JP2010023498A - インクジェット記録装置および記録画像の乾燥条件決定方法 - Google Patents

インクジェット記録装置および記録画像の乾燥条件決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット記録装置から排出された記録媒体上の画像の色の変化を実質的になくすことができるインクジェット記録装置および記録画像の乾燥条件決定方法を提供すること。
【解決手段】画像の色が、当該画像の色の経時的な変化が実質的になくなる安定色との色差ΔEが3以下の目標色となるまで、その画像の色を変化させるための乾燥条件を求める。そして、この乾燥条件に従って画像を乾燥させた後に、記録媒体を記録装置から排出させる。これにより、記録装置から排出された後の画像の色変化を、色差ΔEで3以下に抑えることができる、この結果、ユーザに色変化を認識させないようにすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録媒体にインクを付与して画像を記録するインクジェット記録装置および記録画像の乾燥条件決定方法に関するものである。
インクジェット記録装置による記録画像の品位は、吐出するインクの小液滴化、および光沢紙などの記録媒体を中心とした写真画質技術の飛躍的な向上により、発展を続けている。インクジェット記録装置によって画像が記録された記録媒体(記録物)、特に、水性の染料インクを使用して画像が記録された光沢紙は、その記録終了の直後から、記録画像の色調が時間と共に徐々に変化する。このような場合には、記録画像の色の安定に時間が掛かることが知られている。
記録媒体上のインクの乾燥を制御することは、記録画像の色の安定のみならず、様々な効果が期待されるため、従来から色々な乾燥手段および乾燥制御手段が提案されている。
例えば、特許文献1には、熱風や冷風等を用いる強制乾燥手段によって、記録媒体上のインクを乾燥させて、インクを早期に定着させる方法が記載されている。強制乾燥手段の動作の開始と停止は、記録画像における黒色の割合(黒率)に応じて制御される。
特許文献2には、インクの乾燥定着のための乾燥手段と、画像の記録に使用されたインクの量を検出する手段と、を設け、インクの使用量に応じて乾燥条件を制御することにより、インクの乾燥ムラを少なくして画像の濃度ムラを軽減する方法が記載されている。使用されたインク量の検出には記録率が用いられ、その記録率は、記録ヘッドの駆動パルス数をカウントすることによって求められ、または、記録媒体上の画像濃度を光学式反射率センサによって読み取った結果から推定される。
また、特許文献3には、入力画像データの濃度レベルを一画素毎の判定し、予め定めた単位の画像データに関して、その単位内における高濃度レベルと低濃度レベルの割合を算出し、その算出結果に応じて乾燥ヒータの強弱を制御する方法が記載されている。このような方法により、紙にダメージを与えず、余分なエネルギーも付与せずに、最適な乾燥状態を実現する。
特許文献4には、入力画像データに基づいてカウントしたドットの形成数から記録濃度を計算し、その記録濃度としきい値との比較結果に基づいて、記録媒体への記録速度、記録媒体の搬送速度、および乾燥条件などを変更する方法が記載されている。このような方法により、インクの未乾燥を防止して、その後のラミネーション工程に影響のない乾燥を実現する。
特開平7−178895号公報 特開2005−349632号公報 特開2000−062282号公報 特開2002−113853号公報 特開昭56−120508号公報
上記のような乾燥手段を用いた方法は、いずれも過不足のない乾燥を実現することが目的であるために、入力画像データから得られるインク打ち込み量や記録濃度に応じて乾燥条件を設定すれば十分である。そのため、画像の色安定性まで考慮した乾燥条件の設定は行われていなかった。
そのため、従来のインクジェット記録装置(特に、染料インクを用いる記録装置)では、その記録装置から排出された記録媒体上の画像の色が大きく変化してしまうことがあり、つまりは、ユーザの手元で画像の色変化が生じる場合があった。特に、水性染料インクと光沢紙の組合せを用いて画像を記録した場合には、記録終了直後からの画像の色変化が著しい傾向にある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、インクジェット記録装置から排出された記録媒体上の画像の色の変化を実質的になくすことができるインクジェット記録装置および記録画像の乾燥条件決定方法を提供することを目的とする。
本発明は、CIELAB表色系(CIE 1976(L*a*b*)色空間)においては、色差ΔEが3よりも大きいと人間の目にも色の違いが認識される、という知見に基づいてなされたものである。すなわち、CIELAB表色系において色差ΔEが3以下のときには色の違いが認識されないことを利用して、画像が記録された記録媒体が記録装置から排出されてから、その画像の色の変化が認識できないようにする。そのために、画像の色の経時的な変化が実質的になくなったときの色(以下、「安定色」という)との間の色差ΔEが3以下の色を「目標色」とし、記録直後の画像を乾燥させて、その画像の色を目標色まで強制的に変化させる。つまり、安定色(経時的な色変化がないとみなすことができる色)との色の違いが認識できなくなる程度にまで、画像の色変化を促進させる。そして、このような色変化の促進処理を終えてから記録媒体を排出する。これにより、記録媒体が排出されてからの画像の色変化をΔEで3以下に抑えることができ、この結果、ユーザに色変化を認識させないようにすることができる。
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体にインクを付与して画像を記録するインクジェット記録装置において、前記画像の色が、当該画像の経時的な色変化がないとみなすことができる色との色差ΔEが3以下の目標色となるように、前記画像の色を変化させるための乾燥条件を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された乾燥条件に従って前記画像を乾燥させるための乾燥手段と、前記乾燥手段によって乾燥された画像が記録された記録媒体を前記記録装置から排出させる排出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体にインクを付与して画像を記録するインクジェット記録装置において、前記記録媒体に記録された画像を乾燥させるための乾燥手段と、前記乾燥手段による乾燥条件を求めるためのテストパターンに関するデータに従って前記インクを前記記録媒体に付与することで、前記記録媒体上に前記テストパターンを記録するためのテストパターン記録手段と、前記テストパターン記録手段によって記録されたテストパターンの色を測定するための測定手段と、前記測定手段によるテストパターンの測定と前記乾燥手段によるテストパターンの乾燥とを繰り返すことにより、前記テストパターンの色が、当該テストパターンの経時的な色変化がないとみなすことができる色との色差ΔEが3以下の目標色となるように、前記テストパターンの色を変化させるための乾燥条件を求めるための条件決定手段と、前記条件決定手段によって求められた乾燥条件に従って前記乾燥手段により乾燥された画像が記録された記録媒体を前記記録装置から排出させる排出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体にインクを付与して画像を記録するインクジェット記録装置において、前記画像を乾燥させるための乾燥手段と、前記乾燥手段により乾燥された画像が記録された記録媒体を前記記録装置から排出させる排出手段と、を有し、前記乾燥手段は、前記排出手段により記録媒体が排出された後の画像の色変化が色差ΔEで3を超ないようにするべく、前記排出手段により記録媒体が排出される前の画像の色が当該画像の経時的な色変化がないとみなすことができる色に近づくように前記画像を乾燥させることを特徴とする。
本発明の記録画像の乾燥条件決定方法は、インクジェット記録装置によって記録媒体に記録された画像を乾燥させるための乾燥条件を決定する乾燥条件決定方法であって、前記画像の色が、前記画像の経時的な色変化がないとみなすことができる色との色差ΔEが3以下の目標色となるまで、前記画像を変化させるための乾燥条件を求める工程を含むことを特徴とする。
本発明の記録画像の乾燥条件決定方法は、インクジェット記録装置によって記録媒体に記録された画像を乾燥させるための乾燥条件を求めるための乾燥条件決定方法であって、前記乾燥条件を求めるためのテストパターンに関するデータに従って前記インクを前記記録媒体に付与することで、前記記録媒体上に前記テストパターンを記録する記録工程と、前記記録媒体上に記録されたテストパターンの色を測定する測定工程と、前記テストパターンを乾燥する乾燥工程と、前記測定工程と前記乾燥工程とを繰り返すことにより、前記テストパターンの色が、当該テストパターンの経時的な色変化がないとみなすことができる色との色差ΔEが3以下の目標色となるように、前記テストパターンの色を変化させるための乾燥条件を求める工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、記録装置から排出された後の記録媒体上の記録画像の色の変化を、CIELAB表色系の色差ΔEにおいて3以下に抑えることができる。その結果、記録画像の色の変化がユーザに認識されないようにすることができる。
本発明において適用可能なインクジェット記録装置の制御系の基本構成を説明するためのブロック図である。 乾燥条件を設定するために用いられるチェックパターンの一例について説明するための図である。 (a)、(b)、および(c)は、それぞれ、本発明において適用可能なインクジェット記録装置の構成を説明するための概略側面図である。 第1の実施形態における乾燥条件の設定動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態における乾燥条件の設定の仕方の一例を説明するための図である。 第2の実施形態における乾燥条件の設定の仕方の一例を説明するための概略側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明で適用可能なインクジェット記録装置の基本的構成の一例を示すブロック図である。
まず、図1において符号1は、インクジェット記録装置の各構成部へ命令を発して、各構成部を制御するCPU部である。このCPU部1には、電源部2、電源スイッチ3、インターフェース(I/F)4、記録部5、色検出部6、乾燥部7、メモリ8および搬送部19が接続されている。電源部2は各構成部へ電源供給を行ない、電源スイッチ3は、電源部2から各構成部への電源供給を制御する。I/F4は、文書作成装置または画像作成装置などの外部装置との間の信号のやりとりを行なう。記録手段としての記録部5は、I/F4とCPU部1を介して入力された画像データ等の信号に基づいて、搬送部19によって搬送される紙などの記録媒体上に、インクを付与して画像を記録する。
色検出部6は、記録部5によって記録媒体上に記録されたチェックパターン(乾燥条件設定用テストパターン)の色を検出(測定)する。詳しくは、検出部6は、CIELAB色空間(CIE 1976(L*a*b*)色空間)におけるLab値を測定可能な測色機6(図3(a)参照)を用いて、チェックパターンの色を検出する。そのLab値の測色機6としては、例えば、X−rite社のi1pro分光光度計を用いことができる。乾燥部7は、CPU部1からの命令により、必要に応じて、チェックパターンや実画像(所望の画像データに基づいて記録される画像)を記録するべく記録媒体上に付与されたインクを乾燥させるための乾燥手段である。インクを乾燥させることにより、記録画像(チェックパターンや実画像)の色の経時的な変化が促進される。したがって、乾燥部7は、記録媒体に記録された記録画像の色の経時的な変化を促進させるための処理を行う処理手段に相当する。
メモリ8は、ROMとRAMとで構成されている。ROMには、図2に示されるようなチェックパターンを記録するためのパターンデータ、図4のフローチャートに示されるような処理を実現するための制御プログラム、および図5に示されるような色変化の軌跡に関する情報等が格納されている。一方、RAMは、CPU部1による演算、判定、および設定処理等のためのワークエリアとして利用される。さらにRAMは、実画像データ(実画像を記録するための画像データ)や後述する記録媒体の乾燥条件等の各種情報を一時的に格納するために利用される。搬送部19は、記録媒体を搬送するための搬送手段を構成する。
図3(a)は、本実施形態におけるインクジェット記録装置100の概略構成図である。本例の記録装置100には、インクジェット記録ヘッド10を含む記録部5、測色機11を含む色検出部6、乾燥機12を含む乾燥部7、搬送ベルト13を含む搬送部19が配備されている。
搬送部19の搬送ベルト13は、紙などの記録媒体9を矢印Y1,Y2方向に搬送可能に構成されている。図3(a)から明らかなように、矢印Y1の搬送方向に沿って、記録ヘッド10、測定機11、および乾燥機12が配備されている。記録媒体9は、搬送ベルト13によって、記録ヘッド10と対向する記録位置(P0)、測定機11と対向する停止位置1(P1)、乾燥機12と対向する停止位置2(P2)、および排紙位置(P3)に搬送される。記録部5は、画像データに基づいて記録ヘッド10からインクを吐出することにより、記録位置(P0)の記録媒体9に画像(チェックパターンおよび実画像)を記録可能である。色検出部6は、停止位置1(P1)において、測色機11を用いて、記録媒体9上に記録されたチェックパターンの色をCIELAB色空間におけるLab値として測定する。乾燥部7は、停止位置2(P2)において、乾燥機12から記録媒体9に熱風または冷風を吹き付けることによって、画像(チェックパターンおよび実画像)が記録された記録媒体9を乾燥させる。
記録ヘッド10としては、例えば、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録ヘッド、またはピエゾ素子等の電気機械変換体(ヒータ)などを用いてインクを吐出する方式の記録ヘッドを用いることができる。前者の記録ヘッドは、電気熱変換素子の発熱によりインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して吐出口からインクを吐出することができる。この記録ヘッドを用いた場合には、ノズルの高密度化により記録画像の高精彩化が達成できる。記録ヘッド10は、記録部5に装着されることにより、記録装置との電気的な接続、および記録装置からのインクの供給、が可能となる交換可能な構成であってもよい。また、記録ヘッド10は、インクタンクが一体的に結合されたインクジェットカートリッジタイプのものであってもよい。
記録部5に含まれる記録ヘッドやインクタンクの種類および個数は、特に限定されるものではない。本実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを吐出可能な記録ヘッド、および、これら4色のインクを収容しているインクタンクを用いる。
また、記録部5における記録方式は特定されず、いわゆるシリアルスキャン方式やフルライン方式であってもよい。シリアルスキャン方式の場合には、記録媒体の搬送方向と交差する方向(例えば、直交する方向)に移動可能なキャリッジに、記録ヘッド10が搭載される。そして、記録ヘッド10と共にキャリッジを移動させつつ記録ヘッド10からインクを吐出する記録動作と、搬送ベルト13によって記録媒体を搬送する動作と、を繰り返すことにより、記録媒体上に順次画像を記録する。一方、フルライン方式の場合には、記録媒体の記録領域の最大幅に対応する長尺の記録ヘッドを用いる。そして、搬送ベルト13によって記録媒体を連続的に搬送しつつ、その記録媒体に向かって長尺の記録ヘッドからインクを吐出させることにより、記録媒体上に連続的に画像を記録する。長尺な記録ヘッドは、例えば、複数の記録ヘッドの組合せによって長さの条件を満たす構成のもの、または1つの記録ヘッドとして構成されたものなどであってもよい。
図2は、後述する記録媒体の乾燥条件を設定するために記録媒体に記録されるチェックパターン(「(乾燥条件設定用)テストパターン」ともいう)の一例を示した図である。本例のチェックパターンは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインクによってベタ記録されるパッチ部を含む。さらに、それらのインクの混色によってベタ記録されるレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、プロセスブラック(PcBk)のパッチ部を含む。本例の記録装置の場合、1つのインクによって1画素に形成するドットの形成数は最大1つ、つまりの最大の記録デューティーが100%である。そのため、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のパッチ部の記録デューティーは、100%である。また、レッド(R)のパッチ部は、記録デューティーが100%のマゼンタ(M)とイエロー(Y)のインクとによって記録され、合計の記録デューティーは200%となる。同様に、シアン(C)とイエロー(Y)のインクによって記録されるグリーン(G)のパッチ部、およびシアン(C)とマゼンタ(M)のインクによって記録されるブルー(B)のパッチ部の合計の記録デューティーは、それぞれ200%となる。また、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクによって記録されるプロセスブラック(PcBk)のパッチ部の合計の記録デューティーは300%となる。このように、それぞれのパッチ部は、記録装置における最大の記録デューティーで記録される。
記録装置によっては、最大の記録デューティーが100%を越えるものもある。例えば、1つのインクによって1画素にドットを最大2つ形成可能な記録装置は、最大の記録デューティーが200%となる。いずれの記録装置においても、パッチ部は最大の記録デューティーによって記録することが望ましい。チェックパターンを記録するためのパターンデータは、メモリ8に予め格納されている。チェックパターンの記録時には、メモリ8からパターンデータが読み出され、そのパターンデータにしたがってチェックパターンが記録される。
このようなインクジェット記録装置において、まず、電源スイッチ3をオンとすると、電源部2から各構成部へ電気が供給される。その後、イニシャル動作の1つとして、記録媒体の乾燥条件の設定処理を行なう。
以下、図4を参照しつつ、乾燥条件の設定処理(乾燥条件決定処理)の概要について説明する。
まず、CPU部1は、チェックパターンの記録開始命令と共に、メモリ8から読み出されたチェックパターン記録用のパターンデータを記録部5に送る。これと並行して、CPU部1は、搬送部19に対して、記録媒体の搬送命令を送る。記録部5は、CPU部1からの記録開始命令とパターンデータにしたがって、搬送部19によって記録位置(P0)に搬送された記録媒体9に対して、図2に示すようなチェックパターンを記録する(S1)。
その後、チェックパターンが記録された記録媒体(テストパターン記録後の記録媒体)を停止位置1(P1)まで搬送して(S2)、その記録直後のチェックパターンの色(Lab値)を測色機11により検出し(S3)、その検出結果をCPU部1に送る。その後、チェックパターンが記録された記録媒体を停止位置2(P2)まで搬送し、乾燥機12によって一定時間(例えば、a秒間)乾燥させる(S4)。その後、そのチェックパターンが記録された記録媒体を再び停止位置1(P1)まで搬送して、再度、そのチェックパターンの色(Lab値)を測色機11により検出し(S5)、その検出結果をCPU部1に送る。
メモリ8には、図5のような色変化(Lab値の変化)の軌跡情報(軌跡S、軌跡T)が格納されている。CPU1部は、測色機11の1度目と2度目の検出結果(測色されたLab値)に基づいて、メモリ8に格納されている軌跡情報の中から、チェックパターンの記録に用いたインクと記録媒体の組合せに対応する軌跡を特定する処理を行う(S6)。
図5のような色変化の軌跡情報は、種々のインクと種々の記録媒体との組合せを用いて記録した画像を自然乾燥させたときに、その画像のCIELAB色空間における色変化の軌跡(Lab値の変化の軌跡)に関する情報である。図5の例において、インクIsによって記録媒体Msに記録した画像の色は、自然乾燥されることにより軌跡Sを描くように変化し、24時間自然乾燥されたときの色が基準Lab値(Ls,as,bs)で示される色となる。また、インクItによって記録媒体Mtに記録した画像の色は、自然乾燥されることにより軌跡Tを描くように変化し、24時間自然乾燥されたときの色が基準Lab値(Lt,at,bt)で示される色となる。24時間自然乾燥された画像の色は、経時的な変化が実質的になくなる色(安定色)とみなすことができる。本例においては、その安定色のLab値を基準Lab値とする。
記録画像の色変化の軌跡や基準Lab値は、インクと記録媒体の組合せによって異なる。また、このようなCIELAB色空間における色変化の軌跡は、自然乾燥と強制乾燥のいずれの場合でもほぼ似た軌跡を辿る。上述したように、図5のような自然乾燥時におけるLab値の軌跡と、チェックパターンの1回目と2回目の測色結果(ステップS3,S5の検出結果)と、を比較する。これにより、そのチェックパターンの記録に用いたインクと記録媒体の組合せに対応する軌跡を判別することができる(S6)。さらに、それらのインクと記録媒体の組合せに対応する軌跡情報に含まれる基準Lab値をメモリ8から読み出すことができる。
例えば、チェックパターンの1回目と2回目の測色結果(Lab値)が軌跡Sに沿うように変化したときには、チェックパターンの記録にインクItと記録媒体Mtが用いられていると判定する。そして、それらの組合せに対応する軌跡Sに含まれる基準Lab値(Lt,at,bt)をメモリ8から読み出す。また、インクと記録媒体の組合せに対応する軌跡を特定する上においては、3回以上の測色を行なって、3つ以上の測色結果の変化と、色変化の軌跡と、を比較することが望ましい。前後の測色の間には、1回目の測色(S3)と2回目の測色(S5)との間と同様に、一定時間(例えば、a秒間)の乾燥処理が入る。このように3回以上の測色を行なうことにより、例えば、色変化の複数の軌跡(例えば、軌跡S,T)が近似している場合にも、それらの軌跡と3つ以上の測色結果の変化とを対応付けて、インクと記録媒体の組合せに対応する軌跡をより高精度に特定できる。色変化の複数の軌跡(例えば、軌跡S,T)としては、記録直後において互いに接近していて、その後の経過時間に対応する乾燥の進行に伴って、互いに離れる傾向のものもある。
なお、本実施形態では、メモリ8に2つの色変化の軌跡S,Tが格納されている場合について説明したが、メモリ8に格納可能な色変化の軌跡は2種類に限られるものではない。メモリ8に、記録装置によって使用可能な種々のインクと種々の記録媒体(例えば、普通紙、光沢紙など)の組合せに対応する、多数の色変化の軌跡に関する情報(基準Lab値を含む)が格納できることは勿論である。
再び図4に戻る。ステップS6による特定処理後にステップS7へ進み、測色結果に対応した軌跡が特定できたか否かを判定する(S7)。メモリ8に格納している軌跡の数には限りがあるので、チェックパターンの記録に用いられたインクと記録媒体の組合せに対応する軌跡がメモリ8に格納されていない場合も勿論あり得る。このような場合、測色結果に合致する軌跡が存在しないため、軌跡が特定されない。そして、軌跡が特定されなかった場合には、ステップS7から、ステップS14またはS15に移行する。ステップS14においては警報などを発するエラー処理を行い、ステップS15においては、所定の乾燥時間(例えば、一律c分間の乾燥時間)を過剰な乾燥条件として設定する処理(S15)に移行する。ここでc分間とは、どのインクと記録媒体の組合せにおいても、記録画像の色を安定色まで変化させる上において充分に長い過剰な乾燥時間である。
一方、ステップ7において軌跡が特定されたと判定された場合には、その軌跡に含まれる基準Lab値をメモリ8から読み出す。このようにメモリ8から基準Lab値を読み出した後は、その基準Lab値と、最新の測色結果(Lab値)と、を比較し、それらの色差ΔEが3以下であるか否かを判定する(S8)。つまり、基準Lab値からの色差ΔEが3以下となる色(以下、「目標色」という)まで、測色結果が変化したか否かを判定する。例えば、図5中の点線のように、基準Lab値(Ls,as,bs)を中心としてΔE=3を半径とする円を想定した場合、その円と軌跡Sとの交点におけるLab値が目標色に対応する。
基準Lab値との間の色差ΔEが3よりも大きければ、更に乾燥機12による乾燥をa秒間行なってから再度測色し(S9,S10)、先の判定処理(S8)に戻る。このように、基準Lab値との間の色差ΔEが3以下となるまで乾燥(S9)と測色(S10)を繰り返す。そして、その色差ΔEが3以下となったときに、乾燥を停止して記録媒体を排紙(S11)すると共に、それまでに要した合計の乾燥時間を乾燥条件として設定する(S12)。すなわち、ステップS4の乾燥を1回目(n=1)の乾燥とし、その後、必要に応じて繰り返されるステップS9の乾燥を2回目、3回目、・・・(n=2,3,・・・)の乾燥とした場合、合計の乾燥時間はn×a(秒)となる。その乾燥時間を実画像の記録動作(S13)における乾燥条件として設定する。
本例の場合は、図2中の計8つのパッチ部のそれぞれについて、乾燥条件としての乾燥時間を求める。そして、それらの乾燥時間の中で最も長い時間を、実画像を記録するときの乾燥条件として設定する。このような乾燥条件の設定を含むイニシャル動作が完了した後に、チェックパターンの記録に用いたインクと記録媒体を用いての、実画像の記録が実行可能な状態となる。
実画像の記録の際には、まず、文書作成装置または画像作成装置等の外部装置から、記録開始命令と画像データを含む情報がI/F4を介してCPU部1に入力される。CPU部1は、それらの記録開始命令と画像データに従って記録部5および搬送部9を制御し、搬送部9によって搬送された記録媒体9に対して記録部5からインクを吐出させ、記録媒体9に実画像を記録させる。次いで、CPU部1は、搬送部9を制御して、画像が記録された記録媒体9を乾燥部7まで搬送させる。
次いで、CPU部1は、上述したイニシャル動作で設定した乾燥条件に従って乾燥部7を制御して、実画像が記録された記録媒体に対する乾燥処理を実行させる。つまり、乾燥条件として設定された乾燥時間(n×a(秒))だけ、実画像が記録された記録媒体を乾燥部7によって乾燥させる。その乾燥処理が完了した後に、CPU部1は搬送部9を制御して、乾燥処理された記録媒体を記録装置から排出させる。したがって、実画像が記録された記録媒体は、その実画像の色が基準Lab値からの色差ΔEが3以下の目標色となってから排出されることになる。これにより、記録装置から排出された後の記録媒体上の実画像の色変化をΔEで3以内に抑えて、ユーザに色の変化を認識させないようにすることができる。
また、上述したように、図2における計8つのパッチ部のそれぞれについて求めた乾燥時間の内、最も長い時間を実画像の記録時の乾燥条件として設定することにより、実画像のどの部分の色も目標色となる。記録画像の色の変化は、インク中の水分の蒸発が影響すると考えられるため、本例のようにインクを強制的に乾燥させることは、記録画像の色を短時間で安定させるために効果的である。
また、本例においては、記録装置の最大の記録デューティーで記録したチェックパターンを用いて、乾燥条件を設定する。これにより、その記録装置によって如何なる実画像を記録した場合でも、記録装置から排出された後の記録媒体上の実画像の色変化をΔEで3以内に抑えることができる。
例えば、単色のパッチ部と同様に最大の記録デューティー100%で記録された単色画像の色が図6中の軌跡Aを描くように変化する場合、その記録デューティーが50%および10%のときには軌跡BおよびCを描く。単色のパッチ部は、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、またはブラック(K)のパッチ部である。軌跡A,B,Cの長さは、記録直後からの経過時間の長さにほぼ対応する。軌跡Aの場合は、24時間経過後に、経時的な変化が実質的になくなる色(安定色)に対応する基準Lab値となる。軌跡BおよびCの場合は、24時間のほぼ半分および10分の1の時間経過後に安定色に対応する安定Lab値となる。また、それらの軌跡A,B,Cにおいて、記録直後における色の変化は大きく、時間の経過に伴って色の変化の程度が小さくなり、安定色に達したときには経時的な色の変化が実質的になくなる。
また、複数のインクの混色によって記録する様々な色の画像は、混色するインクの組合せによって色変化の軌跡が異なる。つまり、画像を記録するインクの組合せによっては、その画像の記録直後から、その画像の色が安定色に達するまでの時間が異なる。例えば、プロセスブラック(PcBk)のパッチ部と同様に記録された画像は、合計の記録デューティーが300%と多くなるにも拘らず、記録直後から安定色に達するまでの経過時間が比較的短くなる傾向がある。
本例においては、記録装置の最大の記録デューティーで記録したパッチ部(単色および混色のパッチ部を含む)を用いて乾燥条件を設定するため、その記録装置によって記録可能な実画像の全てにおいて、色変化をΔEで3以内に抑えることが可能となる。
また、記録画像の色変化の軌跡の長さ、つまり記録直後から画像が安定色に達するまでの軌跡の長さが、記録直後からの経過時間の長さにほぼ対応することを利用して、乾燥条件の設定することもできる。すなわち、複数のパッチ部に対応する複数の色変化の軌跡に関する情報の中から、最も長い軌跡に関する情報を選定し、その情報のみに基づいて乾燥条件を設定することもできる。また、実画像の記録動作において、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクの内、3色のインクだけを用いる場合には、その3色のインクに関しての乾燥時間の中から、最も長い時間を乾燥条件として設定することができる。つまり、チェックパターンの記録に用いたインクの全てを用いることなく実画像を記録する場合には、実画像の記録に用いるインクに関しての乾燥時間の中から、最も長い時間を乾燥条件として設定することができる。これにより、実画像の記録動作に伴う乾燥時間を必要最小限に抑えることができる。実画像の記録動作に用いるインクは、実画像の記録データに基づいて検出することができる。
本例においては、記録装置の電源投入後、実際の記録動作の開始前に、チェックパターンを記録して乾燥条件(乾燥時間)を設定する。これは、チェックパターンを記録したときのインクと記録媒体の組合せによって、実画像を長時間記録することを想定したからである。
このような乾燥条件の設定動作は、記録装置の電源が投入される毎に自動的に行なってもよい。また、その設定動作をユーザの指示に基づいて実行するための制御モードを設け、その設定動作をユーザが望む任意の時期に実行できるようにしてもよい。例えば、急激な気象条件の変化により記録装置の周囲の湿度が上昇して、インクの乾燥が遅くなったために、その気象条件の変化の前に自動設定された乾燥条件では記録画像の色が安定しないおそれがある。このような場合などに備えて、上記のような制御モードを設けることが有効である。すなわち、ユーザのボタン操作などにより、必要な時期に乾燥条件の設定動作を実行させて、乾燥条件を再設定することができる。具体的なシーケンスとしては、乾燥条件の設定動作を実行させるためのユーザのボタン操作などがあったときに、図4の処理を実行させればよい。すなわち、ステップS1の処理を実行させて、記録媒体上の所定の位置に図2のチェックパターンを記録してから、ステップS2以降のシーケンスにしたがって処理を実行するようにすればよい。
図3(b)および(c)は、インクジェット記録装置100の他の異なる構成例を説明するための図である。図3(b)の構成においては、矢印Y1の搬送方向に沿って、記録ヘッド10、乾燥機12、および測定機11が配備されており、図3(c)の構成においては、乾燥機12内に測定機11が備えられている。このような構成においても図3(a)の構成の場合と同様に、前述したようなチェックパターンの記録動作を伴う乾燥条件の設定動作、および実画像の記録動作を実行することができる。図3(c)の構成の場合には、搬送ベルト13によって記録媒体9が停止位置3(P4)に搬送されたときに、測色機11による測色処理と、乾燥機12による乾燥処理と、を別々に、あるいは同時に行なうことができる。
(第2の実施形態)
本実施形態においては、乾燥条件を設定するに当たり、湿度・温度の環境条件をも加味する。そのため、第1の実施形態の記録装置の構成に対して、湿度センサおよび温度センサが設けられている。それ以外は、第1の実施形態と同じである。
本例の場合、湿度と温度の組合せが異なる4つの環境条件((1)低湿・低温、(2)低湿・高温、(3)高湿・低温、(4)高湿・高温)に応じて、乾燥条件を設定する。そのために、それら4つの環境条件毎に、図5のようなインクと記録媒体との組合せに対応する色変化の軌跡に関する情報を予め設定し、それを色変化軌跡の組合せテーブルとしてメモリ8に格納しておく。乾燥条件の設定の際には、まず、湿度センサおよび温度センサにより湿度および温度を検出し、これらの検出結果に基づいて、記録装置の環境が上記の4つの環境条件のいずれに該当するかを判定する。その後、第1の実施形態のようにチェックパターンを2回測色し、この2回の測色結果と、上記判定された環境条件に対応する色変化軌跡の組合せテーブルから、使用しているインクと記録媒体の組合せに対応する軌跡を特定する。そして、その特定した軌跡を利用して乾燥条件を設定する。
したがって、インクと記録媒体の組合せが同じで場合でも、湿度・温度の環境条件に応じて、より最適な乾燥条件を設定することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態においては、基準Lab値の求め方が第1の実施形態と異なる。
本例の場合は、図3(a)のような記録装置100の構成において、まず、搬送ベルト13によって記録位置(P0)に搬送された記録媒体9に対して、記録ヘッド10により図2のチェックパターンを記録する。次に、チェックパターンが停止位置2(P2)に位置するように、搬送ベルト13により記録媒体9を搬送し、その記録媒体9を乾燥機12によってt℃でd分間乾燥させてから、e分間放置する。例えば、60℃で10分間の乾燥を行ない、その後10分間放置する。
現在市販されているインクと記録媒体の組合せにおいては、60℃で10分間の乾燥を行なえば、記録画像の色の安定に充分な乾燥が行なわれると判断してもよい。また、乾燥し過ぎた場合には、インクと記録媒体が通常の温湿度になじむまでに10分程度の時間が掛かると予想される。このような理由から、60℃で10分間の乾燥を行なった後、10分間放置したときのチェックパターンの色のLab値は、前述した基準Lab値と同じであると判断できる。そして、本実施形態では、このようにして求めた基準Lab値を用いて乾燥条件を設定する。詳しくは、まず、60℃で10分間の乾燥を行なった後、10分放置したときのチェックパターンを測色し、その測色結果を基準Lab値としてメモリに格納する。次いで、そのチェックパターンを同じ条件で再度記録し、その2回目に記録したチェックパターンに対して、前述した実施形態と同様に測色と乾燥とを繰り返す。そして、その測色結果(Lab値)が、基準Lab値との色差がΔEで3以下に達するまでに要した乾燥時間を求める。
このように本例においては、チェックパターンを同じ条件で2回記録し、1回目に記録したチェックパターンに基づいて基準Lab値を求め、2回目に記録したチェックパターンに基づいて乾燥時間を求める。したがって、インクと記録媒体の組合せに対応する図5のような情報がメモリ8に格納されていない場合にも、そのインクと記録媒体の組合せに対応する乾燥条件を設定することができる。また、このように設定した乾燥条件は、インクと記録媒体の組合せに対応付けてメモリ8に格納することにより、後に、同じインクと記録媒体の組合せを用いて画像を記録する場合に、メモリ8から読み出して用いることもできる。この場合には、乾燥条件を設定するためにチェックパターンを記録する必要がなくなる。
(第4の実施形態)
本実施形態は、前述した第1の実施形態とは、図4のステップS7において否定判定されたときの処理が異なる。
本実施形態の場合は、図4のステップS7において、測色結果に合致した軌跡が特定できなかったと判定されたときに、そのチェックパターンを記録した記録媒体を24時間放置する。チェックパターンの記録に用いたインクと記録媒体との組合せに対応する軌跡情報がメモリ8に蓄積されていないときに、測色結果に合致した軌跡が特定できなかったと判定される。その後、そのチェックパターンを測色し、その測色結果を基準Lab値としメモリ8に蓄積する。その後は、前述した第3の実施形態と同様に、そのチェックパターンを同じ条件で再度記録し、その2回目に記録したチェックパターンに対して測色と乾燥とを繰り返す。そして、その測色結果(Lab値)が、基準Lab値との色差がΔEで3以下に達するまでに要した乾燥時間を求める。
(第5の実施形態)
上述した実施形態は、インクと記録媒体の組合せに対応した乾燥条件を記録装置内で求める構成となっている。しかし、その乾燥条件は記録装置外で求めてもよい。この場合には、まず、下記表1に示されるようにインク(Ia,Ib,Ic)と記録媒体(Ma,Mb,Mc)の組合せに対応した乾燥条件(C1〜C9)を記録装置外で求め、その求めた乾燥条件を記録装置のメモリ8に記憶させておく。乾燥条件(C1からC9)は乾燥時間である。
Figure 2010023498
記録装置に記録指令が入力されたら、実画像の記録に用いるインクと記録媒体に対応する乾燥条件をメモリ8から読み出する。そして、その読み出した乾燥条件(乾燥時間)に基づいて、実画像が記録された記録媒体を乾燥させる。
実画像の記録に用いるインクと記録媒体の種類は、それらが既知であればユーザが入力してもよい。インクと記録媒体の組合せが1種に固定されている場合には、使用するインクと記録媒体の組合せを判定する必要はなく、その組合せに対応する1つの乾燥条件を読み出して使用するだけでよい。これらの場合には、前述した実施形態のようにチェックパターンを記録する必要がなく、色検出部6も不要となるとなる。
また、実画像の記録に用いるインクと記録媒体の種をセンサにより検出して自動的に入力するようにしてもよい。また、前述した第1の実施形態と同様に、実画像の記録に用いるインクと記録媒体を用いてチェックパターンを記録する。そして、そのチェックパターンの測色結果と、図5のような色変化の軌跡に関する情報と、を照合することによって、インクと記録媒体の種類を判別するようにしてもよい。
(他の実施形態)
乾燥部7の乾燥方式としては、熱風乾燥、冷風(送風)乾燥、または自然乾燥などの方式を採用することができる。また、乾燥機内における記録媒体の搬送速度を調節することで乾燥時間を制御することもできる。また、乾燥部7の乾燥条件として、乾燥温度、熱風や冷風の送風量などを設定することもできる。また、乾燥部7としては、画像を強制乾燥させずに、自然乾燥させるものも含まれる。また、色を安定させる上においては、調湿手段を用いて、強制乾燥後の記録媒体を一時的に滞留させて調湿することが好ましい。
また、乾燥部7が記録装置内に設けられていて、色検出部6が記録装置内に設けられていない形態であってもよい。すなわち、記録装置内の乾燥部7により乾燥させた記録媒体を記録装置外へ排出した後に、この排出された記録媒体の記録画像(チェックパターンと実画像を含む)を記録装置外の色検出機器(Lab測定器)によって検出する形態であってもよい。
本発明は、記録媒体にインクを付与して画像を記録するインクジェット記録装置および記録方法に対して広く適用することができ、インクの付与方式や記録方式は限定されない。また、本発明において使用可能なインクセットは1種類であっても複数種類であってもよい。同様に、本発明の記録装置において使用可能な記録媒体は1種類であっても複数種類であってもよい。すなわち、本発明は、1種のインクセットと複数種の記録媒体を用いる形態、1種のインクセットと1種の記録媒体を用いる形態、複数種のインクセットと複数種の記録媒体を用いる形態のいずれも含むものである。
インクとしては、例えば、水性インクを含む種々のインクを用いることができ、また記録媒体としては、光沢紙を含む種々のものを用いることができる。本明細書において「光沢紙」とは、インクジェット適性を出すために、普通紙やレジンコート紙などの基材上に、インクを受容する受容層をコートし、表面に平滑性を出して光沢性を持たせた紙として定義されるものである。
また、本発明の効果を一層安定化させるために、記録装置に、記録ヘッドのインクの吐出性能を回復させる吐出回復手段、および補助手段等を備えることが好ましい。それらの手段としては、具体的に、吐出口が形成された記録ヘッドの吐出口面をキャップによってキャッピングするキャッピング手段、および吐出口面をワイピングするクリーニング手段を挙げることができる。さらに、記録ヘッド内のインクを加圧して、画像の記録に寄与しないインクを吐出口から排出させる加圧排出手段、上記のキャップ内に負圧を導入して、画像の記録に寄与しないインクを吐出口からキャップ内に吸引排出させる吸引排出手段も挙げることができる。また、画像の記録に寄与しないインクを吐出口から吐出(予備吐出)させる予備吐出手段も挙げることができる。また、インクを吐出させるための電気熱変換素子(ヒータ)とは別の電気熱変換素子(ヒータ)を加熱素子として用い、あるいは、それらの両方の電気熱変換素子(ヒータ)を用いて、記録ヘッド内のインクを加熱する予備加熱手段も挙げることができる。
また、本発明インクジェット記録装置の形態としては、コンピュータなどの情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、画像の読み取り機(リーダ)などと組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態等であってもよい。
以下、記録媒体の基材、記録媒体のインク受容層、およびインクの構成例について説明する。
(記録媒体の基材)
本発明において使用する記録媒体の基材として、特に限定されるものではない。例えば、適度のサイジングが施された紙、無サイズ紙、塗工紙、ポリエチレンなどを用いたレジンコート紙などの紙類からなるものを用いることができる。また、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレートおよびポリカーボネートなどの透明な熱可塑性樹脂フィルムを用いることもできる。さらに、無機物の充填または微細な発泡により不透明化されたフィルムからなるシート状物質(合成紙など)、さらにまた、布やガラスまたは金属などからなるシートなどを用いることもできる。また、これら基材とインク受容層との接着強度を向上させるため、基材の表面にコロナ放電処理や各種アンダーコート処理を施すことも可能である。
(記録媒体のインク受容層)
本発明に用いられる記録媒体においては、その基材の表面に、無機顔料と共にカチオン性樹脂およびポリエーテルを含有させてインク受容層を形成することができる。
使用可能なポリエーテルとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールやポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイドを挙げることができる。また、これら分子構造または分子量が異なるポリエーテルを複数種共重合した樹脂を用いたり、あるいは複数種を混合して用いることもできる。これらのポリエーテルの中では、ポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキサイドを好ましく用いることができる。
ポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキサイドの含有量は、インク受容層中の無機顔料に対して0.5〜10質量%が好ましい。さらに好ましくは、1〜5質量%の範囲である。その含有量が10質量%を超えても顕著な効果が発揮されず、むしろ記録した文字の品位が低下することがある。また、その含有量が0.5質量%未満では効果が十分に発揮されない。また、上記のポリエーテルの数平均分子量(Mn)は1,000〜50,000が好ましく、さらに好ましくは2,000〜30,000の範囲である。数平均分子量(Mn)が1,000以下では効果が十分には発揮されず、むしろ記録した文字の品位が低下することがあり、一方、それが50,000を超えると、インク受容層を形成する塗工液の粘度が高くなって、塗工性が低下する場合がある。
また、カチオン樹脂の例としては、ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルピリジニウムハライド、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリアクリルアミドのカチオン変性物あるいはアクリルアミドとカチオン性モノマーとの共重合体、ビニルピロリドン系モノマーと他の一般的なモノマーとの共重合体、ビニルオキサゾリドン系モノマーと他の一般的なモノマーとの共重合体、ビニルイミダゾール系モノマーと他の一般的なモノマーとの共重合体などが挙げられる。好ましくは、ポリアリルアミン酢酸塩重合物とポリアクリルアミド−ジアリルアミン塩酸塩共重合体であり、それらは、塗工液の安定性や文字の印刷品位向上効果に優れている。これらのカチオン性樹脂は、単独あるいは混合してもよく、さらには、上記のその他のカチオン性樹脂を複数混合して使用してもよい。
本発明に用いられる記録媒体は、以上の成分を含有する塗工液を調製し、その塗工液を基材の表面に塗工してインク受容層を形成することで得られる。そのインク受容層は、無機顔料と少量の水溶性樹脂から形成される空隙を有するものが好ましい。
その無機顔料としては、インク吸収能が高く、発色性に優れ、高品位の画像の記録を可能とする無機微粒子であることが好ましい。このような無機微粒子としては、例えば、炭酸マグネシウム、カオリン、ハイドロタルサイト、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、コロイダルアルミナ、水酸化アルミニウム、ベーマイト構造のアルミナ水和物および擬ベーマイト構造のアルミナ水和物、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、リトポン、ゼオライトなどが挙げられ、これらを単独あるいは複数種を併用することができる。これらの中でより微細な空隙が形成できるという点においては、アルミナ、ベーマイト構造または擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を用いるのこと好ましい。特に、BET比表面積が50m2/g以上の、アルミナ、ベーマイト構造または擬ベーマイト構造のアルミナ水和物がより好ましい。
そのアルミナ水和物としては、下記の一般式(1)により表されるものが使用できる。
Figure 2010023498
上式(1)中において、nは0、1、2または3の整数内のいずれかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でない値をとることができる。また、この種のアルミナ水和物を加熱するとmは0の値に達することがあり得る。
一般に、ベーマイト構造を示すアルミナ水和物の結晶は、その(020)面が巨大平面を形成する層状化合物であり、X線回折図形に特有の回折ピークを示す。ベーマイト構造としては、完全ベーマイトの他に擬ベーマイトと称する、過剰な水を(020)面の層間に含んだ構造を採ることもできる。この擬ベーマイトのX線回折図形は、完全なベーマイトよりもブロードな回折ピークを示す。完全ベーマイトと擬ベーマイトは明確に区別できるものではないため、以下においては、特に断らない限り、両者を含めてベーマイト構造を示すアルミナ水和物という。
特許文献5に開示されているベーマイト構造、つまりX線回折的に無定形のアルミナ水和物を、水の存在下で50℃以上で加熱処理することによってベーマイト構造に変えたものを用いることができる。特に好ましく用いることができる方法は、長鎖のアルミニウムアルコキシドに対して酸を添加して加水分解および解膠を行うことによって、アルミナ水和物を得る方法である。
ここで、長鎖のアルミニウムアルコキシドとは、例えば、炭素数が5以上のアルコキシドであり、さらに炭素数12〜22のアルコキシドを用いると、後述するようにアルコール分の除去およびアルミナ水和物の形状制御が容易になるため好ましい。添加する酸としては、有機酸および無機酸の中から1種または2種以上を自由に選択して用いることができ、加水分解の反応効率および得られたアルミナ水和物の形状制御や分散性の点においては、硝酸が最も好ましい。この工程の後に、水熱合成などを行って粒子径を制御することも可能である。硝酸を含むアルミナ水和物分散液を用いて水熱合成を行うと、水溶液中の硝酸がアルミナ水和物表面に硝酸根として取り込まれて水分散性を向上させることができる。
上記方法には、アルミナヒドロゲルやカチオン性アルミナを製造する方法と比較して、各種イオンなどの不純物が混入しにくいという利点がある。さらに、長鎖のアルミニウムアルコキシドは、加水分解後のアルコールが除去し易いため、アルミニウムイソプロポキシドなどの短鎖のアルコキシドを用いる場合と比較して、アルミナ水和物の脱アルコールを完全に行うことができるという利点がある。
また、塗工液を基材の表面に塗布して乾燥させることにより、記録媒体のインク受容層を形成することができる。その塗工液は、少なくとも前記の無機顔料、カチオン性樹脂およびポリエーテルからなる組成物を、必要に応じた量の水溶性樹脂および水性媒体と共に混合して調製することができる。
その塗工液に含有させる水溶性または水分散性の高分子化合物としては、例えば、澱粉、ゼラチン、カゼインおよびそれらの変性物、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはその変性物(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性など)、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸またはその共重合体、アクリルアミド系樹脂、無水マレイン酸系共重合体、ポリエステル系樹脂、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックスおよびこれらの各種重合体ラテックスにカチオン性基またはアニオン性基を付与した官能基変性重合体ラテックス類、が挙げられる。好ましくは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールで、平均重合度が300〜5,000のものが好適に用いられる。ケン化度は70〜100%未満のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。また、これらの水溶性または水分散性樹脂は、単独あるいは複数種混合して用いることができる。
このような塗工液中の無機顔料と水溶性樹脂の混合質量比は、好ましい範囲が1:1〜30:1、より好ましくは2:1〜12:1の範囲である。水溶性樹脂の量がこれらの範囲内であれば、形成されたインク受容層のひび割れや粉落ちが発生し難くなり、インク受容層のインク吸収性も良い。
また、インク受容層の皮膜の脆弱性を改善させるために、硬膜剤を使用してもよい。硬膜剤としては、様々なものを選択して用いることができる。硬膜剤の例としては、エポキシ系硬膜剤、アルデヒド系硬膜剤、活性ハロゲン系硬膜剤、活性ビニル系化合物、イソシアネート化合物、ホウ素化合物などが挙げられる。ポリビニルアルコールを使用する場合には、ホウ酸、その塩およびホウ砂から選ばれる硬膜剤を使用するのが好ましく、ホウ酸がより好ましい。ホウ酸の含有量は、インク受容層中の水溶性または水分散性の高分子化合物に対して0.1〜50質量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜30質量%である。その含有量が50質量%を超えた場合には、塗工液がゲル化し塗工適性が悪化することがあり、また、0.1質量%未満では硬膜剤としての効果が十分に発揮されない。
また、塗工液の基材となる水性媒体としては、水または水に混合可能な有機溶剤との混合溶液であれば特に制限はない。水に混合可能な有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類:エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類:アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類:テトラヒドロフランなどのエーテル類が挙げられる。
インク受容層を形成するための塗工液中の固形分濃度は、基材上にインク受容層を形成できる程度の粘度であれば特に制限はないが、塗工液全質量に対して5〜50質量%が好ましい。固形分濃度が5質量%未満の場合は、インク受容層の膜厚を厚くするのに塗工液量を増やす必要があり、乾燥に多くの時間とエネルギーを必要とすることから非経済的となる場合がある。また、50質量%を越えると塗工液の粘度が高くなり、塗工性が低下する場合がある。
このような塗工液を基材上に塗工する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアナイフコート法、ゲートロールコート法、バーコート法、サイズプレス法、スプレーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、ロッドブレードコート法、リップコート法、スリットダイコート法など、従来公知の塗工方法を用いことができる。また、必要に応じて、塗工後にカレンダーロールなどを用いてインク受容層の表面平滑性を向上させることも可能である。
基材上への塗工液の塗工量として好ましい範囲は、固形分換算で0.5〜60g/m2であり、より好ましい範囲は1.0〜50g/m2である。塗工量が0.5g/m2未満の場合には、形成されたインク受容層がインクの水分を十分に吸収できず、インクが流れたり、画像が滲んだりすることがある。一方、塗工量が60g/m2を超えると、乾燥時にカールが発生したり、記録性能に期待されるほど顕著な効果が現れない場合がある。
また、ポリエーテル化合物を使用する方法としては、以上説明したように直接塗工液に添加する方法や、無機顔料などによりインク受容層が形成された記録媒体にポリエーテル化合物を添加する方法があり、いずれの方法も適用可能である。後者の場合には、予め溶媒にポリエーテル化合物を溶解または分散させ、この溶液に記録媒体を浸漬、あるいはオーバーコートすることにより添加できる。
本発明に用いる記録媒体は、前記基材上に、これらの方法で塗工液を塗工し、熱風乾燥機、熱ドラム、遠赤外線乾燥機などの乾燥装置を用いて乾燥することにより得られる。また、基材上に設けられるインク受容層は、基材の片面もしくは両面に設けることが可能であり、両面の場合には、それらに設けられるインク受容層の組成が同じであっても異なっていてもよい。
また、記録媒体のインク受容層には、記録媒体としての性能を損なわない範囲において、着色染料、着色顔料、染料固着剤、分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動変性剤、界面活性剤、帯電防止剤、消泡剤、抑泡剤、剥離剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加することもできる。
(インク)
インクを形成する水溶性有機溶剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N−メチル−2−ヒロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素環状化合物等を挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、画像特性や吐出信頼性を悪化させない量で含有することができる。好ましくは、多価アルコール類や多価アルコール類のアルキルエーテル類であり、その含有量は、1〜30重量%であることが望ましい。インク中の純水の量については、50〜90重量%の間にあることが好ましい。
色材として用いる染料は、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建築染料等が挙げられる。これらの染料の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要求される特性、記録ヘッドの吐出量などに依存して決定されるが、一般的には、インクの全重量に対して0.5〜15重量%、好ましくは1〜7重量%の範囲とされる。
また、チオジグリコールや尿素(または、その誘導体)をインク中に添加することにより、記録ヘッドのインクの吐出特性や目詰まり(固着)防止効果が飛躍的に向上することが分かった。これらの添加により、染料のインク中への溶解性が良化するためと考えられる。チオジグリコールや尿素(または、その誘導体)の含有量は、好ましくは1〜30重量%であり、必要に応じて添加することができる。
1 CPU
5 記録部
6 色検出部
7 乾燥部
8 制御部
9 記録媒体
10 記録ヘッド
11 測色機
12 乾燥機
13 搬送ベルト

Claims (9)

  1. 記録媒体にインクを付与して画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記画像の色が、当該画像の経時的な色変化がないとみなすことができる色との色差ΔEが3以下の目標色となるように、前記画像の色を変化させるための乾燥条件を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された乾燥条件に従って前記画像を乾燥させるための乾燥手段と、
    前記乾燥手段によって乾燥された画像が記録された記録媒体を前記記録装置から排出させる排出手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記設定手段は、前記画像の記録に用いられる記録媒体とインクの組合せに応じて、前記乾燥条件を設定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記乾燥条件を設定するためのテストパターンに関するデータに従って前記インクを前記記録媒体に付与することで、前記記録媒体上に前記テストパターンを記録するためのテストパターン記録手段と、
    前記テストパターン記録手段によって記録されたテストパターンの色が、当該テストパターンの経時的な色変化がないとみなすことができる色との色差ΔEが3以下の目標色となるように、前記テストパターンの色を変化させるための乾燥条件を求めるための条件決定手段と、を更に備え、
    前記設定手段は、前記条件決定手段により求められた乾燥条件を前記乾燥条件として設定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記乾燥条件を設定するためのテストパターンに関するデータに従って前記インクを前記記録媒体に付与することで、前記記録媒体上に前記テストパターンを記録するためのテストパターン記録手段と、
    前記テストパターン記録手段によって記録されたテストパターンの色を測定するための測定手段と、
    前記測定手段によるテストパターンの測定と前記乾燥手段によるテストパターンの乾燥とを繰り返すことにより、前記テストパターンの色が、当該テストパターンの経時的な色変化がないとみなすことができる色との色差ΔEが3以下の目標色となるように、前記テストパターンの色を変化させるのに要する乾燥時間を求める条件決定手段と、を備え、
    前記設定手段は、前記条件手段により求められた前記乾燥時間を前記乾燥条件として設定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記画像の色の経時的な変化がないとみなすことができる色は、前記画像を24時間自然乾燥させたときの色であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 記録媒体にインクを付与して画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記記録媒体に記録された画像を乾燥させるための乾燥手段と、
    前記乾燥手段による乾燥条件を求めるためのテストパターンに関するデータに従って前記インクを前記記録媒体に付与することで、前記記録媒体上に前記テストパターンを記録するためのテストパターン記録手段と、
    前記テストパターン記録手段によって記録されたテストパターンの色を測定するための測定手段と、
    前記測定手段によるテストパターンの測定と前記乾燥手段によるテストパターンの乾燥とを繰り返すことにより、前記テストパターンの色が、当該テストパターンの経時的な色変化がないとみなすことができる色との色差ΔEが3以下の目標色となるように、前記テストパターンの色を変化させるための乾燥条件を求めるための条件決定手段と、
    前記条件決定手段によって求められた乾燥条件に従って前記乾燥手段により乾燥された画像が記録された記録媒体を前記記録装置から排出させる排出手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 記録媒体にインクを付与して画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記画像を乾燥させるための乾燥手段と、
    前記乾燥手段により乾燥された画像が記録された記録媒体を前記記録装置から排出させる排出手段と、を有し、
    前記乾燥手段は、前記排出手段により記録媒体が排出された後の画像の色変化が色差ΔEで3を超ないようにするべく、前記排出手段により記録媒体が排出される前の画像の色が当該画像の経時的な色変化がないとみなすことができる色に近づくように前記画像を乾燥させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. インクジェット記録装置によって記録媒体に記録された画像を乾燥させるための乾燥条件を決定する乾燥条件決定方法であって、
    前記画像の色が、前記画像の経時的な色変化がないとみなすことができる色との色差ΔEが3以下の目標色となるまで、前記画像を変化させるための乾燥条件を求める工程を含むことを特徴とする乾燥条件決定方法。
  9. インクジェット記録装置によって記録媒体に記録された画像を乾燥させるための乾燥条件を求めるための乾燥条件決定方法であって、
    前記乾燥条件を求めるためのテストパターンに関するデータに従って前記インクを前記記録媒体に付与することで、前記記録媒体上に前記テストパターンを記録する記録工程と、
    前記記録媒体上に記録されたテストパターンの色を測定する測定工程と、
    前記テストパターンを乾燥する乾燥工程と、
    前記測定工程と前記乾燥工程とを繰り返すことにより、前記テストパターンの色が、当該テストパターンの経時的な色変化がないとみなすことができる色との色差ΔEが3以下の目標色となるように、前記テストパターンの色を変化させるための乾燥条件を求める工程と、
    を含むことを特徴とする乾燥条件決定方法。
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