられている。室外熱交換器(15)では、冷媒と室外空気との間で熱交換が行われる。
室外熱交換器(15)のガス側は、第1四路切換弁(31)に接続されている。室外熱交換器(15)の液側は、第1液管(24)を介してレシーバ(85)の頂部に接続されている。第1液管(24)には、室外熱交換器(15)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV9)が設けられている。
レシーバ(85)は、縦長の密閉容器状に構成されている。レシーバ(85)では、室外熱交換器(15)等で凝縮した高圧冷媒が一時的に貯留される。レシーバ(85)の頂部には、第1液管(24)に加えて、開閉自在の第4電磁弁(SV4)が設けられたガス抜き管(48)が接続されている。また、レシーバ(85)の底部には、第2液管(25)の一端が接続されている。第2液管(25)の他端は、第1分岐管(26)と第2分岐管(27)とに分岐している。
第1分岐管(26)は、第1液側閉鎖弁(111)に接続されている。第1分岐管(26)は、第1液側連絡配管(2a)を介して室内回路(52)に連通している。第1分岐管(26)には、第2液管(25)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV10)が設けられている。第1分岐管(26)からは、第1液管(24)における逆止弁(CV9)とレシーバ(85)の間に接続された第3分岐管(28)が分岐している。第3分岐管(28)には、第1分岐管(26)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV11)が設けられている。
第2分岐管(27)は、第2液側閉鎖弁(112)に接続されている。第2分岐管(27)は、第2液側連絡配管(2b)を介して各庫内回路(61a,61b)に連通している。第2分岐管(27)には、後述する第2中間熱交換器(17)が接続されている。第2分岐管(27)からは、第4分岐管(29)とインジェクション管(30)とが分岐している。
第4分岐管(29)は、第2中間熱交換器(17)と第2液側閉鎖弁(112)の間から分岐している。第4分岐管(29)は、第2分岐管(27)に接続されている方とは逆端が第1液管(24)における室外熱交換器(15)と逆止弁(CV9)の間に接続されている。第4分岐管(29)には、開度可変の電子膨張弁により構成された第1室外膨張弁(66)が設けられている。
インジェクション管(30)は、第4分岐管(29)の分岐箇所と第2液側閉鎖弁(112)の間から分岐している。インジェクション管(30)はインジェクション通路を構成している。インジェクション管(30)は、第2分岐管(27)から延びる主注入管(30d)と、主注入管(30d)から分岐して第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に接続された第1分岐注入管(30a)と、主注入管(30d)から分岐して第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)に接続された第2分岐注入管(30b)と、主注入管(30d)から分岐して第3圧縮機(14c)の中間圧の圧縮室(73)に接続された第3分岐注入管(30c)とを備えている。
主注入管(30d)には、減圧手段を構成する第2室外膨張弁(67)が設けられている。第2室外膨張弁(67)は開度可変の電子膨張弁により構成されている。第2室外膨張弁(67)では、第2分岐管(27)から主注入管(30d)に流入した冷媒が、冷凍サイクルにおける中間圧に減圧される。また、主注入管(30d)では、後述する第2中間熱交換器(17)の下流の位置にガス抜き管(48)が接続されている。
各分岐注入管(30a,30b,30c)には、圧縮機(14a,14b,14c)側から順番に、逆止弁(CV4,CV5,CV6)と、電磁弁(SV1,SV2,SV3)とが設けられている。逆止弁(CV4,CV5,CV6)は、圧縮機(14a,14b,14c)側からの冷媒の流れを禁止する。また、電磁弁(SV1,SV2,SV3)は、その電磁弁(SV1,SV2,SV3)が設けられた分岐注入管(30a,30b,30c)が接続する圧縮機(14a,14b,14c)が停止されるときに、閉鎖される。
本実施形態では、室内熱交換器(54)及び庫内熱交換器(64)の両方へ供給される冷媒を冷却するための第1中間熱交換器(16)と、室内熱交換器(54)及び庫内熱交換器(64)のうち庫内熱交換器(64)だけに供給される冷媒を冷却するための第2中間熱交換器(17)とが設けられている。第1中間熱交換器(16)及び第2中間熱交換器(17)は、インジェクション管(30)と共に、庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒を冷却するための冷却手段(100)を構成している。
第1中間熱交換器(16)は、第1流路(16a)を流通する冷媒と第2流路(16b)を流通する冷媒とを熱交換させるように構成されている。第1中間熱交換器(16)は、例えば二重管式熱交換器により構成されている。第1中間熱交換器(16)では、第1流路(16a)が第2液管(25)に接続され、第1流路(16a)の内側に形成された第2流路(16b)が主注入管(30d)における第2室外膨張弁(67)の下流に接続されている。第1中間熱交換器(16)における熱交換では、第2液管(25)の高圧の冷媒が主注入管(30d)の中間圧の冷媒によって冷却される。
第2中間熱交換器(17)は、第1流路(17a)を流通する冷媒と第2流路(17b)を流通する冷媒とを熱交換させるように構成されている。第2中間熱交換器(17)は、例えばプレート式の熱交換器により構成されている。第2中間熱交換器(17)では、第1流路(17a)が第2分岐管(27)に接続され、第2流路(17b)が主注入管(30d)における第1中間熱交換器(16)の下流に接続されている。第2中間熱交換器(17)における熱交換では、第2分岐管(27)の高圧の冷媒が主注入管(30d)の中間圧の冷媒によって冷却される。
第1四路切換弁(31)は、第1ポート(P1)が吐出合流管(21)に、第2ポート(P2)が第2四路切換弁(32)の第4ポート(P4)に、第3ポート(P3)が室外熱交換器(15)に、第4ポート(P4)が第1ガス側閉鎖弁(113)にそれぞれ接続されている。また、第2四路切換弁(32)は、第1ポート(P1)が吐出分岐管(22)に、第2ポート(P2)が第2吸入管(57b)に、第4ポート(P4)が第1四路切換弁(31)の第2ポート(P2)にそれぞれ接続されている。第2四路切換弁(32)の第3ポート(P3)は閉塞された閉鎖ポートに構成されている。また、第3四路切換弁(33)は、第1ポート(P1)が吐出合流管(21)に接続された高圧管(120)に、第2ポート(P2)が第3吸入管(57c)に、第3ポート(P3)が第2吸入分岐管(58b)に、第4ポート(P4)が第1吸入分岐管(58a)にそれぞれ接続されている。
第1乃至第3の各四路切換弁(31,32,33)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)が互いに連通して第2ポート(P2)と第4ポート(P4)が互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)が互いに連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)が互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)との間で切換自在に構成されている。
また、室外ユニット(10)には、各種のセンサが設けられている。具体的に、吐出合流管(21)には、吐出圧力センサ(18)が設けられている。各吐出管(56)には、吐出温度センサ(48a,48b,48c)が設けられている。第1吸入管(57a)には、第1吸入圧力センサ(19a)及び第1吸入温度センサ(20a)が設けられている。第2吸入管(57b)には、第2吸入圧力センサ(19b)及び第2吸入温度センサ(20b)が設けられている。第2分岐管(27)には、液温度センサ(72)が設けられている。これらのセンサの検出値は、後述するコントローラ(110)に入力される。
《室内ユニット》
室内回路(52)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、室内膨張弁(53)と室内熱交換器(54)とが設けられている。室内膨張弁(53)は、開度が調節可能な電子膨張弁により構成されている。また、室内熱交換器(54)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室内熱交換器(54)は、庫内熱交換器(64)よりも冷媒の蒸発温度が高い値に設定される高温側熱交換器を構成している。室内熱交換器(54)の近傍には、室内熱交換器(54)に室内空気を送る室内ファン(55)が設けられている。室内熱交換器(54)では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。
また、室内回路(52)では、室内熱交換器(54)の伝熱管に、蒸発温度センサ(121)が設けられている。室内回路(52)におけるガス側の端部に、ガス温度センサ(123)が設けられている。また、室内ユニット(50)の吸込口と室内熱交換器(54)の間には、室内の温度を計測するための室温センサ(125)が設けられている。これらのセンサの計測値は、後述するコントローラ(110)に入力される。
なお、室内ユニット(50)では、所定の条件が成立する場合のみ室内熱交換器(54)に付着した霜を融解させるための氷融解動作が行われる。所定の条件は、例えば蒸発温度センサ(121)の検出値が所定値(例えば0℃)を下回るという条件である。氷融解動作では、室内膨張弁(53)が閉状態に設定されて、室内ファン(55)の運転が継続される。この室内ユニット(50)では、室内熱交換器(54)に霜が付着しないように室内膨張弁(53)の制御が行われるが、室内熱交換器(54)に霜が付着してしまった場合には、緊急時の動作として氷融解動作が行われる。
《庫内ユニット》
第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、庫内膨張弁(63a,63b)と庫内熱交換器(64a,64b)とがそれぞれ設けられている。各庫内膨張弁(63a,63b)は、開度が調節可能な電子膨張弁により構成されている。
各庫内熱交換器(64a,64b)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。第1庫内回路(61a)の庫内熱交換器(64a)は、対象空間である庫内を冷却するための冷却熱交換器を構成している。また、第2庫内回路(61b)の庫内熱交換器(64b)は、冷却熱交換器(64a)よりも冷媒の蒸発温度が低い値に設定される低温側熱交換器を構成している。各庫内熱交換器(64a,64b)の近傍には、庫内熱交換器(64a,64b)に庫内空気を送る庫内ファン(65a,65b)が設けられている。各庫内熱交換器(64a,64b)では、冷媒と庫内空気との間で熱交換が行われる。
また、各庫内回路(61a,61b)では、庫内熱交換器(64a,64b)の伝熱管に、蒸発温度センサ(122a,122b)が設けられている。庫内回路(61a,61b)におけるガス側の端部に、ガス温度センサ(124a,124b)が設けられている。また、庫内ユニット(60)の吸込口と庫内熱交換器(64)の間には、庫内の温度を計測するための庫温センサ(126)が設けられている。これらのセンサの計測値は、後述するコントローラ(110)に入力される。
なお、第1庫内ユニット(60a)及び第2庫内ユニット(60b)では、庫内熱交換器(64)に付着した霜を融解させるための氷融解動作が定期的に(例えば3時間置きに)行われる。氷融解動作では、庫内膨張弁(63)が閉状態に設定されて、庫内ファン(65)の運転が継続される。なお、庫内熱交換器(64)に付着した氷の加熱に電気ヒータ等の加熱手段を用いてもよい。第1庫内ユニット(60a)及び第2庫内ユニット(60b)では、冷媒の蒸発温度が低いので、運転に伴って庫内熱交換器(64)に霜が付着してゆく。このため、氷融解動作が定期的に行われる。
《ブースタユニット》
ブースタ回路(81)には、運転容量が可変のブースタ圧縮機(86)が設けられている。ブースタ圧縮機(86)は、低温側熱交換器(64b)で蒸発した冷媒を圧縮する低段側圧縮機を構成している。ブースタ圧縮機(86)の吐出管(78)には、ブースタ圧縮機(86)側から順に、油分離器(87)、高圧圧力スイッチ(88)、逆止弁(CV15)が設けられている。油分離器(87)には、キャピラリーチューブ(91)が設けられた油戻し管(92)が接続されている。また、ブースタ回路(81)には、ブースタ圧縮機(86)をバイパスするバイパス管(95)が設けられている。バイパス管(95)には、逆止弁(CV16)が設けられている。
また、ブースタ回路(81)では、ブースタ圧縮機(86)の吐出管(78)に、吐出温度センサ(96)が設けられている。また、ブースタ圧縮機(86)の吸入管(79)に、吸入圧力センサ(97)が設けられている。これらのセンサの検出値は、後述するコントローラ(110)に入力される。
《コントローラ》
室外ユニット(10)には、圧縮機構(40)の運転容量や、四路切換弁(31〜33)等を制御することによって冷媒回路(4)の動作を制御するコントローラ(110)が、制御手段として設けられている。
まず、利用側熱交換器(54,64)で通過した冷媒の過熱度を制御する過熱度制御について説明する。コントローラ(110)は、冷房運転中の室内熱交換器(54)を通過した冷媒の過熱度が目標過熱度(例えば5℃)になるように室内膨張弁(53)の開度を制御する。また、コントローラ(110)は、庫内熱交換器(64,64b)を通過した冷媒の過熱度が目標過熱度(例えば5℃)になるように庫内膨張弁(63a,63b)の開度を制御する。
続いて、圧縮機構(40)の各圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)へインジェクション管(30)を通じて中間圧の冷媒を注入するインジェクション動作の制御について説明する。
コントローラ(110)は、インジェクション動作の制御動作として、第1中間圧調節動作と第2中間圧調節動作とを切り換えて行うように構成されている。第1中間圧調節動作は、庫内熱交換器(64)及び室内熱交換器(54)の両方が蒸発器として動作する第1冷却運転時(後述する冷却冷房運転時)と、後述する冷房運転時と、後述する第3冷却暖房運転時に行われる。第2中間圧調節動作は、庫内熱交換器(64)だけが蒸発器として動作する第2冷却運転時(後述する冷蔵冷凍運転時、第1及び第2冷却暖房運転時)に行われる。
第1中間圧調節動作では、第2中間熱交換器(17)を通過した冷媒の温度、つまり冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が所定の基準値よりも高くなるようにインジェクション通路(30)の中間圧の値が制御される。コントローラ(110)には、第2中間熱交換器(17)を通過した冷媒の温度の目標値として、基準値よりも大きい値の第1液温目標値(例えば20℃)が予め設定されている。第1中間圧調節動作中のコントローラ(110)は、液温度センサ(72)の計測値が第1液温目標値になるように、第2室外膨張弁(67)の開度を制御する。
なお、第1液温目標値は、インジェクション管(30)の中間圧の値が冷房運転中の室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)の内圧よりも所定値だけ高くなる値に、決められている。第1液温目標値をこのように決めているのは、インジェクション管(30)の中間圧の値が室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)の内圧以下になると、インジェクション管(30)からの冷媒が室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)に流入しなくなると共に、油分離器(37)で分離した冷凍機油が室内用圧縮機(14b,14c)に戻らなくなるためである。
第2中間圧調節動作では、冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が基準値以下になるようにインジェクション通路(30)の中間圧の値が制御される。コントローラ(110)には、第2中間熱交換器(17)を通過した冷媒の温度の目標値として、基準値よりも小さい値の第2液温目標値(例えば5℃)が予め設定されている。第2中間圧調節動作中のコントローラ(110)は、液温度センサ(72)の計測値が第2液温目標値になるように、第2室外膨張弁(67)の開度を制御する。第2中間圧調節動作中は、第1中間圧調節動作中に比べて第2室外膨張弁(67)を通過後の冷媒の温度及び圧力が低くなるように、第2室外膨張弁(67)の開度が制御される。
また、第2液温目標値は、インジェクション管(30)の中間圧の値が庫内用圧縮機(14a,14c)の中間圧の圧縮室(73)の内圧よりも所定値だけ高くなる値に、決められている。第2液温目標値をこのように決めているのは、インジェクション管(30)の中間圧の値が庫内用圧縮機(14a,14c)の中間圧の圧縮室(73)の内圧以下になると、インジェクション管(30)からの冷媒が庫内用圧縮機(14a,14c)の中間圧の圧縮室(73)に流入しなくなると共に、油分離器(37)で分離した冷凍機油が庫内用圧縮機(14a,14c)に戻らなくなるためである。なお、第2液温目標値は、室内用圧縮機(14b,14c)が運転中であれば、インジェクション管(30)の中間圧の値が室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)の内圧以下になる値に、なっている。
続いて、庫内用圧縮機(14a,14c)の運転容量の制御について説明する。なお、コントローラ(110)は、冷蔵側及び冷凍側の庫内熱交換器(64a,64b)における冷却負荷の合計である庫内側負荷が比較的小さい場合には、第1圧縮機(14a)のみを庫内用圧縮機として第1圧縮機(14a)の運転容量を制御する。そして、庫内側負荷が第1圧縮機(14a)の運転容量の最大値を超えると、コントローラ(110)は、第3圧縮機(14c)が室内用圧縮機になっていれば庫内用圧縮機に切り換えて、第3圧縮機(14c)が停止中であれば第3圧縮機(14c)を起動させて、第1圧縮機(14a)及び第3圧縮機(14c)を庫内用圧縮機として、第1圧縮機(14a)の運転容量を制御する。
コントローラ(110)には、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)における冷媒の蒸発温度の目標値として、第1目標値(例えば−10℃)と第2目標値(例えば−8℃)とが予め設定されている。第2目標値は、第1目標値よりも高い値になっている。
コントローラ(110)は、第1中間圧調節動作中は、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)における冷媒の蒸発温度が第1目標値になるように第1圧縮機(14a)の運転容量を制御する第1動作を行うように構成されている。つまり、コントローラ(110)は、冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が基準値よりも高くなる場合に第1動作を行う。第1動作中のコントローラ(110)は、第1圧縮機(14a)の吸入冷媒の圧力を計測する第1吸入圧力センサ(19a)の計測値が第1目標値における冷媒の飽和圧力になるように、第1圧縮機(14a)の運転容量を制御する。
また、コントローラ(110)は、第2中間圧調節動作中は、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)における冷媒の蒸発温度が第2目標値になるように第1圧縮機(14a)の運転容量を制御する第2動作を行うように構成されている。つまり、コントローラ(110)は、冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が基準値以下になる場合に第2動作を行う。第2動作中のコントローラ(110)は、第1吸入圧力センサ(19a)の計測値が第2目標値における冷媒の飽和圧力になるように、第1圧縮機(14a)の運転容量を制御する。第2動作では、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)における冷媒の蒸発温度が第1動作時よりも高くなる。
ここで、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)における冷媒の蒸発温度の目標値が高くなると、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)を通過する冷媒の流量が減少するように第1圧縮機(14a)の運転容量が制御される。このため、庫内用圧縮機(14a,14c)では、冷媒の昇圧に必要なエネルギーが少なくなる。つまり、庫内用圧縮機(14a,14c)の消費エネルギーが少なくなる。また、冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高くなると、庫内用圧縮機(14a,14c)の吸入冷媒の圧力が高くなり、庫内用圧縮機(14a,14c)の吸入冷媒と吐出冷媒の圧力差が小さくなるので、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)における冷媒の蒸発温度の目標値が変化することなくただ単に冷蔵側の庫内熱交換器(64a)を通過する冷媒の流量が減少する場合に比べて、庫内用圧縮機(14a,14c)の消費エネルギーが少なくなる。このように、第2動作では、庫内用圧縮機(14a,14c)に吸入される冷媒の流量が減少すると共に、庫内用圧縮機(14a,14c)の吸入冷媒と吐出冷媒の圧力差を小さくなることによって庫内用圧縮機(14a,14c)の消費エネルギーが少なくなる。
また、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)では、流入する冷媒の温度が低くほど、入口と出口の冷媒のエンタルピ差を大きくできるので、単位流量当たりの冷媒の冷却能力が高くなる。このため、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)を通過する冷媒の流量を減少させたとしても、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)における冷却能力はそれほど大きく変化しない。本実施形態では、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)を通過する冷媒の流量をある程度は減少させることができることに着目して、庫内用圧縮機(14a,14c)の消費エネルギーが少なくなるように、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)における冷媒の蒸発温度の目標値が高い値に変更される。
続いて、ブースタ圧縮機(86)の運転容量の制御について説明する。
コントローラ(110)には、冷凍側の庫内熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度の目標値として、第3目標値(例えば−40℃)と第4目標値(例えば−38℃)とが予め設定されている。第4目標値は、第3目標値よりも高い値になっている。
コントローラ(110)は、第1動作の実行中は、冷凍側の庫内熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度が第3目標値になるようにブースタ圧縮機(86)の運転容量を制御するように構成されている。つまり、コントローラ(110)は、冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が基準値よりも高くなる場合に、冷凍側の庫内熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度が第3目標値になるようにブースタ圧縮機(86)の運転容量を制御する。第1動作中のコントローラ(110)は、ブースタ圧縮機(86)の吸入冷媒の圧力を計測する吸入圧力センサ(97)の計測値が第3目標値における冷媒の飽和圧力になるように、ブースタ圧縮機(86)の運転容量を制御する。
また、コントローラ(110)は、第2動作の実行中は、冷凍側の庫内熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度が第4目標値になるようにブースタ圧縮機(86)の運転容量を制御するように構成されている。つまり、コントローラ(110)は、冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が基準値以下になる場合に、冷凍側の庫内熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度が第4目標値になるようにブースタ圧縮機(86)の運転容量を制御する。第2動作中のコントローラ(110)は、吸入圧力センサ(97)の計測値が第4目標値における冷媒の飽和圧力になるように、ブースタ圧縮機(86)の運転容量を制御する。第2動作中は、冷凍側の庫内熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度が第1動作中よりも高くなる。
ここで、冷凍側の庫内熱交換器(64b)でも冷媒の蒸発温度の目標値が高くなると、冷凍側の庫内熱交換器(64b)を通過する冷媒の流量が減少するようにブースタ圧縮機(86)の運転容量が制御される。このため、ブースタ圧縮機(86)の消費エネルギーが少なくなる。また、冷凍側の庫内熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高くなると、ブースタ圧縮機(86)の吸入冷媒の圧力が高くなり、ブースタ圧縮機(86)の吸入冷媒と吐出冷媒の圧力差が小さくなるので、冷凍側の庫内熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が変化することなくただ単に冷凍側の庫内熱交換器(64b)を通過する冷媒の流量が減少する場合に比べて、ブースタ圧縮機(86)の消費エネルギーが少なくなる。
また、冷凍側の庫内熱交換器(64b)では、流入する冷媒の温度が低くほど、入口と出口の冷媒のエンタルピ差を大きくできるので、単位流量当たりの冷媒の冷却能力が高くなる。このため、冷凍側の庫内熱交換器(64b)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、冷凍側の庫内熱交換器(64b)を通過する冷媒の流量を減少させたとしても、冷凍側の庫内熱交換器(64b)における冷却能力はそれほど大きく変化しない。本実施形態では、低温側熱交換器(64b)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、冷凍側の庫内熱交換器(64b)を通過する冷媒の流量をある程度は減少させることができることに着目して、ブースタ圧縮機(86)の消費エネルギーが少なくなるように、冷凍側の庫内熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高い値に変更される。
但し、コントローラ(110)は、第2中間圧調節動作中であっても、庫内側負荷が所定の基準負荷以上になる場合には、第2動作を行わずに、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)における冷媒の蒸発温度が第1目標値になるように第1圧縮機(14a)の運転容量を制御する。つまり、庫内側負荷が基準負荷以上になる場合は、冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が基準値以下になっても、冷蔵側の庫内熱交換器(64a)における冷媒の蒸発温度の目標値が第1目標値に設定される。なお、コントローラ(110)は、例えば冷蔵側の庫内熱交換器(64a)が冷却する庫内の設定温度と、その庫内の実際の温度との差が所定の判定値以上になる場合に、庫内側負荷が基準負荷以上であると判断する。庫内の実際の温度としては、庫温センサ(126)の計測値が用いられる。
−運転動作−
次に、冷凍装置(1)が行う運転動作について運転の種類毎に説明する。この冷凍装置(1)は、7種類の運転モードを設定可能に構成されている。具体的には、<i>室内ユニット(50)の冷房のみを行う冷房運転、<ii>室内ユニット(50)の暖房のみを行う暖房運転、<iii>第1庫内ユニット(60a)と第2庫内ユニット(60b)での庫内の冷却のみを行う冷蔵冷凍運転(第2冷却運転)、<iv>第1庫内ユニット(60a)及び第2庫内ユニット(60b)での庫内の冷却と共に室内ユニット(50)での冷房を行う冷却冷房運転(第1冷却運転)、<v>室外熱交換器(15)を用いずに、第1庫内ユニット(60a)及び第2庫内ユニット(60b)での庫内の冷却と室内ユニット(50)での暖房とを行う第1冷却暖房運転(第2冷却運転)、<vi>第1冷却暖房運転で室内ユニット(50)の暖房能力が余るときに行う第2冷却暖房運転(第2冷却運転)、そして<vii>第1冷却暖房運転で室内ユニット(50)の暖房能力が不足するときに行う第3冷却暖房運転(第2冷却運転)が選択可能に構成されている。
〈冷房運転〉
冷房運転では、図3に示すように、第1四路切換弁(31)及び第2四路切換弁(32)が共に第1状態に設定された状態で、第2圧縮機(14b)の運転が行われる。各庫内膨張弁(63)は閉状態に設定される。冷房運転では、室外熱交換器(15)が凝縮器となって室内熱交換器(54)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。なお、冷房運転では、冷房能力が不足する場合に、第3圧縮機(14c)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)が第2状態に設定されて、第3圧縮機(14c)が室内用圧縮機を構成する。第1圧縮機(14a)は常に停止している。
具体的に、冷房運転では、第2圧縮機(14b)から吐出された冷媒が、室外熱交換器(15)で凝縮し、レシーバ(85)を経て室内回路(52)に流入する。室内回路(52)では、流入した冷媒が、室内膨張弁(53)で減圧された後に、室内熱交換器(54)で室内空気から吸熱して蒸発する。冷媒によって冷却された室内空気は店内空間へ供給される。室内熱交換器(54)で蒸発した冷媒は、第2圧縮機(14b)に吸入されて再び吐出される。なお、室内熱交換器(54)での冷媒の蒸発温度は、例えば5℃に設定される。この点は、以下の冷却冷房運転でも同じである。
〈暖房運転〉
暖房運転では、図4に示すように、第1四路切換弁(31)が第2状態に設定されて第2四路切換弁(32)が第1状態に設定された状態で、第2圧縮機(14b)の運転が行われる。各庫内膨張弁(63)は閉状態に設定される。暖房運転では、室内熱交換器(54)が凝縮器となって室外熱交換器(15)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。なお、暖房運転では、暖房能力が不足する場合には、第3圧縮機(14c)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)は第2状態に設定される。第1圧縮機(14a)は常に停止している。
具体的に、第2圧縮機(14b)から吐出された冷媒は、室内回路(52)に流入して、室内熱交換器(54)で室内空気に放熱して凝縮する。冷媒によって加熱された室内空気は店内空間へ供給される。室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒は、第1室外膨張弁(66)で減圧された後に室外熱交換器(15)で蒸発し、第2圧縮機(14b)に吸入されて再び吐出される。
〈冷蔵冷凍運転〉
冷蔵冷凍運転では、図5に示すように、第1四路切換弁(31)が第1状態に設定された状態で、第1圧縮機(14a)の運転が行われる。室内膨張弁(53)は閉状態に設定される。冷蔵冷凍運転では、室外熱交換器(15)が凝縮器となって各庫内熱交換器(64)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。なお、冷蔵冷凍運転では、庫内の冷却能力が不足する場合には、第3圧縮機(14c)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)が第1状態に設定されて、第3圧縮機(14c)が庫内用圧縮機を構成する。第2圧縮機(14b)は常に停止している。
具体的に、冷蔵冷凍運転では、第1圧縮機(14a)から吐出された冷媒が、室外熱交換器(15)で凝縮する。そして、室外熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、レシーバ(85)を経て、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)にそれぞれ分配される。
第1庫内回路(61a)では、流入した冷媒が、庫内膨張弁(63a)で減圧された後に、庫内熱交換器(64a)で庫内空気から吸熱して蒸発する。冷媒によって冷却された庫内空気は、冷蔵ショーケースの庫内へ供給される。また、第2庫内回路(61b)では、流入した冷媒が、庫内膨張弁(63b)で減圧された後に、庫内熱交換器(64b)で庫内空気から吸熱して蒸発する。冷媒によって冷却された庫内空気は、冷凍ショーケースの庫内へ供給される。庫内熱交換器(64b)で蒸発した冷媒は、ブースタ圧縮機(86)によって圧縮される。そして、庫内熱交換器(64a)で蒸発した冷媒と、ブースタ圧縮機(86)によって圧縮された冷媒とは、合流後に第1圧縮機(14a)に吸入されて再び吐出される。
〈冷却冷房運転〉
冷却冷房運転では、第1四路切換弁(31)及び第2四路切換弁(32)が共に第1状態に設定された状態で、第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)の運転が行われる。冷却冷房運転では、室外熱交換器(15)が凝縮器となって室内熱交換器(54)及び各庫内熱交換器(64)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
なお、冷却冷房運転では、室内ユニット(50)における冷房能力及び庫内ユニット(60)における冷却能力が足りている場合には、第3圧縮機(14c)の運転が停止される。また、庫内ユニット(60)における冷却能力が不足する場合には、図6に示すように、第3四路切換弁(33)が第1状態に設定されて第3圧縮機(14c)の運転が行われる。この場合、第3圧縮機(14c)は庫内用圧縮機となる。また、室内ユニット(50)における冷房能力が不足する場合には、図7に示すように、第3四路切換弁(33)が第2状態に設定されて第3圧縮機(14c)の運転が行われる。この場合、第3圧縮機(14c)は室内用圧縮機となる。
具体的に、冷却冷房運転では、第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)から吐出された冷媒が、室外熱交換器(15)で凝縮する。そして、室外熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、レシーバ(85)を経て、第1庫内回路(61a)、第2庫内回路(61b)、及び室内回路(52)に分配される。
第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)に分配された冷媒は、冷蔵冷凍運転と同様の流れで流通し、第1圧縮機(14a)に吸入されて再び吐出される。室内回路(52)に分配された冷媒は、冷房運転と同様の流れで流通し、第2圧縮機(14b)に吸入されて再び吐出される。
なお、冷却冷房運転は、室内熱交換器(54)と庫内熱交換器(64a)とで冷媒の蒸発温度が互いに相違する異蒸発温度の冷却運転となる。冷却冷房運転では、図8に示すように、冷蔵及び冷凍側の冷凍サイクルの低圧圧力が、冷房側の冷凍サイクルの低圧圧力よりも低くなる。冷蔵及び冷凍側の冷凍サイクルの中間圧の圧力が、冷房側の冷凍サイクルの中間圧の圧力よりも低くなる。
〈第1冷却暖房運転〉
第1冷却暖房運転では、図9に示すように、第1四路切換弁(31)が第2状態に設定されて第2四路切換弁(32)が第1状態に設定された状態で、第1圧縮機(14a)の運転が行われる。第1冷却暖房運転では、庫内の冷却能力が不足する場合に、第3圧縮機(14c)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)が第1状態に設定される。第1冷却暖房運転では、室内熱交換器(54)が凝縮器となって各庫内熱交換器(64)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。第1冷却暖房運転中は、第1庫内ユニット(60a)と第2庫内ユニット(60b)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(50)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスし、100%の熱回収が行われる。
具体的に、第1圧縮機(14a)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(54)で室内空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒は、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)にそれぞれ分配される。第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)に分配された冷媒は、冷蔵冷凍運転と同様の流れで流通し、第1圧縮機(14a)に吸入されて再び吐出される。
〈第2冷却暖房運転〉
第2冷却暖房運転は、第1冷却暖房運転の際に暖房能力が余っている場合に、図10に示すように、第2四路切換弁(32)を第2状態に切り換えることによって行われる。第2冷却暖房運転では、室外熱交換器(15)が凝縮器として動作する。第2冷却暖房運転時の設定は、第2四路切換弁(32)以外は、基本的に第1冷却暖房運転と同じである。
第2冷却暖房運転では、第1圧縮機(14a)から吐出した冷媒の一部が、室外熱交換器(15)に流入する。室外熱交換器(15)では、流入した冷媒が室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒と合流して、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)にそれぞれ分配される。第2冷却暖房運転では、第1庫内ユニット(60a)と第2庫内ユニット(60b)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(50)の暖房能力(凝縮熱量)とはバランスせずに、余る凝縮熱が室外熱交換器(15)で放出される。
〈第3冷却暖房運転〉
第3冷却暖房運転は、第1冷却暖房運転の際に暖房能力が不足する場合に、図11に示すように、第2四路切換弁(32)を第1状態に設定すると共に第1室外膨張弁(66)を開状態に設定した状態で、第2圧縮機(14b)の運転を行うことによって行われる。第3冷却暖房運転では、室内熱交換器(54)が凝縮器となって各庫内熱交換器(64)及び室外熱交換器(15)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
第3冷却暖房運転では、室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒が、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)だけでなく、室外熱交換器(15)側へ分配される。室外熱交換器(15)に分配された冷媒は、第1室外膨張弁(66)で減圧された後に室外熱交換器(15)で蒸発して、第2圧縮機(14b)に吸入されて再び吐出される。第3冷却暖房運転では、第1庫内ユニット(60a)と第2庫内ユニット(60b)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(50)の暖房能力(凝縮熱量)とはバランスせずに、不足する蒸発熱が室外熱交換器(15)で吸熱される。
〈インジェクション動作〉
本実施形態では、運転中に圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)に中間圧の冷媒を注入するインジェクション動作が行われる。以下では、冷却冷房運転中に第1圧縮機(14a)及び第3圧縮機(14c)が庫内用圧縮機を構成して第2圧縮機(14b)が室内用圧縮機を構成するときのインジェクション動作について説明する。
インジェクション動作では、第2室外膨張弁(67)が開状態に設定される。第2室外膨張弁(67)を開状態に設定すると、図6に示すように、第2液管(25)を流れる冷媒の一部が主注入管(30d)に流入する。主注入管(30d)では、流入した冷媒が第2室外膨張弁(67)で中間圧に減圧されることによって、その温度が低下する。第2室外膨張弁(67)で減圧された冷媒は、第2中間熱交換器(17)において第2液管(25)を流れる冷媒と熱交換を行う。第2中間熱交換器(17)では、主注入管(30d)の冷媒が加熱されて蒸発する一方で、第2液管(25)を流れる冷媒が冷却されて過冷却状態になる。そして、第2中間熱交換器(17)で蒸発した冷媒は、各分岐注入管(30a,30b,30c)を通じて各圧縮機(14a,14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)に注入される。
なお、この冷凍装置(1)では、第3冷却暖房運転でも、庫内用圧縮機(14a,14b)の中間圧の圧縮室(73)及び室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)の両方に中間圧の冷媒を注入するインジェクション動作が行われる。また、室内熱交換器(54)だけが蒸発器として動作する冷房運転では、室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)に中間圧の冷媒を注入するインジェクション動作が行われる。また、庫内熱交換器(64)だけが蒸発器として動作する冷蔵冷凍運転、第1冷却暖房運転及び第2冷却暖房運転では、庫内用圧縮機(14a,14b)の中間圧の圧縮室(73)に中間圧の冷媒を注入するインジェクション動作が行われる。
−実施形態の効果−
本実施形態では、庫内熱交換器(64a,64b)に流入する冷媒の温度がある程度低くなる場合には、庫内熱交換器(64a,64b)を通過する冷媒の流量をある程度は減少させることができることに着目して、庫内用圧縮機(14a,14c)及びブースタ圧縮機(86)の消費エネルギーが少なくなるように、庫内熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が高い値に変更されるようにしている。従って、庫内熱交換器(64a,64b)に流入する冷媒の温度が変化しても庫内熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度の目標値が一定である場合に比べて、冷凍装置(1)の運転効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、例えば冷却手段(100)が、冷却運転において二段膨張を行う冷媒回路(4)において冷凍サイクルの高圧から中間圧に冷媒を減圧する膨張弁(66)と、その膨張弁(66)で中間圧に減圧された冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する気液分離器(85)とにより構成されている場合に比べて、第2動作において、冷却後の冷媒の過冷却度を比較的大きくすることができるので、庫内熱交換器(64a,64b)に流入する冷媒の単位流量当たりの冷却能力を比較的大きく高めることが可能である。このため、第2動作中に庫内熱交換器(64a,64b)を通過する冷媒の流量を第1動作中に比べて大きく減らしても、庫内熱交換器(64a,64b)の冷却能力が大きく低下することがなく、第1目標値と第2目標値の差や、第3目標値と第4目標値の差を比較的大きくすることが可能である。従って、第2動作中の庫内用圧縮機(14a,14c)及びブースタ圧縮機(86)の消費エネルギーを比較的大きく削減することができるので、冷凍装置(1)の運転効率をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、第2冷却運転においては、第1冷却運転中のようにインジェクション管(30)の中間圧の値が室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)の内圧の制約を受けないので、インジェクション管(30)の中間圧の値を低下させることによって、庫内用圧縮機(14a,14c)の消費エネルギーが少なくなる第2動作が行われる。室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)の内圧の制約があるために冷却後の冷媒の温度を基準値以下できない第1冷却運転では第2動作は行われることなく、冷却後の冷媒の温度を基準値以下にできる第2冷却運転で第2動作が適切に選択される。従って、例えば室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)へ冷媒が注入されない事態が生じることなく、冷凍装置(1)の運転効率を向上させることができる。
ここで、第1冷却運転中に、仮に第2動作を行うために、インジェクション管(30)の中間圧の値を室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)の内圧よりも低くすると、油分離器(37)から流出した冷凍機油が、室内用圧縮機(14b,14c)には戻らなくなる。そして、室内用圧縮機(14b,14c)で冷凍機油が不足するおそれがある。しかし、本実施形態では、油分離器(37)から流出した冷凍機油を室内用圧縮機(14b,14c)に戻すことができない第1冷却運転では、コントローラ(110)が第2動作を行わない。従って、室内用圧縮機(14b,14c)に冷凍機油が戻らない事態を回避しつつ、冷凍装置(1)の運転効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、冷却後の冷媒の温度が基準値以下になる場合に、庫内熱交換器(64a,64b)における冷却負荷に応じて、庫内熱交換器(64a,64b)における冷却能力が高くなる方の動作と、庫内用圧縮機(14a,14c)及びブースタ圧縮機(86)の消費エネルギーが少なくなる方の動作とが使い分けられるようにしている。このため、庫内熱交換器(64a,64b)における冷却負荷がある程度高くなっているにも拘わらず、庫内用圧縮機(14a,14c)及びブースタ圧縮機(86)の消費エネルギーを少なくすることを優先して第2動作が行われることがなく、庫内熱交換器(64a,64b)が冷却する庫内の温度を所望の温度から離れることを回避できる。
−実施形態の変形例1−
実施形態の変形例1について説明する。この変形例1では、図12に示すように、冷却手段(100)が、冷凍サイクルの高圧から中間圧に冷媒を減圧する第1室外膨張弁(66)と、その第1室外膨張弁(66)で中間圧に減圧された冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する気液分離器(85)とから構成されている。第1室外膨張弁(66)は、室外熱交換器(15)とレシーバ(85)の間に配置されている。冷媒回路(4)では、冷却運転中に二段膨張が行われる。また、インジェクション管(30)は、レシーバ(85)の頂部に接続されている。この変形例1では、第1室外膨張弁(66)を通過後の中間圧の冷媒の圧力が低くなるほど、庫内熱交換器(64a,64b)へ供給される冷媒の温度は低くなる。
−実施形態の変形例2−
実施形態の変形例2について説明する。この変形例2では、2台の庫内ユニット(60a,60b)が共に冷凍用の庫内ユニットになっている。第1庫内ユニット(60a)のガス側は、上記実施形態では庫内用圧縮機(14a,14c)の吸入側に接続されているが、図13に示すように、この変形例2では第2庫内回路(61b)とブースタ回路(81)に接続されている。この変形例2では、両庫内熱交換器(64)が冷却用熱交換器を構成し、ブースタ圧縮機(86)が冷却用圧縮機を構成し、圧縮機構(40)の各圧縮機(14)が高段側圧縮機を構成する。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下の変形例のように構成してもよい。
−第1変形例−
第1変形例では、圧縮機構(40)が、図14に示すように、2台の圧縮機により構成されていてもよい。この場合、第3四路切換弁(33)は、冷蔵冷凍運転、第1冷却暖房運転及び第2冷却暖房運転では第1状態に設定され、冷房運転、暖房運転、冷却冷房運転及び第3冷却暖房運転では第2状態に設定される。
−第2変形例−
上記実施形態では、冷凍装置(1)が室内ユニット(5)及び庫内ユニット(60a,60b)を備えているが、冷凍装置(1)が庫内ユニット(60a,60b)だけを備えていてもよい。
−第3変形例−
第3変形例では、圧縮機(14)がスクロール圧縮機以外の圧縮機(ロータリ式圧縮機、スイング圧縮機等)により構成されている。
−第4変形例−
第4変形例では、冷凍装置(1)が、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高い値に設定される超臨界サイクルを行うように構成されていてもよい。この場合、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも低い値に設定される通常の冷凍サイクルでは凝縮器となる熱交換器が、ガスクーラとして動作する。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷却熱交換器へ供給される冷媒を冷却する冷却手段が設けられた冷凍装置について有用である。
図1は、実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路図である。 図2は、実施形態の圧縮機の流体機械の横断面図である。 図3は、実施形態における冷房運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 図4は、実施形態における暖房運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 図5は、実施形態における冷蔵冷凍運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 図6は、実施形態における冷却冷房運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 図7は、実施形態における冷却冷房運転時の別の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 図8は、実施形態における冷却冷房運転時のp−h線図である。 図9は、実施形態における第1冷却暖房運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 図10は、実施形態における第2冷却暖房運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 図11は、実施形態における第3冷却暖房運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 図12は、実施形態の変形例1に係る冷凍装置の冷媒回路図である。 図13は、実施形態の変形例2に係る冷凍装置の冷媒回路図である。 図14は、その他の実施形態の第1変形例に係る冷凍装置の冷媒回路図である。
符号の説明
1 冷凍装置
4 冷媒回路
14a 第1圧縮機(冷却用圧縮機)
14b 第2圧縮機(高温側圧縮機)
16 第1中間熱交換器(冷却手段)
17 第2中間熱交換器(冷却手段)
30 インジェクション管(冷却手段、インジェクション通路)
54 室内熱交換器(高温側熱交換器)
64a 庫内熱交換器(冷却熱交換器)
64b 庫内熱交換器(低温側熱交換器)
86 ブースタ圧縮機(低段側圧縮機)
100 冷却手段
110 コントローラ(制御手段)

Claims (7)

  1. 対象空間を冷却するための冷却熱交換器(64a,64b)と、該冷却熱交換器(64a,64b)で蒸発した冷媒を吸入する冷却用圧縮機(14a,86)とが設けられて、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(4)を備え、
    上記冷媒回路(4)において上記冷却熱交換器(64a,64b)が蒸発器として動作する冷却運転が行われる冷凍装置において、
    上記冷却運転中に上記冷却熱交換器(64a,64b)へ供給される冷媒を冷却するための冷却手段(100)と、
    上記冷却運転中に、上記冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が所定の基準値よりも高くなる場合に上記冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度が第1目標値になるように上記冷媒回路(4)を制御する第1動作と、該冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が上記基準値以下になる場合に該冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度が上記第1目標値よりも高い第2目標値になるように該冷媒回路(4)を制御する第2動作とを切り換えて行う制御手段(110)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記冷媒回路(4)では、上記冷却熱交換器(64a)が設けられた第1通路と、上記冷却運転において該冷却熱交換器(64a)よりも冷媒の蒸発温度が低い値に設定される低温側熱交換器(64b)、及び該低温側熱交換器(64b)で蒸発した冷媒を圧縮する低段側圧縮機(86)が設けられた第2通路とが互いに並列に設けられ、
    上記冷却運転では、上記冷却手段(100)によって冷却された冷媒が上記冷却熱交換器(64a)と上記低温側熱交換器(64b)に供給され、上記冷却用圧縮機(14a)が、上記冷却熱交換器(64a)で蒸発した冷媒と共に上記低段側圧縮機(86)から吐出された冷媒を圧縮する一方、
    上記制御手段(110)は、上記第1動作中は上記低温側熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度が第3目標値になるように上記冷媒回路(4)を制御し、上記第2動作中は該低温側熱交換器(64b)における冷媒の蒸発温度が上記第3目標値よりも高い第4目標値になるように該冷媒回路(4)を制御することを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    上記冷媒回路(4)には、上記冷却用圧縮機(86)から吐出された冷媒を圧縮する高段側圧縮機(14)が設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
    上記冷却手段(100)は、上記冷却用圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒を注入するためのインジェクション通路(30)と、該インジェクション通路(30)における中間圧の冷媒によって上記冷却熱交換器(64a,64b)へ供給される冷媒を冷却する中間熱交換器(16,17)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項4において、
    上記冷媒回路(4)には、上記冷却熱交換器(64a)よりも冷媒の蒸発温度が高い値に設定される高温側熱交換器(54)と、該高温側熱交換器(54)で蒸発した冷媒を吸入する高温側圧縮機(14b)とが設けられ、
    上記冷却熱交換器(64a)及び上記高温側熱交換器(54)が共に蒸発器として動作する第1冷却運転と、該冷却熱交換器(64a)のみが蒸発器として動作する第2冷却運転とが、それぞれ上記冷却運転の1つとして行われる一方、
    上記インジェクション通路(30)は、上記冷却用圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)だけでなく上記高温側圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)にも接続され、
    上記制御手段(110)は、上記第1冷却運転では、上記冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が上記基準値よりも高くなるように上記インジェクション通路(30)の中間圧の値を制御する第1中間圧調節動作と、上記第1動作とを行い、上記第2冷却運転では、該冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が該基準値以下になるように該インジェクション通路(30)の中間圧の値を制御する第2中間圧調節動作と、上記第2動作とを行うことを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
    上記制御手段(110)は、上記冷却熱交換器(64a,64b)における冷却負荷が所定の基準負荷以上になる場合は、上記冷却手段(100)によって冷却された冷媒の温度が上記基準値以下であっても、上記第2動作を行わずに、該冷却熱交換器(64a,64b)における冷媒の蒸発温度を第1目標値に設定することを特徴とする冷凍装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つにおいて、
    上記制御手段(110)は、上記冷却用圧縮機(14a,86)に吸入される冷媒の圧力が上記目標値における該冷媒の飽和圧力になるように上記冷却用圧縮機(14a,86)の運転容量を制御することを特徴とする冷凍装置。
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